JP3913024B2 - 開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムに関し、例えば、シャッター、ドア、オーバーヘッドドア、窓、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置などの開閉制御に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
開閉体の開閉制御(なお、施錠、解錠機能を有する開閉体であれば、開閉制御に加え、又は、開閉制御に代え、施錠、解錠制御をも開閉制御の用語に含むものとする)をリモコン送信機を用いて指示できるようにした開閉装置も多く提案されている。
【0003】
一般には、短時間の間に、開閉体の開動作及び閉動作がなされる開閉装置にリモコンシステムが適用されることが多い。例えば、ガレージ用シャッターであれば、利用者は、シャッターを開けてガレージ内に入り、車両に乗車してガレージ外にでると、シャッターを閉めて、出掛けることになる。また、帰ってきたときにも、ガレージ用シャッターを開け、車両をガレージ内に入れ、その後、シャッターを閉めることになる。このように短時間でシャッターの開動作及び閉動作が必要な場合において、開操作や閉操作を手動で行うことは、操作毎に車両の乗り降りが必要となって不便であり、そのため、リモコンシステムが適用されることが多くなる。
【0004】
このようなシャッターのリモコンシステムでは、シャッター近傍の壁面や、シャッターの収納ボックスの表面又は内部に、アンテナ取付具によって受信アンテナが取り付けられ、リモコン送信機からの電波を捕捉する。
【0005】
図20は、従来のリモコンシステムの構成を示すブロック図である。リモコン送信機110からの電波を受信アンテナ111が捕捉して変換した電気信号は、例えば同軸ケーブル112を介して、受信ユニット113に与えられる。受信ユニット113において、受信アンテナ111側からの電気信号は、復調部114によって復調され、受信制御部115によって、その復調信号が解読されて、シャッターの開、閉などを指示する開閉制御信号が形成されて、ケーブル116を介して、シャッター制御ユニット117に与えられる。
【0006】
シャッター制御ユニット117においては、シャッター制御部118が、受信ユニット113からの開閉制御信号の内容(開又は閉など)に基づいて、シャッターの開、閉などを実現させるモータ駆動信号を形成し、モータ駆動回路119は、そのモータ駆動信号に応じて、図示しないモータに対して所望の動作を実行させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、利用者がリモコン送信機を操作して初めて、シャッターの開閉などを無線制御でき、操作しない限りにおいては、当然にシャッターの開閉などを制御できない。例えば、ガレージ用シャッターにおいて、利用者が出掛ける際に、利用者が車両をガレージ外に出した後、シャッターに対する閉操作を実行することなく、そのまま車両を運転して出掛けた場合には、シャッターは開状態を継続する。すなわち、リモコン送信機に対する操作し忘れに対し、従来のシャッターのリモコンシステムでは対応することができない。
【0008】
このような不都合を解決するため、開動作と閉動作とが短時間の間になされることが多いガレージ用シャッターなどに対しては、リモコン送信機からの指令によって開動作した後、所定時間の経過を待って、自動的に閉動作させるものも考えられている。しかし、この場合、所定時間の選定が難しく、所定時間を短くすれば、車両をガレージ外に出す前に閉動作がなされ、逆に、所定時間が長いと、利用者が近くにいない状態での開状態が長くなる。
【0009】
このような課題は、シャッターの場合だけでなく、他の開閉装置についても同様に生じている。
【0010】
そのため、開閉体の一部又は全ての種類の動作(状態変化)を、利用者による開閉体動作制御用の操作がなされずにも無線制御できることが望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、開閉装置の制御側無線装置が、自動的に繰り返し送信した、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる、開閉装置の被制御側無線装置であって、(1)上記無線送信信号を受信処理して得た第1の開閉制御データと、上記直接開閉体制御信号を受信処理して得た第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(2)上記第1の開閉制御データに基づく開閉体制御と、上記第2の開閉制御データに基づく開閉体制御との調停手段を有し、(3)上記調停手段は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示した以降、所定時間の間、上記第1の開閉制御データの到来を無視することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明は、開閉装置の制御側無線装置が、自動的に繰り返し送信した、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる、開閉装置の被制御側無線装置であって、(1)上記無線送信信号を受信処理して得た第1の開閉制御データと、上記直接開閉体制御信号を受信処理して得た第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(2)上記第1の開閉制御データに基づく開閉体制御と、上記第2の開閉制御データに基づく開閉体制御との調停手段を有し、(3)上記調停手段は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示する際に、所定時間の間、上記開閉装置の制御側無線装置に、上記無線送信信号の送信を停止させることを特徴とする。
【0013】
第3の本発明の開閉装置の無線開閉制御システムは、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号を自動的に繰り返し送信する開閉装置の制御側無線装置と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた直接開閉体制御信号を送信する直接開閉体制御装置と、第1又は第2の本発明の開閉装置の被制御側無線装置とを有することを特徴とする。
【0014】
第4の本発明は、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した、第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号が与えられる開閉装置の被制御側無線装置に対し、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない、第1の開閉制御データを含む無線送信信号を与えて上記開閉体の状態変化を制御する開閉装置の制御側無線装置であって、(1)上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(2)受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示することを行う上記開閉装置の被制御側無線装置において、上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく上記開閉装置の被制御側無線装置又は上記直接開閉体制御装置が、送信した送信停止信号に基づき、所定時間だけ、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号の送信を停止する送信停止手段を有することを特徴とする。
【0015】
第5の本発明は、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を開閉装置の被制御側無線装置に送信する直接開閉体制御装置であって、上記開閉装置の被制御側無線装置には、開閉装置の制御側無線装置が送信した開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない、第1の開閉制御データを含む無線送信信号も与えられる、直接開閉体制御装置において、(1)上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(2)受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示することを行う上記開閉装置の被制御側無線装置において、上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく、上記開閉装置の制御側無線装置に直接又は上記開閉装置の被制御側無線装置を介して、所定時間だけ、上記無線送信信号の送信を停止させる送信停止信号を送信する自己優先宣言手段を有することを特徴とする。
【0016】
第6の本発明の開閉装置の無線開閉制御システムは、(1)開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない第1の開閉制御データを含む無線送信信号を自動的に送信する開閉装置の制御側無線装置と、(2)上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を送信する直接開閉体制御装置と、(3)上記開閉装置の制御側無線装置が自動的に送信した無線送信信号と、上記直接開閉体制御装置が操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる開閉装置の被制御側無線装置とを備え、(4)上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(5)上記開閉装置の被制御側無線装置は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示するものであり、(6)上記開閉装置の制御側無線装置が第4の本発明の開閉装置の制御側無線装置であり、(7)上記直接開閉体制御装置が第5の本発明の直接開閉体制御装置であることを特徴とする。
【0017】
第7の本発明は、開閉装置の制御側無線装置が、自動的に繰り返し送信した、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる、開閉装置の被制御側無線装置であって、(1)上記無線送信信号を受信処理して得た第1の開閉制御データと、上記直接開閉体制御信号を受信処理して得た第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(2)受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示すると共に、(3)上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく、上記直接開閉体制御装置から受信停止信号が与えられたときに、所定時間の間、上記第1の開閉制御データを含む無線送信信号の到来を無視することを特徴とする。
【0018】
第8の本発明は、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を開閉装置の被制御側無線装置に送信する直接開閉体制御装置であって、上記開閉装置の被制御側無線装置には、開閉装置の制御側無線装置が送信した開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない、第1の開閉制御データを含む無線送信信号も与えられる、直接開閉体制御装置において、(1)上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(2)受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示することを行う上記開閉装置の被制御側無線装置において、上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく、自己優先を宣言する優先キーが操作されたときに、受信停止信号を上記開閉装置の被制御側無線装置に送信する自己優先宣言手段を有することを特徴とする。
【0019】
第9の本発明の開閉装置の無線開閉制御システムは、(1)開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない第1の開閉制御データを含む無線送信信号を自動的に送信する開閉装置の制御側無線装置と、(2)上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を送信する直接開閉体制御装置と、(3)上記開閉装置の制御側無線装置が自動的に送信した無線送信信号と、上記直接開閉体制御装置が操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる開閉装置の被制御側無線装置とを備え、(4)上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、(5)上記開閉装置の被制御側無線装置は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示するものであると共に、上記直接開閉体制御装置から受信停止信号が与えられたときに、所定時間の間、上記第1の開閉制御データを含む無線送信信号の到来を無視するものであり、(6)上記直接開閉体制御装置は第8の本発明の直接開閉体制御装置であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムを、ガレージ用シャッターの無線開閉制御に適用した第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0021】
(A−1)第1の実施形態での自動無線開閉制御モード
第1の実施形態の無線開閉制御システムは、従来と同様なリモコン送信機(直接開閉体制御装置)からガレージ用シャッターの開閉を制御するリモコン開閉制御モードに加え、利用者の開閉を意図した操作を必要とすることなくガレージ用シャッターの開閉を制御する自動無線開閉制御モードを有するものである。
【0022】
以下では、図1の説明図を参照しながら、自動無線開閉制御モードの概念を説明する。
【0023】
利用者が車両2に乗車してエンジンをかけると、車両2に搭載されている、後述する図2に詳細構成を示す制御側無線装置(以下、この実施形態の説明では車載無線送信装置と呼ぶ)3が送信電波を放射し(エンジン動作中は放射を継続する)、ガレージ用シャッター(以下、場合によっては、単にシャッターと呼ぶ)1に関連して設けられた、後述する図4に詳細構成を示す被制御側無線装置(以下、この実施形態の説明では無線受信装置と呼ぶ)4が、車載無線送信装置3からの送信電波を捕捉すると、シャッター制御部に開動作を指示して、図1(A)に示すように、シャッター1を開動作させる。
【0024】
そして、シャッター1の開状態において、車両2がガレージ5から走り去ると、無線受信装置4は、車載無線送信装置3からの送信電波を捕捉できなくなり、このとき、無線受信装置4は、シャッター制御部に閉動作を指示して、図1(B)に示すように、シャッター1を閉動作させる。
【0025】
また、車両2が外部から帰ってきて、無線受信装置4が、車載無線送信装置3からの送信電波を再び捕捉するようになると、シャッター制御部に開動作を指示して、図1(C)に示すように、シャッター1を開動作させる。
【0026】
車両2がガレージ5内に収まり、利用者が車両2のエンジンを切ると、車載無線送信装置3からの送信電波の放射が終了し、これにより、無線受信装置4が、車載無線送信装置3からの送信電波を捕捉できなくなり、このとき、無線受信装置4は、シャッター制御部に閉動作を指示して、図1(D)に示すように、シャッター1を閉動作させる。
【0027】
(A−2)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態の無線開閉制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【0028】
図2において、第1の実施形態の無線開閉制御システムは、上述したような車載無線送信装置3及び無線受信装置4に加え、リモコン送信機6を構成要素とするものである。
【0029】
無線受信装置4は、車載無線送信装置3に対応する受信装置として機能するだけでなく、リモコン送信機6に対応する受信装置(リモコン受信機)として機能するものである。すなわち、無線受信装置4は、車載無線送信装置3からの電波を捕捉して得たシャッター制御内容に従い、シャッター1の動作(開動作、閉動作、停止動作など)を制御すると共に、リモコン送信機6からの電波を捕捉して得たシャッター制御内容に従い、シャッター1の動作を制御する。無線受信装置4は、車載無線送信装置3及びリモコン送信機6からのシャッター制御内容に対応できるので、機能的には、調停部(例えば、後述するようにソフトウェアによる)4aを内蔵している。
【0030】
次に、第1の実施形態の車載無線送信装置(開閉装置の制御側無線装置)3の構成を、図3を参照しながら説明する。
【0031】
図3において、車載無線送信装置3は、エンジン作動検出部10、電源供給部11、送信制御部12、変調部13、送信アンテナ14及び主電源スイッチ15を有する。
【0032】
主電源スイッチ15は、当該車載無線送信装置3の電源の投入及び遮断を指令するものである。
【0033】
エンジン作動検出部10は、車両のエンジンが作動中(オン)か否(オフ)かを間接的又は直接的に検出するものであり、オンオフ信号を電源供給部11に与えるものである。エンジン作動検出部10としては、例えば、エンジンを駆動、停止させるためのイグニッションスイッチの出力を利用するものであっても良い。また、例えば、エンジン作動中による振動を振動センサが検出し、振動の有無によって、エンジンが作動中か否かを捉えるものであっても良く、さらに、燃料噴射制御のためにピストン位置などを検出するセンサの出力を利用するようなものであっても良い。さらに例えば、シガレットライタ部への通電、遮断状態からエンジンが作動中か否かを捉えるものであっても良い。
【0034】
電源供給部11は、主電源スイッチ15が投入されており、かつ、エンジン作動検出部10からのオンオフ信号がエンジンの作動中を示しているときに、送信制御部12や変調部13などに動作電源を供給するものである。電源供給部11は、例えば、車両のバッテリー電源を、送信制御部12や変調部13などでの動作電源に変換して供給するものであっても良く、また、シガレットライタ部から電源を得て、送信制御部12や変調部13などに供給するものであっても良い。後者の場合において、エンジン作動検出部10と電源供給部11とが融合して構成されていても良い。
【0035】
送信制御部12は、開閉制御データ記憶部12a及びタイマ12bを内蔵しており、電源供給部11から動作電源が供給されている期間では、所定周期毎に1回ずつ、開閉制御データ記憶部12aに記憶されている開閉制御データを変調部13に出力するものである。例えば、所定周期Yを、開閉制御データの1回の出力に要する時間Xより十分に長い時間とし、開閉制御データの送信を繰り返し実行しても、変調部13などでの電力消費をできるだけ小さくするようにする。所定周期Yとしては、例えば2秒程度にする。
【0036】
図4は、開閉制御データのフォーマット例を示すものである。開閉制御データは、車載無線送信装置3とリモコン送信機6とで共通なフォーマットに従うものとなっている。
【0037】
開閉制御データは、車載無線送信装置3やリモコン送信機6に固有なIDコードと、開、閉、停止を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとからなっている。
【0038】
なお、車載無線送信装置3における開閉制御データの場合、制御コードには無意味な値(例えばオール0)が挿入されている。また、リモコン送信機6における開閉制御データの場合、自動送信コードには無意味な値(例えばオール1)が挿入されている。
【0039】
変調部13は、送信制御部12から与えられた開閉制御データを変調して無線周波数帯(例えば315MHz程度)の信号(無線送信信号)にし、送信アンテナ14から空間に放射させるものである。変調部13には、必要に応じて、バンドパスフィルタや電力増幅器などが内蔵されている。なお、開閉制御データの変調方式は任意であるが、例えば、ASK変調方式やFSK変調方式を適用し得る。
【0040】
送信アンテナ14は、変調部13からの無線送信信号を空間に放射するものである。送信アンテナ14としては、当該車載無線送信装置3に専用なものであっても良く、また、無線送信信号の周波数帯にもよるが、車両2が備えているアンテナ(例えば、ラジオ受信用のアンテナや、自動車電話用のアンテナなど)を併用するものであっても良い。また例えば、車両2のフロントガラスやリヤガラスに設けるような面状アンテナでも良い。
【0041】
送信アンテナ14は、無線受信装置4の受信アンテナ(図6参照)との位置関係が固定でないため、無指向性のものであることが好ましい。1個の送信アンテナ14では、無指向性が達成できない場合には、2個以上設けても良い。例えば、車両2のフロントガラス及びリヤガラスにそれぞれ、面状の送信アンテナ14、14を設け、フロントガラス側の送信アンテナ14で車両前側をカバーし、リヤガラス側の送信アンテナ14で車両後側をカバーするようにしても良い。
【0042】
なお、図3では図示を省略しているが、主電源スイッチ15がオン状態であることを報知する発光素子や、開閉制御データの送信中に点灯され、送信中及び未送信期間を報知する発光素子なども設けられている。
【0043】
次に、第1の実施形態のリモコン送信機6の構成を、図5を参照しながら説明する。なお、リモコン送信機6は、従来と同様なものであって良い。
【0044】
リモコン送信機6は、操作部21、表示部22、送信制御部23、変調部24及び送信アンテナ25を有する。
【0045】
操作部21は、開動作キー、閉動作キー及び停止動作キーを備え、いずれかのキー操作時に操作信号を送信制御部23に与えるものである。
【0046】
表示部22は、例えば、開動作発光素子、閉動作発光素子及び停止動作発光素子を備え、これら発光素子が、送信制御部23によって点灯制御されるものである。
【0047】
送信制御部23は、操作部21におけるいずれかのキーが操作されたときに、表示部22における対応する発光素子に対する点灯、消灯などの制御を行うものである。また、送信制御部23は、操作キーに応じた開閉制御データ(図4参照)を形成して、変調部24に出力するものである。
【0048】
なお、送信制御部23は、開閉制御データを複数回繰り返して変調部24に出力する。この繰返し回数は、上述した車載無線送信装置3の送信制御部12が間欠的に開閉制御データを出力する際の空時間に、繰り返しによる開閉制御データが少なくとも1個生じる回数に選定されている。
【0049】
変調部24は、送信制御部23から与えられた開閉制御データを変調して無線周波数帯(例えば315MHz程度)の信号(無線送信信号)にし、送信アンテナ25から空間に放射させるものである。変調部24には、必要に応じて、バンドパスフィルタや電力増幅器などが内蔵されている。この変調部24は、上述した車載無線送信装置3の変調部13と同様な変調方式及び無線周波数帯に従っているものである。
【0050】
送信アンテナ25は、変調部24からの無線送信信号を空間に放射するものである。送信アンテナ25としては、無指向性のものであることが好ましい。
【0051】
次に、第1の実施形態の無線受信装置4の構成を、図6を参照しながら説明する。
【0052】
図6において、無線受信装置4は、受信アンテナ30、復調部31、受信電界強度検出部32、受信制御部33及びIDコードメモリ34を有する。
【0053】
受信アンテナ30は、車載無線送信装置3やリモコン送信機6からの放射電波を捕捉し、電気信号(無線受信信号)に変換するものである。受信アンテナ30も、車載無線送信装置3やリモコン送信機6の送信アンテナ14、25との位置が頻繁に変化するので、無指向性のものであることが好ましい。受信アンテナ30は、1個であっても2個以上であっても良いが少なくとも2個であることが好ましい。第1の実施形態の場合、車載無線送信装置3やリモコン送信機6(従って送信アンテナ14、25)がシャッター1が閉状態でガレージ5内に位置することもあれば、車載無線送信装置3やリモコン送信機6がシャッター1が閉状態でガレージ5外に位置することもあり、そのため、ガレージ内を指向する受信アンテナ30と、ガレージ外を指向する受信アンテナ30との2個があることが好ましい。
【0054】
なお、受信アンテナ30が2個以上ある場合には、復調部31に至る前に、又は、復調部31と関連付けて、選択性ダイバーシチ回路や合成ダイバーシチ回路などの受信信号を1本化する回路部分が必要である。
【0055】
復調部31は、受信アンテナ30から与えられた無線受信信号に対して復調処理し、車載無線送信装置3やリモコン送信機6が送信しようとした開閉制御データ(復調信号)を得るものであり、このようにして得られた復調信号を受信制御部33に与える。復調部31には、必要に応じて、無線周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタや前置増幅器や復調信号の帯域を通過帯域とするローパスフィルタが含まれる。
【0056】
第1の実施形態の場合、復調部31に関連付けて受信電界強度検出部32が設けられている。受信電界強度検出部32は、復調部31内におけるいずれかの処理段階の電気信号に基づいて、受信アンテナ30が捕捉した電波の電界強度を間接的に検出するものである。例えば、無線送信信号がFSK変調信号やASK変調信号である場合には、その振幅を一定化させた後(ASK変調信号の場合、「1」に対応する振幅を一定化させる)、復調させるために、AGC回路が設けられているが、そのAGC制御信号は、受信電界強度を反映したものとなっており、受信電界強度信号として適用できる。
【0057】
受信電界強度検出部32が検出した受信電界強度は、受信制御部33が取り込めるようになされている。
【0058】
受信制御部33には、復調部31から復調信号(開閉制御データ)が与えられる。受信制御部33は、開閉制御データにおけるIDコードがIDコードメモリ34に登録されているものと一致することの確認を行い、一致するときには、開閉制御データにおける制御コードや自動送信コードの値に応じ、適宜、開閉制御信号を形成して図示しないシャッター制御部(図20参照)に与えるものである。また、受信制御部33は、タイマ33aを内蔵しており、復調部31から有効な開閉制御データが与えられない場合であっても、所定条件下では、開閉制御信号を形成して図示しないシャッター制御部に与える。復調部31から有効な開閉制御データが与えられないとは、復調信号(開閉制御データ)自体が与えられない場合だけでなく、復調信号(開閉制御データ)が与えられても、そのIDコードなどが妥当でない場合をも含む。なお、受信制御部33による制御機能については、後述する動作説明で明らかにする。
【0059】
なお、受信制御部33におけるタイマ33aは、後述するように、2種類の時間の計時を行うので(閉動作指示用タイマ及び自動拒否期間タイマ)、ソフトタイマであることが好ましい。
【0060】
IDコードメモリ34は、当該無線受信装置4に対して有効な指示を出すことができる車載無線送信装置3やリモコン送信機6のIDコードを格納(登録)しているものである。なお、IDコードメモリ34に、複数の車載無線送信装置3のIDコードが登録されていても良く、また、複数のリモコン送信機6のIDコードが登録されていても良い。IDコードメモリ34への登録構成(及び方法)については、第1の実施形態の特徴はないので、図示及び説明は省略する。
【0061】
(A−3)第1の実施形態の動作
以下、第1の実施形態のシャッターの無線開閉制御システムの動作を図面を参照しながら説明する。
【0062】
図7は、車載無線送信装置3全体での概略動作を示すフローチャートである。なお、図7では、正確な意味では動作には含まれないが、システムの全体動作から見て重要な状態変化も書き出している。また、図7は、主電源スイッチ15がオンされているときに実行される処理であり、主電源スイッチ15がオフのときには、車載無線送信装置3はなんらの処理も実行しない。
【0063】
車載無線送信装置3においては、車両エンジンが、作動中(停止から作動中に変化した場合を含む)か、作動中から停止に変化したかがエンジン作動検出部10によって監視されている(ステップS1)。
【0064】
車両エンジンが作動中であれば、電源供給部11から、送信変調部12及び変調部13への動作電源の供給がなされ、これにより、開閉制御データを変調した無線送信信号が、所定周期(例えば2秒)毎に、繰り返し間欠送信される(ステップS1〜S3でなるループ処理)。
【0065】
一方、作動中であった車両エンジンが停止すると、電源供給部11から、送信変調部12及び変調部13への動作電源の供給も停止し、これにより、開閉制御データ(従って、無線送信信号)の送信も終了する(ステップS4)。なお、主電源スイッチ15がオンからオフに変更されたときにも、開閉制御データ(従って、無線送信信号)の送信が終了する。
【0066】
リモコン送信機6の動作は、図示は省略するが、従来と同様である。すなわち、操作部21における開動作キー、閉動作キー及び停止動作キーのいずれかが操作されたときには、操作されたキーに対する開閉制御動作の制御コードを含む開閉制御データが形成され、その開閉制御データを変調して得られた無線送信信号を送信する。
【0067】
図8は、無線受信装置4の動作を示すフローチャートである。なお、図8は、主として、受信制御部33の動作を中心に示している。
【0068】
無線受信装置4は、図8に示す処理を常時繰り返して実行している。無線受信装置4は、図8の処理に新たに入ると、まず、開閉制御データが到来したか否かを判断する(ステップS10)。
【0069】
無線受信装置4は、開閉制御データが到来したときには、開閉制御データに含まれているIDコードがIDコードメモリ34に登録されているものかを確認する(ステップS11)。
【0070】
無線受信装置4は、IDコードが登録されたものであると、受信した開閉制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、送信元がリモコン送信機6であるか車載無線送信装置3かを判別する(ステップS12)。
【0071】
リモコン送信機6からの開閉制御データであると、無線受信装置4は、自動拒否時間タイマを起動した後(ステップS13)、受信した開閉制御データの制御コードに応じた開動作、閉動作又は停止動作をシャッター制御部(図示せず)に指示し(ステップS14)、さらに、閉動作指示用タイマをリセットして(ステップS15)、今回の図8に示す処理を終了する。
【0072】
ステップS13での自動拒否時間タイマの起動は、既に、自動拒否時間タイマが計時中の場合は、計時を初期値からやり直す処理となる。なお、閉動作指示用タイマの機能については後述する。
【0073】
自動拒否時間タイマが計時する所定時間は、車載無線送信装置3から送信された開閉制御データが到来してもその受信を無視する時間となっている。自動拒否時間タイマが計時する所定時間として、例えば、10分間を適用できる。自動拒否時間タイマが計時する所定時間は固定であっても良く、また、シャッターの設置者や利用者が可変設定できるものであっても良い。自動拒否時間タイマは所定時間を計時したときには、計時を終了し、自律的にリセットするものである。
【0074】
ステップS14によって、受信した開閉制御データの制御コードに応じて開動作をシャッター制御部に指示する場合において、開動作の指示信号をシャッター制御部に送出するのに先だって、停止動作の指示信号をシャッター制御部に送出するようにしても良い。同様に、受信した開閉制御データの制御コードに応じて閉動作をシャッター制御部に指示する場合において、閉動作の指示信号をシャッター制御部に送出するのに先だって、停止動作の指示信号をシャッター制御部に送出するようにしても良い。
【0075】
ステップS12の判定の結果、開閉制御データの送信元が車載無線送信装置3であると認識すると、無線受信装置4は、自動拒否時間タイマが計時中であるか否かを判別する(ステップS16)。
【0076】
自動拒否時間タイマが計時中であれば、言い換えると、車載無線送信装置3から送信された開閉制御データを無視する期間であれば、無線受信装置4は、今回の図8に示す処理を直ちに終了する。すなわち、図8に示す処理を直ちに終了することにより、車載無線送信装置3から送信された開閉制御データが無視されたことになる。
【0077】
自動拒否時間タイマが計時中でなければ、無線受信装置4は、車載無線送信装置3から送信されたその開閉制御データを受信した際の受信電界が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS17)。この判別処理は、車載無線送信装置3が当該無線受信装置4からかなり離れている場合には、開閉制御データの受信を未受信とみなすための判別処理になっている。
【0078】
受信電界が閾値以上であると(車載無線送信装置3がある程度受信機に近い位置に位置していると)、無線受信装置4は、シャッター制御部に開動作を指示し(ステップS18)、また、閉動作指示用タイマを起動して、今回の図8に示す処理を終了する(ステップS19)。ステップS19での閉動作指示用タイマの起動は、既に、閉動作指示用タイマが計時中の場合は、計時を初期値からやり直す処理となる。
【0079】
閉動作指示用タイマが計時する所定時間は、車載無線送信装置3から送信された開閉制御データが到来しなくなった時間がこの所定時間を超えた場合に、閉動作を指示させるためのものとなっている。例えば、10秒間を適用できる。閉動作指示用タイマが計時する所定時間は固定であっても良く、また、シャッターの設置者や利用者が可変設定できるものであっても良い。
【0080】
また、ステップS18による開動作指示は、開動作の指示信号をシャッター制御部に送出するのに先だって、停止動作の指示信号をシャッター制御部に送出するものであっても良い。
【0081】
無線受信装置4は、開閉制御データを受信しなかった場合(ステップS10で否定結果)や、受信した開閉制御データのIDコードがIDコードメモリ34に登録されていない場合(ステップS11で否定結果)や、車載無線送信装置3から送信された開閉制御データを受信した際の受信電界が閾値より小さい場合(ステップS17で否定結果)であると、閉動作指示用タイマがタイムアップしているか否かを判別する(ステップS20)。
【0082】
閉動作指示用タイマがタイムアップしていなければ、今回の図8に示す処理を直ちに終了する。これに対して、閉動作指示用タイマがタイムアップしていると、無線受信装置4は、シャッター制御部に閉動作を指示して(ステップS21)、今回の図8に示す処理を終了する。なお、この際の閉動作指示は、閉動作の指示信号をシャッター制御部に送出するのに先だって、停止動作の指示信号をシャッター制御部に送出するものであっても良い。
【0083】
次に、以上のような構成を備え、以上のような動作を行う車載無線送信装置3と、以上のような構成を備え、以上のような動作を行う無線受信装置4との間の開閉制御データの通信により、図1に示すような自動無線開閉制御モードでのシャッターの開閉制御を実行できることを説明する。以下の説明では、リモコン送信機6に対する操作が一切なされなかったとして行う。
【0084】
まず、車両2をガレージ5から出庫させる際のシャッター制御動作を、図9のタイミングチャートをも参照しながら説明する。
【0085】
利用者が建物内部からガレージ5に入り、車両2に乗車しても、エンジンをかけるまでは、車載無線送信装置3は送信動作を実行しない。
【0086】
利用者が、例えば、イグニッションスイッチをオン操作して、時点t1で、図9(A)に示すように、エンジンを作動中にさせると、車載無線送信装置3は、図9(B)に示すように、開閉制御データの間欠的な繰り返しの送信動作を行う。
【0087】
このときには、車両2、従って、車載無線送信装置3は、無線受信装置4の近傍にいるので、無線受信装置4は、図9(C)に示すように、有効な開閉制御データを受信し、開閉制御データの受信毎に、開動作をシャッター制御部に指示する。この際の無線受信装置4の処理の流れは、図8のステップS10−S11−S12−S16−S17−S18−S19である。
【0088】
なお、図9では、無線受信装置4からシャッター制御部への指示を、図9(D)に示す開指示と、図9(E)に示す閉指示とに分けて示している。
【0089】
シャッター制御部は、開動作の指示によりモータを駆動して、図1(A)に示すように、シャッターを開動作させる。なお、2番目以降の開動作の指示(図9(D)パルスP1参照)では、既に開動作を開始しているので(又は既に開状態になっているので)、改めて開動作を起動することはない。但し、開指示が、停止動作と開動作の指示の組合せの場合には、2番目以降の開指示にも、停止動作及びそれに続く開動作を再度行うことになる。
【0090】
シャッターが開状態になると、利用者は車両2を運転してシャッター開口部を通過してそのまま遠くに出掛ける。
【0091】
車両2の走行により、車載無線送信装置3が無線受信装置4から遠ざかる。その結果、車載無線送信装置3が、図9(B)に示すように、開閉制御データの間欠送信を繰り返していても、無線受信装置4は、図9(C)の時点t2以降に示すように、開閉制御データを受信できなくなる。このような未受信期間(図9のt2〜t2’)が閉動作指示用タイマが計時する所定時間(図9の例は10秒)を経過すると、無線受信装置4は、閉動作をシャッター制御部に指示する(図9(E)参照)。
【0092】
シャッター制御部は、閉指示によりモータを駆動して、図1(B)に示すように、シャッターを閉動作させる。
【0093】
なお、この際の無線受信装置4の処理の流れは、図8のステップS10−S20−S21、若しくは、図8のステップS10−S11−S12−S16−S17−S20−S21である。
【0094】
ここで、未受信時間(図9のt2〜t2’)が10秒程度のときに閉動作を起動するようにしたのは、車両2の走行経路によっては、開閉制御データの受信、未受信が交互に生じるようなこともあり得、この場合に、所定時間を短く設定した場合には、無駄なシャッターの閉動作及び開動作も交互に実行されるためである。但し、未受信時間は、スイッチなどにより可変できるものであっても良い。
【0095】
次に、車両2をガレージ5に入庫させる際の自動無線開閉制御モードでのシャッター制御動作を、図10のタイミングチャートをも参照しながら説明する。
【0096】
図10(A)に示すように、車両2のエンジンがかかっている限りにおいては、車載無線送信装置3は、図10(B)に示すように、開閉制御データの間欠送信を繰り返している。
【0097】
車両2が出掛け先からガレージ5の方向に戻ってくるに従って、車載無線送信装置3からの無線送信信号(電波)に対する無線受信装置4での受信電界強度が徐々に大きくなり、図10(C)の時点t3以降に示すように、やがて、無線受信装置4において有効な開閉制御データが得られる(受信できる)。
【0098】
車両2が近づいてくることにより有効な開閉制御データが得られた場合でも、無線受信装置4は、有効な開閉制御データの受信毎に、開指示をシャッター制御部に出力する(図10(D)参照)。このとき、シャッター制御部は、開指示によりモータを駆動して、図1(C)に示すように、シャッターを開動作させる。なお、2番目以降の開動作の指示(図10(D)パルスP2参照)では、既に開動作を開始しているので(又は既に開状態になっているので)、改めて開動作を起動することはない。但し、開指示が、停止動作と開動作の指示の組合せの場合には、2番目以降の開指示にも、停止動作及びそれに続く開動作を再度行うことになる。
【0099】
シャッターが開状態になると、利用者は車両2を運転してシャッター開口部を通過してそのままガレージ5内に入って車両2を停止させ、さらにエンジンを停止させて車両2から降りる。
【0100】
車両2のエンジンが図10(A)に示すように時点t4で停止すると、図10(B)の時点t4以降に示すように、車載無線送信装置3は当然に開閉制御データの送信動作を実行できず、その結果、無線受信装置4も、図10(C)に示すように、有効な開閉制御データを受信できなくなる。
【0101】
無線受信装置4は、有効な開閉制御データの未受信期間(図10のt4〜t4’)が、閉動作指示用タイマが計時する所定時間を経過すると、閉指示をシャッター制御部に出力する(図10(E)参照)。このときにも、シャッター制御部は、閉指示によりモータを駆動して、図1(D)に示すように、シャッターを閉動作させる。
【0102】
以上のように、自動無線開閉制御モードによれば、利用者はシャッターの開閉を意図した操作を行うことが不要であるが、この第1の実施形態においては、利用者はリモコン送信機6を用いて、シャッターの開閉を直接的に指示することもできる。
【0103】
利用者は、シャッターの開動作、閉動作又は停止動作を意識して操作したい場合には、携帯するリモコン送信機6の該当するキーを操作する。このとき、リモコン送信機6は、操作されたキーに係る動作を指示する制御コードを含む開閉制御データ(正確にはそれを変調した無線送信信号)を送出する。
【0104】
このとき、無線受信装置4は、受信した開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作をシャッター制御部に指示するだけでなく、自動拒否期間タイマを起動させることを通じて、自動拒否期間タイマが計時する所定時間(例えば10分)の間、自動無線開閉制御モードを無効とする。この際の無線受信装置4の処理の流れは、図8のステップS10−S11−S12−S13−S14−S15−S16−S17である。
【0105】
そのため、自動拒否期間タイマが計時している所定時間の間では、無線受信装置4は、車載無線送信装置3から開閉制御データが到来しても、その開閉制御データの受信を無視する。この際の無線受信装置4の処理の流れは、図8のステップS10−S11−S12−S16である。すなわち、この所定時間の間では、リモコン送信機6からの開閉制御データが受け付けられる。
【0106】
(A−4)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0107】
利用者は、シャッターの開閉を制御する直接的な操作を行うことなく、所望するシャッターの開閉動作を実行させることができる。すなわち、ガレージ内の車両に乗車して出掛ける際には、シャッターを開放し、ガレージ外に出た後はシャッターの閉鎖が望まれるが、このような所望する開閉動作を、利用者から見れば、エンジンを掛けるという操作を行うだけで自動的に実行させることができる。また、帰ってきた際には、シャッターを開放し、ガレージ内に車両を収めた後はシャッターの閉鎖が望まれるが、このような所望する開閉動作を、利用者から見れば、エンジンを停止させるという操作を行うだけで自動的に実行させることができる。
【0108】
しかも、利用者は、必要に応じて、リモコン送信機6によって、同一のシャッターを制御することができる。
【0109】
このようにリモコン送信機6によってシャッターの動作を指示した場合においては、その後、所定時間(例えば10分)の間はリモコン送信機6による指示だけが認められるので、意図したシャッター動作を確実に実行させることができる。例えば、リモコン送信機6によって、停止動作を指示しても、自動無線開閉制御モードが有効であれば、停止後、ごく短い時間でシャッターが開動作することもあるが、このようなことを防止することができる。このような効果を、車載無線送信装置3の主電源スイッチ15をオフにすることなく、得ることができる。
【0110】
また、車載無線送信装置3によるだけでなく、リモコン送信機6によっても、シャッター動作を制御し得るので、利用者が好みなどに応じた方法によってシャッターを制御できる。例えば、出庫時におけるシャッターの開動作を車載無線送信装置3を用いた自動無線開閉制御モードによって実行させ、その後の閉動作をリモコン送信機6で指示し、速やかにシャッターを閉成させることもできる。また例えば、車載無線送信装置3の主電源スイッチ15をオフにすることにより、全てのシャッター動作をリモコン送信機6からのみ制御できるようにもし得る。
【0111】
さらに、無線受信装置4が車載無線送信装置3及びリモコン送信機6に共通なものであるので、受信側構成が簡単なものとなっていると共に、上述のような異なる送信構成からの開閉制御データのほぼ同時の到来にも調停し易いものとなっている。
【0112】
また、自動無線開閉制御モードにおいては、シャッターの開閉を制御する直接的な操作を行うことなく、所望するシャッターの開閉動作を実行させることができるので、当然に、利用者によるシャッター開閉制御のための操作をし忘れるということは生じない。
【0113】
さらに、自動無線開閉制御モードにおいては、ガレージ内に車両が位置した状態でエンジンがかかっているときには、シャッターが開状態にあるので、ガレージ内に車両が位置した状態でエンジンがかかっていても排気ガスがガレージ内に貯まるということを回避することができる。例えば、寒冷地では出掛ける前の数分前からエンジンをかけてエンジンを温めることも行われるが(このときに利用者は側にいないことが多い)、ガレージ内でこのようなことが行われても、排気ガスがガレージ内に貯まるということを回避できる。
【0114】
さらにまた、自動無線開閉制御モードにおいては、送信動作のための電源供給は、エンジン作動に依存しているため、エンジンの作動が停止すれば、必然的に送信動作が実行できず、送信動作の起動を行うためだけの特別な専用構成を不要とすることができる。
【0115】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムを、ガレージ用シャッターの無線開閉制御に適用した第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0116】
第1の実施形態の車載無線送信装置3は、エンジンが作動中であれば、車載無線送信装置3を搭載している車両がガレージから遠く離れていても、開閉制御データの間欠送信を繰り返し実行するものであった。また、第1の実施形態の車載無線送信装置3は、リモコン送信機6からの開閉制御データが与えられたために、無線受信装置4において、車載無線送信装置3からの開閉制御データが無視される場合においても、開閉制御データの間欠送信を繰り返し実行するものであった。
【0117】
第2の実施形態は、車両がガレージから遠く離れている場合には、車載無線送信装置が、エンジンの作動中であっても、開閉制御データの送信を実行しないようにしたものであり、また、無線受信装置において、リモコン送信機からの開閉制御データが与えられたために車載無線送信装置からの開閉制御データが無視される状況では、車載無線送信装置が、開閉制御データの送信を実行しないようにしたものである。
【0118】
図11は、第2の実施形態の無線受信装置4Aの構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図6との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0119】
図11において、第2の実施形態の無線受信装置4Aは、第1の実施形態と同様な構成に備えて、変調部35及び送信アンテナ36を有するものである。また、受信制御部33Aが第1の実施形態のものとは異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0120】
第2の実施形態の場合、受信制御部33Aは、車載無線送信装置3Aにおける送信動作条件を規定する送信許容データを記憶している送信許容データ記憶部33bを有し、タイマ33aの計時を利用して、所定時間(例えば、2秒)毎に、送信許容データを間欠的に変調部35に出力する。
【0121】
ここで、送信許容データは、図示は省略しているが、例えば、車載無線送信装置3Aに固有なIDコードと、送信許容データであることを表すコードとでなる。IDコードメモリ34に複数の車載無線送信装置3AのIDコードが登録されている場合には、送信許容データのIDコードの領域には登録されている全ての車載無線送信装置3AのIDコードが挿入される。
【0122】
なお、IDコードメモリ34に、車載無線送信装置3Aやリモコン送信機6のIDコードだけでなく、そのIDコードが車載無線送信装置3Aに関するものか、リモコン送信機6に関するものかを区別できるフラグをも格納しておくようにしても良い。又は、IDコードの最下位ビットや最上位ビットなどが車載無線送信装置3Aかリモコン送信機6かを区別できるように、IDコードを付与するようにしても良い。
【0123】
また、第2の実施形態の場合、受信制御部33Aは、車載無線送信装置3Aへ送信を強制停止させることを指示する送信強制停止データを記憶している送信強制停止データ記憶部33cを有し、第1の実施形態で説明した自動拒否期間タイマを起動したときには、送信強制停止データを変調部35に出力する。例えば、図8に示したステップS13及びS14の間に、かかる処理を実行するようにする。なお、送信強制停止データを変調部35に出力した後、自動拒否期間タイマが所定時間の計時を行っている間は、受信制御部33Aは、上述した送信許容データの変調部35への出力は実行しない。
【0124】
ここで、送信強制停止データは、図示は省略しているが、例えば、車載無線送信装置3Aに固有なIDコードと、送信強制停止データであることを表すコードとでなる。IDコードメモリ34に複数の車載無線送信装置3AのIDコードが登録されている場合には、送信強制停止データのIDコードの領域には登録されている全ての車載無線送信装置3AのIDコードが挿入される。
【0125】
変調部35は、送信許容データや送信強制停止データを変調して無線送信信号に変換して送信アンテナ36に与え、送信アンテナ36は、この無線送信信号を空間に放射する。
【0126】
なお、送信アンテナ36及び受信アンテナ30は、同一の送受信アンテナであっても良い。この場合には、送受信アンテナと受信系との結合、及び、送受信アンテナと送信系との結合を担うデュプレックス回路が必要となる。
【0127】
以上のように、第2の実施形態の無線受信装置4Aは、送信許容データの間欠送信を繰り返し行う。又は、送信強制停止データの送信を行う。
【0128】
図12は、第2の実施形態の車載無線送信装置3Aの構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図3との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0129】
図12において、第2の実施形態の車載無線送信装置3Aは、第1の実施形態と同様な構成に備えて、受信アンテナ16及び復調部17を有するものである。また、送信制御部12Aが第1の実施形態のものとは異なっている。
【0130】
受信アンテナ16は、送信許容データや送信強制停止データに係る無線送信信号(電波)を捕捉して電気信号に変換するものであり、復調部17は、その無線送信信号に対して復調処理し、送信許容データ又は送信強制停止データを得て送信制御部12Aに与えるものである。
【0131】
第2の実施形態の送信制御部12Aは、復調部16からIDコードが妥当な有効な送信許容データ(IDコードの領域に自己のIDコードが含まれている)が与えられたことも、開閉制御データを変調部13に出力する条件としている。すなわち、主電源スイッチ15がオンでエンジンが作動中であることだけでなく、有効な送信許容データが与えられていることを条件として、開閉制御データの間欠送信を繰り返し実行するものである。
【0132】
また、第2の実施形態の送信制御部12Aは、復調部16からIDコードが妥当な有効な送信強制停止データ(IDコードの領域に自己のIDコードが含まれている)が与えられたときには、タイマ12bによって、開閉制御データの送信強制停止時間(例えば10分)の計時を開始させ、この送信強制停止時間の計時中においては、仮に、開閉制御データの送信条件が満足されていても、開閉制御データの変調部13への出力を実行しない。
【0133】
ここで、車載無線送信装置3Aから無線受信装置4Aへの開閉制御データに係る無線電波の通信可能距離よりも、無線受信装置4Aから車載無線送信装置3Aへの送信許容データや送信強制停止データに係る無線電波の通信可能距離の方が、送信電力に差を設けたり、復調処理を実行できる受信電界強度に差を設けたりすることにより、大きくなされている。
【0134】
その他の構成や機能は、第1の実施形態と同様である。
【0135】
以下、第2の実施形態のシャッターの無線開閉制御システムにおける開閉制御動作を、図1をも参照しながら説明する。
【0136】
利用者が建物内部からガレージ5に入り、車両2に乗車しても、エンジンをかけるまでは、車載無線送信装置3Aは送信動作を実行しない。
【0137】
利用者が、車載無線送信装置3Aの主電源スイッチ15がオンのときに、例えば、イグニッションスイッチをオン操作してエンジンを起動すると(作動中にさせると)、エンジン作動中という送信条件を満足する。また、このときには、車載無線送信装置3Aは、無線受信装置4Aの近傍にいるので、無線受信装置4Aから有効な送信許容データを受信し、有効な送信許容データの受信という送信条件も満足する。その結果、車載無線送信装置3Aは、開閉制御データの間欠的な繰り返しの送信動作を行う。
【0138】
これにより、無線受信装置4Aは、有効な開閉制御データを受信し、開閉制御データの受信毎に、開動作をシャッター制御部に指示する。シャッター制御部は、モータを駆動して、図1(A)に示すように、シャッターを開動作させる。
【0139】
シャッターが開状態になると、利用者は車両2を運転してシャッター開口部を通過してそのまま遠くに出掛ける。
【0140】
車両2の走行により、車載無線送信装置3Aが無線受信装置4Aから遠ざかる。その結果、車載無線送信装置3Aが、開閉制御データの間欠送信を繰り返していても、無線受信装置4Aは、開閉制御データを受信できなくなる。このような未受信期間が所定時間(例えば10秒)を経過すると、無線受信装置4Aは、閉動作をシャッター制御部に指示する。シャッター制御部は、モータを駆動して、図1(B)に示すように、シャッターを閉動作させる。
【0141】
車両2のさらなる走行により、車載無線送信装置3Aが無線受信装置4Aからさらに遠ざかると、車載無線送信装置3Aは、無線受信装置4Aからの有効な送信許容データを受信できなくなる。これにより、有効な送信許容データの受信という、開閉制御データの送信条件が不満足になり、車載無線送信装置3Aは、開閉制御データの間欠送信を終了させる。
【0142】
以上のようにして、車載無線送信装置3A(車両2)が無線受信装置4A(シャッター1)からかなり離れると、車載無線送信装置3Aは開閉制御データの間欠送信動作を実行せず、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0143】
一方、車両2が出掛け先からガレージ5の方向に戻ってきて、車載無線送信装置3Aと無線受信装置4Aとの距離がある程度の距離になると、車載無線送信装置3Aが開閉制御データの間欠送信を停止させている状態において、車載無線送信装置3Aは、無線受信装置4Aからの有効な送信許容データを受信する。これにより、エンジン作動中という開閉制御データの送信条件と、無線受信装置4Aから有効な送信許容データを受信するという開閉制御データの送信条件との双方の条件が充足され、車載無線送信装置3Aは、開閉制御データの間欠的な送信動作を繰り返す。
【0144】
車載無線送信装置3A(車両2)が無線受信装置4A(シャッター1)にさらに近づくと、無線受信装置4Aにおいて、車載無線送信装置3Aからの有効な開閉制御データが得られる(受信できる)。無線受信装置4Aは、有効な開閉制御データの受信毎に、開動作をシャッター制御部に指示する。これにより、シャッター制御部は、モータを駆動して、図1(C)に示すように、シャッターを開動作させる。
【0145】
シャッターが開状態になると、利用者は車両2を運転してシャッター開口部を通過してそのままガレージ5内に入って車両2を停止させ、さらにエンジンを停止させて車両2から降りる。
【0146】
車両2のエンジンが停止すると、車載無線送信装置3Aは当然に開閉制御データの送信動作を実行できず、その結果、無線受信装置4Aも、有効な開閉制御データを受信できなくなる。無線受信装置4Aは、有効な開閉制御データの未受信期間が所定時間(例えば10秒)を経過すると、閉動作をシャッター制御部に指示する。このとき、シャッター制御部は、モータを駆動して、図1(D)に示すように、シャッターを閉動作させる。
【0147】
この第2の実施形態においても、自動無線開閉制御モードによれば、利用者はシャッターの開閉を意図した操作を行うことが不要であるが、利用者はリモコン送信機6を用いて、シャッターの開閉を直接的に指示することもできる。
【0148】
利用者は、シャッターの開動作、閉動作又は停止動作を意識して操作したい場合には、携帯するリモコン送信機6の該当するキーを操作する。このとき、リモコン送信機6は、操作されたキーに係る動作を指示する制御コードを含む開閉制御データ(正確にはそれを変調した無線送信信号)を送出する。
【0149】
このとき、無線受信装置4Aは、受信した開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作をシャッター制御部に指示するだけでなく、自動拒否期間タイマを起動させることを通じて、自動拒否期間タイマが計時する所定時間(例えば10分)の間、自動無線開閉制御モードを無効とする。そのため、自動拒否期間タイマが計時している所定時間の間では、無線受信装置4Aは、車載無線送信装置3Aから開閉制御データが到来しても、その開閉制御データの受信を無視する。
【0150】
また、第2の実施形態の無線受信装置4Aは、リモコン送信機6からの開閉制御データを受信したときには、車載無線送信装置3Aに送信強制停止データを送信する。この送信強制停止データを受信した車載無線送信装置3Aは、所定時間(例えば10分)の間、開閉制御データの繰り返しの間欠送信を停止させる。
【0151】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を奏すると共に、さらに、以下の効果を奏することができる。
【0152】
第2の実施形態によれば、送信許容データの授受により、車載無線送信装置が無線受信装置からある程度以上離れた状態においては、車載無線送信装置が無駄な開閉制御データの送信動作を実行しない。
【0153】
また、第2の実施形態によれば、無線受信装置がリモコン送信機からの開閉制御データを受信したときには、所定時間だけ車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を無視すると共に、送信強制停止データを車載無線送信装置に送信して車載無線送信装置を所定時間だけ開閉制御データを送信し得ない状態にするので、リモコン送信機からの開閉制御データの受信後、所定時間だけ車載無線送信装置からの開閉制御データに基づくシャッター制御を実行しないことを確実にし得る。
【0154】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムを、シャッターの無線開閉制御に適用した第3の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0155】
第3の実施形態の無線開閉制御システム(リモコンシステム)は、一般的なリモコンシステムに、上述した自動無線開閉制御モードの機能(リモコン送信機に設けられたものを自動モードと呼ぶ)を設けたものである。ここで、自動モードとは、その設定がなされている期間では、シャッターの開閉などを直接指示する操作を行うことなく、シャッターの開閉を制御できるモードである。
【0156】
(C−1)第3の実施形態の構成
図13は、第3の実施形態のリモコン送信機6Bの操作パネル面を示す説明図である。
【0157】
第3の実施形態のリモコン送信機6Bは、開動作キー21O、閉動作キー21C、停止動作キー21Sに加えて、自動モードキー21Aを有する。また、各キー21O、21C、21S、21Aに関連して、発光素子(例えばLED)22O、22C、22S、22Aが設けられている。
【0158】
開動作キー21O、閉動作キー21C及び停止動作キー21Sは、従来と同様に、利用者による操作がなされたときに、それぞれ、開動作、閉動作、停止動作の指示出力を発するものであり、開動作発光素子22O、閉動作発光素子22C、停止動作発光素子22Sはそれぞれ、対応するキー21O、21C、21Sが操作されている期間、点灯して操作を受け付けたことを示すものである。
【0159】
自動モードキー21Aは、操作毎に、自動モードの設定、解除を交番して指示するものであり、自動モード発光素子22Aは、自動モードの設定時に点灯して、自動モードが設定されていることを報知するものである。
【0160】
図14は、第3の実施形態の無線開閉制御システムの構成を示すブロック図であり、上述した図5や図6との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
【0161】
図14において、第3の実施形態の無線開閉制御システムは、リモコン送信機6B及び無線受信装置4Bを備える。なお、第1の実施形態のような車載無線送信装置3やリモコン送信機6をシステム要素として備えていても良い。
【0162】
リモコン送信機6Bは、操作部21B、表示部22B、送信制御部23B、変調部24及び送信アンテナ25を有する。一方、無線受信装置4Bは、受信アンテナ30、復調部31、受信電界強度検出部32、受信制御部33B及びIDコードメモリ34Bを備える。
【0163】
操作部21Bは、図13に示した開動作キー21O、閉動作キー21C、停止動作キー21S及び自動モードキー21Aを備え、いずれかのキー操作時に操作信号を送信制御部23Bに与えるものである。
【0164】
表示部22Bは、図13に示した開動作発光素子22O、閉動作発光素子22C、停止動作発光素子22S及び自動モード発光素子22Aを備え、これら発光素子22O、22C、22S及び22Aは、送信制御部23Bによって上述したように点灯制御されるものである。
【0165】
送信制御部23Bは、いずれかのキー21O、21C、21S、21Aが操作されたときに、表示部22Bにおける対応する発光素子22O、22C、22S、22Aに対する点灯、消灯などの制御を行うものである。また、送信制御部23Bは、後述するように、操作キーに応じた開閉制御データや自動閉動作禁止データなどを形成して、変調部24に出力するものである。なお、送信制御部23Bの機能については、図15や図16を用いたリモコン送信機6Bの動作説明で詳述する。
【0166】
変調部24及び送信アンテナ25は、第1の実施形態のリモコン送信機6のものと同様なものである。
【0167】
無線受信装置4Bにおける受信アンテナ30、復調部31、受信電界強度検出部32及びIDコードメモリは、第1の実施形態の無線受信装置4におけるものと同様である。
【0168】
受信制御部33Bは、復調部31から復調信号(開閉制御データや自動閉動作禁止データ)が与えられ、そのIDコードなどが妥当なときには、受信した開閉制御データや自動閉動作禁止データなどに応じ、適宜、図示しないシャッター制御部に対して指示を与えるものである。なお、受信制御部33Bの機能については、図17を用いた無線受信装置4Bの動作説明で詳述する。
【0169】
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、第3の実施形態におけるリモコン送信機6Bの動作を、送信制御部33Bの動作を中心に、図15及び図16のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0170】
送信制御部33Bは、図15に示すように、いずれかのキーが操作されたか監視しており(ステップS30)、いずれかのキーが操作されたときには、操作されたキーを判別する(ステップS31)。
【0171】
開動作キー21O、閉動作キー21C又は停止動作キー21Sが操作されたときはほぼ同様な処理が実行される。なお、本来であれば、開動作キー21O、閉動作キー21C又は停止動作キー21Sが操作された場合毎に、図面上でも区別して記載すべきであるが、紙面の大きさの関係から、図15ではまとめて示している。
【0172】
送信制御部23Bは、開動作キー21O、閉動作キー21C又は停止動作キー21Sがキー操作された場合には、まず、自動モードフラグ23B1がセットされているか否かを判別する(ステップS32)。
【0173】
送信制御部23Bは、自動モードフラグ23B1がセットされていれば(自動モードであれば)、後述するステップS45〜S47のような自動モードの解除処理を行った後(ステップS33)、自動モードフラグ23B1がセットされていなければ(自動モードでなければ)直ちにステップS34の処理に移行する。
【0174】
送信制御部23Bは、ステップS34及びS35においては、操作された開動作キー21O、閉動作キー21C又は停止動作キー21Sに対応する開動作発光素子22O、閉動作発光素子22C又は停止動作発光素子22Sを操作期間だけ点灯させ、また、その操作キーに係る開閉制御データ(図4参照)を組み立てて変調部24に出力する。その後、送信制御部23Bは、自動モード禁止タイマ23B2を起動して(ステップS36)、ステップS30のキー操作の監視状態に戻る。
【0175】
自動モード禁止タイマ23B2は、自動モードによる開閉制御データの送信を禁止する所定時間(例えば5分)を計時するものであり、所定時間(例えば5分)の計時が終了すると、自律的にリセットするものである。
【0176】
また、送信制御部23Bは、自動モードキー21Aが操作されたときには、最初に、自動モード禁止タイマ23B2が計時中であるか否かを判別する(ステップS37)。
【0177】
自動モード禁止タイマ23B2が所定時間の計時中であれば、送信制御部23Bは、今回の自動モードキー21Aの操作を無視する報知を行った後(ステップS38)、ステップS30のキー操作の監視状態に戻る。これに対して、自動モード禁止タイマ23B2が所定時間の計時中でなければ、送信制御部23Bは、自動モードフラグ23B1がセットされているか否かを判別する(ステップS39)。
【0178】
自動モードフラグ23B1がセットされていない場合には、送信制御部23Bは、自動モードフラグ23B1をセットし(ステップS40)、今まで消灯していた自動モード発光素子22Aを点灯させ(ステップS41)、自動モード時開閉制御データの出力タイミングを規定する自動送信タイマ23B3を起動して(ステップS42)、ステップS30のキー操作の監視状態に戻る。自動送信タイマ23B3の計時時間としては、例えば、2秒程度である。
【0179】
起動された自動送信タイマ23B3がタイムアップしたときには、図16に示すサブルーチンに割り込み、送信制御部23Bは、自動モード時用開閉制御データ(第1の実施形態の車載無線送信装置によるものと同様)を組み立てて変調部24に出力し(ステップS43)、再び、自動送信タイマ23B3を起動して(ステップS44)、ステップS30のキー操作の監視状態に戻る。
【0180】
このような図16に示す処理により、自動モードが設定されている状態では、自動モード時用開閉制御データの所定周期での間欠出力が繰り返される。
【0181】
一方、自動モードフラグ23B1がセットされている状態で、自動モードキー21Aが操作されたときには(ステップS39で肯定結果)、送信制御部23Bは、自動モードフラグ23B2をリセットし(ステップS45)、今まで点灯していた自動モード発光素子22Aを消灯させ(ステップS46)、自動送信タイマ23B3をリセットさせ(ステップS47)、さらに、自動閉動作禁止データを組み立てて変調部24に出力し(ステップS48)、ステップS30のキー操作の監視状態に戻る。
【0182】
ここで、自動閉動作禁止データには、無線受信装置4Bにおいて、自動モード時用開閉制御データの未受信時間が所定時間(例えば10秒)を越えても、シャッター制御部に閉動作を指示することを禁止するコードが挿入される。後述するように、自動モードにおいては、第1の実施形態と同様に、自動モード時用開閉制御データの受信が所定時間以上途絶えたときに、無線受信装置4Bは閉動作をシャッター制御部に出力する。この第3の実施形態では、自動モードの解除により、無線受信装置4Bにおいて、自動モード時用開閉制御データの受信が所定時間以上途絶えたときには、シャッター制御部に閉動作を指示しないこととした(勿論、指示するようにしても良い)。
【0183】
上述した第3の実施形態のリモコン送信機6Bの動作を整理すると、以下の通りである。
【0184】
自動モードでないときに、開動作、閉動作、停止動作のキー21O、21C、21Sが操作されると、その操作キーに応じた開閉制御データを無線受信装置4Bに送信すると共に、その後、所定時間(例えば5分)の間、自動モードへの移行を拒否する。
【0185】
自動モードのときに、開動作、閉動作、停止動作のキー21O、21C、21Sが操作されると、自動モードを強制解除し、また、操作キーに応じた開閉制御データを無線受信装置4Bに送信すると共に、その後、所定時間(例えば5分)の間、自動モードへの移行を拒否する。すなわち、自動モードであっても、開動作、閉動作、停止動作のキー21O、21C、21Sが操作されたときには、その操作を優先させる。
【0186】
自動モードの拒否期間でないときであって、しかも、自動モードが設定されていないときに、自動モードキー21Aが操作されると、自動モードを設定すると共に、自動モード時用開閉制御データの所定周期での繰返し間欠送信を行う状態に移行する。
【0187】
自動モードのときに、自動モードキー21Aが操作されると、自動モードを解除すると共に、自動閉動作禁止データを無線受信装置4Bに送信する。
【0188】
次に、第3の実施形態における無線受信装置4Bの動作を、受信制御部33Bの動作を中心に、図17のフローチャートを参照しながら詳述する。なお、図17において、第1の実施形態にかかる図8との同一ステップには同一符号を付して示している。
【0189】
第3の実施形態における無線受信装置4Bにおいては、当該無線受信装置4Bに指示を出せるリモコン送信機6Bからの自動閉動作禁止データの受信を認識する処理ステップ(S50及びS51)が設けられており、妥当なリモコン送信機6Bからの自動閉動作禁止データを受信したときには、閉動作指示用タイマを強制リセットするようにした(ステップS52)。この閉動作指示用タイマの強制リセットにより、自動モード時用開閉制御データが所定時間受信できなくても、シャッター制御部に閉動作を指示することがなくなる。
【0190】
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、利用者は、自動モードを設定していない状態では、従来と同様にして、リモコン操作によってシャッターの開閉を制御でき、また、自動モードに設定した以降は、シャッターの開閉を意図した操作を行うことなく、シャッターの開閉を制御させることができる。
【0191】
また、リモコン送信機6Bに対して、通常のリモコン操作を行った場合には、その後、所定時間(例えば5分)の間は自動モードへの移行が禁止され、一方、無線受信装置4Bにおいても、通常のリモコン操作に係る開閉制御データを受信したときには、その後、所定時間(例えば10分)の間は自動モード時用開閉制御データの受信を無視するので、通常のリモコン操作に基づくシャッター制御後に直ちに自動モードによるシャッター制御が実行されることを防止でき、通常のリモコン操作に基づくシャッター制御が自動モードによるシャッター制御によって途中で中止又は変更されることを防止することができる。
【0192】
(D)第4の実施形態
次に、本発明による開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムを、シャッターの無線開閉制御に適用した第4の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0193】
第4の実施形態の無線開閉制御システムは、上述した第1の実施形態の無線開閉制御システムと同様に、車載無線送信装置やリモコン送信機によってシャッター動作を制御できるだけでなく、無線受信装置に有線で接続された操作盤によってもシャッター動作を制御できるようにしたものである。
【0194】
第4の実施形態においても、車載無線送信装置3やリモコン送信機6の構成は、第1の実施形態と同様であり、無線受信装置(4C)の構成、機能が第1の実施形態のものと異なっている。
【0195】
図18は、第4の実施形態の無線受信装置4Cの構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図6との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
【0196】
図18において、第4の実施形態の無線受信装置4Cも、受信アンテナ30、復調部31、受信電界強度検出部32、受信制御部33C及びIDコードメモリ34を備えると共に、さらに、ケーブルを介して操作盤40に接続されている操作盤インタフェース37を有する。
【0197】
操作盤40は、図示は省略するが、シャッターの開動作、閉動作、停止動作を指示するキーを備え、いずれかのキーが操作されたときに、対応するシャッター動作を表すキー操作信号を操作盤インタフェース37に与えるものである。
【0198】
操作盤インタフェース37は、操作盤40からのキー操作信号を受信処理し(例えばキー操作信号がデジタル変調信号であれば復調処理し)、例えば、リモコン送信機6からの開閉制御データ(図4参照)と同じフォーマットに従う開閉制御データに変換して受信制御部33Cに与えるものである。操作盤インタフェース37から受信制御部33Cに与えられる開閉制御データは、IDコードには操作盤40を表す又はオールマイティのコードが挿入され、制御コードには操作盤40で操作されたキーに係るシャッター動作のコードが挿入され、自動送信コードには無意味なコード(車載無線送信装置4からの開閉制御データでないことを表すコード)が挿入される。
【0199】
第4の実施形態の受信制御部33Cは、以上のように、当初の送信元が操作盤40である開閉制御データも与えられるので、その機能が第1の実施形態のものと多少異なっている。
【0200】
受信制御部33Cは、操作盤インタフェース37(従って操作盤40)から与えられた開閉制御データに対しても、リモコン送信機6からの開閉制御データが与えられた場合と同様な処理を行うものである。その処理フローチャートは、第1の実施形態に係る図8と同様である。図8において、ステップS12の送信元の判別処理において、送信元が操作盤40と判別された場合には、リモコン送信機6の場合と同様にステップS13に移行することになる。
【0201】
なお、操作盤40からの開閉制御データとリモコン送信機6からの開閉制御データとが同時に与えられた場合には、予め定められたルールに従い、一方の開閉制御データ(例えば、操作盤40からの開閉制御データ)を有効とし、競合調停を行うようにする。
【0202】
以上のように、第4の実施形態においては、操作盤40に係る開閉制御データが与えられた際には、その後、所定時間(例えば10分)の間、車載無線送信装置3からの開閉制御データを無視する。
【0203】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、無線受信装置が操作盤40によるシャッター制御指令にも応じられるという効果をも奏する。
【0204】
因みに、無線受信装置の後段に、無線受信装置からのシャッター制御指令と、操作盤からのシャッター制御指令との調停部を設けることも考えられるが、無線受信装置からのシャッター制御指令がリモコン送信機によるものか車載無線送信装置によるものかを判別できず、操作盤からのシャッター制御指令があった場合に、車載無線送信装置からのシャッター制御指令を所定時間だけ無視するようなことができず、複数のシャッター制御指令の調停がし難い。
【0205】
(E)第5の実施形態
次に、本発明による開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムを、シャッターの無線開閉制御に適用した第5の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0206】
第5の実施形態の無線開閉制御システムは、リモコン送信機が、車載無線送信装置に対して、自己の開閉制御データを優先させることを宣言し得るようにしたものである。
【0207】
図19は、第5の実施形態のリモコン送信機6Dの操作パネル面を示す説明図である。
【0208】
第5の実施形態のリモコン送信機6Dは、開動作キー21O、閉動作キー21C、停止動作キー21Sに加えて、優先キー21Pを有する。また、各キー21O、21C、21S、21Pに関連して、発光素子(例えばLED)22O、22C、22S、22Pが設けられている。
【0209】
図示は省略しているが、リモコン送信機6Dが、操作部、表示部、送信制御部、変調部及び送信アンテナなどで構成されているのは、既述した実施形態と同様である。
【0210】
この第5の実施形態の送信制御部も、開動作キー21O、閉動作キー21C又は停止動作キー21Sが操作されたときには、第1の実施形態と同様に、その操作キーに応じたシャッター制御を指令する開閉制御データを出力し、無線電波として放射させる。
【0211】
また、第5の実施形態の送信制御部は、優先キー21Pが操作された際には、内蔵する優先期間タイマを起動して、所定時間(例えば10分)の間だけ、優先発光素子22Pを点灯させ、車載無線送信装置(3A)へ送信を強制停止させることを指示する送信強制停止データ(第2の実施形態参照)を出力し、無線電波として放射させる。
【0212】
ここで、送信強制停止データは、第2の実施形態の場合と同様に、例えば、車載無線送信装置(3A)に固有なIDコードと、送信強制停止データであることを表すコードとでなる。そのため、この第5の実施形態のリモコン送信機は、送信制御部に関連して、対向する無線受信装置と通信し得る全ての車載無線送信装置(3A)のIDコードを格納しているIDコードメモリを有し、送信強制停止データのIDコードの領域には登録されている全ての車載無線送信装置(3A)のIDコードが挿入される。
【0213】
この第5の実施形態の車載無線送信装置は、上述した第2の実施形態のもの(3A)と同様である。すなわち、車載無線送信装置は、送信強制停止データを受信したときには、開閉制御データの間欠、繰り返し送信を所定時間(例えば10分)だけ停止する。
【0214】
従って、第5の実施形態の場合、リモコン送信機6Dの優先キー21Pを操作した以降、所定時間の間は、無線受信装置には、リモコン送信機6Dの開動作キー21O、閉動作キー21C又は停止動作キー21Sが操作されたときの開閉制御データだけが届くことになる。
【0215】
なお、この第5の実施形態の場合、無線受信装置は、リモコン送信機6Dからの開閉制御データを受信したときに、所定時間(例えば10分)だけ、車載無線送信装置からの開閉制御データを無視することを行わなくても良い(行うようにしても良いが)。
【0216】
この第5の実施形態によっても、車載無線送信装置によって利用者がなんら操作を行うことなくシャッターの動作を制御し得ると共に、リモコン送信機によって利用者が意図したシャッター動作を制御でき、しかも、リモコン送信機による制御を車載無線送信装置による制御に優先させることができる。
【0217】
(F)他の実施形態
上記各実施形態での特徴的な技術事項は、組み合わせ可能ならば、適宜組み合わせるようにしても良い。
【0218】
また、上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態も本発明の技術思想の範囲に属する。
【0219】
(F−1) 上記各実施形態においては、無線受信装置が車載無線送信装置からの開閉制御データかリモコン送信機からの開閉制御データかを、すなわち、送信元を、受信した開閉制御データの内容(IDコードを除く)から判別するものを示したが、IDコードメモリの格納内容やIDコードから判別するようにしても良い。例えば、IDコードの所定番目のビットを車載無線送信装置か又はリモコン送信機かを示すビットとしておいて判別するようにしても良く、また、IDコードメモリにIDコードを登録する際に、そのIDコードに対応付けて、車載無線送信装置か又はリモコン送信機かを区別するためのフラグをも格納し、受信したIDコードに対応付けられているフラグに基づいて判別するようにしても良い。
【0220】
また、車載無線送信装置からの無線送信電波とリモコン送信機からの無線送信電波とを区別できるようにしておき、各無線送信電波の復調系を別個に設けておき、無線受信装置の受信制御部が開閉制御データの送信元を判別できるようにしても良い。例えば、車載無線送信装置からの無線送信電波とリモコン送信機からの無線送信電波とで周波数を変えて区別できるようにしても良く、周波数が同一であっても、車載無線送信装置及びリモコン送信機が異なる拡散符号で拡散した無線送信電波を送信するようにして受信側で区別できるようにしても良い。
【0221】
(F−2) 上記第2の実施形態においては、無線受信装置は、リモコン送信機からの開閉制御データを受信したときには、自己を車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を所定時間(例えば10分)だけ無視するようにすると共に、車載無線送信装置に対しても、所定時間(例えば10分)だけ開閉制御データの送信を禁止させる指令を与えるものであったが、無線受信装置が、リモコン送信機からの開閉制御データを受信したときに、自己を車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を所定時間(例えば10分)だけ無視するようにすることなく、車載無線送信装置に対して、所定時間(例えば10分)だけ開閉制御データの送信を禁止させる指令を与えるものであっても良い。
【0222】
(F−3) 上記第4の実施形態においては、無線受信装置が、車載無線送信装置、リモコン送信機及び操作盤からのシャッター制御指令に対応、調停できるものであったが、無線受信装置が、車載無線送信装置及び操作盤からのシャッター制御指令に対応、調停できるものであっっても良い。
【0223】
(F−4) 上記第5の実施形態では、リモコン送信機に対し、当該リモコン送信機を優先させる操作を行ったときに、リモコン送信機が、車載無線送信装置に対し、開閉制御データの送信を所定時間(例えば10分)だけ停止させる指令を与えるものを示したが、これに代え、又は、これに加え、リモコン送信機に対し、当該リモコン送信機を優先させる操作を行ったときに、リモコン送信機が、無線受信装置に対し、車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を所定時間(例えば10分)だけ停止させる指令を与えるようにしても良い。
【0224】
また、リモコン送信機に対し、当該リモコン送信機を優先させる操作を行ったときに、リモコン送信機から、車載無線送信装置に対し、開閉制御データの送信を所定時間(例えば10分)だけ停止させる指令を無線受信装置を介して与えるようにしても良い。
【0225】
さらに、優先キーではなく、一般の操作キーが操作されたときに、リモコン送信機が、車載無線送信装置に対し、開閉制御データの送信を所定時間(例えば10分)だけ停止させる指令を与えるようにしても良い。
【0226】
(F−5) 上記第5の実施形態では、無線受信装置がリモコン送信機からの開閉制御データを受信してから所定時間(例えば10分)の間、車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を無視するものであったが、車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を無視しないようにしても良い。すなわち、リモコン送信機に対してシャッター制御の操作を実行するのに先立ち、優先キーの操作を行うことを前提とした場合には、上記のようにしても、リモコン送信機の操作が所定時間の間だけ優先される。
【0227】
(F−6) 上記各実施形態においては、リモコン送信機又は操作盤に対する操作キーの種類(開動作、閉動作、停止動作のキー)に関係なく、無線受信装置が車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を所定時間だけ無視したり、又は及び、車載無線送信装置が開閉制御データの送信を所定時間だけ停止させたりするものを示したが、一部の操作キーの操作時にのみ、無線受信装置が車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を所定時間だけ無視したり、又は及び、車載無線送信装置が開閉制御データの送信を所定時間だけ停止させたりするようにしても良い。
【0228】
(F−7) 上記各実施形態においては、無線受信装置が、リモコン送信機又は操作盤からのシャッター制御指令が与えられたときに、その後、所定時間(例えば10分)の間だけ車載無線送信装置からの開閉制御データの受信を無視するものを示したが、逆に、車載無線送信装置からの開閉制御データの有効な受信後、所定時間(例えば2分)の間だけリモコン送信機又は操作盤からのシャッター制御指令を無視するようにしても良い。
【0229】
例えば、無線受信装置を、車載無線送信装置からの開閉制御データが繰り返し与えられても最初の開閉制御データの受信時のみシャッター制御指令を送出するようにしておき、このシャッター制御指令の送出後、所定時間の間だけ、リモコン送信機又は操作盤からのシャッター制御指令を無視するようにしても良い。
【0230】
このようにした場合において、リモコン送信機又は操作盤からのシャッター制御指令で無視するものを一部の指令(例えば開動作及び閉動作)に限定するようにしても良い。
【0231】
(F−8) 上記各実施形態においては、無線受信装置が所定条件下では常に車載無線送信装置からの開閉制御データを所定時間だけ無視するものを示したが、車載無線送信装置からの開閉制御データを所定時間だけ無視するか否かを、ディップスイッチなどによって無線受信装置に設定できるようにしても良い。
【0232】
(F−9) 上記各実施形態においては、無線受信装置が、リモコン送信機からの開閉制御データの受信時には、その後、固定設定されている所定時間、又は、シャッター設置者や利用者が可変設定した所定時間の間だけ、車載無線送信装置からの開閉制御データを無視するものを示したが、この無視する時間が、シャッター動作との関係で定まるものであっても良い。
【0233】
例えば、リモコン送信機から開動作や閉動作が指示された場合には、シャッターが完全に開放又は閉成するまで、車載無線送信装置からの開閉制御データを無視するようにしても良い。この場合であっても、リモコン送信機から停止動作が指示された場合には、設定されている所定時間だけ車載無線送信装置からの開閉制御データを無視するようにしても良い。
【0234】
(F−10) 上記各実施形態においては、被制御側無線装置(無線受信装置)がシャッター制御ユニットと別体のように説明したが、被制御側無線装置がシャッター制御ユニットと一体化されているものであっても良い。
【0235】
(F−11) 上記各実施形態においては、無線開閉制御システムが図1に示した4種類の開閉制御を行うことができるものを示したが、これら4種類の開閉制御の一部のみを実行できるシステムであっても良い。
【0236】
例えば、図1(A)及び図1(C)に示す開閉制御のみを、各実施形態で説明した方法による無線通信を用いた開閉制御で行い、図1(B)及び図1(D)に示す開閉制御は、他の方法で行うようにしても良い。他の方法としては、リモコン送信機による方法や、シャッター開口部の車両の通過を検出するセンサを設けて行うようにしても良い。
【0237】
また例えば、図1(B)及び図1(C)に示す開閉制御のみを、各実施形態で説明した方法による無線通信を用いた開閉制御で行い、図1(A)及び図1(D)に示す開閉制御は、他の方法で行うようにしても良い。例えば、建物に直結していない独立したガレージにおいて、出庫時には、利用者は手動操作やリモコン送信機を用いた操作によってシャッターを開放させてガレージ内に入って車両に搭載し、また、入庫時には、利用者はガレージに車両を収めた後はガレージ外にでた後に手動操作やリモコン送信機を用いた操作によってシャッターを閉成させるので、図1(B)及び図1(C)に示す開閉制御のみを、各実施形態で説明した方法による無線通信を用いた開閉制御で行うようにすれば良い。このような場合には、無線受信装置(被制御側無線装置)の受信アンテナは屋外の方向に対する指向性を有していれば良い(ガレージ内に対する指向性は不要である)。
【0238】
逆に、無線受信装置(被制御側無線装置)の受信アンテナの指向方向をガレージ内だけにし、図1(A)及び図1(D)に示す開閉制御のみを、各実施形態で説明した方法による無線通信を用いた開閉制御で行うようにしても良い。
【0239】
後述するように、本発明の技術思想は、シャッター以外の開閉装置に対しても適用できるものであり、この場合においても、その一部の開閉制御に本発明を適用しても良い。ここで、開閉制御には、開閉体の施錠、解錠機能を有する開閉装置であれば、開閉体の施錠、解錠に本発明を適用しても良い。また、1回の受信によって、解錠を指示するシャッター制御信号を出力した後、閉動作を指示するシャッター制御信号を出力するようにしても良い。
【0240】
また、開閉装置の種類や使用用途によっては、上記各実施形態とは逆に、無線送信信号の受信を開閉体の閉成条件とし、無線送信信号の所定時間以上の未受信を開閉体の開放条件としても良い。
【0241】
さらに、第3の実施形態のような自動モードにおいても、開動作や閉動作などのうちの一部だけを許容するものであっても良い。
【0242】
(F−12) 上記各実施形態においては、少なくとも車両がガレージ近傍に位置している際には、車載無線送信装置が開閉制御データを所定周期で繰り返し間欠出力するものを示したが、非間欠的に繰り返し送信するものであっても良い。
【0243】
また、図1(A)及び図1(D)に示す開閉制御だけが必要ならば、以下のようにしても良い。すなわち、エンジンが停止から作動に切り替わったときに、開動作を指示する無線送信信号を送信し、エンジンが作動から停止に切り替わったときに、閉動作を指示する無線送信信号を送信するものであっても良い。この場合でも、所定時間の受信無視や所定時間の送信停止は有効である。
【0244】
(F−13) 上記各実施形態においては、無線受信装置は、有効な無線送信信号を受信する毎に開動作を指示するシャッター制御信号を出力するものであったが、シャッター状態を内部管理し、シャッターが閉鎖状態のときに1回又は数回、開動作を指示するシャッター制御信号を出力するようにしても良い。この場合でも、所定時間の受信無視は有効である。
【0245】
(F−14) 上記各実施形態においては、無線受信装置が有効な無線送信信号を受信するか否かに応じて、シャッター制御信号を形成するものを示したが、有効な無線送信信号の受信、未受信の条件に加えて、他の条件をもシャッター制御信号の形成出力条件にするようにしても良い。
【0246】
例えば、図1(B)や図1(D)に示す場合であれば、車両がシャッター開口部を通過したことも(例えば、発光素子及び受光素子でなる光センサなどによる)、シャッター制御信号の形成出力条件にするようにしても良い。
【0247】
ここで、シャッター制御信号の形成出力条件となっている、無線送信信号の所定時間の未受信における、所定時間は、10秒などの絶対的な時間に限定されるものではなく、可変できるものであっても良い。例えば、受信電界強度が所定以下になるまでや、受信電界強度の時系列変化を監視し、未受信扱いしても良いまでの時間としても良い。特許請求の範囲の項における所定時間は、このような変化する所定時間を含む概念とする。
【0248】
(F−15) 上記第3の実施形態では、自動モードのオンオフ機能も有するリモコン送信機を示したが、自動モードのオンオフ機能のみを有するリモコン送信機であっても良い。
【0249】
また、無線受信装置側にも、自動モードに対応するか否かを設定するためのキースイッチなどを設けるようにしても良い。
【0250】
(F−16) 無線送信信号の繰り返し送信条件は、各実施形態のようなエンジンが作動していることや、自動モードが設定されていることに限定されず、適用する開閉装置によっては、他の条件であっても良い。
【0251】
例えば、開閉装置が窓(窓装置)であって、制御内容が施錠、解錠であれば、その窓が設置されている部屋の電灯がついていることを、無線送信信号の繰り返し送信条件とし、その受信時には、解錠制御信号を出力するようにしても良い。
【0252】
また、上記説明と一部重複するが、無線送信信号の繰り返し送信期間も、上記実施形態のものに限定されない。例えば、送信開始時点からの所定時間の計時を待って、開閉制御データの繰り返し送信を終了させるようにしても良い。また例えば、所定キーの操作を待って、開閉制御データの繰り返し送信を終了させるようにしても良い。
【0253】
(F−17) また上記各実施形態では、無線受信装置が対応できる車載無線送信装置が1個のように説明したが、2個以上であっても良い。
【0254】
逆に、ある1個の車載無線送信装置が複数の無線受信装置を制御可能としても良い。後述するように、本発明の技術思想は、シャッター以外の開閉装置に対しても適用できるものであり、例えば、ゲートが複数ある大規模駐車場において、各ゲートに関連して、無線受信装置を設けるようにしても良い。
【0255】
(F−18) 上記第2の実施形態においては、車載無線送信装置は無線受信装置からの送信許容データを受信していれば開閉制御データを常時送信するものを示したが(エンジン作動条件は満たしているとする)、これに限定されるものではない。例えば、最初又は最後の送信許容データの受信から所定期間まで、開閉制御データを送信するようにしても良い。
【0256】
また、第2の実施形態では、開閉制御データの送信は、送信許容データの受信が条件となっているが、送信タイミングは無関係であったが、送信許容データを受信する毎に1回若しくは数回送信させるようにタイミングなどをも関係付けるようにしても良い。
【0257】
(F−19) 上記第2の実施形態においては、被制御側無線装置(無線受信装置)からの送信許容データの通信可能距離の方が、制御側無線装置(車載無線送信装置)からの開閉制御データの通信可能距離より長いものを示したが、ほぼ等しくしても良く、また、逆にしても良い。
【0258】
このようにした場合には、送信許容データの最初の受信に応じて、車載無線送信装置が送信した開閉制御データが直ちに無線受信装置によって有効に受信される可能性が大きい。
【0259】
(F−20) 直接開閉体制御装置が有線にて信号を送出する場合、直接開閉体制御装置が開閉体や開閉装置の近傍に設けられていて例えば手動操作部のようなものでも良いし、遠隔部(例えば、別の階や別の建物)に設けられていても良い。操作も手動でも良いし、コンピュータ制御のような自動でも良い。
【0260】
直接開閉体制御装置が開閉体や開閉装置の近傍に設けられている場合、信号の授受を無線で行うものであっても良い。例えば、設置状態での操作に対応できるだけでなく持ち運びも可能なように、操作部は、有線と同じであるが、信号送出は無線で行うものであっても良い。
【0261】
(F−21) 本発明は、シャッター用の制御側無線装置、被制御側無線装置及び無線開閉制御システムだけでなく、他の開閉装置用にも適用できることは勿論である。例えば、ドア、オーバーヘッドドア、窓、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置などの開閉制御に適用し得るものである。なお、対象とする開閉装置によって、制御側無線装置(上述した車載無線送信装置に相当)が搭載される装置や物体なども変化する。
【0262】
例えば、開閉装置が、病院などのドア(引戸や開戸など)であれば、車椅子や人自体(病人、身障者など)が制御側無線装置を搭載(又は携帯)するものとなる。電動の車椅子であれば、電源のオンオフで作動、非作動を検出するのが便利である。電動以外の車椅子であれば(電動の車椅子にも適用できるが)車輪やシャフトの回転、非回転の検出や、移動などに伴う振動有無の検出が作動、非作動の検出となる。また、人であれば、例えば、歩数計などと同様な原理によって、作動、非作動を検出できる。
【0263】
また、上述したように、制御側無線装置が設けられる装置や物体も、移動体に限定されない。上述のように、室内の電灯スイッチに関連して、制御側無線装置が設けられていても良い。
【0264】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、開閉体の一部又は全ての種類の動作を、利用者による開閉体動作制御用の操作がなされずにも無線制御できる、しかも、開閉体制御を意図した操作による開閉体制御との調整などを行うことができる開閉装置の制御側無線装置、被制御側無線装置、直接開閉体制御装置及び無線開閉制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の自動無線開閉制御モードの概念説明図である。
【図2】第1の実施形態の無線開閉制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の車載無線送信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の無線通信に供する開閉制御データのフォーマット図である。
【図5】第1の実施形態のリモコン送信機の構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態の無線受信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施形態の車載無線送信装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の無線受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の自動無線開閉制御モードでの車両出庫時での各部タイミングチャートである。
【図10】第1の実施形態の自動無線開閉制御モードでの車両入庫時での各部タイミングチャートである。
【図11】第2の実施形態の無線受信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態の車載無線送信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】第3の実施形態のリモコン送信機の操作パネル面を示す説明図である。
【図14】第3の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態のリモコン送信機の動作を示すフローチャート(1)である。
【図16】第3の実施形態のリモコン送信機の動作を示すフローチャート(2)である。
【図17】第3の実施形態の無線受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施形態の無線受信装置の構成を示すブロック図である。
【図19】第5の実施形態のリモコン送信機の操作パネル面を示す説明図である。
【図20】従来のリモコンシステムを示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ガレージ用シャッター、
2…車両、
3、3A…車載無線送信装置(制御側無線装置)、
4、4A、4B、4C…無線受信装置(被制御側無線装置)、
5…ガレージ、
6、6B、6D…リモコン送信機(直接開閉体制御装置)、
40…操作盤(直接開閉体制御装置)。
Claims (14)
- 開閉装置の制御側無線装置が、自動的に繰り返し送信した、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる、開閉装置の被制御側無線装置であって、
上記無線送信信号を受信処理して得た第1の開閉制御データと、上記直接開閉体制御信号を受信処理して得た第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
上記第1の開閉制御データに基づく開閉体制御と、上記第2の開閉制御データに基づく開閉体制御との調停手段を有し、
上記調停手段は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示した以降、所定時間の間、上記第1の開閉制御データの到来を無視する
ことを特徴とする開閉装置の被制御側無線装置。 - 開閉装置の制御側無線装置が、自動的に繰り返し送信した、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる、開閉装置の被制御側無線装置であって、
上記無線送信信号を受信処理して得た第1の開閉制御データと、上記直接開閉体制御信号を受信処理して得た第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
上記第1の開閉制御データに基づく開閉体制御と、上記第2の開閉制御データに基づく開閉体制御との調停手段を有し、
上記調停手段は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示する際に、所定時間の間、上記開閉装置の制御側無線装置に、上記無線送信信号の送信を停止させる
ことを特徴とする開閉装置の被制御側無線装置。 - 上記直接開閉体制御装置が無線回線に上記直接開閉体制御信号を送出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉装置の被制御側無線装置。
- 上記直接開閉体制御装置が有線に上記直接開閉体制御信号を送出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉装置の被制御側無線装置。
- 上記制御側無線装置から送信される上記第1の開閉体制御データを含む無線送信信号は、所定周期で間欠的に送信されるものであり、上記直接開閉体制御装置から操作時に送信される上記直接開閉体制御信号は、上記第2の開閉体制御データを繰り返して複数含むものであり、間欠送信による相前後する上記無線送信信号間の空時間は、1個の上記第2の開閉体制御データが完全に含まれる時間に選定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の開閉装置の被制御側無線装置。
- 開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号を自動的に繰り返し送信する開閉装置の制御側無線装置と、
上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた直接開閉体制御信号を送信する直接開閉体制御装置と、
請求項1〜5のいずれかに記載の開閉装置の被制御側無線装置と
を有することを特徴とする開閉装置の無線開閉制御システム。 - 開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した、第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号が与えられる開閉装置の被制御側無線装置に対し、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない、第1の開閉制御データを含む無線送信信号を与えて上記開閉体の状態変化を制御する開閉装置の制御側無線装置であって、
上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示することを行う上記開閉装置の被制御側無線装置において、上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく上記開閉装置の被制御側無線装置又は上記直接開閉体制御装置が、送信した送信停止信号に基づき、所定時間だけ、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号の送信を停止する送信停止手段を有することを特徴とする開閉装置の制御側無線装置。 - 開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を開閉装置の被制御側無線装置に送信する直接開閉体制御装置であって、上記開閉装置の被制御側無線装置には、開閉装置の制御側無線装置が送信した開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない、第1の開閉制御データを含む無線送信信号も与えられる、直接開閉体制御装置において、
上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示することを行う上記開閉装置の被制御側無線装置において、上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく、上記開閉装置の制御側無線装置に直接又は上記開閉装置の被制御側無線装置を介して、所定時間だけ、上記無線送信信号の送信を停止させる送信停止信号を送信する自己優先宣言手段を有することを特徴とする直接開閉体制御装置。 - 上記自己優先宣言手段は、上記開閉体のある状態への変化を指示するための操作キーが操作されたときに、送信停止信号を送信することを特徴とする請求項8に記載の直接開閉体制御装置。
- 上記自己優先宣言手段は、自己優先を宣言する優先キーが操作されたときに、送信停止信号を送信することを特徴とする請求項8に記載の直接開閉体制御装置。
- 開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない第1の開閉制御データを含む無線送信信号を自動的に送信する開閉装置の制御側無線装置と、
上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を送信する直接開閉体制御装置と、
上記開閉装置の制御側無線装置が自動的に送信した無線送信信号と、上記直接開閉体制御装置が操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる開閉装置の被制御側無線装置とを備え、
上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
上記開閉装置の被制御側無線装置は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示するものであり、
上記開閉装置の制御側無線装置が請求項7に記載のものであり、
上記直接開閉体制御装置が請求項8〜10のいずれかに記載のものである
ことを特徴とする開閉装置の無線開閉制御システム。 - 開閉装置の制御側無線装置が、自動的に繰り返し送信した、開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない無線送信信号と、上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備えた直接開閉体制御装置が、操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる、開閉装置の被制御側無線装置であって、
上記無線送信信号を受信処理して得た第1の開閉制御データと、上記直接開閉体制御信号を受信処理して得た第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示すると共に、
上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく、上記直接開閉体制御装置から受信停止信号が与えられたときに、所定時間の間、上記第1の開閉制御データを含む無線送信信号の到来を無視することを特徴とする開閉装置の被制御側無線装置。 - 開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を開閉装置の被制御側無線装置に送信する直接開閉体制御装置であって、上記開閉装置の被制御側無線装置には、開閉装置の制御側無線装置が送信した開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない、第1の開閉制御データを含む無線送信信号も与えられる、直接開閉体制御装置において、
上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示することを行う上記開閉装置の被制御側無線装置において、上記第2の開閉制御データを上記第1の開閉制御データより優先させるべく、自己優先を宣言する優先キーが操作されたときに、受信停止信号を上記開閉装置の被制御側無線装置に送信する自己優先宣言手段を有することを特徴とする直接開閉体制御装置。 - 開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を直接的には指示していない第1の開閉制御データを含む無線送信信号を自動的に送信する開閉装置の制御側無線装置と、
上記開閉体の開動作、閉動作又は停止動作を指示するための少なくとも1以上の操作キーを備え、操作された操作キーに応じた第2の開閉制御データを含む直接開閉体制御信号を送信する直接開閉体制御装置と、
上記開閉装置の制御側無線装置が自動的に送信した無線送信信号と、上記直接開閉体制御装置が操作された操作キーに応じて送信した直接開閉体制御信号とが与えられる開閉装置の被制御側無線装置とを備え、
上記第1の開閉制御データと上記第2の開閉制御データとは、開動作、閉動作又は停止動作を表す制御コードと、自動無線開閉制御モードであることを表す自動送信コードとを含む同一のフォーマットに従い、上記第1の開閉制御データでは制御コードに無意味な値が挿入され、上記第2の開閉制御データでは自動送信コードに無意味な値が挿入されており、
上記開閉装置の被制御側無線装置は、受信した開閉体制御データの制御コードや自動送信コードに基づいて、第1の開閉制御データであるか第2の開閉制御データであるかを判別し、上記第2の開閉制御データという判別結果に基づき、上記開閉体の駆動制御部に、その第2の開閉制御データの制御コードが表す開動作、閉動作又は停止動作を指示するものであると共に、上記直接開閉体制御装置から受信停止信号が与えられたときに、所定時間の間、上記第1の開閉制御データを含む無線送信信号の到来を無視するものであり、
上記直接開閉体制御装置は請求項13に記載のものである
ことを特徴とする開閉装置の無線開閉制御システム。
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