JP3899474B2 - 吸収性物品及びそれを有する使い捨ておむつ並びに吸収性物品の製造方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、使い捨ておむつの吸収体の改良に係り、更に詳しくは、フィット性が良好で且つ保形性に優れた吸収性物品及びそれを有する使い捨ておむつ並びに吸収性物品の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
乳幼児の使い捨て紙おむつや成人用のおむつの吸収性製品の主要な機能は、身体から失禁等により排出された***物を吸収し収容するためのものであるが、その***物が吸収性製品の中に吸収されずに吸収性製品と着用者の脚またはウエストとの間の隙間から漏洩する場合がある。
【０００３】
近年において市場に投入されている使い捨て紙おむつ並びに衛生ナプキンなどの吸収性物品は、人体に装着した際に肌側に位置する液透過性の不織布からなる内側表面シートと、人体に装着した際に外側表面に位置するポリエチレン等からなる液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置される吸収体とから主に構成されている。
【０００４】
詳しくは、紙おむつの両側端部に設けられた不織布から成る立体ギャザーと、その内側端縁に沿って配設された弾性伸縮部材とにより表面側に起立する立体ギャザーが形成されるとともに、吸収体の側縁よりも側方に延在された不透液性のバックシート部分と、立体ギャザーの外側シート部分とにより吸収体の介在しないサイドラップ部が形成され、且つこれらの間に複数条の糸状弾性ゴムが紙おむつの長手方向に沿って配置されることにより、サイドフラップ部にひだ状のレッグギャザーが形成されている。
【０００５】
即ち、装着時におけるフィット性を良好にするとともに、漏れ防止のために脚周りをシールする為のレッグギャザーや胴、ウェスト部をシールするためのウェストギャザー、更には軟便などにも効果的なレッグギャザーの内側に吸収体両端長手方向に配置された立体ギャザーと呼ばれるバリヤーカフス（特公平６−９３９０１、特許第２５６１６７５）が取り付けられるようになった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように構成される従来の使い捨て紙おむつでは、レッグギャザーやバリヤーカフスによってフィット性や漏洩防止機能が改善されているが、吸収体に軟便や排尿等が付着、吸収されて時間の経過と共に吸収量が増加すると重量の増加により下方にずれて股間に隙間が生じ、レッグギャザーやバリヤーカフスのシール性が不十分となり、これらの隙間からの漏れが生じる問題を有していた。
【０００７】
従って、本発明の目的とする所は、使い捨ておむつの装着時に於けるフィット性が向上することは勿論、吸収量の増加に対しても吸収体の保形性を維持することができることから防漏性が良好で、装着者に安心感を与えることができる使い捨ておむつを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明は次の技術的手段を有する。即ち、発明の実施の形態に対応する添付図面中の符号を用いてこれを説明すると、本発明は、装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３とから成るパット型使い捨ておむつ又は、平判型の使い捨ておむつあるいは衛生ナプキンを含む吸収性物品に於いて、上記吸収性物品は、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る吸収体３の両側端部に複数の弾性材４が縦方向に横切るように装着され、上記吸収体３の両側端部側には、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配設され、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて成り、上記吸収性物品の縦方向両端部位には、止着材５′、５′が取り付けられ、この止着材５′、５′を介して当該吸収性物品にウェストベルトホルダー１７が取り付けられ、又は当該吸収性物品がテープ型使い捨ておむつ１０Ｎに取り付けられ、あるいは当該吸収性物品がショーツ型使い捨ておむつに取り付けられていることを特徴とする吸収性物品である。
上記によれば、パット型や平判型の使い捨ておむつ又は衛生ナプキンを含む吸収性物品を、人体の背中から股間を通して腹部に至る方向に通して人体に装着すると、肌側には液透過性の内側表面シート１が対応すると共にその外側表面には液不透過性のバックシート２が対応し、これら両シート１、２間には、吸収体３が配置される。上記吸収性物品は、人体の背中から股間を通して腹部に至る吸収体３の両側端部に位置する複数の弾性材４が、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有しているので、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により生ずる張力により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成される。そして、上記吸収性物品が、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至るように装着される。即ち、ウェストベルトホルダー１７やテープ型使い捨ておむつ１０Ｎ又はショーツ型使い捨ておむつ１０Ａに止着材５′、５′を介して止着されることによって人体の背中から股間を通して腹部に装着される。
従って、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、上記吸収体３は、この吸収体３の縦方向中心側よりも両側端部に位置する側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材４の張力により横断面略円弧状に湾曲形成されて、保形性が維持されるので、その漏洩を防止することができる。また、人体に装着時において前身ごろから胴周りにかけてフィット感が得られることは勿論、吸収性物品が止着材を介して止着されるようになっているので、汚れた場合等に交換することができる。
【０００９】
更に本発明は、上記弾性材４が、吸収体３の中心線ＣＬを基準として下方から
人体の腹部に対応する上端部位に向けて０度近傍から４５度の傾斜で開く方向に対称に配置されていることを特徴とする吸収性物品である。
上記によれば、弾性材４が、縦方向中心線側より内側端部側がより大きい弾性伸縮率を有しているので、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により生ずる張力により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成される。そして、上記使い捨ておむつを人体に装着した際に、吸収性物品の弾性材４が、吸収体３の中心線ＣＬを基準として下方から上端部位に向けて０度近傍から４５度の傾斜で開く方向に上下端部間に対称に配置される。
従って、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、上記吸収体３の縦方向中心側よりも両側端部の側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材４の当該吸収体３の中心線に対し斜めに横切る張力により、上記吸収体３が横断面略円弧状に湾曲形成されてその保形性が維持されるので、漏洩を防止することができる。
【００１０】
更に本発明は、装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３とから成るテープ型使い捨ておむつ１０Ｎ′であって、該テープ型使い捨ておむつ１０Ｎ′は、吸収体３の両側にバリアカフス６が起立し、このバリアカフス６の起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置すると共に、バックシート２には複数の弾性材４が吸収体３の両側端部を縦方向に横切るように装着され、上記吸収体３の両側端部側には、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配置され、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品２が横断面略円弧状に形成されて成り、上記吸収体３両側の平行な幅狭のレッグ部に装着されるレッグギャザーの弾性材８が、上記バックシート２の弾性材４より大きい弾性伸縮率を有していることを特徴とする吸収性物品を有する使い捨ておむつである。
上記によれば、吸収性物品を、人体の背中から股間を通して腹部に至る方向に通して人体に装着すると、肌側には液透過性の内側表面シート１が対応すると共にその外側表面には液不透過性のバックシート２が対応し、これら両シート１、２間には吸収体３が配置される。そして、吸収体３の両側に、起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置した使い捨ておむつ１０Ｎ′を人体の背中から股間を通して腹部に至る方向に通して人体に装着すると、肌側に対応するレッグギャザーの弾性材８が吸収体３両側端部側の弾性材４より大きい弾性伸縮率の弾性力により肌に対し強く押し付けられる。
従って、装着時における吸収体３両側に配置されるレッグギャザーの弾性材８が、吸収体３内側の弾性材４の弾力より強く肌に対し押し付けるため、排尿、排便並びに体液の排出等がなされた場合に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、弾性材８の大きい弾性伸縮率によって漏洩を防止することができる。また、上記吸収体の縦方向中心側よりも両側端部の側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材４の張力により横断面略円弧状に湾曲形成されるとともに吸収体を肌側に引き付ける張力が働くので保形性が維持され、漏れを防止することができる。
【００１１】
そして本発明は、装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体から成る内羽根型おむつ１０Ｅであって、該内羽根型おむつ１０Ｅは、吸収体３の両側にバリアカフス６が起立し、該バリアカフス６の起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置すると共に、バックシート２には複数の弾性材４が吸収体３の両側端部を縦方向に横切るように、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配設され、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて成り、さらに上記吸収体３両側のレッグ部に装着されるレッグギャザーの弾性材８が、上記バックシートの弾性材４より大きい弾性伸縮率を有していることを特徴とする吸収性物品を有する使い捨ておむつである。
上記によれば、上記内羽根型おむつ１０Ｅが人体に装着されると、肌側に対応する吸収体３が人体の背中から股間を通して腹部に至る縦方向に横切るように、該吸収体の両側端部に配置される複数の弾性材４の、弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて股間に隙間が生じることがないよう保持されると同時に、両レッグ部も上記バックシートの弾性材４より大きい弾性伸縮率を有するレッグギャザーの弾性材８の弾性力によって密着される。
従って、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収性物品の吸収体３に吸収されて重量が増加し股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体３の両側端部を縦方向に横切る弾性材４の張力により股間に隙間が生じることもなく、上記バックシートの弾性材４より大きい弾性伸縮率を有する弾性材８の張力により両レッグ部にも隙間が生じることがないので、内羽根型使い捨ておむつ１０Ｅの保形性が保たれて漏れを防止することができる。
【００１２】
そしてまた本発明は、装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３とから成るパンツ型使い捨ておむつ１０Ｐであって、該パンツ型使い捨ておむつ１０Ｐは、外側表面、内側表面、前方部分、後方部分、クロッチ部分を含み、内側表面シート１の上側に液透過性の内側表面シート１と、装着時に表側に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３より構成され、背当部１２と腹当部１１を連絡する両側には円弧状の曲線で幅狭のレッグ部が形成されると共に中間部位にはクロッチ部１３が構成され、シール部１４を接合することで、ウェストホールならびに一対のレッグホールが形成され、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る上記バックシート２に、上記吸収体３の両側端部を縦方向に横切るように、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配設され、上記弾性材の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて成り、さらに上記吸収体両側にバリアカフス６が起立し、該バリアカフス６の起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置し、該立体ギャザーの弾性材７が上記バックシート２の弾性材４より大きい弾性伸縮率を有していることを特徴とする吸収性物品を有する使い捨ておむつである。
上記によれば、内側表面シート１の内側に吸収性物品が止着されたパンツ型使い捨ておむつが人体に装着されると、肌側に対応する吸収性物品が、吸収体３の両側端部に隣接配置される複数の弾性材４の弾性伸縮率の差により吸収性物品が横断面略円弧状に形成されると共に、上記吸収体両側に配置される立体ギャザーにおける上記バックシート２の弾性材４より大きい弾性伸縮率を有するバリアカフス６起立先端の弾性材７の張力によって、股間に隙間が生じることがないよう保持される。
従って、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収性物品の吸収体３に吸収されて重量が増加し股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する弾性材４の弾性伸縮率の差により横断面略円弧状に形成される吸収性物品と、吸収体３の両側に配置される立体ギャザーにおけるバックシート２の弾性材４より大きい弾性伸縮率を有するバリアカフス６起立先端の弾性材７の張力によって保形性が維持されて漏洩を防止することができる。
【００１３】
また本発明は、上記吸収性物品の弾性材が、吸収体３の中心線ＣＬを基準として上端部位から下方に、または下方から上端に向けて０度近傍から４５度の傾斜で開く方向に対称に配置されている吸収性物品を有する使い捨ておむつである。
上記によれば、テープ型使い捨ておむつ、内羽根型おむつ、パンツ型使い捨ておむつを人体に装着した際に、吸収性物品の弾性材が、吸収体３の中心線ＣＬを基準として上端部位から下方に、または下方から上端に向けて０度近傍から４５度の傾斜で開く方向に対称に配置される。
従って、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、上記吸収体３の縦方向中心側よりも両側端部の側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材４の当該吸収体３の中心線に対し斜めに横切る張力により、上記吸収体３が横断面略円弧状に湾曲形成されてその保形性が維持されるので、漏洩を防止することができる。
【００１４】
さらに本発明は、吸収体の原料であるフラッフパルプ３１を、空気と混合してサクションドラム３５に吹き付ける直前に、高分子吸収材６４を気流中で混合して連続ウェブが形成されたティッシュウェブ上に置き、これをコンベアで搬送する過程でティッシュ両端折り装置６５により上面に折り重ねてベルトプレス３８を介してプレスロール３９へ導き、所定の密度となるようプレスすることで連続するシート状吸収体３を形成し、その後上記シート状吸収体３を、エンボスロールプレス４０を通してマットカッターにて切断し、その上面及び下面に予め結合材４６、４７を付与した液透過性の内側表面シート４２並びに液不透過性のバックシート４３を結合して吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法に於いて、複数の糸状に形成された弾性材４４に幅方向中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなる張力を付与し、上記シート状吸収体３の下面に連続供給されるバックシート４３に対し、上記弾性材４４を挟むように結合材を付与した不織布シート４５と共に連続供給して上記シート状吸収体３と不織布シート４５との間に挟着することで、シート状吸収体３の両側端部に上記弾性材４４を隣接配置した略円弧状断面の吸収性物品を連続的に製造するようにしたことを特徴とする吸収性物品の製造方法である。
従って、吸収性物品を連続形成する過程において、複数の糸状に形成された弾性材４４の幅方向中心側と外側に表面速度差を付与することで、幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなる張力が付与された状態の弾性材４４を連続的に供給しつつ、上記シート状吸収体３と不織布シート４５との間に挟着することにより、幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなり、湾曲した横断面略円弧状の吸収性物品を連続的に、効率良く量産することができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面、図１〜図９により、本発明の第１実施形態を順次詳細に説明する。図１は本発明の第１実施形態に係る縦長のパット型吸収性物品の平面図、図２は本発明の第１実施形態に係るひょうたん型をしたパット型吸収性物品の平面図、図３は本発明の第１実施形態に係る惰円型のパット型吸収性物品の平面図、図４は本発明の第１実施形態に係る惰円型のパット型吸収性物品の平面図、図５は本発明の第１実施形態に係る平判型吸収性物品の平面図、図６の（Ａ）、（Ｂ）は本発明の第１実施形態に係る平判型吸収性物品の平面図、図７の（Ａ）、（Ｂ）は本発明の第１実施形態に係る衛生ナプキンの平面図、図８の（Ａ）は衛生ナプキンの平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ断面図であり、図９の（Ａ）〜（Ｅ）は本発明の第１実施形態に係る吸収性物品の吸収体に対する弾性材の配置を示す図１〜図８（Ａ）のＡ−Ａ断面図である。
【００１６】
図１において、符号９Ａは第１実施形態に係る縦長のパット型使い捨ておむつ、又は衛生ナプキンのような縦長のパット型吸収性物品を示しており、この縦長のパット型吸収性物品９Ａは、主に粉砕パルプ、合成繊維、高分子吸水材の複数の基材により縦長矩形状に構成されており、装着時に肌側に位置する不織布から成る液透過性の内側表面シート１と、装着時に外側表面に位置しポリエチレンから成る液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置される矩形状の吸収体３と、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る吸収体３を縦方向に横切るように上記吸収体３の両側端部に配置される複数の弾性材として、例えば糸ゴム、平ゴム、ウレタンフィルム等（本実施形態では糸ゴム４）から構成されている。
【００１７】
次に、図２に示す符号９Ｂは、ひょうたん型のパット型使い捨ておむつ、又は衛生ナプキン等のひょうたん型の吸収性物品を示しており、このひょうたん型の吸収性物品９Ｂは、上記の吸収性物品と同じ材質によりひょうたん型に構成されており、装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、装着時に外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置されるひょうたん型の吸収体３と、吸収体３の両側端部に配置される複数の糸ゴム４から構成されている。
【００１８】
また、図３に示す９Ｃは、楕円型のパット型使い捨ておむつ、又は衛生ナプキン等の楕円型の吸収性物品を示しており、この楕円型の吸収性物品９Ｃは、上記の吸収性物品と同じ材質によりひょうたん型に構成されており、装着時に肌側に位置する不織布から成る液透過性の内側表面シート１と、装着時に外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置される楕円型の吸収体３と、吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４から構成されている。更に、図４に示す９Ｄも上記の形態と同様にまゆ型の吸収性物品として構成されている。
【００１９】
次に、図５に示す１６Ａは、平判型の使い捨ておむつ又は衛生ナプキン等の平判型の吸収性物品を示しており、この平判型の吸収性物品１６Ａは、上記吸収性物品の材質と同じ材質により平判型に構成されており、装着時に肌側に位置する不織布から成る液透過性の内側表面シート１と、装着時に外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置される平判型の吸収体３と、吸収体３の両側端部に配置される複数の糸ゴム４から構成されている。
【００２０】
また、図６の（Ａ）に示す１６Ｂは、平判型の使い捨ておむつ又は衛生ナプキン等の平判型の吸収性物品を示しており、この平判型の吸収性物品１６Ｂも、上記平判型の吸収性物品１６Ａと同じ形態で構成されており、吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４が吸収体３の縦方向中心線に対し下端部位から上端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている。
【００２１】
また、図６の（Ｂ）に示す１６Ｃは、平判型の使い捨ておむつ並びに衛生ナプキン等の平判型の吸収性物品を示しており、この平判型の吸収性物品１６Ｃも、上記平判型の吸収性物品１６Ｂと同じ形態で構成されているが、吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４が吸収体３の縦方向中心線に対し上端部位から下端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。
【００２２】
次に、図７の（Ａ）、（Ｂ）に示す２２Ａ、２２Ｂは吸収性物品としての衛生ナプキンを示し、この衛生ナプキン２２Ａは図７（Ａ）に示すように、上記の吸収性物品と同様の形態、材質で構成されており、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る吸収体３の股間に対応するエンボス型押し部位３０がエンボス型押しにより凹状に形成されている。更に、吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４が吸収体３の縦方向中心線に対し下端部位から上端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている。
【００２３】
図７（Ｂ）に示す衛生ナプキン２２Ｂも同一形態で構成されるが、複数の糸ゴム４が吸収体３の縦方向中心線に対し上端部位から下端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。
【００２４】
また、図８に示す衛生ナプキン２２Ｃは、上記の衛生ナプキン２２Ａ、２２Ｂと同じ形態であり、装着時に外側表面に位置する液不透過性のバックシート２の裏面には、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る吸収体を縦方向に横切る吸収体３の両側端部に複数の糸ゴム４が隣接して平行に配置され、糸ゴム４の外側に不織布２８が貼着されている。そして、衛生ナプキン２２Ｃ外側の不織布２８の上下端部にはショーツに取り付けるための止着材としてのファスナ５′、５′が取り付けられている。
【００２５】
従って、本発明の第１実施形態によれば、縦長型のパット型吸収性物品９Ａ、ひょうたん型のパット型吸収性物品９Ｂ、楕円型のパット型吸収性物品９Ｃ、変形楕円型のパット吸収性物品９Ｄ、及び平判型吸収性物品１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｃ、ないし衛生ナプキン２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃを、人体の背中から股間を通して腹部に至る方向に通して人体に装着すると、肌側には液透過性の内側表面シート１が対応すると共にその外側表面には液不透過性のバックシート２が対応し、これら両シート１、２間に配置される吸収体３は弾性材４によって保持されるので、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から上記吸収性物品ないし衛生ナプキンが離れようとしても、吸収体３を縦方向に横切る弾性材４の張力により保形性が維持されて漏洩を防止することができる。
【００２６】
次に、図９は図１〜図８（Ａ）のＡ−Ａ断面図であり、複数の弾性材の各種配置形態が示されている。すなわち、弾性材としての複数の糸ゴム４は、第１実施形態に係る各吸収性物品の吸収体３に対し、その縦方向の中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次装着することにより、これら糸ゴム４の弾力作用で断面が円弧状に湾曲した形状に形成され、各吸収性物品を人体に装着した際に吸収体３の内側より外側端部が肌に対し強く押し付けるようになっている。
【００２７】
先ず、図９の（Ａ）に示す糸ゴム４は、装着時に肌側に位置する不織布から成る液透過性の内側表面シート１を２重構造に構成し、これら内側表面シート１、１の内部にその縦方向中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次装着されている。
【００２８】
また、図９の（Ｂ）に示すように、吸収体３の内側と内側表面シート１の間に吸収体３の両側を縦方向に横切るように複数の糸ゴム４が隣接して配設され、上記吸収体３の縦方向中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次設定した状態で装着されている。
【００２９】
図９の（Ｃ）に示すように、糸ゴム４が吸収体３の内部にあって、該吸収体３の両側を縦方向に横切るように複数の糸ゴム４が隣接して配設され、吸収体３の縦方向中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次設定した状態で装着されている。
【００３０】
更に、図９の（Ｄ）に示すように、糸ゴム４が吸収体３の外側と液不透過性のバックシート２の内部にあって、該吸収体３の両側を縦方向に横切るように複数の糸ゴム４が隣接して配設され、吸収体３の縦方向中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次設定した状態で装着されている。
【００３１】
また、図９の（Ｅ）に示すように、装着時に肌側とは反対側に位置するポリエチレンから成る液不透過性のバックシート２に不織布ＮＷを重ねた構造に構成し、これらバックシート２と不織布ＮＷの間には、吸収体３の両側を縦方向に横切るように複数の糸ゴム４が隣接して配設され、吸収体３の縦方向中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次設定した状態で装着されている。
【００３２】
このように複数の糸ゴム４を、吸収体３に対し中心線から両側端側に従って弾性伸縮率が大きくなるよう設定し、各種配置により装着することで、上記の各吸収性物品を、人体の背中から股間を通して腹部に至る方向に通して人体に装着すると、肌側に対応する液透過性の内側表面シート１とその外側表面に対応する液不透過性のバックシート２の間に配置される吸収体３が、複数の糸ゴム４の弾性伸縮率の差によって肌側に対し外側が強く内側が弱く押し付けられて、内部に間隙を有する断面が略円弧状に形成されることから、排尿、排便並びに体液の排出等がなされた場合に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加しても、複数の糸ゴム４の弾力差によって漏洩を防止することができる。
【００３３】
次に、本発明の第２実施形態に付き図１０〜１２を参照して説明する。図１０の（Ａ）は本発明の第２実施形態に係り、止着材を介してウェストベルトホルダーを装着したパット型使い捨ておむつの側面断面図、（Ｂ）は吸収性物品の展開平面図、図１１の（Ａ）は本発明の第２実施形態に係るパット型使い捨ておむつとしての吸収性物品を止着したテープ型使い捨ておむつの平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ断面図であり、図１２は本発明の第２実施形態に係る衛生ナプキンを止着したショーツ型使い捨ておむつの側面断面図である。
【００３４】
図１０の（Ａ）に示す１７はウェストベルトホルダーを示し、このウェストベルトホルダー１７は、人体の胴周りに取り付けられるように環状に構成され、対応する前後の外側面には止着材としてのファスナ５が２箇所ずつ取付けられており、これらファスナ５に図１に示す例えば第１実施形態の吸収性物品としての縦長型吸収性物品９Ａの両端が取り付けられる。
【００３５】
重複する説明は省略するが、縦長型吸収性物品９Ａは、図１０の（Ｂ）に示すように、縦方向両端の内側にウェストベルトホルダー１７のファスナ５の間隔と同じ間隔でファスナ５′が取付けられており、ウェストベルトホルダー１７のファスナ５には、例えば縦長型吸収性物品９Ａ両端のファスナ５′を止着することで、パンツ型使い捨ておむつ１０が構成される。そこで、ウェストベルトホルダー１７が人体の腰回りに装着されると、これに止着された吸収性物品９Ａが背中から股間を通して腹部に至るように対応する。
【００３６】
従って、本実施形態によれば、人体の腰回りに装着されたウェストベルトホルダー１７に対し背中から股間を通して腹部に至るように対応して吸収性物品９Ａが止着されるので、失禁などで排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加しても、吸収体３を縦方向に横切る糸ゴム４の張力により保形性が維持されて防漏することができる。
【００３７】
そしてまた、図１１の（Ａ）に示す符号１０Ｎは、吸収性物品を有するテープ型使い捨ておむつを示し、このテープ型使い捨ておむつ１０Ｎは、粉砕パルプ、合成繊維、高分子吸水材の複数の基材により構成されており、装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、装着時に外側表面に位置しポリエチレンから成る液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置される矩形状の吸収体３を含むウェストホールとレッグホールが構成されている。
【００３８】
更に詳しくは、このテープ型使い捨ておむつ１０Ｎは、上端部位に背中に対応する幅広の背当部１２と、延設した下端部位に腹部に対応する幅広の腹当部１１を設け、背当部１２と腹当部１１を連絡する両側に円弧状の曲線で幅狭のレッグ部が形成され、背当部１２と腹当部１１の横方向に装着されたウェスト弾性材に対し、弾性材となる複数の糸ゴム２４が前身ごろ端からスクェアーに隣接して配置されており、上端部位の両端には止着用のファスナＦが設けられている。また、両レッグ部にも湾曲部位に沿って弾性材となる複数の糸ゴム８が隣接して装着されている。
【００３９】
このように構成されたテープ型使い捨ておむつ１０Ｎは、内側表面シート１肌側の背当部１２と腹当部１１に、所定間隔離間してそれぞれファスナ５、５が取り付けられ、これらファスナ５、５に、図１０（Ｂ）に示す縦長型吸収性物品９Ａが、両端に取り付けられたファスナ５′、５′を介して人体の背中から股間を通して腹部に至るように止着される。
【００４０】
また、図１２に示す１０Ａは通常のショーツを示し、このショーツ１０Ａの肌側の背当部１２と腹当部１１に縦方向に所定距離離間してファスナ５、５を取り付け、これらファスナ５、５に、衛生ナプキン２２Ｃが、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至るように衛生ナプキン２２Ｃの両端に取り付けたファスナ５′、５′を介して止着される。
【００４１】
従って、第２実施形態によれば、上記吸収性物品９Ａ等が、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至るように、ウェストベルトホルダー１７並びにテープ型１０Ｎ及びショーツ１０Ａ等にファスナ５、５′を介して止着されるので、人体に装着時において前身ごろから胴周りにかけてフィット感が得られることは勿論、吸収性物品９Ａが汚れた場合等に容易に交換することができる。
【００４２】
次に第３実施形態につき図１３〜図１８を参照して説明する。図１３は本発明の第３実施形態に係り吸収性物品が止着された内羽根型使い捨ておむつの平面図、図１４の（Ａ）は吸収性物品が止着されたＴ字型使いすておむつの平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＥ−Ｅ断面図、図１５は吸収性物品が止着された内羽根型使い捨ておむつの平面図、図１６は吸収性物品が止着された内羽根型使い捨ておむつの平面図、図１７は吸収性物品が止着されたＴ字型使いすておむつの平面図であり、図１８は同じく吸収性物品が止着されたＴ字型使いすておむつの平面図である。尚、前述した構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【００４３】
図１３に示す１０Ｅは、内羽根型使い捨ておむつを示し、この内羽根型使い捨ておむつ１０Ｅは、上端部位に腹部に回して止着すべく一端にファスナＦ１を設けた止着部を形成し、この止着部の両端から下方に向けて連続的に湾曲して幅狭に形成される延設方向に、吸収体３が液透過性の内側表面シート１と液不透過性のバックシート２との間に配置され、バックシート２には、吸収体３を縦方向に横切るように、糸ゴム４が上端部位から下端部位に向けて装着され、下端部位の両側にはファスナＦ２が上下に設けられている。
【００４４】
吸収体３両側の平行な幅狭のレッグ部には、弾性材である複数の糸ゴム８がバックシート２に装着されると共に、吸収体３の両側にはバリアカフス６が起立し、このバリアカフス６の先端に弾性体としての糸ゴム７が装着されて立体ギャザーを形成する吸収性物品を有する内羽根型使い捨ておむつを構成している。
【００４５】
従って、上記の吸収性物品を有する内羽根型使い捨ておむつによれば、吸収体３の両側に、起立先端に弾性材を有する立体ギャザーを配置した使い捨ておむつを人体の背中から股間を通して腹部に至る方向に通して人体に装着すると、肌側に対応する立体ギャザー起立先端が吸収体３の糸ゴム４より大きい弾性伸縮率により肌に対し強く押し付けられるので、装着時における吸収体３両側に配置される立体ギャザーの起立先端の糸ゴム４が、内側の吸収体３の弾力より強く肌に対し押し付けるため、排尿、排便並びに体液の排出等がなされた場合に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、糸ゴム４の弾力によって漏洩を防止することができる。
【００４６】
次に、図１４に示す１０ＦはＴ字型使い捨ておむつを示し、このＴ字型使い捨ておむつ１０Ｆは、吸収性物品の上端部位に背中に回して止着するウェストベルト１８を設け、このウェストベルト１８に対し垂直下方に縦長に延設される吸収性物品が、人体装着時に背中から股間を通して腹部に至るバックシート２の縦方向に、糸状弾性材である糸ゴム４が吸収体３を横切るように配置されることで吸収性物品を有するＴ字型使い捨ておむつ１０Ｆが構成される。
【００４７】
そして、吸収性物品を有するＴ字型使い捨ておむつ１０Ｆのウェストベルト１８の一端には、腰回りに取り付けるためのファスナＦ１が、また内側表面シート１下端の両側にはファスナＦ２が取り付けられている。
【００４８】
また、図１５に示す１０Ｃは内羽根式使い捨ておむつを示し、この内羽根式使い捨ておむつ１０Ｃは、上端部位に腹部に回して止着すべく一端にファスナＦを設けた横長の止着部を形成し、この止着部の両端から下方に向けて連続的に湾曲して幅狭に形成される延設方向に、吸収体３が液透過性の内側表面シート１と液不透過性のバックシート２との間に配置され、バックシート２には、吸収体３を縦方向に横切るように、その縦方向中心線に対し糸ゴム４が下端部位から上端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている。
【００４９】
そして、吸収体３両側の平行な幅狭のレッグ部には、複数の糸ゴム８がバックシート２に装着されており、これら糸ゴム８は糸ゴム４より大きい弾性収縮率となる吸収性物品を有する内羽根式使い捨ておむつが構成される。
【００５０】
図１６に示す１０Ｄは吸収性物品を有する内羽根式使い捨ておむつを示し、この内羽根式使い捨ておむつ１０Ｄは、上記の内羽根式使い捨ておむつ１０Ｃと同一構成となっており、バックシート２に装着されている糸ゴム４が、吸収体３を縦方向に横切るように、その縦方向中心線に対し上端部位から下端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に配置されている点で相違している。
【００５１】
更に図１７に示す１０Ｇは吸収性物品を有するＴ字型使い捨ておむつを示し、このＴ字型使い捨ておむつ１０Ｇは、図１４に示すＴ字型使い捨ておむつ１０Ｆと同一構成を有しており、装着時におけるウェストベルト１８の位置となる人体の背中から股間を通して腹部に至るバックシート２に配置される糸ゴム４が、下端部位から上端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。
【００５２】
また、図１８に示す１０Ｈは、吸収性物品を有するＴ字型使い捨ておむつを示し、このＴ字型使い捨ておむつ１０Ｈは、上記Ｔ字型使い捨ておむつ１０Ｇと同一構成を有しており、バックシート２に配置される糸ゴム４が、上端部位から下端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。尚、本実施形態においては、縦方向中心線側より両側端部側に位置する糸ゴム４が大きい弾性伸縮率を有するように順次配設されている。
【００５３】
従って、第３実施形態によれば、吸収性物品を有する縦長型の使い捨ておむつが人体に装着されると、肌側に対応する吸収体３が人体の背中から股間を通して腹部に至る縦方向に横切るようにこの吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４によって保持されるので、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体３を縦方向に横切る糸ゴム４の張力により股間に隙間が生じることもなく、縦長型の使い捨ておむつの保形性が維持されて漏洩を防止することができる。
【００５４】
次に、本発明の第４実施形態につき、図１９〜図２４を参照して説明する。図１９は第４実施形態に係り吸収性物品が止着されたテープ型使い捨ておむつの平面図、図２０は図１９のＦ−Ｆ断面図、図２１は第４実施形態に係り吸収性物品が止着されたパンツ型使い捨ておむつの展開平面図、図２２は図２１のＧ−Ｇ断面図、図２３は吸収性物品が止着されたテープ型使い捨ておむつの展開平面図であり、図２４は同じく吸収性物品が止着されたテープ型使い捨ておむつの展開平面図である。
【００５５】
図１９に示す１０Ｎ′は吸収性物品を有するテープ型使い捨ておむつを示し、このテープ型使い捨ておむつ１０Ｎ′は、図１１の（Ａ）に示すテープ型使い捨ておむつ１０Ｎと略同一構成を有しているが、吸収体３の両側に起立したバリアカフス６の起立先端に糸ゴム７を装着した立体ギャザーが設けられており、バックシート２に複数の糸ゴム４が吸収体３を縦方向に横切るように直接装着されている点において構成上相違している。そして、レッグギャザーの糸ゴム８がバックシート２の糸ゴム４より大きい弾性伸縮率を有している。
【００５６】
また、図２１に示す１０Ｐは吸収性物品を有するパンツ型使い捨ておむつを示し、このパンツ型使い捨ておむつ１０Ｐは、粉砕パルプ、合成繊維、高分子吸水材の複数の基材により構成されており、装着時に肌側に位置する不織布から成る液透過性の内側表面シート１と、装着時に外側表面に位置しポリエチレンから成る液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置される吸収体３とから構成されている。
【００５７】
更にパンツ型使い捨ておむつ１０Ｐは、上端部位に後方部分となる背中に対応する幅広の背当部１２、延設下端部位に前方部分となる腹部に対応する幅広の腹当部１１を設け、背当部１２と腹当部１１を連絡する両側に略円弧状の曲線で幅狭のレッグ部が形成され、中間部位にはクロッチ部１３が構成されている。尚、符号１４はサイドシール部を示している。
【００５８】
ここで、バリアカフス６の糸ゴム７は、吸収体３を縦方向に横切るように吸収体３の両端部ないしバックシート２に隣接して平行に配置されている複数の糸ゴム４より弾性伸縮率が大きく設定されている。
【００５９】
従って、上記のパンツ型使い捨ておむつ１０Ｐによれば、内側表面シート１に吸収性物品が止着されたパンツ型使い捨ておむつ１０Ｐが人体に装着されると、肌側に対応する吸収体３が人体の背中から股間を通して腹部に至る縦方向に横切るように、この吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４によって保持されるので、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体３を縦方向に横切る糸ゴム４の張力により股間に隙間が生じることもなく、パンツ型使い捨ておむつ１０Ｐの保形性が維持されて漏洩を防止することができる。
【００６０】
次に図２３に示す１０Ｌは、吸収性物品を有するテープ型使い捨ておむつを示し、このテープ型使い捨ておむつ１０Ｌは、第２実施形態に係る図１１の（Ａ）に示すテープ型使い捨ておむつ１０Ｎとは吸収性物品を除いて基本的に同一構成であるが、バックシート２に、吸収体３を縦方向に横切るように、その縦方向中心線に対し糸ゴム４が下端部位から上端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。
【００６１】
また、図２４に示す１０Ｍは吸収性物品を有するテープ型使い捨ておむつを示し、このテープ型使い捨ておむつ１０Ｍは、図２３に示すテープ型使い捨ておむつ１０Ｌと略同一構成であるが、糸ゴム４が上端部位から下端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。
【００６２】
従って、第４実施形態によれば、吸収性物品を有するテープ型使い捨ておむつが人体に装着されると、肌側に対応する吸収体３が人体の背中から股間を通して腹部に至る縦方向に横切るようにこの吸収体３の両側端部に配置される複数の隣接する糸ゴム４によって保持されるので、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体３を縦方向に横切る糸ゴム４の張力により股間に隙間が生じることもなく、テープ型使い捨ておむつの保形性が維持されて漏洩を防止することができる。
【００６３】
次に、第５実施形態につき図２５、図２６を参照して説明する。図２５は第５実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつの平面図であり、図２６も第５実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつの平面図である。
【００６４】
図２５に示す１０Ｑは吸収性物品を有するパンツ型使い捨ておむつを示し、このパンツ型使い捨ておむつ１０Ｑは、装着時に腹部に対応する幅広の腹当部１１に、吸収体３の中心線ＣＬに対し糸ゴム４が、上端部位から下方に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に配置されている。そして、湾曲したレッグ部には、両湾曲部に沿ってバックシート２に糸ゴム８が直接装着されている。
【００６５】
また、図２６に示す１０Ｒは吸収性物品を有するパンツ型使い捨ておむつを示し、このパンツ型使い捨ておむつ１０Ｒは、基本的には図２５のパンツ型使い捨ておむつ１０Ｑと同一構成であるが、糸ゴム４が下端部位から上端部位に向けて４５°≧θ＞０°の傾斜で開く方向に対称に装着されている点で相違している。
【００６６】
従って、第５の実施形態によれば、パンツ型使い捨ておむつを装着した際に、吸収体の糸ゴム４が、吸収体３の中心線ＣＬを基準として上端部位から下方に、または下方から上端部位に向けて０度から４５度の傾斜で開く方向に対称に配置されるので、排尿、排便並びに体液の排出等がなされた場合に、これらが吸収体３に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとした場合でも、糸ゴム４による吸収体３の保持力が安定し保形性を維持することができる。
【００６７】
次に本発明の第６の実施形態に係る吸収性物品の製造方法に付き、図２７〜２９を参照して説明する。図２７は本発明の第６実施形態に係り、吸収性物品を製造する製造工程の流れ図、図２８は吸収性物品の製造過程で外側の弾性伸縮率が順次大きくなるように張力を付与した状態で弾性材を供給する装置の一実施形態としての説明図であり、図２９は同じく弾性材を供給する装置の他の実施形態としての説明図である。
【００６８】
先ず、吸収性物品としてパット型使い捨ておむつの製造工程を流れに従って説明する。図２７に示すように、ドラムフォーマー３５は、綿状パルプ（以下フラッフパルプと称する）を供給管２９から空気と共に供給された吸収体の原料であるフラッフパルプ３１を、フィードベルト３２によって分散ロール３３へ導入し、この分散ロール３３によって分散されたフラッフパルプを空気取入口３４から取り入れられた空気によってサクションドラム３５の周囲表面に形成されたメッシュワイヤ３６に吹き付けることによってパルプを均一に積層させるための装置であるが、フラッフパルプを空気と共に混合してサクションドラムに吹き付ける直前に玉状の高分子吸収材６４を、気流中で混合して吸収体の連続ウェブが形成されたティッシュウェブ上に置き、コンベヤ３７で搬送される際にティッシュ両端折り装置６５によって吸収体の上面に折り重ね込まれたのち、ベルトプレス３８を介してプレスロール３９へと導かれ、所定の密度となるようにプレスされることによって連続するシート状の吸収シート６３が形成される。
【００６９】
次いで吸収シート６３は、尿拡散性ならびに吸収シート６３の保形性を改善するために、コンベヤ５６によって搬送され、エンボスロールプレス４０を通過した吸収シートはコンベヤ５７に導かれてマットカッター４１で個々に切断される。この状態でコンベヤ５８によって搬送される過程で上面に液透過性の内側表面シート４２と、下面に液不透過性のバックシート４３が供給される。
【００７０】
内側表面シート４２及びバックシート４３には予めホットメルトなどの結合材４６及び４７を付与しておくことにより、エンド・サイドプレートプレス５２で内側表面シート４２、バックシート４３に挟まれた吸収シートを含む連続したパット型使い捨ておむつが成型される。
【００７１】
上記パット型使い捨ておむつに、弾性材４４及び不織布シート４５などをそれぞれホットメルトなどの結合材４７、４８により付与することにより、本発明の第１実施形態に係る連続したパット型使い捨ておむつ９を連続して製造することができる。
【００７２】
上記パット型使い捨ておむつは、コンベヤ６２により搬送される弾性材４４の伸縮により短くなり、位置がずれないようにコンベヤ６２の下部にサクションボックスを設置してホールドしながら次の３つ折り工程に入る。
【００７３】
弾性材４４の弾性伸縮率を調整するには図２８、図２９に示す弾性材ロール５１及び５１、５１′の表面速度差によって行われる。即ち、弾性材ロール５１、５１′の表面速度と弾性材の供給速度の比が弾性材４４の弾性伸縮率となる。
【００７４】
図２９に示す弾性ロール５１、５１′は、吸収体３の中央部より外側端部に向けてロール径が大径となるように複数の段付き部を設けた段付きロールとして構成され、サーボモータ６７により駆動される駆動軸５０Ｂの両端に配置されており、サーボモータ６６により駆動される平行ローラ５０Ａとの間でそれぞれ巻回される糸ゴム４を延伸することで、同軸上で弾性伸縮率を変えることができるようになっている。
【００７５】
次に、図１９に示す弾性ロール５１は、段付きロールを２つに分割したもので、サーボモータ６７、６８により駆動される２軸５０Ｃ、５０Ｄに分割配置され、サーボモータ６６により駆動される平行ローラ５０Ａとの間でそれぞれ巻回される糸ゴム４を延伸することで、同軸上で弾性伸縮率を変えることができるようになっている。
【００７６】
すなわち、吸収シート６３の下面に供給されるバックシート４３に対し、吸収シート６３の両側端部に隣接配置すべく弾性材４４を挟むように結合材を付与した不織布シート４５を上記弾性材４４と共に供給し、この弾性材４４を、幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなる張力が付与された状態で供給し、これを上記吸収シート６３と不織布シート４５との間に挟着する。
【００７７】
このようにすることで、吸収性物品を連続形成する過程で、弾性材４４を幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなる張力が付与された状態で連続的に供給しつつ上記吸収シート６３と不織布シート４５との間に挟着することで、幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなるよう、湾曲した略円弧状の吸収性物品を連続的に、効率良く量産することができる。
【００７８】
【発明の効果】
本発明は次の効果を奏する。
【００７９】
以上詳述した如く本願の請求項１記載の発明によると、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、上記吸収体は、この吸収体の縦方向中心側よりも両側端部に位置する側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材の張力により横断面略円弧状に湾曲形成されて、保形性が維持されるので、その漏洩を防止することができる。また、人体に装着時において前身ごろから胴周りにかけてフィット感が得られることは勿論、吸収性物品が止着材を介して止着されるようになっているので、汚れた場合等に交換することができる。
【００８０】
請求項２記載の発明によると、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、上記吸収体の縦方向中心側よりも両側端部の側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材の当該吸収体の中心線に対し斜めに横切る張力により、上記吸収体が横断面略円弧状に湾曲形成されてその保形性が維持されるので、漏洩を防止することができる。
【００８１】
請求項３記載の発明によると、装着時における吸収体両側に配置されるレッグギャザーの弾性材が、吸収体内側の弾性材の弾力より強く肌に対し押し付けるため、排尿、排便並びに体液の排出等がなされた場合に、これらが吸収体に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、弾性材の大きい弾性伸縮率によって漏洩を防止することができる。また、上記吸収体の縦方向中心側よりも両側端部の側がより大きい弾性収縮率を有する弾性材の張力により横断面略円弧状に湾曲形成されるとともに吸収体を肌側に引き付ける張力が働くので保形性が維持されて漏れを防止することができる。
【００８２】
請求項４記載の発明によると、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収性物品の吸収体に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体の両側端部を縦方向に横切る弾性材の張力により股間に隙間が生じることもなく、上記バックシートの弾性材より大きい弾性伸縮率を有する弾性材の張力により両レッグ部にも隙間が生じることがないので、内羽根型使い捨ておむつの保形性が維持されて漏れを防止することができる。
【００８３】
請求項５記載の発明によると、排尿、排便並びに体液の排出がなされた際に、これらが肌側に対応する吸収性物品の吸収体に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、吸収体の両側端部に配置される複数の隣接する弾性材の弾性伸縮率の差により横断面略円弧状に形成される吸収性物品と、吸収体の両側に配置される立体ギャザーにおけるバックシートの弾性材より大きい弾性伸縮率を有するバリアカフス起立先端の弾性材の張力によって保形性が維持されて漏洩を防止することができる。
【００８４】
請求項６記載の発明によると、排尿、排便並びに体液等の排出がなされた際に、これらが吸収体に吸収されて重量が増加して股間側から吸収性物品が離れようとしても、上記吸収体の縦方向中心側よりも両側端部の側がより大きい弾性伸縮率を有する弾性材の当該吸収体の中心線に対し斜めに横切る張力により、上記吸収体が横断面略円弧状に湾曲形成されてその保形性が維持されるので、漏洩を防止することができる。
【００８５】
請求項７記載の発明によると、吸収性物品を連続形成する過程において、複数の糸状に形成された弾性材の幅方向中心側と外側に表面速度差を付与することで、幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなる張力が付与された状態の弾性材を連続的に供給しつつ、上記シート状吸収体と不織布シートとの間に挟着することにより、幅方向に対し中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなり、湾曲した断面略円弧状の吸収性物品を連続的に、効率良く量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１実施形態に係る縦長型のパット型吸収性物品の平面図である。
【図２】 本発明の第１実施形態に係るひょうたん型のパット型吸収性物品の平面図である。
【図３】 本発明の第１実施形態に係る惰円型のパット型吸収性物品の平面図である。
【図４】 本発明の第１実施形態に係る惰円型のパット型吸収性物品の平面図である。
【図５】 本発明の第１実施形態に係る平判型吸収性物品の平面図である。
【図６】 （Ａ）、（Ｂ）は本発明の第１実施形態に係る平判型吸収性物品の平面図である。
【図７】 （Ａ）、（Ｂ）は本発明の第１実施形態に係る衛生ナプキンの平面図である。
【図８】 （Ａ）は衛生ナプキンの平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ断面図である。
【図９】 （Ａ）〜（Ｅ）は本発明の第１実施形態に係る吸収性物品の吸収体に対する弾性材の配置を示す図１〜図８（Ａ）のＡ−Ａ断面図である。
【図１０】 （Ａ）は本発明の第２実施形態に係り、止着材を介してウェストベルトホルダーに吸収性物品を装着したパット型使い捨ておむつの側面断面図、（Ｂ）は吸収性物品の展開平面図である。
【図１１】 （Ａ）は本発明の第２実施形態に係るパット型使い捨ておむつとしての吸収性物品を止着したテープ型使い捨ておむつの平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ断面図である。
【図１２】 本発明の第２実施形態に係る衛生ナプキンを止着したショーツ型使い捨ておむつの側面断面図である。
【図１３】 本発明の第３実施形態に係り吸収性物品が止着された内羽根型使い捨ておむつの平面図である。
【図１４】 （Ａ）は吸収性物品が止着されたＴ字型使いすておむつの平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＥ−Ｅ断面図である。
【図１５】 同じく本発明の第３実施形態に係り吸収性物品が止着された内羽根型使い捨ておむつの平面図である。
【図１６】 同じく本発明の第３実施形態に係り、吸収性物品が止着された内羽根型使い捨ておむつの平面図である。
【図１７】 同じく本発明の第３実施形態に係り、吸収性物品が止着されたＴ字型使いすておむつの平面図である。
【図１８】 同じく本発明の第３実施形態に係り、吸収性物品が止着されたＴ字型使いすておむつの平面図である。
【図１９】 本発明の第４実施形態に係り、吸収性物品が止着されたテープ型使い捨ておむつの平面図である。
【図２０】 図１９のＦ−Ｆ断面図である。
【図２１】 同じく第４実施形態に係り、吸収性物品が止着されたパンツ型使い捨ておむつの展開平面図である。
【図２２】 図２１のＧ−Ｇ断面図である。
【図２３】 同じく第４実施形態に係り、吸収性物品が止着されたテープ型使い捨ておむつの展開平面図である。
【図２４】 同じく第４実施形態に係り、吸収性物品が止着されたテープ型使い捨ておむつの展開平面図である。
【図２５】 本発明の第５実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつの平面図である。
【図２６】 同じく本発明の第５実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつの平面図である。
【図２７】 本発明の第６実施形態に係り、吸収性物品を製造する製造工程の流れ図である。
【図２８】 吸収性物品の製造過程で外側の弾性伸縮率が順次大きくなるように張力を付与した状態で弾性材を供給する装置の一実施形態としての説明図である。
【図２９】 同じく弾性材を供給する装置の他の実施形態としての説明図である。
【符号の説明】
１ 内側表面シート
２ バックシート
３ 吸収体
４ 弾性材（糸ゴム，平ゴム，ウレタンフィルム等）
３ 吸収体
５、５′ ファスナ（止着材）
６ バリアカフス
７、８ 糸ゴム（弾性材）
９Ａ 縦長型のパット型吸収性物品
９Ｂ ひょうたん型のパット型吸収性物品
９Ｃ 楕円型のパット型吸収性物品
９Ｄ 変形楕円型のパット型吸収性物品
１０Ａ ショーツ
１０Ｃ、１０Ｄ、１０Ｅ 内羽根式使い捨ておむつ
１０Ｆ、１０Ｇ、１０Ｈ Ｔ字型使い捨ておむつ
１０Ｌ、１０Ｍ、１０Ｎ テープ型使い捨ておむつ
１０Ｐ、１０Ｑ、１０Ｒ パンツ型使い捨ておむつ
１１ 腹当部
１２ 背当部
１３ クロッチ部
１４ サイドシール部
１６Ａ、１６Ｂ、１６Ｃ 平判型吸収性物品
１７ ウェストベルトホルダー
１８ ウェストベルト
２２Ａ、２２Ｂ、２２Ｃ 衛生ナプキン
２４ 糸ゴム
２８ 不織布
２９ 供給管
３０ エンボス型押し部位
３１ フラッフパルプ
３２ フィードベルト
３３ 分散ロール
３４ 空気取入口
３５ サクションドラム
３５ ドラムフォーマー
３６ メッシュワイヤ
３７ コンベヤ
３８ ベルトプレス
３９ プレスロール
４０ エンボスロールプレス
４２ 内側表面シート
４３ バックシート
４４ 弾性材
４５ 不織布シート
４６、４７ 結合材
５０Ａ 平行ローラ
５１、５１′ 弾性ロール
５０Ｂ、５０Ｃ、５０Ｄ 駆動軸
５２ エンド・サイドプレートプレス
５６、５８、６２ コンベヤ
６３ 吸収シート
６４ 高分子吸収材
６５ ティッシュ両端折り装置
６６、６７ サーボモータ
ＣＬ 中心線
Ｆ、Ｆ１、Ｆ２ ファスナ
ＮＷ 不織布

Claims (7)

1. 装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３とから成るパット型使い捨ておむつ又は平判型の使い捨ておむつあるいは衛生ナプキンを含む吸収性物品に於いて、
   上記吸収性物品は、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る吸収体３の両側端部に複数の弾性材４が縦方向に横切るように装着され、上記吸収体３の両側端部側には、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配設され、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて成り、
   上記吸収性物品の縦方向両端部位には、止着材５′、５′が取り付けられ、この止着材５′、５′を介して当該吸収性物品にウェストベルトホルダー１７が取り付けられ、又は当該吸収性物品がテープ型使い捨ておむつ１０Ｎに取り付けられ、あるいは当該吸収性物品がショーツ型使い捨ておむつに取り付けられていることを特徴とする吸収性物品。
2. 上記弾性材４は、吸収体３の中心線ＣＬを基準として下方から人体の腹部に対応する上端部位に向けて０度近傍から４５度の傾斜で開く方向に対称に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
3. 装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３とから成るテープ型使い捨ておむつ１０Ｎ′であって、
   該テープ型使い捨ておむつ１０Ｎ′は、吸収体３の両側にバリアカフス６が起立し、このバリアカフス６の起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置すると共に、バックシート２には複数の弾性材４が吸収体３の両側端部を縦方向に横切るように装着され、上記吸収体３の両側端部側には、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配置され、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品２が横断面略円弧状に形成されて成り、上記吸収体３両側の平行な幅狭のレッグ部に装着されるレッグギャザーの弾性材８が、上記バックシート２の弾性材４より大きい弾性伸縮率を有していることを特徴とする吸収性物品を有する使い捨ておむつ。
4. 装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体から成る内羽根型おむつ１０Ｅであって、
   該内羽根型おむつ１０Ｅは、吸収体３の両側にバリアカフス６が起立し、該バリアカフス６の起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置すると共に、バックシート２には複数の弾性材４が吸収体３の両側端部を縦方向に横切るように、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配設され、上記弾性材４の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて成り、さらに上記吸収体３両側のレッグ部に装着されるレッグギャザーの弾性材８が、上記バックシートの弾性材４より大きい弾性伸縮率を有していることを特徴とする吸収性物品を有する使い捨ておむつ。
5. 装着時に肌側に位置する液透過性の内側表面シート１と、外側表面に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３とから成るパンツ型使い捨ておむつ１０Ｐであって、
   該パンツ型使い捨ておむつ１０Ｐは、外側表面、内側表面、前方部分、後方部分、クロッチ部分を含み、内側表面シート１の上側に液透過性の内側表面シート１と、装着時に表側に位置する液不透過性のバックシート２と、これら両シート１、２の間に配置された吸収体３より構成され、背当部１２と腹当部１１を連絡する両側には円弧状の曲線で幅狭のレッグ部が形成されると共に中間部位にはクロッチ部１３が構成され、シール部１４を接合することで、ウェストホールならびに一対のレッグホールが形成され、装着時における人体の背中から股間を通して腹部に至る上記バックシート２に、上記吸収体３の両側端部を縦方向に横切るように、縦方向中心線側より両側端部側がより大きい弾性伸縮率を有する複数の弾性材４が隣接配設され、上記弾性材の弾性伸縮率の差により上記吸収性物品が横断面略円弧状に形成されて成り、さらに上記吸収体両側にバリアカフス６が起立し、該バリアカフス６の起立先端に弾性材７を設置した立体ギャザーを配置し、該立体ギャザーの弾性材７が上記バックシート２の弾性材４より大きい弾性伸縮率を有していることを特徴とする吸収性物品を有する使い捨ておむつ。
6. 上記吸収性物品の弾性材４が、吸収体３の中心線ＣＬを基準として上端部位から下方に、または下方から上端に向けて０度近傍から４５度の傾斜で開く方向に対称に配置されている請求項３〜５の何れか１項に記載の吸収性物品を有する使い捨ておむつ。
7. 吸収体の原料であるフラッフパルプ３１を、空気と混合してサクションドラム３５に吹き付ける直前に、高分子吸収材６４を気流中で混合して連続ウェブが形成されたティッシュウェブ上に置き、これをコンベアで搬送する過程でティッシュ両端折り装置６５により上面に折り重ねてベルトプレス３８を介してプレスロール３９へ導き、所定の密度となるようプレスすることで連続するシート状吸収体３を形成し、その後上記シート状吸収体３を、エンボスロールプレス４０を通してマットカッターにて切断し、その上面及び下面に予め結合材４６、４７を付与した液透過性の内側表面シート４２並びに液不透過性のバックシート４３を結合して吸収性物品を製造する吸収性物品の製造方法に於いて、
   複数の糸状に形成された弾性材４４に幅方向中心側より外側の弾性伸縮率が順次大きくなる張力を付与し、上記シート状吸収体３の下面に連続供給されるバックシート４３に対し、上記弾性材４４を挟むように結合材を付与した不織布シート４５と共に連続供給して上記シート状吸収体３と不織布シート４５との間に挟着することで、シート状吸収体３の両側端部に上記弾性材４４を隣接配置した略円弧状断面の吸収性物品を連続的に製造するようにしたことを特徴とする吸収性物品の製造方法。

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