JP3900666B2 - 脱イオン水製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己再生型電気透析脱イオン法により、医薬品製造工業、半導体製造工業、食料工業、或いはボイラー水や研究施設などで用いられる純水もしくは超純水を効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、脱イオン水の製造方法としてはイオン交換樹脂の充填床に被処理水を流し、不純物イオンをイオン交換樹脂に吸着させて除去することにより脱イオン水を得る方法が一般的である。そしてこの方法では、交換・吸着能力の低下したイオン交換樹脂の再生は、通常、酸やアルカリを用いて行われる。しかしこの方法においては、そのような再生が必要であることから、面倒な再生操作とともに、それら酸やアルカリに起因する廃液が排出されるという問題がある。
【0003】
このため再生の必要のない脱イオン水製造方法が望まれており、近年、薬液による再生操作の必要のない自己再生型電気透析脱イオン法が開発され、実用化されてきている。この方法は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した電気透析槽の脱塩室に陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の混合物を入れ、該脱塩室に被処理水を流すとともに、脱塩室と交互に形成、配置された濃縮室に濃縮水を流しながら電圧を印加して電気透析を行うことにより脱イオン水を製造する方法である。
【0004】
すなわち、従来の自己再生型電気透析脱イオン水製造方法においては、陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列させ陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室に陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂を収容してなる脱イオン水製造装置を使用し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入させるとともに、濃縮室に被処理水又は処理水の一部を濃縮水として流入させることにより、被処理水中の不純物イオンを除去するものである。
【0005】
この方法によれば、イオン交換体が連続的に再生されるため、酸やアルカリ等の薬液による再生が不要であるという利点を有する。ところが、一般的に高い電圧を印加するため、電力原単位や付属整流器によるコスト上昇といった問題がある。このため如何にして電圧を低減させるかが重要な課題であり、また排水の量はイオン交換樹脂の充填床による場合に比べて大幅に低減したが、昨今の環境問題などの観点から濃縮液等の排水量をさらに低減させるため、積極的に原水利用率をあげることが強く望まれている。
【0006】
上記の課題のうち、電圧を低減させるということは、すなわち脱塩室及び/又は濃縮室の電気抵抗をいかに低減させるかということであるが、このうち脱塩室については、その中に収容される陰及び陽イオン交換樹脂が既に電導体であることから、電気抵抗の低減を図る上での重要な因子はむしろ濃縮室にあると考えられる。
【0007】
そこで、濃縮室での電気低抗を減じる手法として考えられるのは、濃縮室の厚みを薄くし低減させる方法である。ところが電気透析槽は通常複数の対からなるため、濃縮室の厚みを極端に薄くすると、各対間における流動液についてその流量分布の差異が著しくなり、ひいては局部的な電圧上昇を招くおそれがあり、また濃縮室を製作する上での精度の観点からも制約があって、実際に許容される濃縮室の厚みは制限される。
【0008】
他方、濃縮室側の液流動システムが循環方式でない場合についてみると、従来の電気透析槽における実用的な被処理水と濃縮水との流量比は3:1〜5:1であり、被処理水が純水にまで脱塩された場合、濃縮水中の不純物イオンの濃縮倍率は4〜6倍となっていた。しかし、この程度の濃縮倍率では、たとえ室枠の厚みを極力薄くしても、満足な電気抵抗の低減には至らず、逆に液流動の分布等に問題を生じて印加電圧の上昇を招くこともあり得る。
【0009】
濃縮室での電気抵抗を減じる別の手法として考えられるのは、濃縮液の濃度を高める方法である。この方法としては濃縮水の流量を減少させる態様が考えられる。すなわち濃縮水の流量減少により濃縮倍率を高め、それにより導電率を高めて印加電圧を低減させるという方法である。ところが、濃縮室においてイオンの濃度勾配の発生を抑制し、CaイオンやMgイオン等の硬度成分によるスケール析出を防止するためには、濃縮水をある程度以上の流量で流して乱流を起こさせる必要がある。このため上記のように濃縮水の流量を低減させることは、必要な乱流の発生を減らし、或いは不可能にするという問題が残る。
【0010】
そこで、被処理水と濃縮水との流量比(処理水/濃縮水比)を上げ且つ濃縮室における液の線速度を高くすることが考えられる。ところが、濃縮室側の液流動システムが循環方式でない場合には、前述のとおり、枠厚みの問題があるのに加え、濃縮液として供給する被処理水或いは処理水の量が増加して被処理水の利用率が低減し、廃液量が増えるという欠点がある。
【0011】
さらに、濃縮室の電気抵抗を減じる手法として、濃縮室にもイオン交換樹脂を充填する手法も考えられる。しかし濃縮室の厚みはもともと薄いため、そこにイオン交換樹脂を充填することは困難であり、現状では実現性に乏しい。また仮りに室枠を厚くして充填したとしても圧力損失が高くなり、濃縮室と脱塩室の圧力バランスをとることが困難になるのに加え、その厚みに対応して電気透析槽の寸法も大きくなる。以上のように濃縮室の電気抵抗を低減させる手法としては幾つか考えられるが、濃縮室側の液流動システムが循環方式でない場合には、上述のようにそれぞれ欠点を内包し、これまで根本的な解決には至っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の諸問題点を解決すべくなされたものであり、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列させて脱塩室と濃縮室とを形成してなる電気透析槽における該脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置において、その操作条件に細密な工夫を加えることにより、従来技術が有する上述の諸欠点を解消してなる自己再生型電気透析脱イオン法による脱イオン水製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配列させ、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置を使用し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入するとともに、被処理水又は処理水の少なくとも一部を濃縮水として循環することによって被処理水中の不純物イオンを除去する自己再生型電気透析脱イオン水製造方法において、脱塩室に流入する被処理水と濃縮室に流入する濃縮水の流量比を2:1〜5.5:1とし、且つ脱塩室における被処理水の線速度を0.5〜7.0cm/secとし、濃縮室における濃縮水の線速度を脱塩室における被処理水の線速度に対して1.2〜20倍とすることを特徴とする自己再生型電気透析脱イオン法による脱イオン水製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配列させ、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置を使用する。そして濃縮室に流入する濃縮液は、好ましくは濃縮室とは別のタンクとの間で循環再利用し、一定量の被処理水又処理水の一部を循環系に添加することによって濃縮液の濃度が一定に保たれる。こうして添加する被処理水又処理水の量には、特に制限はないが、実用的には全被処理水に対して好ましくは0.2〜9.5重量%の範囲として運転する。ここで処理水とは、脱塩水から流出する水である。
【0015】
図1は、本発明で使用し得る自己再生型電気透析脱イオン装置の一態様例を模式的に示す図である。図1中Aはアニオン交換膜、Kはカチオン交換膜であり、図示のとおり、これらアニオン交換膜A及びカチオン交換膜Kは電気透析槽1中に脱塩室枠D1、D2、D3・・・Dn及び濃縮室枠C1、C2、C3・・・Cn+1を介して所定間隔を置いて配置され、これにより陽極室2、濃縮室S1、S2・・・Sn+1、脱塩室R1、R2・・・Rn及び陰極室3が構成される。そして脱塩室R1、R2・・・Rnには陰陽のイオン交換樹脂が収容、充填される。濃縮室にはメッシュ状等の構造体すなわちスペーサーが挿入配置される。
【0016】
図1中符号4は陽極、5は陰極であり、操作中両極間に所定の電圧がかけられる。これにより導管6から脱塩室R1、R2・・・Rnへ導入される被処理液中の陰イオン成分はアニオン交換膜Aを通して陽極側の濃縮室へ透過移行する一方、被処理液中の陽イオン成分はカチオン交換膜Kを通して陰極側の濃縮室へ透過移行し、被処理液自体は脱イオン化され、導管7を通して排出される。また濃縮液は導入管8を通して各濃縮室S1、S2・・・Sn+1及び陽極室2、陰極室3へ導入され、ここで上記のように透過移行した陰陽両イオンが集められ濃縮液として導管8から排出される。陽極室2および陰極室3からは、それぞれ陽極液導出管13および陰極液導出管14を通して、極液が排出される。なお、図1には被処理液流の方向と濃縮液流の方向とが同方向(並流)の場合を示しているが、両者を逆方向(逆流)としてもよいことは勿論である。
【0017】
各脱塩室R1、R2・・・Rn内において陽イオン交換体に捕捉された被処理水中の陽イオンは、電場により駆動力が与えられ、捕捉した陽イオン交換体に接触している陽イオン交換体を経由してカチオン交換膜に達し、さらに膜を通過して各濃縮室S1、S2・・・Sn+1に移動する。同様に、陰イオン交換体に捕捉された被処理水中の陰イオンは陰イオン交換体、これに接触しているアニオン交換膜を経由して各濃縮室S1、S2・・・Sn+1に移動する。
【0018】
前述のとおり、本発明においては、各濃縮室から流出する濃縮液は好ましくは各濃縮室とは別のタンクとの間で循環再利用され、またその循環系に一定量の被処理水又処理水の一部を添加することにより濃度が一定に保たれる。図1中10はタンクであり、各濃縮室S1、S2・・・Sn+1からの濃縮液は導出管8からタンク10へ導入された後、導管9を経て循環再利用される。P1 はその循環用のポンプであり、その吐出口は濃縮液導入管9へ連なっている。本発明では、濃縮液循環系に新たに加える被処理水をコントロールすることで被処理水と濃縮水を所定の液流量比とするが、必要量の被処理水は導管6から分流導管12で分流されて調整弁(図示せず)を経てタンク10へ導入され、循環濃縮液へ添加される。本発明においては被処理水に代えて処理水を用いてもよいが、この場合には処理水導管7から分流される。
【0019】
次に、本発明については、まず被処理水に対する濃縮水の流量比(=被処理水/濃縮水)を2:1〜5.5:1の範囲とする。この理由は被処理水の流量が濃縮水の流量の2倍を下回ると濃縮液を循環再利用しても充分な電気伝導度を得ることが難しく、逆に被処理水の流量が濃縮水の流量の5.5倍を超えると脱イオンの効率が低下して脱イオン水の水質を低下させることとなるからである。なかでも、その範囲は3:1〜5:1であるのが好ましい。
【0020】
ところが、上記被処理水に対する濃縮水の流量比だけを満たしていても、脱塩室と濃縮室における各流動液の線速度について所定の条件を満足していないと充分な成果を得ることはできない。脱塩を目的とした場合においては、仮りに内部リークが発生しても被処理水が濃縮液に汚染されることのないよう脱塩室側を過圧にした運転をするのが普通であるが、被処理水については、その線速度が0.5cm/secよりも低いと適正な圧力損失を得ることが難しく、濃縮室の絶対圧力の方が高くなる。これとは逆に被処理液の線速度が7.0cm/secより高いと圧力損失が高くなり過ぎ、また樹脂との接触時間も短くなるため、脱イオンの効率が低下して脱イオン水の水質が低下する可能性がある。このため脱塩室における被処理水の線速度は0.5〜7.0cm/sec、好ましくは1.0〜5.5cm/secの範囲に設定される。
【0021】
一方、濃縮液については、濃縮室における液の線速度は脱塩室の液の線速度より少なくとも1.2倍より高い値をとる必要がある。濃縮室内では変形防止及び流路確保のために通常構造体が用いられ、メッシュ状のものが多いが、この構造体は脱塩室内のイオン交換充填物よりも圧力損失が小さい。このため、濃縮室の流液の線速度が脱塩室の流液の線速度の1.2倍を下回ると、脱塩室に対する濃縮室の圧力が低すぎて、該構造体、例えばメッシュの開口部にイオン交換膜が食い込み、適正な流量の確保が困難になる。
【0022】
また、そのように低い線速度では濃縮室内での効果的な乱流を発生させることが著しく困難であり、さらにはCaイオンやMgイオン等の硬度成分によるスケール発生の可能性も高くなる。一方、濃縮室の流液の線速度が脱塩室の流液の線速度の20倍を越えると、脱塩室を濃縮室より過圧とする運転の条件がくずれて処理水の水質が低下する。このため濃縮室における濃縮水の線速度を脱塩室内線速度に対して1.2〜20倍、好ましくは1.5〜15倍とする必要がある。
【0023】
本発明において、上記特定の流量比及び線速度を与えるためには、脱塩室の厚みを0.3〜30cm、また濃縮室の厚みを0.01〜3.7cmの範囲とすることが好ましい。すなわち、脱塩室の厚みが0.3cmを下回ると、一定負荷量に対する構成部品の数が多くなり、コストが高くなる。また、30cmを超えると陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂が、脱塩室を隔てるカチオン交換膜とアニオン交換膜の間で連続してつながる確率が極端に低くなり、そのため脱塩効率が低くなるので望ましくない。一方、濃縮室の厚みが0.01cmを下回ると、各室枠への液分散を抑制することが非常に困難となるため望ましくなく、逆に脱塩室の厚みが3.7cmを超えると電気透析槽がそれ自体大きくなり、コスト的にも不利となる。なかでも、脱塩室の厚みは0.7〜15cm、濃縮室の厚みは0.04〜2cmが特に好ましい。
【0024】
また、濃縮水の濃度は、循環再利用される濃縮液に対し塩又は酸を添加して高めることも可能である。特に該循環系での塩又は酸の添加は、別に供給される被処理水や処理水の添加量と組み合わせることによって、濃縮水の濃度とpHを任意にコントロールでき、電圧を低減させ得るのに加えて、濃縮室内の硬度成分、特にCaの塩が析出するのを防止する上で効果がある。実際に運転する場合は、被処理水や処理水及び塩又は酸の原単位を考えると、濃縮水の電気伝導度は50〜3000μS/cmの範囲であるのが望ましい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは勿論である。使用装置としては図1に示すような自己再生型電気透析装置を使用したが、被処理水と濃縮水とは上方向の並流として使用した。また比較例1は濃縮室側の液流を循環せず、ワンパスとした場合である。図1で云えば導管8をカットし、被処理水を導管9から導入して導管8から排出する態様としたものである。さらに比較例2では濃縮室厚みを、他の例とは変えて、0.38cmとし、また実施例2と比較例2では濃縮室にスケール発生の加速因子として1ppm相当のMg2+イオンを添加した。
【0026】
《実施例1〜2及び比較例1〜2》
陽イオン交換膜(強酸性不均一膜、厚み500μm、イオン交換容量4.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂)及び陰イオン交換膜(強塩基性不均一膜、厚み500μm、イオン交換容量3.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂)を脱塩室枠(ポリプロピレン製)及び濃縮室枠(ポリプロピレン製)を介して配列して締め付けたフィルタープレス型透析槽(濃縮室にはポリプロピレン製ネットを挿入)からなる有効面積507cm2 〔横(=室枠幅)13cm、縦(=脱塩長)39cm〕×3対の電気透析槽を構成した。ここで実施例1〜2及び比較例1の場合には脱塩室厚みを0.8cm、濃縮室厚みを0.19cmとしたが、比較例2では濃縮室厚みを0.38cmとした。
【0027】
また脱塩室にはカチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂及びバインダーを混合して板状に成型加工したものを乾燥状態で充填し、濃縮室には流路を確保するための合成樹脂製のスペーサーを充填した。上記両イオン交換樹脂は、粒径が400〜600μm、イオン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホン酸酸型(H型)陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSKー1B)及び粒径が400〜600μm、イオン交換容量が3.5ミリ当量/g乾燥樹脂の4級アンモニウム塩型(OH型)陰イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSAー10A)を用い、イオン交換容量比が50/50となるようにしたものである。
【0028】
この電気透析槽を用いて以下のようにして脱イオン水の製造試験を行った。工業用水を濾過し、逆浸透膜装置で処理して被処理水としたが、これら工業用水及び被処理水の電気伝導度、pH値、含有成分の組成は表1に示すとおりである。この被処理水を被処理液及び濃縮液として、ともに上昇流で通水し、所定の電気再生条件で再生した後、表2に示す流量条件で実施した。
【0029】
このときの印加電圧、直流電流の条件は表3に示している。表3に示す印加電圧は、脱イオン水の比抵抗値が少なくとも10MΩ・cm以上の良好な脱イオン水を得るのに必要な電圧である。比較例1は濃縮室側の液流を循環せず、ワンパスとした場合である。各実施例1〜2及び比較例1〜2においては、表2及び表3に示す条件で連続750時間運転した。また運転終了後、使用電気透析槽を解体し、濃縮室側のスケール発生状況を確認した。表2〜表3にこれらの結果を示している。
【0030】
【表 1】
Figure 0003900666
【0031】
【表 2】
Figure 0003900666
【0032】
【表 3】
Figure 0003900666
【0033】
表2〜表3から明らかなとおり、比較例1すなわち濃縮室側の液流をワンパスとした場合は、流量比及び流速が同じ条件である実施例1に比べて濃縮水伝導率が格段に低く(すなわち濃度が低い)、しかも印加電圧が高い。また原水利用率についても、比較例1は実施例1に比べて20%も低い値にとどまっている。さらに濃縮室にスケール発生の加速因子として1ppm相当のMg2+イオンを添加した実施例2と比較例2を比べると、実施例2ではスケールの発生がないのに対し、比較例2では明白なスケール発生が認められた。被処理液と濃縮液の流量比が同じであるのに、濃縮室側の液線速度が低いと硬度成分のスケールが発生することが分かる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、濃縮液循環系に新たに加える被処理水又は処理水量をコントロールすることで被処理水と濃縮水を所定の液流量比とし、かつ各々の液線速度を所定の範囲とすることにより、高い濃縮室伝導度を確保するとともに、高い線速度による効果的な乱流を発生させることにより、濃縮室内のスケールの発生を抑えつつ低い印加電圧で運転できる。このため電力原単位を低減させることができる。また簡単に高い原水利用率を得ることができるため、系外への廃液量が低減して処理費低減を図ることができ、生産水量当りのコストをさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用し得る自己再生型電気透析脱イオン装置の一態様例を模式的に示す図。
【符号の説明】
A アニオン交換膜
K カチオン交換膜
1 容器(電気透析槽)
2 陽極室
3 陰極室
4 陽極
5 陰極
1、S2・・・Sn+1 濃縮室
1、R2・・・Rn 脱塩室
1、D2、D3 ・・・Dn 脱塩室枠
1、C2、C3 ・・・Cn+1 濃縮室枠
6 被処理液導入管
7 脱イオン水導管
8 濃縮液導入管
9 濃縮液導出管
10 タンク
11 濃縮液循環用導管
12 被処理液分流導管
13 陽極液導出管
14 陰極液導出管
P1 ポンプ

Claims (3)

  1. 陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配列させ、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置を使用し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入するとともに、被処理水又は処理水の少なくとも一部を濃縮水として循環することによって被処理水中の不純物イオンを除去する自己再生型電気透析脱イオン水製造方法において、脱塩室に流入する被処理水と濃縮室に流入する濃縮水の流量比を2:1〜5.5:1とし、且つ脱塩室における被処理水の線速度を0.5〜7.0cm/secとし、濃縮室における濃縮水の線速度を脱塩室における被処理水の線速度に対して1.2〜20倍とすることを特徴とする自己再生型電気透析脱イオン法による脱イオン水製造方法。
  2. 上記脱塩室の厚みが0.3〜30cmであり、上記濃縮室の厚みが0.01〜3.7cmである請求項1記載の自己再生型電気透析脱イオン法による脱イオン水製造方法。
  3. 上記流量比、線速度及び線速度比を循環再生利用される濃縮液に対して塩又は酸を添加することにより調整する請求項1又は2記載の自己再生型電気透析脱イオン法による脱イオン水製造方法。
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