JP3895468B2 - 前倒装置付ヘッドレストの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用シートに備えるヘッドレストの製造方法、詳しくは、内部に設けた前倒機構によって前倒し且つ発泡液を袋状の表皮内に注入して表皮と一体にパッドを発泡成形するヘッドレストの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のヘッドレストにはシートバック側に支持されるステーに対して、ステーのヘッドレスト内に有する前倒装置等によってヘッドレストを前倒させることにより、後方の乗員の視界を拡大するものがある。
【0003】
このヘッドレストはヘッドレスト内の前記ステーの上部に有する前倒装置(例えばラチェット装置)を金属製のパネルで囲繞し、このパネルの外周面に、あらかじめ所定形状に発泡成形した発泡体製パッドを当て、このパッドを袋状に縫製した表皮で被包することにより形成している。
【0004】
一方、ヘッドレストがステーに一体に固定され、ステーに対して前後に可動不可能に取付けられているものには、例えば特公平5ー35052号公報に開示されているように、袋状に縫製した表皮内に、フレーム付のステーを収容した後、その表皮内にパッド成形用の発泡液を注入して、表皮と一体にパッドを発泡成形したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、前者は、パネルにパッドを当て、これを表皮で被包し、表皮のパネル付の前倒装置収容用の開口部を閉口手段(例えば、ベルベット式ファスナーなど)で閉口しなければならないため、ヘッドレストの組付に工数を要する不具合があった。
【0006】
一方、後者は表皮がパッドと一体であるため、表皮が位置ズレしたりすることがないし、前記前者の不具合を除去できる。
しかし、後者は前者のヘッドレストの如く、表皮内に前倒装置を内蔵したものには全く利用できない欠陥があった。
これは前倒装置に発泡液が侵入するためである。この前倒装置への発泡液の侵入を防止するために、前倒装置を被覆材で被覆すると、この被覆材と表皮の開口部との間から発泡液が外部に漏出する不具合があった。
【0007】
そこで、本発明は斯様な前倒装置ヘッドレストにおいて、その組立性と外観品質を向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明は、前倒装置付のステーを外部に突出す
る筒状のステー挿通部を左右に有するインナーカバーと、このインナーカバー
のステー挿通部内に嵌合する筒状の嵌合部を左右に有するアウターカバーと、
袋状に縫製し開口部の端縁に係止突起を一体に有する剛性プレートを縫着し
てなる表皮とからなり、該表皮内に、その開口部より前記インナーカバーで
被覆されている前記前倒装置付のステーを収容し、インナーカバーに設けた
係止孔に前記係止突起を挿入係止して表皮の開口部を閉口させた後、その表皮
の閉口個所を前記アウターカバーで塞ぎ、次に表皮に設けた注入口より、表皮
とインナーカバーとの間に、パッド成形用の発泡液を注入して、表皮とインナ
ーカバーに一体にパッドを発泡成形してなることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、インナーカバーと袋状の表皮との間に注入したパッド成形用の発泡液がインナーカバーと表皮の開口部との間から漏出することなく、パッドが発泡成形される。
【0011】
また、アウターカバーによって、表皮の開口部の外側が塞がれているため、
ヘッドレストの外観品質が向上する。
加えて、アウターカバーの嵌合部がインナーカバーのステー挿通部に嵌合
されているため、この嵌合個所が補強され、ヘッドレストの前後方向の移動
に伴ってステーがステー挿通部に接触しても、アウターカバー、インナーカ
バーが変形することがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は、本発明方法によって製造したヘッドレストを示し、図中(1)は袋状に縫製した表皮、(2)は剛性を有する合成樹脂製のインナーカバーで、このインナーカバー(2)によって前倒装置(30)(31)…が被覆され、表皮(1)内に注入したパッド成形用の発泡液が付着することがないように構成され、且つ後述するパッド(5)を支持する。
【0013】
前倒装置(30)(31)…は、門形状のステー(3)(3)の上部に装着され、ステー(3)(3)はその下部がヘッドレストから下方に突出され、シートバックに支持される。
【0014】
前倒機構(30)…は従来周知の構造のもので、図示するものはラチェット機構のもので、追歯付の歯板(30)と、この歯板(30)の追歯に係合する係止ピン(31)とから構成され、歯板(30)は支軸(32)に一体に固定され、この支軸(32)はステー(3)の上部にアーム(32A)を介して固定されている。
【0015】
一方、係止ピン(31)は、支軸(32)に前後方向に回動自在に軸着されている左右一対のブラケット(3A)における一方のブラケット(3A)に回動自在に枢着した回動片に固定され、バネ(不図示)によって歯板(30)の追歯方向に付勢されている。図中(33)は、左右のブラケット(3A)を連結する連結軸を示す。
【0016】
従って、ヘッドレストは、図2の実線に示す使用状態から前方に押動すると、90度前方に回動して前倒状態になり、この前倒状態から更にヘッドレストを前方に押動すると、そのロック状態が解除されて図2の実線に示す使用状態に戻るように構成されている。
【0017】
図中(4)は剛性を有する合成樹脂製アウターカバーで、このアウターカバー(4)によって閉口状態の表皮(1)の開口部は被覆されている。
【0018】
アウターカバー(4)を取付後、表皮(1)内にパッド成形用の発泡液が注入されてパッド(5)が表皮(1)とインナーカバー(2)とに一体に発泡成形される。
【0019】
表皮(1)の開口部(O)及び前記インナーカバー(2)の底部は、図4に示すように表皮(1)の開口部(O)における前、後端部(1A)(1A)がインナーカバー(2)の底部に固定されることにより、表皮(1)の開口部(O)は閉口され、パッド成形用の発泡液が外部に漏出することがないように構成されている。
【0020】
表皮(1)は図4に示すように、ヘッドレストの底部側に開口部(O)が位置するように袋状に縫製され、開口部(O)を有する底布(10)の左右にはステー(3)を挿通する通孔(13)(13)が開孔され、この左右の通孔(13)(13)間にスリット状に開口部(O)が形成されている。
【0021】
この開口部(O)の前、後端部(1A)(1A)に沿って剛性を有する合成樹脂製剛性プレート(11)(11)が表皮(1)の内側に一体に縫着(11A)(11A)され、この各剛性プレート(11)(11)には係止突起(12)…が一体に突設されている。図中(14)は注入口を示す。
【0022】
一方、図4に示すように、インナーカバー(2)におけるヘッドレストの底部側には、筒状のステー挿通部(21)(21)が左右に設けてあり、この各ステー挿通部(21)(21)内から、前倒装置(30)(31)を上部に有するステー(3)(3)が外部に突出している。
【0023】
そして、左右のステー挿通部(21)(21)間には、前記係止突起(12)(12)が挿入して係止する係止孔(20)(20)…が開孔されている。
【0024】
以上のステー挿通部(21)(21)にアウターカバー(4)の左右に有する筒状の嵌合部(40)(40)を嵌合することにより、アウターカバー(4)が固定され、嵌合部(40)(40)内にはステー(3)(3)が挿通される。
【0025】
次に、本発明方法を説明すると、まず、インナーカバー(2)でステー(3)に有する前倒装置(30)(31)…を被覆する。これにより、図4に示すように、ステー(3)(3)の下部が、インナーカバー(2)のステー挿通部(21)(21)から外部に突出した状態となる。
【0026】
然る後、この前倒装置(30)…を内蔵したインナーカバー(2)を表皮(1)内に、開口部(O)より収容する。
次に、表皮(1)の各剛性プレート(11)(11)をインナーカバー(2)に当て、各係止突起(12)…を係止孔(20)…に挿入して係止する。これにより、表皮(1)の開口部(O)は閉口される。
【0027】
一方、表皮(1)の通孔(13)(13)における孔縁は、ステー挿通部(21)の外端縁に有する鍔状の挟持部(不図示)上に位置する。
【0028】
次に、アウターカバー(4)の嵌合部(40)(40)をインナーカバー(2)のステー挿通部(21)(21)に嵌合して固定する。これにより、前記表皮(1)の開口部(O)が被覆され、この開口部(O)の端末及びこの端末に接続する通孔(13)(13)の端末がインナーカバー(2)に圧接される。
【0029】
以上のアウターカバー(4)を固定した表皮(1)はモールド内に収容して、表皮(1)の注入口(14)から袋状の表皮(1)内にパッド成形用の発泡液を注入すると、パッド(5)が表皮(1)とインナーカバー(2)とに一体に発泡成形され、図2に示すヘッドレストが製造される。
【0030】
以上の発泡液を注入した際、表皮(1)の開口部(O)は、剛性プレート(11)のインナーカバー(2)への密着及び係止突起(12)のインナーカバー(2)側への係止によって塞がれるために、発泡液の外部への漏出を防止することができる。
【0031】
また、仮に、剛性プレート(11)とインナーカバー(2)との間から発泡液が浸透して、前、後端部(1A)(1A)間から漏出しても、漏出個所はアウターカバー(4)によって被覆されているので、外部から視覚されることがない。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上の如くの構成であるから、あらかじめパッドを発泡成形し、これを前倒装置を被覆用パネルに当て表皮で被覆する前記従来方法に対して、生産性が良好になる。しかも、前記表皮一体発泡の従来方法に対して外観品質に優れたヘッドレストを簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって製造したヘッドレストの斜視図である。
【図2】図1のIIーII線断面図である。
【図3】図2のA部の拡大図である。
【図4】本発明の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 表皮
2 インナーカバー
3 ステー
4 アウターカバー
5 パッド
11 剛性プレート
12 係止突起
20 係止孔
30 前倒装置
31 前倒装置
O 表皮の開口部
Claims (1)
- 前倒装置付のステーを外部に突出する筒状のステー挿通部を
左右に有するインナーカバーと、このインナーカバーのステー挿通部内に嵌合
する筒状の嵌合部を左右に有するアウターカバーと、袋状に縫製し開口部の端縁
に係止突起を一体に有する剛性プレートを縫着してなる表皮とからなり、該
表皮内に、その開口部より前記インナーカバーで被覆されている前記前倒装置
付のステーを収容し、インナーカバーに設けた係止孔に前記係止突起を挿入係
止して表皮の開口部を閉口させた後、その表皮の閉口個所を前記アウターカバ
ーで塞ぎ、次に表皮に設けた注入口より、表皮とインナーカバーとの間に、パ
ッド成形用の発泡液を注入して、表皮とインナーカバーに一体にパッドを発泡
成形してなることを特徴とする前倒装置付ヘッドレストの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18152398A JP3895468B2 (ja) | 1998-06-13 | 1998-06-13 | 前倒装置付ヘッドレストの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18152398A JP3895468B2 (ja) | 1998-06-13 | 1998-06-13 | 前倒装置付ヘッドレストの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11348631A JPH11348631A (ja) | 1999-12-21 |
JP3895468B2 true JP3895468B2 (ja) | 2007-03-22 |
Family
ID=16102261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18152398A Expired - Fee Related JP3895468B2 (ja) | 1998-06-13 | 1998-06-13 | 前倒装置付ヘッドレストの製造方法 |
Country Status (1)
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1998
- 1998-06-13 JP JP18152398A patent/JP3895468B2/ja not_active Expired - Fee Related
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