JP3903935B2 - コンテンツ利用システム、機器及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、通信ネットワーク等を通じて販売されるコンテンツについて、不正利用防止を図りつつ、制限的な利用を可能にするコンテンツ利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
サンプラー等の電子音楽装置において利用可能な、例えば、サンプル楽音波形データなどのコンテンツは、CD−ROM等の記憶媒体に保存されているものを実際の店舗から購入するか、或いは、インターネット等の通信ネットワーク上のコンテンツ販売サイトからダウンロードして購入することができる。このようにして購入されたコンテンツは、ユーザが所有する電子音楽装置で利用することができるほか、他人が所有している電子音楽装置においても利用可能である。また、ユーザが複数台の電子音楽装置を所有している場合には、どの電子音楽装置でも利用することができる。
【0003】
しかしながら、購入したコンテンツは、多数の電子音楽装置で利用することができるので、簡単に違法コピーが作成されてしまい、著作権の保護の上からも好ましくない。そこで、購入されるコンテンツに利用許諾情報を付加しておき、利用許諾された特定の電子音楽装置においてのみ当該コンテンツの利用を可能にする方法が考えられるが、利用許諾済みの電子音楽装置だけではコンテンツ処理能力が不十分な場合には、当該コンテンツを十分に利用しきれないという事態が生じる。
【0004】
例えば、電子音楽装置として複数台のサンプラーをネットワーク接続したコンテンツ利用システムにおいて、或るサンプラーに記憶されているコンテンツに対して、当該サンプラーの発音数やマルチパート数、メモリーサイズ等の能力に制限があるため、処理が進まなくなることがある。その場合、第2のサンプラーで処理する必要があるが、第2のサンプラーに利用許諾が与えられていないときには、このコンテンツをフルに活用することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような事情に鑑み、コンテンツの不正利用を防止しつつ、コンテンツ利用許諾済み機器だけではコンテンツの利用が不十分な場合にも対処することができるコンテンツ利用システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の特徴に従うと、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツが配信される第1のコンテンツ利用機器(A)と、第1のコンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツを利用しようとする第2のコンテンツ利用機器(B)とから成るコンテンツ利用システムであって、第1のコンテンツ利用機器(A)は、第2のコンテンツ利用機器(B)の機器IDを取得する機器情報取得手段(A1)と、上記コンテンツから利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)を検出するID検出手段(A2)と、ID検出手段により検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)を、機器情報取得手段により取得された機器IDと比較するID比較手段(A2)と、ID比較手段により比較された両機器IDが一致するときは(A2=NO)、上記種別情報(ILc)をそのままの設定(“正規”)にして上記コンテンツを第2のコンテンツ利用機器(B)にて制限なく利用可能とし(A3→B3)、両機器IDが一致しないときは(A2=YES)、上記種別情報(ILc)を時間制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更して第2のコンテンツ利用機器(B)では上記コンテンツを時間制限付きで利用可能とする(A6→B4<B40〜B49>)利用決定手段(A2〜A6)とを具備し、第2のコンテンツ利用機器(B)は、第1のコンテンツ利用機器(A)から受け取ったコンテンツをその種別情報(ILc)の設定に従って利用する(B2〜B4)コンテンツ利用システム〔請求項1〕が提供される。なお、括弧書きは、後述する実施例における参照記号や用語等であり、以下においても同様である。
【0007】
このコンテンツ利用システムでは、前記コンテンツは制限時間情報(ILb)を含み、利用決定手段(A2〜A6)は、両機器IDが一致しないときに(A2=YES)、制限時間情報(ILb)が表わす制限時間内でコンテンツを利用可能とする(A6→B4<B40→B46=YES→B49>)ように構成することができる〔請求項2〕。
【0008】
また、このコンテンツ利用システムにおいては、前記コンテンツは、利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)を有しないコンテンツ利用機器における当該コンテンツの利用の可否を表わす利用可否情報(ILa)を含み、利用決定手段(A2〜A6)は、両機器IDが一致しない場合は(A2=YES)、利用可否情報(ILa)が利用可を表わす(A5=YES)ときにのみ、コンテンツを時間制限付きで利用可能とする(A6→B4)ように構成することができる〔請求項3〕。
【0009】
さらに、このコンテンツ利用システムでは、第2のコンテンツ利用機器(B)は、利用決定手段(A2〜A6)によって時間制限付きで利用可能(A6)とされたコンテンツを、複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを禁止する禁止手段(B42〜B45)を備えるように構成することができる〔請求項4〕。また、第2のコンテンツ利用機器(B)は、第1のコンテンツ利用機器(A)から受け取ったコンテンツについて、時間制限付きの利用を終了すると(A64→A65→B4)、コンテンツ消去済み情報を第1のコンテンツ利用機器に送出すると共にコンテンツ消去処理を行う(B4B,B49)ように構成することができる〔請求項5〕。
【0010】
この発明の第2の特徴に従うと、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定する転送先指定手段(A1)と、上記コンテンツから許諾機器指定情報(許諾機器ID)を検出する指定情報検出手段(A2)と、転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)を特定する機器情報(機器ID)が、指定情報検出手段により検出された許諾機器指定情報(許諾機器ID)に含まれないときに(A2=YES)、上記種別情報(ILc)を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更する設定変更手段(A6)と、設定変更手段により種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置(B)に転送するコンテンツ転送手段(A6)とを具備するコンテンツ利用機器(A)〔請求項6〕、並びに、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器として機能するコンピュータ(A)に、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定する転送先指定ステップ(A1)と、上記コンテンツから許諾機器指定情報(許諾機器ID)を検出する指定情報検出ステップ(A2)と、転送先指定ステップで転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)を特定する機器情報(機器ID)が、指定情報検出ステップで検出された許諾機器指定情報(許諾機器ID)に含まれないときに(A2=YES)、上記種別情報(ILc)を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更する設定変更ステップ(A6)と、設定変更ステップで種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置(B)に転送するコンテンツ転送ステップ(A6)とから成る手順を実行させるコンテンツ利用プログラム〔請求項12〕が提供される。
【0011】
この発明の第3の特徴に従うと、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツは、利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限(ILb)が付いた利用可否情報(ILa)を含み、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定する転送先指定手段(A1)と、上記コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限(ILb)が付いた利用可否情報(ILa)を検出する検出手段(A2,A5)と、転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器の機器IDが、検出手段により検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)に一致しない場合は(A2=YES)、検出手段により検出された利用可否情報(ILa)が利用可(“貸与可”)を表わしているときにのみ(A5=YES)、上記種別情報(ILc)を、当該利用可否情報(ILa)に付けられた利用時間制限(ILb)内でコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更する設定変更手段(A6)と、設定変更手段により種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置(B)に転送するコンテンツ転送手段(A6)とを具備するコンテンツ利用機器(A)〔請求項7〕が提供される。
【0012】
この発明の第4の特徴に従うと、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツは利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用回数制限情報(ILa:利用可能回数)を含み、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定する転送先指定手段(A1)と、上記コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用回数制限情報(ILa)を検出する検出手段(A2,A51)と、転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)が、検出手段により検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)に一致しない機器IDを有する利用非許諾機器であり(A2=YES)、且つ、検出手段により検出された利用回数制限情報(ILa)が利用可を表わしているときに(A51=YES)、上記種別情報(ILc)を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更する設定変更手段(A6)と、設定変更手段により種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)に転送するコンテンツ転送手段(A6)と、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)への上記コンテンツの転送に対応して上記利用回数制限情報を更新する利用回数更新手段(A52)と、利用回数更新手段により更新された利用回数制限情報が利用不可を表わすコンテンツについて、転送先指定手段により、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器が新たに転送先に指定されたときには(A51=NO)、コンテンツ転送手段の機能を禁止する転送禁止手段(A7)とを具備するコンテンツ利用機器(A)〔請求項8〕が提供される。
【0013】
この発明の第5の特徴に従うと、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツは利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限情報(ILd)を含み、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定する転送先指定手段(A1)と、上記コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限情報(ILd)を検出する検出手段(A2,A55)と、転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)が、検出手段により検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)に一致しない機器IDを有する利用非許諾機器であり(A2=YES)、且つ、検出手段により検出された利用時間制限情報(ILd)が利用可を表わしているときに(A55=YES)、上記種別情報(ILc)を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更する設定変更手段(A6)と、設定変更手段により種別情報が設定変更されたコンテンツを、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)に転送するコンテンツ転送手段(A6)と、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)に転送されたコンテンツの利用時間に応じて当該コンテンツの利用時間制限情報(ILd)を更新する利用時間更新手段(A61)と、利用時間更新手段により更新された利用時間制限情報(ILd)が利用不可を表わすコンテンツについて、転送先指定手段により、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)が新たに転送先に指定されたときには(A55=NO)、コンテンツ転送手段の機能を実行させることなく、転送できない旨の警告を行う警告手段(A7)とを具備するコンテンツ利用機器(A)〔請求項9〕が提供される。
【0014】
この発明の第6の特徴に従うと、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、コンテンツ利用許諾が与えられた別のコンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用機器(A)から受け取って利用するコンテンツ利用機器(B)であって、上記別のコンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツは、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含み、上記別のコンテンツ利用機器(A)から転送されるコンテンツを取得するコンテンツ取得手段(B1)であって、該コンテンツは、利用時間制限(ILb)が付いた利用可否情報(ILa)を含むもの(B1)と、コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツの種別情報(ILc)が、制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更されている場合に(A2=YES→A6→B2=YES)、当該コンテンツに含まれる利用可否情報(ILa)を検出する可否検出手段(B40)と、可否検出手段により検出された利用可否情報(ILa)に付けられた利用時間制限(ILb)の間(B46=NO)、上記別のコンテンツ利用機器(A)との接続状態をチェックする接続確認手段(B47)と、接続確認手段により上記別のコンテンツ利用機器と接続されていることが確認されている間だけ(B48=NO)、当該コンテンツを利用可能とする利用決定手段(B4:B41〜B45)とを具備し、コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツの種別情報が、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定されたままである場合には(A2=NO→A3→B2=NO)、利用可否情報による制限なくコンテンツを利用する(B3)コンテンツ利用機器(B)〔請求項10〕が提供される。
【0015】
この特徴に従うコンテンツ利用機器(B)において、利用決定手段(B4:B41〜B45)は、種別情報(ILc)が、制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に設定変更されたコンテンツを、複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを禁止する禁止手段(B43,B45)を備えるように構成することができる〔請求項11〕。
【0016】
〔発明の作用〕
この発明の第1の特徴によるコンテンツ利用システム(請求項1)は、第1及び第2のコンテンツ利用機器(A,B)から成り、第1のコンテンツ利用機器(A)は、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、「制限なくコンテンツ利用可能」(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受けることができるコンテンツ利用許諾機器である。第1のコンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツを第2のコンテンツ利用機器(B)で利用しようとする場合、第1のコンテンツ利用機器(A)では、第2のコンテンツ利用機器(B)の機器IDを取得すると共に(A1)コンテンツから利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)を検出し(A2)、検出した利用許諾済み機器IDを取得された機器IDと比較する(A2)。そして、両機器IDが一致するときは(A2=NO)種別情報(ILc)をそのままの設定にしてコンテンツを第2のコンテンツ利用機器(B)にて制限なく利用可能とし(A3→B3)、両機器IDが一致しないときは(A2=YES)種別情報(ILc)を「時間制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に設定変更して第2のコンテンツ利用機器(B)では上記コンテンツを時間制限付きで利用可能とする(A6→B4<B40〜B49>)。一方、第2のコンテンツ利用機器(B)は、第1のコンテンツ利用機器(A)から受け取ったコンテンツをその種別情報(ILc)の設定に従って利用する。つまり、第2のコンテンツ利用機器(B)では、コンテンツに含まれる利用許諾済み機器IDに一致する機器IDを有し当該コンテンツの利用が許諾されたコンテンツ利用許諾機器(A2=NO)である場合にのみ(B2=NO)、コンテンツ(A3)の通常の利用ができる(B3)ので、違法利用を防止することができる。さらに、第2のコンテンツ利用機器(B)が、利用許諾済み機器IDに一致する機器IDを有さずコンテンツ利用が許諾されていないコンテンツ利用非許諾機器であっても(B2=YES)、一時的にならコンテンツを利用することができる(B4)。例えば、サンプラーなどのコンテンツ利用機器において、コンテンツ利用許諾機器である第1のコンテンツ利用機器(A)でコンテンツ(波形データ)の同時発音数やパート数が足りない場合にも、一時的に、コンテンツ利用非許諾機器である第2のコンテンツ利用機器(B)において不足分を補うことができる。
【0017】
このコンテンツ利用システムでは、上述したように、両機器IDが一致しないときに(A2=YES)第2のコンテンツ利用機器(B)において時間制限付きでコンテンツを利用させる場合に対応して、コンテンツ内に制限時間情報(ILb)を持たせることにより、制限時間情報(ILb)が表わす制限時間内でコンテンツを利用可能とする(A6→B4<B40→B46=YES→B49>)ことができる(請求項2)。また、時間制限付きでのコンテンツ利用に対応して、コンテンツ内に、利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)を有しないコンテンツ利用機器における当該コンテンツの利用の可否を表わす利用可否情報(ILa)を持たせることにより、利用可否情報(ILa)が利用可を表わす(A5=YES)ときにのみ、コンテンツを時間制限付きで利用可能とする(A6→B4)ことができる(請求項3)。
【0018】
また、このコンテンツ利用システムにおける第2のコンテンツ利用機器(B)では、コンテンツの複製、保存又は転送を禁止する手段(B42〜B45)により、時間制限付き(A6)でコンテンツを利用する場合は、コンテンツを複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを不可能にすることができる(請求項4)。この場合、さらに、第1のコンテンツ利用機器(A)から受け取ったコンテンツについて、時間制限付きの利用を終了すると(A64→A65→B4)、コンテンツ消去済み情報を第1のコンテンツ利用機器に送出すると共にコンテンツ消去処理を行う(B4B,B49)ことができる(請求項5)。
【0019】
この発明の第2の特徴によると(請求項6,12)、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)において、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定すると(A1)、当該コンテンツから許諾機器指定情報(許諾機器ID)を検出し(A2)、転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)を特定する機器情報(機器ID)が、検出された許諾機器指定情報(許諾機器ID)に含まれないときには(A2=YES)、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に種別情報(ILc)を設定変更し、種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置(B)に転送する(A6)。つまり、別のコンテンツ利用装置(B)がコンテンツ利用非許諾機器(A2=YES)の場合は、コンテンツを「貸与」で転送するものとし、この際、コンテンツが所定の制限付きで利用可能な「貸与コンテンツ」である旨を示すように種別情報(ILc)の設定変更(加工:貸与情報の書込み)を行ってから転送する(A6)。従って、コンテンツ利用許諾済み機器(A)からコンテンツ利用非許諾機器へとコンテンツを転送して所定の制限付きで貸与すると共に、この貸与を受けたコンテンツ利用非許諾機器においては、当該コンテンツが貸与コンテツであることを識別して対応するコンテンツの利用を図ることができる。
【0020】
この発明の第3の特徴によるコンテンツ利用機器(請求項7)は、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、制限なくコンテンツ利用可能である旨(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツは、利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限(ILb)が付いた利用可否情報(ILa)を含んでいる。このコンテンツ利用機器(A)では、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定すると(A1)、当該コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限(ILb)が付いた利用可否情報(ILa)を検出し(A2,A5)、転送先に指定された別のコンテンツ利用機器の機器IDが、検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)に一致しない場合は(A2=YES)、検出された利用可否情報(ILa)が利用可(“貸与可”)を表わしているときにのみ(A5=YES)、当該利用可否情報(ILa)に付けられた利用時間制限(ILb)内でコンテンツ利用可能である旨(“貸与”)に種別情報(ILc)を設定変更し、種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置(B)に転送する(A6)。つまり、別のコンテンツ利用装置(B)がコンテンツ利用非許諾機器(A2=YES)の場合は、コンテンツに含まれる“時間制限付きでのコンテンツ利用が「可能」か否かの利用可否情報(ILa)”がコンテンツ利用「可能」を示すときにのみ(A5=YES)当該コンテンツを転送可能とし、当該利用可否情報(ILa)に付けられた利用時間制限(ILb)内で利用可能な「貸与コンテンツ」である旨(“貸与”)に種別情報(ILc)を設定変更してからコンテンツを転送する(A6)。従って、コンテンツ利用許諾済み機器(A)からコンテンツ利用非許諾機器へとコンテンツを「貸与コンテンツ」として転送する際に「貸与可能」な場合にのみ転送可能として、貸与不可能なコンテンツを間違ってコンテンツ利用非許諾機器に貸与してしまうことを防止することができる。
【0021】
この発明の第4の特徴によるコンテンツ利用機器(請求項8)は、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、「制限なくコンテンツ利用可能」(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツは、利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用回数制限情報(3値ILa:利用可能回数)を含んでいる。このコンテンツ利用機器(A)では、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定すると(A1)、当該コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用回数制限情報(ILa)を検出し(A2,A51)、転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)が、検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)に一致しない機器IDを有する利用非許諾機器であり(A2=YES)、且つ、検出された利用回数制限情報(ILa)が利用可を表わしているときに(A51=YES)、「所定の制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に種別情報(ILc)を設定変更し、種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを、利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)に転送する(A6)。そして、当該別のコンテンツ利用機器(B)へのコンテンツ転送に対応して利用回数制限情報を更新し(A52)、更新された利用回数制限情報が利用不可を表わすコンテンツについて当該別のコンテンツ利用機器が新たに転送先に指定されたときには(A51=NO)、コンテンツ転送手段の機能を禁止する(A7)。つまり、コンテンツ内に利用回数制限情報(ILa:利用可能回数)を書き込んでおき、コンテンツを受ける側のコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器の場合には(A2=YES)、コンテンツを送る側のこのコンテンツ利用機器(A)は、コンテンツの貸与元となって、コンテンツを貸与先のコンテンツ利用機器(B)に転送して貸与先(B)で当該コンテンツが利用(再生)される度に、減算などの演算方法を用いて利用回数制限情報(ILa)を更新し(A52)、更新された利用回数制限情報が利用不可を表わすコンテンツについては、以後、転送することができないようにする(A51=NO→A7)。従って、貸与元コンテンツ利用機器(A)において、コンテンツ利用非許諾機器の貸与先コンテンツ利用機器(B)でのコンテンツの利用回数(再生回数)をコントロールすることができる。
【0022】
この発明の第5の特徴によるコンテンツ利用機器(請求項9)は、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、「制限なくコンテンツ利用可能」(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器(A)であって、上記コンテンツは、利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限情報(ILd)を含んでいる。このコンテンツ利用機器(A)では、上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器(B)を指定すると(A1)、当該コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)及び利用時間制限情報(ILd)を検出し(A2,A55)、転送先に指定された別のコンテンツ利用機器(B)が、検出された利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)に一致しない機器IDを有する利用非許諾機器であり(A2=YES)、且つ、検出された利用時間制限情報(ILd)が利用可を表わしているときに(A55=YES)、「所定の制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に種別情報(ILc)を設定変更し、種別情報が設定変更されたコンテンツを、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器(B)に転送する(A6)。そして、当該別のコンテンツ利用機器(B)に転送されたコンテンツの利用時間に応じて当該コンテンツの利用時間制限情報(ILd)を更新し(A61)、更新された利用時間制限情報(ILd)が利用不可を表わすコンテンツについて、当該別のコンテンツ利用機器(B)が新たに転送先に指定されたときには(A55=NO)、コンテンツ機能(A6)を実行させることなく、転送できない旨の警告を行う(A7)。つまり、コンテンツ内に利用時間制限情報(ILd)を書き込んでおき、コンテンツを受ける側のコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器の場合には(A2=YES)、コンテンツを送る側のこのコンテンツ利用機器(A)は、コンテンツの貸与元となり、コンテンツ利用(再生)時間の経過に従って減算するなどの演算方法により、コンテンツの利用時間に応じて利用時間制限情報(ILd)を更新し(A52)、更新された利用時間制限情報(ILd)が利用不可を表わすコンテンツについては、以後、転送不能にして警告を行う(A55=NO→A7)。従って、貸与元コンテンツ利用機器(A)において、コンテンツ利用非許諾機器の貸与先コンテンツ利用機器(B)におけるコンテンツのトータルの利用時間(再生時間)をコントロールし、利用不可になったときには転送できない旨の警告を行うことができる。
【0023】
この発明の第6の特徴によるコンテンツ利用機器(請求項10)は、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、コンテンツ利用許諾が与えられた別のコンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用機器(A)から受け取って利用するコンテンツ利用機器(B)であって、別のコンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツは、「制限なくコンテンツ利用可能」(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含んでいる。また、別のコンテンツ利用機器(A)からこのコンテンツ利用機器(B)に転送されるコンテンツは、利用時間制限(ILb)が付いた利用可否情報(ILa)を含んでおり、その種別情報(ILc)は、このコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用許諾機器である場合はそのままの設定(“正規”)であるが(A2=NO→A3→B1)、コンテンツ利用非許諾機器である場合には「制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に設定変更されている(A2=YES→A6→B1)。このコンテンツ利用機器(B)は、別のコンテンツ利用機器(A)からコンテンツを取得すると(B1)、取得されたコンテンツの種別情報(ILc)の設定を判定し、種別情報(ILc)が「制限なくコンテンツ利用可能」(“正規”)に設定されたままである場合は(B2=NO)、利用可否情報(ILa)による制限なくコンテンツを利用することができる(B3)。一方、取得されたコンテンツの種別情報(ILc)が「制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に設定変更されている場合には(B2=YES)、当該コンテンツに含まれる利用可否情報を検出し(B40)、検出された利用可否情報(ILa)に付けられた利用時間制限(ILb)の間(B46=NO)、別のコンテンツ利用機器(A)との接続状態をチェックする(B47)。そして、当該別のコンテンツ利用機器(A)と接続されていることが確認されている間だけ(B48=NO)、当該コンテンツを利用可能とする(B4:B41〜B45)。つまり、このコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器(A2=YESとなるコンテンツ利用機器)である場合は、コンテンツ利用許諾済み機器である別のコンテンツ利用機器(A)からコンテンツが「貸与」され(A6→B2=YES)、このコンテンツ利用非許諾機器(B)において、コンテンツ利用許諾済み機器(A)との接続状態をチェックし、コンテンツ利用許諾済み機器(A)に接続されている間のみコンテンツを利用可能とする。従って、コンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器の場合、コンテンツを貸与すると共に、コンテンツ利用許諾済み機器(A)と接続されている間のみコンテンツを利用可能として、コンテンツ貸与をコンテンツ利用許諾済み機器(A)の使用中に制限することができる。
【0024】
このコンテンツ利用機器(B)においては、「制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に種別情報(ILc)が設定変更されたコンテンツを、複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを禁止する手段(B43,B45)により、時間制限付き(“貸与”)でコンテンツを利用する場合は、コンテンツを複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを不可能にすることができる(請求項11)。
【0025】
〔別の特徴〕
なお、この発明の実施に関する別の特徴により、次の(1),(2)のようなコンテンツ記録媒体を提供することができる。
(1)コンテンツ実体と、コンテンツ利用が可能なコンテンツ利用機器を特定する利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)と、この利用許諾済み機器IDを有しないコンテンツ利用機器において時間制限付きでコンテンツ利用が可能か否かを示す利用可否情報(ILa)とを記憶している情報処理装置において読み取り可能なコンテンツ記録媒体:このコンテンツ記録媒体は、コンテンツ実体と共に、利用許諾済み機器ID及び利用可否情報(ILa)を含んでおり、利用可否情報(ILa)によって、利用許諾済み機器IDを有しないコンテンツ利用非許諾機器(“A2→YES”となるコンテンツ利用機器B)において時間制限付きでのコンテンツ利用が可能か否かを示すように構成しているので、コンテンツ利用機器(A,B)では、このコンテンツ記録媒体に記憶されているコンテンツの利用可否情報(ILa)の内容を参照して、貸与可能なコンテンツについては時間制限付きで利用し、貸与不可能なコンテンツについては間違ってコンテンツ利用非許諾機器に貸与されるのを防止することができる。
【0026】
(2)コンテンツ実体と、コンテンツ利用が可能なコンテンツ利用機器を特定する利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)と、この利用許諾済み機器IDを有しないコンテンツ利用機器における時間制限付きコンテンツ利用時の制限時間情報(ILb)とを記憶している情報処理装置において読み取り可能なコンテンツ記録媒体:このコンテンツ記録媒体は、コンテンツ実体と共に、利用許諾済み機器ID及び制限時間情報(ILb)を含んでおり、制限時間情報(ILb)によって、利用許諾済み機器IDを有しないコンテンツ利用非許諾機器(“A2→YES”となるコンテンツ利用機器B)において時間制限付きでコンテンツを利用する際の制限時間を示すように構成しているので、コンテンツ利用非許諾機器においては、このコンテンツ記録媒体に記憶されているコンテンツを、利用時間情報(ILb)が示す制限時間内で利用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施の形態について詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0028】
〔システムの概要〕
図1は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用システムの概略的なネットワーク構成図を示す。この例では、システムは、コンテンツ販売サイト1、インターネット等の広域通信ネットワーク2、中継装置(ルータ)3、LAN等のローカル通信ネットワーク4、複数のコンテンツ利用機器(電子音楽装置)5などで構成され、コンテンツ利用機器5は、その一部又は全部がコンテンツ購入装置として機能することができる。
【0029】
コンテンツ販売サイト1は、各コンテンツ利用機器5で用いる音波形データ(サウンドデータ)やMIDIデータ、電子楽譜データ、着信メロディ、カラオケデータ、音楽付き映像データなどの電子音楽情報(音楽コンテンツ)を配信する機能を備える。なお、コンテンツ販売サイト1は、音楽情報専用のコンテンツ配信サイトに限らず、ニュース等の文字情報、待ち受け画面等の画像の配信サイトを兼ねてもよいし、或いは、ショッピングサイトでもよいし、情報検索サイトでもよい。
【0030】
ローカル通信ネットワーク4は、音楽データの送受信に適したプロトコルで構築されている。例えば、IEEE1394規格に基づいたmLAN(ヤマハ株式会社の登録商標)により構築されている。これ以外にも、Etherネット(富士ゼロックス株式会社の登録商標)などのプロトコルで構築してもよく、複数のプロトコルが混在したものでもよい。例えば、音楽データのリアルタイム送信にはmLANを利用し、ファイルの送信にはEtherネットを利用する等の方法がある。
【0031】
コンテンツ利用機器5には、サンプラーや電子楽器などの音楽情報処理専用の電子音楽装置5aや、音楽情報処理機能を有するパーソナルコンピュータ(PC)5bなどが含まれる。このシステムでは、コンテンツ利用機器5には、このような専用の電子音楽装置5aやPC5bなどの外に、さらに、音楽ゲーム機、カラオケ装置、携帯電話機などの携帯通信端末、可搬型音楽情報記憶媒体の販売端末、等々の電子音楽装置も含まれる。また、これらのコンテンツ利用機器5は、固有の機器IDを有しており、ユーザによりニックネームを設定することができる。
【0032】
上述した専用電子音楽装置5aやPC5bなどの種々の電子音楽装置を含むコンテンツ利用機器5は、コンテンツ販売サイト1で販売されるコンテンツの利用(使用)が可能であり、夫々に固有の機器IDがコンテンツ利用機器IDとして用いられる。これらのコンテンツ利用機器5のうちコンテンツ販売サイト1と交信可能な機器は“コンテンツ購入装置”としての機能を有し、コンテンツ販売サイト1から配信される許諾機器ID埋込みコンテンツは、コンテンツ購入装置により記憶媒体にダウンロードすることができる。また、許諾機器ID埋込みコンテンツが記録された記憶媒体には、許諾機器IDに合致するコンテンツ利用機器IDを有する1乃至複数のコンテンツ利用機器(当該コンテンツ購入装置を含む)がアクセス可能である。
【0033】
ここで、このコンテンツ利用システムにおけるコンテンツの購入例を説明しておく。ローカル通信ネットワーク4を通じて交信可能に接続される複数のコンテンツ利用機器5(5a,5b)のうち或るコンテンツ利用機器(コンテンツ購入装置)は、コンテンツ利用の許諾を受ける1乃至複数のコンテンツ利用機器の機器IDをコンテンツ販売サイト1に登録し、希望のコンテンツについて利用許諾を希望するコンテンツ利用機器を指示する。コンテンツ販売サイト1は、指示された全てのコンテンツ利用機器の機器IDを表わす1乃至複数の許諾機器IDを埋め込んだコンテンツをコンテンツ購入装置に配信し、この際、既に販売したコンテンツで利用許諾済みのコンテンツ利用機器での利用分は、割り引いて販売する。配信されたコンテンツは、許諾機器IDがヘツダ部に埋め込まれたり実体データ部に電子透かしで埋め込まれており、この許諾機器IDをもつコンテンツ利用機器で自由に利用することができる。
【0034】
なお、コンテンツ購入装置は、一般のパーソナルコンピュータのように、コンテンツ販売サイト1と交信し音楽コンテンツの配信を受けるだけで特に音楽情報利用機能を有しない購入専用の装置としてもよい。また、コンテンツ販売サイト1から購入したコンテンツを利用可能なコンテンツ利用機器5には、ローカル通信ネットワーク4に接続されるコンテンツ利用機器だけでなく、コンテンツ購入装置と個別に接続される他のコンテンツ利用機器や、コンテンツ購入装置により機器ID埋込みコンテンツがダウンロードされた記憶媒体の利用が可能な他のコンテンツ利用機器が含まれる。
【0035】
〔各コンテンツ利用機器のハードウエア構成〕
図2は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器のハードウエア構成を示すブロック図である。この例では、コンテンツ利用機器5には、サンプラーのような専用の電子音楽装置が用いられており、中央処理装置(CPU)5A、読出専用メモリ(ROM)5B、ランダムアクセスメモリ(RAM)5C、外部記憶装置5D、A/Dコンバータ5E、検出回路5F、表示回路5G、音源回路5H、効果回路5J、通信インターフェース(通信I/F)5K、MIDIインターフェース(MIDI・I/F)5Lなどを備え、これらの装置5A〜5Lはバス5Mを介して互いに接続されている。
【0036】
CPU5Aは、所定のソフトウエア・プログラムに従いタイマ5Nによるクロックを利用して、音波形サンプリングなどの音楽情報処理や、コンテンツの購入、利用、転送、種別情報書換えなどのコンテンツに関する各種処理を含む種々の制御を中心的に行う。ROM5Bには、このために、音楽情報処理プログラム、コンテンツの購入や利用などに関する各種処理プログラムなどの制御プログラムや、制御パラメータが記憶されている。RAM5Cは、DRAMを含み、各種処理に際して必要なデータやパラメータを記憶し、また、処理中の各種データ等を一時記憶するためのワーク領域として用いられる。
【0037】
外部記憶装置5Dは、ハードディスクドライブ(HDD)の外に、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フレキシブルディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)、半導体メモリ等の可搬型記憶媒体を用いた装置から成り、当該コンテンツ利用機器5(5a,5b)で利用される音楽情報(コンテンツ)を記憶したり、コンテンツの購入に関する他のデータやコンテンツ購入処理プログラムなどを記録しておくことができる。
【0038】
A/Dコンバータ5Eは、これに接続されるオーディオ入力ソース機器5Pからのアナログ形式のオーディオ波形信号をディジタル形式のオーディオ波形データに変換して音波形サンプリング用データ(サウンドデータ)としてシステム内に取り込む。
【0039】
検出回路5Fは、これに接続されるスイッチ等のパネル操作子5Qによる設定/制御操作の内容を検出して当該コンテンツ利用機器5内に導入する。パネル操作子5Qは、操作パネル上において、当該コンテンツ利用機器5の動作状態を設定したりコンテンツ販売サイト1と交信するために各種情報を入力する操作子である。電子音楽装置にPCを用いる場合には、パネル操作子5Qとしてキーボードやマウスなどのポインチングデバイスが利用される。表示回路5Gは、これに接続される表示装置5Rの表示内容をCPU5Aからの指令に従って制御し、表示装置5Rにはディスプレイ(表示器)や各種インジケータが含まれる。
【0040】
音源回路5Hには、DSPを含む効果回路5Jが接続され、効果回路5JにはD/A変換部やアンプ、スピーカを含むサウンドシステム5Sが接続される。これらの装置5H,5J,5Sにより、システムに入力乃至記憶されたサウンドデータや配信コンテンツなどの音楽情報に基づき楽音を発音する楽音生成部が形成される。なお、このシステムには、必要に応じて、音声放音手段(図示せず)を設けることができる。
【0041】
通信I/F5Kには、LANなどのローカル通信ネットワーク4を介して当該他の機器6が接続され、他の機器6には、他の電子音楽装置やPC、中継装置(ルータ)3などが含まれる。従って、この電子音楽装置は、他の電子音楽装置やPCと交信可能であるだけでなく、図1に示されるように、この中継装置(ルータ)3及び広域通信ネットワーク(インターネットなど)2を通じて、コンテンツ販売サイト1と交信することができる。さらに、この例では、MIDI・I/F31には、MIDI形式の音楽情報を取り扱うことができる他の電子音楽装置38が接続され、これにより、MIDI音楽情報を授受することができる。
【0042】
コンテンツ販売サイト1は、特に図示しないが、図2とほぼ同様の構成要素を備えるサーバコンピュータにより構成され、音波形データ(サウンドデータ)や、MIDIデータ、電子楽譜データ、着信メロディ、カラオケデータ、音楽付き映像データなどの電子音楽情報(コンテンツ)などを、ハードディスク(HD)などの外部記憶装置の大容量記憶媒体に記録しており、CPUの制御の下、ROM等の記憶装置に記憶されているコンテンツ販売処理プログラムなどの制御プログラムに従って、これらのコンテンツの販売に関するコンテンツ販売処理などを実行する。なお、コンテンツ販売サイト1には、オーディオ入力部5Pに接続されるA/Dコンバータ5Eや楽音生成手段(5H,5J,5S)、MIDI・I/F5Lは、必須の構成要素としては、設ける必要がない。
【0043】
〔コンテンツの記憶フォーマット〕
この発明の一実施例においては、記憶媒体に保存されるコンテンツは、利用許諾されたコンテンツ利用機器(電子音楽装置)においてのみ利用可能とするために、利用許諾された1乃至複数のコンテンツ利用機器を特定するコンテンツ利用機器IDが“許諾機器ID”として所定の形式で埋め込まれる。図3は、この発明の一実施例によるコンテンツの記憶フォーマット例を示す。コンテンツ販売サイト1から送信されコンテンツ利用機器5の記憶媒体に記憶されるコンテンツは、図示のように、コンテンツの名称や番号を含むヘッダデータを記録したヘッダ部と、サンプル波形データ等の実体データを記録したコンテンツ実体部とから成り、許諾機器ID及び貸与情報ILが所定形式でヘッダ部又はコンテンツ実体部に埋め込まれる。
【0044】
許諾機器IDは、コンテンツ実体部の情報を利用することを許諾された1乃至複数のコンテンツ利用機器(“コンテンツ利用許諾済み機器”、又は、単に“許諾済み機器”という。)を特定するコンテンツ利用機器IDを記録したものである。また、貸与情報は、図3〔A〕の右側に示すように、貸与可/不可情報ILa、貸与時間情報ILb、種別情報ILcから成る。
【0045】
貸与可/不可情報ILaは、当該コンテンツについて、許諾機器IDを有しないコンテンツ利用機器(“コンテンツ利用非許諾機器”、又は、単に“非許諾機器”という。)に貸与が可能か否か、即ち、コンテンツ利用非許諾機器で利用することができるか否かを表わし、“利用可否情報”とも呼ばれる。貸与時間情報ILbは、貸与可/不可情報ILaが貸与“可”であるときのコンテンツ利用の制限時間を表わし、“制限時間情報”とも呼ばれる。つまり、貸与可/不可情報ILaが貸与“可”を示すコンテンツは、非許諾機器であっても貸与時間情報ILbが示す制限時間内で利用可能となる。
【0046】
種別情報ILcは、当該コンテンツが、正規コンテンツである(“正規”)か、或いは、他のコンテンツ利用機器から貸与されたコンテンツである(“貸与”)かを表わし、“正規/貸与情報”ともいう。コンテンツ販売サイト1からコンテンツ利用機器5にダウンロードするなどによって購入した当初のコンテンツは、種別情報ILcが“正規”(即ち、正規コンテンツ)に設定されている。
【0047】
コンテンツに許諾機器IDを埋め込む方式としては、
1.許諾機器IDをそのままコンテンツのヘッダ部に埋め込む(図3〔A〕)、
2.許諾機器IDに暗号化等の所定の演算を加え、これをコンテンツのヘッダ部に埋め込む(図3〔A〕)、
3.許諾機器IDを、電子透かし埋込み手段WBにより、そのまま電子透かしとしてコンテンツの実体部に埋め込む(図3〔B〕)、
4.許諾機器IDに所定の演算を加え、これを、電子透かし埋込み手段WBにより、電子透かしとしてコンテンツの実体部に埋め込む(図3〔B〕)
等の手法がある。
【0048】
図3〔A〕に示されるフォーマット例(1)では、上述した許諾機器ID及び貸与情報ILがヘッダ部に埋め込まれ、コンテンツの名称や番号などを表わすヘッダデータが“その他データ”としてヘッダ部に記録される。また、図3〔B〕に示されるフォーマット例(2)では、ヘッダ部にはヘッダデータが記録され、コンテンツ実体部に、当該コンテンツの複数の許諾機器ID及び貸与情報ILが、電子透かし埋込み手段WBによって、コンテンツ実体部に電子透かしとして埋め込まれる(なお、貸与情報ILの内容は図3〔A〕の右側と同じ。)。
【0049】
〔コンテンツ利用の動作フロー〕
図4及び図5は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用システムにおけるコンテンツ利用の動作例を表わすフローチャートを示す。ここで、図4を用いてこの発明のコンテンツ利用の概略を説明しておく。この発明のコンテンツ利用システムでは、許諾機器IDと、貸与可否情報ILa、時間情報ILb及び種別(正規/貸与)情報ILcから成る貸与情報ILとを含むコンテンツが取り扱われる。コンテンツ利用許諾済み機器A内にあるコンテンツをコンテンツ利用機器Bで利用しようとする場合、機器Bの機器IDを取得し(A1)、この機器IDをコンテンツの許諾機器IDと比較する(A2)。ここで、両IDが一致するときは(A2→NO)、コンテンツを当該コンテンツ利用機器(B)にて制限なく利用可能とする(A3→B3)。一方、両IDが一致しないときは(A2→YES)、貸与可否情報ILaが貸与“可”を示す場合に限って、種別情報ILcを“貸与”にしてコンテンツを機器(B)に転送し、時間情報ILbが示す制限時間内で利用可能とする(A6→B4)。
【0050】
さて、図4以下の動作フロー例に従って、このコンテンツ利用システムの動作を具体的に説明しよう。いま、コンテンツ利用機器Aが、或るコンテンツの許諾機器IDを有しコンテンツ利用が許諾されている場合、当該コンテンツをコンテンツ利用機器Aから別の任意のコンテンツ利用機器Bに転送しようとする場合、システムは、以下のように動作する。
【0051】
コンテンツ利用機器Aにおいて、当該コンテンツを転送したいコンテンツ利用機器Bの機器IDを取得し、コンテンツ利用機器Bを当該コンテンツの転送先に指定すると(ステップA1)、当該コンテンツは、転送先のコンテンツ利用機器Bでは非許諾か否かが判定される(ステップA2)。つまり、コンテンツ利用機器Bの機器IDが当該コンテンツの許諾機器IDに含まれていないかどうかが調べられる。
【0052】
ここで、コンテンツ利用機器Bの機器IDが当該コンテンツの許諾機器IDに一致し、コンテンツ利用機器Bが許諾済み機器であると判定されると(A2→NO)、直ちに、当該コンテンツをコンテンツ利用機器Bに転送する処理を行い(ステップA3)、その後、コンテンツ利用機器A側の動作が終了する。すなわち、コンテンツ利用機器Bが許諾済み機器である場合は、当該コンテンツを機器Bにそのまま転送し、後述するように、機器B側で何ら制限なく利用可能とする(B3)。
【0053】
一方、コンテンツ利用機器Bが当該コンテンツの許諾機器IDに一致する機器IDを有しないコンテンツ利用非許諾機器であると判定されたときは(A2→YES)、当該コンテンツ内に含まれる貸与可/不可情報ILaをチェックし(ステップA4)、続いて、貸与可/不可情報ILaが貸与“可”を示しているかどうかを判定する(ステップA5)。
【0054】
ここで、貸与可/不可情報ILaが貸与“可”を示しているときは(A5→YES)、当該コンテンツの種別情報ILcを“正規”から“貸与”に設定変更してコンテンツ利用機器Bに転送し(ステップA6)、その後、コンテンツ利用機器A側の動作が終了する。すなわち、コンテンツ利用機器Bが非許諾機器である場合は、当該コンテンツを、種別情報ILa=“貸与”に設定して転送し、後述するように、機器B側で貸与時間情報ILbに基づく時間制限を付けて利用可能とする(B4)。
【0055】
一方、貸与可/不可情報ILaが貸与“不可”を示しているときは(A4→NO)、「貸与できない」旨をディスプレイ(5R)の画面表示や音声放音手段を通じてコンテンツ利用機器Aのユーザに警告し(ステップA7)、この警告後、コンテンツ利用機器A側の動作が終了する。すなわち、貸与可/不可情報ILa=貸与“不可”の場合は、当該コンテンツをコンテンツ利用非許諾機器Bでは利用することができない。
【0056】
コンテンツがコンテンツ利用機器Aからコンテンツ利用機器Bに転送された場合(A3,A6)、コンテンツ利用機器Bは、当該コンテンツを受信してDRAM(5C)又はHD(5D)に記憶する(ステップB1)。続いて、受信したコンテンツの種別情報が“貸与”を示しているか否かを判定し、種別情報=“正規”であるときは(B2→NO)、当該コンテンツについて、何ら制限なく(貸与時間情報ILbの時間制限は考慮されない)通常のコンテンツ利用を進めることができ(ステップB3)、利用を終えると、コンテンツ利用機器B側の動作が終了する。
【0057】
一方、受信コンテンツの種別情報=“貸与”のときは(B2→YES)、“貸与でのコンテンツ利用”(ステップB4)の動作に入り、貸与時間情報ILbの時間制限の下で当該コンテンツを利用することができる。この“貸与でのコンテンツ利用”を終えると、コンテンツ利用機器B側の動作が終了する。
【0058】
図5は、“貸与でのコンテンツ利用”での詳細な動作フローを示す。“貸与でのコンテンツ利用”(ステップB4)では、最初に、コンテンツの受信開始又は終了時点で、貸与時間情報ILbに応じてタイマ(5N)をセットし、コンテンツ利用時間の計時を開始する(ステップB40)。タイマの計時開始以後は、コンテンツを利用することができる(ステップB41)。例えば、コンテンツ利用機器がサンプラーなどの場合には、機器A側で足りない発音チャンネル或いはパート不足分の発音処理などを機器Bで実行する。
【0059】
しかしながら、上述のコンテンツ利用には、当該コンテンツの他のコンテンツ利用機器への転送、当該コンテンツの複製や外部記憶媒体(5D)への保存などは含まれない。つまり、他のコンテンツ利用機器への転送指示があるか否かを判定し(ステップB42)、他機器への転送指示があれば(B42→YES)、転送ができない旨をディスプレイ(5R)や音声放音手段を通じてコンテンツ利用機器Bのユーザに警告する(ステップB43)。また、この転送不可の警告後、又は、転送指示がないときは(B42→NO)、複製又は外部記憶媒体への保存の指示があるか否かを判定し(ステップB44)、このような複製又は保存の指示があれば(B44→YES)、複製又は保存ができない旨を同様に警告する(ステップB45)。
【0060】
次に、複製や保存の警告後、又は、複製や保存の指示がないときは(B44→NO)、現在、貸与時間情報ILbに基づいてセットされた貸与時間が経過したか否かをタイマ(5N)で判断する(ステップB46)。ここで、貸与時間を経過していないときは、当該コンテンツを転送してきた貸与元のコンテンツ利用機器Aとの接続状態をチェックし(ステップB47)、現在、コンテンツ利用機器Bが貸与元機器Aと接続(直接ケーブルで、無線で、ローカル通信ネットワーク4で、等々)されているか否かを調べる(ステップB48)。
【0061】
ここで、貸与元機器Aと接続されているときは(B48→NO)、貸与時間が経過しない間は(B46=NO)、コンテンツの利用や、転送・複製・保存指示に関する動作(B41〜B46)を続行する。そして、貸与元機器Aと接続されなくなると(B48→YES)、当該コンテンツをDRAM(5C)又はHD(5D)から消去し(ステップB49)“貸与でのコンテンツ利用”が終了する。
【0062】
また、貸与元機器Aとの接続が維持されていても(B48=NO)、貸与時間が経過すると(B46→YES)、当該コンテンツをDRAM(又はHD)から消去して(B49)、“貸与でのコンテンツ利用”が終了する。
【0063】
〔コンテンツ利用回数の制限〕
図4の動作例に従う実施態様では、貸与可否情報ILaが、貸与“可”或いは“不可”の2値を採用するものとして説明したが、貸与可否情報ILaを3値以上の値を取り得るものとして実施しても良い。この場合は、貸与可否情報ILaが再生可能回数(利用可能回数)を示すものとして扱い、コンテンツ利用非許諾機器における当該コンテンツの利用回数を制限する態様で実施することができる。この実施態様では、コンテンツの貸与可/不可情報ILaは、例えば、“0”,“1”,“2”,…というような数値で表現され、当該コンテンツを非許諾機器に転送する度に数値を減算することができ、貸与“可”を表わす“1”以上の値で再生可能な残り回数を示し、値“0”で貸与“不可”を示すようにした再生可能回数情報である。
【0064】
図6は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用システムにおけるコンテンツ利用の別の動作例を表わすフローチャートを示す。この“動作フロー例〔2〕”は、上述した実施態様に従う回数制限の管理を、貸与元機器であるコンテンツ利用機器Aにおいて実現するものであり、図4の動作フロー例に対し、ステップA5に代わりこれと同様の判定を行うステップA51の肯定出力(YES)に対応して、コンテンツ転送毎に回数を減算するステップA52を付加するだけの簡単な構成変更によって、コンテンツ利用回数を管理することができる。
【0065】
より詳しく説明すると、コンテンツの転送先(貸与先)となるコンテンツ利用機器Bが当該コンテンツの利用に関して非許諾機器である場合には(A2→YES)、当該コンテンツの貸与可/不可情報即ち再生可能回数情報ILaがチェックされ(A4)、この情報ILaの値が“0”を超えているか(“1”以上か)どうかを判定する(A51)。ここで、回数情報ILaの値が“0”でなく貸与可能な状態であれば(A51→YES)、回数情報ILaの値を減算して(“−1”)このコンテンツに関する再生可能回数を消費させた後(A52)、貸与先機器Bに当該コンテンツを種別=“貸与”で転送するよう処理を行う(A6)。
なお、回数減算(A51)は転送ステップ(A6)の後に行ってもよい。また、回数情報ILaの値が“0”であれば(A51→NO)、コンテンツ転送を禁止して“貸与不可”の警告ステップ(A7)に進む。
【0066】
以上のような処理によって、貸与可/不可情報ILaを再生可能回数情報を拡張し、貸与先の機器がコンテンツ利用非許諾機器であった場合の再生(利用)回数を各コンテンツ毎に管理することができる。
【0067】
〔コンテンツ利用のトータル時間制限〕
また、他の実施態様として、非許諾機器がコンテンツを利用する各回毎の利用制限時間を規定する貸与時間情報ILbに加え、当該コンテンツを利用可能な最大時間を表わす「残り貸与時間情報ILd」を各コンテンツのヘッダに付記するようにしてもよい。図7は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器側の記憶媒体に保存されるコンテンツの記憶フォーマットの他の例であり、図8は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器システムにおける他の動作例を表わすフローチャートを示す。つまり、図7に示すコンテンツのデータ構造で表わされるように、貸与したコンテンツを利用し得る「残りの貸与時間」を表わす残り貸与時間情報ILdをコンテンツヘッダに付加し、図8の動作フロー例〔3〕に従ってコンテンツの残り貸与時間ILdを貸与元機器(A)で管理することにより、上述の他の実施態様を実現することができる。
【0068】
なお、図8については、ステップA1〜A7,B1〜B3は、図4の動作フロー例における同一記号のステップと同等の機能を有し、このうち、ステップA1〜A4,B1〜B3は簡略化して表示している。また、ステップB4’は、図4の「貸与でのコンテンツ利用」処理ステップB4に代えて実行される「貸与でのコンテンツ利用(2)」処理のルーチンを示し、この処理の構成要素となるステップB40〜B49は、図5の動作フロー例における同一記号のステップと同等の機能を有し、このうち、ステップB40〜B48は簡略化して表示している。
【0069】
この実施態様においては、貸与元機器は、各コンテンツ毎に、非許諾機器へコンテンツを貸与している期間の間、残り貸与時間情報ILdの値をデクリメントして、残り貸与時間情報ILdの値が“0”となるか、或いは、貸与先機器から当該コンテンツが消去済であることを表わす「コンテンツ消去済み」情報を受信するまで、残り貸与時間情報ILdのデクリメントを繰り返し行う。そして、残り貸与時間情報ILdが“0”以下に設定されたコンテンツは、他の非許諾機器に対しては貸与不可のコンテンツとして取り扱うように制御を行う。
【0070】
以下、貸与元の機器であるコンテンツ利用機器Aにおいて残り貸与時間情報ILdの管理を行うようにした図8の動作フロー例〔3〕に従って、より詳しく説明する。コンテンツを転送しようとしているコンテンツ利用機器Bが当該コンテンツの利用に関して非許諾機器であり(A2→YES)、当該コンテンツの貸与可/不可情報ILaのチェックにより(A4)貸与“可”であると判定されたときは(A5→YES)、当該コンテンツの残り貸与時間情報ILdが表わす残り貸与時間が“0”より大きく、貸与先の機器つまりコンテンツ利用機器Bで再生可能な状態であるか否かをチェックする(ステップA55)。
【0071】
ここで、残り貸与時間が“0”以下であると判定されたときには(A55→NO)、転送が禁止されてコンテンツの貸与は行われない(A7)。一方、残り時間が“0”より大きく、貸与先の機器で再生可能な状態と判定されたときは(A55→YES)、当該コンテンツを種別=“貸与”で転送した後(A6)、送信したコンテンツの残り貸与時間情報ILd値のデクリメント及び当該コンテンツの残り貸与時間情報ILdの更新処理を開始する(ステップA61)。
【0072】
続いて、貸与先の機器Bからコンテンツ消去済み情報を受信したか否かを判定し(ステップA62)、この情報を受信したときは(A62→YES)処理を終了する。これに対し、貸与先機器Bからコンテンツ消去済み情報を受信していないときには(A62→NO)、貸与先機器Bとの接続が切れているか否かを判定する(ステップA63)。ここで、貸与先機器Bとの接続が切れているときは(A62→YES)、貸与先機器Bにおいては当該コンテンツが消去されているので、貸与元機器Aにおいても処理を終了する。一方、貸与先機器Bとの接続がなされているときには(A63→NO)、残り貸与時間情報ILdのデクリメントの結果、その値が“0”となったか否かを判定する(ステップA64)。
【0073】
残り貸与時間情報ILdの値が“0”と判定されたときは(A64→YES)、当該コンテンツは貸与不可な状態となったことを表わしているため、貸与先の機器Bにコンテンツの消去を指示した後(ステップA65)、処理を終了する。
一方、残り貸与時間情報ILdが0よりも大きいときには(A65→NO)、所定のタイミング(例えば、1ms経過後など)で、処理を残り貸与時間の減算・更新ステップ(A61)に戻し、上述した3つの判定ステップ(A61〜A63)の何れかの条件を満たすまで、逐次、上述のループ処理(A61〜A64)を繰り返し実行する。
【0074】
以上のような貸与元機器Aでの処理により、非許諾機器(B)に貸与したコンテンツに付加されている残り貸与時間情報ILdは、貸与している期間中、順次、デクリメント乃至更新され、貸与が終了した時点における残り貸与時間情報ILdが当該コンテンツ中に保持される。
【0075】
他方、貸与先の機器Bにおいては、許諾機器の場合は(B2→NO)、図4の動作フローと同様に、通常のコンテンツ利用が可能であるが(B3)、非許諾機器の場合には(B2→YES)、「貸与でのコンテンツ利用(2)」処理ルーチンB4’に進む。この処理ルーチンB4’では、図5のステップB41〜B48(NO)と同様に、タイマ計時を開始した後(B40)、貸与元機器Aとの接続中は〔B46(NO)→B47→B48(NO)〕ループ処理(B41〜B48)を行い、貸与時間を消費したり(B46→YES)貸与元Aと切断すると(B48→YES)コンテンツを消去する(B49)。この際、ルーチンB4’では、図8に示すように、このループ処理(B41〜B48)に対して、コンテンツ消去指示受信を判定するステップB4Aが挿入され、更に、該ループ処理から脱出するとコンテンツ消去済を送信するステップB4Bが付加される。
【0076】
すなわち、貸与先の機器Bが非許諾機器の場合には、図5に示されるステップB40〜B45の処理動作の後、貸与元Aからのコンテンツ消去指示を受け取ったか否かを判定する処理を実行する(B4A)。ここで、貸与元Aからコンテンツ消去指示を受け取ったと判定されたときは(B4A→YES)、コンテンツ消去処理を行った後(B49)、処理を終了する。一方、コンテンツ消去指示を受け取っていない間は(B4A→NO)、図5の動作フローと同様に、貸与元Aへの接続中はループ処理〔B41〜B48(NO)〕を繰り返し実行する。
【0077】
そして、コンテンツの利用可能時間(貸与時間)が経過したものと判定されたときは(B46→YES)、コンテンツ消去済み情報を貸与元の機器Aに送信し(B4B)、その後、当該コンテンツをDRAM(又はHD)から消去し(B49)、“貸与でのコンテンツ利用”を終了する。
【0078】
以上のような処理により、貸与先の機器がコンテンツ利用非許諾機器であった場合のトータル的な再生(利用)時間を各コンテンツ毎に管理することができる。なお、上述した残り貸与時間情報ILdとして貸与時間情報ILbを用いてもよく、この場合は、ステップA55、A61、A64における「残り貸与時間情報ILd」を「貸与時間情報ILb」に読み替えればよい。
【0079】
〔種々の実施態様〕
以上、この発明を一実施例について説明したが、この発明は種々の態様で実施することができる。例えば、実施例においてはコンテンツの購入や利用に対する課金について詳しく触れなかったが、例えば、コンテンツ販売サイト1からコンテンツ利用機器5に貸与情報を含むコンテンツを販売する場合にも、当然、対応対する対価をコンテンツ利用機器ユーザに課金する。このような課金に当って、販売されたコンテンツが貸与可能(貸与可/不可情報=貸与“可”)である場合と、貸与不可能(貸与可/不可情報=貸与“不可”)である場合とで、コンテンツの販売価格を変えてもよい。また、コンテンツ貸与時間の長さ(時間情報が示す制限時間長)に応じて販売価格を変えてもよい。
【0080】
入手したコンテンツの転送指示については、実施例のように、許諾機器ID中に機器IDが含まれるコンテンツ利用許諾済み機器において、許諾機器ID中に機器IDが存在しないコンテンツ利用非許諾機器へとコンテンツの転送を指示するものに限らず、コンテンツ利用非許諾機器からコンテンツ利用許諾済み機器に対して転送を要求するようにしてもよい。
【0081】
また、コンテンツ利用許諾済み機器で入手したコンテンツは、実施例のように、LANなどの通信ネットワークを介して他のコンテンツ利用機器に転送するものに限らず、記憶媒体を経由して他のコンテンツ利用機器に転送し、利用することができるようにしてもよい。この場合、記録媒体に、コンテンツを書き込んだ時間を併せて記録し、時間情報の制限時間については、記録媒体に記録されたコンテンツ書込み時間からタイマ計時を開始させるようにすればよい。或いは、他のコンテンツ利用機器で記録媒体からコンテンツを読み込んだ時点からタイマ計時を開始させてもよい。
【0082】
また、実施例においては貸与元機器(A)と貸与先機器(B)とが接続されている場合にのみ貸与利用ができるようにしたが、貸与時間内であれば、接続されていなくても貸与利用ができるようにしてもよい。
【0083】
また、貸与先の機器において、貸与時間の経過(消費)を待たずに、例えばユーザの指示に応じてコンテンツの利用を終了するようにしてもよい。
【0084】
また、貸与するコンテンツ(少なくともコンテンツ実体)は、暗号化或いはスクランブルをかけた状態で他の機器へ送信されることが望ましい。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明においては、コンテンツ利用許諾(済み)機器である第1コンテンツ利用機器(A)は、コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元(1)から、「制限なくコンテンツ利用可能」(“正規”)に設定された種別情報(ILc)を含むコンテンツの配信を受けることができる。第1コンテンツ利用機器(A)に配信されたコンテンツを更に第2コンテンツ利用機器(B)で利用しようとする際に、送り側の第1コンテンツ利用機器(A)から受け側の第2コンテンツ利用機器(B)に送られるコンテンツは、第2コンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用許諾機器の場合は、種別情報(ILc)をそのままの設定にして、第2コンテンツ利用機器(B)でも制限なく利用可能な「正規コンテンツ」として通常のコンテンツ利用を進めるようにするが、第2コンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器の場合には、種別情報(ILc)を「時間制限付きでコンテンツ利用可能」(“貸与”)に設定変更して、第2コンテンツ利用機器(B)ではコンテンツを所定の制限付きで利用可能な「貸与コンテンツ」とする。従って、第1コンテンツ利用機器(A)のコンテンツを利用しようとする第2コンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器である場合に、コンテンツに含まれる種別情報(ILc)の設定を第1コンテンツ利用機器(A)側で変更することにより、コンテンツの制限的な利用を実現することができる。
【0086】
この発明の第1の特徴(請求項1)によるコンテンツ利用システムでは、コンテンツ内に利用許諾済み機器ID(許諾機器ID)を含ませ、第2のコンテンツ利用機器(B)の機器IDが利用許諾済み機器IDと一致する場合は制限なくコンテンツを利用可能とし、両機器IDが一致しない場合には、時間制限付きでコンテンツを利用可能としている。従って、この発明によれば、第2のコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用許諾機器である場合にのみコンテンツの通常利用ができ、違法利用を防止することができる。さらに、第2のコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器であっても、一時的になら、コンテンツを利用することができる。
【0087】
この発明のコンテンツ利用システムにおいては、第2のコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用許諾機器である場合、コンテンツ内の制限時間情報(ILb)が表わす制限時間内でコンテンツを利用可能とすることができ(請求項2)、コンテンツ内の利用可否情報(ILa)が利用可を表わすときに限って、コンテンツを時間制限付きで利用可能とすることもできる(請求項3)。また、第2のコンテンツ利用機器(B)では、時間制限付きでコンテンツを利用する時は、コンテンツを複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを不可能にすることができ(請求項4)、時間制限付きでコンテンツ利用を終了すると、コンテンツ消去済み情報を第1のコンテンツ利用機器に送出すると共にコンテンツの消去処理を行うことができる(請求項5)。
【0088】
この発明の第2の特徴(請求項6,12)によるコンテンツ利用機器(A)では、コンテンツ利用許諾済み機器であるコンテンツ利用機器(A)からコンテンツ利用非許諾機器(B)へとコンテンツを転送して貸与し、この際、コンテンツが貸与コンテンツである旨を示すように加工して転送するようにしている。従って、この発明によれば、コンテンツ利用許諾済み機器(A)からコンテンツ利用非許諾機器へとコンテンツを転送して所定の制限付きで貸与すると共に、この貸与を受けたコンテンツ利用非許諾機器においては、当該コンテンツが貸与コンテツであることを識別して対応するコンテンツの利用を図ることができる。
【0089】
この発明の第3の特徴(請求項7)によるコンテンツ利用機器(A)では、機器IDがコンテンツの利用許諾済み機器IDと一致しないコンテンツ利用非許諾機器(B)に対して、時間制限付きコンテンツ利用が可能か否かの利用可否情報(ILa)をコンテンツに持たせておき、コンテンツ利用許諾済み機器であるコンテンツ利用機器(A)からコンテンツを転送して貸与するに当っては、利用可否情報(ILa)がコンテンツ利用可能を示す場合に限ってコンテンツを転送可能とするようにしている。従って、この発明によれば、コンテンツ利用許諾済み機器(A)からコンテンツ利用非許諾機器へとコンテンツを転送して貸与する際に「貸与可能」な場合にのみ転送可能として、貸与不可能なコンテンツを間違ってコンテンツ利用非許諾機器に貸与してしまうことを防止することができる。
【0090】
この発明の第4の特徴(請求項8)及び第5の特徴(請求項9)によるコンテンツ利用機器(A)においては、コンテンツ内には利用回数(3値ILa)や利用時間(ILd)の制限情報が書き込まれており、送り側の当コンテンツ利用機器(A)は、受け側のコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾のコンテンツ利用機器である場合に、コンテンツの貸与元となり、貸与先コンテンツ利用機器(B)でのコンテンツの利用(再生)に応じて制限情報を更新し、更新された制限情報が利用不可を表わすコンテンツについては、以後、転送不能としている。従って、この発明によれば、貸与元(A)において、貸与先(B)でのコンテンツの利用回数(再生回数)やトータルの利用時間(再生時間)をコントロールすることができる。
【0091】
この発明の第6の特徴(請求項10)によるコンテンツ利用機器(B)では、このコンテンツ利用機器(B)がコンテンツ利用非許諾機器である場合、コンテンツ利用許諾済み機器であるコンテンツ利用機器(A)からコンテンツが貸与されると、コンテンツ利用許諾済み機器(A)との接続状態をチェックし、コンテンツ利用許諾済み機器(A)に接続されている間のみコンテンツを利用可能とするようにしている。従って、この発明によれば、コンテンツが貸与されたコンテンツ利用非許諾機器において、コンテンツ利用許諾済み機器(A)と接続されている間に限って、コンテンツを利用可能として、コンテンツ貸与をコンテンツ利用許諾済み機器(A)の使用中に制限することができる。また、この発明のコンテンツ利用機器(B)では、時間制限付きでコンテンツを利用する場合は、当該コンテンツを複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを不可能にすることができる(請求項11)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用システムの概略的なネットワーク構成図を示す。
【図2】図2は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器(電子音楽装置)のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器側の記憶媒体に保存されるコンテンツの記憶フォーマット例である。
【図4】図4は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器システムにおける動作例を表わすフローチャートである。
【図5】図5は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器システムにおける“貸与でのコンテンツ利用”時の動作例を表わすフローチャートである。
【図6】図6は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器システムにおける別の動作例〔2〕を表わすフローチャートである。
【図7】図7は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器側の記憶媒体に保存されるコンテンツの記憶フォーマットの他の例である。
【図8】図8は、この発明の一実施例によるコンテンツ利用機器システムにおける他の動作例〔3〕を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
IL 貸与情報、
ILa 貸与可/不可情報(利用可否情報)、
ILb,ILd コンテンツ利用の制限時間を表わす貸与時間情報及び残り貸与時間情報(制限時間情報)、
ILc コンテンツの正規/貸与種別を表わす種別情報(正規/貸与情報)。
Claims (12)
- コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含むコンテンツが配信される第1のコンテンツ利用機器と、第1のコンテンツ利用機器に配信されたコンテンツを利用しようとする第2のコンテンツ利用機器とから成るコンテンツ利用システムであって、
第1のコンテンツ利用機器は、
第2のコンテンツ利用機器の機器IDを取得する機器情報取得手段と、
上記コンテンツから利用許諾済み機器IDを検出するID検出手段と、
ID検出手段により検出された利用許諾済み機器IDを、機器情報取得手段により取得された機器IDと比較するID比較手段と、
ID比較手段により比較された両機器IDが一致するときは、上記種別情報をそのままの設定にして上記コンテンツを第2のコンテンツ利用機器にて制限なく利用可能とし、両機器IDが一致しないときは、上記種別情報を時間制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更して第2のコンテンツ利用機器では上記コンテンツを時間制限付きで利用可能とする利用決定手段と
を具備し、
第2のコンテンツ利用機器は、第1のコンテンツ利用機器から受け取ったコンテンツをその種別情報の設定に従って利用する
ことを特徴とするコンテンツ利用システム。 - 前記コンテンツは制限時間情報を含み、
前記利用決定手段は、両機器IDが一致しないときに、上記制限時間情報が表わす制限時間内で前記コンテンツを利用可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ利用システム。 - 前記コンテンツは、利用許諾済み機器IDを有しないコンテンツ利用機器における当該コンテンツの利用の可否を表わす利用可否情報を含み、
前記利用決定手段は、両機器IDが一致しない場合は、上記利用可否情報が利用可を表わすときにのみ、前記コンテンツを時間制限付きで利用可能とする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ利用システム。 - 第2のコンテンツ利用機器は、前記利用決定手段によって時間制限付きで利用可能とされたコンテンツを、複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンテンツ利用システム。
- 第2のコンテンツ利用機器は、第1のコンテンツ利用機器から受け取ったコンテンツについて、時間制限付きの利用を終了すると、コンテンツ消去済み情報を第1のコンテンツ利用機器に送出すると共にコンテンツ消去処理を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のコンテンツ利用システム。
- コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器であって、
上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器を指定する転送先指定手段と、
上記コンテンツから許諾機器指定情報を検出する指定情報検出手段と、
転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器を特定する機器情報が、指定情報検出手段により検出された許諾機器指定情報に含まれないときに、上記種別情報を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更する設定変更手段と、
設定変更手段により種別情報が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置に転送するコンテンツ転送手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ利用機器。 - コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器であって、
上記コンテンツは、利用許諾済み機器ID及び利用時間制限が付いた利用可否情報を含み、
上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器を指定する転送先指定手段と、
上記コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID及び利用時間制限が付いた利用可否情報を検出する検出手段と、
転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器の機器IDが、検出手段により検出された利用許諾済み機器IDに一致しない場合は、検出手段により検出された利用可否情報が利用可を表わしているときにのみ、上記種別情報を、当該利用可否情報に付けられた利用時間制限内でコンテンツ利用可能である旨に設定変更する設定変更手段と、
設定変更手段により種別情報が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置に転送するコンテンツ転送手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ利用機器。 - コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器であって、
上記コンテンツは利用許諾済み機器ID及び利用回数制限情報を含み、
上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器を指定する転送先指定手段と、
上記コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID及び利用回数制限情報を検出する検出手段と、
転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器が、検出手段により検出された利用許諾済み機器IDに一致しない機器IDを有する利用非許諾機器であり、且つ、検出手段により検出された利用回数制限情報が利用可を表わしているときに、上記種別情報を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更する設定変更手段と、
設定変更手段により種別情報が設定変更されたコンテンツを、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器に転送するコンテンツ転送手段と、
当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器への上記コンテンツの転送に対応して上記利用回数制限情報を更新する利用回数更新手段と、
利用回数更新手段により更新された利用回数制限情報が利用不可を表わすコンテンツについて、転送先指定手段により、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器が新たに転送先に指定されたときには、コンテンツ転送手段の機能を禁止する転送禁止手段とを具備することを特徴とするコンテンツ利用機器。 - コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器であって、
上記コンテンツは利用許諾済み機器ID及び利用時間制限情報を含み、
上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器を指定する転送先指定手段と、
上記コンテンツに含まれる利用許諾済み機器ID及び利用時間制限情報を検出する検出手段と、
転送先指定手段により転送先に指定された別のコンテンツ利用機器が、検出手段により検出された利用許諾済み機器IDに一致しない機器IDを有する利用非許諾機器であり、且つ、検出手段により検出された利用時間制限情報が利用可を表わしているときに、上記種別情報を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更する設定変更手段と、
設定変更手段により種別情報が設定変更されたコンテンツを、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器に転送するコンテンツ転送手段と、
当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器に転送されたコンテンツの利用時間に応じて当該コンテンツの利用時間制限情報を更新する利用時間更新手段と、
利用時間更新手段により更新された利用時間制限情報が利用不可を表わすコンテンツについて、転送先指定手段により、当該利用非許諾機器である別のコンテンツ利用機器が新たに転送先に指定されたときには、コンテンツ転送手段の機能を実行させることなく、転送できない旨の警告を行う警告手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ利用機器。 - コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、コンテンツ利用許諾が与えられた別のコンテンツ利用機器に配信されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用機器から受け取って利用するコンテンツ利用機器であって、
上記別のコンテンツ利用機器に配信されたコンテンツは、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含み、
上記別のコンテンツ利用機器から転送されるコンテンツを取得するコンテンツ取得手段であって、該コンテンツは、利用時間制限が付いた利用可否情報を含むものと、
コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツの種別情報が、制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更されている場合に、当該コンテンツに含まれる利用可否情報を検出する可否検出手段と、
可否検出手段により検出された利用可否情報に付けられた利用時間制限の間、上記別のコンテンツ利用機器との接続状態をチェックする接続確認手段と、
接続確認手段により上記別のコンテンツ利用機器と接続されていることが確認されている間だけ、当該コンテンツを利用可能とする利用決定手段と
を具備し、
コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツの種別情報が、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定されたままである場合には、利用可否情報による制限なくコンテンツを利用する
ことを特徴とするコンテンツ利用機器。 - 前記利用決定手段は、種別情報が、制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更されたコンテンツを、複製し、記録媒体に保存し、或いは、他のコンテンツ利用機器に転送することを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ利用機器。
- コンテンツ利用の許諾を受けるコンテンツ利用機器の機器IDが登録されたコンテンツ配信元から、制限なくコンテンツ利用可能である旨に設定された種別情報を含むコンテンツの配信を受け、該コンテンツを利用するコンテンツ利用機器として機能するコンピュータに、
上記コンテンツの転送先となる別のコンテンツ利用機器を指定する転送先指定ステップと、
上記コンテンツから許諾機器指定情報を検出する指定情報検出ステップと、
転送先指定ステップで転送先に指定された別のコンテンツ利用機器を特定する機器情報が、指定情報検出ステップで検出された許諾機器指定情報に含まれないときに、上記種別情報を、所定の制限付きでコンテンツ利用可能である旨に設定変更する設定変更ステップと、
設定変更ステップで種別情報が設定変更されたコンテンツを当該別のコンテンツ利用装置に転送するコンテンツ転送ステップと
から成る手順を実行させるコンテンツ利用プログラム。
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