JP3911200B2 - イムノクロマト測定法用感度増強剤、測定法及び測定法用器具 - Google Patents

イムノクロマト測定法用感度増強剤、測定法及び測定法用器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法に於ける感度増強剤、当該感度増強剤の共存下で行う、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法並びに当該感度増強剤を含有してなる、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
イムノクロマト法は、多孔質膜の毛細管現象を利用したクロマトグラフィーの手法と免疫学的手法を組み合わせた方法であり、迅速且つ簡便に、そして特別な器具を用いることなく免疫測定を行える方法であり、各種抗原や抗体の検出等に用いられている。
【0003】
しかしながら、この方法は、簡易に測定できる代わりに感度の精度が低く、陽性検体を用いても偽陰性と判定される場合もあり、より高い感度のイムノクロマト測定法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来のものと比較し、より精度が優れたイムノクロマト用感度増強剤を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、前記イムノクロマト用感度増強剤を用いた測定法を提供することにある。また更に、本発明の第3の目的は、前記感度増強剤を含んでなるイムノクロマト測定法用器具を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明がなされたものである。
即ち、本発明者等は、梅毒関連抗体を測定対象物質とする免疫学的測定法に於ける、公知の感度増強剤に比較して、より強い感度増強効果を有する化合物を見出すべく鋭意研究の結果、上記一般式[1]で示される、ホスホベタイン構造を有する基を側鎖に有するポリマーが目的の性能を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
その手段として以下のものを提供するものである。
【0006】
(1)下記一般式[1]
【化7】
Figure 0003911200
【0007】
(式中、R〜Rは夫々独立して水素原子又は水酸基を有していてもよいアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示す。)で表される基を側鎖に有するポリマーを含んでなる、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法用感度増強剤。
【0008】
(2)一般式[1]で表される基を側鎖に有するポリマーの存在下に抗原抗体反応を行わせることを特徴とする、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法。
【0009】
(3)(1)の感度増強剤を含んでなる、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法用器具。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に於いて、感度増強剤として用いられるポリマーは、上記一般式[1]で表される基を側鎖に有するものであればよく、ホモポリマーでもコポリマーでも特に限定されないが、通常分子量が10,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは50,000〜500,000である。
【0011】
より具体的には、下記一般式[2]
【化8】
Figure 0003911200
【0012】
(式中、Rは、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Xは酸素原子又は−NH−基を示し、R〜Rは前記に同じ。)
で表されるモノマーに基づく構成単位に基づく構成単位を有するものが好ましく挙げられる。
【0013】
上記一般式[1]又は[2]に於いて、R〜Rで示される水酸基を有していてもよいアルキル基のアルキル基としては、直鎖状、分枝状、環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2、更に好ましくは1のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基等であり、より好ましくはメチル基等である。
【0014】
また、水酸基を有するアルキル基としては、上記した如きアルキル基の水素原子の1〜2個、好ましくは1個が水酸基に置換したものが挙げられ、具体的には、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ-n-プロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシ-n-ブチル基、ヒドロキシ-イソブチル基、ヒドロキシ-sec-ブチル基、ヒドロキシ-tert-ブチル基、ヒドロキシ-n-ペンチル基、ヒドロキシ-イソペンチル基、ヒドロキシ-sec-ペンチル基、ヒドロキシ-tert-ペンチル基、ヒドロキシ-n-ヘキシル基、ヒドロキシ-イソヘキシル基、ヒドロキシ-sec-ヘキシル基、ヒドロキシ-tert-ヘキシル基、ヒドロキシ-シクロプロピル基、ヒドロキシ-シクロヘキシル基、ヒドロキシ-シクロペンチル基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等である。
【0015】
で示されるアルキレン基としては、例えば炭素数1〜6、好ましくは2〜3のものが挙げられ、これらは直鎖状、分枝状、環状の何れでもよい。具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、1−エチルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、へキシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等である。
【0016】
一般式[2]に於いてRで表される、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基において、酸素を有さない場合のアルキレン基としては、例えば炭素数1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜6のものが挙げられ、これらは直鎖状、分枝状、環状の何れでもよい。具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、1−エチルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、へキシレン基、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。また、その置換基としては、例えば炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルコキシル基〔直鎖状、分枝状、環状の何れにてもよい。〕、より具体的には例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等、例えばハロゲン原子、より具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基等である。また、鎖中に酸素原子を有する場合、酸素原子としては1〜5個、好ましくは1〜3個であり、より具体的には−(C24O)n−C24−(式中、nは1〜5の整数を表す。)等が挙げられる。上記したRで表される、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基の中でも、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
【0017】
本発明に係る一般式[1]で示される基を側鎖に有するモノマーに基づく構成単位を有するポリマーは、市販されているものを用いてもよいし、例えば特開平10−45794号公報、特開2000−239696号公報等に記載された方法に準じて合成されたものを用いてもよい。
【0018】
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位としては、上記した如きR1〜R6を有するものであればよいが、具体的には例えば下記一般式[5]
【0019】
【化9】
Figure 0003911200
【0020】
で表されるモノマーに基づく構成単位等が挙げられる。
【0021】
本発明に係る一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位を有するポリマーがコポリマーである場合、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位以外のモノマー単位としては、アクリル酸又はアクリル酸エステル、メタクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド又はそのN置換体、メタクリルアミド又はそのN置換体、或いはスチレン又はその誘導体から選ばれるモノマー由来のものが挙げられる。尚、これらモノマー単位は、コポリマー中に2種類以上含まれていてもよい。また、コポリマーにおける、一般式[2]で表されるモノマーにに基づく構成単位の比率は、通常20%以上100%未満であり、好ましくは30〜95%であり、より好ましくは30〜90%である。
【0022】
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位以外のモノマー単位としてのアクリル酸エステルとしては、アルキルアクリレート、アラルキルアクリレート等が、メタクリル酸エステルとしては、アルキルメタクリレート、アラルキルメタクリレート等が挙げられ、アクリルアミドのN置換体は、N−アルキルアクリルアミド又はN−アラルキルアクリルアミドであり、メタクリルアミドのN置換体は、N−アルキルメタクリルアミド又はN−アラルキルメタクリルアミドであり、スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、置換基を有するスチレン又はα−メチルスチレン等が挙げられる。
【0023】
上記のアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N−アルキルアクリルアミド及びN−アルキルメタクリルアミドに於けるアルキル基としては、直鎖状、分枝状、環状の何れでもよく、通常炭素数1〜6、より好ましくは、1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。このアルキル基は置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えばヒドロキシル基、炭素数1〜3の低級アルコキシル基、トリアルキルアンモニオ基(アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のものが挙げられる。尚、置換基としてトリアルキルアンモニオ基を有する場合、本置換基はプラスに荷電しているため、通常カウンターアニオンが結合しているが、このようなカウンターアニオンとしては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン化物イオン等が挙げられる。)等が挙げられる。また、置換基を有するアルキル基としては、例えば以下のような基
【化10】
Figure 0003911200
【0024】
(尚、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、mは1〜100を表す。)で表されるものも含まれる。
【0025】
また、アラルキルアクリレート、アラルキルメタクリレート、N−アラルキルアクリルアミド及びN−アラルキルメタクリルアミドに於けるアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0026】
スチレン若しくはα−メチルスチレンが有していてもよい置換基としては、例えば直鎖状、分枝状、環状の、通常炭素数1〜6、より好ましくは1〜4のアルキル基(具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、例えば直鎖状、分枝状、環状の、通常炭素数1〜6、より好ましくは1〜4のアラルキル基(具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等)、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0027】
上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位以外のモノマー単位の具体例としては、例えばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2-トリメチルアンモニオエチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニルエチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-トリメチルアンモニオエチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルエチル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−2-エチルヘキシルアクリルアミド、N−ラウリルアクリルアミド、N−ステアリルアクリルアミド、N−2-トリメチルアンモニオエチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−フェニルエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−2-エチルヘキシルメタクリルアミド、N−ラウリルメタクリルアミド、N−ステアリルメタクリルアミド、N−2-トリメチルアンモニオエチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−フェニルエチルメタクリルアミド、スチレン、カルボキシスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−カルボキシスチレン、α−メチル−ヒドロキシスチレン、α−メチル−アミノスチレン、α−メチル−メチルスチレン、α−メチル−エチルスチレン、α−メチル−メトキシスチレン、α−メチル−エトキシスチレン、α−メチル−クロロスチレン、α−メチル−ブロモスチレン、N,N,N-トリエチルアンモニウムエチルメタクリレートブロミド、N,N,N-トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド、N,N,-ジエチル−N−プロピルアンモニウムエチルメタクリレートブロミド、N,N,N-トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートクロリド(QM)、N,N,N-トリメチルアンモニウムメチルスチレンブロミド等由来のものが挙げられ、また、下記一般式[4]
【0028】
【化11】
Figure 0003911200
【0029】
(式中、mは1〜100を表す。)で表されるもの等も具体例として挙げられる。
【0030】
上記した中でも、メタクリル酸、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルN,N,N-トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートクロリド(QM)等由来のもの、一般式[4]で表されるもの等が好ましい。
【0031】
本発明の感度増強剤は、上記した如き一般式[1]で表される基を側鎖に有するポリマーを含んでなるものであり、好ましくは一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位を有するポリマーである。該感度増強剤は、イムノクロマト測定法に於いて用いられる各種試薬や試料に溶解させて用いてもよく、また、イムノクロマト測定法用器具に担持させて用いてもよいが、操作の簡便さから後者の方がより好ましい。
【0032】
本発明のイムノクロマト測定法で用いられるイムノクロマト測定法用器具としては、例えば(1)展開膜からなるもの、(2)検体標識部並びに展開膜からなり、且つ該検体標識部と該展開膜とが毛管現象により移動可能なように形成されたもの、(3)検体標識部、展開膜並びに液体吸収部からなり、且つ該検体標識部と該展開膜と該液体吸収部とが、この順に毛管現象により移動可能なように形成されたもの、(4)検体滴下部、検体標識部、展開膜並びに液体吸収部からなり、且つ該検体滴下部と該検体標識部と該展開膜と該液体吸収部とが、この順に毛管現象により移動可能なように形成されたもの等が挙げられる。
【0033】
上記展開膜には測定部が設けられており、当該測定部は、測定対象物質と結合能を有する物質(以下、測定対象結合物質と略記する場合がある。)が固定化されて担持された部分であり、数種の測定対象物質を同時に測定する場合には、互いに重なりを持たないように数種の測定対象結合物質が、展開膜上に、例えば線状、或いはスポット状に固定化されて担持されてなる。また、上記検体標識部は、標識された測定対象結合物質を、毛管現象により移動可能な状態で保持してなるものであり、数種の測定対象物質を同時に測定する場合には、数種の標識された測定対象結合物質を、毛管現象により移動可能な状態でに保持してなる。さらに、検体滴下部は、検体滴下用に展開膜又は検体標識部と重なるように形成される部位であり、液体吸収部は、検体の毛管現象による移動をし易くするために設けられるものであり、展開膜に重なるように形成される部位を表す。
【0034】
上記した如き器具は、市販品を用いても、公知の方法により作製したものを用いてもよい。公知の方法により作製する場合、上記展開膜で用いられる基材としては、通常この分野で用いられるものを用いればよく、例えばセルロース、ニトロセルロース、ナイロン等が好ましいものとして挙げられる。尚、上記検体標識部、検体滴下部及び液体吸収部で用いられる基材も、これらに準じたものを用いればよい。また、上記展開膜上には、非特異的な吸着による測定への影響を防止するために、所謂ブロッキング処理を施してもよい。このようなブロッキング処理は、通常この分野で用いられているブロッキング剤を通常この分野で行われる方法により行えばよい。検体標識部に保持される標識された測定対象結合物質としては、測定対象物質である抗体に対する抗原に標識物質を担持させたもの等が挙げられる。その標識物質としては、通常この分野で用いられているものであれ何れでもよいが、金コロイド、セレニウムコロイド、着色ラテックス等の視覚的に検知し得るシグナルが得られる標識物質が好ましく、特に取扱いのし易さや感度等の点から金コロイドがより好ましい。上記した如き標識物質は、常法により調製されたものを用いても、市販品を用いてもよく、その使用濃度も、この分野で通常用いられる濃度範囲で用いればよい。
【0035】
本発明の感度増強剤を、イムノクロマト測定法用器具に担持させて用いる場合、その量は、担持される場所、使用する感度増強剤の種類、使用する測定対象物質の種類、使用する標識物質等により変動するが、例えばイムノクロマト測定法用器具の展開膜、検体標識部、検体滴下部等に担持させる場合、単位面積(cm2)当たりに含まれる感度増強剤の量として、通常0.01μg〜10mg、好ましくは0.1μg〜4mg、より好ましくは1〜800μgである。また、担持される面積は、用いられるイムノクロマト測定法用器具の種類及び大きさ、測定用試料の量により変動するが、イムノクロマト測定法用器具の展開膜の場合には、通常総面積の10〜60%、好ましくは20〜30%、検体標識部の場合には、通常総面積の1〜30%、好ましくは5〜15%、検体滴下部の場合には、通常総面積の5〜40%、好ましくは10〜20%である。また、イムノクロマト測定法用器具に於いて担持される部位としては、測定用試料と接触し得る部位、即ち測定用試料が通液される部位であればよく、具体的には展開膜、展開膜上の測定部位等が挙げられ、好ましくは測定部位である。尚、本発明の感度増強剤を担持させる方法としては、通常この分野で用いられる方法であればよく、例えば展開膜に上記した如き感度増強剤を含有する溶液を、例えば塗布、滴下或いは噴霧等した後、これを乾燥して物理的吸着により担持させる方法、例えば展開膜等作製時に用いられる緩衝液や洗浄液等に本発明の感度増強剤を溶解させ、これらを用いて展開膜を作製することにより担持させる方法等が挙げられる。
【0036】
本発明に係るイムノクロマト測定法に用いられるイムノクロマト測定法用試薬は、本発明の感度増強剤以外に、例えば、測定対象物質である抗体に対する抗原若しくは標識物質を担持してなる抗原等を含有していてもよい。尚、この際用いられる標識物質としては、上記のイムノクロマト測定法用器具で用いられるものと同じものが挙げられ、その濃度、調製方法等も同様に行えばよい。更に、該反応試薬中には、緩衝剤(例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤等)、安定化剤(例えばアルブミン、グロブリン、水溶性ゼラチン、界面活性剤、糖類等)、防腐剤(例えばサリチル酸、安息香酸、アジ化ナトリウム等)、その他この分野で用いられているものであって、共存する試薬等の安定性を阻害したり、抗原抗体反応を阻害しないものを含有していてもよい。またその使用濃度も、通常この分野で通常用いられる濃度範囲で用いればよい。
【0037】
本発明の感度増強剤を、各種試薬や試料中に溶解させて用いる場合、その濃度は、抗原抗体反応がなされる際の濃度として、通常0.1〜20w/v%、好ましくは0.1〜10w/v%、より好ましくは0.1〜5w/v%となるように用いられる。
【0038】
また、本発明のイムノクロマト測定法を実施するには、本発明に係る一般式[1]で示される基を側鎖に有するポリマーを上記した如き濃度試薬中に共存させて行うか、又は本発明に係る一般式[1]で示される基を側鎖に有するポリマーを上記した濃度イムノクロマト法用器具に担持させる以外は、自体公知のイムノクロマト測定法に於いて用いられる各種試薬を用い、自体公知の操作法に準じて行えばよい。
【0039】
本発明のイムノクロマト測定法の測定対象物質としては、例えば抗リン脂質抗体、抗トレポネーマ抗体等の梅毒関連抗体である。
【0040】
本発明の測定方法で用いられる本発明の感度増強剤は、何れの測定対象物質であっても感度増強は見られるが、測定対象物質によりその好ましいものが異なる。例えば、測定対象物質が抗リン脂質抗体の場合、例えば上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ブチル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ベンジル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位と上記一般式[4]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー等が好ましく挙げられ、中でも例えば上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ブチル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位と上記一般式[4]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー等がより好ましいものとして挙げられる。また、例えば測定対象物質が抗TP(Treponema Pallidum)抗体の場合、例えば上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ブチル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸オクタデシル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ベンジル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位と上記一般式[4]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー等が好ましく挙げられ、中でも例えば上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ブチル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位とメタクリル酸ベンジル由来のモノマー単位からなるポリマー、上記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位と上記一般式[4]で表されるモノマーに基づく構成単位からなるポリマー等がより好ましいものとして挙げられる。
【0041】
また、本発明のイムノクロマト測定法用器具は、上記一般式[1]で示される基を側鎖に有するポリマーを、試料滴下部、試料標識部、展開膜(測定部)等の試料検体が滴下、展開等通液する場所に担持させたものであり、好ましくは上記一般式[1]で示される基を側鎖に有するポリマーを展開膜に添加したもの、上記一般式[1]で示される基を側鎖に有するポリマーを試料標識部に添加したもの、上記一般式[1]で示される基を側鎖に有するポリマーを測定部に添加したもの等が挙げられる。器具の構成要素の好ましい態様、具体例、使用濃度等は、イムノクロマト測定法で用いられるもので述べた通りである。
【0042】
以下実施例及び比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれによって限定されるものでない。
【0043】
また、実施例及び比較例に於けるMPCポリマーは、例えば特開2001-228149号公報記載の方法に準じて以下の1種又は2種のモノマーから合成したポリマーを表す。
PMPC:2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下、MPCモノマーと略記する。)からなるポリマー、分子量;1030×103
PMB82:MPCモノマーとメタクリル酸ブチルとからなるコポリマー、分子量;600×103、MPCモノマーとメタクリル酸ブチルの構成比;8:2
PMB82−1M:MPCモノマーとメタクリル酸ブチルとからなるコポリマー、分子量;1210×103、MPCモノマーとメタクリル酸ブチルの構成比;8:2
PMB37:MPCモノマーとメタクリル酸ブチルとからなるコポリマー、、分子量;93×103、MPCモノマーとメタクリル酸ブチルの構成比;3:7
PME91:MPCモノマーとモノメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート(一般式[4]に於いてm=4のモノマー)とからなるコポリマー、分子量;501×103、MPCモノマーとモノメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレートの構成比;9:1
PME73:MPCモノマーとモノメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート(一般式[4]に於いてm=4のモノマー)とからなるコポリマー、分子量;138×103、MPCモノマーとモノメチルエーテルポリエチレングリコールメタクリレートの構成比;7:3
PMC1891:MPCモノマーとメタクリル酸オクタデシルとからなるポリマー、分子量;130×103、MPCモノマーとメタクリル酸オクタデシルの構成比;9:1
PMC1882:MPCモノマーとメタクリル酸オクタデシルとからなるポリマー、分子量;43×103、MPCモノマーとメタクリル酸オクタデシルの構成比;8:2
PMC1282:MPCモノマーとメタクリル酸ドデシルとからなるポリマー、分子量;184×103、MPCモノマーとメタクリル酸オクタデシルの構成比;8:2
PMBz82:MPCモノマーとメタクリル酸ベンジルとからなるポリマー、分子量;240×103、MPCモノマーとメタクリル酸オクタデシルの構成比;8:2
【0044】
実施例1
(1)TP(Treponema Pallidum、トレポネーマパリダム)抗原及びリン脂質抗原の標識
先ず、TP抗原(1.0mg/ml)8μlを遠心管に分注し、次いでそこに平均粒径35nm、Amax=1.2の金コロイド懸濁液5mlを注ぎ室温で30分間反応させた後、遠心分離(8000G、15分間)して金コロイド標識TP抗原を回収した。尚、TP抗原は、公知のリコンビナント抗原作製法(Infection and Immunity, volume 54, p500-506, Michael V. Norgard)に従って作製したものを用いた。
【0045】
リン脂質抗原液は、5mg/mlカルジオライピン(牛心臓由来、シグマ社製)エタノール溶液、10mg/ml フォスファチジルコリン(卵黄由来、キューピー社製)エタノール溶液をそれぞれ2ml、0.5ml(重量比2:1)ずつ混合したものを調製して用いた。
【0046】
調製したリン脂質抗原液0.25mlに前処理済み金コロイド懸濁液(平均粒径35nm、Amax=20.0)0.8mlを添加し、室温で2時間転倒混和した。その後、ブロッキング液(1%BSA、2%スクロースを含む50mM モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝液)30mlを加え15分間放置し、遠心分離(8000G、15分間)して金コロイド標識リン脂質抗原を回収した。
【0047】
(2)検体滴下部の作製
先ず、ガラス繊維シートを、0.5%BSA及び1% スクロースを含む25mMリン酸緩衝液にて15分間マスキングし、さらに1% ポリ(1−ビニルピロリドンコビニルアセテート)[poly(1-vinylpyrrolidone-co-vinyl acetate)、以下、poly-PAと略記する。(アルドリッチ社製)]及び1% スクロースを含む25mMリン酸緩衝液で洗浄し乾燥させ、検体滴下部とした。
【0048】
(3)検体標識部の作製
(1)で作製した金コロイド標識TP抗原をAmax=1.3となるように、金コロイド標識リン脂質抗原をAmax=1.4となるように添加した、1% poly-PA及び1% スクロースを含む50mM MES緩衝液を、検体滴下部に5mm×200mm当り500μl含浸させた後、50℃で乾燥し、検体標識部とした。
【0049】
(4)展開膜の作製
リコンビナントTP抗原(1.0mg/ml)40μl及び10% スクロースを含む250mMリン酸緩衝液20μlを混合したものをTP抗原液とした。
【0050】
また、5mg/mlカルジオライピン(牛心臓由来、シグマ社製)エタノール溶液125μl、10mg/mlフォスファチジルコリン(卵黄由来、日本油脂(株)製)エタノール溶液250μl及び20mg/mlコレステロール(和光純薬工業(株)製)エタノール溶液125μlからなるリン脂質抗原溶液をエバポレーターで溶媒留去し脂質薄膜を形成させた。2時間真空乾燥した後、該脂質薄膜に100mMホウ酸緩衝液 500μlを加えて懸濁し、該懸濁液を更に超音波処理したものをリポソーム懸濁液とした。
次いで、TP抗原液とリポソーム懸濁液を夫々ナイロン膜(20mm×200mm)の別の部分へ0.25μl/cmで線塗布し(200mm)、50℃で5分間乾燥した。次いで、1%BSA及び2%スクロースを含む50mM MES緩衝液中に15分間浸した。さらに、1%Poly-PA、2%スクロースを含む50mM MES緩衝液にて2回洗浄した後、50℃で15分間乾燥したものを、抗TP抗体・抗リン脂質抗体同時検出用の測定部を有する展開膜とした。
【0051】
(5)測定用器具の組立て
両面テープをラミネートしたポリエチレンテレフタレート(PET)シート(8cm×20cm)の下端より1.2cmの部位に(4)で作製した展開膜を貼り付け、該展開膜上端に1mm重なるように吸収部としてガラス繊維シート(4cm×20cm)を貼り合わせた。次いで、展開膜下端に1mm重なるように検体標識部を貼り、最後に検体滴下部をPETシート下端に検体標識部と重ねて張り合わせたシートを4mm幅に切断したものをTP抗体・リン脂質抗体検出用器具とした。得られた器具は除湿条件下にて室温で保存した。模式図を図1に示す。尚、図1に於いて各数字は夫々以下のものを示す。
【0052】
1:支持体
2:検体滴下部
3:検体標識部(標識リン脂質抗原及び標識梅毒抗原を保持した部分)
4:展開膜
5:リン脂質抗原が固定化された担持部(第1測定部)
6:TP抗原担持部(第2測定部)
7:液体吸収部
【0053】
(6)測定
(5)で作製した試験用具の検体滴下部に、表1に記載の各種濃度の各種MPCポリマーを0.5〜3%添加した検体50〜100μlを滴下して、15分放置した。その後、測定ラインの有無で抗TP抗体・抗リン脂質抗体の測定を行った。その結果を表1に示す。尚、表中、+は着色をしているもの、+wは薄い着色をしているもの、±は着色をしていると思われるもの、×は着色をしていないものを表す。
【0054】
比較例1
検体にMPCポリマーを添加する代わりに、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリエチレングリコール(PEG)を添加した以外は実施例1と同様に実験を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0055】
【表1】
Figure 0003911200
【0056】
この結果から、MPCポリマーの種類によりその効果は多少異なるものの、試料に各種MPCポリマーを添加することにより、抗TP抗体又は/及び抗リン脂質抗体の判定部における判定ラインの増強が認められ、MPCポリマー無添加の試料では検出できなかった弱陽性検体が検出できるようになることが分かった。
【0057】
一方、PVP、PVA、PEGを添加しても、弱陽性検体を検出することはできなかった。
【0058】
実施例2
さらに、MPCポリマーを添加する場所を変えて以下の実験を行った。
(1)MPCポリマーを検体滴下部作製時の洗浄液に添加した場合
実施例1(2)で検体滴下部を作製する際に、1% poly-PA(アルドリッチ社製)及び1% スクロースを含む25mMリン酸緩衝液中に、表1に記載の各種MPCポリマーを0.5〜3%添加させた以外は、実施例1と同様に試験用具を作製した。また、測定は、検体にMPCポリマーを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、実験を行った。
【0059】
(2)MPCポリマーを検体標識部作製時の緩衝液に添加した場合
実施例1(3)で検体標識部を作製する際に、金コロイド標識TP抗原及び金コロイド標識リン脂質抗原を所定濃度含有する1% poly-PA(アルドリッチ社製)及び1% スクロースを含む50mM MES緩衝液に、表1に記載の各種MPCポリマーを0.5〜3%添加させた以外は、実施例1と同様に試験用具を作製した。また、測定は、検体にMPCポリマーを添加しなかった以外は実施例1と同様に行った。
(3)MPCポリマーを展開膜作製時の洗浄溶液に添加した場合
実施例1(4)で展開膜を作製する際に、1% poly-PA(アルドリッチ社製)及び2% スクロースを含む50mM MES緩衝液に、表1に記載の各種濃度の各種MPCポリマーを0.5〜3%添加させた以外は、実施例1と同様に試験用具を作製した。また、測定は、検体にMPCポリマーを添加しなかった以外は実施例1と同様に行った。
【0060】
上記した如きMPCポリマー添加場所を変えた実験を行った結果、表1と同じ結果が得られた。
【0061】
よって、MPCポリマーは、試料中にのみではなく、イムノクロマト測定用器具の試料が通液する場所の何れかに添加されることでも、その感度増強効果を発揮することが分かった。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたことから明らかな如く、本発明は、従来公知の梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法で用いられていた感度増強剤に比較して、著しく効果が優れているものを提供するものであり、該感度増強剤を用いるイムノクロマト測定法により、更に精度の高い測定を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイムノクロマト測定法用器具の模式図を表す。
【符号の説明】
1:支持体
2:検体滴下部
3:検体標識部(標識リン脂質抗原及び標識梅毒抗原を保持した部分)
4:展開膜
5:リン脂質抗原が固定化された担持部(第1測定部)
6:TP抗原担持部(第2測定部)
7:液体吸収部

Claims (14)

  1. 下記一般式[1]
    Figure 0003911200
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子又は水酸基を有していてもよいアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示す。)で表される基を側鎖に有するポリマーを含んでなる、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法用感度増強剤。
  2. ポリマーが、下記一般式[2]
    Figure 0003911200
    (式中、Rは、置換基を有していてもよく且つ鎖中に酸素原子を有していてもよいアルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Xは酸素原子又は−NH−基を示し、R〜Rは前記に同じ。)
    で表されるモノマーに基づく構成単位を有するものである、請求項1に記載の感度増強剤。
  3. ポリマーが、下記一般式[2]
    Figure 0003911200
    (式中、R〜R及びXは前記に同じ。)で示されるモノマーに基づく構成単位と、アクリル酸又はアクリル酸エステル、メタクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド又はそのN置換体、メタクリルアミド又はそのN置換体、或いはスチレン又はその誘導体から選ばれるモノマーに基づく構成単位を有するコポリマーである、請求項2に記載の感度増強剤。
  4. 前記一般式[2]で表されるモノマーに基づく構成単位が、下記一般式[3]
    Figure 0003911200
    で表されるモノマーに基づく構成単位である、請求項2又は3に記載の感度増強剤。
  5. アクリル酸エステルが、アルキルアクリレート又はアラルキルアクリレートである、請求項3又は4に記載の感度増強剤。
  6. メタクリル酸エステルが、アルキルメタクリレート又はアラルキルメタクリレートである、請求項3又は4に記載の感度増強剤。
  7. メタクリル酸エステル由来のモノマー単位が、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル又はN,N,N-トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートクロリド由来のもの、或いは下記一般式[4]
    Figure 0003911200
    (式中、mは1〜100を表す。)で表されるモノマーに基づく構成単位である、請求項3又は4に記載の感度増強剤。
  8. アクリルアミドのN置換体が、N−アルキルアクリルアミド又はN−アラルキルアクリルアミドである、請求項3又は4に記載の感度増強剤。
  9. メタクリルアミドのN置換体が、N−アルキルメタクリルアミド又はN−アラルキルメタクリルアミドである、請求項3又は4に記載の感度増強剤。
  10. 共重合体中の、下記一般式[2]
    Figure 0003911200
    (式中、R〜R及びXは前記に同じ。)で示されるモノマーに基づく構成単位の比率が20%以上100%未満である、請求項2〜9の何れかに記載の感度増強剤。
  11. ポリマーの分子量が、10,000〜1,000,000である、請求項1〜10の何れかに記載の感度増強剤。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の感度増強剤の存在下で抗原抗体反応を行わせることを特徴とする、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法。
  13. 請求項1〜11の何れかに記載の感度増強剤を含んでなる、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法用器具。
  14. 請求項1〜11の何れかに記載の感度増強剤を測定部に担持してなる、梅毒関連抗体を測定対象物質とするイムノクロマト測定法用器具。
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