JP3918939B2 - 機械設備の監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば鉄道車両の車軸を回転自在に支持する軸受装置のように摺動部材を含む大型の機械設備において前記摺動部材の異常の有無の診断に使用して好適な機械設備の監視システムに関する。
従来、鉄道車両の車軸を回転自在に支持する軸受装置では、摺動部材である軸受構成部品の摩耗や破損による不都合の発生を防止するために、定期的に分解目視検査を実施するようにしている。
この分解目視検査は、車両の一定期間の使用後に、軸受を車両から取り外して分解し、熟練した専門の検査担当者が、目視により分解した各構成部品の摩耗の度合いや傷の有無を確認する。この確認により、新品の部品にはない凹凸や摩耗などの異常が検出されれば、新品に交換し、再度組み立てを実施する。
しかしながら、この分解検査は、車両から軸受を取り外す分解作業や、検査済みの軸受構成部品を再度組み立て直す組み込み作業に多大な労力がかかり、車両の保守・管理コストの大幅な増大を招くという問題があった。
また、例えば、組み立て直す際に検査前には無かった打痕を軸受構成部品につけてしまうなど、検査自体が軸受の欠陥を生む原因となる虞もある。
また、限られた時間内で多数の軸受を目視で検査するため、欠陥を見落とす可能性が残るという欠点もあった。
更に、目視検査では、欠陥の程度の判断に個人差が生じ、実質的には欠陥がなくても欠陥有りと見なされて部品交換が行われてしまう場合があり、無駄にコストがかかることにもなる。
そこで、このような分解検査や目視検査による不都合を解消するべく、軸受の回転時に発生する音や振動を検出するセンサと、このセンサの検出信号を分析して異常の有無の判定を行う情報処理装置とを備え、前記情報処理装置としてパーソナルコンピュータを使用する監視システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−71519号公報
ところが、前述した従来の監視システムにおいて情報処理装置として使用するパーソナルコンピュータは、通常、汎用筐体内に、マザーボードや、前記センサの出力を受けるインターフェースを装着した構成であり、情報処理装置が比較的に大きな設置スペースを必要とすると共に、振動等に弱い傾向がある。
そのため、軸受装置等の振動が影響しないように、軸受装置等からある程度の距離を隔てた位置に、パーソナルコンピュータを設置するスペースを確保することになる。さらにこの監視システムは、サイズが大型化してしまうため、大きな設置スペース等の確保が難しい機械設備の場合には、実用性に乏しいという問題が生じた。
また、センサによる検出信号のSN比の低下を防止するために、センサはできるだけ軸受装置の構成部品自体に組み込むことが好ましい。しかし、外部の振動等に弱く且つ大型のパーソナルコンピュータは、振動発生源となる軸受装置等からできるだけ離さなければならない。その結果、センサとパーソナルコンピュータとが所定以上離れることになり、センサとパーソナルコンピュータとの間の情報伝送路に対する外部ノイズの影響による検出精度の低下等の問題が発生する虞もあった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸受装置等の摺動部材の摩耗や破損に起因した異常の有無を、その摺動部材を分解せずに通常の使用状態のままで判定することができ、手間のかかる分解・組み立て作業の頻度を減少させて保守・管理コストを低減させることができる機械設備の監視システムを提供することにある。さらに、装置がコンパクトであるため摺動部材を含む機械設備に装備し易く、また、センサと情報処理装置との接近によって外部ノイズの影響を回避して、異常の有無の診断の信頼性を向上させることができる機械設備の監視システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る機械設備の監視システムは、鉄道車両の車軸を支承する複数の軸受の異常の有無を検出する監視システムであって、
少なくとも前記複数の軸受の振動情報及び回転情報を検出する複数個の検出器と、
複数個の前記検出器から出力された前記振動情報及び回転情報を分析して前記軸受の異常の有無を判定する演算処理器と、を備え、
前記演算処理器は、前記回転情報を検出する検出器から発生されるパルス信号数を基にサンプリング周期を規定して、前記振動情報及び回転情報を検出する複数個の前記検出器から出力されたデータを前記演算処理器に順次取り込むためのタイマカウンタ及び割り込みコントローラ有するマイクロコンピュータから構成され、
複数の前記検出器により検出された前記振動情報及び回転情報を前記サンプリング周期で取り込んで一時的に蓄積するデータ蓄積部と、
前記データ蓄積部から出力された前記振動情報にエンベロープ処理を施し、エンベロープ処理後の振動情報に周波数解析を行って診断用の周波数データを得る周波数演算部と、
前記データ蓄積部から出力された前記回転情報を基に前記軸受の回転数を算出する回転数算出部と、
前記軸受の諸元及び前記軸受の各構成部品の摩耗や破損によって生じる異常時の周波数成分の情報を保持する内部データ蓄積部と、
前記回転数算出部から前記軸受の回転数を取得し、前記内部データ蓄積部から前記異常時の周波数成分の情報を取得し、前記回転数に対応する異常時の周波数成分と前記周波数演算部から取得した前記診断用の周波数データとを比較して、前記軸受の各構成部品における異常発生の有無を判定する比較判定部と、
を有することを特徴としている。
また、前記検出器は、前記軸受に組み込まれていることを特徴とする
このように構成された監視システムは、予め車軸を支持する軸受の機構部品に組み込まれているセンサユニットの出力を情報処理装置としてのマイクロコンピュータによって分析すると共に、その分析結果を予め用意しておいた基準データと比較することで、軸受の摩耗や破損に起因した異常の有無を判定するため、その軸受を分解せずに通常の使用状態のままで判定することができる。従って、手間のかかる分解・組み立て作業の頻度を減少させて保守・管理コストを低減させることができる。
また、規定の演算処理による分析や比較で機械的に判定を行うため、従来の目視検査と比較すると、検査担当者の熟練度や個人差によって判定がばらつく虞がなく、異常の有無の診断の信頼性を向上させることができる。
また、情報処理装置として、マイクロコンピュータを使用する構成で、マイクロコンピュータ自体は、1チップ又は1ボードの小さな専用ユニットとすることができるため、情報処理装置として汎用のパーソナルコンピュータを使用する従来の監視システムと比較すると、システム全体を大幅にコンパクト化でき、装備に必要な占有スペースが少なくて済むため、摺動部材を含む機械設備への装備が容易になる。
また、軸受又は前記軸受を支持する機構部品にセンサユニットが組み込まれて、センサユニットが高感度で前記振動部材の発生する物理量を検出するため、軸受の周囲の他の器物が発生する音や振動の周波数成分のピークが、センサユニットの検出する信号のSN比に悪影響を及ぼす危険が低減し、センサユニットの出力信号のSN比の改善によって、分析・判定の精度の向上を図ることができる。
更に、情報処理装置が、コンパクト化でき、且つ汎用の大きな筐体等を使用せずに済むため、情報処理装置としての耐震性を向上させることが容易にでき、その結果、センサと共に摺動部材に接近して装備することができ、センサと情報処理装置との接近によって外部ノイズの影響を回避して、異常の有無の診断の信頼性を向上させることもできる。
また、本発明監視システムは、上記目的を達成するために、更に、前記マイクロコンピュータを、前記軸受又は前記軸受を支持する機構部品に組み付けたことを特徴とするものである。
このようにすると、センサユニットとマイクロコンピュータとの双方を、互いに接近して同一の構成部材上に配置するシステム装備形態を得ることができ、センサユニットとマイクロコンピュータとの間を接続する信号線長が冗長にならないため、信号線の散乱等による不都合の発生を防止することができる。
また、センサユニットとマイクロコンピュータとの間の信号伝送路への外部ノイズの影響を低減して、検出信号に対する信頼性を向上させることもできる。
また、本発明監視システムは、上記目的を達成するために、更に、前記マイクロコンピュータと前記検出器を備えたセンサユニットとを単一のデバイス基板に搭載して、単一の処理ユニットとして、前記軸受又は前記軸受を支持する機構部品に組み付けたことを特徴とするものである。
このようにすると、機械設備に対する監視システムの取り付けが、単一のユニットの取り付けで済み、取り付け作業性を向上させることができる。
また、本発明監視システムは、上記目的を達成するために、更に、前記演算処理器が、単一の筐体に収容されていることを特徴とするものである。
このようにすると、音響・弾性波、超音波、機械振動、を検出する、例えば圧電素子等のセンサや、温度センサや、回転速度センサ等、の検出器を機械設備に組付け、これらが発生する信号を増幅・ディジタル化の、後and/or前に、演算処理をマイコンやその他アナログ又はディジタルの回路によって行い、演算結果を出力することができるユニットが単一の筐体に収容される。これにより、簡単な構成で回転体や摺動部材を含む機械装置の状態を、分解することなく監視でき、更に、回転体や摺動部材を含む機械設備の欠陥又は異常を検査することができる。これにより、装置の分解や組立てにかかる手間を軽減できるとともに、分解や組立てに伴う回転体や摺動部材の損傷防止が図られる。更に、監視が精度良く、且つ、効率的に行われるため、より精度の高い診断が可能となり、目視による検査では見落とす虞がある欠陥の発見が可能となる。また、小型のセンサ、マイコン、IC、基板配線、等でユニットをコンパクトにすることができるため、様々な機械装置に組込みが可能である。また、ユニット内に、各センサからの信号を増幅するだけでなく、例えば圧電素子等にパルス信号を送る機能を持たせることにより、超音波パルスエコー法が可能になり、静止時の機械摺動面の損傷や運転時の摺動面同士の金属接触状態を検知・診断することもできる。
また、本発明監視システムは、上記目的を達成するために、更に、前記検出器が、前記筐体に一体的に配されていることを特徴とするものである。
このようにすると、ユニットに、マイコンの他、小型の電子部品と同じく小型のセンサ或いはセンサ一体型の電子部品、IC、等を使って、短い配線で構成することにより、省スペースの筐体に収納することができ、機械装置に組み込んで検査・診断を行うことができるため、更にコンパクト化を図ることができ、検出器から演算処理器までの信号線を省略することにより、コスト面での更なる低減を図ることができる。
また、本発明監視システムは、上記目的を達成するために、前記演算処理器が、さらに、中央演算処理装置、増幅器、アナログ/ディジタル変換器、濾波器、比較器、パルスカウンタ、ROM、RAM、ディジタル/アナログ変換器、通信モジュール、および外部インターフェース、を有することを特徴とするものである。
このようにすると、中央演算処理装置、増幅器、アナログ/ディジタル変換器、濾波器、比較器、パルスカウンタ、タイマ、割り込みコントローラ、ROM、RAM、ディジタル/アナログ変換器、通信モジュール、および外部インターフェース、を有する演算処理器が用いられるため、汎用の部品の組み合わせにより、カスタム化することなく、コスト面で優れたものを得ることができる。更に、通信能力があるため、様々な機械装置に柔軟に組込むことができ、コスト面の低減や省エネルギー対策にも貢献することができる。
また、本発明監視システムは、上記目的を達成するために、更に、前記演算処理器が、標準偏差および波高率の特徴パラメータ算出、包絡線検波、FFT、フィルタ、ウェーブレット変換、短時間FFT、回転体の欠陥に起因した特徴周波数算出のうち少なくとも1つ以上の処理と比較判定を実行可能なことを特徴とするものである。
このようにすると、演算処理器により、標準偏差や波高率の特徴パラメータ算出、包絡線検波、FFT、フィルタ、ウェーブレット変換、短時間FFT、回転体の欠陥に起因した特徴周波数算出のうち少なくとも1つ以上の処理と比較判定がディジタル処理される。それにより、監視が精度良く、且つ、効率的に行われるため、より精度の高い診断が可能となり、目視による検査では見落とす虞がある欠陥の発見が確実に可能となる。
本発明によれば、予め鉄道車両の車軸を支持する軸受に組み込まれているセンサユニットの出力を情報処理装置としてのマイクロコンピュータによって分析すると共に、その分析結果を予め用意しておいた基準データと比較することで、軸受の摩耗や破損に起因した異常の有無を判定するため、その軸受を分解せずに通常の使用状態のままで判定することができる。
従って、手間のかかる分解・組み立て作業の頻度を減少させて保守・管理コストを低減させることができる。
また、規定の演算処理による分析や比較で機械的に判定を行うため、従来の目視検査と比較すると、検査担当者の熟練度や個人差によって判定がばらつく虞がなく、異常の有無の診断の信頼性を向上させることができる。
また、情報処理装置として、マイクロコンピュータを使用する構成で、マイクロコンピュータ自体は、1チップ又は1ボードの小さな専用ユニットとすることができるため、情報処理装置として汎用のパーソナルコンピュータを使用する従来の監視システムと比較すると、システム全体を大幅にコンパクト化でき、装備に必要な占有スペースが少なくて済むため、軸受への装備が容易になる。
また、軸受にセンサユニットが組み込まれて、センサユニットが高感度で前記振動部材の発生する物理量を検出するため、軸受の周囲の他の器物が発生する音や振動の周波数成分のピークが、センサユニットの検出する信号のSN比に悪影響を及ぼす危険が低減し、センサユニットの出力信号のSN比の改善によって、分析・判定の精度の向上を図ることができる。
更に、情報処理装置が、コンパクト化でき、且つ汎用の大きな筐体等を使用せずに済むため、情報処理装置としての耐震性を向上させることが容易にでき、その結果、センサと共に摺動部材に接近して装備することができ、センサと情報処理装置との接近によって外部ノイズの影響を回避して、異常の有無の診断の信頼性を向上させることもできる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る機械設備の監視システムの第1実施形態を示したものである。
この第1実施形態の機械設備の監視システム1は、鉄道車両の車軸を支承する転がり軸受3に対して、該転がり軸受3の各構成部品の摩耗や破損による異常の発生を検出するものである。
即ち、車軸を支承する転がり軸受3が、異常の有無の診断対象となる摺動部材であり、転がり軸受3によって車軸を支承した台車又は鉄道車両が1又は複数個の摺動部材を含む機械設備4に該当する。
本実施形態の場合、軸受3は、軸受の回転動作時の音又は振動等の物理量を検出して電気信号として出力するセンサユニット5を、軸受の構成部品である外輪に組み付けたセンサ付軸受である。一つの車両には、複数個のセンサ付軸受3が使用される。
本実施形態の機械設備の監視システム1は、各軸受3毎に装備された複数個のセンサユニット5と、各センサユニット5の出力を所定の演算処理によって分析し、分析結果を予め用意しておいた基準データと比較して軸受3における異常の有無を判定する情報処理装置としてのマイクロコンピュータ7と、このマイクロコンピュータ7の分析結果や判定結果を所定の表示形態で表示したり、前記判定結果に応じた制御信号を鉄道車両の制御系にフィードバックしたりする制御処理部9とを備えている。
摺動部材である軸受3の摺動動作(回転動作)時の物理量とは、軸受3の回転状態に応じて変化する物理量で、例えば、軸受3の発生する音や振動、更には、回転数や温度、摺動部材構成部品上に生じる歪み等の各種の情報が考えられる。
本実施形態の場合、センサユニット5は、軸受3の回転状態に応じて変化する物理量として、音J1、振動J2、軸受の回転速度J3、軸受温度J4、軸受外輪上に生じる歪みJ5等、多数の情報を検出して、検出したこれらの各情報を検出信号11として、マイクロコンピュータ(演算処理装置)7に送る。
センサユニット5は、軸受外輪に固定されるセンサケース5a内に、検出する各情報毎のセンサを収容保持した構成である。
また、本実施形態の場合、センサケース5a内には、各センサの出力信号を増幅して出力する出力増幅手段が内蔵されている。
分析結果と比較する基準データとは、診断対象である軸受3の正常時において前記センサユニットから検出される各種の物理量であり、具体的には、正常な軸受3の音情報、振動情報、軸受の回転速度情報、軸受温度情報、軸受外輪上に生じる歪み情報等の他、軸受3の特定部位の摩耗や破損によって生じる周波数成分の情報等である。
前記マイクロコンピュータ7は、本実施形態のシステム用に開発された1チップマイクロコンピュータ、又は1ボードマイクロコンピュータで、図2に示すように、各センサユニット5から送信された検出データを一時的に蓄積すると共に、蓄積したデータをそのデータの種類に応じて装備された分析部13,14,15に分配するデータ収集・分配機能17と、軸受3の諸元及び軸受3の正常時の音や振動等の各種の物理量を基準データとして蓄積している内部メモリ19と、各分析部13,14,15における分析結果を内部メモリ19に蓄積されている基準データと比較することによって、異常の有無の判定及び異常部位の特定を行う比較判定機能21とを備え、各分析部13,14,15における分析結果及び前記比較判定機能21における判定結果を制御処理部9に出力する。
本実施形態の場合、分析部13は振動情報の分析用であり、振動に含まれる周波数スペクトルを求める。分析部14は回転速度情報の分析用で軸受の回転速度を求める。分析部15は、温度情報の分析用であり、軸受近傍の温度を測定する。各分析部13,14,15は、入力情報を、基準データとの比較が可能なように、不要部分(ノイズ)のカットや必要部分の明確化等を含めた規定の分析処理を行う。
具体的に説明すると、センサユニット5が検出した振動情報の場合は、データ収集・分配機能17と分析部13との間に装備されたフィルタ処理機能25によってノイズ成分の除去又は特定の周波数成分を抽出するフィルタ処理を受け、フィルタ処理後の振動信号が分析部13に渡される。
分析部13は、入力する振動信号に対して、絶対値処理又はエンベロープ処理及び周波数分析等の規定の分析処理を行って、入力した振動データを基準データとの比較が可能な周波数領域のデータに変換する。
比較判定機能21は、前記分析部13の分析結果によって得た周波数領域のデータと、前記内部メモリ19に格納されている基準データとを比較し、基準データとして軸受の特定部位の摩耗や破損に起因した周波数成分のデータを使用することで、軸受の構成部品における摩耗や破損の有無や程度、或いは摩耗や破損が生じている部品等を判定することが可能になる。
比較判定機能21では、周波数成分の比較による判定等を行う際に、他の分析部14,15から入手する回転速度や温度の分析結果、及び内部メモリ19に蓄積されている仕様諸元等の各種データを参照し、判定の正確性を期す。
なお、分析部13,14,15や比較判定機能21における具体的な処理は、詳述しないが、上記の方法に限るものではなく、公知の種々の方法、或いは本願出願人が先に提案している各種の判定手法を流用することができる。
制御処理部9は、マイクロコンピュータ7の分析結果や判定結果を所定の表示形態で表示する表示手段としての結果出力部27と、軸受3が組み込まれている車両の駆動機構の動作を制御する制御系に前記比較判定機能21の判定結果に応じた制御信号をフィードバックする制御器29とを備えている。
結果出力部27は、具体的には、モニターや画像表示やプリンタへ印刷出力によって、マイクロコンピュータ7の分析結果や判定結果を通知する他、マイクロコンピュータ7の判定結果が異常有りの場合には、警告灯の点滅や警報機の作動による通知を行う。
制御器29は、例えば、マイクロコンピュータ7の判定結果が異常有りの場合に、異常の程度に応じて、車両の走行停止や、速度の減速等を示す制御信号を車両の走行制御器に送る。
以上に説明した本実施形態の機械設備の監視システム1では、予め摺動部材としての転がり軸受3に組み込まれているセンサユニット5の出力を情報処理装置としてのマイクロコンピュータ7によって分析すると共に、その分析結果を予め用意しておいた基準データと比較することで、転がり軸受3の構成部品の摩耗や破損に起因した異常の有無を判定するため、転がり軸受3自体や転がり軸受3を含む鉄道車両自体を分解せずに通常の使用状態のままで判定することができる。
従って、手間のかかる分解・組み立て作業の頻度を減少させて保守・管理コストを低減させることができる。また、規定の演算処理による分析や比較で機械的に判定を行うため、従来の目視検査と比較すると、検査担当者の熟練度や個人差によって判定がばらつく虞がなく、異常の有無の診断の信頼性を向上させることができる。
また、情報処理装置として、マイクロコンピュータ7を使用する構成で、マイクロコンピュータ7自体は、1チップ又は1ボードの小さな専用ユニットとすることができるため、情報処理装置として汎用のパーソナルコンピュータを使用する従来の監視システムと比較すると、システム全体を大幅にコンパクト化でき、装備に必要な占有スペースが少なくて済むため、摺動部材を含む機械設備(即ち、鉄道車両等)への装備が容易になる。
また、転がり軸受3を構成する機構部品である外輪等に直にセンサユニット5が組み込まれて、センサユニット5が高感度で転がり軸受3の発生する物理量を検出するため、転がり軸受3の周囲の他の器物が発生する音や振動の周波数成分のピークが、センサユニット5の検出する信号のSN比に悪影響を及ぼす危険が低減し、センサユニット5の出力信号のSN比の改善によって、分析・判定の精度の向上を図ることができる。
更に、情報処理装置が、コンパクト化でき、且つ汎用の大きな筐体等を使用せずに済むため、情報処理装置としての耐震性を向上させることが容易にでき、その結果、センサユニット5と共に転がり軸受3に接近して装備することができ、転がり軸受3とマイクロコンピュータ7との接近によって外部ノイズの影響を回避して、異常の有無の診断の信頼性を向上させることもできる。
また、本実施形態では、センサユニット5自体に、その出力信号を増幅して出力する出力増幅手段(アンプ)が内蔵されているが、センサ出力を増幅する出力増幅手段は、センサユニット5とマイクロコンピュータ7との間に接続したり、マイクロコンピュータ7側に内蔵したりする構成としてもよい。
但し、出力増幅手段をセンサユニット5に内蔵させた構成の場合は、センサユニット5の出力信号が強いため、センサユニット5とマイクロコンピュータ7との間の信号伝達経路等で加わるノイズの影響を抑えることができ、ノイズによる処理精度の低下を防止して、異常の有無の診断の信頼性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図3は、本発明に係る機械設備の監視システムの第2実施形態の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の機械設備の監視システム31は、単一のマイクロコンピュータ7が複数個のセンサユニット5の情報を処理する構成としたもので、それ以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、共通する構成には第1実施形態と同じ番号を付すことによって、これらのマイクロコンピュータ7や制御処理部9に関する説明は省略する。
マイクロコンピュータ7の演算処理能力等に余裕がある場合には、このように複数個のセンサユニット5からの情報を単一のマイクロコンピュータ7で処理する構成とすることで、高価なマイクロコンピュータ7の装備数を軽減し、コスト低減を図ることができる。
なお、以上の実施形態では、マイクロコンピュータ7の装備位置については、言及してないが、好ましくは、マイクロコンピュータ7もセンサユニット5と共に、摺動部材又は前記摺動部材を支持する機構部品に組み付けた構成とすると良い。このようにすることで、センサユニット5とマイクロコンピュータ7との双方を、互いに接近して同一の構成部材上に配置するシステム装備形態を得ることができ、センサユニット5とマイクロコンピュータ7との間を接続する信号線長が冗長にならないため、信号線の散乱等による不都合の発生を防止することができる。
また、センサユニット5とマイクロコンピュータ7との間の信号伝送路への外部ノイズの影響を低減して、検出信号に対する信頼性を向上させることもできる。
(第3実施形態)
図4は、本発明に係る機械設備の監視システムの第3実施形態を示したものである。
この第3実施形態の機械設備の監視システム41は、前記マイクロコンピュータ7と前記センサユニット5とを単一のデバイス基板に搭載して、単一の処理ユニット42として、前記転がり軸受3の構成部品に組み付けたものである。転がり軸受3や、マイクロコンピュータ7が判定結果を出力する制御処理部9は、前述の各実施形態の場合と同様の構成でよいので、説明を省略する。このように構成した監視システム41では、機械設備4に対する監視システムの取り付けが、単一のユニット42の取り付けで済み、取り付け作業性を向上させることができる。
なお、本発明に係る機械設備の監視システムにおいて、センサユニット5とマイクロコンピュータ7との間は、信号ケーブル等で接続せず、無線通信によって信号の送受を行うようにしてもよい。このようにすると、センサユニット5の出力を、摺動部材を有する設備上に布設した信号ケーブルでマイクロコンピュータ7に伝達する場合と比較すると、マイクロコンピュータ7や制御処理部の配置自由度が高まり、当該機械設備の監視システムの設置が更に容易になる。
(第4実施形態)
図5(a)および図5(b)は、本発明に係る機械設備の監視システムの第4実施形態を示したものである。
この第4実施形態の機械設備の監視システム51は、演算処理を行うCPU52を含んだマイクロコンピュータと、増幅回路(Amp)53と、A/D変換回路(ADC)54,55と、外部メモリ(RAM,ROM,ROM)56,57,58と、通信用回路(LANIF,SCI)59,60と、を基板(不図示)上に実装させた診断ユニット61を単一のケース(筐体)61A内に収容したものである。そして、センサとして、圧電素子62と、温度センサ63と、回転パルスゼネレータ64とが、軸受3に組み付けられている。
圧電素子62は、軸受3の転動体(不図示)が軌道輪(不図示)上の傷を通過する際における、振動音響信号や微小クラックが進展する際のAE(アコースティックエミッション)信号等をとらえて電圧又は電荷に変換する。電圧又は電荷は、圧電素子62に近接させて配置されたプリアンプ(前置増幅回路)65によって20〜40dB程度増幅され、更に、ケース61内に入った信号は、増幅回路53によりA/D変換器54の入力レンジに見合った電圧に変換される。増幅回路53により変換された電圧信号は、バンドパスフィルタ(BPF)66を介してA/D変換器54に入力され、CPU52を含んだマイクロコンピュータの所定のポートに与えられる。A/D変換器54は、分解能16bitの外付けの高精度A/Dコンバータである。
A/D変換器54の前段にアナログのバンドパスフィルタ66を入れて1kHz〜10kHzの周波数を通すことで、低周波の機械振動とA/D変換の上限周波数から生ずるエリアシングを防止することができる。このフィルタ機能は、A/D変換の後段にPLD等によるディジタルフィルタに置き換えることができる。CPU演算では、このような前処理フィルタを行ってもよいが、処理速度とプログラムサイズに影響があるため、切り離している。
A/D変換された値は、既に符号付き整数なので、有限時間の波形に対して絶対値を取ることで全波整流波形が得られる。全波整流波形は有限なので、Window処理をして両端の影響を小さくしてからFFT演算を行う。CPU52を含んだマイクロコンピュータには、浮動少数点演算ユニットはないので、整数のみで演算できる固定小数点演算を使用する。
得られた周波数分布は、強度の高い順に回転数と転動体数とで決まる減衰波形の包絡線の周波数と比較される。このとき、外部メモリ57,58に記憶された軸受諸元と回転パルスゼネレータ64から得られた速度の値を用いる。
圧電素子62は、音響/弾性波/AE信号をとらえることができるが、ここでは、主に、剥離損傷の検出を目的として、サンプリング周波数を100kHzに設定されている。
温度センサ63が発生した電圧信号は、増幅回路(不図示)を経た後にA/D変換器55に入力され、CPU52を含んだマイクロコンピュータの所定のポートに与えられる。A/D変換器55は、分解能10bitの外付けの高精度A/Dコンバータである。温度センサ63と、回転パルスゼネレータ64と、は、圧電素子62よりも低いサンプリング周波数に設定されている。
外部メモリ56はRAMであり、外部メモリ57,58はROMである。また、通信用回路59はLANインターフェースであり、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル等を用いてLAN回線(Local Area Network)67に接続されている。無線LANを用いた場合は、無線にてLAN67に接続される。通信回路60はシリアル通信インターフェースであり、プログラム書き込み/診断データ送受信兼用端子68に接続されている。
通信用回路60は、軸受3の外輪、内輪、転動体、保持器の各々の傷周波数と一致する度合いをシリアルで送・受信するのに用いられる。近距離であれば、パラレルでもよい。通信を行う場合、セキュリティを付加するための専用のICを介在させるのが良い。
機械設備の監視システム51は、更に、タイマカウンタ(TMUCNT)69と、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMA)70と、割り込みコントローラ(INTC)71と、D/A変換器(DAC)72と、アクティブゲインコントローラ(AGC)73と、を有する。D/A変換器72は、診断出力用コネクタand/or表示器74に接続されている。
タイマカウンタ69は、回転パルスゼネレータ64が発生したパルス信号数を計数処理してCPU52を含んだマイクロコンピュータの所定のポートに与える。
割り込みコントローラ71と、タイマカウンタ69と、は、CPU52を含んだマイクロコンピュータに一定のサンプリング周期で信号を取り込むのに用いられる。通常、データは、CPU52を含んだマイクロコンピュータを介して外部メモリ56に転送されるが、サンプリング周期を極めて短くするために、ダイレクトメモリアクセスコントローラ70によるダイレクト転送を行うようにしても良い。
診断出力用コネクタand/or表示器74は、作業者が診断ユニット61に近づける場合や、機械運転者のそばに診断ユニット61を置ける場合に、LED表示やLCDドライバを介した液晶画面表示を行ったり、D/A出力を利用した音声出力等を行ったりするのに用いられる。
機械設備の監視システム51では、信号処理により行われるディジタル化されたデータの演算は、すべてCPU52を含んだマイクロコンピュータで行うが、処理のプログラムは、外付けされた外部メモリ57,58に書き込まれている。また、機械設備の監視システム51は、軸受3のユニット1セットに対して少なくとも1個用いるため、外部メモリ57,58に軸受3の諸元(各部寸法、材料、転動体数、潤滑剤、製造年月日)や、各センサ62,63,64の諸元(周波数特性、感度)も記憶させている。
また、振幅パラメータとして、RMS、Peak、クルトシス、波高率等が、所定の外部メモリ56のアドレスに書き込まれているので、外部から通信機能により問い合わせることができる。
機械設備の監視システム51では、音響・弾性波、超音波、機械振動、を検出する、例えば圧電素子62や、温度センサ63や、回転パルスゼネレータ64を軸受3に組付け、これらが発生する信号を増幅・ディジタル化の後に、演算処理をCPU52を含んだマイクロコンピュータによって行い、演算結果を出力することができる診断ユニット61が単一のケース61Aに収容される。これにより、簡単な構成で軸受3の状態を、分解することなく監視でき、更に、軸受3の欠陥又は異常を検査することができる。これにより、軸受3の分解や組立てにかかる手間を軽減できるとともに、分解や組立てに伴う軸受3の損傷防止が図られる。更に、監視が精度良く、且つ、効率的に行われるため、より精度の高い診断が可能となり、目視による検査では見落とす虞がある欠陥の発見が可能となる。また、小型のセンサ、マイコン、IC、基板配線を用いることにより、診断ユニット61をコンパクトにすることができるため、軸受3以外に、様々な機械装置に組込みが可能で、更に、通信能力があるため、様々な機械装置に柔軟に組込むことができ、コスト面の低減や省エネルギー対策にも貢献することができる。また、診断ユニット61内に、各センサからの信号を増幅するだけでなく、例えば圧電素子62にパルス信号を送る機能を持たせることにより、超音波パルスエコー法が可能になり、静止時の機械摺動面の損傷や運転時の摺動面同士の金属接触状態を検知・診断することもできる。
また、機械設備の監視システム51では、圧電素子62,温度センサ63,回転パルスゼネレータ64により、温度、振動変位、振動速度、振動加速度、力、歪、音響、アコースティックエミッション、超音波、回転速度のうち1つ以上の検出が可能になるため、軸受3の状態を確実に監視することができるとともに、軸受3の欠陥又は異常を確実に検査することができる。
また、機械設備の監視システム51では、演算処理に、CPU52を含んだマイクロコンピュータと、増幅回路53と、A/D変換回路54,55と、外部メモリ56,57,58と、通信用回路59,60と、タイマカウンタ69と、ダイレクトメモリアクセスコントローラ70と、割り込みコントローラ71と、D/A変換器72と、アクティブゲインコントローラ73と、を用いているため、汎用の部品の組み合わせにより、カスタム化することなく、コスト面で優れたものを得ることができる。
また、機械設備の監視システム51では、標準偏差や波高率の特徴パラメータ算出、包絡線検波、FFT、フィルタ、ウェーブレット変換、短時間FFT、回転体の欠陥に起因した特徴周波数算出のうち1つ以上の処理と比較判定がディジタル処理で得られる。それにより、監視が精度良く、且つ、効率的に行われるため、より精度の高い診断が可能となり、目視による検査では見落とす虞がある欠陥の発見が確実に可能となる。
(第5実施形態)
図6(a)および図6(b)は、本発明に係る機械設備の監視システムの第5実施形態を示したものである。
この第5実施形態の機械設備の監視システム81は、診断ユニット82に圧電セラミックスをバイモルフ化した衝撃センサ83をケース82Aに収容して、該衝撃センサ83と、温度センサ63と、をケース82Aに一体的に配したものであり、それ以外の構成は、第4実施形態と同様であるので、共通する構成には第4実施形態と同じ番号を付すことによって、それらに関する説明は省略する。
機械設備の監視システム81では、軸受3が故障した際の衝撃をとらえる。通常、軸受3の故障時には、固有の衝撃弾性波の外部メモリ58に特徴パラメータ計算式が格納されており、衝撃センサ83、アンプフィルタ部84、分解能10bitの外付けの高精度A/DコンバータであるA/D変換器55を通してディジタル化された波形信号と、回転速度によって決まる特徴パラメータ−有次元であれば、振動値の平均、標準偏差(rms)、最大値、ピーク(絶対値の最大から10個の値の平均)等、無次元では、波波形、波高率、衝撃指数、スキューネス、クルトシス等の値を算出しておく。CPU52を含んだマイクロコンピュータによるFFT演算で得られた周波数領域のデータから、軸受3の欠陥検出に関する方法は第3実施形態と同様である。尚、衝撃センサ83、アンプフィルタ部84とは、周波数帯域が許せば一体化してもよい。
その他の周波数領域の特徴パラメータ−交差頻度、極値頻度、不規則度、回転周波数含有度、回転周波数高調波含有度、そして軸受3の各部品の欠陥特徴周波数成分パワーの含有度等のデータが外部メモリ56に登録され、一定周期で更新される。
特徴パラメータによる軸受3の劣化診断は、ケース82A内のCPU52を含んだマイクロコンピュータで行ってもよいが、多数のパラメータが複雑に関係した回帰分析やニュートラルネットワークを使った学習アルゴリズムで認識させる場合に、LAN回線67等でデータを別に、そのような認識プログラムを組み込んだコンピュータに送って処理することができる。或いは、認識プログラム専用のカスタムICか別のマイクロコンピュータを付加するのが好ましい。
機械設備の監視システム81では、診断ユニット82に、CPU52を含んだマイクロコンピュータの他、小型の電子部品と同じく小型のセンサを使って、短い配線で構成することにより、省スペースのケース82Aに収納することができ、軸受3に組み込んで検査・診断を行うことができるため、更にコンパクト化を図ることができ、検出器から演算処理器までの信号線を省略することにより、コスト面での更なる低減を図ることができる。
(第6実施形態)
図7は、本発明に係る機械設備の監視システムの第6実施形態を示したものである。
この第6実施形態の機械設備の監視システム91は、演算処理部に、DSP(フィルタ演算時の積和演算やデータの移動が高速で実行できるディジタル信号処理専用プロセッサ)92を組み合わせたものである。
DSP92には、ディジタルフィルタやFFTといったディジタル信号処理を受け持たせ、それら以外の処理をCPU52を含んだマイクロコンピュータが行えるように、第4,第5実施形態を置き換えたものである。また同じ目的で、DSPを使わずに、PLD(プログラマブル・ロジテックデバイス)で演算処理部を構成することもできる。
なお、上記実施形態において、異常の有無を診断する摺動部材は、上記の転がり軸受に限らない。具体的には、各種の転がり軸受の他、滑り軸受等も、摺動部品に該当するものである。更に、ボールねじや、リニアガイド等の直動機構の構成部品なども、本発明の診断対象の摺動部材に該当する。また、鉄道車両における歯車や車輪など、取り外しや組付けに多大な手間がかかる各種の大型の回転型摺動部材も、本発明の異常診断の対象とすることができる。
なお、上記の各実施形態では、監視システムによる異常の検出が速やかに機械設備の保全や運転管理に繋がるように、機械設備の監視システム自体に、前記機械設備においてその数動部材が組み込まれている機構の動作を制御する制御器に、判定結果に応じた信号をフィードバックする制御処理部を装備した。しかし、制御処理部は、監視システムに接続される独立した装備(装置)としてもよい。
本発明に係る機械設備の監視システムの第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。 図1に示したマイクロコンピュータの概略構成を示すブロック図である。 本発明に係る機械設備の監視システムの第2実施形態の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係る機械設備の監視システムの第3実施形態の概略構成を示すブロック図である。 (a)は本発明に係る機械設備の監視システムの第4実施形態の概略構成を示すブロック図、(b)は(a)の軸受取付状態の側面図である。 (a)は本発明に係る機械設備の監視システムの第5実施形態の概略構成を示すブロック図、(b)は(a)の軸受取付状態の側面図である。 本発明に係る機械設備の監視システムの第6実施形態の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 機械設備の監視システム
3 転がり軸受(摺動部材)
4 機械設備
5 センサユニット
5a センサケース
7 マイクロコンピュータ(情報処理装置)
9 制御処理部
13,14,15 分析部
17 データ収集・分配機能
19 内部メモリ
21 比較判定機能
25 フィルタ処理機能
27 結果出力部
29 制御器
31 異常診断システム
41 異常診断システム
42 単一の処理ユニット
51 機械設備の監視システム
52 CPU(演算処理器)
61A ケース(筐体)
62 圧電素子(検出器)
63 温度センサ(検出器)
64 回転パルスゼネレータ(検出器)
81 機械設備の監視システム
82A ケース(筐体)
83 衝撃センサ(検出器)
91 機械設備の監視システム

Claims (8)

  1. 鉄道車両の車軸を支承する複数の軸受の異常の有無を検出する監視システムであって、
    少なくとも前記複数の軸受の振動情報及び回転情報を検出する複数個の検出器と、
    複数個の前記検出器から出力された前記振動情報及び回転情報を分析して前記軸受の異常の有無を判定する演算処理器と、を備え、
    前記演算処理器は、前記回転情報を検出する検出器から発生されるパルス信号数を基にサンプリング周期を規定して、前記振動情報及び回転情報を検出する複数個の前記検出器から出力されたデータを前記演算処理器に順次取り込むためのタイマカウンタ及び割り込みコントローラ有するマイクロコンピュータから構成され、
    複数の前記検出器により検出された前記振動情報及び回転情報を前記サンプリング周期で取り込んで一時的に蓄積するデータ蓄積部と、
    前記データ蓄積部から出力された前記振動情報にエンベロープ処理を施し、エンベロープ処理後の振動情報に周波数解析を行って診断用の周波数データを得る周波数演算部と、
    前記データ蓄積部から出力された前記回転情報を基に前記軸受の回転数を算出する回転数算出部と、
    前記軸受の諸元及び前記軸受の各構成部品の摩耗や破損によって生じる異常時の周波数成分の情報を保持する内部データ蓄積部と、
    前記回転数算出部から前記軸受の回転数を取得し、前記内部データ蓄積部から前記異常時の周波数成分の情報を取得し、前記回転数に対応する異常時の周波数成分と前記周波数演算部から取得した前記診断用の周波数データとを比較して、前記軸受の各構成部品における異常発生の有無を判定する比較判定部と、
    を有することを特徴とする監視システム。
  2. 前記検出器が、前記軸受に組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の監視システム。
  3. 前記マイクロコンピュータは、前記軸受又は前記軸受を支持する機構部品に組み付けられたことを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
  4. 前記マイクロコンピュータと前記検出器を備えたセンサユニットとを単一のデバイス基板に搭載して、単一の処理ユニットとして、前記軸受又は前記軸受を支持する機構部品に組み付けたことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
  5. 前記演算処理器が、単一の筐体に収容されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の監視システム。
  6. 前記検出器が、前記筐体に一体的に配されていることを特徴とする請求項5に記載の監視システム。
  7. 前記演算処理器が、さらに、中央演算処理装置、増幅器、アナログ/ディジタル変換器、濾波器、比較器、パルスカウンタ、ROM、RAM、ディジタル/アナログ変換器、通信モジュール、および外部インターフェース、を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の監視システム。
  8. 前記演算処理器が、標準偏差および波高率の特徴パラメータ算出、包絡線検波、FFT、フィルタ、ウェーブレット変換、短時間FFT、回転体の欠陥に起因した特徴周波数算出のうち少なくとも1つ以上の処理と比較判定を実行可能なことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の監視システム。
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