JP3912158B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質系ボード類、無機質系ボード類、金属板等の表面に接着剤で貼り合わせて化粧版として用いる化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記化粧版の用途に用いられる化粧シートとしては、塩化ビニル樹脂製シートが最も一般的であった。しかし近年になって、塩化ビニル樹脂は焼却時に酸性雨の原因となる塩化水素や猛毒物質であるダイオキシンの発生の要因となり、さらに塩化ビニル樹脂製シートに添加された可塑剤のブリードアウトの問題もあり、環境保護の観点から問題視されるようになった。係る事情により、塩化ビニル樹脂に替わる樹脂を使用した化粧シートが要望されるようになった。
【0003】
そこで、塩化ビニル樹脂に替わる樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール、アクリル等の樹脂及び共重合体を使用した化粧シートが提案されるようになった。
【0004】
その中でも、化粧シートに要求される適度な柔軟性、耐摩耗性、耐傷性、耐熱性、耐薬品性、後加工性等を備え、なおかつ安価で供給されるポリプロピレン樹脂を用いた化粧シートが数多く提案されている。このポリプロピレン樹脂を用いた化粧シート中には単層の物もあるが、意匠性も重視されるため2層以上の積層体から成る物が大部分を占める。
【0005】
ポリプロピレン樹脂は、同種又は異種の樹脂との接着性に乏しい樹脂であるため、ポリプロピレン樹脂層を他の樹脂層(基材シート)に溶融押し出しラミネートして積層化する際は、例えば、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂や、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などの接着性樹脂層を介して押し出しラミネートするのが一般的である。
【0006】
しかるに近年、単に塩化ビニル樹脂以外の非塩化ビニル系材料(非ハロゲン系材料)を使用した化粧シートというだけだなく、さらなる物性向上を要求する声が大きい。そのひとつに耐熱性のさらなる向上というものがある。現行の化粧シートは表面温度又は雰囲気温度が90℃以上になるとラミネート強度が著しく低下してしまう。
【0007】
高温でのラミネート強度低下の主たる原因は、前記した接着性樹脂層に用いていた、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂やエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などが、90℃以上の高温では熱軟化によりその内部凝集力が低下してしまうことにあると考えられている。
【0008】
そこで、高温時のラミネート強度を確保するため、接着性樹脂層を構成する樹脂として耐熱性の高いマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を採用することを、本発明者らは既に検討し、提案した(特願2000−108641号)。しかし、この樹脂は一般に、90℃以上の高温でも常温と比較しての内部凝集力の低下は少ないものの、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂等と比較すれば剛性が高く、柔軟性や界面粘着力には劣るので、シートの伸び縮みによる界面剥離を発生しやすい傾向がある。
従って、寒熱繰り返しや紫外照射等の環境の下に曝されることによりラミネート強度低下が起きる懸念があった。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、塩化ビニル系樹脂以外の材料を用いて、適度な柔軟性、耐摩耗性、耐傷性、耐薬品性、後加工性に加えて、常温のみならず90℃以上の高温でも十分なラミネート強度を有し且つ優れた耐候性、環境適性を持つ化粧シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するためになされ、請求項1に係る発明は、非塩化ビニル系材料から成る基材シート表面に、二液硬化型アンカーコート剤から成るアンカーコート層が設けられ、さらにその上に不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレン樹脂から成る接着性樹脂層を介してポリプロピレン樹脂層が共押し出しにて少なくとも設けられて成る化粧シートにおいて、該二液硬化型アンカーコート剤の主剤成分がポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールとの混合物からなるイソシアネート硬化型樹脂であることを特徴とする化粧シートである。
【0011】
次に請求項2に係る発明は、請求項1記載の化粧シートにおいて、前記ポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールとの混合物は、ポリエステルポリオールが20〜80重量%、ウレタン変性ポリエステルポリオールが80〜20重量%の混合比率で構成されていることを特徴とする。
【0012】
さらに請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の化粧シートにおいて、前記二液硬化型アンカーコート剤に含まれるイソシアネート成分は、イソホロンジイソシアネートが30〜98重量%、それ以外のイソシアネート成分が2〜70重量%の混合比率で構成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明に係る化粧シートの一例を示す側断面図である。
この化粧シートは、基本的には、非塩化ビニル系材料から成る基材シート1の表面に、二液硬化型アンカーコート剤から成るアンカーコート層3が設けられ、さらにその上に不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレン樹脂から成る接着性樹脂層4を介してポリプロピレン樹脂層5が共押し出しにて少なくとも設けられて成るものである。
図中、2は基材シート1上に設けられている木目絵柄等の模様層、5aはプリプロピレン樹脂層5の表面に設けられている凹陥模様、6はプリプロピレン樹脂層5の最外表面に設けられているトップコート層をそれぞれ示している。
【0014】
基材シート1はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール等の樹脂およびその共重合体等の合成樹脂材料から成る。
基材シート1の製造方法としては、例えばTダイ押出法を挙げることができる。この場合、基材シート1を製膜するための合成樹脂材料を染料や顔料などの隠蔽性のある着色剤により直接着色して加熱溶融状態でTダイから押出して、基材シート1を製膜することにより、この基材シート1に隠蔽性の効果を持たせることもできる。
【0015】
また、このTダイ押出法における基材シート1の着色方法としては、顔料を分散助剤や界面活性剤で処理した微粉末状の着色剤を、基材シート1を製膜するための着色されていない通常の合成樹脂材料中に直接混入して使用するドライカラー法、あるいは基材シート1を製膜するための着色されていない通常の合成樹脂材料と高濃度の顔料とを溶融混練して予備分散せしめたマスターバッチペレットを予め作成し、押出ホッパ内で、このマスターバッチペレットと基材シート1を製膜するための着色されていない通常の合成樹脂材料とをドライブレンドするというマスターバッチ法等もあるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0016】
また、上述した顔料の種類も通常用いられているものでよいが、特に耐熱性、耐候性を考慮して、酸化チタン、群青、カドミウム顔料、酸化鉄等の無機顔料が望ましい。また有機顔料でもフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等は使用できる。顔料の前記合成樹脂材料に対する混合比率や色の選択は、この基材シート1に要求される隠蔽の度合、あるいは意匠性を鑑みて適宜決められばよく、これらの選択は何ら制約されるものではない。
【0017】
一方、基材シート1に模様層2を施す方法としては、基材シートの表面に施す方法と、基材シート自体(シート1の層内)に施す方法がある。
表面に施す方法としては印刷方式や転写方式を用いることが出来る。印刷方式の場合は、グラビア印刷方式等の一般的な印刷方式が採用でき、またその際用いられるインキも公知のもの、すなわちビヒクルに染料または顔料等の着色剤や体質顔料などを添加し、さらに可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、硬化剤、増粘剤、分散剤、充填剤等を任意に添加して溶剤、稀釈剤等で十分混練して成るインキでよい。
また、転写方式の場合は、例えば化粧シート用の基材シート1とは別の任意の転写用基材シートに、上記形成方法等によって隠蔽性層あるいは模様層2、あるいはその両方を形成しておき、後に詳述する熱ラミネート法、ドライラミネート法、またはウエットラミネート法、押出ラミネート法等により、上記基材シート1と貼り合わせた後に、前記転写用基材シートを剥離して、隠蔽性層あるいは模様層2あるいはその両方を基材シート1に転写する方法を用いる事もできる。
【0018】
また、隠蔽性のある基材シート1の製造方法としてカレンダー法を用いる場合にも、同様の手法、すなわち基材シート1自体に着色隠蔽性や模様を付与する方法、またはこれらの方法と前述した印刷方法、転写方法等とを併用した手法で、基材シート1に対して隠蔽性および模様を付与することができる。
【0019】
本発明の化粧シートにおいては、このような構成の基材シート1の表面に、透明なポリプロピレン樹脂層5を積層させるが、その理由は、意匠性、模様層2の保護および耐傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐候性等を発現させるためである。
【0020】
一般的に、本発明の化粧シートを構成するような基材シートにポリプロピレン樹脂層を積層する場合、その方法として、基材シート上にポリプロピレン樹脂をTダイから溶融押出する押出ラミネート法、両方の樹脂をTダイから溶融押出する共押出方法等がある。この中で押出ラミネート方法が最も生産性が良いため好適に用いられる。
【0021】
しかし、ここで問題となるのが、基材シートとポリプロピレン樹脂層のラミネート強度である。そこで一般的には、ラミネート強度を得るため、これらの間に接着性樹脂層を介在させてラミネートすることが行われている。
【0022】
しかし、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂や、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などの接着性樹脂を共押し出ししてラミネートする場合は上記方法で十分な常温ラミネート強度を得ることが可能だが、高温下でのラミネート強度を得ることはできない。
【0023】
これに対し、発明者らは係る化粧シートにおける常温下および高温下でのラミネート強度を両立させるためには、接着性樹脂層4に用いる樹脂として、不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレン樹脂(例えば無水マレイン酸でグラフト重合したランダムポリプロピレン樹脂)を用いることにより解決できることを既に見いだした(特願2000−108641号)。
【0024】
すなわち、不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したポリエチレンでは常温下でのラミネート強度は高いが高温下、特に90℃以上では著しく低下してしまい、不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したホモポリプロピレンでは100℃でも低下は見られないが、常温下での強度そのものが低い。これに対し、上述したように、不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレンを接着性樹脂層4を構成する樹脂として用いると、常温でのラミネート強度も比較的良好であるのみならず、100℃程度までの範囲であれば高温でも比較的に安定したラミネート強度が得られるという知見に基づくものである。
【0025】
ここで、不飽和カルボン酸あるいはその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フタル酸、シトラコン酸、イタコン酸およびそれらの無水物が挙げられるが、これらの中で無水マレイン酸が特に好ましい。また、これら不飽和カルボン酸あるいはその無水物の単位の量は、組成物1gあたりのカルボニル基として1×10-4以上1×10-1ミリモル当量以下であることが好ましい。変性によって含有される不飽和カルボン酸あるいはその無水物の単位の量が1×10-4ミリモル当量以下では充分な効果は発現しないし、1×10-1ミリモル当量以上でも接着性を改善する効果は小さくなる。
【0026】
本発明では接着性樹脂層4を上述のような構成のものにするだけでなく、この接着性樹脂4と基材シート1との界面に設けるアンカーコート層3として、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応でウレタン結合を形成するイソシアネート硬化型樹脂であって、さらに主剤成分がポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールとの混合物からなるイソシアネート硬化型樹脂を用いる。これにより、アンカーコート層3の柔軟性を維持しつつ硬化塗膜の速乾性向上、ラミネート強度のさらなる向上をさせることができ、耐熱のみならず耐寒、耐候性に優れたラミネート強度を持ちかつ生産性の良い化粧シートを得ることが可能となる。
【0027】
すなわち、本発明の化粧シートにおいては、さらに十分な強度を得るため、基材シート1の表面(模様層2が付与されている面)にアンカーコート層3を塗布した上で、このアンカーコート層3上に接着性樹脂層4とポリプロピレン樹脂層5とを共押出して設けるようにするのである。
【0028】
ちなみに、アンカーコート層を構成する主剤成分がウレタン変性ポリエステルポリオール単独であるとアンカーコート層の柔軟性は維持されるものの、ラミネート強度の発現が遅くなり製造過程の途中で浮きやずれを生じる可能性がある。
【0029】
また、アンカーコート層を構成する主剤成分がポリエステルポリオール単独であるとアンカーコート層の硬化塗膜の速乾性は維持されラミネート強度の発現は十分早いがアンカーコート層の柔軟性は低くなってしまい環境の変化等の負荷により浮きが発生する可能性がある。
【0030】
本発明においては、そのアンカーコート層3を構成するポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールの混合物の混合比率はポリエステルポリオールが20〜80重量%、ウレタン変性ポリエステルポリオールが80〜20重量%であるとアンカーコート層3の柔軟性を維持しつつ硬化塗膜の速乾性、ラミネート強度の発現をさらに向上させることができる。
【0031】
一方、アンカーコート層3に使用する各イソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートを混合するとアンカーコート層3の凝集力、柔軟性が適度に向上し常温ラミネート強度、耐熱ラミネート強度、環境試験後ラミネート強度が向上し総合的に強度の高い化粧シートを得ることができる事も発明者等は見いだした。
【0032】
各イソシアネート成分の配合量としてはイソシアネート成分の全体量のうちイソホロンジイソシアネートが30〜98重量%、それ以外のイソシアネート成分の合計量が2〜70重量%とするのが良い。なお組み合わせるイソシアネート成分としては、特にこれらのものに限定されるものではないが、例えばヘキサメチレジンイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メシチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等から選ばれる1種若しくはそれら2種以上の混合物を好適に用いることが出来る。特に4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートは非常に活性が高く、少量でもポリプロピレンに対する密着性を向上出来る為、好適に用いられる。
【0033】
アンカーコート層3の形成方法はグラビア法(グラビア印刷法、グラビア塗布法)が好適に用いられるが、グラビア法に何ら限定されるものではない。
【0034】
本発明の化粧シートは、上述したように、十分なラミネート強度を得るためには、基材シート1(模様層2が付与されている)にアンカーコート層3を塗布した上で、このアンカーコート層3上に接着性樹脂層4とポリプロピレン樹脂層5とを共押出して設けるようにするが、この際、接着性樹脂層4となる押し出された樹脂に対してオゾンガスを吹き付けることによりラミネート強度を一段と向上させることができる。
【0035】
接着性樹脂層4となる押し出された樹脂に対してオゾンガスを吹き付ける際に使用されるオゾン処理装置も一般的なものであれば良く、特に制約されるものではない。オゾン処理の方法としては低濃度高流量型、高濃度低流量型がありそのオゾン処理方法は一概には言えないが、あまり流量が多いと溶融樹脂の膜割れ、温度低下等の悪影響が考えられるため、オゾン処理条件としては、オゾン濃度20〜50g/Nm3、オゾン流量1〜10Nm3/hが好ましい。
【0036】
また場合によっては、化粧シートの表面の手触り感や、より一層の意匠感を得るため、図1に示すように化粧シート表面の透明なポリプロピレン樹脂層5に凹陥模様5aを施し、その凹陥部内に充填インキを埋め込み(ワイピング)、そのポリプロピレン樹脂層5の最外表面にトップコート層6を設けてもよい。
【0037】
凹陥模様5aを施す方法としては、通常の熱圧エンボス加工法でよく、その方法は何ら限定されるものではない。また、前記ポリプロピレン樹脂層5の形成方法(接着性樹脂層4とポリプロピレン樹脂層5との2層を共押出し製膜法で得る方法)としてTダイ押出法を用いる場合には、溶融樹脂を冷却固化させるチルロールの表面に凹陥模様を施しておき、押し出された樹脂をチルロールとプレスロールとの間でエンボスして、ポリプロピレン樹脂層5の表面に凹陥模様5aを施す方法が一般的である。また、施された凹陥模様5aの凹陥部内にインキを埋め込み、ポリプロピレン樹脂層5の最外表面にトップコート層6を設けることも好適に行われるが、これらの方法は、従来の塩化ビニル樹脂製化粧シートで行われているワイピング処理及びトップコート処理と同様の方法で実施可能である。
【0038】
【実施例】
以下、図面を参照し、本発明の化粧シートをその具体的な製造方法と共に説明する。
<実施例1>
基材シート1として、ランダムポリプロピレン樹脂に無機顔料を6重量%、フェノール系酸化防止剤を0.2重量%、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量%、ブロッキング防止剤を0.2重量%添加した樹脂を、溶融押出しにて得たシートを用いた。次に、その基材シート1の表面にコロナ処理を施した後、グラビア印刷法により絵柄用インキ(東洋インキ製造(株)製;ラミスター)を使用して木目模様を施し、模様層2とした。さらに木目模様の模様層2上に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤[主剤として東洋インキ製造(株)製;EL510(ポリエステルポリオール)を50重量%、三井武田ケミカル(株)製;A520(ウレタン変成ポリエステルポリオール)を50重量%の混合物を使用。また、イソシアネートとして4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートを5重量%、イソホロンジイソシアネートを50重量%、ヘキサメチレンジイソシアネートを45重量%の混合物を使用し、前記主剤とイソシアネートを5:1の割合で混合し2液硬化型ウレタン系アンカーコート剤とした。]をグラビア印刷法により塗工してアンカーコート層3を形成した。
【0039】
これとは別に、ホモポリプロピレン樹脂にフェノール系酸化防止剤を0.2重量%、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量%、ブロッキング防止剤を0.2重量%添加した透明なポリプロピレン樹脂層5構成用の樹脂と、無水マレイン酸でグラフト重合した接着性樹脂層4構成用の変性ランダムポリプロピレン樹脂(変性ランダムポリプロピレン1g中のカルボニル基含量は0.02ミリモル当量)とを、Tダイから共押し出しすると共に、前記基材シート1と一体化させて導管エンボスの施された冷却ロールと加圧ロールとの間に通すことにより、ラミネートとエンボス付与とを同時に行い、模様層2の施された基材シート1上のアンカーコート層3面に、接着性樹脂層4を介して、表面に凹陥模様5aのエンボスされたポリプロピレン樹脂層5をラミネートした。基材シート1とのラミネートに際しては、その直前に、前記接着性樹脂層4となる共押出したランダムポリプロピレン樹脂面にオゾン処理装置によりオゾンガスを吹き付けてラミネート強度を一段と向上させるようにした。得られた積層体はシートの伸び縮みによる界面剥離の発生もなく、良好にラミネートされていた。
【0040】
このラミネートされた積層体の凹陥模様5aが施された透明ポリプロピレン樹脂層5の最外表面に、ウレタン系トップコート剤を用いてトップコート層6を施し、図1に示すような構成の本発明の化粧シートを得た。
【0041】
<実施例2>
アンカーコート層3に用いるアンカーコート剤の主剤成分として東洋インキ製造(株)製;EL510を10重量%、三井武田ケミカル(株)製;A520を90重量%の混合物を使用した他は、上記実施例1と同様の手順で化粧シートを作成し、実施例2の化粧シートを得た。
【0042】
<実施例3>
アンカーコート層3に用いるアンカーコート剤に配合するイソシアネートの成分の組成をヘキサメチレジンイソシアネート単体に変更した他は、上記実施例1と同様の手順で化粧シートを作成し、実施例3の化粧シートを得た。
【0043】
<比較例1>
接着性樹脂層4の構成樹脂として、無水マレイン酸でグラフト重合した変性ポリエチレン樹脂を使用した他は、上記実施例1と同様の手順で化粧シートを作成し、比較例1の化粧シートを得た。
【0044】
<比較例2>
接着性樹脂層4を構成する接着性樹脂として、無水マレイン酸でグラフト重合した変性ホモポリプロピレン樹脂を用いた他は、上記実施例1と同様の手順で化粧シートを作成し、比較例2の化粧シートを得た。
【0045】
<比較例3>
アンカーコート層3に用いるアンカーコート剤の主剤成分として東洋インキ製造(株)製;EL510を使用した他は、上記実施例1と同様の手順で化粧シートを作成し、比較例3の化粧シートを得た。
【0046】
このようにして上記実施例1〜3、比較例1〜3にて得られたそれぞれの化粧シートについて、23℃雰囲気下、および80℃にて120時間加熱、90℃にて120時間加熱、100℃にて120時間加熱、80℃2時間及び−20℃2時間のサイクルを4サイクルの環境試験の各々条件におけるラミネート強度を測定、さらに23℃雰囲気で1000N/mに達するまでの時間を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003912158
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の化粧シートは、塩化ビニルを一切使用しないため環境問題の心配もなく、且つ適度な柔軟性、耐磨耗性、耐傷性、耐薬品性、後加工性に加えて90℃以上の耐熱性を有し且つ耐環境、耐候性の優れた化粧シートを提供できる効果がある。
【0049】
さらに、アンカーコート層に含まれる主成分であるポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールとの混合物を、ポリエステルポリオールが20〜80重量%、ウレタン変性ポリエステルポリオールが80〜20重量%の混合比率で構成することにより、上記性能を維持しつつ、強度の発現が速く、生産性を向上することができる。
【0050】
さらに、二液硬化型アンカーコート剤に含まれるイソシアネート成分を、イソホロンジイソシアネートが30〜98重量%、それ以外のイソシアネート成分を2〜70重量%の混合比率とすることにより、上記性能を維持しつつ各ラミネート強度を一段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シートの一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…基材シート 2…模様層 3…アンカーコート層 4…接着性樹脂層
5…ポリプロピレン樹脂層 5a…凹陥模様 6…トップコート層

Claims (3)

  1. 非塩化ビニル系材料から成る基材シート表面に、二液硬化型アンカーコート剤から成るアンカーコート層が設けられ、さらにその上に不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレン樹脂から成る接着性樹脂層を介してポリプロピレン樹脂層が共押し出しにて少なくとも設けられて成る化粧シートにおいて、該二液硬化型アンカーコート剤の主剤成分がポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールとの混合物からなるイソシアネート硬化型樹脂であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記ポリエステルポリオールとウレタン変性ポリエステルポリオールとの混合物は、ポリエステルポリオールが20〜80重量%、ウレタン変性ポリエステルポリオールが80〜20重量%の混合比率で構成されていることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
  3. 前記二液硬化型アンカーコート剤に含まれるイソシアネート成分は、イソホロンジイソシアネートが30〜98重量%、それ以外のイソシアネート成分が2〜70重量%の混合比率で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の化粧シート。
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