JP3894202B2 - 住宅用火災警報システム、住宅用親火災警報器、住宅用子火災警報器 - Google Patents
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このものは、熱や煙などの火災要因を検知すると警報出力をなす複数の火災警報器を、2線式信号線に対して並列接続するとともに、各火災警報器には商用電源を供給する電源線を導出させている。
このような構成では、各火災警報器は、それぞれより導出した電源線を通じた商用電源の供給を受けて駆動するようにしており、ある火災警報器が火災要因を検知すると、自身から警報処理をなすとともに、火災信号を2線式信号線を通じて送出することにより、他の火災警報器からも警報出力をさせる。
しかしながら、このようなシステムでは、各火災警報器に対して、自身の駆動電源を生成するための回路が必要となり、警報器の高コストの要因となる。また、各火災警報器から商用電源と2線式信号線とを接続しているから、設置工事が面倒になり高コストの要因ともなっていた。
そこで、最近においては、下記特許文献1に示すような技術が存在する。このものでは、各火災警報器を、電源供給ラインとしての2線式信号線と、火災検知信号などの各種信号送出ラインとしての2線式信号線の双方に対して並列接続し、各警報器間で電源供給ラインを通じて電源を分け合うようにすることにより、各火災警報器に自身の駆動電源を商用電源から生成する回路を不要にしている。
しかしながら、このようなシステムであっても、電源供給ライン、信号送出ラインの双方を配線する必要があり、コスト高の要因となっている。
請求項7〜14は、住宅用親火災警報器、住宅用子火災警報器を提案しており、請求項7〜10は住宅用親火災警報器に関し、請求項11〜14は住宅用子火災警報器に関するものである。
請求項7に記載の住宅用親火災警報器では、2線式信号線に駆動電源を供給する電源供給回路と、煙、熱などの火災要因を検出する火災検知部と、火災検知部が火災要因を検出したときに、2線式信号線の電圧レベルを、所定の報知レベルまで降下させる電圧レベル変動制御回路と、2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルまで低下したことを判別したときには警報を出力させる火災警報制御部とを備えている。
請求項8に記載の住宅用親火災警報器では、電圧レベル変動制御回路は、火災検知部が火災要因を検出しなくなったときには、報知レベルまで低下させた電圧レベルを、元の待機レベルまで復帰させる動作をなし、かつ、火災警報制御部は、2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルより高いレベルまで復帰したときには、警報出力を停止する構成にしている。
請求項9に記載の住宅用親火災警報器では、火災警報制御部は、電圧レベル変動制御回路によって、2線式信号線に生ぜさせられる電圧レベルが所定の報知レベルまで降下したときには、火災検知部が火災要因を検出しなくなっても、その後の所定時間の間は、警報出力を保持する構成にしている。
請求項10に記載の住宅用親火災警報器では、警報停止ボタンを有しており、電圧レベル変動制御回路は、この警報停止ボタンが操作されたときには、2線式信号線の電圧レベルを警報停止レベルまで降下させるようにしており、火災警報制御部は、2線式信号線の電圧レベルが警報停止レベルにまで降下したときには、所定期間だけ警報出力を停止した状態に保持する構成にしている。
請求項11〜14のいずれかに記載の住宅用子火災警報器は、電源供給機能はなく、つまり電源供給回路を備えておらず、それ以外は請求項7〜10に記載された住宅用親火災警報器と同じ構成になっている。
また、親、子警報器のそれぞれは、煙、熱などの火災要因を検出したときに、2線式信号線の電圧レベルを、所定の報知レベルまで降下させ、これを親、子警報器のそれぞれが判別して警報出力するため、火災要因を検出した警報器から他の警報器に対して、警報を出力させるための指令信号を送出する専用の信号線を設ける必要がなく、システム配線の簡略化ができる。
請求項6では、火災警報器は、警報停止ボタンの操作によって、火災警報制御部を、所定期間だけ警報出力を停止した状態に保持するので、警報出力を確認したユーザが、警報出力しているいずれかの警報器の警報停止ボタンを操作して、全警報器の警報出力を停止させることができる。
請求項7では、煙、熱などの火災要因を検出したときには、2線式信号線の電圧レベルを所定の報知レベルまで降下させるので、他の火災警報器より警報を出力させるための指令信号を送出するための専用の信号線を設ける必要がなく、配線の簡略化ができる。
請求項8では、火災検知部で検出される火災要因がなくなったときには、報知レベルまで降下させた電圧レベルを、元のレベルまで復帰させる動作をなし、かつ、火災警報制御部は、2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルより高いレベルまで復帰したときには、警報出力を停止する構成にしているので、火災要因がなくなった警報器から他の警報器に対して、警報出力を停止させるための信号を送出するための専用の信号線を設ける必要がなく、システム配線の簡略化ができる。
請求項9では、火災警報制御部は、電圧レベル変動制御回路が、2線式信号線に生じさせられる電圧レベルが所定の報知レベルまで降下したときには、その後の所定時間の間は、警報出力を保持するので、火災要因が発生した旨を確実にユーザに報知することができる。
請求項10では、警報停止ボタンの操作により、火災警報制御部を、所定時間だけ警報出力を停止した状態に保持するので、警報出力を確認したユーザが、警報出力している火災警報器のうち、いずれかの火災警報器の警報停止ボタンを操作し、全警報器の警報出力を停止させることができる。
請求項11〜14では、住宅用親火災警報器から駆動電源の供給を受けて動作するため、駆動電源を生成する回路を設ける必要がなく、回路構成を簡略化できる。
また、操作ボタンBは、2線式信号線Lの信号線間を短絡させるリセットボタンとして構成してもよい。この構成では、操作ボタンBがオン切替されて更にオフ切替されたときには、親警報器1、子警報器1’の各部はリセットされて初期化され、警報出力も停止される。この場合には、操作ボタンBを親警報器1や各子警報器1’とは別体として構成して、2線式信号線Lに単独に配置してもよい。
また、操作ボタンBを警報停止ボタンとして構成してもよい。この構成では、操作ボタンBの操作を受け付けたときには、後述するように、電圧レベル変動制御回路11Bが、親警報器1、各子警報器1’の全てが正常に動作できる範囲で、2線式信号線Lの電圧レベルを報知レベルL0よりも低電圧レベルの警報停止レベルLrへ更に低下させる一方、この警報停止レベルLrを電圧検知回路16によって検出して、火災警報制御部11Aが所定時間だけ警報出力を停止するようにしてもよい。この警報停止レベルLrは、0Vとすることも可能であり、その場合には、親警報器1、子警報器1’の全てにバックアップ電源を備える構成にすればよい。
まず、第1の構成では、電圧レベル変動制御回路11Bは、火災検知回路14で検出される火災要因がなくなったときには、報知レベルL0まで降下させた2線式信号線Lの電圧レベルを、元のレベルLnまで復帰させる動作をなし、かつ、火災警報制御部11Aは、2線式信号線Lの電圧レベルが報知レベルL0より高いレベルまで復帰したときには、警報出力を停止するようになっている(図6の(a)〜(c)参照)。
図5のフローチャートにおいて、警報器1、1’のそれぞれは、火災検知回路14によって火災要因を監視しており、火災要因が検出されたときには、電圧レベル変動制御回路11Bによって、2線式信号線Lの電圧レベルを報知レベルL0に低下させるべくリレー回路17をオン切替する一方、火災要因が検出されないときには、2線式信号線Lの電圧レベルを元のレベルLnまで復帰させるべく、リレー回路17をオフ切替する(ステップ100〜102)。
すなわち、警報器1,1’のいずれか一つでも火災要因を検出している間は、2線式信号線Lの電圧レベルは報知レベルL0に保たれることになる。そして、報知レベルL0に保たれている間は、警報器1,1’の全てが警報を出力する。
この例として、図6のタイムチャート(a)〜(c)では、時刻T1からT2までの間、火災要因が検出されており、この期間は、2線式信号線Lの電圧レベルが報知レベルL0に低下しているので、それに応じて警報も出力されている場合を示している。
図7のフローチャートにおいて、警報器1、1’のそれぞれは、火災検知回路14によって火災要因を監視しており、火災要因が検出されたときには、電圧レベル変動制御回路11Bによって、2線式信号線Lの電圧レベルを報知レベルに低下させるべくリレー回路17をオン切替したのち所定時間を計時すべく図示しないタイマを起動する。ここでそのタイマが既に起動されていれば、再起動は行わない(ステップ200〜203)。一方、火災要因が検出されない場合には、既に所定時間が既に経過しているかをそのタイマによって判断し、所定時間が経過していないときには操作ボタンBが操作されたかを判断している。(ステップ204〜205)。ここで所定時間の経過か操作ボタンBの操作が判断されたときには、2線式信号線Lの電圧レベルを電源レベルLnに復帰させるべく、リレー回路17をオフ切替する(ステップ206)。
1’ 子警報器
14 火災検知回路
10A ライン電源供給回路
11A 火災警報制御部
11B 電圧レベル変動制御回路
15 ツエナーダイオード
B 操作ボタン(警報停止ボタン)
L 2線式信号線
Claims (14)
- それぞれに火災検知部を有した複数の火災警報器を並列に接続して構成された住宅用火災警報システムにおいて、
上記火災警報器は、ライン電源供給回路を備えた少なくとも1以上の親警報器に、ライン電源供給回路を有しない子警報器とで構成され、これらは互いに2線式信号線で並列接続されており、かつ、上記子警報器のそれぞれは、上記親警報器から2線式信号線に供給されるライン電源供給回路から駆動電源を受けて作動する構成とされ、
上記親、子警報器のそれぞれは、
火災検知部が煙、熱などの火災要因を検出したときに、上記2線式信号線の電圧レベルを、所定の報知レベルまで降下させる電圧レベル変動制御回路と、
上記2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルまで低下したことを判別したときには警報を出力させる火災警報制御部とを備えた構成としている住宅用火災警報システム。 - 請求項1において、
上記電圧レベル変動制御回路は、上記火災検知部で検出される火災要因がなくなったときには、上記報知レベルまで降下させた電圧レベルを、元のレベルまで復帰させる動作をなし、かつ、上記火災警報制御部は、上記2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルより高いレベルまで復帰したときには、警報出力を停止する構成にしている住宅用火災警報システム。 - 請求項1において、
上記火災警報制御部は、上記電圧レベル変動制御回路によって上記2線式信号線に生じさせられる電圧レベルが所定の報知レベルまで降下したときには、その後の所定時間の間は、警報出力を保持する構成にしている住宅用火災警報システム。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
上記電圧レベル変動制御回路は、火災検知部からの火災信号に応じて、上記2線式信号線を導通させるツェナーダイオードを含んで構成されている住宅用火災警報システム。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
上記火災警報器は、複数の子警報器に、2以上の親警報器を上記2線式信号線に並列に接続した多段接続構成をなしている住宅用火災警報システム。 - 請求項1〜5において、
上記火災警報器は、警報停止ボタンを有しており、
上記電圧レベル変動制御回路は、この警報停止ボタンが操作されたときには、2線式信号線の電圧レベルを警報停止レベルまで降下させるようにしており、
上記火災警報制御部は、上記2線式信号線の電圧レベルが警報停止レベルにまで降下したときには、所定期間だけ警報出力を停止した状態に保持する構成にしている住宅用火災警報システム。 - 2線式信号線に他の火災警報器とともに並列に接続され、火災警報器同士で警報連動を行うようにした住宅用火災警報器において、
2線式信号線に駆動電源を供給する電源供給回路と、
煙、熱などの火災要因を検出する火災検知部と、
上記火災検知部が火災要因を検出したときに、上記2線式信号線の電圧レベルを、所定の報知レベルまで降下させる電圧レベル変動制御回路と、
上記2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルまで低下したことを判別したときには警報を出力させる火災警報制御部とを備えた住宅用親火災警報器。 - 請求項7において、
上記電圧レベル変動制御回路は、上記火災検知部が火災要因を検出しなくなったときには、上記報知レベルまで低下させた電圧レベルを、元の待機レベルまで復帰させる動作をなし、かつ、上記火災警報制御部は、上記2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルより高いレベルまで復帰したときには、警報出力を停止する構成にしている住宅用親火災警報器。 - 請求項7において、
上記火災警報制御部は、上記電圧レベル変動制御回路によって、2線式信号線に生ぜさせられる電圧レベルが所定の報知レベルまで降下したときには、上記火災検知部が火災要因を検出しなくなっても、その後の所定時間の間は、警報出力を保持する構成にしている住宅用親火災警報器。 - 請求項7〜9のいずれかにおいて、
警報停止ボタンを有しており、
上記電圧レベル変動制御回路は、この警報停止ボタンが操作されたときには、2線式信号線の電圧レベルを警報停止レベルまで降下させるようにしており、
上記火災警報制御部は、上記2線式信号線の電圧レベルが警報停止レベルにまで降下したときには、所定期間だけ警報出力を停止した状態に保持する構成にしている住宅用親火災警報器。 - 2線式信号線に他の火災警報器とともに並列に接続され、火災警報器同士で警報連動を行うようにした住宅用火災警報器において、
2線式信号線から駆動電源を受けて作動し、かつ
煙、熱などの火災要因を検出する火災検知部と、
煙、熱などの火災要因を検出したときに、上記2線式信号線の電圧レベルを、所定の報知レベルまで降下させる電圧レベル変動制御回路と、
上記2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルまで低下したことを判別したときには警報を出力させる火災警報制御部とを備えた住宅用子火災警報器。 - 請求項11において、
上記電圧レベル変動制御回路は、上記火災検知部が火災要因を検出しなくなったときには、上記報知レベルまで低下させた電圧レベルを、元の待機レベルまで復帰させる動作をなし、かつ、上記火災警報制御部は、上記2線式信号線に生じる電圧レベルが所定の報知レベルより高いレベルまで復帰したときには、警報出力を停止する構成にしている住宅用子火災警報器。 - 請求項11において、
上記火災警報制御部は、上記電圧レベル変動制御回路によって2線式信号線に生じさせられる電圧レベルが所定の報知レベルまで降下したときには、上記火災検知部が火災要因を検出しなくなっても、その後の所定時間の間は、警報出力を保持する構成にしている住宅用子火災警報器。 - 請求項11〜13のいずれかにおいて、
警報停止ボタンを有しており、
上記電圧レベル変動制御回路は、この警報停止ボタンが操作されたときには、2線式信号線の電圧レベルを警報停止レベルまで降下させるようにしており、
上記火災警報制御部は、上記2線式信号線の電圧レベルが警報停止レベルにまで降下したときには、所定期間だけ警報出力を停止した状態に保持する構成にしている住宅用子火災警報器。
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