JP3897380B2 - 処理方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、反応性プラズマ若しくは電磁波等を照射して発生するプロセス中の炭素ラジカルにより被処理体をエッチング処理したり、ダイヤモンド薄膜、硬質炭素薄膜或いは炭化珪素薄膜を成膜する炭素原子による成膜及びエッチング処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
半導体製造工程においては、高周波電界或いは直流電界により炭素原子含有ガスを反応性プラズマ化して炭素ラジカルを生じさせ、半導体ウェハーやLCD用ガラス基板等の被処理体をエッチング処理したり、該被処理体上にダイヤモンド薄膜等の各種の炭素薄膜を成膜している。又、炭素材料にレーザを照射して薄膜を形成するレーザアブレーション法やイオンを照射して薄膜を形成するイオンスパッタリング法により各種の炭素薄膜を成膜する方法が知られているが、何れの場合においても、エッチング処理や成膜の加工精度が微細化しているため、この状況下で夫々の処理を高速、高選択比、高精度に行なうには、反応プラズマ中の炭素ラジカルを高精度で、かつ高速に制御する必要が生じてきている。
【0003】
炭素ラジカルを制御する方法としては、プラズマ源に印加される電力、真空容器内の圧力等の各種パラメータを制御したり、炭素原子含有ガスの種類及び添加量を変化させることにより行ない得るが、前者にあっては夫々のパラメータが相対的に変化するため、高精度に制御できなかった。
【0004】
又、処理後の被処理体を適宜サンプリングしてそのエッチング特性(形状、エッチング速度等)や成膜された薄膜特性(膜質、膜厚等)を検査し、その検査結果に基づいて次にエッチング処理或いは成膜処理する際の炭素ラジカルを制御する方法にあっては、検査に多くの手間がかかると共に直接製造プロセスに反映できず、プロセスとしての信頼性が低かった。
【0005】
更に、近年、中性ラジカル(CF、CF2、CF3)の原子密度を赤外半導体レーザー分光法により測定する方法が提案されているが、炭素ラジカルにあっては赤外領域に光線を吸収しないため、その密度を測定できなかった。又、プラズマ中における、例えばC2 *の発光種を分光器により観察して炭素ラジカルの原子密度等を測定する方法も提案されているが、プラズマの状態によって発光強度と炭素原子密度の関係が変化し、両者の間において一定の関係が常に成立しないため、該方法によっては炭素ラジカルの原子密度を測定できなかった。
【0006】
いずれにしても、現時点においてはプラズマ中における炭素ラジカルの原子密度を測定する方法がなかった。このことは、プラズマを用いない、例えばレーザアブレーション法により炭素ラジカルを生成させる場合においても同様であり、原子密度を測定する方法がなかった。
【0007】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたものであり、その課題とするところは、反応性プラズマ中或いはレーザアブレーション中等の炭素ラジカルを高い再現性をもって直接、かつ高精度に測定して処理プロセスを制御することができる炭素原子による成膜及びエッチング処理方法及びその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため請求項1は、少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理方法において、プラズマに炭素原子発光線を照射し、炭素原子発光線の出射量と、プラズマを透過した炭素原子発光線の透過量とに基づいてプラズマ中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるようにプラズマの発生を制御することを特徴とする処理方法である。
また、請求項2は、少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体をエッチング処理する処理方法において、プラズマに炭素原子発光線を照射し、炭素原子発光線の出射量と、プラズマを透過した炭素原子発光線の透過量とに基づいてプラズマ中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるようにプラズマの発生を制御することを特徴とする処理方法である。
【0009】
請求項11は、少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理装置において、炭素原子発光線を発生してプラズマに炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、発光線発生手段からの炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、プラズマを透過した炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、出射量と透過量とに基づいてプラズマ中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるようにプラズマの発生を制御する制御手段とを有することを特徴とする処理装置である。
また、請求項12は、少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体をエッチング処理する処理装置において、炭素原子発光線を発生してプラズマに炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、発光線発生手段からの炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、プラズマを透過した炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、出射量と透過量とに基づいてプラズマ中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるようにプラズマの発生を制御する制御手段とを有することを特徴とする処理装置である。
【0010】
請求項4は、少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理方法において、材料から発生した炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射し、炭素原子発光線の出射量と、環境を透過した炭素原子発光線の透過量とに基づいて環境中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるように環境における炭素原子の発生を制御することを特徴とする処理方法である。
また、請求項5は、少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体をエッチング処理する処理方法において、材料から発生した炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射し、炭素原子発光線の出射量と、環境を透過した炭素原子発光線の透過量とに基づいて環境中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるように環境における炭素原子の発生を制御することを特徴とする処理方法である。
【0011】
請求項14は、少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理装置において、炭素原子発光線を発生して材料から発生する炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、発光線発生手段からの炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、環境を透過した炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、出射量と透過量とに基づいて環境中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるように環境における炭素原子の発生を制御する制御手段とを有することを特徴とする処理装置である。
また、請求項15は、少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体をエッチング処理する処理装置において、炭素原子発光線を発生して材料から発生する炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、発光線発生手段からの炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、環境を透過した炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、出射量と透過量とに基づいて環境中の炭素原子密度を計測し、計測された炭素原子密度が所定値となるように環境における炭素原子の発生を制御する制御手段とを有することを特徴とする処理装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るプラズマ処理方法及びその装置を高周波を使用した誘導結合型プラズマ処理装置に実施した実施の一形態に基づいて説明する。
【0013】
【実施の形態1】
図1は実施の形態1に係るプラズマ処理装置の概略を示す概略断面図である。
【0014】
図2は炭素発光線発生装置の概略を示す概略断面図である。
【0015】
図3は炭素発光線発生装置におけるアルゴンガス含有量と発光強度の関係を示すグラフである。
【0016】
図4はプラズマ処理装置の制御概略を示す説明図である。
【0017】
成膜及びエッチング処理装置を構成するプラズマ処理装置1の処理室を構成する真空容器3の上部には石英管からなる放電室5が一体に設けられ、該放電室5の周囲には高周波電源7に接続された高周波アンテナ9が螺旋状に取巻かれている。この高周波アンテナ9は高周波電源7から印加される高周波電力により放電室5及び真空容器3内にプラズマを生成させる。放電室5と高周波アンテナ9との間には、周方向に多数のスリットが形成され、かつ接地された銅板等の静電シールド部材11が取付けられている。そして放電室5は流水中に浸漬され、該放電室5がエッチングされるのを防いでいる。
【0018】
尚、上記した高周波としてはRF帯域(13.56MHz)、VHF帯域(100MHz)或いはUHF帯域(500MHz)の何れであってもよく、又、本発明はマイクロ波(2.45GHz)或いは直流電力によりプラズマを生成してもよい。
【0019】
放電室5の下部外周側に位置する真空容器3の上部にはヘリウムガス、アルゴンガス等の反応性ガスと共にエッチング処理の場合にはフルオロカーボンガス(CxFx)、又カーボン薄膜を成膜する場合には一酸化炭素ガス等の炭素原子を含有した原料ガスを所定の流量で真空容器3内に導入するための導入口13が取付けられている。又、真空容器3内には電極としての載置台15が設けられ、該載置台15上には半導体ウェハーやLCD用ガラス基板等の被処理体17が、必要に応じて静電チャック19等の保持部材を介して載置される。該静電チャック19は絶縁性薄膜間に電極19aを設け、該電極19aに直流電流を印加して被処理体17を静電吸着させて保持する。
【0020】
尚、載置台15には液体窒素等の冷媒を循環させて冷却する冷却手段(図示せず)及び加熱するヒーター(図示せず)が必要に応じて設けられ、被処理体17を所望の温度に調節することができる。
【0021】
載置台15にはバイアス電源21が接続され、該バイアス電源21は任意のパルス幅のバイアス電圧を載置台15に印加してマイナスのバイアスを生じさせている。又、載置台15には真空排気装置(図示せず)に接続された排気管23が連通され、導入口13から原料ガスを導入しながら排気管23から排気して真空容器3及び放電室5内を所定のガス圧に保っている。
【0022】
真空容器3の側壁には、例えば炭素原子発光線が紫外領域の場合にはSiO2等からなる窓25a・25bが相対するように設けられ、一方の窓25aの外側には発光線発生装置27が、又他方の窓25bの外側には発光線発生装置27から出射されて真空容器3内のプラズマ中を通過した炭素原子発光線を検出する発光線検出装置29が夫々設けられている。これら窓25a・25bの材質としては、炭素原子発光線が真空紫外領域の場合にはフッ化リチウム(LiF)或いはフッ化マグネシウム(MgF2)であればよく、又、作動排気する場合には窓を設けなくてもよい。
【0023】
これら発光線発生装置27及び基準発光線検出装置44、発光線検出装置29は発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線の強度とプラズマ中を通過して発光線検出装置29に受光される炭素原子発光線の強度とに基づいてプラズマ中における炭素原子密度(濃度)を測定するものであり、発光線検出装置29により計測されたプラズマ中の炭素原子密度に関する測定データを制御手段31へ転送し、制御手段31はこの測定データに基づいて高周波アンテナ9に印加される高周波電力、載置台15に印加されるバイアス電圧を夫々制御したり、更には経時使用に伴って炭素が真空容器3内面に付着した際には真空容器3をクリーニングさせるためのアラーム信号を出力したり、アラーム信号出力後にクリーニングガスを真空容器3内に導入し、上記プラズマ処理装置1を作動して付着物を自動的に除去させるように制御する。
【0024】
尚、発光線発生装置27及び発光線検出装置29の配置位置は炭素原子発光線が被処理体17の反応面の直上、例えば10mm上方を通過する位置が好ましい。
【0025】
発光線発生装置27の円筒ケース33はステンレス等の金属製で、その先端開口には、例えば光が透過可能なSiO2等からなる窓35が取付けられている。該窓35の材質については上記した窓25a・25bと同様で他の材質であってもよい。又、円筒ケース33内のガラス管37内には電源(図示せず)に接続されたカーボン電極39が取付けられ、窓35に相対するカーボン電極39の先端面には凹部39aが形成されている。更に、円筒ケース33の側壁にはガス導入口41及び真空排気装置(図示せず)に接続された排気口43が相対して設けられ、ガス導入口41を介してアルゴンガス(Ar)と炭素原子及び酸素原子を含む、例えばCOガスの混合ガスを所定の流量で円筒ケース33内へ導入しながら排気口43から排気して円筒ケース33内における混合ガス圧をほぼ一定に保っている。
【0026】
そしてカーボン電極39に電圧(例えば印加電圧400V、電流30mA)を印加すると、カーボン電極39における先端面の凹部39aと窓35との間にプラズマを発生させて炭素原子を296.7nmの波長で発光させることにより炭素原子発光線を得ている。この炭素原子発光線は窓35を透過した後に該窓35と一方の窓25aとの間に配置されたレンズ36により平行光線にされた後、真空容器3内を通過して他方の窓25bに向うように出射される。
【0027】
窓35をSiO2とした場合には炭素原子発光線の波長を296.7nmとすることにより炭素原子発光線を効率的に発光させることができるが、窓35の材質等に応じて炭素原子発光線の波長を紫外領域或いは真空紫外領域(例えば165.6nm、156.1nm)の波長に適宜選択すればよく、上記波長に限定されるものではない。真空紫外領域の光としては、例えば波長が165.6nm或いは156.1nmの炭素原子発光線であればよい。又、図3に示すように混合ガスに所定量のアルゴンガスを含有させることにより炭素原子発光線を効率的に発光させることができる。更に、発光線発生装置27の経時発光に伴って導入された混合ガス中の炭素原子が窓35に付着して炭素原子発光線の発光強度を低下させるおそれがあるが、導入される混合ガス中に酸素原子を含有させておくことにより窓35にコーティングされた炭素原子に酸素原子を結合させてガス化することにより除去し、窓35から出射される炭素原子発光線の発光強度が低下するのを防止している。
【0028】
窓35に付着した炭素原子を効率的に除去する手段としては、窓35が取付けられる円筒ケース33の上部に内蔵されたヒーターや、窓35に向って照射される例えばハロゲン光により窓35を所要の温度加熱し、炭素原子と酸素原子の反応性を良好にして窓35に付着した炭素原子の効率的除去を可能にしたり、窓35の下面(内面)に応じた円筒ケース33の上部に供給口及び排気口を相対して設け、該供給口から酸素ガス或いはオゾンガスのクリーニングガスを、窓35下面における光透過箇所に当るように供給して排気口から排出して窓35に付着する炭素原子を、供給される酸素或いはオゾンと積極的に反応させて除去するようにしてもよい。この場合にあっては、上記のように酸素ガス或いはオゾンガスを使用せず、高速流に制御された上記した混合ガスを供給口から排気口へ流通させて窓35に炭素原子を付着し難くすると共に付着した炭素原子にあっては含有された酸素と反応させて除去するようにしてもよい。
【0029】
上記した発光線発生装置27における窓35のクリーニング方法としては、発光線発生装置27の駆動時に、常に窓35を加熱したり、クリーニングガスを供給して窓35に付着した炭素原子を除去してもよいが、発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線の強度をモニターし、該強度が所要の値まで減衰したとき、上記したように窓35を加熱したり、クリーニングガスを供給しながら発光線発生装置27を駆動して窓35に付着した炭素原子を除去するようにしてもよい。この場合にあっては、発光線発生装置27に導入される混合ガスをクリーニングガスに切換えて発光線発生装置27を駆動して炭素原子を除去するようにしてもよい。
【0030】
尚、レンズ36と一方の窓25aとの間に半透鏡40及びチョッパー42を夫々設け、半透鏡40により発光線発生装置27から出射された炭素原子発光線の光路を発光線検出装置29と基準発光線検出装置44とに分けると共にチョッパー42により発光線検出装置29に向う炭素原子発光線をON−OFFさせる。又、他方の窓25bと発光線検出装置29との間にレンズ38を設け、他方の窓25bを透過した平行光線をスポット光に収束して発光線検出装置29に受光させるようにすればよい。更に、発光線発生装置27としては上記のように混合ガスを導入しながら排気して所定のガス圧に保ちながら常に酸素原子を供給して窓35の流れを除去する構成としたが、円筒ケース33内に酸素ガスの溜めを設けた状態で上記混合ガスを封入し、経時使用に伴って混合ガス中の酸素原子が炭素原子と結合して少なくなったとき、即ち、窓35の内面により炭素原子が付着して炭素原子発光線の透過率が低下したとき、酸素ガスの放出が可能な封止構造のものであってもよい。
【0031】
次に、上記のように構成されたプラズマ処理装置1による処理方法を説明する。
【0032】
先ず、被処理体17に炭素薄膜を成膜するには導入口13からCOガス等の原料ガスを導入させると共に高周波アンテナ9に高周波電力を印加させると、原料ガスは高周波電界により反応性プラズマ化し、該反応性プラズマに含まれる炭素原子を被処理体17上に堆積させてダイヤモンド薄膜、硬質炭素薄膜或いは炭化珪素薄膜等を合成させる。又、被処理体17をエッチング処理するには、導入口13からフルオロカーボンガス等の原料ガスを導入させて上記と同様に反応性プラズマ化させた状態でバイアス電源21から載置台15にバイアス電圧を印加すると、反応性プラズマ中から陽イオン化したFイオン、CFxイオン、炭素イオンを引き出して被処理体17に衝突させることにより被処理体17をエッチング処理する。
【0033】
上記プラズマ処理装置1による成膜処理中或いはエッチング処理中においては、高周波アンテナ9に印加される高周波電力を制御したり、載置台15に印加されるバイアス電圧を制御することにより反応性プラズマ中における炭素原子密度を制御し、成膜される薄膜の厚さを調整したり、エッチングの選択比、加工精度を調整することができる。
【0034】
このため、本実施の形態は、発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線を真空容器3内のプラズマを透過して発光線検出装置29に入射させ、プラズマ中における炭素ラジカルによる炭素原子発光線の吸収量に基づいて炭素ラジカル密度を測定し、制御手段31は測定された炭素ラジカル密度に基づいて高周波アンテナ9に印加される高周波電力、載置台15に印加されるバイアス電圧をリアルタイムに夫々制御してプラズマ中における炭素原子密度がほぼ所望の値になるように制御させる。
【0035】
そしてプラズマ中の炭素ラジカル密度は以下のように測定する。
【0036】
即ち、先ず、高周波アンテナ9に高周波電力が印加されていない、従ってプラズマが発生していない状態において発光線発生装置27から出射された炭素原子発光線を半透鏡40により2つに分けて発光線検出装置29及び基準発光線検出装置44に夫々入射させて強度を測定し、その強度比I00/Ir0=aを求めておく。次に、高周波アンテナ9に高周波電力を印加してプラズマを発生させた状態で、先ず、チョッパー42を閉じた状態で該プラズマ中の炭素原子から発光する炭素原子発光線の強度I1を発光線検出装置29により測定する。次に、チョッパー42を開いた状態でプラズマ中の炭素原子が発光する強度I1と発光線発生装置27から出射され、プラズマ中で一部が吸収された炭素原子発光線の強度I0'との和である強度I2を測定する。そして強度I1及びI2を測定する間中、常に基準発光線検出装置44により発光線発生装置27から出射される炭素現発光線の強度Irを測定し、該強度Irと上記の式I00/Ir0で求められた強度比aとにより発光線発生装置27から出射され、プラズマ中の炭素原子で吸収されない場合に発光線検出装置29に入射される強度I0、従ってI0=a・Irを求め、この強度I0をプラズマ中の炭素原子による吸収量を測定する基準強度とする。そして上記の各強度から、式(I2−I1)/I0、従って式I0'/I0からプラズマ中における炭素ラジカルによる炭素原子発光線の吸収量を計測して炭素ラジカル密度を測定する。
【0037】
尚、高周波アンテナ9に印加される高周波電力や載置台15に印加されるバイアス電圧をフィードバック制御するための炭素ラジカル密度に関する基準値は、被処理体の種類、プロセスの種類、プロセス条件等によって大きく異なるため、これらの条件に応じてその都度、実験等により設定することが好ましい。
【0038】
即ち、プラズマ中における炭素ラジカル密度をリアルタイムで計測し、その密度がほぼ一定となるように高周波電力或いはバイアス電圧を制御することにより成膜される薄膜の厚さをほぼ均一にさせることができると共に被処理体17に衝突する炭素原子の量をほぼ一定にしてエッチング処理における選択比、加工精度を良好にすることができ、プロセスの信頼性を向上させることができる。
【0039】
このように本実施の形態によれば、エッチングや薄膜形成に重要な反応性プラズマ中の炭素ラジカル密度を炭素原子発光線に基づいてリアルタイムに計測し、その測定に基づいて高周波アンテナ9に印加される高周波電力や載置台15に印加されるバイアス電圧をフィードバック制御することによりプラズマ中の炭素ラジカルを高精度に制御できるため、再現性に優れた高精度エッチング及び薄膜形成を可能にしている。
【0040】
【実施の形態2】
図5は実施の形態2に係るプラズマ処理装置の概略を示す概略断面図である。
【0041】
本実施の形態は、発光線発生装置27を使用せず、真空容器3内にて生成されるプラズマ中における炭素原子から発光する炭素原子発光線をそのまま利用してプラズマ中の炭素原子密度を計測するものであり、実施の形態1と同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0042】
即ち、窓25aの上方に位置する真空容器3の側壁には、例えば光が透過可能なSiO2等からなる窓51が設けられ、該窓51の外側には第1の反射鏡53が、又窓25aの外側には第2の反射鏡55が夫々配置され、真空容器3内に導入された原料ガスを反応プラズマ化した際に原料ガス中の炭素原子から発光する炭素原子発光線を窓51を介して真空容器3の外部へ取出した後、第1及び第2の反射鏡53・55により窓25aを介して再び真空容器3内のプラズマに向けて出射するように反射させて発光線検出装置29に入射させてその入射強度I1を計測する。
【0043】
その際、例えば第1反射鏡53と第2反射鏡55の間にチョッパー57を設け、先ずチョッパー57を閉じて両者間の光路を遮断した状態で被検出体17の上方に生成しているプラズマ中における炭素原子の発光強度を発光線検出装置29により計測して基準発光強度Iref.とし、次にチョッパー57を開いてプラズマ中から取出された炭素原子発光線を第1及び第2反射鏡53・55を介してプラズマ中に照射して発光線検出装置29に入射させて入射強度I1を計測する。そしてこれら入射強度Iref.とI1とによりプラズマ中における炭素ラジカルによる炭素原子発光線の吸収率{(I1−Iref.)/Iref.×100}を演算して炭素ラジカル密度を測定する。
【0044】
尚、本実施の形態は実施の形態1と同様に測定されたプラズマ中の炭素ラジカル密度に基づいて高周波アンテナ9に印加される高周波電力や、載置台15に印加されるバイアス電圧を夫々フィードバック制御することにより反応性プラズマ中における炭素原子密度を制御して成膜される薄膜の厚さを調整したり、エッチングの選択比、加工精度を調整することができる。
【0045】
このように本実施の形態は、実施の形態1のように発光線発生装置27を設けることなく、真空容器3内にて発光する炭素原子発光線を利用してプラズマ中の炭素ラジカル密度を測定することができ、装置を簡素化することができる。
【0046】
【実施の形態3】
図6は実施の形態3に係るスパッタ処理装置の概略を示す概略断面図であり、実施の形態1と同一の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0047】
成膜及びエッチング処理装置を構成するスパッタ処理装置71の真空容器73内には上部電極75及び下部電極77が所要の間隔をおいて相対配置され、上部電極75に材料としての無定形炭素79を、又下部電極77にシリコン基板等の被処理体17を夫々設ける。下部電極77にはヒーター(図示せず)が内蔵され、室温から約600℃の範囲で温度制御可能になっている。本実施の形態では下部電極77の温度を室温に設定した。
【0048】
そして導入口13からアルゴンガスと水素ガスを所定の流量で導入しながら排気管23から排気して真空容器73内を所要のガス圧に保ちながら上部電極75に、例えば13.56MHzの高周波を印加して下部電極77との間にアルゴンと水素の混合ガスのプラズマを生成させると、上部電極75に生じる直流電圧によりイオンを加速して無定形炭素79に衝突させ、該無定形炭素79から炭素原子を飛び出させて被処理体17上に堆積し、硬質炭素薄膜を成膜させる。
【0049】
その際、上記した実施の形態1における測定方法と同様に真空容器73の一方に配置された発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線を、真空容器73内のプラズマを通過させて相対して配置された発光線検出装置29に入射させ、プラズマ中における炭素原子による炭素原子発光線の吸収量に基づいて炭素原子密度を測定し、この測定結果に基づいて上部電極75に印加される高周波電力をフィードバック制御することによりプラズマ中の炭素原子密度をほぼ一定にさせたり、増減させたりして膜厚或いは成膜速度を制御することができた。尚、炭素原子密度が高い場合には成膜される膜厚が厚く、又短時間に成膜できた。又、上記炭素原子密度を計測しながら圧力、高周波電力等の条件を適宜選択してシリコン基板上に成膜された薄膜をラマン分析法により分析したところ、高品質の硬質炭素膜が形成されていた。
【0050】
【実施の形態4】
図7は実施の形態4に係るレーザアブレーション処理装置の概略を示す概略断面図であり、実施の形態1と同一の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
成膜及びエッチング処理装置を構成するレーザアブレーション処理装置81における真空容器83内の上部には材料としての無定形炭素85が、又下部にはシリコン基板等の被処理体17を載置する載置台87が所要の間隔をおいて配置されている。又、真空容器83の外部には窓89を介して無定形炭素85にレーザ光を照射するレーザ発生装置91が設けられている。載置台87にはヒーター(図示せず)が内蔵され、室温から約600℃の範囲で温度制御可能になっている。本実施の形態では載置台87の温度を室温に設定した。
【0052】
そして導入口13から所定流量の水素ガスを導入しながら排気管23から排気して真空容器83内を、例えば10Paの所定のガス圧に保ちながらレーザ発生装置91から、例えば30nsのパルス幅でレンズにより10J/cm2のエネルギ密度に制御されたレーザ光を無定形炭素85に照射させると、該レーザ光のエネルギーにより無定形炭素85を蒸発、アブレートして炭素のクラスター粒子或いは炭素原子を放出させて発光柱(プルーム)92を形成し、被処理体17上に堆積する炭素のクラスター粒子により硬質炭素薄膜を成膜させる。尚、上記条件での堆積速度は1オングストローム/パルスであった。
【0053】
その際、上記した実施の形態1における測定方法と同様に真空容器83の一方に配置された発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線を、真空容器83内に発生している発光柱92或いは被処理体17の上方を通過させた後に発光線検出装置29に入射させて発光柱92中或いは被処理体17上方における炭素のクラスター粒子による炭素原子発光線の吸収量に基づいてクラスター及び炭素原子の密度を測定し、この測定結果に基づいてレーザ発生装置91から照射されるレーザ光のパルス幅及びエネルギー密度をフィードバック制御することにより、発光柱92中或いは被処理体17上方における炭素のクラスター粒子及び炭素原子の密度をほぼ一定にさせたり、増減させたりして膜厚或いは成膜速度を制御することができた。
【0054】
実施の形態1〜4において炭素原子密度を計測する方法としては、高周波アンテナ9に印加される高周波電力或いはレーザ発生装置91によるレーザ光の出力を所望のデューティにパルス変調し、該パルスがLOW(オフ)のとき、従って非プラズマ状態或いは非発光柱状態のとき、発光線発生装置27から出射されて発光線検出装置29に入射される炭素原子発光線の強度を計測し、又該パルスがHIGH(オン)のとき、従ってプラズマ状態或いは発光柱状態のとき、発光線検出装置29に入射される炭素原子発光線の強度に計測してプラズマ中或いは発光柱92中の炭素ラジカルによる炭素原子発光線の吸収量を演算する処理を繰返して測定すればよい。これにより発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線の出射強度が不安定であっても、炭素ラジカルによる炭素原子発光線の吸収量を高精度で、かつ安定して測定することができる。又、そのオン、オフは例えば周期100m秒においてオン50m秒、オフ50m秒程度でパルス偏重放電を行っている。この場合においても、発光線発生装置27の前段にチョッパーを設け、チョッパー出力をトリガーにして信号を演算してもよい。更に、発光線発生装置27から出射される炭素原子発光線の発生直後の光をチョッパーによりオン・オフ変調し、この変調した光を出射してプラズマ或いは発光柱92を透過した光をチョッパーの周期に同期させて位相検波或いはこれをトリガとして演算してもよい。
【0055】
又、上記した実施の形態1〜4において発光線発生装置27は、プラズマ中の炭素原子から炭素ラジカルに吸収可能な波長の光に発光させる構成としたが、本発明においては、例えば炭素原子に吸収可能な波長の光をアーク放電等により発光させるものであってもよい。
【0056】
【実施例1】
図8はプラズマ中における炭素ラジカルによる炭素原子発光線の吸収率と高周波アンテナ9に印加される高周波電力との関係を示し、高周波電力を多くすることによりプラズマ中における炭素ラジカルを高密度化することができる。
【0057】
【実施例2】
シリコン或いはシリコン窒化膜にシリコン酸化膜が形成された半導体ウェハ等の被処理体を、フルオロカーボンをプラズマ化してエッチング処理する実施例を以下に説明する。
【0058】
先ず、フルオロカーボンガスとしてのシクロオクタフルオロブタン(C4F8)を含む反応ガスを真空容器3内に導入して圧力を0.4Paに保つと共に高周波アンテナ9に高周波電力(電力1.2kW、周波数13.56MHz)を印加して真空容器3内にプラズマを生成し、更に載置台15にバイアス電圧(−300V)を印加した。又、被処理体17としてはSiO2上に適当なエッチングパターンを形成したものを使用した。
【0059】
そして真空容器3に設けた発光線発生装置27から出射され、発光線検出装置29に入射される炭素原子発光線により被処理体17の上方に発生しているプラズマ中における炭素ラジカルの密度を測定し、その測定値に基づいて該炭素ラジカルの密度がほぼ一定となるように高周波電力及びバイアス電圧をフィードバック制御し、被処理体17をエッチング処理した。
【0060】
このエッチング特性を評価したところ、シリコン酸化膜のエッチング速度8000オングストローム/min.で、対シリコンエッチング選択比50、対シリコン窒化膜選択比15の高選択比エッチングであった。シリコン酸化膜のシリコンパターン形状をSEMにより観測したところ、線幅0.2μmまでの微細パターンに対してほぼ垂直であった。
【0061】
更に、経時変化を調べるために半導体ウェハー、5000枚について酸化膜/シリコンのエッチング特性を評価したところ、炭素原子発光線に基づいて炭素ラジカルの密度に基づいてフィードバック制御しない場合には約1000枚あたりからエッチング速度、選択比にばらつきが生じ、エッチング再現性が低下した。一方、フィードバック制御した場合には、全ての半導体ウェハーにおいて良好なエッチング特性が得られ、高い再現性が得られた。
【0062】
【実施例3】
被処理体としてのシリコン基板に、一酸化炭素ガスをプラズマ化してダイヤモンド薄膜を成膜する実施例を以下に説明する。
【0063】
先ず、一酸化炭素ガスと水素ガスからなる反応ガスを真空容器3内に導入して圧力を13Paに保つと共に高周波アンテナ9に高周波電力(電力500W、周波数13.56MHz)を印加して真空容器3内にプラズマを生成した。又載置台15のヒーターにより被処理体17を600Kに加熱した。
【0064】
そして真空容器3に設けた発光線発生装置27から出射され、発光線検出装置29に入射される炭素原子発光線により被処理体17の上方に発生しているプラズマ中における炭素ラジカル密度を測定し、その測定値に基づいて該炭素ラジカル密度がほぼ一定となるように高周波電力をフィードバック制御し、被処理体17にダイヤモンド薄膜を成膜処理した。このダイヤモンド薄膜を評価したところ、成膜速度が1,500オングストローム/min.で、直径50mmの被処理体17としてのシリコン基板に対してほぼ均一であった。図9に炭素原子発光線の吸収量と成膜された膜厚との関係を示す。
【0065】
更に、経時変化を調べるため、150枚のシリコン基板についてダイヤモンド薄膜の成膜特性を評価したところ、炭素ラジカル密度に基づいてフィードバック制御しない場合には約100枚あたりから膜厚にばらつきが生じ、成膜の再現性が低下した。一方、フィードバック制御した場合には、形成した薄膜をラマン分光により計測したところ、全てのシリコン基板にほぼ均一な膜厚のダイヤモンド薄膜を成膜できており、高い再現性が得られた。
【0066】
【発明の効果】
このため本発明は、反応性プラズマ中或いはレーザアブレーション中等の炭素ラジカルを高い再現性をもって直接、かつ高精度に測定して処理プロセスを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るプラズマ処理装置の概略を示す概略断面図である。
【図2】 炭素発光線発生装置の概略を示す概略断面図である。
【図3】 炭素発光線発生装置におけるアルゴンガス含有量と発光強度の関係を示すグラフである。
【図4】 プラズマ処理装置の制御概略を示す説明図である。
【図5】 実施の形態2に係るプラズマ処理装置の概略を示す概略断面図である。
【図6】 実施の形態3に係るスパッタ処理装置の概略を示す概略断面図である。
【図7】 実施の形態4に係るレーザアブレーション処理装置の概略を示す概略断面図である。
【図8】 炭素原子発光線の吸収率と高周波電力との関係を示すグラフである。
【図9】 炭素原子発光線の吸収量と成膜された膜厚との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:成膜及びエッチング処理装置を構成するプラズマ処理装置
17:被処理体
27:発光線発生手段としての発光線発生装置
29:発光線検出手段としての発光線検出装置
71:成膜及びエッチング処理装置を構成するスパッタ処理装置
81:成膜及びエッチング処理装置を構成するレーザアブレーション処理装置
Claims (20)
- 少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理方法において、
前記プラズマに炭素原子発光線を照射し、
前記炭素原子発光線の出射量と、前記プラズマを透過した前記炭素原子発光線の透過量とに基づいて前記プラズマ中の炭素原子密度を計測し、
計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記プラズマの発生を制御することを特徴とする処理方法。 - 少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体をエッチング処理する処理方法において、
前記プラズマに炭素原子発光線を照射し、
前記炭素原子発光線の出射量と、前記プラズマを透過した前記炭素原子発光線の透過量とに基づいて前記プラズマ中の炭素原子密度を計測し、
計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記プラズマの発生を制御することを特徴とする処理方法。 - 炭素原子を含有する原料ガスは、フルオロカーボンガス、炭化水素ガス、及び一酸化炭素ガスのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の処理方法。
- 少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理方法において、 前記材料から発生した炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射し、
前記炭素原子発光線の出射量と、前記環境を透過した前記炭素原子発光線の透過量とに基づいて前記環境中の炭素原子密度を計測し、
計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記環境における炭素原子の発生を制御することを特徴とする処理方法。 - 少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体をエッチング処理する処理方法において、
前記材料から発生した炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射し、
前記炭素原子発光線の出射量と、前記環境を透過した前記炭素原子発光線の透過量とに基づいて前記環境中の炭素原子密度を計測し、
計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記環境における炭素原子の発生を制御することを特徴とする処理方法。 - 前記炭素原子発光線は、炭素原子及び酸素原子を含んだ混合ガスをプラズマ分解して得られる炭素原子からの発光線であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の処理方法。
- 前記炭素原子発光線は、アルゴンガスと少なくとも炭素原子及び酸素原子を含むガスとの混合ガスに電界を印加して生成されるプラズマを炭素材料に照射して得られる発光線であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の処理方法。
- 前記炭素原子発光線は、前記被処理体に対する前記処理に用いられる前記炭素原子から発光する炭素原子発光線であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記 載の処理方法。
- 前記炭素原子及び酸素原子を含有するガスは、一酸化炭素ガスであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の処理方法。
- 前記炭素原子発光線は、紫外若しくは真空紫外領域の波長からなる発光線であることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の処理方法。
- 少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理装置において、
炭素原子発光線を発生して前記プラズマに炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、
前記発光線発生手段からの前記炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、
前記プラズマを透過した前記炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、
前記出射量と前記透過量とに基づいて前記プラズマ中の炭素原子密度を計測し、計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記プラズマの発生を制御する制御手段と
を有することを特徴とする処理装置。 - 少なくとも炭素原子を含有した原料ガスのプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体をエッチング処理する処理装置において、
炭素原子発光線を発生して前記プラズマに炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、
前記発光線発生手段からの前記炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、
前記プラズマを透過した前記炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、
前記出射量と前記透過量とに基づいて前記プラズマ中の炭素原子密度を計測し、計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記プラズマの発生を制御する制御手段と
を有することを特徴とする処理装置。 - 炭素原子を含有する原料ガスは、フルオロカーボンガス、炭化水素ガス、及び一酸化炭素ガスのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の処理装置。
- 少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体上に炭素含有薄膜を成膜する処理装置において、
炭素原子発光線を発生して前記材料から発生する炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、
前記発光線発生手段からの前記炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、
前記環境を透過した前記炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、
前記出射量と前記透過量とに基づいて前記環境中の炭素原子密度を計測し、計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記環境における炭素原子の発生を制御する制御手段と
を有することを特徴とする処理装置。 - 少なくとも炭素原子を含有した材料にプラズマ或いは電磁波又は粒子を照射し、該材料から発生する炭素原子を用いて被処理体をエッチング処理する処理装置において、
炭素原子発光線を発生して前記材料から発生する炭素原子の存在する環境に炭素原子発光線を照射する発光線発生手段と、
前記発光線発生手段からの前記炭素原子発光線の出射量を検出する基準発光線検出装置と、
前記環境を透過した前記炭素原子発光線の透過量を検出する発光線検出装置と、
前記出射量と前記透過量とに基づいて前記環境中の炭素原子密度を計測し、計測された前記炭素原子密度が所定値となるように前記環境における炭素原子の発生を制御する制御手段と
を有することを特徴とする処理装置。 - 前記発光線発生手段は、炭素原子及び酸素原子を含んだ混合ガスをプラズマ分解して得られる炭素原子からの炭素原子発光線を放射する装置であることを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れか1項に記載の処理装置。
- 前記発光線発生手段は、アルゴンガスと少なくとも炭素原子及び酸素原子を含むガスとの混合ガスに電界を印加して生成されるプラズマを炭素材料に照射して得られる炭素原子発光線を放射する装置であることを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れか1項に記載の処理装置。
- 前記発光線発生手段は、前記被処理体に対する前記処理に用いられる前記炭素原子から発光する炭素原子発光線を用いる装置であることを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れか1項に記載の処理装置。
- 前記炭素原子及び酸素原子を含有するガスは、一酸化炭素ガスであることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の処理方法。
- 前記発光線発生手段は、紫外若しくは真空紫外領域の波長からなる炭素原子発光線を放射する装置であることを特徴とする請求項16乃至請求項19の何れか1項に記載の処理装置。
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