JP3908382B2 - 含フッ素エーテル化合物の製造法 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物の製造法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶剤、化粧料、洗浄剤組成物、乳化剤、表面処理剤等に広範囲に使用可能な含フッ素エーテル化合物を、簡便かつ高収率で供給できる含フッ素エーテル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、含フッ素エーテル化合物の製造法として、例えば下記式(3)
R-CH2OH (3)
(式中、R はアルキル基又は含フッ素アルキル基を示す。)
で表される炭化水素系又は含フッ素系アルコールをNa、K 等のアルコラートとした後、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化含フッ素アルキルと反応させて(ウィリアムソン合成法)、含フッ素エーテル化合物を合成する方法が知られている。
【0003】
また、特公平8−30021 号公報にはフルオロオレフィンの利用として、水素原子を有する非プロトン性極性溶媒中でAgF の存在下、フルオロオレフィンと含フッ素カルボニル化合物を反応させて含フッ素エーテル化合物を得る方法が開示されている。
【0004】
しかし、前者の方法は、使用するアルコールと当量のNa、K 等のアルカリが必要であり、さらには反応後それに伴う多量の塩が生成し、工業的には好ましくない。
また、後者の方法は、使用する触媒AgF が含フッ素エーテル化合物を構成するフッ素原子となるため、原料である含フッ素カルボニル化合物に対して、当モル以上が必要であり、さらには、回収して再利用できない問題点がある。
【0005】
また、含フッ素アルコールとエステル系化合物からも、含フッ素エーテル化合物が合成できるが、エステル化合物がジメチル硫酸、ジエチル硫酸等に限定され、メチルエーテル、エチルエーテルの合成には好ましいが、これらの化合物より炭素数が多い含フッ素エーテル化合物を合成するのは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上で述べたように含フッ素エーテル化合物は、その用途が期待されながら、製造が困難であるため汎用的に利用できず、簡便かつ安価に供給できる含フッ素エーテル化合物の製造法が望まれていた。
従って、本発明の目的は、溶剤、化粧料、洗浄剤組成物、乳化剤、表面処理剤等へ利用可能な含フッ素エーテル化合物を簡便かつ高収率で供給できる製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を、触媒を用いて水素雰囲気中で反応させてエーテル化合物を製造するに際し、ヒドロキシ化合物あるいはカルボニル化合物の少なくとも1種としてフッ素置換基を有するフッ素化合物を用い、かつヒドロキシ化合物として、精製処理によりアルカリ成分及び/又は含窒素成分を除去したヒドロキシ化合物を用いる含フッ素エーテル化合物の製造法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるヒドロキシ化合物としては、一般式(1)
R1O−(AO)n-H (1)
〔式中、R1は水素原子、炭素数1〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、もしくはこれらの基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換基を示す。A は置換基としてヒドロキシ基を有していてもよい、直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜12のアルキレン基を示し、n 個のA は同一でも異なっていてもよい。n は0〜500 の数を示す。〕
で表される化合物が挙げられる。
【0009】
一般式(1)で表される化合物のうち、フッ素置換基を有さないものとしては、炭素数1〜22、特に6〜22の脂肪族アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、イソプロピルカルビトール、ブチルカルビトール、又は炭素数1〜22、特に6〜22の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数 0.1〜200)、炭素数5〜8のシクロアルカノール、炭素数2〜10のジオールが好ましく、更には炭素数6〜22の脂肪族アルコール;シクロヘキサノール;エチレングリコール、1, 4−ブタンジオール、1, 6−ヘキサンジオール、1, 9−ノナンジオール等のジオール類が好ましい。これらのヒドロキシ化合物は1種以上を用いることができる。
【0010】
また、フッ素置換基を有する一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物としては、上記で示したフッ素置換基を有さないヒドロキシ化合物の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換基を有する含フッ素ヒドロキシ化合物が挙げられ、これらの具体例としては、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)エタノール、6−(パーフルオロエチル)ヘキサノール、6−(パーフルオロブチル)ヘキサノール、6−(パーフルオロヘキシル)ヘキサノール、6−(パーフルオロオクチル)ヘキサノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノール等の直鎖含フッ素アルコール類、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エタノール、2−(パーフルオロ−9−メチルドデシル)エタノール、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)ヘキサノール、6−(パーフルオロ−3−メチルブチル)ヘキサノール、6−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)ヘキサノール、6−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)ヘキサノール等の分岐鎖含フッ素アルコール類、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−プロパンジオール、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−プロパンジオール、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−プロパンジオール等の含フッ素ジオール類、これらの含フッ素アルコールあるいはジオールのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0011】
これらの含フッ素ヒドロキシ化合物の中ではフッ素置換基を有する炭素数1〜22の含フッ素アルコールが好ましく、特に一般式(4)
Rf1(CH2)pOH (4)
(式中、Rf1 は炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖の含フッ素アルキル基を示し、p は1〜10の数を示す。)
で表される含フッ素アルコールが好ましい。
これらの含フッ素ヒドロキシ化合物は1種以上を用いることができる。
【0012】
本発明においてカルボニル化合物とは、カルボニル基を有する化合物の他、酸や加熱により容易にカルボニル基を有する化合物となるものも包含する。
本発明に用いられるカルボニル化合物としては、一般式(2)
【0013】
【化2】
Figure 0003908382
【0014】
〔式中、R2,R3は水素原子、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、もしくはこれらの基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換基を示し、R2,R3は同一であっても異なっていてもよい。また、R2,R3が結合した環状構造であってもよい。〕
で表される化合物又はこれらの重合体が挙げられる。
なお、一般式(2)で表される化合物の重合体としては、パラホルムアルデヒド、パラアルデヒド(アセトアルデヒドの3量体)等が挙げられる。
【0015】
一般式(2)で表される化合物又はこれらの重合体のうち、フッ素置換基を有さないものとしては、炭素数3〜19の鎖状ケトン、炭素数1〜19のアルデヒド、炭素数5〜8の環状ケトン、パラホルムアルデヒド、パラアルデヒドが好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)等の炭素数3〜6の鎖状ケトンや、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、イソノニルアルデヒド(3, 5, 5−トリメチルヘキサナール)、ドデシルアルデヒド等の炭素数1〜12の脂肪族アルデヒド類、シクロヘキサノン等の炭素数5〜6の環状ケトン、パラホルムアルデヒド、パラアルデヒドが特に好ましく、更にはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、イソノニルアルデヒド(3, 5, 5−トリメチルヘキサナール)、パラアルデヒドが特に好ましい。これらのカルボニル化合物は1種以上を用いることができる。
【0016】
また、フッ素置換基を有する一般式(2)で表されるカルボニル化合物としては、上記で示したフッ素置換基を有さないカルボニル化合物の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換基を有する含フッ素カルボニル化合物が挙げられ、これらの具体例としては、フルオロアセトン、1,1,1−トリフルオロアセトン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノン、1,1,1−トリフルオロ−2−ペンタノン、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサノン、ビス(トリフルオロメチル)ケトン、ビス(ペンタフルオロエチル)ケトン、ビス(ヘプタフルオロプロピル)ケトン、トリフルオロメチルペンタフルオロエチルケトン、トリフルオロメチルヘプタフルオロプロピルケトン等の含フッ素ケトン類、3,3,3−トリフルオロプロピルアルデヒド、4,4,4−トリフルオロブチルアルデヒド、5,5,5−トリフルオロペンチルアルデヒド、6,6,6−トリフルオロヘキシルアルデヒド等の含フッ素アルデヒド類などが挙げられる。これらの含フッ素カルボニル化合物の中では、炭素数1〜12の含フッ素鎖状ケトン、炭素数1〜12の含フッ素鎖状アルデヒドが好ましく、特に一般式(5)で表される含フッ素ケトン又は一般式(6)で表される含フッ素アルデヒドが好ましい。
【0017】
【化3】
Figure 0003908382
【0018】
(式中、Rf2 は炭素数1〜10の含フッ素アルキル基を示し、R4は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
Rf3(CH2)qCHO (6)
(式中、Rf3 は炭素数1〜10の含フッ素アルキル基を示し、q は1〜10の数を示す。)
これらの含フッ素カルボニル化合物は1種以上を用いることができる。
【0019】
本発明においては、ヒドロキシ化合物として、精製処理によりアルカリ成分及び/又は含窒素成分を除去したヒドロキシ化合物を用いる。
即ち、例えばヒドロキシ化合物として、フッ素置換基を有する含フッ素ヒドロキシ化合物を用いる場合、この含フッ素ヒドロキシ化合物は、ハロゲン化フルオロアルキルを酸、N−メチルピロリドン又はN,N−ジメチルホルムアミドの存在下で加水分解することにより製造されるが、その際に残余の酸をアルカリ成分を用いて中和するためにヒドロキシ化合物中にアルカリ成分が混入したり、又は除去しきれない含窒素成分が混入する。また、ヒドロキシ化合物として、アルコールのアルキレンオキサイド付加物を用いる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属を含有する触媒が用いられ、反応後にこの触媒が残存している。
【0020】
本発明においては、ヒドロキシ化合物として、上記のような製造時に混入するアルカリ成分及び/又は含窒素成分を精製処理により除去したものを用いる。精製処理は、ヒドロキシ化合物中の窒素含量あるいはアルカリ金属イオン含量を200 ppm 以下とすることが好ましく、吸着剤処理、蒸留処理又は無機強酸による中和処理等の方法が挙げられる。これらの中ではヒドロキシ化合物が蒸留可能な低沸点物の場合は蒸留処理が、ヒドロキシ化合物が蒸留不可能な高沸点物の場合は吸着剤処理が好ましい。
【0021】
本発明における吸着剤処理に用いられる吸着剤としては、シリカ、マグネシア及びアルミナから選択される少なくとも1種を主成分とするものが挙げられ、具体的にはケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、あるいはこれらの混合物等が挙げられ、ゼオライト、シリカ/アルミナ、活性アルミナ、キョーワード(協和化学工業(株)製)、活性白土等として市販されているものを用いればよい。吸着剤の添加量はヒドロキシル化合物に対して、 0.1〜20重量%が好ましい。また吸着剤処理は減圧下、50〜 200℃の温度で攪拌処理するのが好ましい。
【0022】
また、本発明における蒸留処理は、13.3Pa〜常圧下、50〜 250℃の温度範囲で行うのが好ましい。
【0023】
本発明においては、上記の吸着剤処理、蒸留処理に中和処理を組み合わせて行ってもよく、精製処理することにより、ヒドロキシ化合物中の窒素含量、あるいはK、Na等のアルカリ金属イオン含量を200ppm 以下、更には100ppm 以下、特に50ppm 以下とすることが好ましい。
【0024】
本発明における無機強酸による中和処理に用いられる無機強酸としては、pKa 3以下のもの、好ましくは塩酸(pKa −8)、硫酸(pKa 1.99)、リン酸(pKa 2.15)が挙げられ、これらの酸によりpH5〜7となるように中和するのが好ましい。中和処理はアルコールの溶解条件下で酸を添加し、5〜60分攪拌すればよい。なお、このpHは1%水溶液での測定値である。
【0025】
本発明の製造法において、ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物の仕込み比は、特に限定されないが、通常、ヒドロキシ化合物/カルボニル化合物(モル比)=50/1〜1/50が好ましく、30/1〜1/30がより好ましく、20/1〜1/20が更に好ましく、特に10/1〜1/10が好ましい。ヒドロキシ化合物が低分子量で、蒸留等で容易に除去できるものであれば、ヒドロキシ化合物を過剰に用いて反応させるのが好ましい。また、カルボニル化合物が低分子量で、蒸留等で容易に除去できるものであれば、カルボニル化合物を過剰に用いて反応させるのが好ましい。ヒドロキシ化合物/カルボニル化合物のモル比が上記範囲以外でも収率にはそれほど影響を与えないが、経済的ではない。
【0026】
本発明において、ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を反応させる際に用いられる触媒としては、水素化能を有するものであれば特に限定されないが、パラジウム触媒;水酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物;ルテニウム、ロジウムあるいは白金触媒;酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化白金等が挙げられる。また、イリジウム、オスミウム、レニウム等の触媒も用いることができる。これらの触媒は、カーボン、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、ゼオライト等の担体に適度に担持されていてもよい。これらの触媒の中で、好ましくはパラジウム系触媒、更に好ましくはカーボン、アルミナ、シリカアルミナもしくはシリカに担持されたパラジウム触媒、水酸化パラジウム又は酸化パラジウムであり、特にカーボンに担持されたパラジウム触媒が好ましい。
【0027】
本発明において触媒は、通常カーボン、アルミナ等の担体に対して1〜10重量%の割合で担持して使用するが、担体に担持せずにそのまま使用しても構わない。また、20〜60重量%程度の含水品であっても構わない。
触媒は、例えば担体に対して5重量%担持されたものであれば、使用するヒドロキシ化合物に対して0.1〜10重量%使用するのが好ましい。0.1重量%より少なくても反応は進行するが、反応は遅く好ましくない。また、10重量%より多く用いても反応は速いが、逆に副反応も進行し好ましくない。さらに好ましくは0.5 〜5重量%である。
触媒はすべてのpH領域で使用できるが、好ましくはpH8〜2、更に好ましくはpH 7.5〜3の触媒がよい。ここでいう触媒のpHとは、イオン交換水30gに触媒粉末2gを分散させた時の水溶液のpHをいう。
【0028】
本発明においては、ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を水素雰囲気中で反応させるが、水素圧は特に限定されず、加圧下又は大気圧下のいずれでもよく、0.098MPa(大気圧)〜29.4MPa が好ましく、0.098MPa(大気圧)〜19.6MPa が特に好ましい。
また、本発明において、ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を反応させる際の反応温度は特に限定されないが、10〜 200℃が好ましく、30〜 180℃が特に好ましい。反応時間は、反応温度、水素圧、触媒量などによって適宜選べばよいが、通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
【0029】
尚、カルボニル化合物がアルデヒド類の時は、アルデヒド類を反応系に滴下しながら反応させることが望ましい。アルデヒド類の滴下速度は反応のスケールに応じて適宜選べばよいが、例えば0.5 リットルのスケールでは、 0.1〜180 g/hrが好ましく、 0.6〜60g/hrが更に好ましい。
【0030】
また、本発明の反応においては、場合によっては反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用いて反応を行ってもよい。反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。
反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用いる場合の溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応液に対して0.5 〜2倍容量が好ましい。
【0031】
また、本発明においては、反応系中に副生する水を除去する目的で、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム等の脱水剤を添加したり、水素等の気体を流通させたり、共沸脱水等を行っても良い。
【0032】
【実施例】
例中の%は特記しない限り重量基準である。
なお、実施例7及び8は参考例である。
【0033】
製造例1
100 mlのガラス容器に CF3(CF2)5CH2CH2I 4.74gと、このCF3(CF2)5CH2CH2Iに対して22.0モル倍のN,N −ジメチルホルムアミド、8モル倍の水を入れ、150 ℃で6時間反応させ、50mlの水で洗浄した。アルカリ洗浄を行った後、蒸留して窒素含量420ppmの粗2−(パーフルオロヘキシル)エタノールを得た。
0.5 Lの3つ口フラスコに上記で得られた粗2−(パーフルオロヘキシル)エタノール100 g、珪酸マグネシウム(キョーワード 600S 、協和化学工業(株)製)を2.6g入れ、減圧下(9.31kPa) 、100℃で1時間撹拌した。その後、珪酸マグネシウムを濾別し、精製2−(パーフルオロヘキシル)エタノールを95g得た。得られた精製2−(パーフルオロヘキシル)エタノール中の窒素含量は20ppm であった。
【0034】
製造例2〜3
CF3(CF2)5CH2CH2I の代わりに、 CF3(CF2)7CH2CH2I 又は CF3(CF2)9CH2CH2I を用いる以外は、製造例1と同様にして窒素含量500ppmの粗2−(パーフルオロオクチル)エタノール、窒素含量370ppmの粗2−(パーフルオロデシル)エタノールを得た。
得られた粗2−(パーフルオロオクチル)エタノール、粗2−(パーフルオロデシル)エタノールについても製造例1と同様の精製処理を行い、それぞれ窒素含量が34ppm 、25ppm の精製2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)エタノールを得た。
【0035】
実施例1
1,3−ジメチルブチル{2−(パーフルオロヘキシル)エチル}エーテルの製造
【0036】
【化4】
Figure 0003908382
【0037】
水素ガス導入管及び撹拌装置を備えた70mlのオートクレーブに、製造例1で得られた精製2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(窒素含量20ppm)18.2g (0.05モル)、4−メチル−2−ペンタノン30.0g(0.3モル)、触媒として5%Pd−C(pH 7.2)1.5gを仕込み、大気圧下、 105℃、水素を18ml/min 吹き込みながら10時間反応を行った。反応終了後、濾過により触媒を除去し、減圧にて過剰の4−メチル−2−ペンタノンを除去することにより、目的の1,3−ジメチルブチル{2−(パーフルオロヘキシル)エチル}エーテル21.5g(0.048モル)を得た。単離収率は96%であった。
【0038】
実施例2〜6
表1に示すヒドロキシ化合物とカルボニル化合物とを、表1に示す触媒を用い、表1に示す反応条件以外は、実施例1と同様な操作で反応を行った。
得られた生成物及びその単離収率を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003908382
【0040】
比較例1〜6
ヒドロキシ化合物として精製前の2−(パーフルオロヘキシル)エタノール(窒素含量420ppm)、2−(パーフルオロオクチル)エタノール(窒素含量500ppm) 、2−(パーフルオロデシル)エタノール(窒素含量370ppm) を用い、表2に示す触媒及び反応条件以外は実施例1〜6と同様にして反応を行なった。
得られた生成物及びその単離収率を表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003908382
【0042】
製造例4
オートクレーブにドデシルアルコール 185g、水酸化カリウム0.81gを入れ、窒素置換後、 100〜 110℃でエチレンオキサイド 400gを4時間かけて送入し、揮発分 0.5%以下となるまで反応を続け、反応終了後、酢酸0.84gを加えて中和し、粗ポリオキシエチレンドデシルエーテルを得た。得られた粗ポリオキシエチレンドデシルエーテルの平均エチレンオキサイド付加モル数は 9.1モル、Kイオン量は970ppmであった。
【0043】
3つ口フラスコに上記のKイオン量970ppmの粗ポリオキシエチレン(p=9.1)モノドデシルエーテル 100g、珪酸マグネシウム(キョーワード 600S 、協和化学工業(株)製)を2.6g入れ、減圧下 (3.99〜5.32kPa)、 140℃で1時間撹拌した。その後、珪酸マグネシウムを濾別し、精製ポリオキシエチレン(p=9.1)モノドデシルエーテルを90g得た。得られた精製ポリオキシエチレン(p=9.1)モノドデシルエーテル中のKイオン量は33ppm であった。
製造例5
オートクレーブにブチルアルコール74g、水酸化カリウム0.32gを入れ、窒素置換後、 100〜 110℃でエチレンオキサイド 132gを2時間かけて送入し、揮発分 0.5%以下となるまで反応を続け、粗ポリオキシエチレンブチルエーテルを得た。得られた粗ポリオキシエチレンブチルエーテルの平均エチレンオキサイド付加モル数は3モル、Kイオン量は1080ppm であった。
得られたKイオン量1080ppm のポリオキシエチレン(p=3)モノブチルエーテルについても、製造例4と同様に精製処理し、Kイオン量1ppm の精製ポリオキシエチレン(p=3)モノブチルエーテルを得た。
【0044】
実施例7
500ml 容オートクレーブに、製造例4で得られたKイオン量33ppm の精製ポリオキシエチレン(p=9.1)モノドデシルエーテル80g、1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノン105g(0.68 モル)、触媒として5%Pd−C 1.6g(pH7.1)を仕込み、水素雰囲気下、反応温度 150℃、反応圧力6.86MPa 、回転数800rpmで7時間反応を行った。
反応終了後、濾過により触媒を除去し、未反応1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノンを減圧留去することより、エーテル化度77%のポリオキシエチレングリコール(p=9.1){1−(パーフルオロメチル)プロピル}ドデシルエーテルを94g得た。
【0045】
実施例8
製造例5で得られたKイオン量1ppm の精製ポリオキシエチレン(p=3)モノブチルエーテル41g(0.2モル)、1,1,1−トリフルオロ−2−ブタノン154g(1モル)、触媒として5%Pd−C 1.0g(pH7.1)を用いる以外は実施例7と同様な条件で反応を行い、同様に処理してエーテル化度80%のポリオキシエチレングリコール(p=3){1−(パーフルオロメチル)プロピル}ブチルエーテルを63g得た。
【0046】
比較例7,8
ヒドロキシ化合物として、精製前のKイオン量970ppmのポリオキシエチレン(p=9.1)モノドデシルエーテル、Kイオン量1080ppm のポリオキシエチレン(p=3)モノブチルエーテルを用いた以外はすべて実施例7, 8と同様の操作で反応を行った。その結果、全く反応は進行しなかった。

Claims (3)

  1. ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を、触媒を用いて水素雰囲気中で反応させてエーテル化合物を製造するに際し、ヒドロキシ化合物として、フッ素置換基を有するフッ素化合物であって、吸着剤処理によりヒドロキシ化合物中の窒素含量が50 ppm 以下となるように含窒素成分を除去したヒドロキシ化合物を用いる含フッ素エーテル化合物の製造法。
  2. ヒドロキシ化合物が、一般式(1)
    R1O−(AO)n-H (1)
    〔式中、R1 は炭素数1〜40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換基を示す。A は置換基としてヒドロキシ基を有していてもよい、直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜12のアルキレン基を示し、n 個のA は同一でも異なっていてもよい。n は0〜500 の数を示す。〕
    で表される化合物である請求項記載の製造法。
  3. カルボニル化合物が、一般式(2)
    Figure 0003908382
    〔式中、R2,R3は水素原子、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、もしくはこれらの基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換基を示し、R2,R3は同一であっても異なっていてもよい。また、R2,R3が結合した環状構造であってもよい。〕
    で表される化合物又はこれらの重合体である請求項1又は2記載の製造法。
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