JP3922750B2 - 複合プラスチックキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部に固定される栓体と、該栓体に上下動可能に装着されたオーバーキャップとから成り、該オーバーキャップを引っ張り上げた状態で容器内容液の注出を行う所謂プッシュプルタイプの複合プラスチックキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
プッシュプルタイプのキャップは、これを容器から取り外すことなく片手で或いは口で容易に内容液を注出し得る状態にセットすることができ、例えば各種の飲料が充填されたスクイズボトル等に装着した形で特に広く使用されている。
【0003】
このようなキャップとして、例えば特開昭64−45266号公報には、栓要素と、該栓要素に対し可動な注入口付きキャップと、該キャップより取り外し可能であると共に取り外されない時キャップ移動を妨げる保証、又は不可侵帯とを有する、熱封止蓋を装着するネック部を有した容器のための注ぎ口付き栓装置が開示されている。この栓装置では、容器口部にシール部材である熱封止蓋2が設けられており、更に容器口部に栓要素4が固定される。また栓要素4には、ヒンジ結合9により上方に付勢された筒状体10が設けられ、筒状体10の下端にはナイフ14が一体に設けられていると共に、筒状体10の上部は、開口部を残して閉じられている。この筒状体10を覆う様にしてキャップ7が栓要素4に移動可能に装着されている。この場合、筒状体10の開口部はキャップ7によって閉じられ、キャップ7の注入口は、筒状体10によって閉じられるようになっている。更にキャップ7には、バンドに相当する保証帯3が設けられ、その移動が制限されている。
【0004】
即ち、上記栓装置では、保証帯3を取り外すことにより、キャップ7を降下させることが可能となり、その降下により、筒状体10もキャップ7と一体に降下する。従って、筒状体10と一体のナイフ14も降下し、容器口部を閉じている熱封止蓋2が破断され、容器口部が開封される。この状態で、キャップ7を上昇させると、筒状体10は、栓要素4にヒンジ連結されているため、上昇することなく降下位置に止まり、従ってナイフ14もその位置に止まり、また筒状体10の開口部及びキャップ7の注入口は開放され、容器内容液の注出が行われる。
【0005】
上記先行技術の栓装置は、容器口部をシールしている熱封止蓋2を破断するナイフ14が、内容液注出状態において破断位置に止まっているため、破断された熱封止蓋2の残片が再び容器口部を遮断するというトラブルが有効に防止され、安定して内容液の注出を行うことができるという利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記栓装置は、ナイフ14を備えた筒状体10を栓要素4に設けているため、容器口部をシールする部材(熱封止蓋2)を栓要素4とは全く別個に製造し、且つ容器口部に設ける必要がある。このため、該装置を構成する部品数が多く、製造コストが高く、また容器口部への装着作業も手間がかかるという欠点がある。またこの装置は、これを構成する栓要素4やキャップ7の形状等が複雑であるため、所謂無菌(アセプティック)充填法に適していないという問題がある。即ち、無菌充填法は、一般に液体の内容物を高温下で短時間殺菌後急冷し、別に殺菌処理された容器内に上記液体内容物を充填し、殺菌処理された容器蓋を装着して密封するというものである。この場合、容器や容器蓋の殺菌処理は、殺菌液での処理後、殺菌液を排出し、次いで無菌の洗浄水を用いての洗浄により行われる。上述した栓装置は、構成部品の形状が複雑であるため、殺菌液を除去するための洗浄水を多量に必要とし、しかも水切りも悪く、無菌充填法には極めて不適である。
【0007】
従って本発明の目的は、極めて簡単な構造を有し、製造コストや無菌充填性に優れ、しかも容器内容液の安定した注出を行うことが可能なプッシュプルタイプの複合プラスチックキャップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
容器口部に固定される栓体と、該栓体に上下動可能に装着されたオーバーキャップとから成る複合プラスチックキャップにおいて、前記栓体は、容器口部外周に係合固定される筒状側壁と、該筒状側壁の上端を閉じる天井壁とを備え、該天井壁には、スコアが形成されていると共に、該天井壁外面には、前記スコアを取り囲む様に直立環状壁が形成されており、前記オーバーキャップは、天面と、天面周縁部から垂下し且つ前記直立環状壁の外周部に沿って延びているスカート部と、該スカート部の下端部に弱化部を介して設けられたバンドとから成り、該天面には、前記直立環状壁の上端に対応する位置に、少なくとも1個の注ぎ口が形成されており、且つ該天面内側には、前記スコアを破断するための破断用突起が下方に延びていると共に、前記バンドを取り除いてオーバーキャップを押し下げると、前記破断用突起が栓体天井壁のスコアを突き破り、該オーバーキャップが最下方位置に到達した時に、天面の注ぎ口は直立環状壁の上端によって閉じられ、最下方位置からオーバーキャップを引き上げていくと、天面の上昇に伴って注ぎ口が開放され、前記破断用突起の下端が栓体天井壁の上面よりも上側に位置した状態でオーバーキャップが位置決めされて内容液の注出が行われ、
前記直立環状壁の外面には、オーバーキャップ係止用突起が形成され、前記オーバーキャップのスカート部内面に、前記オーバーキャップ係止用突起と係合する位置決め突起が形成され、
前記オーバーキャップのスカート部内面には、前記位置決め突起の上方に第1の周状小突起が形成され、オーバーキャップが最上方位置にある時に、前記位置決め突起と第1の周状小突起との間にオーバーキャップ係止用突起が挟持され、これによりオーバーキャップの位置決めがなされ、
前記スコアは、天井壁中心部から放射状に延びており、
前記放射状のスコアの外側端部を結んで多角形状乃至円形状にスコアが形成されている、ことを特徴とするキャップが提供される。
【0009】
本発明によれば、容器内容液の注出を行っている状態において、オーバーキャップに設けられている破断用突起の下端部が、栓体天井壁の上面よりも上側に位置した状態に保持されている。従って、破断用突起によるスコア破断によって垂れ下がった状態にある天井壁残片は、内容液の注出を行っている状態では上側にめくれ上がり、内容液の注出流路を遮ることがなく、常に一定の注出路が確保されて安定した注出を行うことが可能となる。特にスコアを多角形状とし、この多角形の各頂点から中心部に向けて放射状のスコアを形成すると、多角形の辺を構成している直線状のスコアをヒンジとして、放射状のスコアの破断により形成された天井壁残片が容易に上側にめくれ上がるので好ましい。
オーバーキャップのスカート部内面には、位置決め突起の上方に第1の周状小突起が形成され、オーバーキャップが最上方位置にある時に、位置決め突起と第1の周状小突起との間にオーバーキャップ係止用突起が挟持され、これによりオーバーキャップの位置決め、すなわち上昇が制限されるので、オーバーキャップは最上方位置に安定して位置決めされる。
また本発明の複合プラスチックキャップは、構成部品が栓体とオーバーキャップとの2部材のみであるから、製造コストの点で有利であり、また容器口部へのキャップの装着作業も容易である。しかも、スコアを破断するための破断用突起は、ヒンジ結合等の格別の手段を用いることなく、オーバーキャップに一体に設けられている。従って栓体は勿論のこと、オーバーキャップの形状も複雑ではなく、無菌充填法に極めて適している。即ち、これらの部材中には、液溜まりとなる溝がほとんど形成されていないから、殺菌処理に際して、殺菌液の除去のための洗浄水の使用量は可及的に少量でよく、また水切りも良好であるため、洗浄を短時間で行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の複合プラスチックキャップの一例を容器口部と共に示す図であって、図1中、(a)は上面図、(b)は半断面側面図、(c)は(b)の線A−Aに沿った断面図である。また図2は、図1のキャップにおいて、バンドを除去し、オーバーキャップを最降下位置に押し下げてスコアの破断を行った状態を示す図であり、図3は、図2の状態から、オーバーキャップを最上昇位置に引っ張り上げて内容液の注出を行っている状態を示す図である。
【0011】
図1において、この複合キャップは、容器口部50に固定される栓体1と、栓体1に装着されているオーバーキャップ2とから構成されている。
【0012】
栓体1は、筒状側壁5と、筒状側壁5の上端を閉じている天井壁6とから成っている。
筒状側壁5の内面には、容器口部50の外周に形成されている螺条51と係合する螺条7が形成されており、螺子係合により、栓体1が容器口部50に装着されるようになっている。また、筒状側壁5の下端部には、ラチェット機構等の係止機構が形成され、これにより、栓体1の容器口部50からの脱着が不能となっている。尚、この例では、螺子機構により栓体1が容器口部50に装着されるようになっているが、筒状側壁5と容器口部50との嵌合により、栓体1が容器口部50に固定されるような構造とすることも勿論可能である。
【0013】
また天井壁6の上面には、直立環状壁8が形成されている。この直立環状壁8は、オーバーキャップ2を装着し且つ該キャップ2の上下動する際の案内となるものであり、該環状壁8の外周部には、オーバーキャップ係止用突起9が形成されている。この係止用突起9は、通常、環状壁8の外周部の全体にわたって周状に形成されているが、周方向に適当な間隔をおいて複数形成しておくこともできる。
【0014】
更に環状壁8により取り囲まれている天井壁6の下面には、複数のスコア10が形成されている。これらのスコア10は、特に図1(c)によく示されている様に、放射状に延びている。図1(c)では、放射状のスコアを10aで示した。この放射状のスコア10aの中心部Pは、キャップの中心に位置しているのがよい。即ち、このスコア10aを破断することにより、容器口部50のシールが解除され、内容液の注出が行われるものである。
また放射状スコア10aの周囲には、これらと交わっているリング状のスコア10bを形成しておくのがよい。即ち、放射状スコア10aが破断された場合、天井壁6を構成していた壁部の残片(図1(c)において、10cで示す)は花弁状に開き、リング状のスコア10bを折り目として、スムーズに下方に垂れ下がり、内容液の注出路が形成されるからである。このリング状のスコア10bの形状は、多角形状とすることが開口を円滑に形成する点で好ましいが、この形状を円形状とすることも可能である。
さらに上述したスコア10a及び10bは、天井壁6の上面に形成することもできるが、これらスコアの破断によって形成される天井壁6の残片10cが上方に変形し易くするためには、図1に示す如く、天井壁6の下面に形成しておくのがよい。この点については、後述する。
【0015】
オーバーキャップ2は、天面15と、天面周縁部から垂下し且つ直立環状壁8の外周部に沿って延びているスカート部16とを備えており、スカート部16の下端部には、薄肉の弱化部17を介してバンド18が設けられている。
【0016】
特に図1(b)に明瞭に示されている様に、バンド18は、天井壁6の上面上に位置しており、ストッパーとして機能している。即ち、オーバーキャップ2は、バンド18の存在により、図1(b)の状態に安定に保持されている。
またバンド18には、摘まみ片20が設けられており、この摘まみ片20を持ってバンド18を引っ張ることにより、弱化部17を破断し、バンド18をスカート部16から除去し得るようになっている。
【0017】
またスカート部16の上部は、直立環状壁8の外周部と密着するように形成されていると共に、下端部内面には、アンダーカット21が形成されている。即ち、アンダーカット21が係止用突起9の下面と係合することにより、オーバーキャップ2の位置決め、即ち上昇が制限されている。このことから判る様に、アンダーカット21と係止用突起9との係合を強固にし、バンド18を取り除いてスカート部16の下端を捲り上げない限り、オーバーキャップ2を移動させることができないようにすれば、バンド18にタンパーエビデント(TE)性を持たせることができ、不正使用を防止する点でも好ましい。また、上記アンダーカット21の代わりに、バンド18の内面に周状突起を形成し、係止用突起9と係合させることも可能である。
【0018】
アンダーカット21の少し上には、第1の周状小突起22が形成され、さらにその上には第2の周状小突起23が形成されている。これら小突起22,23は、バンド18が除去された時のオーバーキャップ2の上昇動を規制し、該キャップ2の安定な位置決めを行うためのものである。これらの作用については、後述する。
【0019】
オーバーキャップ2の天面15には、直立環状壁8の上端面に対面する位置に、注出口25が形成されている。この注出口25は、少なくとも1個設けられていればよいが、一般的には、図1(a)の通り、適当な間隔を置いて、複数個(図1では6個)の注出口25を対称的に設けるのがよい。また注出口25の大きさは、内容液の適度な注出を行い得る限り、特に制限はない。
【0020】
また天面15の内面には、スカート部16からやや離れて環状リング26が形成されている。即ち、スカート部16と環状リング26との間に注出口25が位置するようになっており、またスカート部16と環状リング26との間に直立環状壁8の上端が嵌合し得るようになっている。これにより、注出口25の閉塞を確実に行うことができる。
【0021】
更に天面15の内面には、破断用突起27が設けられている。この破断用突起27は、栓体1の天井壁6のスコア10を破断するためのものであり、従って、その下端部は、スカート部16の下端よりも下側に突出していることが必要であるが、図1(b)に示す様に、バンド18が設けられている状態においては、スコア10が破断されないように、破断用突起27の下端部は、栓体1の天井壁6から離れていなければならない。
【0022】
また本発明においては、後述する図3に示されている様に、内容液の注出を行っている状態において、破断用突起27の先端部が、天井壁6の上面よりも更に上方に位置しているようにすることが重要である。これにより、スコア10の破断により、形成される天井壁6の残片10cによる注出路の遮断を有効に防止することが可能となる。また、このような位置設定は、破断用突起27の長さに応じて、環状壁8の外周部の係止用突起9の位置を適当に定めることにより、容易に行うことができる。
【0023】
また破断用突起27は、少なくとも下端部分がプラスのドライバー形状となっているのがよい。即ち、図1(a)に示されている様に、破断用突起27の平断面は、十字形形状であり、且つ図1(b)に示されている様に、その下部の側断面は、下方に向かって先細り状となっているのがよい。これにより、スコア10の破断により形成される残片10cによる注出路の遮断を一層有効に防止することができる。
また、スコア10の破断に寄与する破断用突起27の下部の径は、先に述べたリング状のスコア10bの径よりも小さくしておく。これよりも大きくすると、リング状のスコア10bも破断し、残片10cが容器内に落ちてしまうことがある。
【0024】
本発明の複合プラスチックキャップにおいて、容器内容液の注出は、図2及び図3に示す手順にしたがって行われる。尚、図2及び図3では、要部の印照数字のみを示し、一部の部分の印照数字は省略した。
【0025】
先ず複合キャップが容器口部50に装着された図1(b)の状態において、摘まみ片20を持ってバンド18を引っ張って、バンド18を除去する。この状態で、オーバーキャップ2を押し下げると、破断用突起27の下端は、天井壁6に食い込み、図2に示す様に放射状スコア10aが破断し、残片10cが花弁状に開いて垂れ落ち、内容液の注出路が形成される。
即ち、スカート部16の下端が天井壁6の上面に当接するまでオーバーキャップ2を押し下げると、第2の周状小突起23が係止用突起9を乗り越え、これと係合する。従って、オーバーキャップ2の上昇が規制され、オーバーキャップ2が図2に示す位置に保持される。
【0026】
一方、オーバーキャップ2の降下により、スカート部16と環状リング26との間に直立環状壁8の上端が嵌め込まれ、注出口25は閉じられる。従って、この嵌合と、第2の周状小突起23と係止用突起9の係合とによって、オーバーキャップ2はしっかりと位置固定されており、しかも直立環状壁8と環状リング26とが密着しているので、この状態で容器を傾けたり、倒立させた場合にも、注出口25から液漏れを生じることがない。
【0027】
図2の状態から、オーバーキャップ2を引っ張り上げて最上方位置に到達させると、図3に示す様に、直立環状壁8の上端と環状リング26との密着が解除され、従って注出口25は開放される。また第1及び第2の周状小突起22,23は係止用突起9を乗り越え、係止用突起9は、再びアンダーカット21と第1の周状小突起22との間に嵌め込まれ、オーバーキャップ2は、この位置で保持される。一方、スコア10の破断は既に行われており、残片10cは花弁状に開いているので、この状態で、内容液の注出が行われる。尚、この状態では、直立環状壁8の上端はスカート部16の内面と密着しているので、この部分から液漏れを生じることはない。
【0028】
ところで、図3の状態で内容液の注出を行うと、液圧により、下方にめくれた残片10cが再び上方にめくれ上がることがあり、特に容器がスクイズボトルの場合には、この傾向が顕著である。しかるに、本発明では、破断用突起27の先端部が、天井壁6の上面よりも上方に位置しているため、図3に示されている様に、破断用突起27が残片10cのめくり上がりを遮るおそれがなく、残片10cは、スコア10bをヒンジとして十分に上方にめくれ上がり、常に一定の注出路が確保されている。従って、内容液の注出を常に安定に行うことができる。
内容液の注出後は、再びオーバーキャップ2を押し込み、図2の状態に保持しておくことにより、再使用可能である。
【0029】
本発明において、上述した様に、オーバーキャップ2が最上昇位置に保持されている時に、破断用突起27の先端部が天井壁6の上面よりも上方に位置していることが必要であるが、天井壁6の上面に近接していると、内容液の注出時における残片10cのめくり上がりが不十分となり、例えば残片10cが図1(b)に極めて近い状態に保持され、注出路が遮断されるおそれがある。従って、破断用突起27の先端部は、残片10cの十分なめくり上がりが可能となる程度に天井壁6の上面よりも上方に位置せしめることが必要であり、スコアの破断により形成される残片10cの形状等に応じて、その高さを設定しておく。ただ、必要以上に上方に位置せしめると、スコアを破断するために、スコアの破断を行うために破断用突起27の降下距離を大きくしなければならず、この結果として、バンド18を大きなものとしなければならない等の不都合を生じるので、この点を考慮して、どの程度上方に破断用突起27の先端部が位置していればよいかを設定すべきである。
【0030】
本発明において、上述した複合プラスチックキャップは、種々のプラスチックにより形成され、例えばポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン1共重合体等のオレフィン樹脂;アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂;耐衝撃性スチレン樹脂;アクリル樹脂;ナイロン樹脂等、特に好ましくは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を使用し、栓体1及びオーバーキャップ2を、それぞれ射出成形、圧縮成形等により成形することにより製造される。
【0031】
上述した本発明においては、種々の設計変更が可能である。例えば図4に、本発明の他の態様の複合プラスチックキャップについて、バンド18が取り外され内容液の注出が可能となっている状態を示した。この図4に示されている様に、図1に比して環状リング26を長くし、環状リング26とスカート部16との間の空間内で直立環状壁8が上下動し得るようにすることができる。この場合、環状リング26には、その下端から上方に延びている切欠き部40を設ける。即ち、直立環状壁8の上昇位置では(図4(a)参照)、該環状壁8の内面は環状リング26の外面に密着しているが、切欠き部40が開放されており、この切欠き部40を介して、注ぎ口25が容器内空間と連通しており、内容液の注出を行うことができる。一方、直立環状壁8が降下位置に達すると(図4(b)参照)、該環状壁8の壁面によって切欠き部40が完全に閉じられ、注ぎ口25が閉じられた状態になる。この態様は、環状リング26が案内として有効に機能するので、オーバーキャップの押し下げ及び上昇の作業をスムーズに行うことができる。
【0032】
また上述した図1乃至図4の態様では、内容液の漏れを防止するために、直立環状壁8の外面がスカート部16の内面に密着するように形成されているが、例えばスカート部16と環状リング26との間に適当なインナーリングを設け、このインナーリングの内面が直立環状壁8の外面と密着するようにして液漏れを防止することもできる。この場合には、インナーリングと環状リング26との間の空間内に直立環状壁8の上部が嵌め込まれて上下動することになる。
【0033】
更にスコアの形状は、必ずしも図1(c)に示されているような形状とする必要はなく、スコアの破断により天井壁6の一部が容器内に落下しない限り、種々の形状とすることができる。例えばスコアを円弧状とすることができる。この場合には、スコアの破断により、天井壁6の一部が舌片状に垂れ下がり、開口が形成されることになる。
この場合のスコアの破断のための破断用突起27は、先端部を傾斜させるのがよい。即ち、突起27の傾斜部の下端側をスコアが形成されている部分に対面させ、傾斜部の上端側をスコアが形成されていない部分に対面させる。従って、突起27が最下方位置に達した場合に、その先端(傾斜部下端)は天井壁6よりも下側に食い込むが、傾斜部上端側は、天井壁6よりも上方に位置せしめるようにする。これにより、スコアの破断により天井壁6の一部が容器内に落下するトラブルが有効に防止される。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、スコア破断により形成される天井壁残片によって内容液の注出流路の遮断が行われることがなく、常に一定の流路が確保されているため、内容液の注出を安定して行うことができる。
また構成部品が栓体とオーバーキャップとの2部材のみであるから、製造コストや容器口部への装着作業の点で有利である。
さらに構成部材の形状は複雑でなく、これらの部材中には、液溜まりとなる溝がほとんど形成されていないので、殺菌処理を容易に行うことができ、無菌充填に極めて適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合プラスチックキャップの一例を容器口部と共に示す図であって、(a)は上面図、(b)は半断面側面図、(c)は(b)の線A−Aにおける断面図である。
【図2】図1のキャップにおいて、バンドを除去し、オーバーキャップを最降下位置に押し下げてスコアの破断を行った状態を示す図である。
【図3】図2の状態から、オーバーキャップを最上昇位置に引っ張り上げて内容液の注出を行っている状態を示す図である。
【図4】本発明の他の態様のキャップのバンドを取り外し、内容液の注出が可能となっている状態を示す図である。
【符号の説明】
1:栓体 2:オーバーキャップ
6:天井壁 8:直立環状壁8
9:オーバーキャップ係止用突起
10:スコア 10a:放射状スコア
10b:リング状スコア 10c:天井壁残片
16:スカート部 18:バンド
19:内方突起 21:アンダーカット
22:第1の周状小突起 23:第2の周状小突起23
25:注出口 26:環状リング
27:破断用突起27

Claims (6)

  1. 容器口部に固定される栓体と、該栓体に上下動可能に装着されたオーバーキャップとから成る複合プラスチックキャップにおいて、前記栓体は、容器口部外周に係合固定される筒状側壁と、該筒状側壁の上端を閉じる天井壁とを備え、該天井壁には、スコアが形成されていると共に、該天井壁外面には、前記スコアを取り囲む様に直立環状壁が形成されており、前記オーバーキャップは、天面と、天面周縁部から垂下し且つ前記直立環状壁の外周部に沿って延びているスカート部と、該スカート部の下端部に弱化部を介して設けられたバンドとから成り、該天面には、前記直立環状壁の上端に対応する位置に、少なくとも1個の注ぎ口が形成されており、且つ該天面内側には、前記スコアを破断するための破断用突起が下方に延びていると共に、前記バンドを取り除いてオーバーキャップを押し下げると、前記破断用突起が栓体天井壁のスコアを突き破り、該オーバーキャップが最下方位置に到達した時に、天面の注ぎ口は直立環状壁の上端によって閉じられ、最下方位置からオーバーキャップを引き上げていくと、天面の上昇に伴って注ぎ口が開放され、前記破断用突起の下端が栓体天井壁の上面よりも上側に位置した状態でオーバーキャップが位置決めされて内容液の注出が行われ、
    前記直立環状壁の外面には、オーバーキャップ係止用突起が形成され、前記オーバーキャップのスカート部内面に、前記オーバーキャップ係止用突起と係合する位置決め突起が形成され、
    前記オーバーキャップのスカート部内面には、前記位置決め突起の上方に第1の周状小突起が形成され、オーバーキャップが最上方位置にある時に、前記位置決め突起と第1の周状小突起との間にオーバーキャップ係止用突起が挟持され、これによりオーバーキャップの位置決めがなされ、
    前記スコアは、天井壁中心部から放射状に延びており、
    前記放射状のスコアの外側端部を結んで多角形状乃至円形状にスコアが形成されている、ことを特徴とするキャップ。
  2. 前記オーバーキャップのスカート部内面には、第1の周状小突起の上に第2の周状突起が形成され、オーバーキャップが前記最降下位置にある時に、第2の周状小突起とオーバーキャップ係止用突起の下側とが係合する請求項に記載のキャップ。
  3. 前記スコアは、天井壁の下面に形成されている請求項に記載のキャップ。
  4. 前記破断用突起の下端部は、プラスのドライバー形状に形成されている請求項1に記載のキャップ。
  5. 前記天面内側には環状リングが形成されており、前記オーバーキャップを降下させると、該環状リングの外周面とスカート部内面との間の空間内に、前記直立環状壁の上端が入り込んで前記注ぎ口を閉塞する請求項1に記載のキャップ。
  6. 前記天面内側には環状リングが形成されており、該環状リングの外周面とスカート部内面との間の空間内に、前記直立環状壁の上部が上下動可能に嵌合保持されていると共に、前記環状リングには、下端から上方に延びている切欠き部が形成されており、前記オーバーキャップの降下位置において、該切欠き部が該直立環状壁面によって閉じられ、前記オーバーキャップの上昇位置において、該切欠き部を介して注ぎ口が容器内空間と連通状態となって内容物の注出が行われる請求項1に記載のキャップ。
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