JP3919364B2 - 高視認性道路標識柱の塗装方法 - Google Patents

高視認性道路標識柱の塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、夜間視認性の高い再帰反射塗膜を有する道路標識柱の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車道と歩道の境界等に設置される道路標識柱、安全柵の支柱や道路側端等に設置される交通標識、安全標識の支柱(本発明においては、これらを道路標識柱という)は、夜間や暗所における視認性が不十分で、交通事故の原因となることが多い。
【0003】
夜間の視認性を高めるため、各種の交通標識体にはいわゆる再帰反射塗装が施され、或いは再帰反射シートが貼付されるが、その再帰反射材としては一般にガラスビーズが用いられる。また、さらに再帰反射性を高めるため、ガラスビーズ層の下側に反射層を設けて、ガラスビーズの光輝性を増大させることも広く行われている。
【0004】
例えば、特開昭63−229176号公報には、被塗装面接着層の表面にアルミニウム蒸着、メタリック塗装等により構成した反射層と、その表面の紫外線硬化塗料よりなるバインダー層と、バインダー層の固化前にガラスビーズを塗着した一層のガラスビーズ層と、さらにその表面に形成されたウレタン塗料の平坦な透明被覆層からなる、再帰反射塗装における塗装層構造が開示されている。
【0005】
また、特開平7−295487号公報には、基体上に形成された金属箔状顔料を含む光輝ベース層内に光再帰性反射材が一部埋込まれた光再帰性透明層と、その上に平滑な表面の透明保護層とを具備し、表面の平滑化により埃や汚れの付着を軽減する光再帰性反射塗膜が開示されている。
【0006】
さらに、特開平10−97208号公報には、支持体層の上に、球状透明体固着層、球状透明体、焦点樹脂層および反射層を積層して有する光再帰性反射シートにおいて、反射層が、主成分として80〜30重量%の樹脂と、20〜70重量%のアルミニウム粉末を含み、かつシートが伸びた時の反射輝度保持率を制御した光再帰性反射シートが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
道路標識柱は視認面積が小さく、夜間には運転者が見落し易いため、なるべく全長に亘って再帰反射塗装を施し、かつできるだけその再帰反射性(光輝性)を高めることが望ましい。また、道路標識柱は多数連設されるものであるから、再帰反射塗装の工程をできるだけ簡略化し、その塗装コストを低減することが望ましい。
【0008】
上記の特開昭63−229176号や特開平7−295487号公報のような再帰反射塗装の塗膜構造では、再帰反射材(通常はガラスビーズ)が透明樹脂層で被覆されており、この樹脂とガラスビーズの間で光が散乱するため、必ずしも光輝性が十分とは言い難い。
【0009】
また、これらの塗膜は、通常は反射層とバインダー層とガラスビーズ層と透明保護層を順次積層して形成するものであり、その塗装工程が複雑となり、かつ塗装所要時間が長くなって好ましくない。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、従来よりも再帰反射性(光輝性)に優れかつその塗装工程が簡単な再帰反射塗膜を有する道路標識柱と、その塗装を効率良く行う塗装方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、道路標識柱の再帰反射塗装について種々検討した結果、再帰反射材としてのガラスビーズの下部表面の30〜50%を、金属粉顔料とくにアルミニウム粉末を含有する反射樹脂層内に埋め込み、かつその表面の一部を樹脂層の外部に露出させることによって、その光輝性を大幅に増大させうることを知見した。また、反射樹脂層の上部に比較的薄い定着樹脂層を形成し、かつガラスビーズの粒径を適正に選択することにより、ガラスビーズの上部が露出していても、その剥離・脱落がほとんどないことを知見した。
【0012】
さらに本発明者らは、比較的速乾性の樹脂塗料を用いて反射層と定着層の樹脂塗膜を形成した後、塗膜の粘度が制御された条件下でガラスビーズの吹き付けを行うことにより、ガラスビーズを塗膜内の適正な深さに埋込みうることを知見した。
【0016】
本発明に係る高視認性道路標識柱の塗装方法の要旨は、
柱状基体表面に、金属粉顔料を含有する透明樹脂からなる反射層と、該反射層上に形成された透明又は着色剤入り樹脂からなる定着層と、粒径70〜150μmで屈折率1.8〜2.0のガラスビーズを、その一部が前記反射層及び定着層内に埋没・固着しかつ一部が定着層外に露出するように、略一層に密に敷きつめて形成されたガラスビーズ層とからなる再帰反射塗膜を有する道路標識柱の塗装方法であって、
柱状基体表面に金属粉顔料を含有する透明樹脂塗料を20〜80μmの厚みに塗布して前記反射層を形成する第一塗装工程と、次いで該反射層塗膜が所定の粘度になるまで放置した後、その表面に透明又は着色剤入り樹脂塗料を10〜50μmの厚みに塗布して前記定着層を形成する第二塗装工程と、さらに該定着層塗膜が所定の粘度になるまで放置した後、その表面に前記のガラスビーズをエアブラスト法又は静電粉体塗装法により吹き付けて、該ガラスビーズを前記反射層及び定着層内に貫入・固着させるガラスビーズ層形成工程とを具備することを特徴とする高視認性道路標識柱の塗装方法である。
【0017】
また、前記第二塗装工程の塗装開始時の反射層塗膜の粘度を50〜500ポアズとし、かつガラスビーズ吹き付け時の定着層塗膜の粘度を1〜50ポアズとすることを特徴とする上記の高視認性道路標識柱の塗装方法である。
【0018】
さらに、略水平に保持された柱状基体をその周方向に回転させつつ所定速度で長手方向に移動させ、移動方向上流に配した第一スプレーノズルにより前記第一塗装工程の塗装を行い、その下流に所定の間隔をおいて配した第二スプレーノズルにより前記第二塗装工程の塗装を行い、さらにその下流に所定の間隔をおいて配したガラスビーズのブラストノズル又は静電粉体塗装ノズルによりガラスビーズ層を形成することを特徴とする上記のいずれかの高視認性道路標識柱の塗装方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の道路標識柱の再帰反射塗膜の断面構造例を示す。この塗膜は、下地調整された柱状基体1の表面に、金属粉顔料を含有する透明樹脂からなる厚み20〜80μの反射層2と、その表面に形成された透明又は着色剤入り樹脂からなる厚み10〜50μmの定着層3と、ガラスビーズ4をその一部が反射層2及び定着層3内に埋没・固着しかつ一部が定着層3から露出するにように、略一層に密に敷きつめて形成されたガラスビーズ層とから構成されている。
【0020】
ガラスビーズ4には、粒径70〜150μmで、屈折率1.8〜2.0のものを用いる。ガラスビーズの粒径dを上記の範囲にに限定する理由は、後記実施例に示すように、dが70μm未満では再帰反射性が低下し、dが150μmを越えると、ガラスビーズ層形成工程においてガラスビーズの吐出安定性と固着効率が低下することに加えて、塗膜から剥離・脱落し易くなるためである。なお本発明においては、ガラスビーズの粒径範囲は狭い方がよく、より好ましい粒径範囲は100〜120μmである。
【0021】
また、屈折率nを1.8〜2.0に限定する理由は、nが1.8未満では、ガラスビーズ表面における入射光、反射光の散乱が多くなり、nが2.0を超えると、入射光の焦点位置が深くなって、共に再帰反射性が低下するためである。
【0022】
反射層2の厚みを20〜80μmとするのは、この範囲外では、後記実施例に示すように再帰反射性が低下するためである。その理由は、ガラスビーズ4が反射層2の底部又はその近くまで埋込まれた時に、その下部表面の30〜50%程度が反射層2と接している場合に最も反射率が高くなることによると考えられる。なお、より好ましい反射層厚みの範囲は40〜60μmである。
【0023】
また、定着層3の厚みを10〜50μmとするのは、これ未満ではガラスビーズ4が塗膜から脱落し易くなり、これを超えると、ガラスビーズの露出面積が小さくなって、再帰反射性が低下するためである。定着層についても、より好ましい厚みの範囲は20〜40μmである。
【0024】
反射層2を形成する透明樹脂は、接着性に優れかつある程度の耐候性や機械的特性を有するものであればよく、例えば、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、シリコン系、アルキド系、フッソ系等の樹脂を用いることができる。中でもウレタン系樹脂が接着性、耐候性、経済性等の観点からとくに好適である。
また定着層3を形成する樹脂は、耐候性、耐黄変性、耐チョーキング性と耐ハンドリング性に優れたものが好ましく、とくにウレタン系又はフッ素系樹脂が好適である。
【0025】
反射層2の樹脂中に含有される金属粉顔料には、アルミニウム、銅、錫、銀等の箔を粉末にした顔料を用いることができるが、光輝性と入手の容易さからアルミニウム粉末が最適であり、その濃度は固化状態の反射層に対する重量比で20〜40%であることが望ましい。
【0026】
また、定着層3を形成する樹脂は透明であってもよいが、一般には所定の外見色を得るため着色剤を添加する。道路標識柱は通常白色に塗装されるが、定着層の厚みが10μm以上であれば、白色顔料を通常の条件で添加して、十分に白色の外観を得ることができる。
【0027】
なお、道路標識柱の柱状基体1には、各種の金属製、合成樹脂製等のものを用いることができるが、一般には鋼製であり、再帰反射塗装に先立って下地調整する必要がある。下地調整は、例えばサビ落し、汚れ除去、軽研磨等の下地処理を施し、必要に応じてポリエステル系、ウレタン系等の樹脂塗料により下地塗装すればよい。
【0028】
本発明の塗装方法は、上記の再帰反射塗膜を比較的簡単な工程で効率良く形成するためのもので、反射層を形成する第一塗装工程と、定着層を形成する第二塗装工程と、ガラスビーズ層形成工程とから構成される。
【0029】
第一塗装工程は、下地調整された柱状基体表面に、金属粉顔料とくにアルミニウム粉末を含有する透明樹脂塗料を塗布して、厚み20〜80μmの反射層を形成するステップである。また第二塗装工程は、反射層塗膜を所定時間放置してその粘度が所定の値になった後、透明又は着色剤入り樹脂塗料を塗布して、厚み10〜50μmの定着層を形成するステップである。
【0030】
第一塗装工程及び第二塗装工程の塗装方法はとくに限定を要しないが、塗膜厚みの制御が容易な方法、例えばエアスプレー法や静電塗装法によるのが好ましい。これらの方法で、塗料の供給速度と塗装時間を調節することにより、容易に所定膜厚の塗膜を形成することができる。
【0031】
次いで、定着層塗膜を所定時間放置してその粘度が所定の値になった後、所定粒径、所定屈折率のガラスビーズを用い、エアブラスト法又は静電粉体塗装法によりガラスビーズ層を形成する。塗膜の粘度が適正な状態で、これらの方法によりガラスビーズを吹き付ければ、ガラスビーズは反射層の底部又は底部近くまで貫入し、固着される。2層以上に積み重なったガラスビーズは、樹脂塗料で接着されていないため容易に除去することができ、略一層に密に敷きつめられたガラスビーズ層を形成することができる。
【0032】
本発明において、ガラスビーズの供給、圧着方法をエアブラスト法又は静電粉体塗装法に限定する理由は、他の方法例えばローラー圧着法等では、樹脂塗料及びガラスビーズが横方向に流動して、定着層から露出しているガラスビーズ表面にも樹脂が付着するためである。
【0033】
本発明者らの知見によれば、第二塗装工程の塗装開始時の反射層塗膜の粘度は50〜500P(ポアズ)で、ガラスビーズの吹き付け開始時の定着層塗膜の粘度は1〜50Pであることが望ましい。
【0034】
第二塗装工程の塗装開始時の反射層塗膜の粘度が50Pより低いと、第二塗装工程で反射層塗膜中のアルミニウムが侵出、混入するおそれがあり、500Pより高いとガラスビーズの貫入が不十分になるおそれがあるためである。同様に、ガラスビーズ吹き付け時の定着層塗膜の粘度が1Pより低いと、ガラスビーズ層形成工程で定着層厚みが変化したりガラスビーズの固着率が低下するおそれがあり、50Pより高いとガラスビーズの貫入が不十分になるおそれがあるためである。
【0035】
本発明の塗装方法では、各塗装工程及びガラスビーズ層形成工程間の時間間隔をかなり正確に制御することが課題となる。請求項6の本発明は、この課題を解決するためになされたもので、図2はこの塗装方法の説明図である。
【0036】
同図において、下地調整された柱状基体1は、回転しつつ所定速度で移動可能な基体把持具5によりその一端を把持されており、周方向に回転しつつ長手方向に略水平に移動する。移動方向上流に前記第一塗装工程の塗装を行う第一スプレーノズル6が、その下流に所定の間隔をおいて前記第二塗装工程の塗装を行う第二スプレーノズル7が配され、さらにその下流に近接して所定の間隔でガラスビーズ用の静電粉体塗装ノズル(又はブラストノズル)8が配置されている。
【0037】
スプレーノズル6、7及び静電粉体塗装ノズル8は、柱状基体1の上面に配しても側面に配してもよく、それぞれ単数であっても、複数個近接して配置してもよい。各ノズルは、柱状基体1の先端が通過する時点で塗装又は吹き付けを開始し、後端が通過した時点で塗装又は吹き付けを終了する。
【0038】
第一スプレーノズル6と第二スプレーノズル7の間隔及び第二スプレーノズル7と静電粉体塗装ノズル8の間隔は、樹脂塗料の硬化条件と柱状基体の移動速度を考慮して適宜定めればよい。
【0039】
本発明の一実施例においては、径約8cmの長尺の道路標識の支柱を塗装するに際して、反射層、定着層共に2液型ポリウレタン樹脂塗料を用い、柱状基体の移動速度を約1m/min とし、スプレーノズル6と7の間隔を2〜5m、スプレーノズル7と静電粉体塗装ノズル8の間隔を0.2〜0.5mとした結果、第二塗装工程の塗装開始時の反射層塗膜の粘度及びガラスビーズ吹き付け時の定着層塗膜の粘度は、共に前記の範囲内になることが確かめられた。また、塗膜厚みを制御するには、樹脂塗料の塗着率を考慮して、塗料の供給速度を制御すればよいことが確かめられた。
【0040】
図2に示すような塗装方法をとることにより、長尺の道路標識柱の再帰反射塗装に要する時間は、長さ1m当り3〜4分以下となった。またこの方法では、塗膜厚みの制御や各工程間の時間間隔の制御が容易なため、一定の性状を有する再帰反射塗膜を安定して形成することが可能になった。
【0041】
なお本発明は、再帰反射塗装を要する各種の柱状の道路設置物に適用することができ、本発明でいう道路標識柱は、いわゆる道路標識柱の他、道路標識や照明灯等の支柱、ガードレールの支柱やペーブフェンス等も含むものである。
【0042】
【実施例】
幅70mm、長さ150mmの鋼板からなる試験片の片面に再帰反射塗装を施すに際して、ガラスビーズの粒径と屈折率、反射層と定着層の厚みを種々変えて、塗膜の反射性能及びガラスビーズの剥離性を調査した。
【0043】
試験片の下地調整は、全てサビ落し、汚れ除去をした後ポリエステル樹脂塗料により下地塗装した。反射層及び定着層のベース樹脂塗料は、共にイソシアネートを硬化剤とする2液型ポリウレタン樹脂塗料を用いた。反射層塗料はこれに10μm以下のアルミニウム粉末を固化状態で約30重量%になるように添加し、定着層塗料は、ベース樹脂塗料に白色着色剤(ルチル型酸化チタン系白色顔料)を約30重量%添加したものを用いた。ガラスビーズは、屈折率約1.5、1.9、2.2の3種のものを用い、これらを、40〜60、70〜100、100〜150、160〜210μmの4段階に篩分したものを用いた。
【0044】
試験片の再帰反射塗装の工程は下記のとおりである。
まず、下地調整した試験片の表面に、手持ちのエアスプレーガンにより反射層塗料を膜厚がなるべく均等になるように塗布した。塗膜厚みは塗料の供給速度と塗装時間により調整し、固化後の厚みで0(反射層なし)、10〜20、20〜40、40〜60、60〜80、80〜100μmの6段階に変更した。塗装所要時間は3〜10秒であった。
【0045】
次いで、反射層塗膜を3〜5分放置(放置時間は半射層塗膜厚みにより調整)し、塗膜の粘度が所定の値(数百ポアズ程度)になった後、手持ちのエアスプレーガンで定着層塗料を塗布した。塗膜厚みは上記と同様に調整し、固化後の厚みで5〜10、10〜30、30〜50、50〜70μmの4段階に変更した。この塗装所要時間は2〜5秒であった。なお、反射層、定着層共に実際の塗料の塗着量を測定し、所定厚みの塗膜が得られていると推定されるもののみ、下記の評価の対象とした。
【0046】
次いで、この塗膜を10秒程度放置し、定着層塗膜の粘度が3〜10ポアズ程度となった後、手持ちのエアブラストノズルにより、ガラスビーズを塗膜表面に吹き付けた。エアブラストノズルの径は8mm、エア圧力約1kgf/cm2(ゲージ圧)、ガラスビーズの供給速度を100〜150g/min とし、ガラスビーズ層が密に形成されるまで(約5秒間)ガラスビーズの吹き付けを行った。塗膜が固化した後、エアパージして余分のガラスビーズを除去した。
【0047】
このようにして再帰反射塗膜を形成した本発明例6個、比較例11個の試験片について、反射性能の測定とガラスビーズの剥離性の評価を行った。反射性能の測定は、入射角(照射軸と試験片表面法線との間の角度)を5°、観測角(照射軸と観測軸との間の角度)は2°とし、JISZ9105に定める再帰反射係数R′(cd・lx-1・m-2)を求めて、4段階評価(○:R′>30、△:R′が15〜30、×:R′が3〜15、××:R′<3)を行なった。
【0048】
また、ガラスビーズの剥離性の評価は、JISZ1524に示すような包装用布粘着テープ(接着力220gf/10mm以上)を塗膜に粘着させ、90°方向にいっきに引っ張り上げる方法により、3段階(ガラスビーズの剥離が、○:全くなし、△:部分的に軽度の剥離あり、×:剥離量多い)に評価した。
【0049】
なお、反射性能の測定とガラスビーズの剥離性の評価は、共に同一試験片について3箇所で調査し、その平均値で上記の評価を行なった。本発明例及び比較例の再帰塗装条件と評価結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003919364
【0051】
ガラスビーズの粒径dの影響については、表1の比較例1と本発明例との対比からdが70μmより小さいと、反射層厚を変えても再帰反射係数R′がやや低下することが分かる。また、dが150μmを超えると、反射層や定着層を厚目にしても、ガラスビーズが剥離し易くなって好ましくない。
【0052】
ガラスビーズ屈折率nの影響については、比較例3〜6と本発明例2、5との対比から分かるように、他の条件が同一でもnが1.5及び2.2の場合は、1.9の時よりもR′が低下する。
【0053】
反射層厚の影響については、比較例7に示すように反射層がない場合はR′が著しく低く、また比較例8、9に示すように反射層厚が20μm未満又は80μm超ではR′がかなり低下する。定着層厚の影響については、定着層厚が10μm未満の場合(比較例10)には、かなりガラスビーズが剥離し易くなる。一方定着層厚が50μmを超える場合(比較例11)では、ガラスビーズの露出面積が小さくなるため、R′が相当低下している。
【0054】
以上の結果から、反射性能を高位に維持しかつ剥離しにくいガラスビーズ層を形成するには、再帰反射塗膜の構造は本発明で規定する範囲内にする必要があることが確められた。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、従来より再帰反射性能に優れ、かつ比較的簡単な工程で塗装しうる再帰反射塗膜を有する道路標識柱を提供することが可能になった。
また本発明の塗装方法によれば、上記の再帰反射塗装を一連の工程で効率良く行うことができ、塗装コストの低減が可能になった。
さらに請求項6の本発明によれば、再帰反射塗装の時間を大幅に短縮しうるとともに、性状が一定の塗膜を安定して形成することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の道路標識柱における再帰反射塗膜の構造例を示す断面概要図である。
【図2】請求項6の本発明の塗装方法の説明図である。
【符号の説明】
1 柱状基体
2 反射層
3 定着層
4 ガラスビーズ
5 基体把持具
6 第一スプレーノズル
7 第二スプレーノズル
8 ガラスビーズの静電粉体塗装ノズル又はブラストノズル

Claims (3)

  1. 柱状基体表面に、金属粉顔料を含有する透明樹脂からなる反射層と、該反射層上に形成された透明又は着色剤入り樹脂からなる定着層と、粒径70〜150μmで屈折率1.8〜2.0のガラスビーズを、その一部が前記反射層及び定着層内に埋没・固着しかつ一部が定着層外に露出するように、略一層に密に敷きつめて形成されたガラスビーズ層とからなる再帰反射塗膜を有する道路標識柱の塗装方法であって、
    柱状基体表面に金属粉顔料を含有する透明樹脂塗料を20〜80μmの厚みに塗布して前記反射層を形成する第一塗装工程と、次いで該反射層塗膜が所定の粘度になるまで放置した後、その表面に透明又は着色剤入り樹脂塗料を10〜50μmの厚みに塗布して前記定着層を形成する第二塗装工程と、さらに該定着層塗膜が所定の粘度になるまで放置した後、その表面に前記のガラスビーズをエアブラスト法又は静電粉体塗装法により吹き付けて、該ガラスビーズを前記反射層及び定着層内に貫入・固着させるガラスビーズ層形成工程とを具備することを特徴とする高視認性道路標識柱の塗装方法。
  2. 前記第二塗装工程開始時の反射層塗膜の粘度を50〜500ポアズとし、かつガラスビーズ吹き付け時の定着層塗膜の粘度を1〜50ポアズとすることを特徴とする請求項記載の高視認性道路標識柱の塗装方法。
  3. 略水平に保持された柱状基体を周方向に回転させつつ所定速度で長手方向に移動させ、移動方向上流に配した第一スプレーノズルにより前記第一塗装工程の塗装を行い、その下流に所定の間隔をおいて配した第二スプレーノズルにより前記第二塗装工程の塗装を行い、さらにその下流に所定の間隔をおいて配したガラスビーズのブラストノズル又は静電塗装ノズルによりガラスビーズ層を形成させることを特徴とする請求項又は請求項記載の高視認性道路標識柱の塗装方法。
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