JP3900976B2 - 空気調和機および空気調和機の運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、再熱除湿機能を有する空気調和機および空気調和機の運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の特許第3181418号に掲載されている再熱除湿機能を有する空気調和機における冷媒の主な流れを示す冷媒回路図である。図において、1は室外ユニット、2は室内ユニット、3、4は冷媒配管、5は圧縮機、6は四方弁、7は室外熱交換器、8は室外送風機、12は減圧手段、15は第1室内熱交換器、16は減圧手段、17は第2室内熱交換器、31は減圧手段16と並列に設けられた開閉弁である。
【0003】
以下、再熱除湿運転時の動作について説明する。四方弁6を図8の実線で示すように接続し、かつ、室内ユニット2内の開閉弁31を閉止する。第1、第2室内熱交換器15、17は再熱器15と蒸発器17として動作する。
圧縮機5で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、四方弁6を経て室外熱交換器7に入り、外気に放熱して所定の乾き度の高圧二相冷媒となる。この冷媒は減圧手段12を通過するが、再熱除湿運転時にはこの減圧手段12は全開とされ、ほとんど圧力低下することなく冷媒配管3を通過し、再熱器15へと導かれる。ここで、室内空気に放熱して凝縮液化し、減圧手段16によって減圧膨張した後、蒸発器17で室内空気から吸熱しガス化する。このガス冷媒は冷媒配管4を通過し四方弁6を経て圧縮機5の吸入側に戻る。
室内ユニット2では、蒸発器17で吸熱されて冷却除湿された空気と再熱器15で加熱された空気が混合して、室内に再び吹き出される。これにより吸込んだ室内空気はほとんど温度変化せずに除湿のみが行われて室内へ吹き出される。室外ユニット1における室外熱交換器7の伝熱量を小さくするためには、室外送風機8の回転数を小さくするなどの手段がこうじられる。
【0004】
再熱除湿運転は回路としては冷房運転と同様に冷媒を循環させ、室外熱交換器7での放熱を小さくして液化させず、かつ減圧手段12を全開あるいは迂回して減圧することなく第1室内熱交換器である再熱器15に高圧二相冷媒を搬送することで再熱量を得ている。ここで再熱器15に流入する冷媒が液冷媒になってしまうと、冷媒の潜熱を利用することができず、液冷媒の顕熱分のわずかな再熱量しか得ることができない。このため、再熱除湿運転時は室外ユニット1では極力凝縮させずに高圧のまま再熱器15に二相冷媒を送ることが、再熱量を得るために必要となる。
【0005】
また、例えば業務用に用いられる一般の空気調和機では、設置場所の状況に応じて、数mから数十mの延長配管が用いられるが、通常、設置現場において延長配管長に応じた冷媒量調節の必要がないように、例えば30mの延長配管までは追加充填不要な量の冷媒が予め封入されている。そして、冷凍サイクル中に液溜めを配設し、延長配管が短い場合においては余剰冷媒を液溜めに収容し、適正な冷媒量で運転できるように設計されている。
しかし、再熱除湿運転では凝縮器として作用する室外熱交換器7の出口を二相状態にするため、冷房運転時には室外熱交換器7の出口に存在する過冷却液が不要となり、余剰冷媒が増大する。液溜めにその余剰冷媒を収容できない場合には室内ユニット2内の凝縮器として作用する再熱器15が余剰冷媒で満たされてしまい、液冷媒の顕熱分しか室内空気の加熱に寄与しない。再熱器15が充分大きく、余剰液冷媒をすべて収容しても満液とならない場合には、上記のような問題は生じないが、通常は室内熱交換器を2つに分割して一方に再熱機能を持たせており、それほど大きくはできない。このため、再熱器15が液冷媒で満たされて、顕熱分の再熱量しか得られない。
【0006】
また、設置場所の延長配管長に応じて冷媒を充填するようにした場合には、予め設置場所の検討した上で冷媒量を充填するか、最大の冷媒量を充填しておいて設置時に適量になるように充填した冷媒を抜くという作業が必要になる。
また、上記の作業を行って設置場所に応じた量の冷媒を冷凍サイクルに循環させたとしても、冷媒の蒸発熱を利用した冷房運転、冷媒の凝縮熱を利用した暖房運転、両者を利用した再熱除湿運転では、冷媒の適正量が異なる。各運転で同一の冷媒量で運転すると、効率のよい運転を行なうことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、設置場所に汎用性を持たせるために長い延長配管を予め有する場合には、延長配管を設置場所に合わせると共に、これに適正な冷媒量を充填する必要があった。また、予め長い延長配管に追加充填不要な冷媒量を充填した場合には、効率のよい空気調和機の運転を行うことができず、特に再熱除湿運転で十分な再熱量を得ることができないという問題点があった。
また、冷房運転や暖房運転や再熱除湿運転でも冷媒量差が生じ、適正な冷媒量で各運転を行うことができないという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、余剰液冷媒を貯溜することで、設置場所に合わせた量の冷媒を充填しておく必要がなく、また冷房運転、暖房運転、再熱除湿運転それぞれの運転効率を低下させることなく、且つ再熱除湿運転時に再熱器が液冷媒で満たされることなく、高圧二相冷媒を再熱器に送ることで、大きな再熱量が得られる空気調和機を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、流量制御手段、第1室内熱交換器、除湿用流量制御手段、第2室内熱交換器を冷媒配管で順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち余剰液冷媒を溜める室外熱交換器と流量制御手段の間に配置された液溜め手段と、再熱除湿時に液溜め手段と流量制御手段に対し迂回して循環する冷媒を流す液溜め手段迂回路と、液溜め手段迂回路への分岐部から液溜め手段の出口までのいずれか一部の冷媒を冷却液化して液溜め手段に貯留する冷却手段と、を備えたものである。
【0010】
この発明に係る空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、流量制御手段、第1室内熱交換器、除湿用流量制御手段、第2室内熱交換器を冷媒配管で順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち余剰液冷媒を溜める室外熱交換器と流量制御手段の間に配置された液溜め手段と、液溜め手段への冷媒流路に対し液溜め手段と流量制御手段を迂回可能な液溜め手段迂回路と、液溜め手段迂回路への分岐部から液溜め手段の出口までのいずれか一部の冷媒を冷却液化して液溜め手段に貯留する冷却手段と、を備え、室外熱交換器からの冷媒を再熱運転時に液溜め手段を介す流路と液溜め手段迂回路を介す流路を並行して前記第1室内熱交換器へ送るようにしたものである。
【0012】
この発明に係る空気調和機は、液溜め手段迂回路への分岐部から液溜め手段の出口までの冷媒と圧縮機の吸入側冷媒とを熱交換することで冷媒を冷却液化するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る空気調和機は、第1室内熱交換器の入口と第2室内熱交換器の入口を連通する入口側冷媒配管と、第1室内熱交換器の出口と第2室内熱交換器の出口を連通する出口側冷媒配管と、入口側冷媒配管と出口側冷媒配管のそれぞれを開閉する入口側開閉手段と出口側開閉手段と、を備え、入口側開閉手段と出口側開閉手段を開放して第1室内熱交換器及び第2室内熱交換器を並列接続可能としたものである。
【0016】
この発明に係る空気調和機は、除湿用流量制御手段と並列に設置されたバイパス流路と、このバイパス流路に設けられた開閉手段と、を備え、開閉手段を開放して第1室内熱交換器及び第2室内熱交換器を直列接続可能としたものである。
【0017】
この発明に係る空気調和機は、除湿用流量制御手段は、オリフィス部とその上流及び下流の少なくともどちらか一方に多孔質透過材による整流部を有するものである。
【0019】
この発明に係る空気調和機の運転方法は、所定長さの延長配管を考慮した冷媒量を予め充填した室外ユニットを、現地でその設置場所に応じた長さの延長配管を介して室内ユニットと接続するステップと、を備えたものである。
【0020】
この発明に係る空気調和機の運転方法は、液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったことを判断する際に、室外ユニットの熱交換器出口付近冷媒状態の過冷却度が所定の値以下になったときに液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったと判断するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。図において、1は室外ユニット、2は室内ユニット、3、4は冷媒配管で、室外ユニット1と室内ユニット2は、冷媒配管である液管3およびガス管4によって接続され、冷媒を循環させて冷凍サイクルを構成している。
室外ユニット1において、5は圧縮機、6は流路切換手段で例えば四方弁、7は室外熱交換器、8は室外熱交換器7と外気との熱交換量を調節する室外送風機、9は例えば電気式膨張弁などの流量制御手段でここでは第1減圧手段、10は液溜め手段で例えば受液器、11は受液器10内の冷媒を冷却する冷却手段である。ここで冷却手段11は例えば圧縮機5の吸入側冷媒配管である吸入管であり、受液器10の内部に吸入管11を挿入することで、受液器10内の冷媒を冷却している。12は例えば電気式膨張弁などの流量制御手段でここでは第2減圧手段、13は受液器10、第1、第2減圧手段9、12を迂回する液溜め手段迂回路で、ここではバイパス流路であり、開閉手段である開閉弁14によって開閉される。
【0022】
また、室内ユニット2において、15は第1室内熱交換器、16は例えばオリフィスを有し再熱除湿時に減圧手段となる除湿用流量制御手段で例えば除湿弁、17は第2室内熱交換器、18、19は開閉手段でここでは開閉弁であり、入口側開閉弁18は第1、第2室内熱交換器15、17の入口を連通する入口側冷媒配管18aに設けられこの冷媒配管18aを開閉する。同様に、出口側開閉弁19は第1、第2室内熱交換器15、17の出口を連通する出口側冷媒配管19aに設けられこの冷媒配管19aを開閉する。なお、この空気調和機で使用される冷媒は、例えば低沸点冷媒であるR410Aである。
【0023】
この空気調和機では、冷房運転、暖房運転、再熱除湿運転を行うことができ、以下、第1室内熱交換器15を凝縮器、第2室内熱交換器17を蒸発器として機能させる再熱除湿運転の動作について説明する。
第1減圧手段9は所定の開度で開かれ、第2減圧手段12は開放、開閉弁14は開放、開閉弁18および19は閉止し、四方弁6は実線で示すように接続して運転する。図2は再熱除湿運転を行ったときの冷凍サイクルの動作を示すP―h線図で、横軸は比エンタルピーh(kcal/kg)、縦軸は圧力P(Mpa)である。
【0024】
Aは圧縮機5から吐出された高圧ガスであり、室外熱交換器7で外気と熱交換して凝縮液化する。ここで、室外送風機8は極低速あるいは停止状態であり、外気への放熱を抑制するように制御され、所定の乾き度の高圧二相冷媒状態Bとなる。開閉弁14は開放されており、大部分の冷媒はバイパス流路13を流れる。また、所定の開度で開かれた第1減圧手段9を通って受液器10にもわずかに冷媒が流れる。受液器10に流入した例えば40℃程度の高圧二相冷媒は、例えば5℃程度の低温である吸入管11と熱交換して凝縮液化し、飽和液状態Cとなって受液器10内に貯溜される。液冷媒の一部は全開となっている第2減圧手段12を通ってバイパス流路13を流れる冷媒と合流し、所定の乾き度の高圧二相状態Dとなって室外ユニット1から流出し液管3へと流れる。
【0025】
室内ユニット2では開閉弁18、19は閉止されており、状態Dから液管3を通ってわずかに圧力低下した高圧二相冷媒Eのすべてが第1室内熱交換器15へ流入する。第1室内熱交換器15は再熱器として室内空気に放熱し、冷媒は凝縮して過冷却液状態Fとなる。この後除湿弁16へ流入し、減圧されて低圧二相状態Gとなり、第2室内熱交換器17へ流入する。第2室内熱交換器17は蒸発器として室内空気から吸熱し、冷媒は蒸発して状態Hとなる。この冷媒は、ガス管4を通って室外ユニット1へ戻り、吸入管11で受液器10内の冷媒と熱交換を行い、過熱ガス状態Iとなって再び圧縮機5へ吸入される。
【0026】
室内ユニット2に吸込まれた室内空気は、第2室内熱交換器17で熱交換した後、第1室内熱交換器15で熱交換する。即ち、吸込まれた室内空気は、第2室内熱交換器17で冷媒が蒸発することによって冷却除湿される。次に、第1室内熱交換器15で冷媒が凝縮することによって加熱され、室内に吹き出される。このため、吹き出される空気は吸い込まれた空気とほとんど等しい温度で、除湿のみがなされ、室温が低下しない除湿が可能となる。
【0027】
以上のように、受液器10内に流入する二相冷媒を冷却する冷却手段11を設けることで、室外熱交換器7から流出する冷媒が高圧二相冷媒であっても受液器10内に余剰冷媒を液冷媒として貯溜することが可能となる。さらに、受液器10を迂回するバイパス流路13を設けているので、室外熱交換器7から流出する高圧二相冷媒を再熱器である第1室内熱交換器15へ送ることが可能となる。この再熱器15で高圧二相状態である冷媒を凝縮することで、図2のJに示すように大きな再熱量が得られる。
【0028】
なお、図1の構成で受液器10内の冷媒を冷却する冷却手段11がない場合、受液器10に余剰冷媒を液冷媒として貯溜するためには、受液器10の入口における冷媒状態を液冷媒とすることが必要となり、必然的に室外熱交換器7の出口における冷媒状態も液冷媒となる。このため、バイパス流路13を流れる冷媒も液冷媒となり、液管3を流れる冷媒は液状態となる。従って再熱器15に流入する冷媒は液冷媒となってしまい、高温液冷媒の顕熱分しか室内空気の加熱量をもたず、再熱量不足となる。
【0029】
また、図1の構成でバイパス流路13がない場合には、室外熱交換器出口を二相冷媒とすることは可能であるが、受液器10に液冷媒が貯溜されると受液器10の出口における冷媒状態が液冷媒となる。このため、液管3を流れる冷媒は液冷媒となり、上記同様に再熱器15は過冷却液で満たされ、再熱量不足となる。
【0030】
上記では冷却手段11として圧縮機5の吸入側を流れる冷媒を利用した。しかし、冷却手段11は、バイパス流路13への分岐点の下流側から受液器10の出口までの冷媒を冷却する構成のものであれば、室外熱交換器7から流出した高圧二相冷媒を冷却液化して受液器10に溜めることができ、その構成はどのようなものでもよい。
例えば、図3に示すような受液器10内の冷媒を冷却する冷却手段11でもよい。図3は冷却手段11と受液器10付近を示す構成図であり、図において、29は減圧手段である。この減圧手段29は受液器10から流出する冷媒液を減圧して低温二相冷媒とする。この低温二相冷媒によって受液器10内の高温二相冷媒を冷却して液冷媒とし、受液器10に貯溜させる。受液器10内の冷媒から吸熱した冷媒は、ガス冷媒となり圧縮機5の吸入側に戻される。
このように、冷凍サイクルを構成する冷媒配管を利用してもよいし、例えば冷却水を流すなど、別の冷却手段を用いてもよい。
また、バイパス流路13への分岐点の下流側から受液器10の入口までの冷媒配管と吸入管とを接触させることで、この部分の冷媒配管を流れる冷媒を冷却して液冷媒として受液器10に流入させるようにしてもよい。バイパス流路13への分岐点の下流から受液器10の出口までの冷媒を冷却液化して、受液器10に液冷媒を溜める構成であればよい。
【0031】
ただし、図1に示したように吸入側冷媒配管を冷却液化に用いることで、以下のような効果も奏する。圧縮機5の吸入側冷媒は過熱ガスとなるように制御される。ところが第2室内熱交換器17内の配管のパスバランスが悪いと、あるパスでは著しく過熱度が大きくなり、熱交換器性能を十分に利用することができない。また、吸入側冷媒を二相状態とすると熱交換器性能は有効に利用できるが、圧縮機運転効率の低下および信頼性の低下を招く。そこで、第2室内熱交換器17から流出する冷媒を受液器10内の冷媒から吸熱させることで、第2室内熱交換器17から流出する冷媒が二相状態であったとしても、ガス冷媒として圧縮機5に戻すことができる。このため、第2室内熱交換器17出口の冷媒を必ずガス冷媒とするのに比べて、制御が容易になる。
【0032】
再熱除湿運転で受液器10に溜まる液冷媒の量は、第1減圧手段9又は第2減圧手段12の開度によって制御可能である。第1減圧手段9の開度によって室外熱交換器7から流出する二相冷媒が受液器10側に流れる量とバイパス流路13側に流れる量との割合を制御できる。例えば受液器10側に流れる量:バイパス流路13側に流れる量を3:7程度になるように、第1減圧手段9の開度を設定している。また、上記動作の説明では、第2減圧手段12を全開としているが、第1減圧手段9を全開として第2減圧手段12の開度を制御することで、受液器10側に流れる量を制御することもできる。この受液器10側に流れる冷媒の量によって受液器10に溜まる液冷媒の量が決まってくる。
【0033】
次に、冷房運転の動作について説明する。
冷房運転時は、第1減圧手段9、第2減圧手段12はそれぞれ所定の開度で開かれ、バイパス流路13に設けられている開閉弁14は閉止、室内ユニット2の開閉弁18および19は開放、四方弁6は実線で示すように接続して運転する。
圧縮機5から吐出されたガス冷媒は四方弁6を通って室外熱交換器7で凝縮液化し、過冷却液冷媒となって第1減圧手段9へ流入する。第1減圧手段9は所定開度に固定か、あるいは室外熱交換器7出口の過冷却度を所定値に調節するように開度が制御され、ここを通過した冷媒は中圧二相状態で受液器10へ流入する。受液器10では吸入管11によって冷媒が凝縮液化し、飽和液冷媒となって貯溜されると共にその一部が第2減圧手段12へと流れる。第2減圧手段12は圧縮機5の吸入ガスの過熱度が所定値になるよう開度が調節され、ここを通過する冷媒は減圧膨張して低圧二相状態となって室内ユニット2へと流れる。
【0034】
室内ユニット2においては開閉弁18、19が開放されているため、第1室内熱交換器15および第2室内熱交換器17の入口同士および出口同士が連通しており、冷媒はそれぞれの室内熱交換器15、17に並列に流れ、室内空気と熱交換して蒸発する。室内ユニット2で蒸発してガス冷媒となりガス管4を通って室外ユニット1へ戻る。そして、吸入管11で受液器10内の冷媒と熱交換し、過熱ガスとなって圧縮機5へ吸入される。
【0035】
このように、この実施の形態では、冷媒回路に封入されている冷媒のうちの余剰冷媒は、冷房運転しながら受液器10に溜めることができる。
また、冷房運転時には開閉弁18、19を開放して第1、第2室内熱交換器15、17を並列に接続し、除湿弁16には冷媒がほとんど通過しないように構成する。このため、それぞれの室内熱交換器15、17を冷媒が並行して流れ、除湿弁16を通過する際の圧力損失が生じることがない。第1、第2室内熱交換器15、17がそれぞれ内部で複数の流路に分岐され、それぞれの入口側の分岐部分にディストリビュータ(図示せず)が用いられている場合には、その部分で大きな圧力損失が生じてしまう。例えば第1、第2室内熱交換器15、17が直列に接続されている場合にはディストリビュータを二度通過することになり、効率低下を招く。特に第2室内熱交換器17の入口側でディストリビュータを通過する場合には、冷媒は第1室内熱交換器15によって蒸発したことでガス冷媒量の多い二相状態であり大幅に効率が低下する。これに対し、この実施の形態のような第1、第2室内熱交換器15、17を並列に接続した構成では、冷房運転時にディストリビュータを二度通過することによる効率低下を回避することができる。さらにガス冷媒量の多い二相状態でディストリビュータを通過する構成ではないので、大幅な効率低下を回避できる。
【0036】
次に、暖房運転の動作について説明する。
第1減圧手段9、第2減圧手段12はそれぞれ所定の開度で開かれ、開閉弁14は閉止、開閉弁18、19は開放、四方弁6は点線で示すように接続して運転する。
暖房運転では四方弁6を点線のように切換えることにより冷房運転での冷媒循環の方向とは逆に冷媒を循環させる。圧縮機5から吐出されたガス冷媒は四方弁6、ガス管4を通って室内ユニット2へ流れる。室内ユニット2においては開閉弁18,19が開放されているため、第1室内熱交換器15および第2室内熱交換器17の入口同士および出口同士が連通している。冷媒はそれぞれの室内熱交換器15、17に並列に流れ、室内空気と熱交換して凝縮液化する。凝縮液化して過冷却液となった冷媒は、液管3を通って室外ユニット1へ流れて第2減圧手段12へ流入する。
【0037】
室外ユニット1の第2減圧手段12は所定開度に固定か、あるいは室内熱交換器15、17の出口の過冷却度を所定値に調節するように開度が制御され、ここを通過した冷媒は中圧二相状態で受液器10へ流入する。受液器10では吸入管11によって冷媒が凝縮液化し、飽和液となって貯溜されると共に、その一部が第1減圧手段9へと流れる。第1減圧手段9は圧縮機5の吸入ガスの過熱度が所定値になるよう開度が調節され、ここを通過する冷媒は減圧膨張して低圧二相状態となって室外熱交換器7へ流入する。室外熱交換器7で外気と熱交換して蒸発したガス冷媒は、吸入管11で受液器10内の冷媒と熱交換し、過熱ガスとなって圧縮機5へ吸入される。
【0038】
このように、暖房運転においても冷媒回路に封入されている冷媒のうちの余剰冷媒は、暖房運転しながら受液器10に溜まっていく。
また、この運転でも、室内熱交換器15、17を並列に冷媒が流れるように構成されており、直列に接続するよりも圧力損失を低くすることができ、運転効率が低下するのを防ぐことができる。
【0039】
冷凍サイクルでは、通常各運転で必要な冷媒は、暖房運転が一番多く、冷房運転では暖房運転よりも少ない冷媒量であることが好ましく、再熱除湿運転ではさらに両者よりも少ない冷媒量であることが好ましい。この実施の形態では、冷房運転、暖房運転、再熱除湿運転において、封入されている冷媒のうちそれぞれの運転で余剰となる液冷媒を、運転しながら受液器10に溜め、効率よくそれぞれの運転を行うことができる。このため、各運転において生じる冷媒量の差を、外部から補填したり抜いたりする必要がない。
特に再熱除湿運転で余剰冷媒が多すぎると、再熱器となる第1室内熱交換器15が液冷媒で満たされてしまい、十分な再熱量が得られない。これに対し、余剰液冷媒を溜める液溜め手段として受液器10を冷凍サイクル内に設けることで、再熱器が液冷媒で満液になるのを防止でき、再熱量を多く得ることができる。
さらに、数十m程度の延長配管を想定して冷媒量を封入しておいても、余剰液冷媒を受液器10に溜めることができるので、室内ユニット2と室外ユニット1の距離を容易に可変にでき、両者間の距離において設置条件を制限することなく汎用性の高い空気調和機となる。
受液器10の容量は、封入冷媒量をほとんど全て収納できる程度の容量、例えば、ここでは数十mの延長配管を考慮しており、数リットル程度の容量のものを用いる。延長配管を考慮せず、冷房運転、暖房運転、再熱除湿運転の各運転での冷媒量の差を受液器10に溜める場合には、数100ccの容量があれば十分である。
【0040】
また、受液器10を高圧側に設けているので、低圧側に設けた構成で生じる冷房運転時及び暖房運転時の運転効率低下を防止できる。即ち、第2室内熱交換器17の出口と圧縮機5の入口の間の低圧側に液溜め手段として受液器10を設置した場合には、液冷媒をアキュムレータに溜めかつ冷凍サイクルを効率よく運転することが困難となる。例えば冷房運転時には室内熱交換器17の出口で二相冷媒となり、またアキュムレータに液冷媒と共に溜まっている圧縮機油を圧縮機5に戻す際に液冷媒も混合してしまい、圧縮機5の吸入側の冷媒が若干湿り状態になってしまう。これは暖房運転時にも同様である。さらに、アキュムレータ内での急拡大急縮小が圧力損失となり、冷媒流量が減少することなどにより運転効率の低下を招くこともある。
この実施の形態では、高圧側に余剰液冷媒を貯溜することで、冷房運転時及び暖房運転時の運転効率を低下させることなく、且つ再熱除湿運転時に高圧二相冷媒を再熱器に送ることが可能な空気調和機を得ることができる。
【0041】
また、ここで述べた空気調和機は暖房機能も有するものとしたが、暖房機能を必要としない場合には、流路を切換える流路切換手段である四方弁6が必要なくなる。さらに、必ずしも受液器10の上流側にある第1減圧手段9は必要ではなく、省略しても同様の効果が得られる。第1減圧手段9を設けない場合の冷房運転では、室外送風機8の風量によって、室外熱交換器7の出口の過冷却度を制御すればよい。
【0042】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。実施の形態1では吸入管を受液器10内に挿入し、受液器10内の冷媒を冷却液化する冷却手段11を有する構成としたが、この実施の形態では冷却手段を設けずに余剰液冷媒を受液器10に溜めることができる。
図における第1、第2減圧手段9、12は例えば電気式膨張弁であり、共に全閉することが可能な構成のものである。第1、第2減圧手段9、12と開閉弁14によって、室外熱交換器7から受液器10への冷媒流れと液溜め手段迂回路13への冷媒流れを切換える切換手段を構成している。
【0043】
以下、再熱除湿運転の動作について説明する。
空気調和機の電源がオンとなった後にすぐに再熱除湿運転が要求された場合、再熱除湿運転に入る前にまず冷房運転を行なう。この冷房運転時の動作は前述の実施の形態1と全く同様であり、室外ユニット1の開閉弁14は閉止、第1減圧手段9、第2減圧手段12はそれぞれ所定の開度で開かれ、室内ユニット2の2つの開閉弁18,19は開放する。この状態で、実施の形態1に記載した冷房運転と同様の冷房運転をしばらく行ったのち、再熱除湿運転を行う。
例えば室外熱交換器7の出口における冷媒の状態を監視し、その過冷却度が5℃以下、例えば2℃程度の過冷却度になったら、受液器10には所定量の余剰液冷媒が貯溜され、冷凍サイクル内を循環する冷媒量が再熱除湿運転に適正量になったと判断できる。そこで、再熱除湿運転へ切換える。ここで、再熱除湿運転での冷凍サイクルの循環冷媒量は、冷房運転よりも少ない方が好ましい。通常の冷房運転では、室外熱交換器7の出口における冷媒の過冷却度が5℃程度で運転しており、この過冷却度以下に制御することで、冷房運転に適正な量よりも多くの液冷媒を受液器10に貯溜できる。
【0044】
再熱除湿運転へ切換える際、第1減圧手段9および第2減圧手段12を完全に閉止し、冷凍サイクルでの余剰液冷媒を受液器10内に隔離する。冷凍サイクル内には封入冷媒量より少ない量の冷媒が循環することになる。この状態で、再熱除湿運転の回路を構成するように、開閉弁14を開放し、室内ユニット2内の開閉弁18,19を閉止する。冷房運転時に室外熱交換器7に存在していた過冷却液は再熱器15内に移動するが、余剰液冷媒は受液器10内に隔離されているため、再熱器15が満液になることはない。再熱除湿運転では、室外送風機8の風量を極低速か停止状態になるように調節し、室外熱交換器7の出口における冷媒状態が高圧二相状態で流出するように運転する。このため、再熱器15の入口における冷媒状態は高圧二相状態のまま運転可能となり、再熱量を大きくすることができる。
【0045】
このように、余剰冷媒を受液器10内に隔離し、冷凍サイクル中に再熱除湿運転に適正量の冷媒を残存させることによって、室外熱交換器7の出口B、Dおよび再熱器15の入口Eにおける冷媒の状態を高圧二相状態にすることが可能となる。このため、封入冷媒量が多くても、高圧二相状態のまま冷媒を室内熱交換器15に送ることができ、再熱量を多くとることができる。
【0046】
なお、上記では、冷房運転で受液器10に余剰液冷媒が溜まったことを、室外熱交換器7の出口での冷媒状態で判断したが、これに限るものではない。例えばその空気調和機で冷房運転を行った時に予め余剰液冷媒が溜まる時間を求め、この時間だけ冷房運転を行うようにしてもよい。また、受液器10の液面を計測する液面センサを設け、この液面センサの検知によって冷房運転から再熱除湿運転に切換えるようにしてもよい。
【0047】
また、上記では第1、第2減圧手段9、12と開閉弁14によって、室外熱交換器7から受液器10への冷媒流れと液溜め手段迂回路13への冷媒流れを切換える切換手段を構成している。切換手段はこれに限るものではなく、例えば、液溜め手段迂回路13の上流及び下流の分岐部および合流部に、三方弁を配設しても、流路を切換えることができる。
【0048】
また、この構成で、実施の形態1のように受液器10内の冷媒を冷却する冷却手段を備えてもよい。受液器10内の冷媒を冷却することにより、再熱除湿運転の前に行う冷房運転において、受液器10に二相冷媒が流入した場合にも液冷媒とすることができ、受液器10内に余剰液冷媒を速く溜めることができる。この冷却手段は、図1や図3に示したように、冷凍サイクルを構成する冷媒配管を利用してもよいし、例えば冷却水を流すなど、別の冷却手段を用いてもよい。
また、実施の形態1でも述べたが、バイパス流路13への分岐部から受液器10の入口までの冷媒を冷却するような冷却手段を設けてもよい。
この実施の形態では、空気調和機の電源オン後すぐに再熱除湿運転が要求された場合に、再熱除湿運転を行なう前に冷房運転を行なうものであり、冷房運転を行なう時間を短くできることは、利用者の要求を早く行なうことができるという効果がある。
【0049】
空気調和機の電源オン後、冷房運転または暖房運転を行った後に再熱除湿運転が要求された場合には、受液器10に余剰冷媒が溜まった状態であるので、予め冷房運転を行う必要はない。この場合には、すぐに第1、第2減圧手段9、12を完全に閉止して余剰冷媒を冷凍サイクルから隔離し、開閉弁14を開放、開閉弁18、19を閉止して、再熱除湿運転を行なえばよい。
【0050】
また、再熱除湿運転を行う前に受液器10に余剰液冷媒を溜めるために冷房運転を行うようにしたが、梅雨時などの気温の低い日に冷房運転を行ないたくない時には、まず暖房運転を行うようにしてもよい。実施の形態1で説明したように、暖房運転によっても受液器10に余剰液冷媒を溜めることができる。そして余剰液冷媒が受液器10にある程度溜まり、再熱除湿運転に適正量の冷媒が冷凍サイクルを循環するようになった時点で再熱除湿運転に切換えればよい。ただし、ここでは再熱除湿運転での冷媒の循環を冷房運転と同様にしており、暖房運転後に再熱除湿運転を行なうよりも、冷房運転後に再熱除湿運転を行なう方がスムーズに冷媒回路を切換えることができる。
【0051】
図4の構成において、冷房運転及び暖房運転は、実施の形態1と同様に行なわれ、構成、動作、作用効果は実施の形態1と同様である。ここでは詳細な説明は省略する。
【0052】
さらに、実施の形態1と同様、以下のような構成、動作、及び作用効果を奏する。即ち、冷暖房運転時には第1、第2室内熱交換器15、17を並列に接続し、除湿弁16には冷媒が通過しないように構成する。これにより、それぞれの室内熱交換器15、17に冷媒を並行して流すことで、圧力損失の増加を防止でき、圧力損失の増大による大幅な効率低下を回避できる。
【0053】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。なお、実施の形態1、2と同一又は相当部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図において、30、31は開閉手段、例えば開閉弁である。30aはガス冷媒配管で、受液器10の上部から開閉弁30を介して第2減圧手段12の下流に受液器10内のガスを流す流路である。31aはバイパス流路で、除湿弁16と並列に接続されている。この実施の形態では、室外熱交換器7の出口Bから受液器10の出口Cまでの間に実施の形態1に示した冷却手段を設けていない。開閉弁30の開閉によってガス冷媒配管30aの開閉が行われる。また、室内ユニット2においてはバイパス流路31aに開閉弁31が設けられ、開閉弁31を開閉することで、バイパス流路31aの開閉が行われる。
【0054】
この実施の形態での再熱除湿運転の動作について説明する。この実施の形態においては、再熱除湿運転時に第1、第2減圧手段9、12は全開として圧力低下のないように制御すると共に、開閉弁30を開放、開閉弁31を閉止する。四方弁6は実線で示す様に接続する。
圧縮機5から吐出された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器7で外気と熱交換して凝縮液化する。ここで、室外送風機8は極低速あるいは停止状態であり、外気への放熱を抑制するよう制御され、冷媒は所定の乾き度の高圧二相冷媒状態となる。第1減圧手段9は開放されており、冷媒は高圧二相冷媒状態のまま受液器10に流入する。
【0055】
高圧二相冷媒状態で受液器10に流入した冷媒は、開閉弁30を介したガス冷媒配管30aがない場合には、そのまま高圧二相冷媒で減圧手段12を通って流出するので、受液器10には余剰液冷媒が溜まらない。この実施の形態では受液器10の上部からガス冷媒配管30aを設けている。このため、流入した高圧二相冷媒は分離してガス冷媒が受液器10の上方に溜まると共に、液冷媒は飽和液冷媒となって受液器10の下方に溜まる。受液器10の上部のガス冷媒は開閉弁30を介してガス冷媒配管30aを流れる。一方、受液器10の下方から飽和液冷媒の一部が第2減圧手段12を通って流出し、ガス冷媒と合流する。そして、高圧二相冷媒となって液管3を介して室内ユニット2に流れる。そして再熱器として機能する第1室内熱交換器15へと送られ、ここで高圧二相冷媒は凝縮液化し、過冷却液冷媒となって除湿弁16を通過する。除湿弁16で減圧されて低圧二相冷媒となり、第2室内熱交換器17において蒸発し、ガス管4を通って再び圧縮機5に吸入される。
【0056】
この構成では、実施の形態1のように、室外熱交換器7の出口Bから受液器の出口Cまでの間に冷却手段を設けず、かつ、受液器10及び減圧手段9、12を迂回する液溜め迂回路を設けずとも、受液器10内のガス冷媒を受液器10の出口の液冷媒と合流させることにより、再熱器15の入口Eにおける冷媒を高圧二相冷媒とすることが可能となる。この開閉弁30は、電磁弁等による開閉動作の他、可変絞り手段として、ガス側の流量を調節できるようにしてもよい。
【0057】
ここで受液器10に溜まる冷媒液の量は、室外熱交換器7での凝縮の程度によって決まる。即ち、室外送風機8の風量によって変化する。そこで第2室内熱交換器17の出口での乾き度を監視し、所定の乾き度になるように、室外送風機8の風量を制御すればよい。
【0058】
この実施の形態において、実施の形態1と同様に受液器10内の冷媒を冷却する冷却手段を設けてもよい。受液器10内の冷媒を冷却することにより、受液器10内に余剰液冷媒を速く確実に溜めることができる。この冷却手段は、図1や図3に示したように、冷凍サイクルを構成する冷媒配管を利用してもよいし、例えば冷却水を流すなど、別の冷却手段を用いてもよい。ただし、受液器10に流入する冷媒は高圧二相状態とする。
【0059】
以上のように、受液器10の上方と第2減圧手段12の下流側を接続するガス冷媒配管30aを備え、室外熱交換器7から流出する高圧二相冷媒を流入して受液器10に液冷媒を溜めると共に、ガス冷媒配管30aから流出するガス冷媒を受液器10の下方から流出する液冷媒と合流して高圧二相状態で第1室内熱交換器15に送るようにしたことで、室外熱交換器7から流出する冷媒が高圧二相冷媒であっても受液器10内に余剰冷媒を液冷媒として貯溜すると共に、高圧二相冷媒を再熱器である第1室内熱交換器15へ送ることが可能となる。この再熱器15で高圧二相状態である冷媒を凝縮することで、大きな再熱量が得られる。
【0060】
次に、冷房運転時の動作について説明する。
冷房運転時には、室外ユニット1の開閉弁30を閉止し、室内ユニット2に設けられている開閉弁31を開放する。この冷媒回路において、圧縮機5から吐出されたガス冷媒は四方弁6を通って室外熱交換器7で凝縮液化し、過冷却液となって第1減圧手段9へ流入する。減圧手段9は所定開度に固定か、あるいは室外熱交換器7出口の過冷却度を所定値に調節するように開度が制御され、ここを通過した冷媒は飽和液状態で受液器10へ流入する。ここで、余剰液冷媒は受液器10内に貯溜されると共にその一部が第2減圧手段12へと流れる。第2減圧手段12は圧縮機5の吸入ガスの過熱度が所定値、例えば10℃程度の過熱度になるように開度が調節され、ここを通過する冷媒は低圧二相状態となって室内ユニット2へと流れる。
【0061】
室内ユニット2においては第1室内熱交換器15で冷媒は蒸発し、開放されている開閉弁31および除湿弁16を通過して第2室内熱交換器17で同様に蒸発する。室内ユニット2で蒸発したガス冷媒はガス管4を通って室外ユニット1へ戻り、圧縮機5へ吸入される。このように、冷房運転時には除湿弁16と共に開閉弁31を通過するので、第1、第2室内熱交換器15、17の双方をほとんど同一の蒸発温度で使用できる。
暖房運転は、冷房運転で四方弁6を点線で示すように接続して冷媒を冷房運転とは逆に循環させ、室内ユニット2の熱交換器15、17を凝縮器、室外ユニット1の熱交換器7を蒸発器として動作させる。
【0062】
室内ユニット2の第1室内熱交換器15と第2室内熱交換器17は、冷房運転または暖房運転で第1、第2室内熱交換器に直列に冷媒を流している。実施の形態1、2で示したように第1、第2室内熱交換器に並列に冷媒を流す構成に比べ、運転効率は少し低減するが、開閉手段の数を減らすことで安価な空気調和機を得ることができるという効果を奏する。また、実施の形態1、2と同様、冷房運転及び暖房運転では並列に接続してもよい。第1、第2室内熱交換器15、17に冷媒を並列に流すことで、第1、第2室内熱交換器15、17を直列に通過する時よりも圧力損失を減らすことができ、運転効率の低下を防止できる。
また、実施の形態1、2において、実施の形態3で示したような開閉手段31を設けて、冷媒を第1、第2室内熱交換器15、17を直列に通過させてもよい。この場合、運転効率は少し低減するが、開閉手段の数を減らすことで安価な空気調和機を得ることができるという効果を奏する。
【0063】
この実施の形態では、冷媒回路に封入されている冷媒のうちの余剰冷媒は、冷房運転又は暖房運転しながら受液器10に溜めることができる。このため、室内ユニット2と室外ユニット1の距離を容易に可変にでき、両者間の距離において設置条件を制限することなく汎用性の高い空気調和機となる。
また、実施の形態1と同様、受液器10を高圧側に設けているので、低圧側に設けた構成で生じる冷房運転時及び暖房運転時の運転効率低下を防止できる。即ち、高圧側に余剰液冷媒を貯溜することで、冷房運転時及び暖房運転時の運転効率を低下させることなく、且つ再熱除湿運転時に高圧二相冷媒を再熱器に送ることが可能な空気調和機を得ることができる。
【0064】
また、ここで述べた空気調和機は暖房機能も有するものとしたが、暖房機能を必要としない場合には、流路を切換える流路切換手段である四方弁6が必要なくなる。また、さらに、冷房運転での冷媒循環で受液器10の上流側にある第1減圧手段9は必ずしも必要ではなく、省略しても同様の効果が得られる。
【0065】
実施の形態1と実施の形態3の構成は、電源オン後、すぐに再熱除湿運転を行なっても、運転しながら余剰液冷媒を受液器10に溜めることができるが、実施の形態2と同様にまず暖房運転又は冷房運転を行なうステップがあってもよい。この冷房運転または暖房運転である程度余剰液冷媒を受液器10に溜めた後に、開閉弁や流量制御手段を切換えて再熱除湿運転を行なうように構成してもよい。このように再熱除湿運転を行なう前にある程度余剰冷媒液を受液器10に溜めておけば、冷凍サイクル内を循環する冷媒を速く適正量にすることができ、効率のよい運転を行なうことができる。
【0066】
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3のそれぞれは、受液器10を高圧側に設けた構成である。余剰液冷媒を貯溜する液溜め手段を有し、再熱除湿運転を行なう空気調和機においては、冷媒回路の高圧側に液溜め手段を設けた場合、再熱器15に高圧で且つ高乾き度の二相冷媒を送ることが困難であった。これに対し、冷媒回路の低圧側に液溜め手段を設けた場合は、冷房運転及び暖房運転の際に受液器10が圧縮機5の吸入側を湿り状態となるためある程度の運転効率の低下はあるが、受液器10に余剰液冷媒を溜め、かつ室外熱交換器7の出口を高圧二相冷媒とすることは容易となる。
ここで、低圧側に余剰液冷媒を貯溜する液溜め手段を設けた空気調和機の実施の形態について説明する。図6はこの発明の実施の形態4による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
この実施の形態は、第2室内熱交換器17と圧縮機5の間の低圧側に液溜め手段である受液器10を設ける。また、室外熱交換器7と第1室内熱交換器15の間に流量制御を行う流量制御手段として減圧手段12を設けている。
【0067】
この実施の形態での再熱除湿運転の動作について説明する。
この実施の形態においては、再熱除湿運転時に減圧手段12は開放して圧力低下のないように制御すると共に、開閉弁18、19を閉止する。四方弁6は実線で示す様に接続する。
圧縮機5から吐出された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器7で外気と熱交換して凝縮液化する。ここで、室外送風機8は極低速あるいは停止状態であり、外気への放熱を抑制するよう制御され、冷媒は所定の乾き度の高圧二相冷媒状態となる。減圧手段12は開放されており、冷媒は高圧二相冷媒状態のまま液管3を介して室内ユニット2に流れる。そして再熱器として機能する第1室内熱交換器15へと送られ、ここで高圧二相冷媒は凝縮液化し、過冷却液冷媒となって除湿弁16を通過する。除湿弁16で減圧されて低圧二相冷媒となり、第2室内熱交換器17において蒸発し、低圧二相冷媒となる。そしてガス管4を通って受液器10に流入し、受液器10の上部からガス冷媒が圧縮機5に吸入される。受液器10に流入した液冷媒は、余剰液冷媒として受液器10に溜まっていく。
【0068】
冷房運転では、減圧手段12は所定の開度に制御し、開閉弁18、19を開放する。四方弁6は実線で示すように接続する。
圧縮機5から吐出された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器7で外気と熱交換して凝縮液化し、過冷却状態で室外熱交換器7から流出する。減圧手段12は第2室内熱交換器17の出口の冷媒状態が所定の濡れ度になるように制御され、冷媒は減圧膨張して低圧二相冷媒状態で液管3を通り、室内ユニット2に流れる。そして蒸発器として機能する第1、第2室内熱交換器15、17に並行して送られ、ここで室内空気と熱交換して蒸発し、低圧二相冷媒となる。そしてガス管4を通って受液器10に流入し、受液器10の上部からガス冷媒が圧縮機5に吸入される。受液器10に流入した液冷媒は、余剰液冷媒として受液器10に溜まっていく。
【0069】
また、暖房運転では、減圧手段12は所定の開度に制御し、開閉弁18、19を開放する。四方弁6は点線で示すように接続する。
圧縮機5から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器として機能する第1、第2室内熱交換器15、17を並行して流れ、ここで室内空気と熱交換して凝縮液化し、過冷却状態で第1、第2室内熱交換器15、17から流出する。そして液管3を介して室外ユニット1に流れる。減圧手段12は室外熱交換器7の出口の冷媒状態が所定の濡れ度になるように制御され、冷媒は低圧二相冷媒状態で室外熱交換器7に流入する。そして蒸発器として機能する室外熱交換器7で外気と熱交換して蒸発し、低圧二相冷媒となる。この後受液器10に流入し、受液器10の上部からガス冷媒が圧縮機5に吸入される。受液器10に流入した液冷媒は、余剰液冷媒として受液器10に溜まっていく。
【0070】
このように、受液器10を冷凍サイクルの低圧側に設けた場合にも余剰液冷媒を溜めることができ、再熱器15が満液になるのを防いで再熱量を多くとることができる。特に、実施の形態1〜実施の形態3では、高圧側に設けた受液器10に液冷媒を溜めると共に再熱器15に冷媒を高圧二相状態で送るために、冷却手段11や液溜め迂回路13やガス冷媒配管30aなどを設けた。これに対し、この実施の形態による構成では、冷凍サイクルの低圧側に受液器10を設けるだけで再熱量の多い空気調和機が得られる。
【0071】
以上、実施の形態1〜実施の形態4で示したように、液溜め手段である受液器10を再熱機能を有する空気調和機の冷凍サイクルに設けることで、余剰液冷媒を貯溜し、設置場所に応じた量の冷媒を充填しておく必要がなく、また循環冷媒量が多すぎて冷房運転、暖房運転、再熱除湿運転それぞれの運転効率が低下するのを防ぎ、且つ再熱除湿運転時に再熱器が液冷媒で満たされることなく、高圧二相冷媒を再熱器に送ることで、大きな再熱量が得られる。
【0072】
ここで、実施の形態1〜実施の形態4のそれぞれの空気調和機を設置する場合について説明する。例えば工場内で室外ユニット1と室内ユニット2をそれぞれ組み立てる。そして室外ユニット1に所定長さ、例えば最長30m程度の延長配管を考慮した冷媒量を予め充填する。この室外ユニット1および室内ユニット2は標準仕様であり、設置場所がどのような状況であっても、そのまま設置する。ところが室外ユニット1と室内ユニット2の距離は、設置場所に応じて様々である。このため、現地で設置場所に応じた長さの延長配管を介して室外ユニット1と室内ユニット2とを接続する。延長配管は各実施の形態で冷媒配管3、4に相当する。この後、冷房運転または暖房運転を行なう。このように、液溜め手段10に余剰液冷媒を溜めて運転することで、冷媒を補充したり抜いたりする作業を必要とせず、冷房運転または暖房運転または再熱除湿運転で適正量の冷媒を循環させ、効率のよい運転を行なうことができる。
【0073】
実施の形態5.
以下、実施の形態1〜実施の形態4のそれぞれにおいて、室内ユニット2内の第1、第2室内熱交換器15、17の間に設置されている除湿用流量制御手段16に関して説明する。この除湿用流量制御手段、ここでは除湿弁16は、固定の開度の減圧手段で構成する場合には、キャピラリーチューブや、オリフィス部を有するものなどを用いることができる。また、開度が可変である減圧手段で構成する場合には、電気式膨張弁などを用いることができる。開度を全開にできる電気式膨張弁を用いた場合には、図1、図4、図6に示すような冷媒配管18a、19aや、図5に示すようなバイパス流路31aは必要がなくなる。
【0074】
ここでは、冷媒流動音を低減できる減圧手段である除湿弁16について説明する。図7は実施の形態5に係る除湿弁16を示す断面構成図である。図7を参照して室内ユニット2に配設される除湿弁16の構造について説明する。実施の形態1〜実施の形態4で記載した様に、除湿弁16は再熱除湿運転の時に第1室内熱交換器15から流出する冷媒を減圧膨張して第2室内熱交換器17に流入させる機能を有する。冷房運転又は暖房運転では冷媒のほとんどは除湿弁16を迂回して流れるので、第1、第2室内熱交換器15、17の間は開放されて冷媒は減圧されない。再熱除湿運転時は図7の矢印方向に冷媒が流れるものとする。
図において、21はオリフィス部であり、冷媒が細孔を通過して減圧される部分である。22はオリフィス部21の上流側に設けた入口側多孔質透過材、23はオリフィス部21の下流側に設けた出口側多孔質透過材、24、25、26、27はそれぞれ多孔質透過材22、23の前後の空間である。
【0075】
再熱除湿運転で再熱器として機能する第1室内熱交換器15を通過し、凝縮液化した高圧冷媒は空間24へ流入する。ここで、入口側多孔質透過材22に衝突し、均質な流れとなって整流されて空間25に到達する。次にオリフィス部21によって減圧され、低圧二相冷媒となって空間26に噴出される。この低圧二相冷媒は出口側多孔質透過材23に衝突し、均質な流れとなって整流されて空間27に到達する。
【0076】
例えば除湿弁16がオリフィス部21のみで構成される減圧手段を気液二相冷媒が通過する際には、大きな冷媒流動音が発生する。特に気液二相冷媒の流動様式がスラグ流となる場合に、大きな冷媒流動音が発生することが知られている。この冷媒流動音の発生要因としては、除湿弁16内のオリフィス部21などの小孔をスラグ流が通過する際に、小孔よりも大きな冷媒蒸気スラグあるいは冷媒気泡が破壊される。この冷媒蒸気スラグあるいは冷媒気泡の崩壊により振動が発生することや、小孔を蒸気冷媒と液冷媒が交互に通過するため、この小孔を冷媒が通過する際に発生する圧力損失が大きく変動することが考えられる。また、オリフィス部21の出口では、速度が大きく、また乱れも大きな気液二相噴流が形成され、この気液二相噴流による圧力変動も冷媒流動音の発生要因である。そこで、オリフィス部21の上流側に配設した多孔質透過材22によって、気液二相冷媒を整流して液体と気体を均質気液二相流(蒸気冷媒と液冷媒とがよく混合された状態)とすることで、除湿弁16内のオリフィス部21近傍で発生する冷媒流動音を低下させることができる。
【0077】
また、オリフィス部21を通過した速度の速い冷媒が除湿弁16の内壁に直接衝突すると、やはり冷媒流動音が大きくなる。これに対してオリフィス部21の下流側に多孔質透過材23を設けることで、冷媒流れを整流して均質化し、冷媒流動音を低減する。
【0078】
このように、オリフィス部21の前後に発泡金属などの多孔質透過材22、23を配設することで、減圧される前の空間25および減圧された後の空間27では均質な流れを形成する。このため、気液二相流に起因する不連続音や圧力脈動が低減される。
ここで、多孔質透過材22、23は、例えば通気孔(流体が透過することのできる多孔質体内部の気孔)の径を100μm以上1000μm以下とし、厚さを1mmから10mmとし、例えばNiまたはNi−Crまたはステンレスからなる発泡金属を使用している。冷媒流動音を下げる効果から、通気孔の径を1000μm以下とするのが好ましい。また、通常冷凍サイクルには循環する冷媒に混入して循環する塵などを取り除くためにストレーナが配設されている。このストレーナの目の荒さと同程度以上にすることで、多孔質透過材22、23に塵などが詰るのを防ぐことができるので、通気孔の径を100μm以上とするのが好ましい。
なお、多孔質透過材は発泡金属に限るものではなく、金属の粉末を焼結した焼結金属、またはセラミックスの多孔質透過材、または金網や、金網を数枚重ねたもの、また金網を数枚重ねて焼結した焼結金網や積層金網でも同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、図7で示した減圧手段16は、オリフィス部21の上流側及び下流側の両方に多孔質透過材22、23を設けた構成としたが、上流側及び下流側の一方に設けた構成でもよい。少なくともどちらか一方に多孔質透過材を設ければ、オリフィス部のみの構成に比べ、冷媒を整流均質化して冷媒流動音を低減できる。
【0080】
また、実施の形態1〜実施の形態5のそれぞれにおいて、冷凍サイクルの冷媒としてHFC系冷媒のR410Aを用いた。この冷媒はオゾン層を破壊しない地球環境保全に適した冷媒であると共に、低沸点冷媒であり、従来冷媒として用いられてきたR22に比べて、冷媒蒸気密度が大きく冷媒の流速が遅くなるため圧力損失が小さく、複数用いられている流量制御手段に口径の小さい安価な電磁弁を使用しても圧力低下が小さく、低コスト化を図ることができる。
【0081】
ただし、冷媒としてR410Aに限るものではなく、HFC系冷媒であるR407CやR404A、R507Aであってもよい。また、地球温暖化防止の観点から、地球温暖化係数の小さなHFC系冷媒であるR32単独、R152a単独、またはR32/R134aなどの混合冷媒であってもよい。
また、プロパンやブタン、イソブタンなどのHC系冷媒やアンモニア、二酸化炭素、エーテルなどの自然系冷媒およびそれらの混合冷媒であってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、流量制御手段、第1室内熱交換器、除湿用流量制御手段、第2室内熱交換器を冷媒配管で順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち余剰液冷媒を溜める室外熱交換器と流量制御手段の間に配置された液溜め手段と、再熱除湿時に液溜め手段と流量制御手段に対し迂回して循環する冷媒を流す液溜め手段迂回路と、液溜め手段迂回路への分岐部から液溜め手段の出口までのいずれか一部の冷媒を冷却液化して液溜め手段に貯留する冷却手段と、を備えたので、冷房運転又は暖房運転又は再熱除湿運転のそれぞれで適正量の冷媒を循環させることで効率良く運転でき、余剰液冷媒を液溜め手段に溜めるとともに、第1室内熱交換器が液冷媒で満液になるのを防ぎ、再熱量の多い再熱除湿運転を行うことが出来る。
【0083】
この発明に係る空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、流量制御手段、第1室内熱交換器、除湿用流量制御手段、第2室内熱交換器を冷媒配管で順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷凍サイクルを循環する冷媒のうち余剰液冷媒を溜める室外熱交換器と流量制御手段の間に配置された液溜め手段と、液溜め手段への冷媒流路に対し液溜め手段と流量制御手段を迂回可能な液溜め手段迂回路と、液溜め手段迂回路への分岐部から液溜め手段の出口までのいずれか一部の冷媒を冷却液化して液溜め手段に貯留する冷却手段と、を備え、室外熱交換器からの冷媒を再熱運転時に液溜め手段を介す流路と液溜め手段迂回路を介す流路を並行してして前記第1室内熱交換器へ送るようにしたので、冷房運転又は暖房運転又は再熱除湿運転のそれぞれで適正量の冷媒を循環させることで効率良く運転でき、余剰液冷媒を液溜め手段に溜めるとともに、第1室内熱交換器が液冷媒で満液になるのを防ぎ、再熱量の多い再熱除湿運転を行うことが出来る。
【0085】
この発明に係る空気調和機は、液溜め手段迂回路への分岐部から液溜め手段の出口までの冷媒と圧縮機の吸入側冷媒とを熱交換することで冷媒を冷却液化するようにしたので、冷房運転又は暖房運転で運転効率が低下するのを防止でき、再熱量の多い再熱除湿運転を行うことが出来、更に圧縮機吸入側冷媒状態を確実にガス冷媒にすることが出来る。
【0088】
この発明に係る空気調和機は、第1室内熱交換器の入口と第2室内熱交換器の入口を連通する入口側冷媒配管と、第1室内熱交換器の出口と第2室内熱交換器の出口を連通する出口側冷媒配管と、入口側冷媒配管と出口側冷媒配管のそれぞれを開閉する入口側開閉手段と出口側開閉手段と、を備え、入口側開閉手段と出口側開閉手段を開放して第1室内熱交換器及び第2室内熱交換器を並列接続可能としたので、冷房運転又は暖房運転で直列に接続した構成よりも圧力損室を低減でき、高効率冷房運転又は暖房運転が可能となる。
【0089】
この発明に係る空気調和機は、除湿用流量制御手段と並列に設置されたバイパス流路と、このバイパス流路に設けられた開閉手段と、を備え、開閉手段を開放して第1室内熱交換器及び第2室内熱交換器を直列接続可能としたので、冷房運転又は暖房運転で並列に接続した構成よりも切換え動作が簡単で、開閉手段の個数を減らして安価に構成できる。
【0090】
この発明に係る空気調和機は、除湿用流量制御手段は、オリフィス部とその上流及び下流の少なくともどちらか一方に多孔質透過材による整流部を有するので、室内ユニットにおける除湿用流量制御手段内の気液二相流動による騒音を低減できる。
【0092】
この発明に係る空気調和機の運転方法は、所定長さの延長配管を考慮した冷媒量を予め充填した室外ユニットを、現地でその設置場所に応じた長さの延長配管を介して室内ユニットと接続するステップと、を備えたので、設置時の作業が比較的簡単な空気調和機を構成でき、余剰液冷媒を液溜め手段に溜めるとともに、再熱量の多い再熱除湿運転を行うことが出来る。
【0093】
この発明に係る空気調和機の運転方法は、液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったことを判断する際に、室外ユニットの熱交換器出口付近冷媒状態の過冷却度が所定の値以下になったときに液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったと判断するので、余剰液冷媒を液溜め手段に確実に溜めるとともに、再熱量の多い再熱除湿運転を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
【図2】 実施の形態1に係る冷凍サイクル動作を示P−h線図である。
【図3】 実施の形態1に係る別の冷却手段を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態5に係る除湿用流量制御手段を示す断面構成図である。
【図8】 従来の空気調和機を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット、2 室内ユニット、3、4 冷媒配管、5 圧縮機、6 流路切換手段、7 室外熱交換器、8 室外送風機、9 流量制御手段、10 液溜め手段、11 冷却手段、12 流量制御手段、13 液溜め手段迂回路、14 開閉手段、15 第1室内熱交換器、16 除湿用流量制御手段、17 第2室内熱交換器、18 入口側開閉手段、18a 入口側冷媒配管、19 出口側開閉手段、19a 出口側冷媒配管、21 オリフィス部、22、23 多孔質透過材、24〜27 空間、30 開閉手段、30a ガス冷媒配管、31開閉手段、31a バイパス流路。
Claims (9)
- 圧縮機、室外熱交換器、流量制御手段、第1室内熱交換器、除湿用流量制御手段、第2室内熱交換器を冷媒配管で順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを循環する冷媒のうち余剰液冷媒を溜める前記室外熱交換器と前記流量制御手段の間に配置された液溜め手段と、再熱除湿時に前記液溜め手段と前記流量制御手段に対し迂回して循環する冷媒を流す液溜め手段迂回路と、前記液溜め手段迂回路への分岐部から前記液溜め手段の出口までのいずれか一部の冷媒を冷却液化して前記液溜め手段に貯留する冷却手段と、を備えたことを特徴とする空気調和機。
- 圧縮機、室外熱交換器、流量制御手段、第1室内熱交換器、除湿用流量制御手段、第2室内熱交換器を冷媒配管で順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを循環する冷媒のうち余剰液冷媒を溜める前記室外熱交換器と前記流量制御手段の間に配置された液溜め手段と、前記液溜め手段への冷媒流路に対し前記液溜め手段と前記流量制御手段を迂回可能な液溜め手段迂回路と、前記液溜め手段迂回路への分岐部から前記液溜め手段の出口までのいずれか一部の冷媒を冷却液化して前記液溜め手段に貯留する冷却手段と、を備え、前記室外熱交換器からの冷媒を前記再熱運転時に前記液溜め手段を介す流路と前記液溜め手段迂回路を介す流路を並行して前記第1室内熱交換器へ送るようにしたことを特徴とする空気調和機。
- 前記液溜め手段迂回路への分岐部から前記液溜め手段の出口までの冷媒と前記圧縮機の吸入側冷媒とを熱交換することで前記冷媒を冷却液化するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
- 前記第1室内熱交換器の入口と前記第2室内熱交換器の入口を連通する入口側冷媒配管と、前記第1室内熱交換器の出口と前記第2室内熱交換器の出口を連通する出口側冷媒配管と、前記入口側冷媒配管と前記出口側冷媒配管のそれぞれを開閉する入口側開閉手段と出口側開閉手段と、を備え、前記入口側開閉手段と出口側開閉手段を開放して前記第1室内熱交換器及び第2室内熱交換器を並列接続可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気調和機。
- 前記除湿用流量制御手段と並列に設置されたバイパス流路と、このバイパス流路に設けられた開閉手段と、を備え、前記開閉手段を開放して前記第1室内熱交換器及び前記第2室内熱交換器を直列接続可能としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気調和機。
- 前記除湿用流量制御手段は、オリフィス部とその上流及び下流の少なくともどちらか一方に多孔質透過材による整流部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気調和機。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の空気調和機に対して、室外ユニット及び室内ユニットに設けられた熱交換器のいずれか一方を凝縮器としいずれか他方を蒸発器として冷房運転又は暖房運転を行うステップと、前記冷房運転又は暖房運転で前記液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったと判断した後に前記室外ユニット側からの冷媒を前記液溜め手段迂回路を介して前記室内ユニット側に流すステップと、を備えたことを特徴とする空気調和機の運転方法。
- 所定長さの延長配管を考慮した冷媒量を予め充填した前記室外ユニットを、現地でその設置場所に応じた長さの延長配管を介して前記室内ユニットと接続するステップと、を備えたことを特徴とする請求項7記載の空気調和機の運転方法。
- 前記液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったことを判断する際に、前記室外ユニットの熱交換器出口付近冷媒状態の過冷却度が所定の値以下になったときに前記液溜め手段に余剰液冷媒が溜まったと判断することを特徴とする請求項7記載の空気調和機の運転方法。
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