JP7262353B2 - 脱イオン水の製造方法および製造システム - Google Patents

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Description

本発明は、電気式脱イオン水製造装置を用いた脱イオン水の製造方法および製造システムに関する。
電気式脱イオン水製造装置(以下、「EDI装置」ということがある)は、電気泳動と電気透析を組み合わせた装置である。一般的なEDI装置の基本構成は次のとおりである。すなわち、EDI装置は、脱塩室と、脱塩室の両側に配置された一対の濃縮室と、一方の濃縮室の外側に配置された陽極(プラス極)室と、他方の濃縮室の外側に配置された陰極(マイナス極)室とを有する。脱塩室は、対向配置されたアニオン交換膜およびカチオン交換膜と、それら交換膜の間に充填されたイオン交換体(アニオン交換体又は/及びカチオン交換体)とを有する。被処理水が脱塩室に供給され、被処理水中に存在するアニオン成分及びカチオン成分が、それぞれアニオン交換膜およびカチオン交換膜を通って脱塩室から濃縮室に移動し、脱塩室から処理水すなわち脱イオン水が得られ、濃縮室から濃縮水が得られる。
EDI装置では、濃縮水に含まれるホウ素(ホウ酸)が、濃縮室と脱塩室とを仕切るカチオン交換膜を通過して処理水中に拡散し、処理水の純度を低下させる現象が発生することがある。これは、ホウ素が、pHなどの変化に応じて一部イオン化していない分子(中性分子)の形態をとるため、カチオン交換膜による選択透過性の影響を受けにくいことに起因している。ホウ素については、下式で示される平衡関係がある。
B(OH)+HO ⇔ B(OH) +H
イオン化していない分子(中性分子)の形態はB(OH)であり、これはカチオン交換膜を容易に通過し得る。
また、EDI装置において、水酸化マグネシウム等のスケールが生成することがある。スケールの生成を抑制する手法として、濃縮室内にアニオン交換体を充填する手法が特許文献1に記載されている。この文献には、濃縮室内にアニオン交換体を充填したEDI装置において弱酸成分による処理水の純度低下が顕著に現れることが開示され、この純度低下を抑制することのできるEDI装置が提案されている。
また、EDI装置において、スケール発生の抑制の観点から、遊離炭酸を含む水を濃縮室に供給する手法が特許文献2に記載されている。
国際公開第2011/152226号 特開2004-358440号公報
ホウ素は脱塩室内でイオン交換体によって捕捉し難い。したがって、ホウ素について、カチオン交換膜を通過して濃縮室から脱塩室に移動することを防止することが望まれる。
本発明の目的は、スケール生成抑制のために濃縮室内にアニオン交換体を配しつつも、ホウ素がカチオン交換膜を通過して濃縮室から脱塩室に移動することを抑制することのできる、EDI装置を用いた脱イオン水の製造方法および製造システムを提供することである。
本発明の一態様によれば、
電気式脱イオン水製造装置を用いて脱イオン水を製造する、脱イオン水の製造方法であって、
前記電気式脱イオン水製造装置が、
対向する陰極と陽極との間に少なくとも一つの脱塩処理部が設けられ、
前記脱塩処理部は、イオン交換体が充填された脱塩室と、該脱塩室の両隣に設けられる一対の濃縮室とを有し、前記一対の濃縮室のそれぞれに少なくともアニオン交換体が充填され、
前記脱塩室は、前記一対の濃縮室のうちの前記陰極側の濃縮室にカチオン交換膜を介して隣接するとともに、前記一対の濃縮室のうちの前記陽極側の濃縮室にアニオン交換膜を介して隣接し、
前記脱塩室に被処理水を通水して前記脱塩室から脱イオン水を得る電気式脱イオン水製造装置であり、
1μg-B/L以上のホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO3/L以上である供給水を、少なくとも、前記陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室に供給する、脱イオン水の製造方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、
対向する陰極と陽極との間に少なくとも一つの脱塩処理部が設けられ、
前記脱塩処理部は、イオン交換体が充填された脱塩室と、該脱塩室の両隣に設けられる一対の濃縮室とを有し、前記一対の濃縮室のそれぞれに少なくともアニオン交換体が充填され、前記脱塩室は、前記一対の濃縮室のうちの前記陰極側の濃縮室にカチオン交換膜を介して隣接するとともに、前記一対の濃縮室のうちの前記陽極側の濃縮室にアニオン交換膜を介して隣接し、
前記脱塩室に被処理水を通水して前記脱塩室から脱イオン水を得る電気式脱イオン水製造装置と、
前記電気式脱イオン水製造装置の、少なくとも、前記陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室に、1μg-B/L以上のホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO3/L以上である供給水を供給するホウ素含有水供給手段と
を備える、脱イオン水の製造システムが提供される。
本発明によれば、スケール生成抑制のために濃縮室内にアニオン交換体を配しつつも、ホウ素がカチオン交換膜を通過して濃縮室から脱塩室に移動することを抑制することのできる、EDI装置を用いた脱イオン水の製造方法および製造システムが提供される。
本発明で用いることのできるEDI装置の一形態の概略構成を示す模式断面図である。 本発明で用いることのできるEDI装置の別の形態の概略構成を示す模式断面図である。 本発明で用いることのできるEDI装置のさらに別の形態の概略構成を示す模式断面図である。 本発明に係る脱イオン水製造システムの概略構成例を示すプロセスフローダイアグラムである。 本発明に係る脱イオン水製造システムの別の概略構成例を示すプロセスフローダイアグラムである。 実施例で用いたEDI装置の概略構成を示す模式断面図である。
イオン交換体として、例えばイオン交換樹脂およびイオン交換繊維がある。アニオン交換体としては例えばアニオン交換樹脂(AER)があり、カチオン交換体としては例えばカチオン交換樹脂(CER)がある。イオン交換樹脂とは、三次元的な網目構造を持った高分子母体に官能基(イオン交換基)を導入した合成樹脂のことであり、通常使用されるものは、粒子径が例えば0.1~1.0mm程度の球状の粒子である。イオン交換樹脂の高分子母体としては、スチレン-ジビニルベンゼンの共重合体(スチレン系)や、アクリル酸-ジビニルベンゼンの共重合体(アクリル系)などがある。
イオン交換樹脂は、官能基が酸性を示すカチオン交換樹脂と、塩基性を示すアニオン交換樹脂とに大別され、さらに、導入されるイオン交換基の種類によって、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂などがある。強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、第4級アンモニウム基を官能基(イオン交換基)として有するものがあり、弱塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、第1~第3級アミンを官能基として有するものがある。強酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸基を官能基として有するものがあり、弱酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、カルボキシル基を官能基として有するものがある。
以下、図面を参照しつつ本発明について詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
図1に、本発明で用いることのできるEDI装置の基本的な形態を示す。EDI装置には、対向する陰極12と陽極11との間に、少なくとも1つの脱塩処理部が設けられる。この脱塩処理部は、脱塩室23と、脱塩室23の両隣に設けられる一対の濃縮室22及び24とを有し、またアニオン交換膜(AEM)32とカチオン交換膜(CEM)33も有する。脱塩室23に被処理水を通水して、脱塩室23から脱イオン水を得る。
脱塩室23は、一対の濃縮室22、24のうちの陰極側の濃縮室24にカチオン交換膜33を介して隣接するとともに、一対の濃縮室22、24のうちの陽極側の濃縮室22にアニオン交換膜32を介して隣接する。脱塩室23は、陽極11に向いた側に位置するアニオン交換膜32と陰極12に向いた側に位置するカチオン交換膜33とによって区画されている。
図1に示すEDI装置では、陽極11を備えた陽極室21と、陰極12を備えた陰極室25との間に、陽極室21側から順に、濃縮室22、脱塩室23及び濃縮室24が設けられている。陽極室21と濃縮室22はカチオン交換膜31を介して隣接し、濃縮室24と陰極室25はアニオン交換膜34を介して隣接している。
・脱塩室内のイオン交換体
脱塩室23内には、被処理水に含まれるイオンを捕捉するために、イオン交換体(アニオン交換体および/またはカチオン交換体)が充填される。特に、被処理水に含まれるホウ素等の弱酸成分のアニオンを捕捉し、被処理水から除去する観点からは、脱塩室23に、少なくともアニオン交換体が充填されていることが好ましい。図1に示した例では、脱塩室23内には、アニオン交換体とカチオン交換体とが混床(MB)となって充填されている。しかし、アニオン交換体のみが脱塩室23に充填されていてもよい。あるいは、一つ以上のアニオン交換体床(アニオン交換体からなる床)と、一つ以上のカチオン交換体床(カチオン交換体からなる床)とが、脱塩室23に設けられていてもよい。この場合は、脱塩室から最終的に排出される処理水中の弱酸成分濃度を低くするために、被処理水が最後に通過するイオン交換体がアニオン交換体となる順序で、アニオン交換体床とカチオン交換体床が脱塩室に充填されていることが好ましい。アニオン交換体としては例えばアニオン交換樹脂(AER)が使用され、カチオン交換体としては例えばカチオン交換樹脂(CER)が使用される。
ただし、本発明は、脱塩室23に少なくともカチオン交換体が充填されている場合に、特に有用である。カチオン交換膜33を通過して濃縮室24から脱塩室23に移動してきたホウ素は、脱塩室23内のアニオン交換樹脂に捕捉されて、被処理水から除去され得る(アニオン交換膜32を通して濃縮室22に排出される)。例えば脱塩室23に充填されたイオン交換体が、アニオン交換体のみであるケースと、カチオン交換体を含むケースとでは、被処理水からのホウ素の除去の容易さが異なり、後者のケースのほうが除去が難しい。本発明によれば、特定の性状を有する供給水を濃縮室24に供給することにより濃縮室24から脱塩室23へのホウ素の移動を抑制できるので、後者のケースであってもホウ素による処理水(脱イオン水)の汚染を抑制でき、したがって後者のケースにおいて本発明は特に有用である。
・濃縮室内のイオン交換体
一対の濃縮室22および24にはそれぞれ、スケール生成を抑制するために、少なくともアニオン交換体、典型的にはアニオン交換樹脂(AER)が充填される。濃縮室22内および濃縮室24内のイオン交換体はそれぞれ、アニオン交換体からなっていてもよく、あるいは、アニオン交換体と、カチオン交換樹脂(CER)などのカチオン交換体とからなっていてもよい。濃縮室24内のイオン交換体のうち、アニオン交換体の割合は5割以上が好ましく、より好ましくは10割(全てアニオン交換体)である。濃縮室22内のイオン交換体のうちのアニオン交換体の割合についても同様である。
図1に示した例では、濃縮室24に充填されたイオン交換体が、アニオン交換樹脂(AER)によって構成される。濃縮室22についても同様である。
なお、このEDI装置では、カチオン交換体が陽極室21内に充填され、アニオン交換体が陰極室25内に充填されている。しかし、陽極室21及び陰極室25には、必ずしもイオン交換体を充填する必要はない。
以下に、図1に示したEDI装置による脱イオン水(処理水)の製造について説明する。陽極室21、濃縮室22、24及び陰極室25に供給水を通水し、陽極11と陰極12との間に直流電圧を印加した状態で、脱塩室23に被処理水を通水する。すると、被処理水中のイオン成分は脱塩室23内のイオン交換体に吸着され、脱イオン化(脱塩)処理が行われ、脱塩室23から処理水として脱イオン水が流出する。このとき脱塩室23では、印加電圧によって主に異種のイオン交換体(イオン交換膜であってもよい)同士の界面で水の解離反応が起こり、水素イオン及び水酸化物イオンが生成する。そしてその水素イオンと水酸化物イオンとによって、先に脱塩室23内のイオン交換体に吸着されていたイオン成分がイオン交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分のうちアニオンはアニオン交換膜32を介して陽極側の濃縮室22に移動し、この濃縮室22から濃縮水として排出され、カチオンは、カチオン交換膜33を介して陰極側の濃縮室24に移動し、この濃縮室24から濃縮水として排出される。結局、脱塩室23に供給された被処理水中のイオン成分は濃縮室22、24に移行して排出され、同時に、脱塩室23のイオン交換体が再生される。なお、陽極室21及び陰極室25からは電極水が排出される。
カチオン交換膜31、アニオン交換膜32、カチオン交換膜33およびアニオン交換膜34は、それぞれEDI装置や電気透析装置(ED)の分野で公知のものを使用することができる。
陽極11及び陰極12として、EDI装置の分野で公知のものを用いることができる。例えば、陰極にはステンレス、陽極には白金などの貴金属、もしくは貴金属めっき電極が用いられる。
また、例えば、陽極11及び陰極12、陽極室21、濃縮室22及び24、脱塩室23、陰極室25、カチオン交換膜31及び33、ならびにアニオン交換膜32および34を、適宜の枠体(不図示)に収容することができる。
陽極室21、濃縮室22、24及び陰極室25に供給する供給水や、脱塩室23に供給する被処理水として、EDI装置の分野で公知のものを用いることができる(ただし濃縮室24への供給水は前述の特定の性状を有する)。一般的には逆浸透膜の透過水(RO透過水)が用いられ、逆浸透膜で2段以上処理したものがより好ましい。加えて、脱炭酸塔や脱炭酸膜を用いて炭酸を除去することもある。さらに、近年においては、EDIにて処理した水を供給水や被処理水に用いる場合もある。濃縮室22と濃縮室24に供給する供給水が同じ水であってもよく、相異なる水であってもよい。供給水と被処理水が同じ水であってもよく、相異なる水であってもよい。
・被処理水
例えば、脱塩室23に、ホウ素およびシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む被処理水を通水して、脱イオン水を製造することができる。脱塩室に供給する被処理水中のこれら成分の濃度は問わないが、例えば、被処理水のホウ素濃度が1μg-B/L以上の場合に本発明は好適である。被処理水のホウ素以外の全アニオン濃度も特に限定されないが、例えば10μg-CaCO/L以上である。
・濃縮室への供給水の全アニオン濃度
少なくとも、陽極11に最も近い濃縮室22以外の濃縮室に供給する供給水、本形態では少なくとも濃縮室24に供給する供給水は、ホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である。典型的には、陽極11に最も近い濃縮室22にも同様の水を供給することができる。したがって全ての濃縮室(22および24)に同様の供給水を供給することができる。ただし、陽極11に最も近い濃縮室22にはこれらの条件を満たさない供給水を供給してもよい。ホウ素以外の全アニオン濃度は、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、遊離炭酸、シリカ(SiO、Si(OH)、Si(OH))の合計濃度である。
ホウ素がカチオン交換膜33を通過して濃縮室24から脱塩室23に移動する現象は、濃縮室24内のホウ素以外の全アニオン濃度に影響され、当該濃度が高いほうが抑制される。濃縮室24に供給する供給水中のホウ素以外の全アニオン濃度は10μg-CaCO/L以上、好ましくは100μg-CaCO/L以上、より好ましくは1000μg-CaCO/L以上である。また、陽極11に最も近い濃縮室22以外の濃縮室(濃縮室24)に供給する供給水の全炭酸濃度(CO、HCO 及びCO 2-の濃度を全てHCO として換算して合計した値)は、好ましくは10μg-CO/L以上、より好ましくは800μg-CO/L以上である。ホウ素以外の全アニオン濃度さらには全炭酸濃度が上記条件を満たすと、濃縮室24への供給水がホウ素を含んでいても、濃縮室24内のイオン交換体にホウ素が捕捉されることを抑制し、ホウ素の濃縮室24から脱塩室23への移動を抑制できる。
濃縮室(少なくとも、陽極11に最も近い濃縮室22以外の濃縮室24)に供給する供給水の、ホウ素以外の全アニオン濃度は、好ましくは40000μg-CaCO/L以下、より好ましくは20000μg-CaCO/L、さらに好ましくは10000μg-CaCO/L以下である。その理由は、濃縮室24内のホウ素以外の全アニオン濃度が脱塩室23内のホウ素以外の全アニオン濃度と比較して非常に高くなり、濃縮室24から脱塩室23に濃度差によってホウ素以外のアニオン成分が移動し、処理水の水質が低下する可能性を減少させるためである。また、弱酸成分である炭酸がカチオン交換膜33を通過して濃縮室24から脱塩室23に移動することを抑制するためである。
なお、単位「μg-CaCO/L」は、全アニオン濃度を表す際に用いられる単位であり、例えば水中に塩化物イオンが10μg-Cl/L、硝酸イオンが10μg-NO/L存在する場合、次式のように、全アニオン濃度は22.1μg-CaCO/Lとなる。
10×100(CaCOの分子量)/(2×35.5(Clの原子量))+10×100(CaCOの分子量)/(2×62(NOの分子量))=22.1
・濃縮室への供給水のホウ素濃度
濃縮室(少なくとも、陽極11に最も近い濃縮室22以外の濃縮室24)に供給する供給水のホウ素濃度は特に限定されず、この供給水がホウ素を含んでいれば本発明の効果が得られる。例えば、一般的にはこの供給水のホウ素濃度は1μg-B/L以上、特には5μg-B/L以上である。また、濃縮室24から脱塩室23へのホウ素の移動を抑制する観点からは、この供給水のホウ素濃度は好ましくは50μg-B/L以下、より好ましくは20μg-B/L以下、さらに好ましくは10μg-B/L以下である。
・電流密度
一般的に、EDI装置の電流密度が高いほど、EDI装置の脱イオン性能は向上する。しかし、濃縮室24から脱塩室23へのホウ素の移動は、電流密度の増加に伴って増加する傾向がある。ホウ素濃度が低い処理水を得ようとする場合に、このようなホウ素の移動の影響が大きくなる。したがって、本発明は電流密度が高い場合に特に有用である。本発明によれば、例えば、電流密度が0.1A/dm以上、特には1A/dm以上の場合であっても、ホウ素濃度が例えば100ng-B/L未満、特には10ng-B/L未満、中でも1ng-B/L未満の処理水を安定して得ることが可能である。電流密度の上限値は、特に限定されないが、例えば2.0A/dmとすることができる。EDI装置を複数用いる場合、それぞれのEDI装置において、電流密度を上記範囲にすることができる。処理水は、例えば、18MΩ・cm以上の水質を有する。
図1に示した装置では、陽極室21、濃縮室22及び24、ならびに陰極室25に、上方から供給水を導入し、下方から水(電極水もしくは濃縮水)を排出し、また、脱塩室23には、上方から被処理水を導入し、処理水を下方へ排出している。しかし、その限りではなく、水の流れ方向は適宜決めることができる。さらに、陽極室21に外部から水を供給するのではなく、陰極室25の出口水(電極水)を陽極室21に供給してもよいし、その逆としてもよい。
なお、濃縮室が電極室を兼ねている構成のEDI装置も使用可能である。例えば、図1に示す濃縮室24に陰極を設けて陰極室25を省略してもよい。この場合であっても、脱塩室および一対の濃縮室から構成される脱塩処理部は、陰極と陽極の間に配置される。
以上、図1を用いて本発明で用いることのできるEDI装置の基本的な構成を説明したが、本発明では種々の構成のEDI装置を広く使用できる。以下、本発明で用いることのできるEDI装置の構成例を説明する。
図2は、本発明で用いることのできるEDI装置の別の形態を示している。EDI装置は、脱塩処理部を複数個有することができる。そのために、[濃縮室|アニオン交換膜(AEM)|脱塩室|カチオン交換膜(CEM)|濃縮室]からなる基本構成(すなわちセルセット)を陽極と陰極との間に複数個並置することができる。このとき、隣接するセルセット間で隣り合う濃縮室を共有することができる。図2に示したEDI装置は、図1に示した装置において、アニオン交換膜32、脱塩室23、カチオン交換膜33及び濃縮室24で1つのセルセットが構成されるものとして、このセルセットを陽極室21に最も近い濃縮室22と陰極室25との間にN(Nは1以上の整数)個配置したものである。
陽極室21にはカチオン交換樹脂(CER)が充填され、濃縮室22、24と陰極室25にはアニオン交換樹脂(AER)が充填される。脱塩室23にはアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とが混床(MB)で充填されている。それぞれのセルセットにおいて、一対の濃縮室22および24のうちの陰極側の濃縮室24には、ホウ素を含みかつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である供給水が供給される。したがって、陽極室21に最も近い濃縮室22を除いて、全ての濃縮室に、この供給水が供給される。換言すれば、最も陽極11に近い脱塩室よりも陰極12側に存在する濃縮室には全て、この供給水が供給される。陽極室21に最も近い濃縮室22にこの供給水を供給してもよい。つまり、全ての濃縮室に同様の供給水を供給することができる。
また、陽極室21に外部から水を供給するのではなく、陰極室25の出口水が陽極室21に供給されるようになっている。また、図1に示したものと異なって、陽極室21、濃縮室22および24、ならびに陰極室25では、水の流れが下方から上方に向かう。したがって、脱塩室23内の水の流れ方向は、その両側の濃縮室22,24内の水の流れ方向と向流になっている。
なお、カチオン交換膜33を通しての濃縮室24から脱塩室23へのホウ素の移動は、濃縮室24内のホウ素の濃度にも影響され、その濃度が高いほど移動する量も増加する。濃縮室24ではその入口から出口に向かうにつれ、濃縮倍率が上がりホウ素の濃度も高くなる。図2に示すように、濃縮室24の入口側が脱塩室23の出口側に隣接するような構成の場合、脱塩室23の処理水出口に近い位置において濃縮室24からのホウ素の拡散が抑えられる。逆に言えば、濃縮室24における水の流れ方向が、その陽極側に隣接する脱塩室23(図3に示す形態では第2小脱塩室27)における水の流れ方向と並流をなす場合に、濃縮室24から脱塩室23へのホウ素の移動が生じやすい。本発明は、後者の場合、すなわち図1に示すように濃縮室24と脱塩室23の通水方向が並流の場合に、特に有用である。
EDI装置では、各脱塩室において陽極側のアニオン交換膜と陰極側のカチオン交換膜との間に中間イオン交換膜(IIEM)を設け、中間イオン交換膜によってその脱塩室を第1小脱塩室及び第2小脱塩室に区画することができる。そして、第1小脱塩室及び第2小脱塩室のうちの一方の小脱塩室に被処理水が供給されて、その小脱塩室から流出する水が他方の小脱塩室に流入するように、第1及び第2の小脱塩室を連通配置することができる。中間イオン交換膜としては、アニオン交換膜及びカチオン交換膜のいずれも使用できる。このとき、陽極側の小脱塩室を第1小脱塩室、陰極側の小脱塩室を第2小脱塩室とする。例えば、第1小脱塩室には少なくともアニオン交換体が充填され、第2小脱塩室には少なくともカチオン交換体が充填される。
図3は、脱塩室を中間イオン交換膜によって2つの小脱塩室に区画したEDI装置の例を示している。このEDI装置は、図2に示したEDI装置における各脱塩室23を、アニオン交換膜32とカチオン交換膜33との間に位置する中間イオン交換膜36によって、陽極11側の第1小脱塩室26と陰極12側の第2小脱塩室27とに区画した構成を有する。第1小脱塩室26は、アニオン交換膜32と中間イオン交換膜36との間に位置し、第2小脱塩室27は、カチオン交換膜33と中間イオン交換膜36との間に位置する。中間イオン交換膜36として、アニオン交換膜が使用されている。
第1小脱塩室26にはアニオン交換樹脂を充填する。第2小脱塩室27の入口側領域にカチオン交換樹脂を配置し、出口側領域にアニオン交換樹脂を配置する。つまり、第2小脱塩室27に、被処理水の通水方向に沿って、カチオン交換体床及びアニオン交換体床が、この順に設けられる。
第1小脱塩室26に被処理水が供給され、第1小脱塩室26から流出する水が第2小脱塩室27に流入するように、第1小脱塩室26及び第2小脱塩室27が連通している。第2小脱塩室27から脱イオン水が処理水として得られる。したがって、脱塩室23には、被処理水が最後に通過するイオン交換体がアニオン交換体となる順序で、アニオン交換体床とカチオン交換体床とが充填されている。
この装置では、第1小脱塩室26における水の流れと、第2小脱塩室27における水の流れとが、向流となっている。
脱塩室から最終的に排出される処理水の純度を高める観点から、脱塩室において、被処理水が最後に通過するイオン交換体がアニオン交換体となる順序で、カチオン交換体床とアニオン交換体床とを交互に用いることが好ましい。例えば、図3に示すような形態では、第2小脱塩室27内に設けられたイオン交換体床の積層体の最終段がアニオン交換体床であることが好ましい。
・脱イオン水製造システム
本発明に係る脱イオン水製造システムは、EDI装置と、ホウ素含有水供給手段とを備える。ホウ素含有水供給手段は、少なくとも、陽極11に最も近い濃縮室以外の濃縮室(濃縮室24)に、ホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である供給水を供給する手段である。陽極11に最も近い濃縮室22にも、ホウ素含有水供給手段から同様の供給水を供給することができる。ホウ素含有水供給手段は、逆浸透膜を含むことができ、また、少なくとも、陽極11に最も近い濃縮室以外の濃縮室(濃縮室24の入口に、典型的には全ての濃縮室の入口に、逆浸透膜の透過側を連通させる流路を含むことができる。逆浸透膜の透過水として、ホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である供給水を得、この供給水を前記流路を経て濃縮室に供給することができる。逆浸透膜として、脱イオン水製造の分野で公知のものを用いることができる。また、逆浸透膜に、脱イオン水製造の分野で公知の前処理を適宜施した水を供給することができる。
図4にEDI装置を1つ有する脱イオン水製造システムの構成例を示す。逆浸透膜装置100からの逆浸透膜透過水(RO透過水)は、ホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である。RO透過水が、ライン110からライン111および112に分岐される。ライン111のRO透過水が被処理水としてEDI装置101の脱塩室101aに供給される。ライン112のRO透過水が供給水としてEDI装置101の濃縮室101bに供給される。なおこの図では、簡単のため、濃縮室(図1の濃縮室22および24)はまとめて一つだけ示し、陽極室および陰極室は省略してあるが、各濃縮室に供給する水は同じであってよく、あるいは異なっていてもよい。また陽極室および陰極室にも濃縮室と同様の供給水を供給することができるが、その限りではない。脱塩室101aは、図1に示した脱塩室23と同じであってよい。脱塩室101aから得られた処理水が、脱イオン水としてライン114に得られる。濃縮室101bから得られた濃縮水は、ライン115から脱イオン水製造システム外に排出される(電極水も同様)。ホウ素含有水供給手段は、逆浸透膜装置100を備え、また逆浸透膜装置100の逆浸透膜の透過側を濃縮室101bの入口に連通させる流路(ライン110および112)を備える。
・EDI装置の多段構成
EDI装置を2段以上、被処理水の流れに関して直列に接続し、RO透過水を1段目のEDI装置の脱塩室および濃縮室に供給することができる。このとき、1段目のEDI装置の脱塩室23から得られる処理水を、2段目のEDI装置の濃縮室24に供給すると、1段目のEDI装置の濃縮室24よりも2段目のEDI装置の濃縮室24のほうがホウ素以外の全アニオン濃度が低いため、2段目のEDI装置において濃縮室24から脱塩室23へのホウ素の移動現象が顕著に起こりやすい。3段目以降も同様である。このような現象を避けるためには、2段目以降のEDI装置の濃縮室24にも、RO透過水を供給することが好ましい。すなわち、EDI装置を被処理水の流れに関して直列に2つ以上設ける場合、それぞれのEDI装置において、逆浸透膜の透過水を、濃縮室(少なくとも、陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室24。典型的には全ての濃縮室)への供給水として用いることが好ましい。そのために、それぞれのEDI装置の、濃縮室(少なくとも、陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室。典型的には全ての濃縮室)の入口に、前記逆浸透膜の透過側を連通させる流路(後述するライン110、112および113)を用いることができる。
このような場合の脱イオン水製造システムについて図5を用いて説明する。逆浸透膜装置100からのRO透過水(ライン110)がライン111、112および113に分岐される。ライン111のRO透過水が被処理水として1段目のEDI装置101の脱塩室101aに供給される。ライン112のRO透過水が供給水としてEDI装置101の濃縮室101bに供給される。ライン113のRO透過水が供給水として2段目のEDI装置102の濃縮室102bに供給される。なお、この図では簡単のためそれぞれのEDI装置において濃縮室(図1の濃縮室22および24)はまとめて一つだけ示し、陽極室および陰極室は省略してあるが、それぞれのEDI装置において各濃縮室には同じ供給水を供給することができ、また陽極室および陰極室にも濃縮室と同様の供給水を供給することができる。脱塩室101aから得られた処理水が、ライン114を経て、EDI装置102の脱塩室102aに被処理水として供給される。濃縮室101bから得られた濃縮水は、ライン115から脱イオン水製造システム外に排出される(電極水も同様)。脱塩室102aから処理水が脱イオン水としてライン116に得られる。濃縮室102bから得られた濃縮水は、ライン117から脱イオン水製造システム外に排出される(電極水も同様)。
〔実施例1~6および比較例1〕
図6に示す構成を有するEDI装置を用い、カチオン交換膜33を通してのホウ素の透過量を評価した。この装置は、次の点を除いて、図1に示す装置と同様の構成を有していた。ホウ素以外のアニオン成分としては、炭酸を使用した。
・脱塩室23の陽極側に位置する濃縮室が、陽極11を有し、陽極室を兼ねる濃縮室51であった。この濃縮室51にはカチオン交換樹脂を充填した。
・濃縮室51と脱塩室23とを隔てる膜として、アニオン交換膜ではなく、カチオン交換膜52を用いた。
・脱塩室23に、カチオン交換樹脂を充填した。ホウ素を捕捉しないカチオン交換樹脂を脱塩室23に充填することにより、脱塩室23からホウ素を排出しやすくなる。
・陰極室25の出口水を、濃縮室51に供給した。
・濃縮室24にホウ素および炭酸含有水を供給し、脱塩室23および陰極室25にホウ素を含まない水を供給した。
脱塩室23の出口水中のホウ素濃度を測定した。ホウ素の透過量は、脱塩室23の出口水に含まれるホウ素の質量流量(ホウ素濃度×脱塩室出口水流量)を、カチオン交換膜33の有効膜面積で除した値である。
用いたEDI装置の仕様および試験条件を以下に示す。濃縮室51および脱塩室23に充填したカチオン交換樹脂(CER)は共通であり、濃縮室24および陰極室25に充填したアニオン交換樹脂(AER)は共通である。
・濃縮室51:寸法 縦50×横40×厚さ10mm、CER充填
・脱塩室23:寸法 縦50×横40×厚さ10mm、CER充填
・濃縮室24:寸法 縦50×横40×厚さ10mm、AER充填
・陰極室25:寸法 縦50×横40×厚さ10mm、AER充填
・CER:強酸性カチオン交換樹脂(粒径:0.5mm、母体:スチレン・ジビニルベンゼン共重合体)
・AER:強塩基性アニオン交換樹脂(粒径:0.5mm、母体:スチレン・ジビニルベンゼン共重合体)
・ホウ素非含有水:超純水(比抵抗18.2MΩ・cm、ホウ素濃度20ng-B/L未満)
・ホウ素および炭酸含有水:上記ホウ素非含有水に、ホウ素を250μg-B/Lで添加し、かつホウ素以外の全アニオン濃度および全炭酸濃度が表1に示す値となるように炭酸を添加したもの
・各室から排出される水の流量:6L/h
・印加電流密度:1.0A/dm
なお、「ホウ素および炭酸含有水」は、上記のように超純水にホウ素および炭酸を添加したものなので、表1に示される各例において、ホウ素以外の全アニオン濃度は実質的に全炭酸濃度と等価である。
なお、一般的なEDI装置において、被処理水中のホウ素濃度は数μg-B/L~数十μg-B/L程度であり、ホウ素濃縮倍率(濃縮室ホウ素濃度/脱塩室ホウ素濃度)は数倍~数十倍程度であることが多い。脱塩室に供給される被処理水のホウ素濃度が25μg-B/L、ホウ素濃縮倍率が10倍、ホウ素除去率が99.9%であると仮定した場合、濃縮室内のほう素濃度は約250μg-B/Lになる。そこで、本例では、濃縮室24にほう素濃度250μg-B/Lの水を供給した。
Figure 0007262353000001
11 陽極
12 陰極
21 陽極室
22、24 濃縮室
23 脱塩室
25 陰極室
26 第1小脱塩室
27 第2小脱塩室
31、33、52 カチオン交換膜(CEM)
32、34 アニオン交換膜(AEM)
36 中間イオン交換膜(IIEM)
51 陽極室を兼ねる濃縮室
100 逆浸透膜装置
101 1段目のEDI装置
101a 1段目のEDI装置の脱塩室
101b 1段目のEDI装置の濃縮室
102 2段目のEDI装置
102a 2段目のEDI装置の脱塩室
102b 2段目のEDI装置の濃縮室

Claims (10)

  1. 電気式脱イオン水製造装置を用いて脱イオン水を製造する、脱イオン水の製造方法であって、
    前記電気式脱イオン水製造装置が、
    対向する陰極と陽極との間に少なくとも一つの脱塩処理部が設けられ、
    前記脱塩処理部は、イオン交換体が充填された脱塩室と、該脱塩室の両隣に設けられる一対の濃縮室とを有し、前記一対の濃縮室のそれぞれに少なくともアニオン交換体が充填され、
    前記脱塩室は、前記一対の濃縮室のうちの前記陰極側の濃縮室にカチオン交換膜を介して隣接するとともに、前記一対の濃縮室のうちの前記陽極側の濃縮室にアニオン交換膜を介して隣接し、
    前記脱塩室に被処理水を通水して前記脱塩室から脱イオン水を得る電気式脱イオン水製造装置であり、
    1μg-B/L以上のホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である供給水を、少なくとも、前記陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室に供給する、脱イオン水の製造方法。
  2. 前記供給水の全炭酸濃度が10μg-CO/L以上である、請求項1に記載の脱イオン水の製造方法。
  3. 前記供給水の全炭酸濃度が800μg-CO/L以上である、請求項2に記載の脱イオン水の製造方法。
  4. 前記電気式脱イオン水製造装置を、0.1A/dm以上の電流密度で運転する、請求項1~3のいずれか一項に記載の脱イオン水の製造方法。
  5. 前記脱塩室に充填されたイオン交換体が、少なくともカチオン交換体を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の脱イオン水の製造方法。
  6. 逆浸透膜の透過水を、前記供給水として用いる、請求項1~5のいずれか一項に記載の脱イオン水の製造方法。
  7. 前記電気式脱イオン水製造装置を、前記被処理水の流れに関して直列に2つ以上設け、
    それぞれの電気式脱イオン水製造装置において、逆浸透膜の透過水を、前記供給水として用いる、請求項6に記載の脱イオン水の製造方法。
  8. 対向する陰極と陽極との間に少なくとも一つの脱塩処理部が設けられ、
    前記脱塩処理部は、イオン交換体が充填された脱塩室と、該脱塩室の両隣に設けられる一対の濃縮室とを有し、前記一対の濃縮室のそれぞれに少なくともアニオン交換体が充填され、
    前記脱塩室は、前記一対の濃縮室のうちの前記陰極側の濃縮室にカチオン交換膜を介して隣接するとともに、前記一対の濃縮室のうちの前記陽極側の濃縮室にアニオン交換膜を介して隣接し、
    前記脱塩室に被処理水を通水して前記脱塩室から脱イオン水を得る電気式脱イオン水製造装置と、
    前記電気式脱イオン水製造装置の、少なくとも、前記陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室に、1μg-B/L以上のホウ素を含み、かつホウ素以外の全アニオン濃度が10μg-CaCO/L以上である供給水を供給するホウ素含有水供給手段と
    を備える、脱イオン水の製造システム。
  9. 前記ホウ素含有水供給手段が、
    逆浸透膜と、
    前記電気式脱イオン水製造装置の、少なくとも、前記陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室の入口に、前記逆浸透膜の透過側を連通させる流路と
    を含む、請求項8に記載の脱イオン水の製造システム。
  10. 前記電気式脱イオン水製造装置が、前記被処理水の流れに関して直列に2つ以上接続され、
    前記ホウ素含有水供給手段が、
    それぞれの前記電気式脱イオン水製造装置の、少なくとも、前記陽極に最も近い濃縮室以外の濃縮室の入口に、前記逆浸透膜の透過側を連通させる流路を含む、請求項9に記載の脱イオン水の製造システム。
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