JP3903083B2 - 画像処理装置、方法及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、方法及び記録媒体に係り、特に、被写体が撮影記録されることで形成された原画像を表す画像データに対し、少なくとも被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚を補正する画像処理方法、該画像処理方法を適用可能な画像処理装置、及びコンピュータを前記画像処理装置として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
カメラ等によって被写体が撮影記録された写真フィルムに対して現像等の処理を行うことで写真フィルム上に可視化される画像(写真フィルムに撮影記録された画像)の色バランスは、写真フィルムそのものの特性や現像処理における処理条件等(以下、これらをフィルム特性と総称する)の影響を受け、撮影時の被写体の色バランスに対して偏倚している。このため、写真フィルムに撮影記録された画像を印画紙等の記録材料に記録したり、ディスプレイ等の表示手段に表示するにあたっては、記録材料に記録される画像や表示手段に表示される画像(以下、これらを出力画像と総称する)の色バランスが撮影時の被写体の色バランスに一致するように(撮影時の被写体のグレーの部分が出力画像上でグレーとして再現されるように)出力画像の色バランスを補正する必要がある。
【0003】
出力画像の色バランス補正方法の一例として、写真フィルムに撮影記録された画像(原画像)のハイライトに相当する画素(例えばネガ画像では最大濃度の画素、ポジ画像では最小濃度の画素)の色を白、原画像のシャドーに相当する画素(例えばネガ画像では最小濃度の画素、ポジ画像では最大濃度の画素)の色を黒と仮定して、撮影時の被写体のグレー部分の原画像上での色バランスを表すグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として出力画像の色バランスを補正する方法が知られている。この方法では、原画像からハイライトに相当する画素及びシャドーに相当する画素を各々抽出し、グレーバランスを表すグレー軸として、例えばRGB濃度座標上での双方の画素に対応する点を直線で結んだ軸を求めている。
【0004】
しかし、上記の補正方法では、例えばストロボを使用して人物を撮影した画像において人物の顔の頬の部分(肌色の部分)がハイライトとなっている等のように、原画像中のハイライトに相当する画素の色が白でない場合に、適正なグレーバランスを表すグレー軸を求めることができず(シャドーについても同様)、出力画像の色バランスが前記ハイライトに相当する画素の色の補色の色に偏倚する(ハイライトフェリアという)。上記のようなハイライトフェリアの生じ易い原画像の出現頻度は比較的高く、適正な色バランスの出力画像が得られる確率が低いという問題があった。
【0005】
また、エバンスの理論に基づき、各成分色(例えばR,G,B)毎のLATD(積算透過濃度)が一定の画像を、色バランスが撮影時の被写体の色バランスに一致している画像(グレーバランスがとれている画像)とみなし、原画像の各成分色(例えばR,G,B)毎のLATD(積算透過濃度)を測定し、出力画像の各成分色毎のLATDが一定となるように出力画像の色バランスを補正する方法も知られている。
【0006】
しかし、上記の補正方法では非グレーかつ略一定の色相の領域(例えば緑の芝生や青い空・海に対応する領域等)が原画像中の比較的広い面積を占めていた場合に、出力画像の各成分色毎のLATDが一定となるように補正することで、出力画像の色バランスが前記領域の色の補色の色に偏倚する(カラーフェリアという)。上記のようなカラーフェリアの生じ易い原画像の出現頻度も比較的高いので、前述した補正方法と同様に適正な色バランスの出力画像が得られる確率が低いという問題があった。
【0007】
また、特開平9−83825号公報には、原画像を表す画像データDR,DG,DBから低彩度画素に関する画像データDR’,DG’,DB’を取得し、画像データDR’,DG’,DB’の各々におけるシャドー点DRs,DGs,DBs及びハイライト点DRh,DGh,DBhを求め、画素毎に対応している画像データの組(DR’,DG’)の一方の同一値毎に他方を平均してなる画像データ(DR”,DG”)の集合を求め、画像データ(DR”,DG”)の集合とシャドー点(DRs,DGs)及びハイライト点(DRh,DGh)からこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データDRとDGの少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換する技術が開示されている。
【0008】
上記公報に記載の技術では、原画像を表す画像データから高彩度の画素のデータを演算対象から除外することで、原画像がカラーフェリアの生じ易い画像であった場合の影響を軽減しようとしており、高彩度の画素に加え、該高彩度の画素に隣接しかつ前記高彩度画素との色相差が所定値以内の画素も演算対象から除外している。しかし、実際にはカラーフェリアの生じ易い原画像に対して上記処理を行ったとしても、原画像中の比較的広い面積を占めている非グレーかつ略一定の色相の領域の画素のうち、演算対象から除外されずに残っている画素も多い。従って、原画像がカラーフェリアの生じ易い画像であった場合、出力画像に対する色バランスの補正精度が充分でないという問題があった。
【0009】
また、蛍光灯やタングステン灯等のような異種光源で照明されたシーンを写真フィルムに撮影記録することで得られる画像(異種光源シーンの画像)の色バランスは、前記異種光源による照明光の分光分布が昼光等の一般的な光源の分光分布と大きく相違していることの影響を受け、被写体本来の色バランス(昼光等の一般的な光源で照明したときの色バランス)に対して特定の色に偏倚することが知られている。異種光源シーンの画像は、前述のハイライトフェリアの生じ易い画像と同様に、原画像中のハイライトに相当する画素の色が白以外の色(光源種に応じた特定の色)になる。
【0010】
しかし、異種光源シーンの画像から適正な色バランスの出力画像(被写体が本来の色バランスで再現された出力画像)を得るためには、ハイライトに相当する画素の色を白(グレイ)とみなして色バランスを補正する必要があるのに対し、ハイライトフェリアの生じ易い画像から適正な色バランスの出力画像を得るためには、ハイライトに相当する画素の色が保存されるように(ハイライトに相当する画素の色を非グレイとみなして)色バランスを補正する必要があり、色バランスの適正な補正方向が全く異なっている。
【0011】
従来の色バランス補正では上記について何ら考慮されておらず、原画像の画像内容(カラーフェリアの生じ易い画像か否か、ハイライトフェリアの生じ易い画像か否か等)に拘わらずフィルム特性による原画像の色バランス偏倚を高精度に補正することと、撮影時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚を高精度に補正することの双方を満足する色バランス補正は見当たらない。
【0012】
また、上述した従来の色バランス補正に関する問題は、デジタルスチルカメラによって被写体が撮影記録されて成る原画像(被写体が撮影されることで画像データとして情報記録媒体に記録された原画像)に対して色バランス補正を行う場合にも共通する問題である。すなわち、デジタルスチルカメラによって被写体が撮影されることで情報記録媒体に記録された画像データが表す原画像の色バランスは、デジタルカメラの光電変換素子の特性の影響を受けて撮影時の被写体の色バランスに対して偏倚すると共に、撮影時の光源の影響を受けて被写体本来の色バランスに対して偏倚する。
【0013】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚を高精度に補正することができる画像処理装置を得ることが第1の目的である。
【0014】
また本発明は、被写体が撮影記録されて成る原画像に対し、撮影記録特性に起因する色バランスの偏倚、及び撮影記録時の光源に起因する色バランス偏倚を各々高精度に補正することができる画像処理装置、方法及び記録媒体を得ることが第2の目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、被写体が撮影記録されることで形成された原画像を表す画像データに基づいて、原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求める演算手段と、前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正する補正手段と、を含んで構成されている。
【0016】
被写体が撮影記録されることで形成される原画像(カメラによって被写体が撮影記録された写真フィルムに対して現像等の処理を行うことで写真フィルム上に可視化される画像(写真フィルムに撮影記録された画像)、或いはデジタルスチルカメラによって被写体が撮影されることで情報記録媒体に記録された画像データが表す画像(デジタルスチルカメラによって撮影記録された画像))は、被写体の撮影記録時の光源が異種光源であった場合に該光源の影響を受けて色バランスが偏倚するが、本願発明者は、このとき原画像中のハイライト部の色が、光源種に対応する特定の色相かつ高彩度の色になると共に、原画像中の非ハイライト部の色についても、前記特定の色相を帯びた色になることに着目して請求項1の発明を成すに至った。
【0017】
上記に基づき請求項1記載の発明に係る演算手段は、原画像を表す画像データ(写真フィルムに撮影記録された画像を読み取ることで得られた画像データ、或いはデジタルスチルカメラによって情報記録媒体に記録された画像データ(撮影記録された画像を表す画像データ))に基づいて、原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素(単一の画素であっても複数の画素から成る画素群であってもよい)の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求め(原画像の非ハイライト部に対応する各要素についてのみ前記角度の余弦を求めてもよいし、原画像の全領域に対応する要素について各々前記角度の余弦を求めてもよい)、設定手段は、ハイライト色ベクトル及び角度の余弦の最小値に基づき、被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度を、ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する。
【0019】
上記のように原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を用いることで、設定手段は、被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度正確に反映されるように、光源に起因する色バランス偏倚度を設定することができる。そして補正手段は、設定手段によって設定された光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、原画像中のハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正するので、撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚を高精度に補正することができる。
【0020】
第2の目的を達成するために請求項2記載の発明に係る画像処理装置は、一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化する規格化手段と、処理対象の原画像の画像データに基づいて、処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求める演算手段と、前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて処理対象の原画像の画像データの色バランスを補正する補正手段と、を含んで構成されている。
【0021】
請求項2記載の発明に係る規格化手段は、一定の条件(例えばカメラによって同一の写真フィルムに撮影記録された、デジタルスチルカメラによって同一の情報記録媒体に画像データが記録された、或いは同一のデジタルスチルカメラによって撮影記録された等)で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化する。上記のように、複数の原画像の画像データを用いることで、例えば処理対象の原画像、或いは複数の原画像のうちの一部の原画像がカラーフェリアの生じ易い画像やハイライトフェリアの生じ易い画像であったとしても、複数の原画像全体では個々の原画像の画像内容のばらつきが平均化され、複数の原画像についての撮影記録特性を精度良く推定できる。
【0022】
なお本発明において、撮影記録特性は被写体の各成分色毎の濃度(又は輝度)と画像データ上での各成分色毎の濃度との関係を表す特性を意味し、前記関係に応じて変動するグレーバランスを表している。この撮影記録特性は、カメラによって写真フィルムに画像を撮影記録する態様においてはフィルム特性、デジタルスチルカメラによって情報記録媒体に画像データを記録する態様においては光電変換素子の特性等に応じて定まる。
【0023】
複数の原画像は一定の条件で撮影記録されているので、撮影記録特性も同一又は類似しており、複数の原画像の画像データを用いることで、撮影記録特性に応じて偏倚する処理対象の原画像におけるグレーバランスを精度良く推定することができ、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化することで、撮影記録特性に起因する処理対象の原画像の色バランス(グレーバランス)の偏倚を精度良く補正することができる。
【0024】
なお、規格化手段による処理対象の原画像の画像データの規格化は、具体的には、例えば複数の原画像の画像データに基づいて、各原画像から被写体のグレーの部分に対応する画素である可能性の高いグレー候補画素を各々抽出し、各原画像から各々抽出したグレー候補画素から成るグレー候補画素群の所定の座標上での分布に基づいて行うことが好ましい。上記において、グレー候補画素群は複数の原画像から各々抽出したグレー候補画素から構成されているので、グレー候補画素群の所定の座標上での分布は複数の原画像についての撮影記録特性を高精度に表しており、前記分布を用いることで処理対象の原画像におけるグレーバランスを精度良く推定することができ、撮影記録特性に起因する処理対象の原画像の色バランスの偏倚を精度良く補正することができる。
【0025】
また、個々の原画像からのグレー候補画素の抽出は、具体的には、例えば個々の原画像のハイライト及びシャドーの色を基準にして前記原画像中の高彩度の画素を判断し、判断した高彩度の画素を除外することで行うことができる。また、画像中で高彩度の画素に隣接した位置に存在する画素のうち、前記高彩度の画素と色相(又は色相及び彩度)が近似している画素も高彩度の画素と判断するようにしてもよい。上記により、カラーフェリアの原因になると推定される画素の殆どを高彩度の画素として除外することができる。
【0026】
また、グレー候補画素群の所定の座標上での分布に基づく処理対象の原画像の画像データの規格化は、グレー候補画素群の所定の座標上での分布のうち前記処理対象の原画像の濃度域内における分布を線形近似することで、処理対象の原画像におけるグレーバランスを表すグレー軸を推定し、推定したグレー軸を基準として処理対象の原画像の画像データの規格化を行うことが好ましい。
【0027】
個々の原画像の濃度域は不定であるので、複数の原画像全体としての濃度域は一般に広範な濃度域に亘っており、これに伴って複数の原画像についての撮影記録特性についても広範な濃度域に跨っている。また、撮影記録特性はフィルム特性又は光電変換素子の特性等に応じて定まるので非線形な特性を有している。一方、個々の原画像の濃度域は撮影記録特性の濃度域に比較して明らかに小さく、規格化手段による規格化(グレーバランスの補正)にあたって個々の原画像毎に必要とされる撮影記録特性(グレーバランス情報)は、撮影記録特性の全濃度域のうちの一部の濃度域(個々の原画像の濃度域)に過ぎない。
【0028】
従って、前述のようにグレー候補画素群の所定の座標上での分布のうち処理対象の原画像の濃度域内における分布を線形近似することで、処理対象の原画像におけるグレーバランスを表すグレー軸を推定することにより、処理対象の原画像の規格化(グレーバランス補正)に必要とされる濃度域におけるグレーバランス(グレー軸)を簡易な処理によって精度良く推定できる。
【0029】
ところで、規格化手段が上述した規格化を行うことで、撮影記録特性に起因する処理対象の原画像の色バランスの偏倚は精度良く補正できるものの、撮影記録時の光源に起因する色バランスの偏倚は撮影記録特性とは無関係であるので、蛍光灯やタングステン灯等の異種光源を用いて撮影記録された原画像については、例えば複数の原画像の全てが同一種の異種光源を用いて撮影記録された等の特殊な場合を除き、規格化手段による規格化を行っても撮影記録時の光源に起因する色バランスの偏倚は補正されずに残っている。
【0030】
このため請求項2の発明では、演算手段は、処理対象の原画像の画像データに基づいて、処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求め、設定手段は、ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づ、被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を、ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する。これにより、請求項1の発明と同様に、被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度正確に反映されるように、光源に起因する色バランス偏倚度を設定することができる。
【0031】
そして補正手段は、設定手段によって設定された光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、処理対象の原画像中のハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正するので、撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚を高精度に補正することができる。従って、請求項2の発明によれば、被写体が撮影記録されて成る原画像に対し、撮影記録特性に起因する色バランスの偏倚、及び撮影記録時の光源に起因する色バランス偏倚を各々高精度に補正することができる。
【0032】
請求項3記載の発明は、請求項2の発明において、演算手段は、規格化手段による規格化前の画像データに基づき処理対象の原画像のハイライト及びシャドーの色を基準にして判断された処理対象の原画像中の高彩度の画素以外の画素のデータを用いて処理対象の原画像中のハイライト部を抽出し、抽出したハイライト部の色を表すハイライト色ベクトルを求め、前記規格化手段による規格化後の処理対象の原画像の画像データに基づいて、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求めることを特徴としている。
【0033】
処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトルを求めるにあたっては、処理対象の画像中のハイライト部と無関係の高彩度の画素を除外してハイライト部を抽出する必要があるが、異種光源を用いて撮影記録された原画像は、原画像中のハイライト部の色が光源種に対応する特定の色相かつ高彩度の色になるので、例えば複数の画像についての撮影記録特性を基準として単に高彩度の画素を判断して除外したとすると、処理対象の原画像中のハイライト部に対応する画素も高彩度の画素として除外される可能性がある。
【0034】
これに対し請求項3の発明では、規格化手段による規格化前の(複数の原画像の画像データに基づき撮影記録特性に起因する色バランス偏倚を補正する前の)画像データに基づき、処理対象の原画像のハイライト及びシャドーの色を基準にして判断された処理対象の原画像中の高彩度の画素以外の画素のデータを用いて、処理対象の原画像中のハイライト部を抽出し、抽出したハイライト部の色を表すハイライト色ベクトルを求めているので、ハイライト部に対応する画素が高彩度の画素として除外されることはなく、処理対象の原画像中のハイライト部を確実に抽出することができ、ハイライト部の色を正確に表すハイライト色ベクトルを得ることができる。
【0035】
なお、抽出したハイライト部の色を求めるにあたっては、規格化手段による規格化後の処理対象の原画像の画像データ(撮影記録特性に起因する色バランス偏倚が補正された画像データ)を用いることが好ましい。
【0036】
また、請求項3の発明では、規格化手段による規格化後の処理対象の原画像の画像データ、すなわち複数の原画像の画像データに基づき撮影記録特性に起因する色バランス偏倚が補正された画像データ(異種光源を使用して被写体が撮影記録された原画像については、ハイライト部を含む画像各部の色バランスが、前記光源の影響を受けて特定の色相に偏倚した画像を表す画像データとなる)に基づいて、ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求めているので、ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を正確に求めることができる。
【0037】
なお、原画像を構成する要素としては、請求項4に記載したように、処理対象の原画像中の全ての画素を用いてもよいし、処理対象の原画像中の全ての画素のうち被写体のグレーの部分に対応する画素である可能性の高いグレー候補画素を用いてもよい。特に被写体のグレーの部分に対応する画素である可能性の高いグレー候補画素を用いた場合には、光源色による影響以上に被写体の色の影響を受けた画素が原画像中に存在していた場合にも、該画素の影響を受けることなく、被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を正確に判断することができる。
【0040】
請求項記載の発明は、請求項2の発明において、前記補正手段は、前記複数の原画像のうち類似のシーンが撮影記録されることで形成された原画像を判断し、類似のシーンが撮影記録されることで形成された原画像については同一又は近似した補正量で画像データの色バランスを補正することを特徴としている。
【0041】
請求項記載の発明では、複数の原画像のうち類似のシーンが撮影記録されることで形成された原画像(例えば同一種の光源で撮影記録されたと推定されるハイライト部の色が略同一の原画像等)を判断し、類似のシーンが撮影記録されることで形成された原画像については同一又は近似した補正量で画像データの色バランスを補正するので、補正手段による補正を経た画像データを画像の出力(記録材料への画像の記録や、表示手段への画像の表示等)に用いる場合に、類似したシーンが撮影記録されることで形成された原画像に対応する出力画像の仕上がりを同一又は近似させることができる。
【0042】
請求項記載の発明に係る画像処理方法は、一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化し、処理対象の原画像の画像データに基づいて、処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求め、前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定し、前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて処理対象の原画像の画像データの色バランスを補正するので、請求項2の発明と同様に、被写体が撮影記録されて成る原画像に対し、撮影記録特性に起因する色バランスの偏倚、及び撮影記録時の光源に起因する色バランス偏倚を各々高精度に補正することができる。
【0043】
請求項記載の発明に係る記録媒体は、コンピュータを、一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化する規格化手段、被写体が撮影記録されることで形成された原画像を表す画像データに基づいて、原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求める演算手段、前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する設定手段、及び、前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正する補正手段として機能させるためのプログラムが記録されている。
【0044】
請求項記載の発明に係る記録媒体には、コンピュータを上記の規格化手段、演算手段、設定手段及び補正手段として機能させるためのプログラム、すなわち請求項2に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラムが記録されているので、コンピュータが前記記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、請求項2の発明と同様に、被写体が撮影記録されて成る原画像に対し、撮影記録特性に起因する色バランスの偏倚、及び撮影記録時の光源に起因する色バランス偏倚を各々高精度に補正することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には、本発明が適用された画像処理システム10が示されている。画像処理システム10は、フィルムスキャナ12、画像処理装置14及びプリンタ16が直列に接続されて構成されている。
【0046】
フィルムスキャナ12は、写真フィルム26(例えばネガフィルムやリバーサルフィルム)等の写真感光材料(以下単に写真フィルムと称する)に記録されているフィルム画像(被写体を撮影後、現像処理されることで可視化されたネガ画像又はポジ画像:本発明の原画像に相当)を読み取り、該読み取りによって得られた画像データを出力するものであり、光源20から射出され光拡散ボックス22によって光量むらが低減された光が、フィルムキャリア24にセットされている写真フィルム26に照射され、写真フィルム26を透過した光がレンズ28を介してラインCCDセンサ30(エリアCCDセンサでもよい)の受光面上に結像されるように構成されている。
【0047】
フィルムキャリア24は、写真フィルム26上のフィルム画像が記録されている箇所が、光源20からの射出光の光軸上に順に位置するように写真フィルム26を搬送する。これにより、写真フィルム26に記録されているフィルム画像がCCDセンサ30によって順に読み取られ、CCDセンサ30からはフィルム画像に対応する信号が出力される。CCDセンサ30から出力された信号はA/D変換器32によってデジタルの画像データに変換されて画像処理装置14に入力される。
【0048】
画像処理装置14のラインスキャナ補正部36は、入力されたスキャンデータ(フィルムスキャナ12から入力されるR、G、Bのデータ)から各画素毎に対応するセルの暗出力レベルを減ずる暗補正、暗補正を行ったデータを濃度値を表すデータに対数変換する濃度変換、写真フィルム26を照明する光の光量むらに応じて濃度変換後のデータを補正するシェーディング補正、該シェーディング補正を行ったデータのうち入射光量に対応した信号が出力されないセル(所謂欠陥画素)のデータを周囲の画素のデータから補間して新たに生成する欠陥画素補正の各処理を順に行う。ラインスキャナ補正部36の出力端はI/Oコントローラ38の入力端に接続されており、ラインスキャナ補正部36で前記各処理が施されたデータはスキャンデータとしてI/Oコントローラ38に入力される。
【0049】
I/Oコントローラ38の入力端は、イメージプロセッサ40のデータ出力端にも接続されており、イメージプロセッサ40からは画像処理(詳細は後述)が行われた画像データが入力される。また、I/Oコントローラ38の入力端はパーソナルコンピュータ42にも接続されている。パーソナルコンピュータ42は拡張スロット(図示省略)を備えており、この拡張スロットには、メモリカードやCD−R等の情報記憶媒体に対してデータの読出し/書込みを行うドライバ(図示省略)や、他の情報処理機器と通信を行うための通信制御装置が接続される。拡張スロットを介して外部からファイル画像データが入力された場合、入力されたファイル画像データはI/Oコントローラ38へ入力される。
【0050】
I/Oコントローラ38の出力端は、イメージプロセッサ40のデータ入力端、オートセットアップエンジン44、パーソナルコンピュータ42に各々接続されており、更にI/F回路54を介してプリンタ16に接続されている。I/Oコントローラ38は、入力された画像データを、出力端に接続された前記各機器に選択的に出力する。
【0051】
本実施形態では、写真フィルム26に記録されている個々のフィルム画像に対し、フィルムスキャナ12において異なる解像度で2回の読み取りを行う。1回目の比較的低解像度での読み取り(以下、プレスキャンという)では、フィルム画像の濃度が非常に低い場合(例えばネガフィルムにおける露光アンダのネガ画像)にも、CCDセンサ30で蓄積電荷の飽和が生じないように決定した読取条件(写真フィルム26に照射する光のR、G、Bの各波長域毎の光量、CCDセンサ30の電荷蓄積時間)で写真フィルム26の全面の読み取りが行われる。このプレスキャンによって得られたデータ(プレスキャンデータ)は、I/Oコントローラ38からオートセットアップエンジン44へ入力される。
【0052】
オートセットアップエンジン44は、CPU46、RAM48(例えばDRAM)、ROM50(例えば記憶内容を書換え可能なROM)、入出力ポート52を備え、これらがバスを介して互いに接続されて構成されている。オートセットアップエンジン44は、I/Oコントローラ38から入力されたプレスキャンデータに基づいてフィルム画像のコマ位置を判定し、写真フィルム26上のフィルム画像記録領域に対応するデータ(プレスキャン画像データ)を抽出する。また、プレスキャン画像データに基づいて、フィルム画像のサイズを判定すると共に濃度等の画像特徴量を演算し、プレスキャンを行った写真フィルム26に対し、フィルムスキャナ12が比較的高解像度での再度の読み取り(以下、ファインスキャンという)を行う際の読取条件を決定する。そしてコマ位置及び読取条件をフィルムスキャナ12に出力する。
【0053】
また、オートセットアップエンジン44は、プレスキャン画像データに基づいて、フィルム画像中の主要部(例えば人物の顔に相当する領域(顔領域))の抽出を含む画像特徴量の演算を行い、フィルムスキャナ12がファインスキャンを行うことによって得られる画像データ(ファインスキャン画像データ)に対する各種の画像処理の処理条件を演算により自動的に決定し(セットアップ演算)、決定した処理条件をイメージプロセッサ40へ出力する。
【0054】
パーソナルコンピュータ42には、ディスプレイ、キーボード、及びマウスが接続されている(何れも図示省略)。パーソナルコンピュータ42は、オートセットアップエンジン44からプレスキャン画像データを取込むと共に、オートセットアップエンジン44によって決定された画像処理の処理条件を取込み、取り込んだ処理条件に基づき、ファインスキャン画像データを対象としてイメージプロセッサ40で行われる画像処理と等価な画像処理をプレスキャン画像データに対して行ってシミュレーション画像データを生成する。
【0055】
そして、生成したシミュレーション画像データを、ディスプレイに画像を表示するための信号に変換し、該信号に基づいてディスプレイにシミュレーション画像を表示する。また、表示されたシミュレーション画像に対しオペレータによって画質等の検定が行われ、検定結果として処理条件の修正を指示する情報がキーボードを介して入力されると、該情報をオートセットアップエンジン44へ出力する。これにより、オートセットアップエンジン44では画像処理の処理条件の再演算等の処理が行われる。
【0056】
一方、フィルムスキャナ12でフィルム画像に対してファインスキャンが行われることによってI/Oコントローラ38に入力された画像データ(ファインスキャン画像データ)は、I/Oコントローラ38からイメージプロセッサ40へ入力される。イメージプロセッサ40は、階調変換や色変換を含む濃度・色変換処理、画素密度変換処理、画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理等の各種の画像処理を行う画像処理回路を各々備えており、入力された画像データに対し、オートセットアップエンジン44によって各画像毎に決定されて通知された処理条件に従って種々の画像処理を行う。
【0057】
イメージプロセッサ40で実行可能な画像処理としては、上記以外に、例えば画像全体又は一部分(例えば人物の顔に相当する領域)に対するシャープネス補正又はソフトフォーカス処理や、画調を意図的に変更する画像処理(出力画像をモノトーンに仕上げる画像処理、出力画像をポートレート調に仕上げる画像処理、出力画像をセピア調に仕上げる画像処理等)や、画像を加工する画像処理(例えば原画像中に存在する人物を主画像上で細身に仕上げるための画像処理、赤目を修正する画像処理等)や、LF(レンズ付きフィルム)によって撮影された画像に対し、LFのレンズの歪曲収差、倍率色収差に起因する画像の幾何学的歪み、色ずれ、LFのレンズの周辺減光に起因する画像の周縁部の明度低下、LFのレンズの特性に起因する画像の鮮鋭度の低下等のように、LFのレンズの特性に起因する出力画像の画質の低下を補正する各種のLF収差補正処理等が挙げられる。
【0058】
イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像データを印画紙への画像の記録に用いる場合には、イメージプロセッサ40で画像処理が行われた画像データは、I/Oコントローラ38からI/F回路54を介し記録用画像データとしてプリンタ16へ出力される。また、画像処理後の画像データを画像ファイルとして外部へ出力する場合は、I/Oコントローラ38からパーソナルコンピュータ42に画像データが出力される。これにより、パーソナルコンピュータ42では、外部への出力用としてI/Oコントローラ38から入力された画像データを、拡張スロットを介して画像ファイルとして外部(前記ドライバや通信制御装置等)に出力する。
【0059】
プリンタ16は、画像メモリ58、R,G,Bのレーザ光源60、該レーザ光源60の作動を制御するレーザドライバ62を備えている。画像処理装置14から入力された記録用画像データは画像メモリ58に一旦記憶された後に読み出され、レーザ光源60から射出されるR,G,Bのレーザ光の変調に用いられる。レーザ光源60から射出されたレーザ光は、ポリゴンミラー64、fθレンズ66を介して印画紙68上を走査され、印画紙68に画像が露光記録される。画像が露光記録された印画紙68は、プロセッサ部18へ送られて発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施される。これにより、印画紙68に露光記録された画像が可視化される。
【0060】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係る濃度・色変換条件演算処理は、請求項の発明に係る画像処理方法が適用された処理であり、オートセットアップエンジン44のCPU46により、濃度・色変換条件演算プログラムが実行されることにより実現される。濃度・色変換条件演算プログラムは、その他の処理をCPU46で実行させるためのプログラムと共に、当初は、情報記憶媒体72(図1参照)に記憶されている。なお、図1では情報記憶媒体72をフロッピー(登録商標)ディスクとして示しているが、CD−ROMやメモリカード等の他の情報記憶媒体で構成してもよい。
【0061】
パーソナルコンピュータ42に接続された情報読出装置(図示省略)に情報記憶媒体72が装填され、情報記憶媒体72から画像処理装置14へのプログラムの移入(インストール)が指示されると、情報読出装置によって情報記憶媒体72から濃度・色変換条件演算プログラム等が読み出され、記憶内容を書換え可能なROM50に記憶される。
【0062】
そして、濃度・色変換条件演算処理を実行すべきタイミング(スキャナ12から画像処理装置14にプレスキャンデータが入力され、オートセットアップエンジン44において、プレスキャンデータからの画像データ(プレスキャン画像データ)の切り出し等の処理を完了したタイミング)が到来すると、ROM50から濃度・色変換条件演算プログラムが読み出され、濃度・色変換条件演算プログラムがCPU46によって実行される。これにより、オートセットアップエンジン44は請求項1及び請求項2の発明に係る画像処理装置として機能する。このように、濃度・色変換条件演算プログラム等を記憶している情報記憶媒体72は請求項に記載の記録媒体に対応している。
【0063】
濃度・色変換条件演算処理は、イメージプロセッサ40で実行される濃度・色変換処理における処理条件を、単一の写真フィルム26に記録された各フィルム画像について各々演算する処理である。濃度・色変換処理は、詳しくはグレーバランス補正(撮影記録特性に起因する色バランス偏倚の補正に対応)と異種光源補正(撮影記録時の光源に起因する画像の色バランス偏倚の補正に対応)の2種類の補正を行う。このため濃度・色変換条件演算処理では、各フィルム画像について、グレーバランス補正における処理条件(グレーバランス補正条件)と異種光源補正における処理条件(異種光源補正条件)を各々演算する。
【0064】
以下、濃度・色変換条件演算の詳細について図2のフローチャートを参照して説明する。なお、以下では一例として、写真フィルム26としてのネガフィルムに記録されたネガ画像に対して色・濃度変換条件を演算する場合を説明する。
【0065】
ステップ160では、グレーバランス補正条件を各フィルム画像について各々演算するグレーバランス補正条件演算処理を行う。この処理については図3のフローチャートを参照して説明する。ステップ160では、処理対象のフィルム画像のプレスキャン画像データを取り込む。なお、プレスキャン画像データはフィルム画像の全ての画素の各成分色(R,G,B)毎の濃度値を表すデータである。次のステップ162では、取り込んだプレスキャン画像データが表すフィルム画像の各画素の濃度値に基づいて、各成分色毎に最大濃度Djmax 及び最小濃度Djmin (jはR,G,Bの何れかを表す)を演算する。
【0066】
ステップ164では、プレスキャン画像データから各成分色毎に求めた最大濃度Djmax 及び最小濃度Djmin に基づいて、各成分毎の最大濃度(Drmax ,Dgmax ,Dbmax )を仮のハイライト点の濃度、各成分毎の最小濃度(Drmin ,Dgmin ,Dbmin )を仮のシャドー点の濃度とし、フィルム画像の各画素の濃度値を各成分色毎に規格化する。この規格化は次式を用いて行うことができる。
Dj'=100×(Dj −Djmin)/(Djmax −Djmin
但し、Djは演算対象画素の成分色jの濃度値、Dj'は成分色jの規格化濃度値である。
【0067】
次のステップ166では、規格化後の画像データを用いて各画素の彩度を演算し、フィルム画像中の高彩度の画素を抽出する。例として図5(A)に示すように、R濃度Dr、G濃度Dg、B濃度Dbを座標軸とする3次元濃度座標(RGB濃度座標)によって規定されるRGB濃度空間に対し、原点(0,0,0)及びRGB濃度空間内の点(1,1,1)を各々通る直線Qに垂直で、かつ原点(0,0,0)を含む平面ψ(R+G+B=0の平面)を設定し、各画素の各成分色毎の規格化濃度値(Dr',Dg',Db')に対応するRGB濃度座標上での各画素の濃度点を平面ψ上に写像する。
【0068】
そして平面ψ上に、図5(B)に示すxy直交座標を設定する。或る画素の規格化濃度値に対応する濃度点の平面ψ上への写像位置が点Pであるとすると、前記画素の色相はxy座標の原点及び点Pを通る直線とx軸の成す角θ(色相角θという)に対応し、前記画素の彩度はxy座標の原点と点Pとの距離に対応している。なお参考までに、画素の明度は各成分色毎の規格化濃度に基づき「明度=(Dr'+Dg'+Db')/3」等の演算式によって求めることができる。
【0069】
従って、各画素毎に、規格化濃度値に対応する濃度点の平面ψ上への写像位置(点Pの位置)を求め、図5(C)にも示すように、xy座標の原点と点Pとの距離を彩度の閾値Lthと比較することで高彩度画素か否かを判定することができ、原点と点Pとの距離が彩度の閾値Lthよりも大きい画素を高彩度画素として抽出することができる。
【0070】
次のステップ168では、ステップ166で抽出した特定の高彩度画素の色相を、フィルム画像上で前記特定の高彩度画素の近傍に存在する8個の画素(所謂8近傍の画素)の色相と各々比較し、特定の高彩度画素の近傍に存在している8画素の中に特定の高彩度画素と色相が近似している画素が有れば、該画素を高彩度画素と判定することを、ステップ166で抽出した全ての高彩度画素について各々行う。
【0071】
ステップ170では、ステップ168の処理によって高彩度画素と判定した画素の数が増加したか否か判定する。ステップ170の判定が肯定された場合にはステップ168へ戻り、新たに高彩度画素と判定した画素を対象として、近傍に存在している画素(既に高彩度画素と判定されている画素を除く)との色相を比較し、近傍に存在している各画素のうち色相が近似している画素を高彩度画素と判定する。このステップ168はステップ170の判定が否定される迄繰り返される。ステップ170の判定が否定されるとステップ172へ移行し、高彩度画素と判定された画素を除外し、高彩度画素と判定されなかった画素のみをグレー候補画素と認定する。そして、グレー候補画素と認定した画素を記憶する。
【0072】
例えばフィルム画像が高彩度の画素を多数含んだ画像(例えばカラーフェリアの生じ易い画像)であった場合、RGB濃度座標上でフィルム画像の各画素に対応する位置に点をプロットしたときの点の分布(以下、単に「RGB濃度座標上での画素の分布」という)は、例として図6(A)及び(B)に示すように、グレーバランスを表すと推定される画素の集合(図6(A)及び(B)における「グレー候補画素の集合」)の周囲の若干離れた位置に、高彩度の画素の集合が現れる分布となる。
【0073】
しかし、上記処理を行うことで、フィルム画像中にカラーフェリアの原因となる可能性の高い領域、すなわち高彩度の画素を含む特定の色相の領域が含まれていた場合にも、該領域の殆どの画素(図6(A)及び(B)に示した「高彩度の画素の集合」に対応する画素)を高彩度画素として除外することができ、グレー候補画素と認定した画素の中に、被写体のグレーの部分に対応する画素(グレーバランスを表す画素)が高い割合で含まれることになる。
【0074】
次のステップ174では、プレスキャン画像データから、各成分色毎に、グレー候補画素中のハイライト点濃度Dhj(最大濃度)及びシャドー点濃度Dsj(最小濃度)を各々抽出する。なお、各成分色毎にダイナミックレンジIR=(Dhr−Dsr)、IG=(Dhg−Dsg)、IB=(Dhb−Dsb)を求め、各成分色毎のダイナミックレンジの差(IR−IG)、(IG−IB)、(IB−IR)を演算し、ダイナミックレンジの差が所定の許容値を越えた場合にはダイナミックレンジIR,IG,IBが互いに等しくなるようにハイライト点濃度(Dhr,Dhg,Dhb)の何れかを修正するようにしてもよい。
【0075】
ステップ176では、グレー候補画素から各成分色毎に求めたハイライト点濃度Dhj及びシャドー点濃度Dsj に基づいて、各成分毎のハイライト点濃度(Dhr,Dhg,Dhb)をハイライト点の濃度、各成分毎のシャドー点濃度(Dsr,Dsg,Dsb)をシャドー点の濃度とし、RGB濃度座標上でハイライト点に対応する濃度点とシャドー点に対応する濃度点とを結ぶ軸を設定する(図6(C)参照)。
【0076】
写真フィルムは、鮮やかな発色を実現するために、露光量が同一であってもグレー露光より多色露光の方が硬調に仕上がるように感光層が設計されていることが一般的であり(所謂重層効果)、フィルム画像中の被写体のグレーの部分に対応する画像領域よりも、被写体の非グレー色の部分(例えば赤等)に対応する画像領域の方が最大濃度が高くなる可能性がある。
【0077】
上記に基づき本実施形態では、ステップ162で求めた最大濃度Djmax 及び最小濃度Djmin に基づいて画像データを規格化し(ステップ164)、高彩度画素を除去(ステップ166〜ステップ172)した後に、プレスキャン画像データからハイライト点濃度及びシャドー点濃度を求め(ステップ174)、ハイライト点濃度及びシャドー点濃度に基づいてハイライト−シャドー軸を設定している(ステップ176)。上記のように最大濃度Djmax 及び最小濃度Djmin を用いてハイライト−シャドー軸を設定することなく、ハイライト点濃度及びシャドー点濃度を求めてハイライト−シャドー軸を設定することで、ハイライトフェリアの発生を抑制することができる。
【0078】
次のステップ178では、グレー候補画素の各々について、RGB濃度座標上での対応する点の位置を各々求めると共に、求めた位置と前記ハイライト−シャドー軸との距離(濃度空間内における幾何学距離:ハイライト−シャドー軸との濃度差に相当)を各々演算し、RGB濃度座標上での対応する点の位置とハイライト−シャドー軸との距離(濃度差)が大きくなるに従って重みが小さくなるように(前記距離(濃度差)が小さくなるに従って重みが大きくなるように)、各グレー候補画素に対して重みを各々設定する。そして設定した重みを記憶する。
【0079】
ステップ180では、同一の写真フィルム26に記録された全てのフィルム画像に対して上記処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ160に戻り、ステップ160〜ステップ178の処理を繰り返す。これにより、同一の写真フィルム26に記録されている全てのフィルム画像からグレー候補画素が各々抽出され、抽出された全てのグレー候補画素に対して各々重みが設定されることになる。
【0080】
ステップ180の判定が肯定されるとステップ182へ移行し、ステップ182以降で、同一の写真フィルム26に記録された複数のフィルム画像から各々抽出したグレー候補画素から成るグレー候補画素群(図7(A)参照)に基づいて、処理対象のフィルム画像(同一の写真フィルム26に記録された複数のフィルム画像のうちの1つ)のグレーバランスを表すグレー軸を線形近似によって求める。
【0081】
すなわち、ステップ182では処理対象のフィルム画像の濃度域(ステップ162で演算した最大濃度Djmax 及び最小濃度Djmin )を取り込む。次のステップ184では、グレー候補画素群を構成する各グレー候補画素のうち、先のステップ182で取り込んだ処理対象のフィルム画像の濃度域(最大濃度Djmax から最小濃度Djmin に至る濃度範囲)に対応するグレー候補画素のデータを抽出する。
【0082】
写真フィルムに記録される複数のフィルム画像の各々の濃度域は不定であるので、複数のフィルム画像から各々抽出したグレー候補画素から成るグレー候補画素群のRGB濃度座標上での分布は、写真フィルム26の発色濃度域(一般に濃度値で3.0に近い広さ)に対応する広がりをもっている。一方、写真フィルムに記録される個々のフィルム画像の濃度域は濃度値で1.0程度である。従ってステップ184により、図7(B)に「グレー軸推定対象の画像の濃度域」として一例を示すように、グレー候補画素群の全濃度域のうちの一部の濃度域内のグレー候補画素のデータのみが抽出される。
【0083】
次のステップ186では、ステップ184でデータを抽出したグレー候補画素の重みを表すデータを取り込み、ステップ188では、写真フィルムに記録されたフィルム画像の数と対応されて予め設定されたグレー軸の傾きの許容範囲のうち、処理対象の写真フィルム26に記録されたフィルム画像の数に対応するグレー軸の傾きの許容範囲を取り込む。なお、このグレー軸の傾きの許容範囲は、フィルム画像の数が少なくなるに伴って許容範囲が小さくなるように設定されている。
【0084】
そしてステップ190では、ステップ184で抽出したグレー候補画素のデータ及びステップ186で抽出した各グレー候補画素の重みに基づいて、抽出したグレー候補画素のRGB濃度座標上における分布を、各グレー候補画素に付された重みも考慮して線形近似し、傾きが、ステップ188で取り込んだ許容範囲内となるように処理対象のフィルム画像のグレー軸を推定演算する。このグレー軸の推定演算は、請求項2に記載の規格化手段によるグレーバランスの推定に対応している。
【0085】
なお、線形近似は、例えば線形重回帰分析等に利用される最小2乗法等の手法を適用し、予測誤差の平方和が最小となるように行うことができる。この場合、グレー軸の傾きを許容範囲内とすることは、例えば最小2乗法等による演算に際し、グレー軸を規定する変数のうちのグレー軸の傾きを規定する変数の値を、前記許容範囲に対応する数値範囲内の値に制限する条件式を連立方程式に加える等によって実現できる。
【0086】
また、各グレー候補画素の重みを反映した線形近似は、例えば重みの大きい画素についてはRGB濃度空間内の略同一の位置に存在するグレー候補画素の数がデータ上で増加するようにグレー候補画素のデータを変換し(例えば1画素のデータを100画素のデータに変換する等)、重みが小さい画素についてはRGB濃度空間内の略同一の位置に存在するグレー候補画素の数がデータ上で減少するようにグレー候補画素のデータを変換し(たとえば100画素のデータを1画素のデータに変換する等)、変換後のグレー候補画素のデータを用いて線形近似を行うことで実現できる。
【0087】
また、線形近似は3次元空間(RGB濃度空間)上で行ってもよいし、複数の2次元空間(例えばR−G,G−B,B−Rの各濃度空間)上で行ってもよい。例えばRGB濃度空間上での線形近似によるグレー軸の推定は、処理対象のフィルム画像の濃度域として特定の成分色についてのフィルム画像の濃度域、或いはRGB平均濃度についてのフィルム画像の濃度域を用い、該濃度域内に存在するグレー候補画素のRGB濃度空間上での分布を線形近似することで行うことができる。
【0088】
また、R−G,G−B,B−Rの各濃度空間上での線形近似によるグレー軸の推定は、例えばR−G濃度空間についてはフィルム画像のRの濃度域内に存在するグレー候補画素の分布を線形近似し、G−B濃度空間についてはフィルム画像のGの濃度域内に存在するグレー候補画素の分布を線形近似し、B−R濃度空間についてはフィルム画像のBの濃度域内に存在するグレー候補画素の分布を線形近似し、各空間上での線形近似によって得られた3本の軸の重心に相当する軸をグレー軸として演算することができる。
【0089】
次のステップ192では、処理対象のフィルム画像のグレー軸を推定演算した結果に基づいて、撮影記録時の被写体のグレーの部分が出力画像上でグレーとして再現されるように、ファインスキャン画像データに対するグレーバランス補正処理の処理条件(グレーバランス補正条件:具体的にはグレーバランス補正処理を行うためのLUT(ルックアップテーブル)に設定する変換データ)を設定する。なお、上記のグレーバランス補正条件は、請求項2に記載の規格化手段における「推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化する」ための条件に相当する。
【0090】
上記のグレーバランス補正条件は、例えば推定演算したグレー軸が表すグレーバランスのうちのG濃度DgとR濃度Drとの関係(グレー軸をG濃度及びR濃度を座標軸とする2次元濃度座標に投影した結果に相当)がDg=αrg・Dr+βrgで表され、G濃度DgとB濃度Dbとの関係(グレー軸をG濃度及びB濃度を座標軸とする2次元濃度座標に投影した結果に相当)がDg=αbg・Db+βbgで表されるとすると、例えばG濃度Dgは無変換とし、R濃度DrについてはDr=αrg・Dr+βrgなる変換式に従って変換され、B濃度DbについてはDb=αbg・Db+βbgなる変換式に従って変換されるように設定することができる。
【0091】
次のステップ194では、同一の写真フィルム26に記録された全てのフィルム画像に対して上記処理(グレー軸の推定演算及び濃度・色変換処理の処理条件の設定)を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ182に戻り、全てのフィルム画像に対してステップ182〜ステップ192の処理を繰り返す。これにより、同一の写真フィルム26に記録された全てのフィルム画像に対し、個々のフィルム画像を単位として、グレーバランスを表すグレー軸が各々推定演算され、グレーバランス補正条件が各々設定されることになる。
【0092】
先に説明したステップ160〜ステップ172におけるグレー候補画素の抽出精度には限度があり、例えば処理対象のフィルム画像がカラーフェリアやハイライトフェリアの生じ易い画像であった場合には、グレー候補画素として適正な画素(グレーバランスを表す画素)が抽出されない場合もある。
【0093】
これに対して本実施形態では、同一の写真フィルム26に記録された複数のフィルム画像からグレー候補画素を各々抽出し、グレーバランスの推定に際し、前記複数のフィルム画像から各々抽出したグレー候補画素から成るグレー候補画素群を用いている。グレー候補画素群は複数のフィルム画像から各々抽出したグレー候補画素から構成されているので、グレー候補画素群全体では複数のフィルム画像の画像内容のばらつきが平均化され、特定のフィルム画像からグレー候補画素として適正な画素が抽出されなかった場合にも、前記適正な画素が抽出されなかったことによる影響が軽減される。
【0094】
従って、グレー候補画素群のRGB濃度座標上での分布は、全体として、写真フィルム26の発色濃度域の全域におけるグレーバランス(写真フィルム26に記録された各フィルム画像上でのグレーバランス)を精度良く表しており、このグレー候補画素群を用いてグレーバランスを推定することで、同一の写真フィルムに記録された各フィルム画像上でのグレーバランスを各々高い精度で推定することができ、フィルム特性に起因するフィルム画像の色バランス偏倚が補正されるように(撮影記録時の被写体のグレーの部分がグレーとして再現されるように)画像データを変換できる適正なグレーバランス補正条件を得ることができる。
【0095】
また、グレー候補画素群のRGB濃度座標上での分布が表している、写真フィルム26の発色濃度域の全域におけるグレーバランスは、フィルム特性等が反映され、図7(A)に破線で示すようにRGB濃度座標上で曲線として表される:図7(A)に破線で示す「実際のグレーバランスを表す特性曲線」を参照)。
【0096】
これに対して本実施形態では、個々のフィルム画像を単位として、グレー候補画素群のRGB濃度座標上での分布を、個々のフィルム画像の濃度域内(写真フィルム26の発色濃度域よりも大幅に狭い濃度域内)で各々線形近似することでグレーバランスを表すグレー軸を推定演算しているので、高次の非線形近似によってグレーバランスを表す特性曲線を求める場合と比較して、処理が非常に簡単になると共に、各フィルム画像毎に充分に高くかつ安定した推定精度でグレーバランスを推定することができ、グレーバランスを精度良く表すグレー軸に基づいて適正なグレーバランス補正条件を得ることができる。
【0097】
ステップ194の判定が肯定されるとグレーバランス補正条件演算処理を終了し、濃度・色補正条件演算処理(図2)のステップ102へ移行する。ステップ102以降では異種光源補正条件を各フィルム画像毎に各々演算する。
【0098】
すなわち、ステップ102では処理対象の特定フィルム画像の画像データ(プレスキャン画像データ)を取り込むと共に、先に説明したグレーバランス補正条件演算処理によって演算されたグレーバランス補正条件のうち、前記特定フィルム画像に対して設定されたグレーバランス補正条件を取り込み、取り込んだグレーバランス補正条件に従って、取り込んだ特定フィルム画像のプレスキャン画像データを変換することで画像データの規格化(グレーバランス補正)を行う。
【0099】
この画像データの規格化により、フィルム特性(撮影記録特性)に起因する色バランスの偏倚が補正された画像データが得られる。なお、ステップ102は先に説明したグレーバランス補正条件演算処理と共に請求項2に記載の規格化手段に対応している。
【0100】
ステップ104では、先のグレーバランス補正条件演算処理(のステップ172)において、特定フィルム画像から抽出されたグレー候補画素のデータを取り込み、次のステップ106では、取り込んだグレー候補画素のデータを対象として、特定フィルム画像中のハイライト部に対応すると推定される画素(ハイライト画素)を複数抽出する。
【0101】
このハイライト画素の抽出は、例えば各画素について各成分色毎の濃度の平均値(3色平均濃度)を各々演算して3色平均濃度のヒストグラムを作成し、高濃度側からの累積頻度が所定値に達する迄の区間に属する画素を抽出することで行うことができる。また、ハイライト画素として抽出する画素を、フィルム画像上で互いに近接した位置に存在している画素に制限してもよい。
【0102】
なお、異種光源を用いて撮影記録されたフィルム画像については、フィルム画像中のハイライト部の色が、撮影記録時に使用された光源種に対応する特定の色相かつ高彩度の色となるが、グレー候補画素は、該フィルム画像の最大濃度Djmax 及び最小濃度Djmin を基準として規格化を行って抽出しているので、異種光源を用いて撮影記録されたフィルム画像であっても、ステップ104で取り込んだグレー候補画素のデータの中に、実際のハイライトに相当する画素のデータが含まれている。
【0103】
ステップ108では、ステップ102における規格化によって得られた特定フィルム画像の規格化後の画像データから、ステップ106で抽出した複数のハイライト画素のデータを各々抽出する。そしてステップ110では、規格化後の画像データから抽出した複数のハイライト画素のデータに基づき、撮影記録時の光源の色を表す光源色データとして、複数のハイライト画素の各成分色毎の平均濃度を演算する。光源色データは規格化後の画像データから求めているので、フィルム特性に起因する色バランスの偏倚は補正されており、光源色データが表す色は、被写体の撮影記録に用いた光源の光源色(前記光源による照明光の色味)を精度良く表している。
【0104】
ステップ112では、ステップ110で演算した光源色データに基づいて、処理対象の特定フィルム画像のハイライト部の色相及び彩度を表すハイライト色ベクトルHLを求める。このハイライト色ベクトルHLは、例えば先に説明したグレーバランス補正条件演算処理(図3)のステップ166と同様に、光源色データが表すハイライト部の各成分色毎の平均濃度に対応するRGB濃度座標上での濃度点を平面ψ上に写像し、例として図8に示すように、平面ψ上に設定したxy直交座標の原点(RGB濃度座標の原点と同一の位置に位置している)から前記濃度点の平面ψ上への写像位置PHLへ向かうベクトルをハイライト色ベクトルHLとすることで求めることができる。ハイライト色ベクトルHLは、x軸の成す角度(色相角)がハイライト部の平均的な色相を表し、ベクトルの大きさ(長さ)Hがハイライト部の平均的な彩度を表している。
【0105】
次のステップ114では、ステップ112で求めたハイライト色ベクトルHLに基づいて、処理対象の特定フィルム画像の撮影記録時の光源色が明らかに非グレーか否か判定する。平面ψ上に設定したxy直交座標の原点は、グレーバランス補正条件演算処理によって演算されたグレーバランスを表しており、グレー(中性色)に対する光源色の偏倚度合いはxy直交座標の原点と写像位置PHLとの距離に正比例する。従ってステップ114の判定は、例えばハイライト色ベクトルの大きさHが所定値以上か否かを判断することで行うことができる。
【0106】
ステップ114の判定が否定された場合には、処理対象の特定フィルム画像は異種光源を用いて撮影記録された画像ではないと判断できるので、該特定フィルム画像に対する色バランス補正量C(詳細は後述)に0を設定し、ステップ128へ移行する。またステップ114の判定が肯定された場合、処理対象の特定フィルム画像は、異種光源を用いて撮影記録された画像である可能性がある。このため、ステップ116以降で処理対象の特定フィルム画像中のハイライト部の色と特定フィルム画像の全画素(特定フィルム画像を構成する各要素に相当)の色との相関を求める。
【0107】
すなわち、ステップ116ではステップ102における規格化によって得られた特定フィルム画像の規格化後の画像データから単一の画素(特定画素)のデータを取り込み、先のステップ112と同様に色ベクトルCP(図8参照)を演算する。ステップ118では、ハイライト色ベクトルHLと特定画素の色ベクトルCPの成す角度(色相角差)を表す物理量として、ハイライト色ベクトルHLと特定画素の色ベクトルCPの色相角差の余弦(内積)COSを次式に従って演算し、演算結果を記憶する。
COS=HL・CP/|HL||CP|
【0108】
ステップ120では、処理対象の特定フィルム画像中の全ての画素に対してついてステップ116、118の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ116に戻り、ステップ120の判定が肯定される迄ステップ116〜ステップ120を繰り返す。そしてステップ120の判定が肯定されるとステップ122へ移行する。
【0109】
色相がハイライト部と大きく相違している画素の色ベクトルCPは、図8に「ハイライト色ベクトルとの色相角差:大」の色ベクトルCPとして示すように、平面ψ(2次元色座標)上でのハイライト色ベクトルHLとの成す角度が大きくなり、色相角差の余弦COSは符号が負になるか、或いは符号が正の場合にも小さな値となる(色相角差の余弦COS≪1)。
【0110】
また色相がハイライト部と近似している画素の色ベクトルCPは、図8に「ハイライト色ベクトルとの色相角差:小」の色ベクトルCPとして示すように、平面ψ上でのハイライト色ベクトルHLとの成す角度が小さくなり、色相角差の余弦COSは「1」に近い値となる。
【0111】
異種光源を用いて撮影記録されたフィルム画像は、前記光源の影響を受け、フィルム画像中のハイライト部の色が、光源種に対応する特定の色相かつ高彩度の色になると共に、フィルム画像中の非ハイライト部の色についても、ハイライト部と同一の特定の色相を帯びた色になる。従って、フィルム画像中の全ての画素についての色相角差の余弦COSの演算結果に基づき、色相角差の余弦COSの値が小さい側からの累積ヒストグラムを作成したとすると、異種光源を用いて撮影されたフィルム画像については、一例として図9にも示すように、殆どの画素は色相角差の余弦COSが「1」に近い値となり、色相角差の余弦COSの最小値も比較的高い値となる(図9の例では「0.6」程度の値)。
【0112】
一方、カラーフェリアの生じ易いフィルム画像は、一定の色相の領域が画像中の広い面積を占めているので、該一定の色相の領域内にフィルム画像中のハイライト部が存在していた場合には、上記と同様に多数の画素について色相角差の余弦COSが「1」に近い値となる。しかし図10及び図11には、互いに異なるフィルム画像(何れもカラーフェリアの生じ易いフィルム画像)から求めた色相角差の余弦COSの累積ヒストグラムを各々示すが、これらの図からも明らかなように、昼光等の一般的な光源を用いて撮影記録されたフィルム画像は、カラーフェリアの生じ易い画像内容であったとしても、異種光源を用いて撮影記録された画像と比較して、色相角差の余弦COSの最小値が明らかに小さな値となる(図10の例では「−1」程度、図11の例でも「−0.4」程度の値)。
【0113】
またハイライトフェリアの生じ易いフィルム画像についても、上記と同様に、異種光源を用いて撮影記録された画像と比較して、色相角差の余弦COSの最小値が明らかに小さな値となることは言うまでもない。
【0114】
上記に基づきステップ122では、フィルム画像中のハイライト部の色と原画像を構成する各要素の色との相関を表す物理量(色相角相関T)として、全ての画素について演算した色相角差の余弦COSの最小値を抽出する。なお、ステップ104〜ステップ122は請求項1及び請求項2に記載の演算手段に対応しており、詳しくは請求項3,4に記載の演算手段にも各々対応している。
【0115】
そしてステップ124では、ハイライト色ベクトルの大きさH及び色相角相関Tに基づいて異種光源度αを演算する。なお異種光源度αは、例えば図12に示すようなハイライト色ベクトルの大きさH及び色相角相関Tと異種光源度αの関係を示すマップを用いて演算することができる。ステップ124は請求項1及び請求項2に記載の設定手段に対応しており、異種光源度αは本発明の色バランス偏倚度に対応している。
【0116】
図12に示したマップは、色相角相関Tが所定値未満(図12では一例として0.2未満)のときにはハイライト色ベクトルHLの大きさHに拘わらず異種光源度αの値が「0」になり、ハイライト色ベクトルの大きさHが所定値未満(図12では一例として0.15未満)のときにも色相角相関Tの値に拘わらず異種光源度αの値が「0」になるように定められているので、昼光等の一般的な光源を用いて撮影記録されたフィルム画像については、カラーフェリア或いはハイライトフェリアの生じ易い画像であっても、異種光源度α=0と設定される。
【0117】
本実施形態に係る異種光源度αは、撮影記録時の光源に起因するフィルム画像の色バランスの偏倚の度合いを表しており、後述するように、異種光源補正における補正量を異種光源度αの値に応じて決定しているので、昼光等の一般的な光源を用いて撮影記録されたフィルム画像に対しては異種光源補正は実質的に行なわれず、異種光源補正によって逆に出力画像の画質が低下することはない。
【0118】
また、図12に示したマップは、色相角相関Tが所定値(例えば0.2)以上で、かつハイライト色ベクトルHLの大きさHも所定値(例えば0.15)以上のときには、色相角相関Tの値が大きくなるに伴って異種光源度αの値が増加し、ハイライト色ベクトルHLの大きさHが大きくなるに伴って異種光源度αの値が増加するように定められている。従って、異種光源を用いて撮影記録されたフィルム画像については、撮影記録時の光源に起因するフィルム画像の色バランスの偏倚の度合いに応じた補正量で異種光源補正が行なわれることになる。
【0119】
次のステップ126では、ステップ124で求めた異種光源度αに基づいて、ハイライト色ベクトルHLが表す色バランス偏倚に応じた色バランス補正量Cを次式に従って演算する。
C=αHL
ステップ128では、同一の写真フィルムに記録された全てのフィルム画像に対してステップ102以降の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ102に戻り、全てのフィルム画像に対してステップ102以降の処理を繰り返す。これにより、同一の写真フィルムに記録された全てのフィルム画像に対して異種光源度αが各々設定されることになる。
【0120】
全てのフィルム画像に対して異種光源度αを設定すると、ステップ128の判定が肯定されてステップ130へ移行し、各フィルム画像から各々求めたハイライト色ベクトルHLを互いに比較する。そして次のステップ132において、ハイライト色ベクトルHLが近似している(例えば色相角差が所定角度以下でかつ大きさHの差が所定値以下)フィルム画像群が有るか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ138へ移行する。
【0121】
一方、ハイライト色ベクトルHLが近似しているフィルム画像群が有った場合には、該フィルム画像群を構成する各フィルム画像は、同一種の光源を使用して撮影記録されたフィルム画像であると判断できる。このため、ステップ132の判定が肯定された場合にはステップ134へ移行し、ハイライト色ベクトルHLが近似しているフィルム画像群に対し、該フィルム画像群を構成する個々のフィルム画像の色バランス補正量Cの平均値を演算する。
【0122】
そして、次のステップ136では、ステップ134で演算した色バランス補正量Cの平均値を、前記フィルム画像群を構成する各フィルム画像に対する色バランス補正量として各々設定する。これにより、ハイライト色ベクトルHLが近似しているフィルム画像については同一の補正量で色バランスが補正されることになり、各フィルム画像に対応する出力画像の色バランスを近似させることができる。
【0123】
なお、ハイライト色ベクトルHLが近似しているフィルム画像群が複数群有ると判断した場合には、個々のフィルム画像群毎に色バランス補正量Cの平均値を各々演算し(ステップ134)、演算した色バランス補正量Cの平均値を、対応するフィルム画像群を構成するフィルム画像のみに各々設定する(ステップ136)。
【0124】
そしてステップ138では、各フィルム画像毎に、設定した色バランス補正量Cに基づいて、ファインスキャン画像データに対する異種光源補正処理の処理条件(異種光源補正条件:具体的には異種光源補正処理を行うためのLUT(ルックアップテーブル)に設定する変換データ)を設定し、濃度・色補正条件演算処理を終了する。なお、上述した濃度・色補正条件演算処理のうち、ステップ126以降の処理は請求項1及び請求項2に記載の補正手段に対応しており、更にステップ132〜ステップ136は請求項に記載の補正手段に対応している。
【0125】
上記の濃度・色補正条件演算処理により、昼光等の一般的な光源を用いて撮影記録されたフィルム画像については実質的に無補正となり、異種光源を用いて撮影記録されたフィルム画像については先に設定した補正量Cで異種光源補正が行なわれるように、各フィルム画像に対する異種光源補正条件が各々設定されることになる。濃度・色変換条件演算処理によって各フィルム画像毎に設定した濃度・色変換条件(グレーバランス補正条件及び異種光源補正条件)は、オートセットアップエンジン44から、ファインスキャン画像データに対して濃度・色変換処理を行うイメージプロセッサ40へ出力される。
【0126】
フィルムスキャナ12において、写真フィルム26に記録された各フィルム画像に対してファインスキャンが行なわれることで、画像処理部14のイメージプロセッサ40にファインスキャン画像データが入力されると、イメージプロセッサ40では、図4のフローチャートに示される画像処理が行われる。なお、図4ではイメージプロセッサで行なわれる画像処理を便宜的にフローチャートで示しているが、該画像処理は実際には画像処理回路等のハードウェアによって実現される。
【0127】
イメージプロセッサ40は、まずLUT等を用い、ファインスキャン画像データが表すフィルム画像の平均濃度が、同一のフィルム画像のプレスキャン画像データが表すフィルム画像の平均濃度と一致するように、入力されたファインスキャン画像データを補正するプレ・ファインスキャン間補正を行う(ステップ210)。次に、LUTやマトリクス演算回路(MTX)等を用い、フィルムスキャナ12の機差(例えばラインCCDセンサ30の分光感度の素子単位でのばらつき等)を補正するスキャナキャリブレーションを行う(ステップ212)。
【0128】
そしてイメージプロセッサ40は、プレ・ファインスキャン間補正及びスキャナキャリブレーションを経たファインスキャン画像データを、該画像データに対応するグレーバランス補正条件を設定したグレーバランス補正用のLUTに入力することでグレーバランス補正を行い(ステップ214)、グレーバランス補正用のLUTから出力された画像データを、該画像データに対応する異種光源補正条件を設定した異種光源補正用のLUTに入力することで異種光源補正を行う(ステップ216)。
【0129】
なお、ステップ214におけるグレーバランス補正は、請求項2に記載の規格化手段によるファインスキャン画像データに対する規格化に対応しており、ステップ216における異種光源補正は、請求項1及び請求項2に記載の補正手段によるファインスキャン画像データに対する色バランス補正に対応している。
【0130】
これにより、フィルム特性に起因する色バランスの偏倚、及び撮影記録時の光源に起因する色バランスの偏倚が各々高精度に補正され、処理対象のフィルム画像がカラーフェリアの生じ易い画像である場合や、ハイライトフェリアの生じ易い画像である場合、或いは蛍光灯やタングステン灯等の異種光源で撮影記録された画像である場合にも、被写体のグレーの部分(昼光等の一般的な光源による照明下でグレーに見える部分)が画像データ上でグレーとなるように、ファインスキャン画像データを変換することができる。
【0131】
上記のようにして濃度・色補正処理(グレーバランス補正及び異種光源補正)を行うと、イメージプロセッサ40はハイパートーン処理やハイパーシャープネス処理等の他の画像処理を行う(ステップ218)。そして、上記の画像処理を経た画像データ(出力画像データ)は、例えばイメージプロセッサ40からプリンタ16へとして出力されて印画紙68への画像の記録に用いられたり、或いはCD−R等の情報記憶媒体に格納される。
【0132】
なお、上記ではフィルム画像中の全ての画素について色相角差の余弦COSを各々演算し、色相角相関Tを求めていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルム画像中の全画素のうちのグレー候補画素についてのみ、色相角差の余弦COSを各々演算して色相角相関Tを求めるようしてもよい。また、フィルム画像中の非ハイライト部に相当する画素についてのみ色相角差の余弦COSを演算するようにしてもよいし、フィルム画像中の非ハイライト部に相当する画素のうちのグレー候補画素についてのみ色相角差の余弦COSを演算するようにしてもよい。
【0133】
また、上記では個々のフィルム画像に対し、比較的低解像度での読み取り(プレスキャン)と比較的高解像度での読み取り(ファインスキャン)の2回の読み取りを行い、プレスキャンによって得られた低解像度画像データを用いて濃度・色変換条件の設定を行っていたが、これに限定されるものではなく、例えばプレスキャンによって得られた画像データはファインスキャン時の読取条件の決定にのみ用いてもよいし、フィルム画像に対してファインスキャンに相当する解像度での単一回の読み取りのみを行うようにしてもよい。この場合、濃度・色変換条件の設定は、ファインスキャンによって得られた高解像度画像データに対して画素の間引きや統合等の処理を行って低解像度画像データを生成し、生成した低解像度画像データを用いることで行うことができる。
【0134】
また、上記では写真フィルムに撮影記録されたフィルム画像を原画像とし、原画像を表す画像データとして、前記フィルム画像を読み取ることで得られたスキャン画像データを用いていたが、本発明は上記に限定されるものではなく、デジタルスチルカメラによって撮影記録された画像(情報記録媒体に記録された画像データが表す画像を原画像とし、原画像を表す画像データとして、デジタルスチルカメラによって前記情報記録媒体に記録された画像データを用いてもよい。
【0135】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本実施形態は、特許請求の範囲に記載した事項の実施態様以外に、以下に記載する事項の実施態様を含んでいる。
【0136】
(1)前記規格化手段は、前記複数の原画像の画像データに基づいて、各原画像から被写体のグレーの部分に対応する画素である可能性の高いグレー候補画素を各々抽出し、各原画像から各々抽出したグレー候補画素から成るグレー候補画素群の所定の座標上での分布に基づいて処理対象の原画像の画像データの規格化を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【0137】
(2)前記規格化手段は、前記原画像のハイライト及びシャドーの色を基準にして前記原画像中の高彩度の画素を判断し、判断した高彩度の画素を除外することでグレー候補画素を抽出することを特徴とする(1)記載の画像処理装置。
【0138】
(3)前記規格化手段は、前記グレー候補画素群の所定の座標上での分布のうち前記処理対象の原画像の濃度域内における分布を線形近似することで、前記処理対象の原画像におけるグレーバランスを表すグレー軸を推定し、推定したグレー軸を基準として前記処理対象の原画像の画像データの規格化を行うことを特徴とする(1)記載の画像処理装置。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように発明は、被写体が撮影記録されることで形成された原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求め、ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦に基づいて撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度を設定し、前記色バランス偏倚度に基づき、ハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正するので、撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚を高精度に補正することができる、という優れた効果を有する。
【0140】
また本発明は、一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データから処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定して処理対象の原画像の画像データを規格化し、処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求め、ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦に基づいて撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を判断し、前記色バランス偏倚度に基づき、ハイライト部の色に応じて処理対象の原画像の画像データの色バランスを補正するので、被写体が撮影記録されて成る原画像に対し、撮影記録特性に起因する色バランスの偏倚、及び撮影記録時の光源に起因する色バランス偏倚を各々高精度に補正することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの概略構成図である。
【図2】 本実施形態に係る濃度・色変換条件設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】 グレーバランス補正条件演算処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 イメージプロセッサで実行される画像処理の内容を便宜的に示すフローチャートである。
【図5】 (A)乃至(C)はフィルム画像中の高彩度画素の抽出を説明するための概念図である。
【図6】 (A)及び(B)は高彩度の画素を多数含む画像、(C)は前記画像から高彩度画素を除外した後の、RGB濃度座標上における各画素のデータの分布の一例を示す概念図である。
【図7】 (A)は複数の画像から各々抽出したグレー候補画素から成るグレー候補画素群のRGB濃度座標上における分布の一例を示す概念図、(B)は(A)に示したグレー候補画素群からの特定の画像のグレー軸の推定を説明するための概念図である。
【図8】 ハイライト色ベクトルHL及び特定画素の色ベクトルCPの一例を示す概念図である。
【図9】 異種光源を用いて撮影記録されたフィルム画像から求めた、ハイライト色ベクトルと各画素の色ベクトルの成す角度の余弦(内積)COSの累積ヒストグラムの一例を示す線図である。
【図10】 カラーフェリアの生じ易いフィルム画像から求めた、ハイライト色ベクトルと各画素の色ベクトルの成す角度の余弦(内積)COSの累積ヒストグラムの一例を示す線図である。
【図11】 カラーフェリアの生じ易いフィルム画像から求めた、ハイライト色ベクトルと各画素の色ベクトルの成す角度の余弦(内積)COSの累積ヒストグラムの他の例を示す線図である。
【図12】 色相角相関Tとハイライト色ベクトルの大きさHから異種光源度αを求めるための異種光源判定テーブルの一例を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像処理システム
14 画像処理装置
26 写真フィルム
40 イメージプロセッサ
44 オートセットアップエンジン
72 情報記憶媒体

Claims (7)

  1. 被写体が撮影記録されることで形成された原画像を表す画像データに基づいて、原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求める演算手段と、
    前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正する補正手段と、
    を含む画像処理装置。
  2. 一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化する規格化手段と、
    処理対象の原画像の画像データに基づいて、処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求める演算手段と、
    前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて処理対象の原画像の画像データの色バランスを補正する補正手段と、
    を含む画像処理装置。
  3. 前記演算手段は、前記規格化手段による規格化前の画像データに基づき前記処理対象の原画像のハイライト及びシャドーの色を基準にして判断された処理対象の原画像中の高彩度の画素以外の画素のデータを用いて処理対象の原画像中のハイライト部を抽出し、抽出したハイライト部の色を表すハイライト色ベクトルを求め、前記規格化手段による規格化後の処理対象の原画像の画像データに基づいて、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求めることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記演算手段は、前記原画像を構成する要素として、前記処理対象の原画像中の全ての画素、又は前記処理対象の原画像中の全ての画素のうち被写体のグレーの部分に対応する画素である可能性の高いグレー候補画素を用いて、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求めることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記補正手段は、前記複数の原画像のうち類似のシーンが撮影記録されることで形成された原画像を判断し、類似のシーンが撮影記録されることで形成された原画像については同一又は近似した補正量で画像データの色バランスを補正することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  6. 一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化し、
    処理対象の原画像の画像データに基づいて、処理対象の原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求め、
    前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する処理対象の原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定し、
    前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて処理対象の原画像の画像データの色バランスを補正する
    画像処理方法。
  7. コンピュータを、
    一定の条件で被写体が撮影記録されて成る複数の原画像の画像データに基づいて処理対象の原画像におけるグレーバランスを推定し、推定したグレーバランスを基準として処理対象の原画像の画像データを規格化する規格化手段、
    被写体が撮影記録されることで形成された原画像を表す画像データに基づいて、原画像中のハイライト部の色を表すハイライト色ベクトル、及び、前記ハイライト色ベクトルと原画像を構成する各要素の色を表す色ベクトルとの成す角度の余弦を求める演算手段、
    前記演算手段によって求められた前記ハイライト色ベクトル及び前記角度の余弦の最小値に基づき、前記被写体の撮影記録時の光源に起因する原画像の色バランス偏倚度を、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値未満又は前記角度の余弦の最小値が第2所定値未満のときには前記光源に起因する色バランス偏倚度が0となり、前記ハイライト色ベクトルの大きさが第1所定値以上かつ前記角度の余弦の最小値が第2所定値以上のときに、前記角度の余弦の最小値が大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大すると共に、前記ハイライト色ベクトルの大きさが大きくなるに従って前記光源に起因する色バランス偏倚度が増大するように設定する設定手段、
    及び、前記設定手段によって設定された前記光源に起因する色バランス偏倚度に基づき、前記ハイライト部の色に応じて画像データの色バランスを補正する補正手段
    として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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