JP3903819B2 - 部品の親子関係設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CADを用いて作成した部品の親子関係をその配置関係に基づいて自動的に設定する部品の親子関係設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の3次元CADシステムでは、部品の形状を特定するためのデータを部品単位で入力し、そのデータを入力した後に部品を個々に配置し、最終的に、それぞれの部品同士の相互関係(親子関係)が自動的に設定されるようになっている。この設定がされると、部品同士の関係がツリー構造で表示できるため、次のような利点を生じる。
【0003】
部品の親子関係がわかると、部品同士の接触関係もわかるので、位置ズレの発生および加工データの付け忘れなどのチェックが自動的にできる。
【0004】
部品の親子関係がわかると、設計サイドで干渉確認(特に動作シミュレーション)をするときに、干渉部品の分別が容易になる。
【0005】
部品の親子関係がわかると、ユーザーサイド(例えば、NCデータの作成者、小物部品の作成者)で必要なデータだけを選別して受け取ることができる。
【0006】
このため、受け取ったデータに基づく部品の理解を早く深めることができる。また、データを変換する際の変換時間の短縮と記憶媒体の必要記憶領域の節約ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の3次元CADシステムでは、部品相互間の配置関係ではなく、部品相互間の機能関係に基づいて親子関係が設定されるようになっているため、配置関係が重要視される設計では、設計の負担が大きくなるという欠点がある。これは、配置関係が非常に重要なウエイトを占める設計においては、機能関係に束縛されている部品の親子関係を配置関係に基づく親子関係に変換する必要があるからである。
【0008】
例えば、図13のように、ロワーヘッド10にカムドライブ15が取り付けられ、またアッパーヘッド20にカムスライド25が取り付けられている装置の場合、カムドライブ15とカムスライド25との機能関係が重要視される(アッパーヘッド20の下降によってカムドライブ15がカムスライド25を摺動移動させる構造であるため、機能を考慮すると両カムの位置関係が重要になる)ことから、従来の3次元CADシステムにより設定される親子関係は、ロワーヘッド10には子供がなく、アッパーヘッド20の子供としてカムスライド25とカムドライブ15が存在するという、図に示したような関係になる。
【0009】
このように機能関係に基づいて親子関係が設定されていると、例えば設計作業においてカムスライド25の位置だけをずらす場合に次のような不具合が生じる。上述のように、機能上はカムスライド25とカムドライブ15がアッパーヘッド20の子供の関係にあるため、設計作業においてカムスライド25の位置をずらすと、これに伴ってカムドライブ15の位置もずれてしまう。したがって、カムスライド25だけをずらす場合には、CADシステムによって設定された親子関係を実際の配置関係に即した親子関係に変える必要がある。実際の配置関係は、図に示したように、ロワーヘッド10の子供としてカムドライブ15が、アッパーヘッド20の子供としてカムスライド25がそれぞれ存在するという関係にあるため、設計者は、このような親子関係に図面を見ながら設定し直す。この親子関係の設定によってカムスライド25とカムドライブ15との関係がなくなるので、カムスライド25だけをずらすことができるようになる。
【0010】
このように従来の3次元CADシステムでは、設計作業には適さない、機能を重視した親子関係が自動的に設定されるため、設計者は、設計作業に適した、配置関係を重視した親子関係に設定し直さなければならない。機能関係を重視した親子関係から配置関係を重視した親子関係への変換は、設計者が図面を見ながら手作業で行う必要がある。上記の例のように設計の対象が非常に単純な装置であればこの変換作業はミスすることなく短時間で完了するが、実際の製品の構造は非常に複雑であるから、この変換作業をミスすることなく行うのは大変である。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて成されたものであり、CADを用いて作成した部品の親子関係をその配置関係に基づいて自動的に設定できるようにした部品の親子関係設定方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するための本発明は、下記の方法によって達成される。
【0013】
請求項1に記載の方法は、演算装置が部品データベースから機械を構成する部品の3次元CADデータを取得する第1段階と、前記演算装置が取得した3次元CADデータに基づいて前記演算装置が前記機械を構成する部品相互間の接触面を求める第2段階と、前記演算装置が求めた接触面に基づいて前記演算装置が各部品の移動可能方向を求める第3段階と、1つの部品がいずれかの移動可能方向に他の部品と接触しながら移動でき、前記1つの部品に接触する部品が前記他の部品1つのみであるときには、前記演算装置は前記1つの部品を前記他の部品の「子」に設定するとともに前記他の部品を前記1つの部品の「親」に設定する第4段階と、を含むことを特徴とする部品の親子関係設定方法である。
【0014】
請求項2に記載の方法は、請求項1に記載の部品の親子関係設定方法において、親子関係が定まった2つの部品を前記演算装置が1つの部品と仮定する第5段階と、仮定した1つの部品の全てについて、前記演算装置が前記第3段階と前記第4段階の処理を行う第6段階と、をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の方法は、請求項1または請求項2に記載の部品の親子関係設定方法において、前記第4段階において、前記演算装置は、前記「親」に設定する部品を、前記「子」に設定された1つの部品よりも体積の大きい部品とは接触しない部品とすることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の方法は、請求項2に記載の部品の親子関係設定方法において、前記演算装置による前記第1段階から前記第6段階までの処理によって「親」に設定された部品を移動させると、その移動に伴って移動する部品であって、取り付けのための穴加工ができ、その[親]に設定された部品と接触する部品を、前記演算装置がその「親」に設定された部品の「子」に設定する第7段階をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の方法は、請求項4に記載の部品の親子関係設定方法において、前記演算装置による前記第1段階から前記第6段階までの処理によって「親」に設定された部品が無くなったとした場合、移動可能な部品であって、取り付けのための穴加工ができ、その[親]に設定された部品と接触する部品を、前記演算装置がその「親」に設定された部品の「子」に設定する第8段階をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の方法は、請求項5に記載の部品の親子関係設定方法において、前記演算装置による前記第1段階から前記第8段階までの処理によっても親子関係が確定していない部品に対して、その部品と接触する他の部品があるか否かを調べる第9段階と、その部品と接触する他の部品があるときには、接触する他の部品の体積がその部品の体積よりも大きいことを条件として、前記演算装置がその部品を、接触する他の部品の「子」とする第10段階と、をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る部品の親子関係設定方法によれば、CADを用いて作成した部品の親子関係をその配置関係に基づいて自動的に設定できるので、機能関係を重視した親子関係から配置関係を重視した親子関係への変換は、設計者が図面を見ながら手作業で行う必要がなくなり、短時間で信頼性の高い変換作業ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる部品の親子関係設定方法の好適な実施の形態を3次元型構造を例にして詳細に説明する。図1は、本発明に係る方法を実施することができるCAD装置の概略構成図である。
【0021】
図に示すように、CAD装置100は、3次元型構造データ(部品に関するデータであり、形状データ、配置データなどを含む)を入力する入力装置110と、入力した部品に関するデータを記憶する部品データベース120と、本発明に係る方法を実施して部品の親子関係を設定する演算装置130と、演算装置130による演算結果を表示するディスプレイ140とを有している。
【0022】
図2から図5は、本発明に係る部品の親子関係設定方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートにおいては、プレス装置の上型または下型を構成する要素単位を1つの部品としている。
【0023】
まず、演算装置130は、部品データベース120から3次元型構造データ(部品の3次元CADデータ)を取得して(第1段階)、プレスが最下点の状態にあるとき(上型が下型に合わさって最も下まで下りている状態)の部品間の接触面を全て求める(第2段階)。部品間の接触面は、一般的に使用されているアルゴリズムによって、複数の部品間で座標の一致している面が存在するか否かによって求める。例えば、図6に示すような2つの部品60、62に着目すると、2つの部品同士が接触している部分(太線の部分)が接触面となる(S1)。
【0024】
プレスが最下点の状態にあるときには、上型と下型とが噛み合っている状態であるので、一般的に動く部品はないと考えられる。ところが、この状態でも動く部品があるときには、その部品は接触している部品に取り付けられていると考えられる。接触している部品は1つの部品である場合と、複数の部品である場合とがある。
【0025】
以上のことを調べるために、演算装置130は、各部品の接触面の情報からその部品が移動可能かどうかを調べる(第3段階)。例えば、図6に示した部品62に着目すると、その部品62は図7に示すように実線の矢印の方向に動くことができるが、点線の矢印の方向には動くことができない。このステップでは、このことを一般的に使用されているアルゴリズムを使って求める。また、図8に示すように、2つの部品同士が1つの面で接触してはいるものの、ある部品に対して回転できる部品80については、図示する回転方向に動くことができると判断する(S2)。
【0026】
その部品が動く部品であるときには(S3:YES)、その部品と接触する部品の数を調べる(S4)。接触する部品の数が1つであれば(S5:YES)、その部品を接触する部品の子として親子関係を設定する(第4段階)。例えば、図6に示した部品62の場合、図7の実線の矢印の方向に動くことができるので、動く部品であるとの判断がされる。部品62は、2つの面で接触しているものの、接触している部品は部品60だけであるので、部品62は部品60の子に設定される。また、図8に示した部品82の場合、図示する回転方向に動くことができるので、動く部品であるとの判断がされる。部品82は部品80に接触しているので、部品80の子に設定される(S6)。
【0027】
一方、S3のステップで動く部品ではないと判断されるか(S3:NO)、またはS5のステップで接触する部品が存在しない、あるいは接触する部品が複数であると判断されたときには(S5:NO)、現時点で親子関係を設定することはできないので、次の部品に対する処理を行う。
【0028】
以上のS2からS6までの処理は、3次元型構造データに含まれる全ての部品について行われる。したがって、ここまでの処理によって、少なくとも2つの部品同士に対する親子関係が設定されることになる。
【0029】
次に、演算装置130は、親子関係が設定された部品同士を1つの部品として考えるための処理をする(第5段階)(S7)。この1つの部品として考えた部品の接触面の情報からその部品が動くかどうかを調べる。この処理は、実質的にはS2の処理と同じ処理である(S8)。その1つの部品として考えた部品が動く部品であるときには、その部品と接触する部品の数を調べる(S9)。接触する部品の数が1つであれば(S10:YES)、その部品を接触する部品の子として親子関係を設定する(第6段階)(S11)。以上の処理によって、親子関係が設定された部品同士を、さらに1つの部品として考えるための処理をする(S12)。なお、接触する部品の数が複数であれば(S10:NO)、現時点では親子関係を設定することはできないので、次の部品に対する処理を行う。
【0030】
以上のS9からS12までの処理は、S2からS6までの処理によって親子関係が設定された全ての部品について行われる。例えば、図9に示したような構造のワークを考えると、S1〜S12までの処理で親子関係は次のように設定されることになる。
【0031】
このワークは、4つの部品90、91、92、93から構成されている。S1のステップの処理では、部品90と部品91との接触面、部品90と部品93との接触面、部品91と部品92との接触面が求められる。S2のステップの処理では、これらの接触面の情報から、4つの部品90、91、92、93は全て動く部品であることがわかる。S4、S5の処理では接触する部品が1つであるかどうかが判断される。部品90と部品91は、接触する部品が複数あるので、親子関係は設定されない。部品92と部品93は、接触する部品が1つであるので、S6のステップの処理において、部品93は部品90の子に設定され、部品92は部品91の子に設定される。次に、S7のステップの処理では、部品90と部品93が1つの部品として考えられ、また、部品91と部品92が1つの部品として考えられる。S8からS12のステップの処理では、1つの部品として考えられた部品90と部品93には接触する面が存在しないのでこれ以上の処理は行われないが、1つの部品として考えられた部品91と部品92は、部品90と接触する面があり、その接触面の情報から1つの部品として考えられた部品91と部品92は部品90に対して動くことができ、また、接触する部品は部品90の1つだけであるので、1つの部品として考えられた部品91と部品92は部品90の子に設定される。したがって、ここまでの処理では、部品90と部品93とが親子関係にあり、同様に部品90と部品91とが親子関係にあり、さらに部品91と部品92とが親子関係にあるというように各部品の親子関係が設定される。
【0032】
次に、演算装置130は、以上のようにして親子関係が設定された部品のうち、最終的にどれを親にするべきかを決める。これは、動く部品のうち、自部品よりも大きいものに接しない部品を見つけてそれを親とする処理である。つまり、動く部品のうち体積的に一番大きい部品であって、その部品がその部品よりも大きな部品に接していないという条件を満たす部品を親とする。図9の例では、部品90がこのワークを構成する部品の中で一番体積が大きく、また、部品90よりも大きな部品には接していないので、このワークの中では部品90が親となる。
したがって、部品90が親で、その子として部品91と93があり、さらに部品91の子として部品92があるという構造になる。この構造は、部品の配置関係に即した構造である(S13)。
【0033】
以上までの処理で、部品の親子関係が決定するが、ここまでは、プレスが最下点の状態にある(上型が下型に合わさって最も下まで下りている状態)ことを前提に親子関係を決定してきた。したがって、プレスの上型が上昇したときに、決定された親子関係が維持されないことも考えられる。そこで、そのことが維持されるかどうかを次の処理によって確認する。
【0034】
まず、プレスの上型を上昇させた状態で、上記の処理で子に決定された部品がその子の親と接触するか否かを調べる(S14)。接触していれば(S15:YES)、その子の部品に取り付け穴加工ができるかどうかを調べる(S16)。穴加工ができれば(S17:YES)、その子の部品(自部品)は、自部品と接触する親の部品の子であると確定する(S18)。なお、プレスの上型を上昇させた状態で、子に決定された部品がその子の親と接触しなければ(S15:NO)、次の部品に対する処理を行う。以上の処理は、親の部品とともに動く子の部品の全てに対して行う(第7段階)。
【0035】
以上の処理では、親と決定された部品をCAD上で動かしたときに、それと一緒に動く子の部品であって、穴加工ができるものは、その親にボルトなどを用いて取り付けることができるので、その親子関係はほぼ間違いのないものとして、その親子関係を確定しようとしている。なお、プレスの型構造の場合、プレス精度を保証するために、固定されている方の型(固定型)に優先的に部品を取り付けるようにしている。したがって、上記の処理は、固定型(底面のZ座標値が一番小さいもの)から可動型(底面のZ座標値が一番大きいもの)の順に処理することが望ましい。
【0036】
以上までの処理でも親子関係の確定が行われなかったものについては、さらに、親の部品が無くなった場合に新たに動き出す(移動する)子の部品があるか否かを調べる(S19)。動き出す子の部品がある場合、その子の部品に取り付け穴加工ができるかどうかを調べる(S20)。穴加工ができれば(S21:YES)、その子の部品(自部品)は、決定されている親の部品の子であると確定する(S22)。なお、その子の部品に穴加工をすることができなければ(S21:NO)、次の部品に対する処理を行う。以上の処理は、親の部品とともに動く全ての子の部品に対して行う(第8段階)。
【0037】
次に、演算装置130は、親子関係が確定された部品同士を、S7のステップの処理と同様に、1つの部品として考えるための処理をする(S23)。そして、1つの部品として考えた親の部品が無くなった場合にその親の部品とともに新たに動き出す子の部品があるか否かを調べる(S24)。動き出す子の部品がある場合、その子の部品が他の部品の子として確定しているか否かを調べる(S25)。確定していない部品がある場合には(S26:YES)、その確定していない部品と接触する部品の有無を調べる(第9段階)(S27)。接触する部品が他にある場合には(S28:YES)、その確定していない部品(自部品)と接触する部品の大きさを調べる(S29)。接触する部品が小さければ(S30:YES)、また、接触する部品が他になければ(S28:NO)、自部品を、親の部品の中の接触する部品の子とする親子関係を確定する(第10段階)(S31)。なお、動き出す子の部品がある場合、その子の部品が他の部品の子として確定していないとき(S26:NO)、または、確定していない部品(自部品)と接触する部品が小さくなければ(S30:NO)、次の部品に対する処理を行う。以上の処理によって親子関係の確定したものは1つの部品として考えるための処理をする(S32)。そして、親子関係が確定したものは取り除いて、親子関係の確定していないものについて、以上の処理を繰り返す(S33)。
【0038】
以上の処理を、図10に示したようなCADデータに適用した場合、機能の関係を重視して親子関係を作成する従来の場合では、そのモデリング構造は、PUNCHが親であり、その子としてINSERTとprc−assyがあるという関係になってしまう。ところが、穂位置の関係を重視する本発明の方法によれば、PUNCHが親であり、その子としてINSERTとB/DIE1があり、さらにINSERTの子としてB/DIE2があるという関係が生成される。
【0039】
また、図11に示したようなCADデータに適用した場合、従来の場合では、そのモデリング構造は、UPR−Hが親であり、その子としてCAM−Sとprc−assyがあるという関係になってしまう。ところが、本発明の方法によれば、UPR−Hが親であり、その子としてCAM−S、PRCR1があり、さらにCAM−Sの子としてPRCR2およびPRCR3があり、さらにPRCR2の子としてPRCP2が、PRCR3の子としてPRCP3がそれぞれあり、PRCR1の子としてPRCP1があるという関係が生成される。
【0040】
以上のように、本発明の方法によれば、CADデータから配置関係に基づく正しい親子関係が表示され、オペレータはこの表示に基づいて効率的な設計作業をすることができるようになる。
【0041】
本発明に係る方法を、プレス装置を簡略化して描いた図12に基づいて検証してみる。なお、図中の▲1▼〜▲7▼の数字は、部品相互間で親子関係が確定する時点を示している。▲1▼は、上記のS1〜S6のステップの処理をした時点で親子関係が確定するもの、▲2▼は、さらにS7〜S12のステップの処理をした時点で親子関係が確定するもの、▲3▼は、さらにS13のステップの処理をした時点で親子関係が確定するもの、▲4▼は、さらにS14〜S18のステップの処理をした時点で親子関係が確定するもの、▲5▼は、さらにS19〜S33のステップの処理をした時点で親子関係が確定するもの、▲6▼は、S1〜S33のステップの処理をもう一度行った場合に親子関係が確定するもの、▲7▼は、さらにもう一度S1〜S33のステップの処理をもう一度行った場合に親子関係が確定するものである。
【0042】
これらの処理を要約すると、次のようなことである。▲1▼は、1つの部品と接している移動可能な部品は、接している部品の子とする処理である。▲2▼は、親子関係が決定したものは1つの部品と考え、この親子関係が決定した部品に接する部品については、これらの部品同士の間で親子関係を決定する。▲3▼は、移動可能な部品のうち、その部品よりも体積の大きな部品とは接しないものを親に決定する。▲4▼は、親に決定された部品を動かしたときに動き出す部品であって、取り付け用の穴加工ができるものをその親の子と定める。▲5▼は、親子関係が決定したものは1つの部品と考え、これを動かしたときに動き出す部品であって、その部品よりも体積の大きい他の部品に接していない部品との間で親子関係を定める。▲6▼は、親子関係の確定したものを除いて、▲1▼〜▲5▼の処理を繰り返し、親子関係を定める。▲7▼は、さらにもう一度▲6▼の処理を繰り返す。
【0043】
例えば、部品1201と部品1202との親子関係は、S1〜S6の処理だけで確定する。部品1201と部品1202とは3つの接触面で接触している。部品1202は図面の左方向に動くことができ、かつこの部品1202と接触している部品は部品1201の1つだけであるので、部品1202は、部品1201の「子」に確定される。つまり、1つの部品と接している移動可能な部品は、接している部品の子とする処理(▲1▼)によって親子関係が決定できる。
【0044】
また、部品1201と部品1203との親子関係は、S1〜S6の処理だけでは確定させることができず、さらにS7〜S12の処理が行われることによって確定する。部品1201と部品1203とは1つの面で接触している。部品1203は、図面の左右方向に動くことができるが、この部品1203は部品1201だけでなく部品1204とも接触しているので、部品1203は部品1201の「子」に、また、部品1204は部品1203の「子」に設定される。つまり、1つの部品と接している移動可能な部品は、接している部品の子とする処理(▲1▼)と、親子関係が決定したものは1つの部品と考え、この親子関係が決定した部品に接する部品については、これらの部品同士の間で親子関係を決定すると言う処理(▲2▼)によって親子関係が決定できる。
【0045】
以上のように、本発明に係る部品の親子関係設定方法によれば、CADを用いて作成した部品の親子関係をその配置関係に基づいて自動的に設定できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法を実施することができるCAD装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る方法の処理手順の説明に供する図である。
【図7】本発明に係る方法の処理手順の説明に供する図である。
【図8】本発明に係る方法の処理手順の説明に供する図である。
【図9】本発明に係る方法の処理手順の説明に供する図である。
【図10】従来の方法を用いた親子関係と本発明に係る方法を用いた親子関係との相違の説明に供する図である。
【図11】従来の方法を用いた親子関係と本発明に係る方法を用いた親子関係との相違の説明に供する図である。
【図12】プレス装置に本発明に係る方法を適用した場合、どのように親子関係が確定されていくのかを説明するための図である。
【図13】従来の方法によってどのように親子関係が確定されていくのかを説明するための図である。
【符号の説明】
100…CAD装置、
110…入力装置、
120…部品データベース、
130…演算装置、
140…ディスプレイ。
Claims (6)
- 演算装置が部品データベースから機械を構成する部品の3次元CADデータを取得する第1段階と、
前記演算装置が取得した3次元CADデータに基づいて前記演算装置が前記機械を構成する部品相互間の接触面を求める第2段階と、
前記演算装置が求めた接触面に基づいて前記演算装置が各部品の移動可能方向を求める第3段階と、
1つの部品がいずれかの移動可能方向に他の部品と接触しながら移動でき、前記1つの部品に接触する部品が前記他の部品1つのみであるときには、前記演算装置は前記1つの部品を前記他の部品の「子」に設定するとともに前記他の部品を前記1つの部品の「親」に設定する第4段階と、
を含むことを特徴とする部品の親子関係設定方法。 - 親子関係が定まった2つの部品を前記演算装置が1つの部品と仮定する第5段階と、
仮定した1つの部品の全てについて、前記演算装置が前記第3段階と前記第4段階の処理を行う第6段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の部品の親子関係設定方法。 - 前記第4段階において、前記演算装置は、前記「親」に設定する部品を、前記「子」に設定された1つの部品よりも体積の大きい部品とは接触しない部品とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品の親子関係設定方法。
- 前記演算装置による前記第1段階から前記第6段階までの処理によって「親」に設定された部品を移動させると、その移動に伴って移動する部品であって、取り付けのための穴加工ができ、その[親]に設定された部品と接触する部品を、前記演算装置がその「親」に設定された部品の「子」に設定する第7段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の部品の親子関係設定方法。
- 前記演算装置による前記第1段階から前記第6段階までの処理によって「親」に設定された部品が無くなったとした場合、移動可能な部品であって、取り付けのための穴加工ができ、その[親]に設定された部品と接触する部品を、前記演算装置がその「親」に設定された部品の「子」に設定する第8段階をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の部品の親子関係設定方法。
- 前記演算装置による前記第1段階から前記第8段階までの処理によっても親子関係が確定していない部品に対して、その部品と接触する他の部品があるか否かを調べる第9段階と、その部品と接触する他の部品があるときには、接触する他の部品の体積がその部品の体積よりも大きいことを条件として、前記演算装置がその部品を、接触する他の部品の「子」とする第10段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の部品の親子関係設定方法。
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