JP3901097B2 - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時における乗員(運転者)の二次衝突エネルギー(衝撃)を吸収可能な衝撃吸収式ステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衝撃吸収式ステアリングコラム装置の一つとして、ステアリングシャフトを回転自在に支持して軸方向にて収縮可能なステアリングコラムがアウターチューブとインナーチューブを備え、前記アウターチューブと前記インナーチューブ間に、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ステアリングコラムの軸方向収縮によって吸収する衝突エネルギー吸収機構を介装してなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−137743号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の衝撃吸収式ステアリングコラム装置では、ステアリングコラムのアウターチューブとインナーチューブ間に介装した衝突エネルギー吸収機構がステアリングコラムの軸方向収縮によって常にエネルギー吸収可能(換言すれば、ステアリングコラムの僅かな軸方向収縮によってもエネルギー吸収可能)である。このため、衝突エネルギー吸収機構を作動させることなくステアリングコラムを円滑に軸方向収縮させることができなくて、テレスコピック形のステアリングコラム装置には適用できない。また、衝突エネルギー吸収機構が備えるエネルギー吸収量調整手段は構造が複雑で構成部品数が多いため、車両への搭載性が悪いばかりか、高コストである。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記した課題に対処すべくなされたものであり、ステアリングシャフトを回転自在に支持して軸方向にて収縮可能なステアリングコラムがアウターチューブとインナーチューブを備え、前記アウターチューブと前記インナーチューブ間に、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ステアリングコラムの軸方向収縮によって吸収する衝突エネルギー吸収機構を介装してなる衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、前記衝突エネルギー吸収機構は、前記インナーチューブの外周に一体的に組付けられていて塑性変形によってエネルギー吸収荷重を発生させるエネルギー吸収部材と、前記アウターチューブに径方向に移動可能に組付けられていて電磁ソレノイドの作動に応じて径内方の進入位置と径外方の退避位置に移動可能な係合ピンを備えていて、この係合ピンは、径内方の進入位置にあるとき、前記ステアリングコラムの設定値以上の軸方向収縮に伴って先端部にて前記エネルギー吸収部材に係合して前記エネルギー吸収部材を塑性変形可能(例えば、押し開き、切り裂き等による塑性変形が可能)であり、径外方の退避位置にあるとき、前記ステアリングコラムの軸方向収縮に拘わらず前記エネルギー吸収部材に対して非係合で前記エネルギー吸収部材を塑性変形不能であって、先端には同係合ピンにより前記エネルギー吸収部材が塑性変形されるときに前記エネルギー吸収部材と前記インナーチューブ間に差し込まれる係合爪が設けられていること(請求項1に係る発明)に特徴がある。
【0006】
上記した構成の衝撃吸収式ステアリングコラム装置(請求項1に係る発明)においては、係合ピン径外方の退避位置にあるとき、係合ピンは、ステアリングコラムの軸方向収縮に拘わらずエネルギー吸収部材に対して非係合で、エネルギー吸収部材を塑性変形させることがない。一方、係合ピン径内方の進入位置にあるとき、ステアリングコラムの設定値以上の軸方向収縮に伴って係合ピンがその先端部にてエネルギー吸収部材に係合してエネルギー吸収部材を塑性変形させるものの、ステアリングコラムの軸方向収縮量が設定値未満であるときには、係合ピンがエネルギー吸収部材を塑性変形させることはない。
【0007】
このため、係合ピン径内方の進入位置にあるときでも、ステアリングコラムの軸方向収縮量が設定値未満であるときには、係合ピンがエネルギー吸収部材を塑性変形させることはなく、ステアリングコラムを円滑に軸方向収縮させることが可能である。したがって、この構成を利用して、円滑なテレスコピック調整が可能であり、テレスコピック形のステアリングコラム装置にも適用することが可能である。
【0008】
また、この衝撃吸収式ステアリングコラム装置においては、係合ピン径内方の進入位置にあれば、ステアリングコラムの軸方向収縮量が設定値以上となったとき、係合ピンその先端部にてエネルギー吸収部材を塑性変形させてエネルギー吸収荷重を発生させる。したがって、車両の衝突時に係合ピンがエネルギー吸収部材に対して係合するように設定することで、上記したエネルギー吸収荷重により車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収することが可能である。なお、車両の衝突時において、乗員の二次衝突エネルギーが極小である場合には、係合ピンがエネルギー吸収部材に対して非係合となるように設定することも可能である。
【0009】
また、この衝撃吸収式ステアリングコラム装置においては、係合ピンが電磁ソレノイドの作動に応じて径内方の進入位置と径外方の退避位置に移動可能でエネルギー吸収部材に対して係合・非係合可能であるため、係合ピンを応答性よくエネルギー吸収部材に対して係合・非係合させることが可能である。また、係合ピンの先端には係合爪が設けられていて、係合ピンによりエネルギー吸収部材が塑性変形されるとき、係合爪がエネルギー吸収部材とインナーチューブ間に差し込まれて係合ピンのエネルギー吸収部材からの外れを防止するため、係合ピンによるエネルギー吸収部材の塑性変形が保証される。
【0010】
また、上記した衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記係合ピンを複数個として、これら各係合ピン前記エネルギー吸収部材に対する係合・非係合によりエネルギー吸収荷重を3段以上に設定可能とすること(請求項に係る発明)も可能である。この場合には、エネルギー吸収荷重の設定幅を広げることが可能であり、乗員の体格、車両の衝突速度、シートベルト着用・非着用等に応じて変化する衝撃に応じた最適なエネルギー吸収荷重の設定が可能となる。
【0011】
また、上記した衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収部材が、前記インナーチューブに組付けられて前記アウターチューブを軸方向へ摺動可能に支持する支持部と、前記ステアリングコラムの設定値以上の軸方向収縮時に前記アウターチューブの端部にて塑性変形可能なフィン部を有して、樹脂素材にて形成されていること(請求項に係る発明)も可能である。
【0012】
この場合には、エネルギー吸収部材の支持部にて、インナーチューブに対するアウターチューブの円滑な軸方向摺動を保証することが可能である。また、エネルギー吸収部材におけるフィン部の形状変更によって、フィン部の塑性変形によるエネルギー吸収荷重を変更することが可能であり、フィン部の塑性変形によるエネルギー吸収荷重を容易に変更設定することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図7は本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1実施形態を示していて、この第1実施形態においては、ステアリングシャフト10が軸方向にて伸縮可能かつトルク伝達可能なアッパシャフト11とロアシャフト12を備える構成とされ、ステアリングシャフト10を回転自在に支持して軸方向にて伸縮可能なステアリングコラム20がアウターチューブ21とインナーチューブ22を備える構成とされている。
【0014】
アッパシャフト11は、アウターチューブ21に対して軸受31を介して回転自在かつ軸方向移動不能に支持されていて、図1右端の上端部にはエアバッグ装置を装着したステアリングホイール(図示省略)が一体回転可能に組付けられるようになっている。一方、ロアシャフト12は、インナーチューブ22に軸受32を介して回転自在に支持されていて、図1左端の下端部にて自在継手を介して伸縮可能かつトルク伝達可能な中間軸(共に図示省略)に連結されるようになっていて、中間軸は自在継手を介してステアリングギヤボックス(共に図示省略)に連結されるようになっている。
【0015】
アウターチューブ21は、下端部にてインナーチューブ22の上端部に軸方向へ摺動可能に嵌合連結されていて、チルト調整およびテレスコピック調整が可能な上方支持機構Aを介して車体の一部(図示省略)に組付けられるようになっており、上方支持機構Aとの連結部が所定の軸方向荷重にて前方へ移動離脱可能である。一方、インナーチューブ22は、下端部に固着したブラケット22aにて回動可能な下方支持機構Bを介して車体の一部(図示省略)に傾動可能に組付けられるようになっている。
【0016】
ところで、この第1実施形態においては、アウターチューブ21とインナーチューブ22間に、衝突エネルギー吸収機構40が介装されている。衝突エネルギー吸収機構40は、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーをステアリングコラム20の軸方向収縮によって吸収するものであり、エネルギー吸収部材41と、一対の電動アクチュエータEAを備えている。
【0017】
エネルギー吸収部材41は、ステアリングコラム20が図1および図2の初期状態(テレスコピック中立位置)から設定値L1以上に軸方向収縮することによってエネルギー吸収荷重を発生させるものであり、樹脂素材にて断面略C形に形成されていて、インナーチューブ22の外周に一体的に組付けられている。なお、図2では、エネルギー吸収部材41の全体に斜線を入れて、エネルギー吸収部材41の全体構成を分かりやすくした。
【0018】
また、エネルギー吸収部材41は、アウターチューブ21を軸方向へ摺動可能に支持する薄肉の支持部41aと、ステアリングコラム20の軸方向収縮時にアウターチューブ21の端部にて塑性変形可能な12個のフィン部41bを有するとともに、軸方向に延びる一対の段付長孔41c,41d(図2参照)を有していて、支持部41aにはインナーチューブ22に設けた取付孔22bに嵌合固定される突起41a1(図1参照)が一体的に形成されている。なお、突起41a1の個数は適宜設定可能である。
【0019】
各フィン部41bは、径外方に向けて所定量突出していて、軸方向に所定量延びており、アウターチューブ21がインナーチューブ22に対して図1および図2の初期状態から前方に設定値L1以上に軸方向移動するとき、アウターチューブ21の端部にて塑性変形されて、所定のエネルギー吸収荷重F1(例えば、1kN)を発生させる。
【0020】
各段付長孔41c,41dは、図2および図6に示したように、支持部41a側(後方部位)を幅広としフィン部41b側(前方部位)を幅狭として形成されていて、各電動アクチュエータEAの係合ピン42が進入・退避可能であり、一方の段付長孔41cの幅狭部は他方の段付長孔41dの幅狭部に比して幅広に形成されている。各段付長孔41c,41dの幅広部は、係合ピン42が進入した状態にて円滑なテレスコピック調整を可能とするものであり、所定の長さに形成されている。
【0021】
各電動アクチュエータEAは、アウターチューブ21にブラケット44を介して組付けられていて、ブラケット44の外周に固定された電磁ソレノイド43と、アウターチューブ21およびブラケット44に対して径方向に移動可能に組付けられて電磁ソレノイド43の作動に応じて径外方に退避してエネルギー吸収部材41に対して非係合とされる係合ピン42を備えている。
【0022】
各係合ピン42は、スプリング(図示省略)によってインナーチューブ22の外周に向けて付勢されていて、一方(段付長孔41c側)を例として図5〜図7に示したように、エネルギー吸収部材41の段付長孔41cに嵌合して係合しているとき(電磁ソレノイド43が通電されていないとき)には、ステアリングコラム20の軸方向収縮に伴ってエネルギー吸収部材41における段付長孔41cの幅狭部分を図6の仮想線に示したように押し開いて塑性変形可能である。また、各係合ピン42の先端には、係合ピン42によりエネルギー吸収部材41が塑性変形されるときに、エネルギー吸収部材41とインナーチューブ22間に差し込まれる環状の係合爪42aが設けられている。
【0023】
図5〜図7に示した一方の係合ピン42がエネルギー吸収部材41における段付長孔41cの幅狭部分を塑性変形する際には、所定のエネルギー吸収荷重F2(例えば、1kN)が発生するように、段付長孔41cの幅狭部分の幅が設定され、また、他方の係合ピン42がエネルギー吸収部材41における段付長孔41dの幅狭部分を塑性変形する際には、所定のエネルギー吸収荷重F3(例えば、2kN)が発生するように、段付長孔41dの幅狭部分の幅が設定されている。
【0024】
各電磁ソレノイド43は、電気制御装置(図示省略)により通電をそれぞれ別個に制御されるように構成されていて、通電されることにより図5に示したように係合ピン42をスプリング(図示省略)に抗して実線の位置(径内方の進入位置)から仮想線の位置(径外方の退避位置)まで径外方に退避させて、係合ピン42をエネルギー吸収部材41に対して非係合とする。
【0025】
電気制御装置は、乗員の体格、車両の衝突速度、シートベルト着用・非着用等を検出するセンサ(図示省略)からの信号に応じて、各電磁ソレノイド43への通電・非通電を制御するものであり、上記した各信号から予測される乗員の二次衝突エネルギー(二次衝突時の衝撃)が極小である場合には、両電磁ソレノイド43を通電状態とし、二次衝突エネルギーが小である場合には、段付長孔41d側の電磁ソレノイド43のみを通電状態とし、二次衝突エネルギーが中である場合には、段付長孔41c側の電磁ソレノイド43のみを通電状態とし、二次衝突エネルギーが大である場合および車両の非衝突時には、両電磁ソレノイド43を非通電状態とする。
【0026】
上記のように構成したこの第1実施形態においては、車両の非衝突時、両電磁ソレノイド43が非通電状態とされていて、各電動アクチュエータEAの係合ピン42は図2に示したようにエネルギー吸収部材41における各段付長孔41c,41dの幅広部分にそれぞれ嵌合している。この状態では、各係合ピン42が各段付長孔41c,41dの幅広部内で軸方向に移動する限り、アウターチューブ21がエネルギー吸収部材41の各フィン部41bに係合することはなく、また、エネルギー吸収部材41の支持部41aがインナーチューブ22に対するアウターチューブ21の円滑な軸方向摺動を保証するため、円滑なテレスコピック調整が可能である。
【0027】
また、車両の衝突時で乗員の二次衝突エネルギーが極小である場合には、両電磁ソレノイド43が通電状態とされて、各電動アクチュエータEAの係合ピン42はエネルギー吸収部材41における各段付長孔41c,41dから径外方に退避しエネルギー吸収部材41に対して非係合となる。この状態では、両係合ピン42がエネルギー吸収部材41を塑性変形させることがないものの、ステアリングコラム20の軸方向収縮量が図1および図2の初期状態から設定値L1以上となったとき、アウターチューブ21がエネルギー吸収部材41の各フィン部41bに係合して塑性変形させ、エネルギー吸収荷重F1(1kN)を発生させる。したがって、このときには、上記したエネルギー吸収荷重F1により車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収することが可能である。
【0028】
また、車両の衝突時で乗員の二次衝突エネルギーが小である場合には、段付長孔41d側の電磁ソレノイド43のみが通電状態とされて、段付長孔41d側の電動アクチュエータEAの係合ピン42はエネルギー吸収部材41における段付長孔41dから径外方に退避しエネルギー吸収部材41に対して非係合となる。この状態では、段付長孔41d側の係合ピン42がエネルギー吸収部材41を塑性変形させることがないものの、ステアリングコラム20の軸方向収縮量が図1および図2の初期状態から設定値L1以上となったとき、段付長孔41c側の係合ピン42がエネルギー吸収部材41を塑性変形させるとともに、アウターチューブ21がエネルギー吸収部材41の各フィン部41bに係合して塑性変形させ、エネルギー吸収荷重F2+F1(2kN)を発生させる。したがって、このときには、上記したエネルギー吸収荷重F2+F1により車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収することが可能である。
【0029】
また、車両の衝突時で乗員の二次衝突エネルギーが中である場合には、段付長孔41c側の電磁ソレノイド43のみが通電状態とされて、段付長孔41c側の電動アクチュエータEAの係合ピン42はエネルギー吸収部材41における段付長孔41cから径外方に退避しエネルギー吸収部材41に対して非係合となる。この状態では、段付長孔41c側の係合ピン42がエネルギー吸収部材41を塑性変形させることがないものの、ステアリングコラム20の軸方向収縮量が図1および図2の初期状態から設定値L1以上となったとき、段付長孔41d側の係合ピン42がエネルギー吸収部材41を塑性変形させるとともに、アウターチューブ21がエネルギー吸収部材41の各フィン部41bに係合して塑性変形させ、エネルギー吸収荷重F3+F1(3kN)を発生させる。したがって、このときには、上記したエネルギー吸収荷重F3+F1により車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収することが可能である。
【0030】
また、車両の衝突時で乗員の二次衝突エネルギーが大である場合には、両電磁ソレノイド43が非通電状態とされて、両電動アクチュエータEAの各係合ピン42はエネルギー吸収部材41における各段付長孔41c,41dに嵌合していてエネルギー吸収部材41に対して係合している。この状態では、ステアリングコラム20の軸方向収縮量が図1および図2の初期状態から設定値L1以上となったとき、両係合ピン42がエネルギー吸収部材41をそれぞれ塑性変形させるとともに、アウターチューブ21がエネルギー吸収部材41の各フィン部41bに係合して塑性変形させ、エネルギー吸収荷重F3+F2+F1(4kN)を発生させる。したがって、このときには、上記したエネルギー吸収荷重F3+F2+F1により車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを吸収することが可能である。
【0031】
また、上記した車両の衝突時で、各係合ピン42がエネルギー吸収部材41を塑性変形させるときには、各係合ピン42の先端に設けた係合爪42aがエネルギー吸収部材41とインナーチューブ22間に差し込まれて各係合ピン42のエネルギー吸収部材41からの外れを防止するため、各係合ピン42によるエネルギー吸収部材41の塑性変形が保証される。
【0032】
上記した第1実施形態においては、エネルギー吸収部材41に段付長孔41c,41dを設けるとともに、各係合ピン42の先端に環状の係合爪42aを設けて実施したが、これらに代えて、図8〜図11にて例示した第2実施形態のように、エネルギー吸収部材141に長孔141c(他側の長孔は図示省略)を設けるとともに、この長孔141cの前端から前方に向けて延びる一対のV字状切欠141c1をエネルギー吸収部材141の内周に設け、また長孔141cに係合・非係合可能な係合ピン142の先端に前方に向けて突出する係合爪142aを設けて実施することも可能である。なお、第2実施形態のエネルギー吸収部材141、係合ピン142等以外の構成は、上記第1実施形態の構成と実質的に同じであるため、同一符号を付してその説明は省略する。
【0033】
この第2実施形態においては、各係合ピン142がエネルギー吸収部材141の長孔141cに嵌合して係合している場合、上記第1実施形態と同様に、ステアリングコラム20の軸方向収縮量が初期状態から設定値以上となったとき、係合ピン142がエネルギー吸収部材141をV字状切欠141c1に沿って切り裂いて塑性変形させ、所定のエネルギー吸収荷重を発生させる。なお、その他の作動は、上記第1実施形態の作動と実質的に同じであるため、その説明は省略する。
【0034】
上記第1実施形態においては、衝突エネルギー吸収機構40が、エネルギー吸収部材41に係合・非係合可能な一対の係合ピン42を備えていて、これら各係合ピン42が各段付長孔41c,41dに係合しているときにそれぞれ得られるエネルギー吸収荷重が異なる(F2<F3)ように設定して、当該衝突エネルギー吸収機構40にて得られるエネルギー吸収荷重を4段、すなわち、F1,F1+F2,F1+F3,F1+F2+F3に設定可能としたが、各係合ピン42が各段付長孔41c,41dに係合しているときにそれぞれ得られるエネルギー吸収荷重が同じ(F2=F3)となるように設定して、当該衝突エネルギー吸収機構40にて得られるエネルギー吸収荷重を3段とすることも可能である。
【0035】
また、上記各実施形態においては、衝突エネルギー吸収機構40が、エネルギー吸収部材41,141に係合・非係合可能な一対の係合ピン42,142を備えていて、これら各係合ピン42,142の係合・非係合によりエネルギー吸収荷重を3段または4段に設定可能として実施したが、これら係合ピンの個数は適宜増加して実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による衝撃吸収式ステアリングコラム装置の第1実施形態を示す部分破断側面図である。
【図2】 図1に示した第1実施形態の要部平面図である。
【図3】 図1のS1−S1線に沿った断面図である。
【図4】 図1のS2−S2線に沿った断面図である。
【図5】 図2の要部拡大断面図である。
【図6】 図5に示したエネルギー吸収部材と係合ピンの関係を示す側面図である。
【図7】 図5のS3−S3線に沿った断面図である。
【図8】 第2実施形態の衝突エネルギー吸収機構を示した図5相当の要部拡大断面図である。
【図9】 図8に示したエネルギー吸収部材と係合ピンの関係を示す側面図である。
【図10】 図8のS4−S4線に沿った断面図である。
【図11】 図9に示したエネルギー吸収部材のS5−S5線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト、11…アッパシャフト、12…ロアシャフト、20…ステアリングコラム、21…アウターチューブ、22…インナーチューブ、40…衝突エネルギー吸収機構、41…エネルギー吸収部材、41a…支持部、41b…フィン部、41c,41d…段付長孔、EA…電動アクチュエータ、42…係合ピン、42a…係合爪、43…電磁ソレノイド、A…上方支持機構、B…下方支持機構。

Claims (3)

  1. ステアリングシャフトを回転自在に支持して軸方向にて収縮可能なステアリングコラムがアウターチューブとインナーチューブを備え、前記アウターチューブと前記インナーチューブ間に、車両の衝突時における乗員の二次衝突エネルギーを前記ステアリングコラムの軸方向収縮によって吸収する衝突エネルギー吸収機構を介装してなる衝撃吸収式ステアリングコラム装置であって、
    前記衝突エネルギー吸収機構は、前記インナーチューブの外周に一体的に組付けられていて塑性変形によってエネルギー吸収荷重を発生させるエネルギー吸収部材と、前記アウターチューブに径方向に移動可能に組付けられていて電磁ソレノイドの作動に応じて径内方の進入位置と径外方の退避位置に移動可能な係合ピンを備えていて、
    この係合ピンは、径内方の進入位置にあるとき、前記ステアリングコラムの設定値以上の軸方向収縮に伴って先端部にて前記エネルギー吸収部材に係合して前記エネルギー吸収部材を塑性変形可能であり、径外方の退避位置にあるとき、前記ステアリングコラムの軸方向収縮に拘わらず前記エネルギー吸収部材に対して非係合で前記エネルギー吸収部材を塑性変形不能であって、先端には同係合ピンにより前記エネルギー吸収部材が塑性変形されるときに前記エネルギー吸収部材と前記インナーチューブ間に差し込まれる係合爪が設けられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  2. 請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記係合ピンが複数個設けられていて、これら各係合ピン前記エネルギー吸収部材に対する係合・非係合によりエネルギー吸収荷重を3段以上に設定可能であることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
  3. 請求項1または2に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム装置において、前記エネルギー吸収部材が、前記インナーチューブに組付けられて前記アウターチューブを軸方向へ摺動可能に支持する支持部と、前記ステアリングコラムの設定値以上の軸方向収縮時に前記アウターチューブの端部にて塑性変形可能なフィン部を有して、樹脂素材にて形成されていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
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