JP3917725B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の補助トルクをステアリング系に作用させ、ドライバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に係り、特に故障検出機能を有する操舵トルク検出手段を2個設けた電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動パワーステアリング装置は、実開平6−65154号公報「パワーステアリング装置」に開示されているように、複数のトルクセンサを備え、それぞれのトルクセンサが検出したトルク信号の差(例えば、トルクセンサが2個の場合)を演算し、トルク信号の差が所定の許容範囲内にある時には、トルク信号の平均値をトルク信号として出力し、増力手段に供給して電動機を駆動することによってステアリング系に補助トルクを付加するよう構成されたものは知られている。
【0003】
一方、トルク信号の差が所定の許容範囲外の時には、最小のトルク信号を出力するトルクセンサからのトルク信号に基づいて電動機を駆動するよう構成されている。
【0004】
また、従来の電動パワーステアリング装置は、特開平8−188166号公報「電動パワーステアリング制御装置」に開示されているように、メイントルクセンサとサブトルクセンサを備え、メイントルクセンサが検出した操舵トルクに基づいて電動機を駆動し、ステアリング系に補助トルクがアシストされる。
【0005】
一方、サブトルクセンサは、メイントルクセンサと連動して電圧を検出し、制御部でメイントルクセンサとサブトルクセンサとの関係からメイントルクセンサの異常を検出するよう構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
実開平6−65154号公報または特開平8−188166号公報に開示された電動パワーステアリング装置は、複数のトルクセンサを備えているが、2つのトルクセンサが検出したトルク信号を比較することによってトルクセンサの故障を検出する構成のため、2つのトルクセンサのどちらが故障しているか判別できなかった。
【0007】
したがって、2つのトルクセンサのいずれか1個に故障が生じた場合には、装置の動作が停止したり、正確なトルク信号が得られない課題がある。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためなされたもので、その目的は一方の操舵トルクセンサが故障しても、他方の操舵トルクセンサで操舵トルクを検出することによって操舵フィーリングに影響を与えない電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため請求項1の電動パワーステアリング装置の操舵トルク検出手段は、操舵トルクセンサと、故障検出手段を有する操舵トルク検出器とを1組として、2組で構成するとともに、制御手段は、一方の操舵トルク検出手段が自己の故障を判定した場合には、故障検出手段からの故障信号に基づいて他方の操舵トルク検出手段へ切り替える切替手段を備え、2組の操舵トルク検出手段は、それぞれ操舵トルクに応じて変位する作動子と作動子の変位量を電気信号に変換する検出コイルを備え、作動子と検出コイルとの間の隙間を互いに異ならせることによって検出信号のゲインが互いに異なるようにしたことを特徴とする。
【0010】
この発明に係る電動パワーステアリング装置の操舵トルク検出手段は、操舵トルクセンサと、故障検出手段を有する操舵トルク検出器とを1組として、2組で構成するとともに、制御手段は、一方の操舵トルク検出手段が自己の故障を判定した場合には、故障検出手段からの故障信号に基づいて他方の操舵トルク検出手段へ切り替える切替手段を備えたので、一方の操舵トルク検出手段が故障しても他方の操舵トルク検出手段に切り替えることにより、正確な操舵トルクに基づいて装置を継続して動作することができる。また、この発明に係る操舵トルク検出手段は、2組の操舵トルク検出手段の検出信号のゲインを、互いに異ならせたので、加工精度等によって一方の操舵トルク検出手段の中立点がずれた場合でも、操舵トルク検出範囲のゲインをリニアに設定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の前提となる技術的構成および本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
なお、図面は符号の向きに見るものとする。
この電動パワーステアリング装置は、セルフ故障検出機能を有する操舵トルク検出手段を2つ設け、一方の操舵トルク検出手段に故障が発生しても、もう一方の操舵トルク検出手段に切り替えてステアリング系へ補助トルクを継続して供給することができるものである。
【0020】
図1は本発明の実施形態の前提となる電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
図1において、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール17に一体的に設けられたステアリング軸2に自在継手3a、3bを備えた連結軸3を介し、ギヤボックス4内に設けたラックアンドピニオン機構5のピニオン54aに連結されて手動操舵力発生手段(ステアリング系)6を構成する。
【0021】
ピニオン54aに噛み合うラック7aを備え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7は、その両端にタイロッド8を介して操舵車輪としての左右の前輪9が連結される。
【0022】
このようにして、ステアリングホイール17操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発生手段6を介し、マニュアルステアリングで前輪9を転動させて車両の向きを変えている。
【0023】
手動操舵力発生手段6による操舵力を軽減するため、補助トルクを供給する電動機10をラック軸7と同軸的に配設し、ラック軸7と同軸に設けられたボールねじ11を介して推力に変換し、ラック軸7に作用させる。
【0024】
ギヤボックス4内にはドライバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する2つの操舵トルク検出手段12および操舵トルク検出手段13を配置し、操舵トルク検出手段12および操舵トルク検出手段13のそれぞれが検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号の操舵トルク信号T1、T2を制御手段15に提供する。
【0025】
なお、操舵トルク検出手段12が検出する操舵トルク信号T1と、操舵トルク検出手段13が検出する同一の操舵トルクに対応した操舵トルク信号T2は等しく(T1=T2)設定する。
【0026】
また、車速センサ14は車両の速度に対応した周波数の電気的なパルス信号として検出し、車速信号Vを制御手段15に提供する。
【0027】
制御手段15は、マイクロプロセッサを基本に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で構成し、車速信号Vに応動した操舵トルク信号T1またはT2に対応した目標電流信号(IMS)を発生し、この目標電流信号(IMS)と電動機電流検出手段19が検出した電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMOとの偏差(負帰還)に応じた電動機制御信号VO(例えば、オン信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を発生し、偏差が速やかに0となるように電動機駆動手段16を駆動制御する。
【0028】
また、制御手段15は、切替手段を備え、操舵トルク検出手段12または操舵トルク検出手段13に故障が発生した場合には、操舵トルク検出手段12、13が有する故障検出手段から供給される故障信号に基づいて操舵トルク検出手段12、13を切り替え、一方の操舵トルク検出手段12(または、13)が故障しても他方の操舵トルク検出手段13(または、12)に切り替えて電動機10が継続して駆動できるよう制御する。
【0029】
電動機駆動手段16は、例えば4個のパワーFET(電界効果トランジスタ)、絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ(IGBT)等のスイッチング素子からなるブリッジ回路で構成し、電動機制御信号VOに基づいてPWM(パルス幅変調)の電動機電圧VMを出力し、電動機10をPWM駆動する。
【0030】
電動機電流検出手段19は、電動機10と直列に接続された抵抗器またはホール素子等で電動機電流IMを電圧に変換して検出し、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMOを制御手段15にフィードバック(負帰還)する。
【0031】
図2は電動パワーステアリング装置の要部ブロック構成図である。
図2において、電動パワーステアリング装置1は、操舵トルク検出手段12、13、車速センサ14、制御手段15、電動機駆動手段16、電動機電流検出手段19を備える。
【0032】
なお、操舵トルク検出手段12、13は後で詳細に説明する。
また、車速手段14、電動機駆動手段16および電動機電流検出手段19は図1で述べたので、説明を省略する。
【0033】
図2において、制御手段15は、切替手段20、目標電流信号設定手段21、偏差演算手段22、駆動制御手段23を備える。
【0034】
切替手段20は、電子スイッチまたはソフト制御のスイッチ機能を備え、操舵トルク検出手段12から供給される操舵トルク信号T1および操舵トルク検出手段13から供給される操舵トルク信号T2のいずれか一方を選択し、選択した操舵トルク信号T1(または、T2)を操舵トルク信号Tとして目標電流信号設定手段21に供給する。
【0035】
また、切替手段20は、操舵トルク検出手段12から供給される故障信号C1または操舵トルク検出手段13から供給される故障信号C2に基づいて操舵トルク信号T1から操舵トルク信号T2(または、操舵トルク信号T2から操舵トルク信号T1)への切替えを実行する。
【0036】
例えば、初期設定は操舵トルク信号T1を選択(実線表示)するようにしておき、操舵トルク検出手段12が何等かの原因で故障した場合には、操舵トルク検出手段12から故障信号C1を切替手段20に供給することによって操舵トルク信号T2を選択(破線表示)する。
【0037】
なお、初期設定は操舵トルク信号T2を選択(破線表示)するようにしておき、操舵トルク検出手段13が故障した場合には、操舵トルク信号T1を選択(実線表示)する構成でもよい。
【0038】
また、故障信号C1、C2は、例えば異なる2進化符号や異なる所定パルス数で形成し、切替手段20は、故障信号C1(または、故障信号C2)が供給された場合には、操舵トルク信号T2(または、操舵トルク信号T1)を選択するように電子スイッチまたはソフト制御のスイッチ機能の切替えを行うよう構成する。
【0039】
目標電流信号設定手段21は、ROM等のメモリを備え、予め実験値または設計値に基づいて設定した車速信号データVをパラメータとした操舵トルク信号データTと目標電流信号データIMSの対応データを記憶しておき、車速センサ14が検出した車速信号Vおよび操舵トルクセンサ12(または13)が検出した操舵トルク信号T(T1、T2)に基づいて対応する目標電流信号データIMSを読み出し、目標電流信号IMSを偏差演算手段22に供給する。
【0040】
偏差演算手段22は、減算器または減算機能を備え、目標電流信号設定手段21から供給される目標電流信号IMSと、電動機電流検出手段19から供給される電動機電流信号IMOとの偏差ΔI(=IMS−IMO)を演算し、偏差信号ΔIを駆動制御手段23に供給する。
【0041】
駆動制御手段23は、PIDコントローラ、電動機制御信号発生手段等を備え、偏差演算手段22から供給される偏差信号ΔIに比例(P)、積分(I)および微分(D)制御を施した後、これら比例・積分・微分(PID)制御を施した信号を混合した混合信号に基づいてハンドルの右操舵または左操舵に対応したPWMの電動機制御信号VOを発生し、電動機制御信号VOを電動機駆動手段16に供給する。
【0042】
電動機制御信号VOの発生により、電動機駆動手段16を介して電動機10を駆動し、電動機10から発生する補助トルクをステアリング系に付加してドライバの操舵力を軽減する。
【0043】
図3は操舵トルク検出手段の要部ブロック構成図である。
図3において、操舵トルク検出手段12は、操舵トルクセンサ31と、操舵トルク検出器32とから構成する。
なお、操舵トルク検出手段13も操舵トルク検出手段12と同一の構成である。
また、パルス電源30は、制御手段15の基準クロックを分周して形成したパルス、または操舵トルク検出器32に設けたパルス発生回路で構成し、操舵トルク検出手段12および操舵トルク検出手段13にそれぞれ設けたり、操舵トルク検出手段12および操舵トルク検出手段13で共用してもよい。
【0044】
図4に操舵トルクセンサの一実施の形態構成図であり、(a)図に操舵トルクセンサの基本構成図、(b)図に(a)図の検出コイルと基準抵抗で構成したブリッジ回路図を示す。
【0045】
図4において、操舵トルクセンサ31は、中立点から両方向(X1、X2)に変位する非磁性体(例えば、アルミニウム)からなるコア31C(作動子)と、コア31Cの変位方向に対称に配置され、コア31Cの変位に対応してインダクタンスが差動で変化する検出コイル31Aおよび検出コイル31Bから構成し、検出コイル31Aおよび検出コイル31Bの一端を接続し、検出コイル31Aおよび検出コイル31Bの他端をそれぞれ基準抵抗RFの一端に接続し、さらに2個の基準抵抗RFの他端同士を接続して接地(GND)し、電気的な等価回路である(b)図のブリッジ回路35を形成する。
【0046】
また、検出コイル31Aおよび検出コイル31Bの接続部と、2個の基準抵抗RFの接続部との間にパルス電源30(波高値VI)を印加し、検出コイル31Aと基準抵抗RFの接続部、および検出コイル31Bと基準抵抗RF接続部をそれぞれ検出端子S1、S2として取り出す。
【0047】
(b)図の等価回路において、検出コイル31A、31BのインダクタンスをそれぞれL1、L2とすると、パルス電源30の印加によるブリッジ回路35の検出端子S1、S2は、それぞれ接地端子(GND)を基準としたLR積分回路を構成し、検出電圧VS1、VS2は波高値VIに対する過渡応答電圧となる。
また、検出端子S1、S2の検出電圧VDは検出電圧VS1とVS2の偏差(VS1−VS2)となる。
【0048】
図5に操舵トルクセンサの過渡応答電圧波形図を示す。
(a)図にパルス電源の立下り波形と立上り波形のデューティが等しい場合の過渡応答電圧波形、(b)図にパルス電源の立下り波形と立上り波形のデューティが異なる場合の過渡応答電圧波形を示す。
【0049】
なお、(a)図はパルス電源の立下り波形の期間(T/2)が積分回路の時定数よりも充分長く、時間T/2では過渡応答電圧が0Vに達するよう設定するのに対し、(b)図はパルス電源の立下り波形の期間(T1)が短く、過渡応答電圧が0Vにならないよう設定する。
また、(a)図および(b)図ともに、パルス電源の立上り波形の期間は、積分回路の時定数よりも充分長く、時間Tまたは時間T2で過渡応答電圧は波高値VIに達するよう設定する。
【0050】
操舵トルクセンサ31を搭載した対象物が変位し、図4に示すコア31Cが中立点から検出コイ31A側にX1変位し、変位X1に伴って、例えば検出コイル31AのインダクタンスL(中立点のインダクタンス)が減少してL1となり、検出コイル31BのインダクタンスLが増加してL2となるとすると、インダクタンスL1<L2の関係から、端子S1および端子S2の過渡応答電圧VS1の時定数(L1/R)が過渡応答電圧VS2の時定数(L2/R)より小さくなり、図5に示す過渡応答電圧VS1のパルス電源に対する立下りおよび立上りは、過渡応答電圧VS2に対して速くなる。
【0051】
コア31CがX1側に変位した場合、検出端子S1、S2両端の検出電圧VD(=VS1−VS2)は、パルス電源の立下り期間はマイナス(−)、パルス電源の立上り期間はプラス(+)の極性で検出される。
また、このコア31CがX2側に変位する場合には、検出電圧VD(=VS1−VS2)は、上記と反対の関係となり、パルス電源の立下り期間はプラス(+)、パルス電源の立上り期間はマイナス(−)で検出される。
【0052】
このように、検出電圧VD(=VS1−VS2)の絶対値によりX1、X2の変位量、検出電圧VDの符号により変位方向が検出できる。
【0053】
図5において、検出電圧VDをパルス電源の立下り期間で検出するよう構成すると、(a)図では時間tMで絶対値が最大(符号はマイナス)の検出電圧VD(=VDMAX-)が検出でき、(b)図では時間T1における検出電圧VDが検出できる。
なお、(b)図で時間T1をtMに設定することにより(a)図と同じ検出電圧VD(=VDMAX-)を検出するよう構成することができる。
【0054】
また、(a)図では、検出電圧VDをパルス電源の立上り期間で検出するようにも構成することができ、絶対値が最大(符号はプラス)の検出電圧VD(=VDMAX+)が検出できる。
【0055】
このように、コア31Cの変位量が同じであっても、検出電圧VDの最大値を検出するよう設定することにより、高感度の操舵トルクセンサ31を構成する。
【0056】
図3において、操舵トルク検出器32は、トルク信号検出器33、故障検出手段34を備える。
トルク信号検出器33は、操舵トルクセンサ31から供給される検出電圧VS1、VS2に基づいて操舵トルク信号T1を検出する。
【0057】
また、トルク信号検出器33は、検出電圧VS1、VS2に対応した電圧VT1、VT2を故障検出手段34に供給する。
【0058】
図6はトルク信号検出器のブロック構成図である。 図6において、トルク信号検出器33は、操舵トルクセンサ31にパルス電圧Vを供給するパルス発生回路45と、操舵トルクセンサ31で検出したパルス過渡応答電圧VS1、VS2に含まれる高周波のスイッチングノイズ(N)を除去してパルス過渡応答電圧Va(VS1、VS2)を出力する1次のCRローパスフィルタ41A、41Bと、パルス過渡応答電圧Va(VS1、VS2)のボトム電圧VT1、VT2を保持して出力するボトムホールド回路42A、42Bと、ボトム電圧VT2とボトム電圧VT1との偏差(VT2−VT1)を演算してゲインG1だけ増幅し、偏差電圧Vbを出力する差動増幅器43と、偏差電圧Vbを反転させ、基準電圧(例えば、2.5V)だけシフトさせたトルク検出電圧Vを検出する反転増幅器44とから構成する。
なお、トルク検出電圧Vは図2に示す操舵トルク信号T(操舵トルク検出手段13の場合は操舵トルク信号T)であり、操舵トルク信号Tとして図2に示す目標電流信号設定手段21に供給される。
【0059】
図7は図6に示すトルク信号検出器の各ブロック波形図である。
(a)図はパルス発生回路45のパルス電圧VI出力波形、(b)図は操舵トルクセンサ31のブリッジ回路で検出したパルス過渡応答電圧VS1、VS2波形であり、パルス電圧VIの立下りおよび立上りにパルス発生回路45の出力回路45B(例えば、スイッチング・トランジスタ)のスイッチングノイズNSが含まれる。
【0060】
(c)図はローパスフィルタ41A、41Bを通過したパルス過渡応答電圧Va(VS1、VS2)波形であり、スイッチングノイズNSが除去される。
(d)図にボトム電圧VT1およびボトム電圧VT2波形を示し、(e)図はボトム電圧VT2とボトム電圧VT1の偏差(VT2−VT1)をゲインG1だけ増幅した偏差電圧Vb波形を示す。
【0061】
(f)図は偏差電圧Vbを反転させ基準電圧(例えば、2.5V)だけシフトさせたトルク検出電圧VT波形であり、トルク(T)が0の場合にはトルク検出電圧VTが基準電圧(2.5V)で、トルク(T)の方向と大きさに対応してリニアに変化する。
【0062】
このように、トルク信号検出器33は、操舵トルクセンサ31に作用するトルク(T)(絶対値および方向)に対応する値をトルク検出電圧VTの絶対値で検出するよう構成し、例えばトルク(T)が左方向に作用するとトルク検出電圧VTが2.5Vから減少し、右方向に作用するとトルク検出電圧VTが2.5Vから増加するような図7の(f)図に示す直線で表わされる特性を設定する。
【0063】
したがって、予め設計値や実験値に基づいて求めたトルク(T)とトルク検出電圧VTの変換テーブルをデータとしてROM等のメモリに記憶しておけば、トルク信号検出器33が検出したトルク検出電圧VT(絶対値)に基づいて操舵トルクセンサ31に作用するトルク(T)を検出することができる。
【0064】
なお、操舵トルク検出器32を5V電源で駆動し、例えば左操舵の最大値に対するトルク検出電圧VTを0.2V、右操舵の最大値に対するトルク検出電圧VTを4.8Vに設定することにより、0.2Vから4.8Vの範囲のトルク検出電圧VTを操舵トルク信号T1として出力することができる。
【0065】
図3において、故障検出手段34は、ボトム電圧VT1、VT2に基づいて操舵トルク検出手段12の故障を判定し、故障の場合には、例えば2化符号または所定パルス数の故障信号Cを出力する。
【0066】
図8は故障検出手段のブロック構成図である。
図8において、故障検出手段34は、平均値演算手段35、比較手段36、故障信号発生手段37を備える。
【0067】
平均値演算手段35は、平均値演算機能を備えた演算回路で構成し、トルク信号検出器33から供給されるボトム電圧VT1、VT2の平均値VH{=(VT1+VT2)/2}を演算し、平均値信号VHを比較手段36に供給する。
【0068】
比較手段36は、例えばウィンドコンパレータで構成し、平均値演算手段35から供給される平均値信号VHと、予め設定した基準範囲値VTKとを比較し、平均値信号VHが基準範囲値VTKを超える場合には、例えばHレベルの故障判定信号HOを故障信号発生手段37に供給する。
【0069】
基準範囲値VTKは、例えば図7の(f)図に示すボトム電圧VT1、VT2の平均値VH{=(VT1+VT2)/2}、例えば2.5Vに許容値を加えた値とする。
【0070】
なお、故障検出の方法は前述のものに限られず、例えばボトム電圧VT1、VT2がそれぞれ許容値内(例えば、0.2V≦VT1、VT2≦4.8V)にあるか否かで検出するようにしてもよい。
【0071】
故障信号発生手段37は、例えばROM等のメモリで構成し、予め2進化符号の故障信号データを記憶しておき、比較手段36からHレベルの故障判定信号HOが供給されると、故障信号C1を出力する。
【0072】
なお、故障検出手段34は、制御手段15の中に組み込むように構成してもよい。
【0073】
なお、操舵トルク検出手段13も操舵トルク検出手段12と同様な構成なので説明は省略する。
また、操舵トルク検出手段13は、故障信号C2の2進化符号データを故障信号C1と異なる値に設定する。
【0074】
このように、電動パワーステアリング装置1の操舵トルク検出手段12は、操舵トルクセンサ31と、故障検出手段34を有する操舵トルク検出器32とを1組として、2組で構成するとともに、制御手段15は、一方の操舵トルク検出手段12が自己の故障を判定した場合には、故障検出手段34からの故障信号Cに基づいて他方の操舵トルク検出手段13へ切り替える切替手段20を備えたので、一方の操舵トルク検出手段12が故障しても他方の操舵トルク検出手段13に切り替えて、装置を継続して動作することができる。
【0075】
図9は電動パワーステアリング装置の要部構成図であり、図1に示すギヤボックス4、電動機10、ボールねじ11廻りの一部を断面した組立姿を示す。
【0076】
図10は図9の10−10線断面図である。
電動パワーステアリング装置1は、固定ハウジング(図1に示すギヤボックスに相当)4内に可動ハウジング51を回転可能に支持し、可動ハウジング51内に入力軸52を回転可能に支持し、入力軸52にカップリング53を介して出力軸54を連結し、さらに、固定ハウジング4に出力軸54を回転可能に支持したものである。
可動ハウジング51の回転中心と入力軸52の回転中心とは、互いに偏心している。
【0077】
可動ハウジング51は、上部可動ハウジング55と下部可動ハウジング56とを同心上に重ねてボルト結合した、複合ハウジングである。
入力軸52は、ステアリングホイール17(図1参照)に自在継手等を介して連結した軸であり、直列に連結した第1の軸57とトーションバー58と第2の軸59とからなる。詳しくは、入力軸52は、管状の第1の軸57内にトーションバー58を挿入し、トーションバー58の上部を第1の軸57の上部にピン結合し、トーションバー58の下部を第2の軸59の上部にセレーション結合した構成である。トーションバー58は、文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生するメンバーであって、第1の軸57と第2の軸59との間での相対ねじり変位を発生する。
出力軸54は、ラックアンドピニオン機構5の一部をなすピニオン54aを有し、このピニオン54aは、ラック軸7のラック7aに噛み合うものである。
図中、91はラックガイド、Sは後述するウォーム軸の軸線である。
【0078】
ところで、可動ハウジング51は、図2に示す2組の操舵トルク検出手段12、13を組付けたものである。なお、図10および図11では、操舵トルク検出手段12、13の構成要素のうち、操舵トルクセンサ31の検出コイル31A、31Bおよび作動子を形成するコア31Cのみを示す。
操舵トルク検出手段12、13は、トーションバー58で連結された第1の軸57と第2の軸59との間の相対ねじり変位を検出することにより、ステアリング系(図1に示す手動操舵力発生手段6に相当)の操舵トルクを検出するものである。
【0079】
図11は操舵トルクセンサの断面図である。
ここで、説明の便宜上、図2および図4に示す操舵トルク検出手段12の操舵トルクセンサ31のことを「第1操舵トルクセンサ31a」と言換え、操舵トルク検出手段13の操舵トルクセンサ31のことを「第2操舵トルクセンサ31b」と言換えて説明する。
また、第1操舵トルクセンサ31aの検出コイル31A、31Bのことを「第1コイル31Aa」、「第1コイル31Ba」と言換え、第2操舵トルクセンサ31bの検出コイル31A、31Bのことを「第2コイル31Ab」、「第2コイル31Bb」と言換えて説明する。
【0080】
上部可動ハウジング55は、略円筒状ボビン61を内部に一体に成形したものである。
ボビン61は上下2段に区画し、▲1▼上段に一方の第1コイル31Aaを巻き、▲2▼下段に他方の第1コイル31Baを巻いたものである。
しかもボビン61は、▲3▼上段の第1コイル31Aaの外周に、さらに一方の第2コイル31Abを重ね巻きし、▲4▼下段の第1コイル31Baの外周に、さらに他方の第2コイル31Bbを重ね巻きしたものである。
【0081】
第1コイル31Aa、31Baを備えた操舵トルク検出手段12(図2参照)は、第1カプラ62の端子62aに接続し、第2コイル31Ab、31Bbを備えた操舵トルク検出手段13は(図2参照)、第2カプラ63の端子63aに接続する。第1・第2カプラ62、63は上部可動ハウジング55に一体に形成したものである。
【0082】
第1コイル31Aa、31Baおよび第2コイル31Ab、31Bbは、共用した1つのコア31C(作動子)の軸方向への変位量を、各々独立して電気信号に変換するものである。すなわち、第1操舵トルクセンサ31aと第2操舵トルクセンサ31bとで、1つの環状コア31Cを共用するものであり、このコア31Cはスライダ64の外周に一体に取付けたものである。このため、第1・第2操舵トルクセンサ31a、31bの中立点調整を同時に行うことができる。
【0083】
略円筒形状のスライダ64は、第1の軸57と第2の軸59とに嵌合したものである。スライダ64の連結構造は、スライダ64に傾斜溝64aと縦長のストレート溝64bとを形成し、傾斜溝64aを第1の軸57のピン57aに係合し、また、ストレート溝64bを第2の軸59のピン59aに係合したものである。このため、コア31C付きスライダ64は、第1の軸57と第2の軸59との相対ねじれ変位に応じて、軸方向へ変位可能である。
図中、65はスライダ64を軸方向に弾発するリターンばねである。
【0084】
以上に構成により、スライダ64が軸方向へ変位すると、コア31Cも軸方向へ変位する。コア31Cの変位量に対応して、第1コイル31Aa、31Baおよび第2コイル31Ab、31Bbのインダクタンスは、差動で変化することになる。
【0085】
可動ハウジング51に、第1コイル31Aa、31Baおよび第2コイル31Ab、31Bbを取付けるようにしたので、これら第1コイル31Aa、31Baおよび第2コイル31Ab、31Bbを、回転変位する入力軸52の廻りに一体的に組付けることができる。
【0086】
図12は図10の12−12線断面図であり、平面視において可動ハウジング51の回転中心Oに対し、ウォーム軸33と反対方向へ距離Lだけ偏心した位置に、第2の軸59の回転中心Aを設定したことを示す。
なお、入力軸52については第2の軸59のみを示し、これに関連する第1・第2操舵トルクセンサ31a、31b、第1の軸57、トーションバー58については省略する。
【0087】
電動パワーステアリング装置1は可変舵角比制御機構70を有し、この可変舵角比制御機構70は、(1)舵角比制御用電動機71にてウォームギヤ機構72を介して可動ハウジング51を回転させることにより、入力軸52の回転中心Aを変位させて舵角比を変えるとともに、(2)入力軸52の回転中心Aの変位量を変位センサ74で検出し、この検出信号に基づき舵角比制御用電動機71を制御して、舵角比制御を安定的に行うようにするものである。なお、舵角比とは、ステアリングホイール17(図1参照)の操舵角に対する、操舵車輪の操舵角の割合のことである。
以下、可変舵角比制御機構70について図12〜図14に基づき説明する。
【0088】
ウォームギヤ機構72は、舵角比制御用電動機71の出力軸71aに連結したウォーム軸73と、ウォーム軸73のウォーム73aに噛み合うホイール56aとからなる。ホイール56aは、下部可動ハウジング56の外周部に形成した歯である。
変位センサ74は、下部可動ハウジング56の外周部に形成したカム面56bの変化量を検出することにより、入力軸52の軸心Aの変位量を間接的に検出するものであり、カム面56bに当接した検出端部74aが進退するポテンショメータからなる。
【0089】
図13はカップリング廻りの分解斜視図である。
カップリング53は、第2の軸59の下端に一体に形成した上部フランジ81と、上部フランジ81に複数のボール82…を介して連結した下部フランジ83と、下部フランジ83の下端から下方へ延びて出力軸54の連結孔54bに連結した連結軸84とからなる。
詳しくは、カップリング53は、上部フランジ81の下端面に側断面視テーパ形状の連結溝81aを形成し、また、下部フランジ83の上端面に側断面視テーパ形状の連結溝83aを形成し、これら連結溝81a、83aに3つのボール82…を1列に並べて、連結溝81a、83aのテーパ面に当てることで、上・下部フランジ81、83間を連結したものである。このため、カップリング53は、第2の軸59に対して、軸直角方向への相対移動可能に且つ相対回転不能に連結することになる。
【0090】
連結孔54bは出力軸54から偏心した位置にあり、また、連結軸84は第2の軸59から偏心した位置にあり、これら連結孔54bと連結軸84とは互いに回転可能に連結したものである。
図中、85は板状のボール保持器である。
【0091】
次に、上記構成の可変舵角比制御機構70の作用を、図13および図14に基づき説明する。
図13において、第2の軸59が回転すると、カップリング53のボール82…の作用により、連結軸84は出力軸54の回転中心B回りを回転する。このため、第2の軸59の回転は出力軸54に伝達される。
【0092】
図14はウォームギヤ機構、下部可動ハウジングおよび第2の軸の関係説明図である。
ウォーム軸73を正逆転すれば、下部可動ハウジング56は回転角θの範囲で正逆転する。第2の軸59の回転中心Aは、下部可動ハウジング56の回転中心Oから偏心しているので、下部可動ハウジング56の回転角θに対応してA〜Aの範囲で変位する。
【0093】
図13に戻って説明を続ける。第2の軸59の回転中心Aから出力軸54の回転中心Bまでの偏心距離をaとし、出力軸54の回転中心Bから連結軸84の作用点Cまでの偏心距離をbとする。
第2の軸59の回転中心AをA1〜A2の範囲で変位させると、これに対応して偏心距離aも変化する。これに対して、出力軸54の回転中心Bは変化しない。偏心距離aが変化すれば、第2の軸59の回転角に対して、出力軸54の回転角は変化する。この結果、舵角比が変わる。
【0094】
次に、上記操舵トルクセンサ3の変形例を図15〜図18に基づき説明する。なお、前述した構成と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
図15は操舵トルクセンサ(第1変形例)の断面図である。
第1変形例の第1・第2操舵トルクセンサ31a、31bは、4つのコイル(第1コイル31Aa、31Baおよび第2コイル31Ab、31Bb)を上下4段に重ね、環状のコア31C(第1コア31Caおよび第2コア31Cb)を上下に2個設けたことを特徴とする。
【0095】
具体的には、1つの円筒状ボビン61を上下4段に区画し、最上段から第1コイル31Aa、第1コイル31Ba、第2コイル31Ab、第2コイル31Bbの順に各段に巻いたものである。
スライダ64は、第1コイル31Aa、31Baのための第1コア31Caと、第2コイル31Ab、31Bbのための第2コア31Cbとを上下2段に取付けたものである。2つのコア31Ca、31CbB同士の形状、寸法、材質は互いに同一である。
【0096】
図16は操舵トルクセンサ(第2変形例)の断面図である。
第2変形例の第1・第2操舵トルクセンサ31a、31bは、上記図15の第1変形例をさらに変形した構成であり、▲1▼第1コイル31Aa、31Baと第1コア31Caとの間の隙間(ギャップ)δと、▲2▼第2コイル31Ab、31Bbと第2コア31Cbとの間の隙間δとを、変えたことを特徴とする。
例えば、第1コア31Caの外径を、第2コア31Cbの外径よりも小さく設定することにより、隙間δは隙間δよりも大きい。隙間δが大きい第2トルクセンサ31bの検出信号のゲインは、第1トルクセンサ31aの検出信号のゲインよりも小さい。
【0097】
図19は図16に示す操舵トルクセンサを用いた操舵トルク検出手段の操舵力−操舵トルク信号特性図である。
(a)図に操舵力−操舵トルク信号T(検出信号のゲイン)が同じの2つの操舵トルクセンサの特性図、(b)図に操舵力−操舵トルク信号T特性の異なる2つの操舵トルクセンサの特性図を示す。
なお、(a)および(b)のT2特性は、操舵トルクセンサの加工精度等に伴って発生するセンタ値(2.5V)からのずれ(操舵力が0で操舵トルク信号Tが2.5V+ΔT)があるものとする。
【0098】
(a)図おいて、T1特性は、操舵力が0(中立点)で操舵トルク信号Tがセンタ値2.5Vであり、操舵力が−TM(例えば、反時計回りの操舵)から+TM(例えば、時計回りの操舵)の操舵トルク検出範囲で、線形(リニア)に変化する。
【0099】
一方、T2特性は、操舵力が0(中立点)で操舵トルク信号Tがセンタ値2.5V+ΔTであり、操舵力FAまでは線形(リニア)に変化するが、操舵力FA以上では操舵トルク信号Tが飽和してしまうため、操舵フィーリングに影響を及ぼす。
【0100】
操舵トルク信号Tの飽和による操舵フィーリングの影響を解消するため、(b)図のT2特性は、図16に示す第2トルクセンサ31bのように検出信号のゲインを第1トルクセンサ31aよりも低下させ、操舵力が−TMから+TMの操舵トルク検出範囲で線形(リニア)となるよう設定する。
【0101】
図17は操舵トルクセンサ(第3変形例)の断面図である。
第3変形例の第1・第2操舵トルクセンサ31a、31bは、上記図15の第1変形例をさらに変形した構成であり、第1コイル31Baと第2コイル31Abとの間に、透磁率の異なる部材92を介在させたことを特徴とする。
具体的には、ボビン61を上下2分割し、分割した間に透磁率の異なる部材92を介在させた構成である。なお、透磁率の異なる部材としては、空気層であってもよい。
【0102】
図18は操舵トルクセンサ(第4変形例)の断面図である。
第4形例の操舵トルクセンサ3は、上記図17の第3形例をさらに変形した構成であり、第1コイル31Baと第2コイル31Abとの間に、互いに透磁率の異なる複数の部材92A、92B、92Cを介在させたことを特徴とする。
【0103】
なお、本実施の形態では、制御手段を構成するマイクロプロセッサは1つであるが、本発明は、メイン制御装置とサブ制御装置にそれぞれ1つのマイクロプロセッサを用いた電動パワーステアリング装置にも適用することができる。
【0104】
また、本実施の形態では、操舵トルクセンサに検出コイルと抵抗器を用いてパルス電源の過渡応答電圧を検出するよう構成したが、差動トランスを用いて一次コイルを交流電源で駆動し、2次コイルの差動出力を検出するよう構成してもよい。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の電動パワーステアリング装置の操舵トルク検出手段は、操舵トルクセンサと、故障検出手段を有する操舵トルク検出器とを1組として、2組で構成するとともに、制御手段は、一方の操舵トルク検出手段が自己の故障を判定した場合には、故障検出手段からの故障信号に基づいて他方の操舵トルク検出手段へ切り替える切替手段を備え、一方の操舵トルク検出手段が故障しても他方の操舵トルク検出手段に切り替え、装置を継続して動作することができるので、操舵トルクセンサが故障しても操舵補助力をステアリング系に安定して供給することができる。
【0108】
また、請求項の電動パワーステアリング装置の操舵トルク検出手段は、2組の操舵トルク検出手段の検出信号のゲインを、互いに異ならせ、加工精度等によって一方の操舵トルク検出手段の中立点がずれた場合でも、操舵トルク検出範囲のゲインをリニアに設定できるので、操舵フィーリングの低下を防止することができる。
【0110】
よって、部品点数が少なく、組立性に優れ、操舵トルクセンサが故障しても操舵補助力をステアリング系に安定して供給することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる電動パワーステアリング装置の全体構成図
【図2】 動パワーステアリング装置の要部ブロック構成図
【図3】 舵トルク検出手段の要部ブロック構成図
【図4】 操舵トルクセンサの構成図
【図5】 舵トルクセンサの過渡応答電圧波形図
【図6】 ルク信号検出器のブロック構成図
【図7】 図6に示すトルク信号検出器の各ブロック波形図
【図8】 障検出手段の一実施の形態ブロック構成図
【図9】 動パワーステアリング装置の要部構成図
【図10】 図9の10−10線断面図
【図11】 舵トルクセンサの断面図
【図12】 図10の12−12線断面図
【図13】 ップリング廻りの分解斜視図
【図14】 ォームギヤ機構、下部可動ハウジングおよび第2の軸の関係説明図
【図15】 舵トルクセンサ(第1変形例)の断面図
【図16】 舵トルクセンサ(第2変形例)の断面図
【図17】 舵トルクセンサ(第3変形例)の断面図
【図18】 舵トルクセンサ(第4変形例)の断面図
【図19】 図16に示す操舵トルクセンサを用いた操舵トルク検出手段の操舵力−操舵トルク信号特性図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング軸、3…連結軸、4…ギヤボックス、5…ラックアンドピニオン機構、6…手動操舵力発生手段、7…ラック軸、8…タイロッド、9…左右の前輪、10…電動機、11…ボールねじ、12,13…操舵トルク検出手段、14…車速センサ、15…制御手段、16…電動機駆動手段、17…ステアリングホイール、19…電動機電流検出手段、20…切替手段、21…目標電流信号設定手段、22…偏差演算手段、23…駆動制御手段、31(31a,31b)…操舵トルクセンサ、31A(31Aa,31Ab),31B(31Ba,31Bb)…検出コイル、31C…コア(作動子)、32…操舵トルク検出器、33…トルク信号検出手段、34…故障検出手段、35…平均値演算手段、36…比較手段、37…故障信号発生手段、92,92A〜92C…透磁率の異なる部材。

Claims (1)

  1. ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、ステアリング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルク検出手段からの操舵トルク信号に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御信号を出力する制御手段と、電動機制御信号に基づいて前記電動機を駆動する電動機駆動手段と、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルク検出手段は、操舵トルクセンサと、故障検出手段を有する操舵トルク検出器とを1組として、2組で構成するとともに、前記制御手段は、一方の操舵トルク検出手段が自己の故障を判定した場合には、前記故障検出手段からの故障信号に基づいて他方の操舵トルク検出手段へ切り替える切替手段を備え、
    前記2組の操舵トルク検出手段は、それぞれ操舵トルクに応じて変位する作動子と前記作動子の変位量を電気信号に変換する検出コイルを備え、前記作動子と前記検出コイルとの間の隙間を互いに異ならせることによって検出信号のゲインが互いに異なるようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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