JP3906779B2 - 耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法 - Google Patents

耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法、特に、液化アンモニア等の各種液化ガスの貯蔵や運搬に用いられるタンクや精製プラント等、耐応力腐食割れ性が要求される鋼構造物に用いられる低温用鋼材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の液化ガスの貯蔵、運搬に用いられるタンクや精製プラント等の鋼構造物においては、共用時に低温になるため低温靭性が要求される。さらに、近年増加している混載型のタンクでは、液化アンモニアを積載する場合もあり、低温靭性に加え、液化アンモニアによる応力腐食割れ防止対策も必要となる。
【0003】
応力腐食割れを防止するための指針としては、鋼材のNi量を制限することや、降伏強度や表層部硬度を抑制すること等が知られており、特に、液化アンモニアによる応力腐食割れに対しては、鋼材の降伏強度を440N/mm2以下とすることや、鋼材の表面硬度をビッカース硬さ(HV)220以下とすることで防止可能であることが知られている(「液体アンモニアによる鋼の応力腐食割れ」、鉄と鋼、Vol.65(1979)、p.402)。
【0004】
表層部硬度の低減方法については、これまでに多くの検討が行われており、例えば、特開平10−130721号公報および特開平10−168516号公報には、圧延後に二相域再加熱焼入れ・焼戻しを行うことにより低降伏比を達成する方法、特開平4−17613号公報には、焼入れを行った鋼板表面部に高密度エネルギー熱源による照射を行い表層部を軟化させる方法、特開2001−240936号公報には、Ac1−50℃以下の温度域で圧延を行った後、二相域に加熱して表層部に粗粒フェライト層を生成させる方法等が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−130721号公報
【特許文献2】
特開平10−168516号公報
【特許文献3】
特開平4−17613号公報
【特許文献4】
特開2001−240936号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−130721号公報および特開平10−168516号公報に開示の方法では、再加熱焼入れ、焼戻しが必要であると共に、高価な成分元素であるNiの添加が必須であり、生産性や製造コストの面で難点がある。また、特開平4−17613号公報に開示の方法では、鋼板表面のみからの加熱であるため、表層から数mm程度の範囲で硬度が上昇している場合には、硬度低下の効果が十分でなく、また、焼入性が高い成分系では、表面温度がAc1変態点を超えると、冷却時に再焼入れされ硬度が再び上昇して耐応力腐食割れ性が劣化する。また、特開2001−240936号公報に開示の方法では、通常の鋼板圧延の後、さらに、室温もしくは温間での圧延が必要であるため圧延負荷が大きく、また、形鋼等の複雑な断面形状を有する鋼材には適用し難い。
【0007】
従って、この発明の目的は、上述の問題点を解消し、液化アンモニアの貯蔵や運搬に用いられる混載型のタンクや精製プラント等、耐応力腐食割れ性が要求される鋼構造物に用いられる低温用鋼を安価で効率よく製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、耐応力腐食割れ性に優れた、引張強度490N/mm 2 以上の低温用鋼材の製造方法であって、質量%で、C:0.02〜0.12%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.6〜1.8%以下を含有し、残部不可避的不純物からなる鋼を、1000℃以上1200℃以下の温度範囲に加熱後、再結晶温度域において圧下率50%以上、未再結晶温度域で圧下率30%以上の熱間圧延を行い、圧延終了後、引き続き2℃/秒以上の冷却速度で、平均温度が400℃以上600℃以下の温度域まで冷却して、フェライト・ベイナイト混合組織とした後、周波数200Hz以上2000Hz以下の誘導加熱装置を用いて表面温度600℃以上Ac1+50℃以下の温度範囲まで加熱してから空冷することに特徴を有するものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記鋼が、さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.01〜1.0%のうちの少なくとも1種を含有することに特徴を有するものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記鋼が、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.03%のうちの少なくとも1種を含有することに特徴を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、複雑な圧延・熱処理工程を経たり、高価な合金元素を添加したりすることなく、耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法を得るべく鋭意検討を重ねた。この結果、制御圧延に引き続く加速冷却後、高周波誘導加熱を行うことにより表層部を軟化させれば、低温靭性および耐応力腐食割れ性の両立を図ることが可能であるという知見を得た。
【0012】
表1に示す鋼種Aからなる鋼板を1100℃に加熱した後、図1に示すように、熱間圧延機3により圧延終了温度800℃の条件で圧延し、次いで、このようにして圧延した板厚25mmの鋼板2Aを、加速冷却装置4により780℃から25℃/秒の冷却速度で500℃まで水冷し、次いで、水冷された鋼板2Bを誘導加熱装置5により種々の温度に加熱し、そして、ホットレベラー6により形状矯正して、鋼板2Cを調製した。なお、図1において、1は、圧延ラインを示す。
【0013】
図2に、このようにして調製した鋼板2Cの表面加熱温度と表層部硬度および引張強さとの関係を、誘導加熱装置5に代えて雰囲気炉により鋼板2Bを加熱した場合の結果と併せて示す。
【0014】
図2から明らかなように、雰囲気炉(○)を用いた場合は、表面加熱温度の上昇に伴い引張強さが低下し、高張力鋼としての490N/mm2以上の引張強度が得られないのに対し、誘導加熱装置(●)を用いて表層部を600℃からAc1+50℃(鋼Aの場合は759℃)の温度範囲に加熱した場合には、鋼板の引張強さを確保しつつ表層部の硬度低下を図ることができることが分かる。
【0015】
以上の知見に基づき、本発明者は、鋼組成、圧延・加速冷却および表層再加熱条件を制御して、耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法を見出し、この発明を完成させた。
【0016】
この発明によれば、液化アンモニア等の各種液化ガスの貯蔵や運搬に用いられるタンクや精製プラント等、耐応力腐食割れ性が要求される鋼構造物に用いられる低温用鋼を安価で効率よく製造することができる。
【0017】
以下、この発明の成分添加理由、成分限定理由および製造条件の限定範囲について説明する。
【0018】
(1)成分組成範囲
C:0.02〜0.12%
Cは、鋼の強度を確保するために0.02%以上添加するが、0.12%を超えて多量に含有させると低温靭性あるいは溶接性が劣化する。従って、C添加量は、0.02〜0.12%の範囲内とする。
【0019】
Si:0.05〜0.5%
Siは、脱酸のために0.05%以上の添加が必要であるが、0.5%を超えるとHAZ靭性および溶接性が劣化する。従って、Si添加量は、0.05〜0.5%の範囲内とする。
【0020】
Mn:0.6〜1.8%
Mnは、鋼材の強度・靭性の向上ならびにFeSの生成抑制のため0.6%以上は必要であるが、1.8%を超える多量の添加は鋼の焼き入れ性の増加を引き起こし、溶接時に硬化層が生成して割れ感受性が高くなる。従って、Mn添加量は、0.6〜1.8%の範囲内とする。
【0021】
この発明は、以上を基本成分とし、以下の選択成分群の1種または2種以上を添加する。
【0022】
Cu:0.05〜1.0%
Cuは、強度上昇および靭性改善に非常に有効な元素であるが、含有量が0.05%未満では十分な効果が発揮されず、一方、1.0%を超えると析出硬化が著しくまた圧延時に鋼材表面に割れが生じやすい。従って、Cuを添加する場合には、その範囲は、0.05〜1.0%とする。
【0023】
Ni:0.05〜1.0%
Niは、母材の強度ならびに靭性を向上させる効果を有するが、その含有量が0.05%未満では十分な効果が得られず、一方、1.0%を超える添加は焼入性を上昇させて表層加熱後の硬度が高くなり耐応力腐食割れ性を劣化させると共に、コストアップにつながる。従って、Niを添加する場合には、その範囲を0.05〜1.0%とする。
【0024】
Cr:0.05〜1.0%
Crは、焼入性向上に有効な元素であるが、その含有量が0.05%未満では効果が小さく、一方、1.0%を超えると溶接性やHAZ靭性を劣化させる。従って、Crを添加する場合には、その範囲を0.05〜1.0%とする。
【0025】
Mo:0.05〜1.0%
Moは、焼入性を高めると共に、焼き戻し軟化抵抗を高め、強度上昇に有効であるが、その含有量が0.05%未満ではその効果が十分に発揮されず、一方、1.0%を超えると溶接性を劣化させると共に、炭化物の析出により降伏比が上昇する。従って、Moを添加する場合には、その範囲を0.05〜1.0%とする。
【0026】
Nb:0.005〜0.1%
Nbは、少量の添加により焼入性を向上させ、また微細炭窒化物の析出効果により強度上昇に有効に作用する元素であるが、その含有量が0.005%未満では効果が発揮されず、0.1%以上の添加は溶接継手部の靭性を劣化させる。従って、Nbを添加する場合には、その範囲を0.005〜0.1%とする。
【0027】
V:0.01〜0.1%
Vは、少量の添加により焼入性を向上させ、また微細炭窒化物の析出効果により強度上昇に有効に作用する元素であるが、その含有量が0.01%未満ではその効果が十分に発揮されず、一方、0.1%を超えて添加すると溶接性を劣化させる。従って、Vを添加する場合には、その範囲を0.01〜0.1%とする。
【0028】
Ti:0.005〜0.03%
Tiは、TiNを形成して溶接HAZ部の組織粗大化を抑制して溶接継手部の靱性向上に寄与する元素である。0.005%未満のTi添加では継手靱性向上効果が発揮されない。一方、0.03%を超えて添加すると、溶接の冷却過程でTiCが析出し、HAZ靱性の劣化を招く。従って、Tiを添加する場合には、その範囲を0.005%〜0.03%の範囲とする。
【0029】
以上、何れも質量%である。
【0030】
(2)製造方法
上記の成分組成範囲に調整した鋼を、1000〜1200℃の温度範囲に加熱後、再結晶温度域において圧下率50%以上、未再結晶温度域で圧下率30%以上の熱間圧延を行い、圧延終了後引き続き2℃/秒以上の冷却速度で平均温度が400〜600℃の温度域まで冷却した後、周波数200〜2000Hzの誘導加熱装置を用いて表面温度600〜Ac1+50℃の温度範囲まで加熱してから空冷する。
【0031】
(a)鋼の加熱温度:1000〜1200℃
1000℃未満の加熱では、良好な熱間加工性が得られない。一方、1200℃を超える加熱では、オーステナイト粒が過度に粗大化し、圧延後に良好な低温靭性を得がたい。従って、鋼の加熱温度は、1000〜1200℃の範囲内とする。
【0032】
(b)再結晶温度域での圧下率:50%以上
再結晶温度域での圧下率が50%未満の場合は、加熱時に粗大化したオーステナイトの再結晶が十分に行われず、良好な低温靭性を得がたい。従って、再結晶温度域での圧下率は、50%以上とする。
【0033】
(c)未再結晶温度域での圧下率:30%以上
未再結晶温度域での圧下率が30%未満の場合は、フェライト変態時の核生成サイトが十分に導入されず、変態後の組織の細粒効果が小さいため、良好な低温靭性が得がたい。従って、未再結晶温度域での圧下率は、30%以上とする。
【0034】
(d)加速冷却速度:2℃/秒以上
フェライト変態時の粒成長を抑制し低温靭性を向上させると共に、フェライト・ベイナイト混合組織として低成分系で強度を確保するため、圧延終了後に加速冷却を行う。加速冷却速度が2℃/秒未満では、これらの効果が十分に得られず、良好な強度、靭性が得がたい。従って、加速冷却速度は、2℃/秒以上とする。
【0035】
(e)加速冷却停止温度:400〜600℃
加速冷却停止温度が400℃未満では、加速冷却時にマルテンサイトが生成し、短時間の表層加熱では板厚中心部の焼戻しが十分に行われないため、靭性が劣化する。一方、加速冷却の停止温度が600℃を超えた場合、ベイナイト変態が十分に進行しないため十分な強度・靭性の確保が難しくなる。従って、加速冷却停止温度は、400〜600℃の範囲内とする。
【0036】
(f)誘導加熱の周波数:200〜2000Hz
加速冷却された鋼材は、表面から数mm程度の範囲で硬度が上昇しているため、硬度低下のためには、誘導加熱時の浸透深さ(発熱領域の深さ)が重要である。誘導加熱時の周波数が200Hz未満であると、浸透深さが深くなり板厚中心部まで加熱されるため、鋼板全体の強度が低下して、高張力鋼としての強度が得られない。一方、誘導加熱時の周波数が2000Hzを超えると浸透深さが浅くなり、極表層部しか加熱されないため、硬度上昇した部分全体の軟化ができず、耐応力腐食割れ性が劣る。従って、誘導加熱の周波数は200〜2000Hzの範囲内とする。
【0037】
(g)誘導加熱時の表面温度:600〜Ac1+50℃
誘導加熱時の表面温度が600℃未満であると、表層硬度軟化の効果がほとんど表れない。一方、Ac1+50℃を超えると表層部組織が冷却時にフェライト−パーライトとなる部分が増加し靭性が劣化すると共に、鋼板内部での熱伝達により板厚中心部まで温度が上昇し強度低下が大きくなる。従って、誘導加熱時の表面温度は600〜Ac1+50℃の範囲内とする。
【0038】
なお、熱間圧延の終了温度は、Ar1変態点以上、Ar1変態点未満のいずれでもよく、低温靭性等の要求特性に応じて選択可能であるが、表層硬度が上昇しやすいAr1変態点以上からの冷却時に本発明の技術が特に有効である。また、加速冷却後の誘導加熱開始温度は、加速冷却停止後の空冷によりベイナイト変態がある程度進行した後であれば特に限定しない。また、表層部の軟化が目的であるため、表層加熱時の保持は必ずしも必要ではない。また、本技術は誘導加熱コイルの形状を変更することにより、鋼板のみならず形鋼にも適用可能である。
【0039】
以上により、耐応力腐食割れ性が要求される鋼構造物に用いられる低温用鋼材を安価で効率よく製造することができる。
【0040】
【実施例】
以下、この発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0041】
成分系ならびに圧延、冷却、誘導加熱条件を変えて製造した鋼材の引張特性、シャルピー衝撃特性を調べた。
【0042】
表1に供試鋼の化学成分およびAc1変態点を示す。各鋼種とも本発明の範囲内であり、鋼種A〜Cは、490N/mm2級、鋼種D、Eは、570N/mm2級の鋼種である。なお、Ac1変態点は、表1欄外に示す式により求めた。
【0043】
表2に供試鋼の製造条件および引張試験、シャルピー衝撃試験ならびに表層部硬度測定の結果を示す。引張特性は、圧延方向と直交する方向から採取した全厚引張試験片、シャルピー衝撃特性は、板厚1/4位置より採取した2mmVノッチ試験片により求めた。また、表層部最高硬さは、鋼板の板厚方向断面を1mmピッチで測定し、その表層部での最高値を最高硬さとした。
【0044】
【表1】
Figure 0003906779
【0045】
【表2】
Figure 0003906779
【0046】
表2から明らかなように、製造条件が本発明の範囲内である鋼番〜10は、490N/mm2以上もしくは570N/mm2以上の十分な引張強さ、脆性−延性破面遷移温度(vTrs)が−50℃以下の良好な低温靭性、および、HV220以下の表層部硬度を有していた。
【0047】
これに対して、表層部の加熱方法が本発明と異なる鋼番11および誘導加熱の周波数が本発明の範囲よりも低い鋼番15は、何れも、引張強度が不足していた。
【0048】
スラブ加熱温度が本発明の範囲よりも高い鋼番12、再結晶域での圧下率が本発明の範囲よりも低い鋼番13、加速冷却停止温度が本発明の範囲よりも低い鋼番18および未再結晶域での圧下率が本発明の範囲よりも低い鋼番19は、何れも、靭性が不足していた。
【0049】
誘導加熱の周波数が本発明の範囲よりも高い鋼番14および表面加熱温度が本発明の範囲よりも低い鋼番20は、何れも、表層部硬度が高く、耐効力腐食割れ特性が劣っていた。
【0050】
圧延後の冷却速度が本発明の範囲よりも低い鋼番16および表面加熱温度が本発明の範囲よりも高い鋼番17は、何れも、引張強度が低くかつ靭性が劣っていた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、液化アンモニア等の各種液化ガスの貯蔵や運搬に用いられるタンクや精製プラント等、耐応力腐食割れ性が要求される鋼構造物に用いられる低温用鋼材を安価で効率よく製造することができるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理鋼板の製造方法を示す工程図である。
【図2】引張強度および表層部硬さに及ぼす表面加熱温度の影響を示したグラフである。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.12%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.6〜1.8%以下を含有し、残部不可避的不純物からなる鋼を、1000℃以上1200℃以下の温度範囲に加熱後、再結晶温度域において圧下率50%以上、未再結晶温度域で圧下率30%以上の熱間圧延を行い、圧延終了後、引き続き2℃/秒以上の冷却速度で、平均温度が400℃以上600℃以下の温度域まで冷却して、フェライト・ベイナイト混合組織とした後、周波数200Hz以上2000Hz以下の誘導加熱装置を用いて表面温度600℃以上Ac1+50℃以下の温度範囲まで加熱してから空冷することを特徴とする、耐応力腐食割れ性に優れた、引張強度490N/mm 2 以上の低温用鋼材の製造方法。
  2. 前記鋼が、さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.01〜1.0%のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の、耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法。
  3. 前記鋼が、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.03%のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の、耐応力腐食割れ性に優れた低温用鋼材の製造方法。
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