JP3902721B2 - 制菌性を有する合成皮革およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制菌性を有する合成皮革およびその製造方法に関する。本発明は、特に、高い制菌性能を有し、かつ、耐洗濯性が向上された合成皮革およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の清潔、衛生志向の高まりとともに、各種の抗菌剤や制菌剤を用いた繊維布帛が考案されており、さらには看護や医療サイド並びにそれに準ずる施設における白衣をはじめとする衣類、シーツや敷布などの寝装材料、キャップや頭巾などの雑貨品においては、より高度の抗菌性や制菌性付与のの技術が求められている。また、清潔、衛生志向ゆえに、より効果的な洗濯方法や過酷な工業洗濯にも対応できるような高度の耐洗濯性の実現も同時に求められている。
【0003】
ところで、現在においては、抗菌剤や制菌剤は、大きく3つに分けられ、天然系、無機系および有機系の材料がある。たとえば、天然系材料には、ヒノキから抽出されるヒノキチオール、蟹の甲羅などを原料にしたキトサンなどがある。また、無機系材料では、抗菌性金属である銀、亜鉛、銅などをセラミックやゼオライトなどに混ぜて調製した、抗菌性セラミック、抗菌ゼオライトなどがある。
【0004】
たとえば、特開平7−67758号公報には、抗菌性セラミック粒子を配合したポリフッ化ビニリデン系フィルムをラミネートした抗菌性シーツ材が開示されている。しかしながら、より高度の抗菌性や耐洗濯性が求められている現状では、天然系や無機系の材料では抗菌への即効性もなく、十分な耐洗濯性を得ることもできなかった。
【0005】
一方、有機系材料は、天然系、無機系材料に比較して抗菌性が高く、しかも即効性がある。たとえば、特開2000−119960号公報には、有機系材料(ピリチオン亜鉛、ピリチオン銅など)の水性分散液に浸漬し、加熱処理することからなる繊維布帛の処理方法が開示されている。しかしながら、これは、材料の水分散液による浸漬やパディング処理の方法であり、得られる布帛の抗菌乃至制菌効果は十分とは言えず、また耐洗濯性も不十分なものであった。
【0006】
ここで、抗菌とは、「抗菌剤の科学」工業調査会1996によれば、「生活環境に生息する菌を対象として一時的ではなくその効果は数週間から数年、時には数十年持続し殺菌レベルとしては制菌、殺菌以下であり、長期にわたり生活環境の微生物学的衛生さを保つこととされており、制菌≧抗菌なる関係が成り立つ」とされている。
【0007】
また、繊維製品新機能評価協議会(JAFETと略称される)によれば、「抗菌とは殺菌、滅菌、除菌、消毒などすべてを含む極めてあいまいな用語であり、消費者・流通に誤解を与えやすく、薬事用語とされる可能性もある。一方、制菌とは繊維上の特定した菌の増殖を抑制するものとして、菌も黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、MRSAを指定しており、客観的な評価と統一基準を設けて抗菌とは一線を画す」とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如き技術の現状に鑑み、より高い抗菌性乃至制菌性に対する要求を満たし、極めて高い耐洗濯性を有する合成皮革を提供することを目的とする。
より具体的には、JAFETにより規定された、医療機関並びにそれに準ずる施設において用いられる繊維製品に関する、特定制菌加工品に対する統一試験法から改定移行されたJIS L−1902法における評価基準、および耐洗濯性などに関して明確に規定されているJAFETによる試験方法における評価基準の双方を満足する繊維製品に対してはJAFET<赤ラベル>が付与されるが、本発明はこのJAFET<赤ラベル>付与の基準を上回る制菌性と耐洗濯性とを備える合成皮革を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、繊維布帛と、その少なくとも片面に付与されたピリチオン亜鉛錯体含有ポリウレタン系樹脂皮膜とを含む合成皮革を提供する。
本発明は、また、繊維布帛の少なくとも片面にピリチオン亜鉛錯体を配合したポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を塗布し、これを水系溶剤中で凝固させ、次いで脱溶媒し、乾燥することを含む合成皮革の製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、さらに、離型紙上にピリチオン亜鉛錯体を配合したポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥した後、この樹脂層上に接着剤層を付与し、次いでこの接着剤層を介して樹脂層を繊維布帛の少なくとも片面に接着させ、樹脂層上の離型紙を剥離することを含む合成皮革の製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、制菌剤としてピリチオン亜鉛錯体が用いられ、かかるピリチオン亜鉛錯体の代表例としてはジンクピリチオンを挙げることができる。
本発明によれば、ピリチオン亜鉛錯体は他の有機系の抗菌剤、無機系の抗菌剤などと比較すると特異的であることが予期せず見出されたのである。すなわち、本発明に従いピリチオン亜鉛錯体を制菌剤として合成皮革に用いた場合には、ポリウレタン系樹脂皮膜の剥離強度を低下させることなく、十分な制菌性を付与することができ、かつ、この制菌性に関する耐洗濯性を極めて高度のものとすることができるのである。
【0012】
さらに、本発明の合成皮革のさらなる特長として、そのポリウレタン系樹脂皮膜は崇高性を有し、柔軟な風合いとボリューム感を備え、表面の手触りも滑らかであることが挙げられる。
本発明に係る合成皮革の製造方法は、大別して、湿式コーティング法による方法と乾式ラミネート法による方法とに分けられる。
【0013】
湿式コーティング法による方法は、繊維布帛の少なくとも片面にピリチオン亜鉛錯体を配合したポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を塗布し、これを水系溶剤中で凝固させ、次いで脱溶媒し、乾燥することを含む。
このとき、ピリチオン亜鉛錯体は、ポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液中に均一に樹脂重量に対して0.006〜1.2重量%の範囲の量で含有されているのが好ましく、より好ましくは0.015〜0.6重量%の範囲である。0.006%未満では得られる合成皮革の制菌性の効果が不十分となることがある。
【0014】
本発明で用いられる繊維布帛は、ポリアミド、ポリエステル、レーヨンなどの合成繊維や再生繊維もしくは半合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維またはこれらを混用したものからなる織物、編物、不織布などであってよく、特に限定されるものではない。
本発明においては、上記の繊維布帛上に湿式凝固によりポリウレタン系重合体皮膜を形成する前に、繊維布帛にウレタン系重合体溶液が過度に浸透するのを防止するために、予め繊維布帛に撥水処理またはカレンダー処理を施してもよい。この場合の撥水剤としてはフッ素系撥水剤等の公知のものであってよく、その処理も一般的に行われているパディング法、スプレー法等の公知の方法を用いて行うことができる。
【0015】
かかるコーティング方法においては、ピリチオン亜鉛錯体の粉末を均一に分散させたポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を、公知のコーティング手法により、少なくとも繊維布帛の片面に塗布する。ポリウレタン系樹脂としては、エーテル系、エステル系、エーテルエステル系などのウレタン系樹脂であればよく、特に限定されるものでない。また、この樹脂溶液は、かかるポリウレタン系樹脂を主要成分とするものであるが、所望により劣位成分としてポリウレタン系樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。
【0016】
樹脂溶液の溶媒を構成する有機溶剤としては、樹脂の溶解性や、凝固、脱溶媒の容易性から、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの水溶性の極性有機溶剤が好ましく選択される。かかる溶剤の使用量は、樹脂の100重量部に対して300〜600重量部の範囲であるのが好ましい。300重量部より少ないと、布帛に対する接着性は高まるが、得られる樹脂皮膜の嵩高性、柔軟な風合いやボリューム感が低下することがある。
【0017】
また、樹脂溶液のコーティングは、公知のコーティング法、たとえば、パイプコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースコーター等を用いて行うことができ、これにより繊維布帛の少なくとも片面に樹脂溶液を塗布し、凝固させ、脱溶媒し、乾燥する。樹脂溶液の塗布量は、繊維布帛上で、0.08〜5mmの厚さであるのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.2mmの厚さの範囲である。これにより、繊維布帛上に、ピリチオン亜鉛錯体を含有する微多孔質のポリウレタン系樹脂皮膜を有する、制菌性の合成皮革が得られる。
【0018】
凝固、脱溶媒は公知の湿式凝固方法によればよい。凝固浴には、樹脂溶媒として用いた有機溶剤の水溶液や水が好ましく用いられる。凝固温度は、樹脂膜中に形成される微多孔の孔径を適度の範囲に調整する観点から、5〜40℃の範囲であるのが好ましい。脱溶媒は水を用いて行うのが好ましく、脱溶媒の温度は5〜80℃の範囲であるのが好ましい。
【0019】
脱溶媒された布帛は、次いで、常法により乾燥されるが、乾燥温度は90〜140℃であるのが好ましい。
本発明において、脱溶媒、乾燥の後に耐久性のある防水性を付与するために撥水処理を行うこともできる。撥水処理には公知の撥水剤を用いることができ、製品の品質を向上させる観点から、さらに仕上げセットを施すのが好ましい。
【0020】
なお、樹脂溶液には、他の添加剤として、セル調整剤、架橋剤、白顔料などを添加することもできる。
一方、乾式ラミネート法による方法は、離型紙上にピリチオン亜鉛錯体を配合したポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥した後、この樹脂層上に接着剤層を付与し、次いでこの接着剤層を介して樹脂層を繊維布帛の少なくとも片面に接着させ、樹脂層上の離型紙を剥離することを含む。たとえば、ピリチオン亜鉛錯体を配合したポリウレタン系樹脂を含む樹脂の有機溶剤溶液を離型紙上に全面塗布し、乾燥し、次いで得られた樹脂膜面に接着剤を塗布し、乾燥する。次に、これを繊維布帛と貼り合わせ、巻き取り、エージングし、離型紙を剥離する。これにより、繊維布帛上に、ピリチオン亜鉛錯体を含有する無孔質のポリウレタン系樹脂皮膜を有する、制菌性の合成皮革が得られる。得られる無孔質膜の厚さは3〜20μmであるのが好ましい。膜厚が3μm以下であると、均一な膜面や厚みが得られないことがある。20μm以上では、耐洗濯性が著しく低下することがある。
【0021】
ポリウレタン系樹脂溶液中におけるピリチオン亜鉛錯体の量については、湿式コーティング法に関して前述した場合と同様である。樹脂溶液の塗布は、ナイフオーバーロールコーター等の公知の手段によって行うことができる。
また、繊維布帛とポリウレタン系樹脂皮膜との貼り合わせに使用する接着剤としては、公知のものを用いることができ、接着性を低下させることがない限りにおいて、これにピリチオン亜鉛錯体を配合してもよい。接着剤の塗布は、ナイフオーバーロールコーター、グラビアロールコーターなどを使用して公知の方法で行うことができ、接着剤を全面塗布してもよく、点状もしくは線状に付与してもよい。
【0022】
乾燥は、離型紙上の樹脂の乾燥では100〜160℃の温度で行うのがよく、また接着剤塗布後の乾燥ではエアーオーブンなどにより100〜160℃の温度で行うのがよい。また、繊維布帛との貼り合わせは100〜160℃の温度および1〜5kg/m2 の圧力で行うのがよく、エージング時間は20時間程度であるのがよい。
【0023】
繊維布帛の構成については、湿式コーティング法に関して前述したものと同様である。
エージング終了後、離型紙をラミネート加工布帛から剥離することにより、合成皮革が得られるが、さらに得られたラミネート加工布帛を前述した如き微多孔質膜を有する湿式コーティング加工布帛と熱圧着することにより、透湿性コーティング布帛とすることもできる。このときの接着面は、ラミネート加工布帛の無孔質膜面と湿式コーティング加工布帛の微多孔質膜面であり、圧着条件は繊維布帛および無孔質膜の物性により適時選択され、例えば、100〜160℃の温度および1〜5kg/m2 の圧力で行われるのがよい。
【0024】
所望により、前記のラミネート加工布帛やこれと湿式コーティング加工布帛とを圧着して得られた透湿性コーティング布帛に対して、耐久性のある防水性を付与するために撥水処理を行うこともできる。撥水処理には公知の撥水剤を用いることができ、製品の品質を向上させる観点から、さらに仕上げセットを施すのが好ましい。また、必要に応じ、撥水処理後、ペーパー処理等を行ってもよい。
【0025】
上記のようにして得られる本発明の合成布帛は、衣料、寝装材料、衛生材料、雑貨品、インテリア用品などに広く応用できる制菌性能を持ち、過酷な工業洗濯に対する優れた耐久性能を有する。
【0026】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。なお、例中、部は重量部を示す。
また、以下の例に示す品質評価は、次の方法により行ったものである。
品質評価方法
1)洗濯法
JAFET標準配合洗剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルファオレィンスルホン酸ナトリウム)を使用し、JAFETの規定の高温加速洗濯法により洗濯を50回繰り返して行う。
【0027】
2)制菌加工試験法
黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ぶどう球菌)について、JIS L−1902の方法に従って試験を行い、制菌性評価を上記による洗濯試験の前後に行う。
ここで用いた評価菌株は、MRSA IID1677、Staphylococcus aureus ATCC 6538P、Klebsiella pneumoniae ATCC 4352 、Escherichia coli IFO 3301 およびPseudomonase areuginosa IFO 3080である。
【0028】
3)JAFET<赤ラベル>の付与
上記1)および2)の試験評価およびJAFET<赤ラベル>用の安全評価のいずれにも合格した場合にJAFET<赤ラベル>付与の認定をする。
実施例1(湿式コーティング法)(参考例)
ポリアミドの平織物(目付150g/m2)を、酸性染料を用い、常法によりグレー色に染色した。
【0029】
次に、アサヒガードAG710(旭ガラス株式会社製の撥水剤)の5%水溶液を織物に含浸させ、マングルで絞り、乾燥した後、150℃で30秒間熱処理した。
コーティング用に下記組成の樹脂液を調製した。
コーティング用樹脂液組成
ポリエステル系ウレタン樹脂 CR8006 100部
(固形分30%、溶剤ジメチルホルムアミド、大日本インキ株式会社製)
ジメチルホルムアミド 30部
ジンクピリチオン粉末 ニッカノンZP 0.2部
(日華化学株式会社製)
白顔料 L5733 2部
(大日本インキ株式会社製)
架橋剤 コロネートHL 1部
(日本ポリウレタン株式会社製)
この樹脂液を、パイプコーターを使用して、上記の染色および撥水処理した織物の片面に、0.14〜0.16mmの厚みでコーティングした。
【0030】
これを水中に導き、2分間凝固させた後、50℃の温水で5分間洗浄し、さらにテンターを使用して乾燥した。
得られた湿式コーティングによる合成皮革の初期の制菌性、規定条件による50回洗濯後の制菌性、さらにはJAFET<赤ラベル>付与の可否についての結果を表1に示す。
【0031】
比較例1(湿式コーティング法)(参考例)
コーティング用樹脂液の組成を下記のように変更したことを除き、実施例1の操作を繰り返した。
コーティング用樹脂液組成
ポリエステル系ウレタン樹脂 CR8006 100部
ジメチルホルムアミド 30部
白顔料 L5733 2部
架橋剤 コロネートHL 1部
結果を表1に示す。
【0032】
比較例2(湿式コーティング法)(参考例)
ジンクピリチオン粉末(ニッカノンZP)に代えて金属銀担持リン酸カルシウムの粉末(アパサイダーAW、株式会社サンギ製)を用いたことを除き、実施例1の操作を繰り返した。
結果を表1に示す。
【0033】
実施例2(乾式ラミネート法)
コーティング用に下記組成の樹脂液を調製した。
コーティング用樹脂液組成
エーテルエステル系ウレタン樹脂 KB−X 100部
(固形分30%、溶剤メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミド、大日本インキ株式会社製)
メチルエチルケトン 20部
ジメチルホルムアミド 10部
顔料 Black 1311K 8部
(大日本インキ株式会社製)
ジンクピリチオン粉末 ニッカノンZP 0.2部
この樹脂液を、ナイフオーバーロールコーターを使用して、フルダル離型紙(EV130TPD、リンテック株式会社製)上に、全面塗布した。離型紙上の樹脂をエアーオーブンを用いて100℃で乾燥し、膜厚10μmの無孔質膜を形成した。
【0034】
次に、下記組成の接着剤液を調製した。
接着剤液組成
二液型ポリウレタン樹脂 UZ5 100部
(固形分60%、溶剤トルエン、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミド、大日本インキ株式会社製)
ジメチルホルムアミド 20部
架橋剤 N5 6部
(根上工業株式会社製)
架橋剤 コロネートHL 6部
(日本ポリウレタン株式会社製)
触媒 HI215 1部
(大日精化株式会社製)
これを、グラビアロールコーターを用いて、上記の無孔質膜上に点状に付与した後、100℃で乾燥し、次いで100℃に予備加熱された、ポリアミド平織物(目付150g/m2 )と4kg/cm2 の圧力下に、120℃で熱圧着した。次に、これを20時間エージングした後、離型紙を剥離して、150℃で仕上げセットを行った。
【0035】
得られた乾式ラミネートによる合成皮革の初期の制菌性、規定条件による50回洗濯後の制菌性、さらにはJAFET<赤ラベル>の付与の可否についての結果を表1に示す。
比較例3(乾式ラミネート法)
コーティング用樹脂液の組成を下記のように変更したことを除き、実施例2の操作を繰り返した。
【0036】
コーティング用樹脂液組成
エーテルエステル系ウレタン樹脂 KB−X 100部
メチルエチルケトン 20部
ジメチルホルムアミド 10部
顔料 Black 1311K 8部
結果を表1に示す。
【0037】
比較例4(乾式ラミネート法)
ジンクピリチオン粉末(ニッカノンZP)に代えて金属銀担持リン酸カルシウムの粉末(アパサイダーAW)を用いたことを除き、実施例2の操作を繰り返した。
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
上記の結果より、本発明に係る合成皮革は、優れた制菌性を有し、耐洗濯性も十分であって、JAFETの<赤マーク>付与に適合する性能を有することがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリウレタン系皮膜の剥離強度を低下させることなく、優れた制菌性を有し、極めて高い耐洗濯性を示す合成皮革を提供することができる。しかも、この合成皮革は、崇高性を有し、柔軟な風合いとボリューム感を備え、表面の手触りも滑らかなものである。したがって、本発明によれば、衣類、寝装品、インテリア用品のみならず、特に医療機関並びにそれに準ずる施設において使用する、いわゆる特定用途の白衣、手術着、看護衣、エプロン、敷布、カバー、頭巾、椅子張りなどに使用が可能なJAFETの<赤マーク>付与に適合する種々の製品を提供することができる。
Claims (2)
- 繊維布帛と、その少なくとも片面に形成された架橋されたポリウレタン系樹脂からなる接着剤層と、およびこの接着剤層上に付与されたピリチオン亜鉛錯体含有ポリウレタン系樹脂皮膜とを含む合成皮革。
- 離型紙上にピリチオン亜鉛錯体を配合したポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥した後、この樹脂層上に使用に際して架橋剤を配合した二液型のポリウレタン系樹脂からなる接着剤層を付与し、次いでこの接着剤層を介して前記樹脂層を繊維布帛の少なくとも片面に接着させ、前記樹脂層上の離型紙を剥離することを含む合成皮革の製造方法。
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