JP3899769B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームを画像情報に応じて感光体上に走査露光することにより、画像を記録するレーザプリンタやデジタル複写機などの画像形成装置に使用される光学走査装置に関し、詳細には、走査線の湾曲等を補正することで走査線の品質向上を図り、更には、複数の走査線によるカラー画像形成装置においては走査線の湾曲差等による色ずれを防止することのできる光走査装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、帯電された感光体に、光走査装置により画像情報に応じた光ビームを走査して潜像を形成し、この潜像を現像した現像像を用紙に転写して画像形成することが行われている。
【0003】
また近年では、ドキュメントのカラー化が進むに従い、この電子写真方式によりブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色について現像像を形成し、これを順次転写してフルカラー画像を形成するフルカラー画像形成装置が開発されている。
【0004】
このようなフルカラー画像形成装置には、カラー画像プリントの生産性向上を図るため、例えば特開平7−128603号に開示されているような、複数の独立した画像形成装置を備え並列に配置し、そこで形成された現像像を単一の転写媒体上に連続的に転写して1サイクルでフルカラー画像を形成する、いわゆるタンデム方式がある。
【0005】
またフルカラー画像形成装置に用いる光走査装置としては、走査画角をより大きくすることで高速・高密度化を図りつつ、光学性能の左右差も生じない正面入射光学系が提案され、実用化されており、さらにはより小型化させるため、複数ビームを同一偏向器へ入射し走査させることで偏向器数を減らした走査光学系も実現されている。このような光走査装置は、特開平6−183056号などに開示されている。
【0006】
そして、これらの光走査装置に要求されるのは、光学性能を確保し、各走査線のずれによって発生する色ずれを防止するとともに、小型・低コストを実現することである。
【0007】
ところで色ずれは、図15に示すように、(A)のトップマージン、(B)のサイドマージン、(C)の倍率、(D)の左右倍率差、(E)の走査線傾き(Skew)、(F)の走査線湾曲(Bow)といった主に6つの要因から発生する。
【0008】
しかし、トップマージンとサイドマージンによる色ずれは、画像データの書き出しタイミングを電気的に補正することで、1dot以下の高い精度に抑えることが可能である。また近年では、倍率要因による色ずれについても、画像クロック周波数を微小に変化させるVCOと呼ばれる技術によって改善され、各色光ビームの倍率を一致させることも可能となっている。ただしこのVCOでも、画像を精度良く書き込むため周波数可変幅に制限を設けており(可変幅を大きくすると書き込み精度が悪化する)、よって倍率補正範囲は±0.5%程度である。
【0009】
そのため、より高い画質を望むには、光学系の誤差による倍率変動を±0.5%以内に抑える必要がある。
【0010】
一方、Bowについては、光走査装置の小型化のため、光ビームを偏向器へ斜め入射させ、複数回折り返して光路長を確保する構成の光学系で特に問題となる。すなわち、偏向器への入射光学系と偏向後の光学系もしくは複数ビームを分離する必要から、各光ビームを偏向器反射面に対し副走査方向断面で斜めから入射させるためBowが発生し、これをフルカラー画像形成装置に適用するには、Bowを補正して色ずれ最小限に抑える必要がある。
【0011】
このBowやSkewを光学系で補正する方法は、前述の特開平6−183056号において提案されている(以下、従来例1と呼ぶ)。この従来例1では、3枚設けた反射ミラーのうち、反射面の相対角度が90°とされたミラー対以外の反射ミラーを回転・移動させることでSkewを補正しており、Bowについては、平行平面ガラスを偏向器と感光体の近傍にそれぞれ配置し、走査線湾曲を相殺・補正することで行っている。
【0012】
また他にも、特開平4−264417号において、平面ミラーを撓ませることによりBowを補正することが提案されている(以下、従来例2と呼ぶ)。この従来例2の光走査装置の構成を、図を参照して説明する。
【0013】
図16〜18に示した光走査装置100は、半導体レーザ111、121から出射された波長の異なるビームB1、B2が、それぞれ、集光レンズ112、122、シリンドリカルレンズ113、123を透過し、合成ミラー114により合成され同一光路を辿って、回転駆動するポリゴンミラー115に入射する。
【0014】
このポリゴンミラー115によって偏向走査された合成ビームは、トーリックfθレンズ116を透過し、第1ミラー117によって分離フィルタ118方向へ反射される。分離フィルタ118では、合成ビームをもとのビームB1、B2に分離し、各ビームは、それぞれ、第2ミラー119、第3ミラー129を介して感光体ドラム130に照射され、走査線131、132に沿った露光が行われる。
【0015】
これら第1ミラー117、分離フィルタ118、第2ミラー119、第3ミラー129は、それぞれミラーホルダに取付けられており、図18に示す第1ミラー117の例では、ミラーホルダ141の両端部に形成されたミラー当接面151に反射面を向けて載置し、背面側の両側部を板ばね152により押圧して固定している。
【0016】
そして、この第1ミラー117の背面・中央部に、一端部を固定した圧電素子153を取付け、図示しない制御装置により所定電圧を印加し駆動させることで第1ミラー117を撓み変形させており、これによってBowを補正している。
【0017】
すなわち、図17に示すように、第1ミラー117を矢印A方向に変位するよう湾曲させると、ミラー中央部付近で反射されるビームB1、B2の光路は、それぞれ同図の破線で示すように変わり、走査線131、132の湾曲(Bow)が補正されるわけである。
【0018】
また、走査線位置ずれやSkewについては、以下の手順で行われる。ミラーホルダ141をフレーム144に固定しているねじ157、及び、スライダ158を固定しているねじ159を緩め、ミラーホルダ141とスライダ158とを一体的にガイド溝144Aの方向に移動させて、まず位置ずれを補正し、スライダ158をねじ159で固定した後に、ミラーホルダ141をスライダ158に立設されたピン158Bの軸心まわりに回動させることでスキューを補正し、最後にねじ157を締付けて、ミラーホルダ141をフレーム144に固定する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例1では、Skewを補正する反射ミラーが光ビームを被走査面側へ反射する最終ミラーであるため、ミラーの回動により左右倍率が変化し、この左右倍率差による走査線ずれが補正できないため主走査方向の色ずれが大きくなってしまう。さらに平行平面ガラスを利用したBow補正では、光ビームの偏向器への入射角度、走査レンズの傾き、倒れ補正光学系の面精度誤差等により、走査線湾曲量が各光ビームで異なる場合、その湾曲量差が解消できない欠点がある。したがって、これら左右倍率及びBow要因による色ずれにより、必ずしも良好な画像が得られないという問題がある。
【0020】
一方、従来例2では、平面ミラーを湾曲させてBowを補正しているが、光ビームの入射角度による補正感度が考慮されていないため、平面ミラーを撓ませることで走査倍率が大きく変化し、光学性能が変わってしまう。つまり、Bowによる副走査方向の色ずれは補正できても、走査倍率や走査倍率の左右差による主走査方向の色ずれが大きくなるため、色ずれを招く諸要因を効率良く補正できていない。
【0021】
さらに、このBow補正用のミラーは、走査線位置ずれやSkew調整も兼ねているため、単一の光学素子を異なる複数方向に変位させる調整作業が煩雑となり、コストアップにも繋がる。
【0022】
本発明は上記事実を考慮して、光学性能変化を抑えながらも走査線湾曲(Bow)を精度良く補正できる光走査装置を提供するものであり、また他の目的は、光学性能変化を最小としながらも、走査線湾曲、走査線傾き(Skew)、倍率誤差を高い精度で、しかも安価に補正できる光走査装置を提供するものであり、さらに他の目的は、複数感光体もしくは複数位置を走査露光し多色画像を得る多色画像形成装置において、光学性能変化を最小としながらも、色ずれを高い精度で安価に補正できる光走査装置を提供することを課題とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の発明では、複数の光源からそれぞれ出射された各光ビームを偏向走査させる偏向装置と、前記偏向装置で偏向された各光ビームを対応するそれぞれの被走査面上に結像させる少なくとも1つの結像光学系と、前記少なくとも1つの結像光学系をそれぞれ通過した各光ビームを前記それぞれの被走査面側へ反射するとともに各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた反射ミラーと、を有し、それらを収容する筐体を備えた光走査装置において、各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた前記反射ミラーを、前記少なくとも1つの結像光学系をそれぞれ通過した各光ビームを最初に反射する各第1ミラーと、各光ビームを前記それぞれの被走査面側へ反射する各最終ミラーと、前記各第1ミラーと前記各最終ミラーとの間にそれぞれ配置された各倒れ補正ミラーと、の少なくとも各3枚で構成し、前記各第1ミラーは、各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた前記反射ミラーのうち前記入射角度が最小とされ、且つ、反射面における前記光ビームの走査軌跡と平行な軸を中心に回動可能に支持され、前記各最終ミラーは、反射面の法線方向に撓ませる前記反射ミラーとされ、前記各倒れ補正ミラーは、シリンダミラーとされ、且つ、前記光ビームの入射位置での接平面内で回動可能に支持されていることを特徴としており、このように、複数位置を走査露光し多色画像を得る多色画像形成装置に本発明を適用してもよい。
請求項1に記載の発明では、光源から出射された光ビームが偏向装置により偏向走査され、結像光学系によって被走査面上に結像される。また、光ビームを被走査面側へ反射する複数の反射ミラーを備えており、この複数の反射ミラーの中の何れかを反射面の法線方向に撓ませれば、その撓ませた反射ミラーの反射面中央部と反射面端部とで光ビームの副走査方向レジ変化に差が生じるため、走査線湾曲を補正することができる。
ただし、反射ミラーの撓み量と走査線の湾曲量との関係は、光ビームの入射角度に依存しているため、この入射角度に応じて、複数の反射ミラーの中から撓ませる反射ミラーを決定すれば、少ない撓み量で走査線を大きく湾曲させる、すなわち、補正感度を高めることができる。
したがって、反射ミラーを撓ませることによる走査倍率の変化を小さくすることができ、よって光学性能変化を抑えながらも走査線湾曲を精度良く補正できる。
また、結像光学系を通過した光ビームを前記被走査面側へ反射する少なくとも3枚の反射ミラーを有する光走査装置において、結像光学系を通過した光ビームを最初に反射する第1ミラーと光ビームを前記被走査面側へ反射する最終ミラーとの間に配置された反射ミラーを倒れ補正ミラーとしている。
このため、倒れ補正ミラー入射角度に自由度を持たせることが可能となり、正面入射光学系等においては、光ビームを偏向装置へ副走査方向に0でない所定角度で入射させることで発生する走査線湾曲、すなわち、走査中央部光束と走査端部光束の副走査角度差によって、倒れ補正ミラーのパワー差と走査角度によるフォーカス差を相殺させるように配置することができる。
したがって、被走査面上での副走査像面湾曲を抑制し、偏向反射面共役位置ずれが防止できる。
また、結像光学系と倒れ補正光学素子との間に配置された前記反射ミラーの少なくとも1つは、反射面における前記光ビームの走査軌跡と直交する軸を中心に回動可能に支持されている。これにより、被走査面上での副走査方向レジ変化を微少としながらも左右倍率が補正でき、左右での画像を同じ大きさに揃えられる。また、多色画像形成装置に適用した場合は、副走査方向の色ずれを生じることなしに左右倍率差に起因する主走査方向の色ずれが補正できる。
【0038】
また、請求項に記載の発明における反射面の法線方向に撓ませる各反射ミラーは、請求項のように、各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた反射ミラーのうち入射角度が最大の各反射ミラーとしてもよい。
【0040】
また、請求項〜請求項の何れか1項に記載の光走査装置は、請求項のように複数の光源からそれぞれ出射する各光ビームのクロック周波数を調整可能な画像クロック可変手段を有するようにしてもよい。
【0041】
なお、請求項は、請求項〜請求項の何れか1項に記載の光走査装置を備えた画像形成装置である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0043】
[第1の実施形態]
図1に示すように、第1の実施形態に係る光走査装置10は、画像形成装置12内の本体フレ−ム14に搭載され、ハウジング16が図示しないスクリューで固定されている。
【0044】
ハウジング16内には、情報を含んだレーザビームAを半導体レーザから出射する光源20が設けられており、このレーザビームAを略平行光とするコリメータレンズ22、コリメータレンズ22後に位置して略平行光とされたレーザビームAを所望のスポット径とする開口部24が配設されている。
【0045】
また、開口部24を通過したビーム光束を副走査方向に集束させ主走査方向に長い線像とする整形光学系26、ビーム光束が副走査方向に集束した位置の近傍に偏向反射面を配したポリゴンミラー28、偏向走査されたビーム光束を被走査面上に結像する走査レンズ(結像光学素子)30、32、偏向走査されたビーム光束を折り返す3枚の反射ミラー34、36、38を備えている。
【0046】
ポリゴンミラー28で偏向走査され、走査レンズ30、32を通過し、反射ミラー34、36、38の順に折り返されたビーム光束は、感光体ドラム40を露光し潜像を形成する。そしてこの潜像を現像処理し、記録媒体に転写・定着することでプリントが得られる。
【0047】
ところで、本実施形態の光走査装置10は、レーザビームAをポリゴンミラー28の偏向反射面へ斜めから入射させる、いわゆるサジタルオフセット入射光学系であり、ここでは、副走査方向での入射角度が1.2°に設定されている。したがって、ポリゴンミラー28への斜め入射、及び走査レンズ30、32への斜め入射により、本来直線であるべき走査線が130μm湾曲することになる。
【0048】
次に、反射ミラーを説明すると、走査レンズ30、32を通過したレーザビームAを最初に反射する反射ミラー34(第1ミラー)は平面ミラーとされ、反射面における光ビームの走査軌跡と直交する軸(偏向走査面と略直交する軸)を中心として回動可能に支持されている(図中矢印B方向)。このため、レーザビームAの主走査方向での入射角度が変更可能となり、左右倍率の補正機能を備えた構成となる。
【0049】
また、反射ミラー34と反射ミラー38の間に配置された反射ミラー36(第2ミラー)は、副走査方向にのみパワーを有するシリンダミラーとされ、光ビームの入射位置での接平面内で回動可能に支持されている(図中矢印C方向)。これにより、副走査方向の位置ずれであるSkewの補正が可能とされる。
【0050】
さらに、レーザビームAを感光体ドラム40側へ反射する反射ミラー38(最終ミラー)は、反射ミラー34と同様に平面ミラーとされており、ただしこの平面ミラー、反射面の法線方向に撓ませられるようになっている。反射ミラー38を撓ませる機構が、図2及び図3に示されており、以下、その詳細を説明する。
【0051】
反射ミラー38は、図2に示すような2個のブラケット50を介して、ハウジング16の図示しない隔壁に取付けられている。ブラケット50には、厚肉板状のアーム52が設けられており、ここでは、一方のブラケット50のアーム52と、他方のブラケット50のアーム52とが互いに平行に配置されている。
【0052】
アーム52には、反射ミラー38が挿通する略矩形の孔54が形成されており、反射ミラー38は、両アーム52の孔54に挿通されて、端部付近が孔54より突出している。
【0053】
またアーム52の一方の端面(反射ミラー38の裏面側)には、金属板で形成された金具56がねじ57で固定されており、金具56は、反射ミラー38の端部側へ延びる腕部58を備えている。
【0054】
この腕部58の先端側にはナット60が固着されており、ナット60には調整ねじ62が螺合している。また調整ねじ62には、ドライバーで回すための溝64が形成されている。
【0055】
そして反射ミラー38は、図3に示すように、反射面38Aがアーム52の孔54の支持突起54Aに当接して支持され、裏面38Bが2つの調整ねじ62の先端に当接して支持されており、調整ねじ62の進退によって図中二点鎖線のように撓み変形する。
【0056】
これにより、図4(A)に示すように、感光体ドラム40上の走査線が湾曲している場合、2つの調整ねじ62を調整して反射ミラー38を押圧し、図4(B)に示すように反射面38A(図4(B)では見えない)側が凹状となるように反射ミラー38を湾曲させることで、走査線を直線状に補正することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、各反射ミラー反射面での副走査断面に投影したレーザビームAの入射角度は、反射ミラー34が6.7°、反射ミラー36が10.8°、反射ミラー38が43°に設定されている。したがって、光ビームの入射角度が最大である反射ミラーにBowの補正機能を設けている。
【0058】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0059】
上記したように、本実施形態の光走査装置10は、光ビームの入射角度が最大の反射ミラー38を撓ませて、ポリゴンミラー28への斜め入射によって生じたBowを補正する構成である。
【0060】
ここで、図5に、光ビームの入射角度を変化させた場合における反射ミラーの撓み量とBow補正量との関係を示す。この図からもわかるように、同一のミラー撓み量では、入射角度が大きくなる程Bow補正量が大きくなる、すなわち、Bowの補正感度が高くなる。
【0061】
つまり、反射ミラー34、36、38の中のどの反射ミラーを撓ませても、Bowが補正できるわけであるが、ミラーの変形量が大きくなるとその応力で破損する恐れもあるため、ここでは最大入射角度とされた反射ミラー38にBowの補正機能を持たせることで、破損を回避しつつ、ミラーの撓み量に対するBowの補正範囲をより広く確保することができている。またさらに、撓み量を少なくできることは、反射ミラーの軽量化など、設計自由度も向上できる利点がある。
【0062】
なお、本実施形態の反射ミラー38は、長さが250mm、幅が16mm、厚さが5mmであり、安全係数5での撓みによる応力破壊限界は200μmとなる。したがって、前述した130μmのBowを補正する場合でも、入射角度が43°なので89μm撓ませればよく、割れるようなことはない。因みに、入射角度が10.8°の反射ミラー36の場合、同量のBow補正で306μmも変形させなければならないため、破壊限界を悠に超えてしまうことになる。
【0063】
また図6に、Bow補正量及び倍率変化量(Mag変化量)の光ビーム入射角依存性を計算した結果を示す。この計算結果によれば、光ビームの入射角度が大きい程、Bow補正量に対する倍率変化量は小さくなる。
【0064】
したがって、反射ミラー38(入射角43°)で130μmのBowを補正した場合、倍率変化が0.07%、走査幅で0.2mm変化し、この値であれば許容範囲である。これに対し、反射ミラー36(入射角10.8°)で同量のBowを補正すると、倍率変化が0.36%、走査幅では1mmと大きく変化してしまう。
【0065】
このように、複数の反射ミラーを備えた光走査装置では、光ビームの入射角度が最大とされた反射ミラーにBowの補正機能を持たせることで、走査倍率の変化を最小としながらもBowが精度よく補正でき、さらにミラーの撓み量も少なくできるため、破損に対しても有利である。
【0066】
また、本実施形態では、ポリゴンミラー28の面倒れがあっても、被走査面上で走査位置が変動しないようにするための倒れ補正光学系として、副走査方向にのみパワーを有するシリンダミラーを用い、第2ミラー(反射ミラー36)として構成している。
【0067】
通常、シリンダミラー、あるいはシリンダレンズを倒れ補正光学系に用いた場合、偏向反射面の光軸方向移動、及び、走査中央部と走査端部との光路長差のため、実質的に走査端部での副走査方向フォーカス位置が偏向器側にシフトし、偏向反射面の共役位置が走査領域全域で被走査面と一致しなくなる不具合がある。
【0068】
一方、本実施形態のように、光ビームを偏向器(ポリゴンミラー28)に対して斜めに入射させるサジタルオフセット入射光学系では、走査中央部と走査端部とで、副走査断面で反射角度に差が生じるため、倒れ補正光学素子であるシリンダミラーへの副走査方向入射角度が、走査中央部と走査端部で異なり、実質的なパワーが違ってくる。
【0069】
したがって、走査中央部より走査端部の入射角度が小さくなるような方向へ折り返すことにより、実質パワーを小さくし、上述の走査端部側フォーカスがポリゴンミラー28側にシフトすることと相殺させることにより、走査全領域で偏向反射面共役位置を被走査面と一致させることができ、ピッチムラのない良好な画像を得ることができる。
【0070】
しかし、通常、画像形成装置内における光走査装置の配置、大きさは、画像形成装置の様々な条件から決定されるため、倒れ補正光学素子を理想状態に配置できるとは限らない。
【0071】
また、画像形成装置の小型化の要求により、光走査装置と感光体ドラムの間隔を小さくして、倒れ補正光学素子から被走査面までの距離を短くすると、共役倍率が小さくなり、これによって、感光体ドラムの取付誤差や光学系誤差により被走査面位置が変動すると、ピッチムラが大きくなってしまう。
【0072】
そこで本実施形態では、光ビームを偏向器に対して副走査方向に0でない所定角度で入射させるとともに、平面ミラーである第1ミラー(反射ミラー34)と最終ミラー(反射ミラー38)との間に、倒れ補正ミラー(反射ミラー36)を配置することで、この問題を解決している。
【0073】
つまり、ポリゴンミラー28で偏向走査された光ビームは、ポリゴンミラー28の回転軸とほぼ垂直に偏向されるが、感光体ドラム40へは14°の傾斜で入射させるため、3枚の反射ミラーの折り返し角度を、合計76°となるよう配置する必要がある。
【0074】
倒れ補正ミラーとなる反射ミラー36への入射角度は、共役点ずれを補正するように設定するのが望ましく、ポリゴンミラー28への入射角度が1.2°の本実施形態では−21.4°である。そこで、3回の折り返しとすれば、倒れ補正ミラーの折り返し角度を−21.4°としても、第1ミラーの折り返し角度を13.4°、最終ミラーの折り返し角度を86°とすることで、所望の入射角度が達成できる。
【0075】
これを、仮に2回の折り返しで実現しようとすると、ミラーの折り返し角度は一義的に決まってしまうため、光走査装置内の光学系レイアウトが難しくなってしまう。逆に、光学系レイアウトを優先させると、倒れ補正ミラーが共役点ずれを補正する折り返し角度に配置できなくなり、光学性能を低下させてしまうことになる。
【0076】
加えて本実施形態では、倒れ補正ミラーでポリゴンミラー28の回転軸とほぼ直交する方向に折り返した後、最終ミラーで感光体ドラム40に向けて折り返す構成としたことにより、光走査装置10から感光体ドラム40までの距離を54mmと短く、且つ、光走査装置10の高さを60mmに低減できてコンパクトな構成となり、同時に、共役倍率を0.32と大きく設定できている。
【0077】
また本実施形態では、シリンダミラーである反射ミラー36を光ビーム入射位置での接平面内で回動可能に支持していることで、副走査方向の位置ずれであるSkewを補正可能としている。
【0078】
ここで、図7〜図9に、本実施形態の反射ミラー36(シリンダミラー)の回動による性能変化を示す。
【0079】
図7に示すように、シリンダミラーを0.1°回すことで、Skewは0.5mm変化させられる。そしてこのときのBowの変化は2μm以下であり、変化量としては極僅かである。また走査倍率(Full Mag)は、図8に示すように、0.015%変化し、走査幅としては22μmである。したがって、600dpiの走査ピッチであっても1/2dot以下のずれ幅に収まる。
【0080】
さらに、図9に示すように、走査倍率の左右差(左右Mag)も0.006%程度で、変化量は8μm程度である。そのため、オリジナル画像に対する形状変化としては無視できるレベルである。
【0081】
したがって、これを複数の光走査装置を用いて複数の感光体を走査露光する多色画像形成装置に適用した場合でも、600dpiの走査ピッチであれば0.5mmのSkew補正で1/2dot以下の変化であるため、色ずれを悪化させるレベルではなく、よって良好な画像が得られる。
【0082】
さらに、本実施形態では、ポリゴンミラー28と倒れ補正光学ミラーである反射ミラー36との間に配置した反射ミラー34(第1ミラー)を反射面における光ビームの走査軌跡と平行な軸を中心として回動するよう支持し、これによって、光学素子の取付け誤差によって生じる左右倍率が補正可能な構成としている。
【0083】
このように、偏向器と倒れ補正光学素子との間にある反射ミラーで左右倍率を補正すると、折り返し角度によって副走査方向レジが変化しても、倒れ補正光学素子の作用により被走査面上のレジずれが微少である。このため、例えば、多色画像形成装置に適用した場合、副走査方向の色ずれをほとんど生じさせることなく、左右倍率差を調整して主走査方向の色ずれのみ補正できるわけである。
【0084】
またこれにより、共役点ずれも抑えることができる。図10(A)に示すように、第1ミラーである反射ミラー34を回動させて左右倍率を±0.4%補正しても、共役点ずれはほとんど生じない。これに対し、シリンダミラーを同様に回動させた場合では、共役点が約1mm変化するため、ポリゴンミラー28の面倒れが90秒(1′30″)あると、Wobbleが2.5μm発生してピッチムラが生じることになる。
【0085】
さらにSkewに関しても効果がある。図10(B)に示すように、第1ミラーによる左右倍率差補正では、10μm程度のSkew変化であるが、シリンタミラーを用いた場合では85μmのSkewとなる。
【0086】
このように、第1ミラーを回動させても光学性能変化が少ない理由は、ミラーの回動により発生するレジ変化と光路長変化のうち、レジ変化分は倒れ補正光学素子によって相殺されるため、光路長変化である左右倍率のみを変化させられることによる。
【0087】
ただし、倒れ補正光学素子上のレジ変化が大きいと、十分な倒れ補正性能が得られなくなるため、回動させる反射ミラーの折り返し角度は小さくすることが望ましい。
【0088】
また、本実施形態の変形例として、この反射ミラー34を、反射面の法線に沿って進退可能に支持することにより(図1の矢印D方向)、光路長変化による倍率を変化させることも可能である。ここでも、レジ変化は倒れ補正光学素子である反射ミラー36によって相殺されるため、倍率のみを変化させられる。
【0089】
図11(A)に、第1ミラーの移動による副走査レジ(Lead Regi)変化、図11(B)に、同じくその共役点ずれを計算した結果を示す。この結果によれば、倍率を0.4%補正したときのレジ変化は60μm、共役点ずれは0.25mmであり、光学性能変化の許容範囲内で走査倍率が十分補正できる。
【0090】
なお、本実施形態では、倒れ補正光学素子としてシリンダミラー(反射ミラー36)を用いているが、シリンダレンズとしてもよい。
【0091】
また、本実施形態の反射ミラー38は、裏面38B側のミラー端部を押圧して撓ませている構成としてしるが、ミラー中央部を押圧して逆方向に湾曲させることも可能である。
【0092】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態では、上記第1の実施形態で説明した構成と同一構成部品については同一符合を付してその説明を省略する。
【0093】
図12に示す第2の実施形態に係る光走査装置70は、第1の実施形態と同様のサジタルオフセット入射光学系であり、ここでも3枚の反射ミラーを用いて、レーザビームAを感光体ドラム40に導いている。
【0094】
ポリゴンミラー28への副走査方向入射角度は2.4°、第1ミラーとなる反射ミラー34の折り返し角度は9.4°、第2ミラーとなる反射ミラー36(シリンダミラー)の折り返し角度は12.6°、最終ミラーとなる反射ミラー38の折り返し角度は116.6°である。
【0095】
本実施形態では、ポリゴンミラー28への光ビーム入射角度が第1の実施形態とは異なるため、シリンダミラー最適折り返し角度が変わってくるが、本形態においても、第2ミラーを倒れ補正ミラーとすることで、最適折り返し角度の12.6°が実現できている。
【0096】
また、本実施形態においても、ポリゴンミラー28への光ビーム斜め入射によってBowが発生し、その補正機能は、第1の実施形態と同じ支持機構によって撓み変形が可能とされた反射ミラー38に持たせている。そしてここでは、反射ミラー38の折り返し角度を116.6°と大きく設定し、しかも鈍角とすることで、Bow補正による倍率変化をさらに小さくさせている。
【0097】
図13は、本実施形態の反射ミラー38(最終ミラー)を撓ませたときの光ビーム入射角度と、撓み量変化感度及び走査倍率変化感度との関係を表した図である。
【0098】
この図によれば、入射角度が大きくなる程、Bow補正量に対する走査倍率変化感度は小さくなる傾向にあり、特に、折り返し角度が鈍角の範囲(入射角度が45°を超える範囲)では、感度の低下が顕著である。このため、第1実施形態との比較でも、同一量のBowをより少ないミラー撓み量で補正できることになり、したがって、走査倍率変化も非常に小さくできるメリットがある。
【0099】
また、光学素子の取付け誤差等により発生するSkewは、第1の実施形態と同様、第2ミラーである反射ミラー36(シリンダミラー)を光ビームの入射位置における接平面内で回動させて補正しており、これによって、Bowや走査倍率への影響が最小限に抑えられている。
【0100】
したがって、これら反射ミラー36、38によって、副走査方向の走査線ずれが補正される。
【0101】
一方、主走査方向のずれに関しては、画像クロック可変手段(VCO)72を用いて補正している。この画像クロック可変手段72は、基準クロックに対し画像クロックを微少に変化させることで画像倍率が可変でき、±0.5%程度の倍率であれば、高精度に補正できる。
【0102】
また最近では、走査開始点から走査終了点までの画素クロックを徐々に変化させることで、左右倍率差を補正することも提案されている。このような画像クロック可変手段により、主走査方向の画像位置を調整することで、倍率、左右倍率差といった位置ずれが補正できる。
【0103】
さらに本実施形態では、反射ミラー34(第1ミラー)が反射面における光ビームの走査軌跡と平行な軸(偏向走査面と略平行な軸)を中心として回動可能に支持されており(図中矢印E方向)、光ビームの副走査方向での入射角度が変更可能な構成である。
【0104】
これにより、副走査方向レジが補正できるとともに、倒れ補正光学素子である反射ミラー36(シリンダミラー)上のレジばらつきを小さくすることができる。このように、シリンダミラー上のレジばらつきが小さくできることは、前述の共役点ずれも小さくなり、よってピッチムラのない良好な画像が得られる。
【0105】
次に、これら補正手段を用いた走査線ずれの調整手順について説明する。
【0106】
まず、ポリゴンミラー28により走査された光束が、被走査面上、もしくは反射ミラー36(倒れ補正光学ミラー)上で一定の副走査位置となるように、反射ミラー34(第1ミラー)を回動させて調整する。この調整により、副走査位置を所定の範囲以下としながらも共役点ずれを小さくすることができる。
【0107】
次いで、反射ミラー38(最終ミラー)を撓ませることにより、Bowを補正する。このBow補正によって、走査倍率変化を最小としながらも、走査線の直線性が確保できる。
【0108】
さらに、反射ミラー36(第2ミラー)を、光ビーム入射位置での接平面内で回動させることにより、Skewを補正する。このSkew補正により、走査倍率やビームスポット径といった光学性能を変化させることなく、記録媒体の搬送方向に対する垂直な走査線が得られる。
【0109】
最後に、基準走査線長に対する実際の走査線長さを比較し、その差から画像クロック可変手段の可変量を決定して走査倍率もしくは左右倍率差を補正し、さらに画像書き出しタイミングを決定してトップマージンおよびサイドマージンを調整する。
【0110】
なお、これら各調整は、独立した光学素子及び電気的補正手段によって個別に行えるため、光学性能の相互影響が少なく、したがって、調整手順が変わっても特に問題はない。
【0111】
このように、本実施形態では、走査線ずれの補正機能を各素子に1つづつ振り分けているため、簡単な構成の調整機構によって安価に実現できる。
【0112】
さらに、何らかの外的要因によりずれが生じたとしても、各補正機能は独立しているため、そのずれ要因に応じた素子による補正のみで容易に修復できる。
【0113】
加えて、各補正機能が互いに及ぼす影響が最小であるため、調整アルゴリズムも単純となって調整工数が削減できる。また例えば、メンテナンスでの補正、あるいはユーザーによる調整も可能となる。
【0114】
また、本実施形態の光走査装置を、複数の光走査装置を用いて複数の感光体を走査露光する多色画像形成装置に適用した場合でも、光学性能を最小としながら、副走査方向の色ずれ要因であるSkew及びBowと、主走査方向の色ずれ要因である走査倍率及び左右倍率差が高い精度で補正できるため、色ずれによる画像劣化を抑えられる。
【0115】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態は、複数ビームを同一偏向器で走査する光走査装置に本発明を適用したものである。
【0116】
図14に示す、第3の実施形態に係る光走査装置80は、ハウジング82内に、複数光源91a、91b、91c、91dを備え、各光源から出射されたレーザビームA、B、C、Dは、対応するコリメータレンズ92a、92b、92c、92dにより集光され、整形光学系94a、94b、94c、94dで副走査方向に収束されて、ポリゴンミラー95に入射される。
【0117】
ポリゴンミラー95により偏向された各レーザビームは、fθレンズ96a、96bにより集束作用を受けた後、各レーザビームに対応する反射ミラー97a、97b、97c、97d(各第1ミラー)により折り返される。
【0118】
各第1ミラーは、反射面における各レーザビームの走査軌跡と平行な軸(偏向走査面と略平行な軸)中心に回動可能に支持されている。これにより、各レーザビームの副走査方向レジが調整可能となって、シリンダミラーである反射ミラー98a、98b、98c、98d(各第2ミラー)上のレジ位置を所定範囲内に調整できるとともに、共役点ずれの防止機能も備えた構成となる。
【0119】
各第2ミラーは、光ビーム入射位置での接平面内で回動可能に支持されており、回動によって各レーザビームのSkewを補正する機能を備えている。
【0120】
各第2ミラーで折り返された各レーザビームは、各レーザビームに対応する反射ミラーの中で、副走査断面に投影したビーム入射角度が最大となるよう設定された反射ミラー99a、99b、99c、99d(各最終ミラー)へ入射する。
【0121】
各最終ミラーは、第1の実施形態同様、反射面法線方向に撓ませ可能な構成であり、各レーザビームのBowを補正する機能を備えている。
【0122】
そして本実施形態も、各レーザビームがポリゴンミラー95へ斜めに入射する光学系であるためBowが発生し、色ずれとなって現れる。なお、各レーザビームの走査線は、ポリゴンミラー95に対する図中の右左のビームが、紙面上で反対方向に湾曲することになる。
【0123】
色ずれを補正するため各最終ミラーは、上述したように、各レーザビーム毎に設けられたそれぞれの反射ミラーの中で最大入射角度に設定しており、このため、十分なBow補正範囲を確保することができる。またここでは、4本のレーザビームをハウジング82の長手方向に対して略直交方向へ反射させるよう構成できている。
【0124】
各最終ミラーによって反射された各レーザビームは、感光体ドラム84a、84b、84c、84d上を走査露光し、それぞれの潜像を形成する。
【0125】
また、主走査方向においては、各光学素子の取付け誤差等により各レーザビームの走査倍率に若干差が出るため、やはり色ずれとして認識される。しかしここでも、第2の実施形態と同様の画像クロック可変手段(図示省略)により各レーザビームに対応する画像クロックを微少に変化させることで、主走査方向の色ずれを高精度に補正することができる。
【0126】
そして、これら各潜像を、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に現像し、各色現像像を順次転写することで、色ずれのない良好な画質のカラープリントが得られる。
【0127】
このように、本実施形態では、複数感光体を備えた多色画像形成装置において、光学性能変化を最小としながらも、Skew、Bow、走査倍率ずれ等によって生じる色ずれを精度よく補正できる。
【0128】
また、第1、第2の実施形態と同様、各レーザビーム毎の走査線位置ずれ補正手段を、相互の性能変化への影響を最小とした独立した素子に割り付けたことで、調整機構が単純な構成で実現でき、性能劣化させずに色ずれが精度よく補正できる。同時に、調整作業も容易となってコストが低下でき、メンテナンス時、あるいはユーザーによる色ずれ補正も可能となる。
【0129】
【発明の効果】
本発明の光走査装置は上記構成としたので、光学性能変化を抑えながらも走査線湾曲(Bow)を精度良く補正できる。また、光学性能変化を最小としながらも、走査線湾曲、走査線傾き(Skew)、倍率誤差を高い精度で、しかも安価に補正できる。さらには、複数感光体もしくは複数位置を走査露光し多色画像を得る多色画像形成装置において、光学性能変化を最小としながらも、色ずれを高い精度で安価に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の反射ミラー支持機構の斜視図である。
【図3】 図2の反射ミラー支持機構の要部拡大断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の走査線湾曲の補正を説明する図で、(A)が湾曲状態であり、(B)が補正状態である。
【図5】 走査線湾曲補正量とミラー撓み量の入射角度依存性を説明する図である。
【図6】 走査線湾曲補正量と走査倍率変化の入射角度依存性を説明する図である。
【図7】 シリンダミラー回転によるSkew補正量とBow変化を説明する図である。
【図8】 シリンダミラー回転による走査倍率変化を説明する図である。
【図9】 シリンダミラー回転による左右倍率変化を説明する図である。
【図10】 左右倍率補正量と光学性能変化を説明する図である。
【図11】 走査倍率補正量と光学性能変化を説明する図である。
【図12】 本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の構成図である。
【図13】 走査線湾曲感度と走査幅変化感度の入射角度依存性を説明する図である。
【図14】 本発明の第3の実施形態に係る光走査装置の構成図である。
【図15】 色ずれの要因を示す概念図である。
【図16】 従来の光走査装置の概略斜視図である。
【図17】 従来の光走査装置の要部を示した概略構成図である。
【図18】 従来の光走査装置における反射ミラーの調整機構を示した斜視図である。
【符号の説明】
10 光走査装置
12 画像形成装置
20 光源
28 ポリゴンミラー(偏向装置)
30、32 走査レンズ(結像光学系)
34 反射ミラー(第1ミラー)
36 反射ミラー(倒れ補正ミラー/シリンダミラー/倒れ補正光学素子)
38 反射ミラー(最終ミラー)
40 感光体ドラム(被走査面)
70 光走査装置
72 画像クロック可変手段
80 光走査装置
82 ハウジング(筐体)
84a、84b、84c、84d 感光体ドラム(被走査面)
91a、91b、91c、91d 光源
95 ポリゴンミラー(偏向装置)
96a、96b fθレンズ(結像光学系)
97a、97b、97c、97d 反射ミラー(第1ミラー)
98a、98b、98c、98d 反射ミラー(倒れ補正ミラー/シリンダミラー)
99a、99b、99c、99d 反射ミラー(最終ミラー)
A、B、C、D レーザビーム(光ビーム)

Claims (4)

  1. 複数の光源からそれぞれ出射された各光ビームを偏向走査させる偏向装置と、
    前記偏向装置で偏向された各光ビームを対応するそれぞれの被走査面上に結像させる少なくとも1つの結像光学系と、
    前記少なくとも1つの結像光学系をそれぞれ通過した各光ビームを前記それぞれの被走査面側へ反射するとともに各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた反射ミラーと、を有し、
    それらを収容する筐体を備えた光走査装置において、
    各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた前記反射ミラーを、
    前記少なくとも1つの結像光学系をそれぞれ通過した各光ビームを最初に反射する各第1ミラーと、
    各光ビームを前記それぞれの被走査面側へ反射する各最終ミラーと、
    前記各第1ミラーと前記各最終ミラーとの間にそれぞれ配置された各倒れ補正ミラーと、の少なくとも各3枚で構成し、
    前記各第1ミラーは、各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた前記反射ミラーのうち前記入射角度が最小とされ、且つ、反射面における前記光ビームの走査軌跡と平行な軸を中心に回動可能に支持され、
    前記各最終ミラーは、反射面の法線方向に撓ませる前記反射ミラーとされ、
    前記各倒れ補正ミラーは、シリンダミラーとされ、且つ、前記光ビームの入射位置での接平面内で回動可能に支持されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 各光ビームに対応してそれぞれ複数設けられた前記反射ミラーは、前記入射角度が最大であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記複数の光源からそれぞれ出射する前記各光ビームのクロック周波数を調整可能な画像クロック可変手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項2の何れか1項に記載の光走査装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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