JP3910261B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は転写終了後感光体上の残留トナーを除去するクリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタ等の電子写真装置において、トナー像転写終了後にドラム状の感光体表面に残留されるトナーあるいは感光体表面に付着した紙カスをクリーニングブレードを用いて除去するクリーニング装置にあっては、画像形成時に正回転する感光体との摺接によりクリーニングブレード先端にて感光体表面の残留トナーや紙カスを除去する一方、感光体及びクリーニングブレードの劣化を防止するため、画像形成終了による感光体の正回転停止後に、感光体を一定量逆回転させて感光体及びクリーニングブレード間に挟まったトナーや紙カス等を掻き落としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の装置にあっては、感光体及びクリーニングブレード間に挟まったトナーや紙カスを除去するための、感光体の正回転停止後の逆回転量は、感光体上の残留トナーの量に拘わらず常に一定量とされており、装置本体のセットアップ時等、感光体にトナー供給が成されない場合あるいは感光体上の残留トナーが少ない場合にも、通常の画像形成時と同量の逆回転が成されていた。
【0004】
このため感光体及びクリーニングブレード間に除去されたトナーがほとんど介在しない状態で感光体を逆回転すると、初期状態においては感光体表面に潤滑剤としてフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)が塗布されていることから、問題を生じないものの、図6に示す様に感光体1にトナーが供給されない状態での感光体1の矢印r方向の逆回転を繰り返す間に、感光体1及びクリーニングブレード2の間に挟まったトナーを掻き落とす代わりに、感光体1表面の潤滑剤3を徐々に掻き落としてしまっていた。
【0005】
このように潤滑剤3が掻き落とされると、図7に示す感光体1の矢印s方向の正回転時、感光体1及びクリーニングブレード2間の抵抗が増大され、クリーニングブレード2先端がめくれてしまい、クリーニング不良を生じ画質の低下を来すことから、クリーニングブレード2を交換しなければならずその長寿命化が妨げられ、更にはそのまま使用すると、感光体1を損傷しあるいは感光体1の回転自体に悪影響を及ぼすという重大な問題を生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を除去するもので、感光体の正回転停止後の逆回転による感光体及びクリーニングブレード間のトナー掻き出し操作に拘わらず、感光体表面の潤滑剤が掻き落とされるのを防止し、感光体及びクリーニングブレード間の抵抗の増大によるクリーニングブレードのめくれを生じる事無くクリーニングブレードの長寿命化を図り、更に感光体を損傷しあるいは装置全体に悪影響を及ぼす事無く良好な画像を得られるクリーニング装置及び画像形成装置を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための請求項1に記載の手段として、正逆回転可能なドラム状の像担持体と、前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により前記像担持体に形成された前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記転写手段通過後の前記像担持体に摺接するクリーニングブレードと、前記像担持体表面のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、前記像担持体の正回転を停止後に、前記像担持体を逆回転可能に制御し、前記トナー濃度検知手段による検知結果に応じて、前記像担持体の前記逆回転の逆回転量を設定する制御手段とを設けるものである。
【0015】
本発明は上記課題を解決するための請求項3に記載の手段として、正逆回転可能なドラム状の像担持体と、現像装置を有し前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段により前記像担持体に形成された前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記転写手段通過後の前記像担持体に摺接するクリーニングブレードと、前記現像装置のトナー濃度を検知する現像濃度検知手段と、前記像担持体の正回転を停止後に、前記像担持体を逆回転可能に制御し、前記現像濃度検知手段による検知結果に応じて、前記像担持体の前記逆回転の逆回転量を設定する制御手段とを設けるものである。
【0021】
上記手段により、本発明は感光体表面のトナー量に応じて、正回転停止後の感光体の駆動を制御して、逆回転を停止しあるいは逆回転量を制御する事により、感光体及びクリーニングブレード間に挟まったトナーの掻き出し操作に拘わらず、感光体表面の潤滑剤が掻き落とされるのを防止し、感光体及びクリーニングブレード間の潤滑を保持し、クリーニングブレードのめくれによるクリーニング不良や感光体の損傷あるいはその回転への悪影響を防止し、画質を損なう事無く、クリーニングブレード及び感光体の長寿命化を図るものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図1乃至図5に示す実施の形態を参照して説明する。図1は電子写真装置を示し、装置本体10内の、像担持体であり正逆回転されるドラム状の感光体20の周囲には、トナー像形成手段を形成する帯電チャ−ジャ21、露光装置22の露光部22a、現像装置23がその回転方向に沿って順次配置されている。更に感光体20周囲には転写材であるシート紙Pに感光体20上に形成されるトナー像を転写する転写チャ−ジャ25、剥離チャ−ジャ26、感光体20に摺接するクリーニングブレード27aを有するクリーニング装置27、除電装置28がその回転方向に沿って順次配置されている。
【0023】
又12は、発光素子12a及び受光素子12bを有し発光素子12aによる感光体20表面からの反射光を受光素子12bにて受光し、電流−電圧変換部12cにて、受光素子12bに生じた電流を電圧変換し、感光体20上に形成されるトナー像のトナー濃度を検知するトナー濃度センサである。このトナー濃度センサ12は、その検知結果を露光装置22あるいは現像装置23にフィードバックして、画像濃度の制御に用いると共に、感光体20の正回転停止後の逆回転の回転量の制御に用いる。
【0024】
即ち、トナー濃度センサ12により検出された電圧に応じて[表1]に示す様に予め実験値より得た感光体20の逆回転量を後述する制御装置100内に算出テーブル100aとして備え、感光体20の逆回転をこのテーブルに従い制御するものである。
【0025】
【表1】
【0026】
又、装置本体10の下方には、シート紙Pを収納する給紙カセット装置13が着脱自在に装着され装置本体10の右には、手差しによりシート紙Pを供給する給紙トレイ14が設けられている。尚17a、17bは、給紙カセット装置13あるいは給紙トレイ14よりシート紙Pを取出す第1及び第2のピックアプローラである。
【0027】
さらに装置本体10内には、給紙カセット装置13から給紙されたシート紙Pを感光体20周囲の転写チャ−ジャ25を経て装置本体10の左側に設けられる排紙トレイ16に導く用紙搬送路31が設けられ、この用紙搬送路31の感光体20より上流側には第1及び第2の分離搬送ローラ18a、18b、第1の搬送ローラ15a及びレジストローラ32が配置され、下流側には搬送ベルト36、定着装置33、第2の搬送ローラ15b、排紙ローラ34が配置されている。
【0028】
又図4は装置本体10の制御系を示すブロック図であり、制御装置100は、トナー濃度センサ12により検出され電流−電圧変換部12cでの変換により得られた感光体20上のトナー濃度に応じた電圧値から、感光体20の逆回転量を設定する算出テーブル100aを有している。制御装置100の入力側には、入力インタフェース101を介して操作パネル(図示せず)上の各種設定キー102、用紙搬送路31中の用紙検知スイッチ(図示せず)や現像装置23内のトナー濃度を検知する現像濃度センサ(図示せず)等の各種スイッチ・センサ類103と共に、感光体20上のトナー像の濃度を検知するトナー濃度センサ12が接続されている。一方、制御装置100の出力側には出力インタフェース104を介して操作パネル上の表示部106、感光体20を正逆回転すると共に現像ローラ等の各種ローラを駆動する各種モータ107やカム等を駆動する各種ドライバ108或いは、露光装置22の露光ランプ22bや各種チャージャ110等が接続されている。
【0029】
次に作用について説明する。コピー開始時、コピー枚数、コピー倍率、画像濃度等の画像形成条件を設定した後、コピーキーをオンしてコピーを開始すると、感光体20の矢印X方向の正回転に従い帯電チャージャ21、露光部22a、現像装置23を経て感光体20上にトナー像が形成される一方、給紙カセット装置13あるいは給紙トレイ14にあっては、いずれかのピックアップローラ17a、17bにより取り出された用紙Pが、分離搬送手段18a、18bにより一枚ずつ分離されてレジストロ−ラ32へと送られ、感光体20上の現像剤像に同期して感光体20の転写チャ−ジャ25位置へと送られる。
【0030】
転写チャージャ25手前にあっては、トナー濃度センサ12により感光体20上に形成されるトナー像の濃度が検出され、電流−電圧変換部12cにより濃度に応じた電圧値に変換され制御装置100に入力される。この電圧値に従い、制御装置100は、露光装置22あるいは現像装置23を制御して画像濃度制御を行うと共に、後述する感光体20の正回転停止後の駆動の制御を行う。
【0031】
一方用紙Pは、転写チャ−ジャ25にて感光体20上のトナー像を転写され、剥離チャ−ジャ26により感光体20から剥離され、搬送ベルト36により搬送され、定着装置33にて定着された後、排紙排紙トレイ12方向に排出される。
【0032】
又感光体20にあっては転写終了後、正回転に従い、クリーニング装置27のクリーニングブレード27aにより残留トナーを除去され、除電装置28にて除電されて次のコピー可能とされ、上述のコピ−操作を繰返し、必要枚数のコピ−を得る事となる。
【0033】
必要枚数のコピ−を全て終了した場合は、クリーニング装置27のクリーニングブレード27a及び感光体20間に溜まったトナー及び紙カスを掻き出すため、図5に示すフローチャートに従い掻き出し操作をおこない、感光体20を停止する。
【0034】
先ずステップ120にて、感光体20表面のトナー量に応じた量、感光体20を矢印x 方向と反対方向に逆回転するよう、トナー濃度センサ12により検出された電圧値に対応する感光体20の逆回転量を算出テーブル100aから設定する。即ちセットアップ時等の様にトナー供給が無く、トナー濃度センサ12による検出電圧がほぼ0Vである場合は逆回転量を0に設定し、正回転を停止した後は、感光体20を逆回転する事無くコピー操作を終了させる。同様にトナー濃度センサ12による検出電圧に応じて逆回転量を増減し、写真原稿等のハーフトーン原稿の様に検出電圧が4〜5Vと高い場合は、感光体20を最大15mm迄逆回転させる様設定する。
【0035】
次にステップ121にて感光体20のモータ(図示せず)による正回転方向の駆動にブレーキを掛け、感光体20の正回転を停止し、ステップ122に進み120にて設定された逆回転量に応じて、感光体20を停止し、あるいは逆回転し、感光体20及びクリーニングブレード27a間のトナー及び紙カスを掻き出す。そしてステップ120で設定された量の逆回転が成されたら、ステップ123にて逆回転方向の駆動にブレーキを掛け、感光体20の逆回転を停止し、全てのコピー操作を終了する。
【0036】
このように構成すれば、トナー濃度センサ12により検出された感光体20上のトナー濃度に応じて、感光体20の逆回転量を制御する事により、感光体20はクリーニングブレード27aとの間のトナー及び紙カスを掻き出すのに必要な量丈逆回転されるので、従来の様に、必要以上の逆回転によりク感光体20表面の潤滑剤が掻き落とされ、クリーニングブレード27aのめくれを生じる事が無い。したがって、クリーニングブレード27aのめくれにより従来生じていたクリーニング不良あるいは感光体の損傷、更に感光体の回転に不具合を生じる事が無く、感光体20及びクリーニングブレード27の長寿命化を図る事が出来る。
【0037】
尚本発明は、上記実施の形態に限られるもので無く、その趣旨を変えない範囲での変更は可能である。例えば像担持体の正回転停止後の駆動形態は任意であり、前述の実施の形態の様に像担持体表面のトナー濃度を直接検出するトナー濃度センサを備えていない画像形成装置にあっては、セットアップ時等トナー供給が無いかあるいは大幅に減少するという様に、像担持体表面のトナー濃度状況があらかじめ解る調整モード時には、正回転停止後の逆回転を行わない様制御して、潤滑剤の掻き落としを防止する一方、調整モード以外のモード時には一定量の逆回転を行う様に制御して像担持体及びクリーニングブレード間に挟まったトナーを掻き落とす様にしても良い。
【0038】
更に現像装置内にトナーが無い場合には、像担持体表面にトナー供給が成されない事が明らかに解ることから、現像装置のオートトナーセンサを用いて、像担持体表面のトナー濃度状況を把握し、オートトナーセンサがトナーエンプティを検知した場合は正回転停止後の逆回転を行わない様制御して、潤滑剤の掻き落としを防止する一方、オートトナーセンサがトナーが有る旨検知した場合は、一定量の逆回転を行う様に制御して像担持体及びクリーニングブレード間に挟まったトナーを掻き落とす様にしても良い。
【0039】
又、像担持体表面のトナー量に応じた像担持体の逆回転量の設定値もトナー及び紙カスの掻き出しを行え且つ像担持体表面の潤滑剤を掻き落とさない範囲であれば任意である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、像担持体とクリーニングブレードとの間にたまったトナーや紙カスを掻き出す際、像担持体表面のトナー濃度状況に応じて、像担持体の逆回転量を制御する事により、必要以上の逆回転により像担持体上の潤滑剤を掻き落とす事が無く、クリーニング時に、クリーニングブレードがめくれるのを防止でき、クリーニングブレードのめくれによるクリーニング不良や、像担持体表面の損傷更には、像担持体の回転への悪影響を生じる事が無く、良好な画像を提供しつつ、感光体及びクリーニングブレードの長寿命化を図る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電子写真装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の感光体及びクリーニング装置を示す概略説明図である。
【図3】本発明の実施の形態のトナー濃度センサを示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態の装置本体の制御系を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態の感光体の逆回転操作を示すフローチャートである。
【図6】従来の感光体の逆回転時を示す概略説明図である。
【図7】従来の感光体の潤滑剤が掻き落とされた後の正回転時を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10…装置本体
12…トナー濃度センサ
20…感光体
27…クリーニング装置
27a…クリーニングブレード
100…制御装置
Claims (3)
- 正逆回転可能なドラム状の像担持体と、
前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により前記像担持体に形成された前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、
前記転写手段通過後の前記像担持体に摺接するクリーニングブレードと、
前記像担持体表面のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
前記像担持体の正回転を停止後に、前記像担持体を逆回転可能に制御し、前記トナー濃度検知手段による検知結果に応じて、前記像担持体の前記逆回転の逆回転量を設定する制御手段とを具備する事を特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段による前記逆回転量の設定は、前記逆回転量を0に設定する制御を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 正逆回転可能なドラム状の像担持体と、
現像装置を有し前記像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段により前記像担持体に形成された前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、
前記転写手段通過後の前記像担持体に摺接するクリーニングブレードと、
前記現像装置のトナー濃度を検知する現像濃度検知手段と、
前記像担持体の正回転を停止後に、前記像担持体を逆回転可能に制御し、前記現像濃度検知手段による検知結果に応じて、前記像担持体の前記逆回転の逆回転量を設定する制御手段とを具備する事を特徴とする画像形成装置。
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