JP3893818B2 - 平版印刷版用原版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版用原版に関し、特にレーザ光による描画に適した平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平版印刷版用原版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版が広く用いられ、その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。
近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及してきている。そして、その様なディジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用される様になってきた。その結果レーザ光のような指向性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介す事無く、直接印刷版を製造するコンピュータ トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した印刷版用原版を得ることが重要な技術課題となっている。
【0003】
このような走査露光可能な平版印刷版用原版を得る方式の一つとして、従来より、親水性支持体上に設ける親油性感光性樹脂層(以下、感光層ともいう)として、感光スピードに優れた光重合性組成物を含有する層を設け、さらに酸素遮断性の保護層を設けた構成が提案され、既に上市されている。該構成の平版印刷版用原版は、現像処理が簡便であり、さらに解像度、着肉性、耐刷性に優れるといった望ましい印刷性能を有する刷版となり得る。
しかしながら、従来のこうした高感度の光重合型の平版印刷版用原版から製版された平版印刷版は、画像部と支持体との密着性が十分でないため、使用条件にもよるが、大部数の印刷を行う際に、画像部の欠落、細りを生じるという問題を有していた。
【0004】
従来、平版印刷版用原版の支持体と光重合性感光層の密着性を改良する方法としては、有機リン酸系化合物を含む中間層を設ける方法が広く知られている。しかし、耐刷性という観点では未だ充分ではない。
特開平7−159983号には重合性基を含有するゾルゲル中間層が、特開平9−269593号にはこれにさらにフェノール性化合物やリン酸化合物を添加したゾルゲル中間層が開示されている。これらは、確かに良好な密着性を与えるが、現像条件等によっては、なお非画像部の汚れを生じるという問題があった。この様に、レーザー露光用の光重合型の平版印刷版用原版では、画像部の十分な密着性すなわち耐刷性と、非画像部の汚れ性の両立が困難であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記従来の技術の欠点を克服し、高い密着性と優れた汚れ性を併せ持つ平版印刷版用原版、特にレーザー光による描画に適した平版印刷版用原版を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、平版印刷版用原版の支持体と光重合性感光層との間に、カチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーを含有する中間層を設けることにより上記目的が達成されることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明は、親水化処理を施したアルミニウム支持体上に、カチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを含有する中間層と、光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物、及び高分子バインダーを含有する光重合性感光層を設けてなる平版印刷版用原版である。
【0007】
本発明の平版印刷版用原版の特徴の一つは、感光層と支持体との密着性を改善する方法として、カチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーを含有する中間層を設けることにある。本発明の平版印刷版原版より得られる印刷版は、従来の有機リン酸系化合物などを含有する中間層を用いた印刷版と比較して、耐刷性と汚れ性を両立した優れた印刷版が得られる。カチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーの効果については未だ明確ではないが、理由として以下のことが考えられる。すなわち、中間層に用いられるポリマーはカチオン性基を有しているため、基版表面のアニオン性無機物と相互作用し、基版と強固な密着性を発現する。しかし、カチオン性基はそれ自身親水性であり、本質的には水性現像液によって除去可能であるため、未露光部においては完全に除去され、汚れを生じない。一方、露光部では、露光により発生するラジカルの作用によって、ラジカル反応性基が光重合性感光層および/またはそれ自身と分子間で結合を形成し、ゲル化するため、現像液では除去されなくなり、カチオン性基の高い密着性によって充分な耐刷性を与える。また、本発明においては、充分な密着性と耐刷性を付与するという観点から、カチオン性基およびラジカル反応性基を有する化合物を低分子やオリゴマーではなく、ポリマーとして用いることが重要である。
【0008】
【発明の実施の形態】
〈中間層〉
最初に、本発明の平版印刷版用原版の特徴部分である中間層について説明する。
本発明の平版印刷版用原版の中間層には、カチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーを少くとも1種含有する。
本発明のポリマーは、その主鎖構造が好ましくは▲1▼アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体、▲2▼ウレタン樹脂、▲3▼ポリエステル樹脂、もしくは▲4▼ポリアミド樹脂である。耐刷性、および合成適性の点から好ましくは▲1▼アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体である。また、分子量については平版印刷版用原版の性能設計により任意に設定できる。重量平均分子量が低いと汚れ性の点で好ましい結果を与え、高いと耐刷性が良くなる。好ましい重量平均分子量としては、2,000〜1,000,000、より好ましくは、5,000〜100,000である。
【0009】
カチオン性基としては、周期律表第V族あるいは第VI族の原子からなるカチオン性基が挙げられ、好ましくは窒素原子、リン原子あるいは硫黄原子からなるカチオン性基であり、より好ましくは窒素原子からなるカチオン性基である。
ラジカル反応性基としては、付加重合可能な不飽和結合(例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、(メタ)アクリロニトリル基、アリル基、スチレン構造、ビニルエーテル構造や、アセチレン構造等)、−SH、−PH、SiH、−GeH、ジスルフィド構造等が挙げられる。好ましくは耐刷性の点から、付加重合可能な不飽和結合である。ここで、(メタ)アクリル基とは、アクリル基またはメタクリル基を表す。
【0010】
本発明における本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーの具体的な合成法を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
▲1▼ アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、またはそれらの共重合体にカチオン性基およびラジカル反応性基を導入する方法としては、下記▲1▼−1)〜▲1▼−5)等が挙げられる。
【0011】
▲1▼−1)カチオン性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーと、反応性官能基を少なくとも1個有するアクリルまたはスチレン系モノマーを共重合し、該反応性基を側鎖に有するポリマーとした後、得られたポリマーに、該反応性官能基と反応しうる基とラジカル反応性基を同時に有する化合物を高分子反応させ、ラジカル反応性基を導入する方法。
カチオン性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーとしては下記一般式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる
【0012】
【化1】
Figure 0003893818
【0013】
式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は置換基を表す。R3は炭素原子数が1〜20までの置換基を有していてもよいアルキル基、またはアラルキル基を表す。Aは酸素原子、またはNR4を表す。(R4は水素原子、または炭素原子数が1〜10までの置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)Jは単結合、または二価の連結基を、Dはカチオン性基を表す。Z-はハロゲンイオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、AsF6 -、SO3 -、アルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオンからなる群から選ばれる一価の陰イオンを表す。pは0〜4までの整数を表すが、2〜4である場合にはR2は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0014】
2としては、非金属原子からなる任意の置換基を挙げることができるが、より好ましい置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素原子数が1〜5までの置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシル基が挙げられる。
【0015】
3は炭素原子数が1〜20までの置換基を有していてもよいアルキル基、またはアラルキル基を表すが、好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、メトキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、カルボキシメチル基、1,2−エポキシプルピル基、2−メチルチオエチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、4−クロロヘキシル基、2−メチル−2−ペンテニル基、パーフルオロヘキシル基、-CH2CH2SO3 -基(この場合、Z-は不要)、テトラヒドロフルフリル基、ベンジル基、4−(t−ブチル)ベンジル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、ナフト−2−イル−メチル基、フエネチル基等が挙げられる。
【0016】
Jは単結合、または二価の連結基であり、二価の連結基としては非金属原子からなる任意の連結基を挙げることができる。より好ましい連結基としては、−O−、−S−、−NR4−、−CO−、−SO2−、−NR4CO−、−NR4COO−、または−NR4CONR4−(R4は一般式(1)におけると同義である。ただし、R4が複数個存在する場合には、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。)からなる群から選ばれる基によって1回以上中断されていてもよく、また、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20までの二価の炭化水素基を挙げることができる。より好ましくは、中断も置換もされていない炭素原子数1〜20までの炭化水素基である。
【0017】
Dはカチオン性基を表し、具体的には下記一般式(4)〜(6)で表されるカチオン性基である。
【0018】
【化2】
Figure 0003893818
【0019】
式中、R5〜R7はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜20までの置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、R8は炭素原子数1〜20までの置換基を有していてもよいアルキリデン基を表す。R4〜R8は互いに連結して、またはJの一部分と結合して環を形成してもよい。Y1は窒素原子またはリン原子を表し、Y2は硫黄原子を表す。Z-は一般式(3)におけると同義である。
一般式(4)〜(6)で表されるカチオン性基の中でも、合成が容易であることから、一般式(4)または(5)で表され、さらにY1が窒素原子であるカチオン性基が特に好ましい。
【0020】
カチオン性基を有するアクリル、およびスチレン系モノマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(カチオン性基を有する単量体の具体例)
【0021】
【化3】
Figure 0003893818
【0022】
【化4】
Figure 0003893818
【0023】
【化5】
Figure 0003893818
【0024】
【化6】
Figure 0003893818
【0025】
反応性官能基を少なくとも1個有するアクリルまたはスチレン系モノマーとしては、下記一般式(7)または(8)で表されるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはスチレンの各誘導体を挙げることができる。
【0026】
【化7】
Figure 0003893818
【0027】
式中、Eはヒドロキシル基、ハロゲン化カルボニル基、カルボキシル基またはその塩、アミノ基、エポキシ基、およびハロアルキル基からなる群から選ばれる反応性官能基を表す。A、R1、R2、Jおよびpは一般式(1)および(2)におけると同義である。
【0028】
このような反応性官能基を少なくとも1個有するアクリルまたはスチレン系モノマーの具体例としては、「高分子データ・ハンドブック−基礎編−(高分子学会編、培風館、1986)」記載のヒドロキシル基、ハロゲン化カルボニル基、カルボキシル基またはその塩、アミノ基、エポキシ基、およびハロアルキル基からなる群から選ばれる反応性官能基を有するアクリル酸、メタクリル酸誘導体、アクリル酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導体、アクリルアミド、メタクリルアミド誘導体が挙げられる。
【0029】
反応性官能基を少なくとも1個有するアクリルまたはスチレン系モノマーと、カチオン性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーを共重合し、該反応性官能基を側鎖に有するポリマーとする場合には、反応性官能基を少なくとも1個有するアクリルまたはスチレン系モノマーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、カチオン性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーについても単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
また、必要に応じて他のモノマーを1種以上さらに組み合わせて共重合させ、3元以上のコポリマーとすることができる。このようなモノマーとしては、中間層にアルカリ現像性を付与するという観点から、酸基を有するモノマーを用いることが好ましい。酸基として好ましいのは、酸解離定数(pKa)が7以下の酸基であり、より好ましくは、−COOH、−SO3H、−OSO3H、−PO32、−OPO32、−CONHSO2−または−SO2NHSO2−である。このようなモノマーの具体例としては、特開平11−84674号記載のものを挙げることができる。
共重合の方法としては従来公知の重合法が使用でき、ポリマーの形態としてはランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
【0031】
前述の方法により得た反応性官能基を側鎖に有するポリマーに、該反応性官能基と反応しうる基とラジカル反応性基を同時に有する化合物を、下記反応から選択される方法によって高分子反応し、ラジカル反応性基を導入することによって、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーが得られる。
【0032】
a)ポリマー側鎖のヒドロキシル基と、ラジカル反応性基を有するイソシアネート類を用いたウレタン化反応
b)ポリマー側鎖のヒドロキシル基と、ラジカル反応性基を有するカルボン酸、カルボン酸ハライド、スルホン酸ハライド、またはカルボン酸無水物を用いたエステル化反応
c)ポリマー側鎖のカルボキシル基またはその塩と、ラジカル反応性基を有するイソシアネート類を用いたエステル化反応
d)ポリマー側鎖のハロゲン化カルボニル基、カルボキシル基またはその塩と、ラジカル反応性基を有するアルコール類を用いたエステル化反応
【0033】
e)ポリマー側鎖のハロゲン化カルボニル基、カルボキシル基またはその塩と、ラジカル反応性基を有するアミン類を用いたアミド化反応
f)ポリマー側鎖のアミノ基と、ラジカル反応性基を有するイソシアネート類を用いたウレア化反応
g)ポリマー側鎖のアミノ基と、ラジカル反応性基を有するカルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、スルホン酸ハロゲン化物、またはカルボン酸無水物を用いたアミド化反応
h)ポリマー側鎖のエポキシ基と、ラジカル反応性基を有する各種求核性化合物との開環反応
i)ポリマー側鎖のハロアルキル基と、ラジカル反応性基を有するアルコール類とのエーテル化反応
【0034】
▲1▼−2)下記一般式(9)〜(11)で表されるモノマーを重合しポリマーとした後、ハロアルキル基とラジカル反応性基を同時に有する化合物を反応させ、カチオン性基とラジカル反応性基を同時に導入する方法。
【0035】
【化8】
Figure 0003893818
【0036】
式中、R1、R2、A、J、およびpは一般式(1)および(2)におけると同義である。Gは下記一般式(12)または(13)で表される基を表す。
【0037】
【化9】
Figure 0003893818
【0038】
式中、R5、R6、Y1およびY2は一般式(4)〜(6)におけると同義である。R5およびR6は互いに連結して、またはJの一部分と結合して環を形成してもよい。
【0039】
一般式(12)または(13)で表される基の中でも、合成が容易であることからY1が窒素原子である基が特に好ましい。
【0040】
一般式(9)〜(11)で表されるモノマー具体例としては、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチルメタクリレート、2−(5−エチル−2−ピリジル)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)フェニルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロピルアクリレート、(2−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、(ジシクロヘキシルアミノ)エチルメタクリレート、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−2−(モルホリノエチル)アクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(1,3−ジメチルモルホリノブチル)アクリルアミド、N−(1,3−ジメチルピロリジノブチル)アクリルアミド、N−〔4−(フェニルアミノ)フェニル〕アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2,2−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、アミノスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−アミノ−3−ニトロスチレン、(アミノメチル)スチレン、ビニルベンジルジアリルアミン、N−(ビニルベンジル)ピペリジン、N−(ビニルベンジル)モルホリン、(2−アミノエチル)スチレン、(ジエチルアミノエチル)スチレン、(ビニルフェニル)メチルスルフィド、(ビニルフェニル)メチルスルフィド、ビニルピリジン、2−ビニル−5−メチルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン、5−ブロモ−3−ビニルピリジン等が挙げられる。
【0041】
一般式(8)または(9)で表されるモノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、必要に応じて他のモノマーを1種以上さらに組み合わせて共重合させ、2元以上のコポリマーとすることができる。このようなモノマーとしては、前述の酸基を有するモノマーが好ましい。
【0042】
このように一般式(9)〜(11)で表されるモノマーを重合することによって得たポリマーに対し、ハロアルキル基とラジカル反応性基を同時に有する化合物を反応させることによって、カチオン性基およびラジカル反応性基を同時に導入することができ、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーが得られる。この時、ハロアルキル基とラジカル反応性基を同時に有する化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
ハロアルキル基とラジカル反応性基を同時に有する化合物の具体例としては、3−ブロモ−1−プロピン、1−ブロモ−2−ブチン、6−ブロモ−1−ヘキシン、2−ブロモエチルビニルエーテル、3−ヨードプロピルビニルエーテル、6−ヨードヘキシルビニルエーテル、2−ブロモエチルアクリレート、シンナミルブロミド、クロロメチルスチレン、ビニルベンジルブロミド、臭化アリル、ヨウ化アリル等が挙げられる。
【0044】
▲1▼−3)下記一般式(14)または(15)で表されるモノマーを重合し−CH2X基を側鎖に有するポリマーとした後、下記一般式(16)〜(18)に表される化合物を反応させ、カチオン性基とラジカル反応性基を同時に導入する方法。
【0045】
【化10】
Figure 0003893818
【0046】
式中、R1、R2、R5、R6、A、J、Y1、Y2、およびpは一般式(1)〜(6)におけると同義である。Xは塩素、臭素およびヨウ素よりなる群から選ばれる原子を表す。Mはラジカル反応性基を表す。
【0047】
一般式(14)または(15)で表される化合物の具体例としては、2−ブロモエチルアクリレート、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン等が挙げられる。
一般式(14)または(15)で表されるモノマーは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、必要に応じて他のモノマーを1種以上さらに組み合わせて共重合させ、2元以上のコポリマーとすることができる。このようなモノマーとしては、前述の酸基を有するモノマーが好ましい。
【0048】
一般式(14)または(15)で表されるモノマーを重合することによって得た−CH2X基を側鎖に有するポリマーに対し、該−CH2X基と反応しカチオン性基を発現する基とラジカル反応性基を同時に有する一般式(16)〜(18)で表される化合物を反応させることによって、カチオン性基およびラジカル反応性基が同時にポリマー中に導入され、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマーが得られる。
【0049】
一般式(16)〜(18)で表される化合物の具体例としては、一般式(9)〜(11)で表されるモノマーの具体例として示した化合物の他、1−ジエチルアミノ−1−ヘキシン、2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエタノールアミンモノビニルエーテル、2−フェニルアミノエチルビニルエーテル、2−ピロリジルエチルモノビニルエーテル、2−メチルチオエチルビニルエーテル、2−アリルチオエチルビニルエーテル、3−ネオペンチルチオプロピルビニルエーテル、3−ベンジルチオプロピルビニルエーテル、2−フェニルチオエチルビニルエーテル、トリアリルアミン、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)アクリロニトリル、ジアリルスルフィド、ピリジルアセチレン等が挙げられる。
【0050】
一般式(16)〜(18)で表される化合物の中でも、合成が容易であることから、一般式(16)または(17)で表され、さらにY1が窒素原子である化合物、あるいは一般式(18)で表される化合物が特に好ましい。また、一般式(16)または(17)で表される化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0051】
▲1▼−4)カチオン性基を有するモノマーと、反応速度が比較的遅いラジカル反応性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーを共重合する方法。
カチオン性基を有するモノマーとしては、前述の一般式(1)〜(3)で表されるものを挙げることができる。
反応速度が比較的遅いラジカル反応性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーとしては、重合により主鎖骨格を形成するアクリルまたはスチレン構造と、それよりも付加重合性の低い不飽和結合(例えば、アリル基、アセチレン構造等)を有するモノマーが挙げられる。
【0052】
該モノマーは、分子中に反応性の異なる少なくとも2個のラジカル反応性基を有するが、カチオン性基を有するモノマーとの共重合においては、アクリルまたはスチレン構造のラジカル反応性が高いため、反応速度が比較的遅いラジカル反応性基は重合に与らない。したがって、ゲル化を起こすことなく側鎖にラジカル反応性基を導入でき、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性を有するポリマーが得られる。
【0053】
反応速度が比較的遅いラジカル反応性基を有するアクリルまたはスチレン系モノマーの好ましい具体例としては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、アセチルメチルメタクリレート、2−プロピニルアクリレート、2−メチル−2−プロピニルアクリレート、3−ブチニルアクリレート、N−アリルアクリルアミド、N−アリルメタクリルアミド、アリルスチレン、(ビニルフェニル)アリルエーテル、(ビニルフェニル)アセチレン等が挙げられる。
【0054】
カチオン性基を有するモノマーと、反応速度が比較的遅いラジカル反応性基を有するモノマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、必要に応じて他のモノマーを1種以上さらに組み合わせて共重合させ、3元以上のコポリマーとすることができる。このようなモノマーとしては、中間層にアルカリ現像性を付与するという観点から、前述の酸基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0055】
▲1▼−5)反応速度が比較的遅いラジカル反応性基とカチオン性基を同時に有するモノマーを重合させる方法。
反応速度が比較的遅いラジカル反応性基とカチオン性基を同時に有するモノマーとしては、一般式(19)〜(21)で表される化合物を挙げることができる。
【0056】
【化11】
Figure 0003893818
【0057】
式中、R1、R2、A、J、Z-、およびpは一般式(1)〜(3)におけると同義である。R2は主鎖骨格を成すスチレン構造よりも反応性の低いラジカル重合性基を有しているアルキル基、アラルキル基を表す。D’は下記一般式(22)〜(24)で表されるカチオン性基を表す。
【0058】
【化12】
Figure 0003893818
【0059】
式中、Y1、Y2、およびZ-は一般式(4)〜(6)におけると同義である。R11〜R12はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜20までの置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、R13は炭素原子数1〜20までの置換基を有していてもよいアルキリデン基を表す。ただし、一般式(22)においてはR10〜R12、一般式(23)においてはR10またはR13、一般式(24)においてはR10またはR11のうち少なくとも1つに主鎖骨格を成すアクリルまたはスチレン構造よりも反応性の低いラジカル重合性基を有している。また、可能であるならば、R10〜R13は互いに結合して、またはJのいずれかの部分と結合して環を形成してもよい。
【0060】
一般式(22)〜(24)で表されるカチオン性基の中でも、合成が容易であることから、一般式(22)または(23)で表され、さらにY1が窒素原子である基が特に好ましい。
以下に反応速度が比較的遅いラジカル反応性基とカチオン性基を同時に有するモノマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】
【化13】
Figure 0003893818
【0062】
本発明の平版印刷版用原版における中間層は、次のような方法で設けることができる。すなわち、水もしくはメタノール、エタノールなどの有機溶剤またはそれらの混合溶剤に上記カチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを溶解させた溶液を、親水化処理を施したアルミニウム支持体上に塗布、乾燥して中間層を設ける方法と、水又はメタノール、エタノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記カチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを溶解させた溶液に、親水化処理を施したアルミニウム支持体を浸漬して該カチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを吸着させ、しかる後、水などによって、洗浄、乾燥して中間層を設ける方法である。前者の方法では、上記カチオン性基及びラジカル反応性基を0.005〜10重量%の濃度で溶解した塗布液を種々の方法で塗布できる。例えばバーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等のいずれの方法を用いてもよい。また、本発明の化合物を溶解した溶液に浸漬後、水などによって洗浄する方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20℃〜90℃、好ましくは25℃〜50℃であり、浸漬時間は、0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0063】
該中間層の乾燥後の被覆量は、2mg/m2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5mg/m2〜100mg/m2、さらに好ましくは5mg/m2〜50mg/m2である。
上記の被覆量が2mg/m2より少ないと充分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より多くても、充分な耐刷性能が得られない。
本発明の平版印刷版用原版における中間層を設ける際に使用する溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、カルボン酸等の酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。特開平7−314937号や特開平5−278362号に記載される中間層の酸性条件での塗設や、シリケートをあらかじめ酸処理しておくことで密着性を一層高める事ができる。また、平版印刷版用原版の調子再現性改良のため、黄色染料を添加することもできる。
【0064】
また本発明の平版印刷版用原版における中間層には、公知の、例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアゴム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、トリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩等を混合させることができる。本発明の中間層は、先述のカチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを少なくとも20重量%以上含むことが望ましく、より好ましくは50重量%以上、最も好ましくは80重量%以上である。
該中間層は、特開平9−34104や特開平10−260536号に記載される様な他の成分(バインダーポリマーや光重合性化合物、光開始剤)との混合物であっても良い。
【0065】
次に、本発明の平版印刷版用原版の、前記中間層以外の部分について説明する。
〈光重合性感光層〉
本発明の平版印刷版用原版において、前記中間層の上に設けられる光重合性感光層(以下、単に感光層ともいう)は、光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物および高分子バインダーを必須成分とし、必要に応じ、共増感剤、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の添加剤を含む。
【0066】
[(1)付加重合性化合物]
本発明の平版印刷版用原版の感光層に使用される、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。
【0067】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0068】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0069】
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
【0070】
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
【0071】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
【0072】
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(I)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0073】
CH2=C(R14)COOCH2CH(R15)OH 一般式(I)
(ただし、R14およびR15は、HまたはCH3を示す。)
【0074】
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
【0075】
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0076】
これらの付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版用原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や疎水性の高い化合物は、感光スピードや膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。また、感光層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、前述の中間層、後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。感光層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、感光層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感光層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、感光層組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
【0077】
[(2)光重合開始剤]
光重合開始剤としては、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、または2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。
可視光線、Arレーザー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレーザーを光源とする場合には、種々の光重合開始剤(系)が提案されており、例えば米国特許第2,850,445号に記載のある種の光還元性染料、例えばローズべンガル、エオシン、エリスロシンなど、あるいは染料と開始剤との組み合わせによる系、例えば染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−155292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1504号、特開昭59−140203号、特開昭59−189340号、特開昭62−174203号、特公昭62−1641号、米国特許第4766055号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−1718105号、特開昭63−258903号、特願平2−63054号など)、染料とボレート化合物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開昭64−13140号、特開昭64−13141号、特開昭64−13142号、特開昭64−13143号、特開昭64−13144号、特開昭64−17048号、特開平1−229003号、特開平1−298348号、特開平1−138204号など)、ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平2−244050号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4−221958号、特開平4−219756号)、チタノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−295061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色素の系(特開平8−334897号)等を挙げることができる。
【0078】
本発明の平版印刷版用原版の感光層において、特に好ましい光重合開始剤(系)は、少なくとも1種のチタノセンを含有する。
本発明において光重合性開始剤(系)として用いられるチタノセン化合物は、その他の増感色素との共存下で光照射した場合、活性ラジカルを発生し得るチタノセン化合物であればいずれであってもよく、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41483号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−291号、特開平3−27393号、特開平3−12403号、特開平6−41170号公報に記載されている公知の化合物を適宜に選択して用いることができる。
【0079】
さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル(以下「T−1」ともいう。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフエニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフエニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム(以下「T−2」ともいう。)等を挙げることができる。
【0080】
これらのチタノセン化合物は、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素や、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらのチタノセン化合物の使用法に関しても、先述の付加重合性化合物同様、平版印刷版用原版の性能設計により適宜、任意に設定できる。例えば、2種以上併用することで、感光層への相溶性を高める事ができる。チタノセン化合物の使用量は通常多い方が感光性の点で有利であり、感光層成分100重量部に対し、0. 5〜80重量部、好ましくは1〜50重量部の範囲で用いることで十分な感光性が得られる。一方、本発明の主要な目的である、黄色等、白色灯化での使用に際しては、500nm付近の光によるカブリ性の点からチタノセンの使用量は少ない事が好ましいが、その他の増感色素との組み合わせによりチタノセンの使用量は6重量部以下、さらに1.9重量部以下、さらには1.4重量部以下にまで下げても十分な感光性を得ることができる。
【0081】
[(3)高分子バインダー]
本発明の平版印刷版用原版の感光層に使用する高分子バインダー(バインダーポリマーともいう)としては、線状有機高分子重合体が好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
【0082】
特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号の明細書等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。また特願平9−363195記載のアミド基を有するバインダーは、優れた現像性と膜強度とを併せ持ち好ましい。
【0083】
さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0084】
本発明において、最も好ましいバインダーポリマーは、それ自身が架橋性基(不飽和基ともいう)およびカルボキシル基を側鎖に有し、且つ架橋性基(不飽和基ともいう)が下記一般式〔II〕
【0085】
【化14】
Figure 0003893818
【0086】
〔式中、R16〜R20は、水素、ハロゲノ、カルボキシル、スルホ、ニトロ、シアノ、アミド、アミノやそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、環状アルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニルから選ばれた基であり、Lは酸素、硫黄、NHまたはNR21(R21はアルキル基)から選ばれる〕で表わされるところに特徴がある。
【0087】
なお、上記一般式〔II〕におけるR16〜R20のアルキル基は、直鎖、分枝または環状であってもよく、炭素数1〜7のものが好ましく、これらのアルキル基には更に炭素数1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルコキシカルボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基などの置換基を有していてもよく、R16〜R20のアリール基としてはフェニル基、フリル基が好ましく、これにはハロゲノ基(例えばクロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ基、炭素数1〜7のアルキル基、アリール基(例えばフェニル、メトキシフェニルなど)、炭素数1〜7個のアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基などの置換基を有していてもよい。R16〜R20のアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましく、アリールオキシ基としてはフェニルオキシ基が好ましく、これには炭素数1〜7のアルキルもしくはアルコキシ基などの置換基を有していてもよい。R16〜R20のアルキルアミノ基としては、炭素数1〜15のものが好ましく、アリールアミノ基としてはフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基が好ましい。R16〜R20のアルキルスルホニル基としては炭素数1〜15のものが好ましく、アリールスルホニル基としてはフェニルスルホニル基などが好ましく、これには炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、アミノ基などの置換基を有していてもよい。
【0088】
更に本発明の平版印刷版用原版の感光層のバインダーとして用いられる、架橋性基を側鎖に有するポリマーは、米国特許第3,376,138号、第3,556,792号、第3,556,793号各明細書により公知であるが、開示されているポリマーは、ポリマーそのものが、光架橋性レジストとして使われており、本発明の平版印刷版用原版の感光層組成物のバインターとしての使用方法とは明白な相異がある。
【0089】
上記ポリマーの合成方法には、大別して次の2つの方法がある。
(A法):カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸無水物基を側鎖として有する幹ポリマーに対して、下記一般式〔II−a〕
【0090】
【化15】
Figure 0003893818
【0091】
〔式中、R16〜R20は一般式〔II〕の場合と同義であり、MはOH、−SH、−NH2、−NHR21(R21はアルキル基)またはハロゲン原子を示す。〕
で示される化合物を高分子反応させて、下記一般式〔II−b〕
【0092】
【化16】
Figure 0003893818
【0093】
(式中、R16〜R20は一般式〔II〕の場合と同義)で示される架橋性基を−COO−、−COS−、−CONH−または−CONR21−(R21はアルキル基)の各連結基を介して導入する方法。
(B法):前記一般式〔II〕で示される架橋性基とさらに該架橋性基よりも付加重合反応性に富んだエチレン性不飽和基とを有するモノマーを不飽和カルボン酸と共重合させて、ポリマーを得る方法。
【0094】
上記A法をさらに詳しく示すと、幹ポリマーとしてはアクリル酸又はメタアクリル酸の共重合体および当該共重合体を高分子反応により酸ハロゲン化物とした共重合体が挙げられる。また、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物等の共重合体が挙げられる。共重合するコモノマーとしては、スチレンまたはそのアルキル置換誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アリールエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、または脂肪族ビニルエステルが挙げられる。好ましくはアクリル酸またはメタアクリル酸とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジルとの共重合体が挙げられる。これらの共重合体に架橋性基を導入するには一般式〔II−a〕で示される架橋性アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化物を所定反応条件下、反応溶媒中に前述の共重合体と混合溶解し、反応触媒および重合禁止剤とを加え加熱することによつて得られる。具体的にはメタクリル酸とメタクリル酸ベンジルの共重合体を例にとって以下に示す。
【0095】
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器および温度計を備えつけた300mlの三つ口フラスコ中にポリ(メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル=27/73モル比)19.8g、反応溶媒として酢酸エチレングリコールモノメチルエーテルを40.2g、架橋性基を含有する試薬としてアリル臭素化物6.0g、触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド10.4gおよび重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.01gを加え混合溶解し、窒素雰囲気下70℃にて13時間加熱攪拌を行った。冷却後メチルエチルケトンを加え遊離する四級塩を除去する。さらにメタノールを加えて希釈し希塩酸中に注いで沈殿させる。水洗した後吸引濾過し、真空乾燥させると得られるポリマーの収量は13.6gであった。アリル基は幹ポリマーのカルボン酸に対して35%導入された。
このとき粘度は30℃のメチルエチルケトンで〔η〕=0.161であった。
【0096】
無水マレイン酸の共重合体に該架橋性基を導入する合成例は米国特許第2,047,398号明細書に記載された方法で行なうことができ、これにより無水マレイン酸部が開環した不飽和エステル、アミド、チオエステル等が導入される。なお、無水マレイン酸共重体への架橋性基の導入方法としては、特開昭48−82902号公報に記載の類似例が挙げられるが、この方法による架橋性基はマレイン酸イミドの窒素原子に結合しており、明白に前述のポリマーとは異なった化合物であり、本発明に使用される架橋性基を側鎖に有するポリマーとは区別される。
【0097】
一方、B法をさらに詳しく示すと、該架橋性基を有する少なくとも2つ以上の炭素−炭素二重結合を含むモノマーは、既知合成法により該架橋性基を有するアルコール、アミン、チオールと不飽和カルボン酸、好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸との縮合反応により合成される。この少なくとも2つ以上の不飽和基を含むモノマーを不飽和カルボン酸、好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸と共重合させることにより該架橋性基を有する共重合体を得る。共重合するモノマーは、不飽和カルボン酸に付け加えてさらに他のモノマーが共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸べンジル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0098】
以下、メタクリル酸アリルとメタクリル酸との共重合例を示す。類似の合成法として、米国特許第2,047,398号明細書に記載の方法が挙げられる。
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、滴下漏斗および温度計を設置した3リットルの4口フラスコに反応溶媒として1,2−ジクロルエタン1.68リットルを入れ窒素置換しながら70℃に加熱した。滴下漏斗にメタクリル酸アリル100.8g、メタクリル酸7.6gおよび重合開始剤として2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68gを0.44リットルの1,2−ジクロルエタンに溶解して入れておき、2時間かけてこの混合溶液をフラスコ中に攪拌しながら滴下した。
滴下終了後さらに反応温度70℃で5時間攪拌し反応を完結した。加熱終了後重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.04gを加え反応溶液を500mlまで濃縮し、この濃縮液を4リットルのヘキサンに加えて沈殿させ、真空乾燥後61g(収率56%)の共重合ポリマーを得た。このとき粘度は30℃のメチルエチルケトンで〔η〕=0.068であった。
【0099】
前記一般式〔II−a〕で示される代表的な化合物は、アリルアルコール、2−メチルアリルアルコール、クロチルアルコール、3−クロル−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−(ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル−2−プロペン−1−オール、3−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフエニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,4−ジヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−エトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−プロポキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、
【0100】
3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メトキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−1−(3'−メトキシフェニル)−4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−3−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3,3−{ジ−(2,4,6−トリメチルフェニル)}−2−プロペン−1−オール、3−フェニル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、3−(2−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2,4−ジクロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(2−ブロムフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−ブロム−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、
【0101】
3−(2−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−アミノフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、2−エチル−1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、2−エトキシメチレン−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−フェノキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、2,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、1,2,3−トリフェニル−2−プロペン−1−オール、2,3,3−トリフェニル−2−プロペン−1−オール、2−エトキシ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,3−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、
【0102】
1,3−ジ(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−(4−ブロムフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、1,3−ジ(2−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペン−1−オール、1,1−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,1,3−トリフェニル−2−プロペン−1−オール、1,1,3,3−テトラフェニル−2−プロペン−1−オール、1−(4−メチルフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−(ドデシルスルホニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−2−プロペン−1−オール、1,2−ジフェニル−2−プロペン−1−オール、1−フェニル−2−メチル−2−プロペン−1−オール、1−シクロへキシル−2−プロペン−1−オール、1−フェノキシ−2−プロペン−1−オール、2−ベンジル−2−プロペン−1−オール、1,1−ジ(4−クロルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、
【0103】
1−カルボキシアミド−2−プロペン−1−オール、1−シアノ−2−プロペン−1−オール、1−スルホ−2−プロペン−1−オール、2−エトキシ−2−プロペン−1−オール、2−アミノ−2−プロペン−1−オール、3−(3−アミノ−4−メトキシフェニルスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−(4−メチルフェニルスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−フェニルスルホニル−2−プロペン−1−オール、3−ベンジルスルホニル−2−プロペン−1−オール、3−アニリノスルホニル−2−プロペン−1−オール、3−(4−メトキシアニリノスルホニル)−2−プロペン−1−オール、3−アニリノ−2−プロペン−1−オール、3−ナフチルアミノ−2−プロペン−1−オール、3−フェノキシ−2−プロペン−1−オール、3−(2−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、3−(3−メチルフェノキシ)−2−プロペン−1−オール、3−(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロペン−1−オール、1−メチル−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、3−ブロム−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルボキシ−3−メチル−2−プロペン−1−オール、
【0104】
1−(2−カルベトキシイソプロピル)−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−(1−カルベトキシプロピル)−2−プロペン−1−オール、1−(1−カルベトキシエチル)−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルベトキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−カルベトキシメチレン−3−メチル−2−プロペン−1−オール、1−アミド−2,3−ジメチル−2−プロペン−1−オール、1−シアノ−3−メチル−2−プロペン−1−オール、3−スルホ−2−プロペン−1−オール、3−ブトキシ−2−プロペン−1−オール、1−シクロへキシル−3−(2−ヒドロキシシクロへキシル)−2−プロペン−1−オール、3−シクロベンジル−2−プロペン−1−オール、3−フリル−2−プロペン−1−オール、3−クロム−2−プロペン−1−オール、3−ブロム−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−クロル−2−プロペン−1−オール、2−メチル−3−ブロム−2−プロペン−1−オール、1−カルボイソブトキシ−3−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オール、2−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−クロルシンナミルアルコール)、2−ブロム−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−ブロムシンナミルアルコール)、
【0105】
2−ブロム−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−フルオロシンナミルアルコール)、2−フルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オール、2−ニトロ−3−クロル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール、2−ニトロ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−ニトロシンナミルアルコール)、2−シアノ−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(2−シアノシンナミルアルコール)、2−クロル−2−プロペン−1−オール(2−クロルアリルアルコール)、2−ブロム−2−プロペン−1−オール(2−ブロムアリルアルコール)、2−カルボキシ−2−プロペン−1−オール(2−カルボキシアリルアルコール)、2−カルベトキシ−2−プロペン−1−オール(2−カルベトキシアリルアルコール)、2−スルホン酸−2−プロペン−1−オール(2−スルホン酸アリルアルコール)、2−ニトロ−2−プロペン−1−オール(2−ニトロアリルアルコール)、2−ブロム−3,3−ジフルオロ−2−プロペン−1−オール、2−クロル−3,3−ジフルオロ−2−プロペン−1−オール、2−フルオロ−3−クロル−2−プロペン−1−オール、2,3−ジブロム−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、
【0106】
2,3−ジヨード−3−カルボキシ−2−プロペン−1−オール、2,3−ジブロム−2−プロペン−1−オール、2−クロル−3−メチル−2−プロペン−1−オールが挙げられる。また上記具体例において、1位のアルコールをチオアルコールやアミン、ハロゲンで置き換えた化合物も勿論使用できる。
ポリマー中の架橋性基含有量の好ましい範囲はそれぞれ共重合モル比で、10〜90モル%、5〜60モル%、より好ましい範囲は20〜70モル%、10〜40モル%である。
【0107】
これらの有機高分子重合体は感光層成分の全組成中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは10〜90%、より好ましくは30〜80%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高分子重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
バインダーポリマーの酸価/分子量は画像強度、現像性に大きな影響を及ぼすが、本発明において好ましい領域は酸価が0.4〜1.6meq/g、分子量が1.0万〜30万の範囲であり、さらには酸価0.6〜1.3meq/g、分子量が2〜20万の範囲である。
【0108】
本発明の平版印刷版用原版の感光層には、以上の基本成分の他に、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
[(4)共増感剤]
本発明の平版印刷版用原版の感光層には、共増感剤を用いることで、該感光層の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の光重合開始剤(系)の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
【0109】
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
【0110】
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
【0111】
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらとヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げる事ができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げる事ができる。
【0112】
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開昭9−236913号中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明の平版印刷版用原版の感光層に用いられるものは、これらに限定されるものはない。
【0113】
【化17】
Figure 0003893818
【0114】
これらの共増感剤に関しても、さらに、感光層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素やチタノセン、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独または2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.05〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。
【0115】
[(5)重合禁止剤]
また、本発明の平版印刷版用原版の感光層においては、感光性組成物の製造中あるいは保存中において、重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%が好ましい。
【0116】
[(6)着色剤]
さらに、本発明の平版印刷版用原版の感光層に、その着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重量%が好ましい。
【0117】
[(7)その他の添加剤]
さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加することができる。
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
【0118】
上記の感光層を前記中間層の上に設ける際には、該感光層成分の光重合性組成物を種々の有機溶剤に溶かして、該中間層上に塗布するように供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0119】
前記感光層の被覆量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版用原版としては、その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0120】
〈支持体〉
本発明の平版印刷版用原版の支持体としては、従来公知の、平版印刷版用原版に使用される親水性化処理を施したアルミニウム支持体を限定無く使用することができる。使用されるアルミニウム支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0121】
本発明におけるアルミニウム支持体は、粗面化(砂目立て)処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸等の電解液中で交流又は直流により行う方法がある。特開昭54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することもできる。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸、またはそれらの塩の水溶液あるいは非水溶液の単独もしくは二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。さらに、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理を組合せた表面処理も有用である。さらに、特開昭56−28893号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理を順に行ったものも好適である。
【0122】
前記支持体表面の親水化処理としては、広く公知の方法が適用できる。特に好ましい処理としては、シリケートまたはポリビニルホスホン酸等による親水化処理が施される。皮膜はSi、またはP元素量として2〜40mg/m2、より好ましくは4〜30mg/m2で形成される。
塗布量はケイ光X線分析法により測定できる。
上記の親水化処理は、アルカリ金属ケイ酸塩、またはポリビニルホスホン酸が1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%であり、25℃のpHが10〜13である水溶液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板を、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬することにより実施される。
【0123】
前記親水化処理に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属ケイ酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。
なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。
アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。
第IVB族金属塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。
【0124】
アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10重量%であり、さらに好ましい範囲は0.05〜5.0重量%である。
また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および親水化処理を組合せた表面処理も有用である。
【0125】
〈保護層〉
本発明の平版印刷版用原版の望ましい様態としては、通常、露光を大気中で行うため、前述の感光層の上に、さらに、保護層を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテルおよびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものを挙げる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
【0126】
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の感光層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292,501号、米国特許第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、感光層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0127】
その他、本発明の平版印刷版用原版から平版印刷版を製版するための製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
【0128】
本発明の平版印刷版用原版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい、光源の波長は350nmから650nmであり、具体的にはレーザ各種の光源が好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。また、本発明の平版印刷版用原版の感光層成分は、高い水溶性のものを使用する事で、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、この様な構成の平版印刷版用原版は印刷機上に装填後、機上で露光−現像といった方式を行う事もできる。
【0129】
また、本発明の平版印刷版用原版に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
【0130】
本発明の平版印刷版用原版は、露光された後、現像処理される。
かかる現像処理に使用される現像液としては、pH14以下のアルカリ水溶液が特に好ましく、より好ましくはアニオン系界面活性剤を含有するpH8〜12のアルカリ水溶液が使用される。例えば、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0131】
また本発明の平版印刷版用原版の現像処理においては、現像液中にアニオン界面活性剤1〜20wt%加えるが、より好ましくは、3〜10wt%で使用される。少なすぎると現像性が悪化し、多すぎると画像の耐摩耗性などの強度が劣化するなどの弊害が出る。
アニオン界面活性剤としては、例えばラウリルアルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアルコールサルフェートのアンモニウム塩、オクチルアルコールサルフェートのナトリウム塩、例えばイソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、イソブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、ポリオキシエチレングリコールモノナフチルエーテル硫酸エステルのナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、メタニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩などのようなアルキルアリールスルホン酸塩、第2ナトリウムアルキルサルフェートなどの炭素数8〜22の高級アルコール硫酸エステル類、セチルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩などの様な脂肪族アルコールリン酸エステル塩類、たとえばC1733CON(CH3)CH2CH2SO3Naなどのようなアルキルアミドのスルホン酸塩類、例えばナトリウムスルホコハク酸ジオクチルエステル、ナトリウムスルホコハク酸ジヘキシルエステルなどの二塩基性脂肪族エステルのスルホン酸塩類などが含まれる。
【0132】
必要に応じてベンジルアルコール等の水と混合するような有機溶媒を現像液に加えてもよい。有機溶媒としては、水に対する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好ましくは5重量%以下のものから選ばれる。たとえば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニルプロパノール、1,4−フェニルブタノール、2,2−フェニルブタノール、1,2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘクサノール、4−メチルシクロヘクサノール及び3−メチルシクロヘクサノール等を挙げることができる。有機溶媒の含有量は、使用時の現像液の総重量に対して1〜5重量%が好適である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶媒の量が増すにつれ、アニオン界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これはアニオン界面活性剤の量が少ない状態で、有機溶媒の量を多く用いると有機溶媒が溶解せず、従って良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0133】
また、さらに必要に応じ、消泡剤及び硬水軟化剤のような添加剤を含有させることもできる。硬水軟化剤としては、例えば、Na227、Na533、Na339、Na24P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2一ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができる。このような硬水軟化剤の最適量は使用される硬水の硬度およびその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲で含有させられる。
【0134】
更に、自動現像機を用いて、該平版印刷版用原版を現像する場合には、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。この場合米国特許第4,882,246号に記載されている方法で補充することが好ましい。
また、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号、同57−7427号の各公報に記載されている現像液も好ましい。
【0135】
このようにして現像処理された平版印刷版用原版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の平版印刷版用原版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
印刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナーとしては、従来より知られているPS版用プレートクリーナーが使用され、例えば、CL−1,CL−2,CP,CN−4,CN,CG−1,PC−1,SR,IC(富士写真フイルム株式会社製)等が挙げられる。
【0136】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例1、▲1▼−1法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した200mlの三つ口フラスコに、反応溶媒として2−メトキシエタノール70g、(4−ビニルベンジル)トリエチルアンモニウムクロリド21.3g、および4−ビニル安息香酸8.3gを入れ、窒素気流下、50℃で30分攪拌し、均一溶液とした。そこへ重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.04gを加え、80℃で7時間攪拌し、重合を行った。この溶液を酢酸エチル500mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥し、カチオン性基と反応性基を有するポリマーを29.5g得た。このポリマーの酸価は、1.85meq/gであった。
【0137】
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した300mlの三つ口フラスコに、反応溶媒としてメタノール150ml、得られたカチオン性基と反応性基を有するポリマー9.5gを加え溶解した。そこへグリシジルメタクリレート1.3gを加え、5時間加熱還流した。この溶液を酢酸エチル1000mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−1)を10.1g得た。このポリマーの酸価は0.79meq/gであった。
【0138】
(合成例2、▲1▼−1法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した300mlの三つ口フラスコに、反応溶媒としてジメチルスルホキシド150ml、合成例1で得られたカチオン性基と反応性基を有するポリマー9.5gを加え溶解した。そこへ2−(メタクリロイロキシ)エチルイソシアネート1.4g及びジラウリン酸ジ-n−ブチルスズ3滴を加え、50℃で5時間加熱攪拌した。この溶液を酢酸エチル1000mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−2)を10.3g得た。このポリマーの酸価は0.84meq/gであった。
【0139】
(合成例3、▲1▼−2法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した200mlの三つ口フラスコに、反応溶媒としてメタノール50g、ポリ(4−ビニルピリジン)(重量平均分子量20,000)10.5gを入れ溶解した。そこへ4−(クロロメチル)スチレン6.1gを加え、8時間加熱還流した。この溶液を酢酸エチル8000mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−3)を15.4g得た。
【0140】
(合成例4、▲1▼−2法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した200mlの三つ口フラスコに、反応溶媒としてメタノール50g、ポリ〔(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート〕(重量平均分子量78,000)15.7gを入れ溶解した。そこへプロパルギルブロミド12.0gを加え、8時間加熱還流した。この溶液を酢酸エチル800mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−4)を21.3g得た。
【0141】
(合成例5、▲1▼−3法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した200mlの三つ口フラスコに、反応溶媒としてメタノール80mlとアセトン20ml、およびポリ(クロロメチルスチレン)(重量平均分子量24,000)7.6gを入れ溶解した。2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート1.6gを加え、40℃で3時間加熱した。そこへN−n−ブチルアミン6.6gを加え、さらに40℃で3時間加熱した。この溶液を酢酸エチル500mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−5)を12.4g得た。
【0142】
(合成例6、▲1▼−4法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した200mlの三つ口フラスコに、反応溶媒として2−メトキシエタノール90g、〔2−(メタクリロイロキシ)エチル〕トリメチルアンモニウムメチルスルフェート(80重量%簾水溶液)17.7g、アリルメタクリレート3.8g、およびメタクリル酸1.7gを入れ、窒素気流下、50℃で30分攪拌し、均一溶液とした。そこへ重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.24gを加え、80℃で8時間攪拌して重合を行った。この溶液を酢酸エチル1000mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−6)を19.6g得た。このポリマーの酸価は0.96meq/gであった。
【0143】
(合成例7、▲1▼−5法)
攪拌棒および攪拌羽根、還流冷却器、および温度計を設置した200mlの三つ口フラスコに、反応媒体としてN,N−ジメチルアセトアミド50g、および(4−ビニルベンジル)トリアリルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート12.0gを50℃で30分攪拌し、均一溶液とした。そこへ重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.15gを加え、80℃で7時間攪拌して重合を行った。この溶液を水1000mlに投入し、得られた沈殿物を真空乾燥することにより、本発明におけるカチオン性基およびラジカル反応性基を有するポリマー(P−7)を10.3g得た。
【0144】
(実施例1〜6、比較例1〜3)
以下の手順で平版印刷版用原版を作製し、印刷性能を評価した。結果を表2に示す。
〈支持体の前処理〉
厚さ0.3mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10重量%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これをVA=12.7Vの条件で、正弦波の交番波形電流を用いて1重量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.45μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
【0145】
〈支持体表面の親水化処理〉
上記の支持体を、3号ケイ酸ソーダ(SiO2=28〜30%、Na2O=9〜10%、Fe=0.02%以下)の2.5重量%、pH=11.2、70℃の水溶液に13秒浸漬し、続いて水洗した。表面の蛍光X線分析により求めたSi元素量から、表面シリケート量は10mg/m2であった。
【0146】
〈中間層の塗設〉
上記の親水化支持体表面上に、不揮発性成分の塗布量が10mg〜35mg/m2となるようにように、下記(A)または(B)の組成の塗布液を調製し、ホイラーにて180rpmの条件で塗布後、80℃で30秒間乾燥させた。
【0147】
(中間層塗布液A)
Figure 0003893818
【0148】
(中間層塗布液B)
Figure 0003893818
【0149】
〈感光層の塗設〉
上記中間層を設けた支持体上に、下記組成の感光液を調製し、不揮発性成分の塗布量が1.0〜2.0g/m2になるように、ホイラーで塗布し、100℃で1分間乾燥させた。
【0150】
(感光液)
付加重合性化合物(表1中に記載の化合物) 1.5 g
バインダーポリマー(表1中に記載の化合物) 2.0 g
増感色素(表1中に記載の化合物) 0.2 g
光重合開始剤(表1中に記載の化合物) 0.4 g
共増感剤(表1中に記載の化合物) 0.4 g
着色顔料分散物(下記組成) 2.0 g
熱重合禁止剤(N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンアルミニウム塩) 0.01g
界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、
メガファックF−177) 0.02g
メチルエチルケトン 20.0 g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0 g
【0151】
上記着色顔料分散物の組成
Pigment Blue15:6 15重量部
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10重量部
(共重合モル比83/17)熱重合
シクロヘキサノン 15重量部
メトキシプロピルアセテート 20重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 40重量部
【0152】
〈保護層の塗設〉
上記感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
【0153】
〈平版印刷版用原版の露光〉
上記のようにして得られた平版印刷版用原版をFD−YAG(532nm)レーザ露光機(ハイデルベルグ社製プレートセッター:グーテンベルグ)を用い、版面露光エネルギー密度200μJ/cm2となる様に露光パワーを調節し、ベタ画像露光および、2540dpi、175線/インチ、1%刻みで1から99%となる網点画像露光を行った。
【0154】
〈現像/製版〉
富士写真フイルム(株)製自動現像機LP−850に所定の現像液と富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2Wをそれぞれ仕込み現像液温度30℃、現像時間18秒の条件で露光済みの版を、現像/製版し、平版印刷版を得た。
【0155】
〈耐刷性試験〉
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。数字が大きいほど耐刷性が良い。
【0156】
〈網点耐刷性強制試験〉
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。印刷開始から5000枚目に富士写真フイルム(株)製PSプレートクリーナーCL−2を印刷用スポンジにしみこませ、網点部を拭き、版面のインキを洗浄した。その後、10,000枚印刷を行い、印刷物における網点の版飛びの有無を目視で観察した。
【0157】
〈汚れ性試験〉
印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(S)を使用した。印刷物の非画像部を観察し、汚れ性を評価した。
【0158】
【表1】
Figure 0003893818
【0159】
【表2】
Figure 0003893818
【0160】
(実施例7〜15、比較例4〜6)
実施例1〜6と同様に表3に示す平版印刷版用原版に関し性能を評価した。
【0161】
【表3】
Figure 0003893818
【0162】
【表4】
Figure 0003893818
【0163】
表2および表4から明らかなように、カチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを含有する中間層を設けた平版印刷版用原版は、非常に優れた耐刷性と汚れ性を与えた。
【0164】
以下に、表1および表3の中に記載された各化合物を示す。
【0165】
【化18】
Figure 0003893818
【0166】
〔表1および表3中の付加重合性化合物〕
(M−1)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(新中村化学工業(株)製;NKエステルA−TMMT)
(M−2)
グリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー
(共栄社化学(株)製;UA101H)
〔表1および表3中の光重合開始剤用素材〕
【0167】
【化19】
Figure 0003893818
【0168】
〔表1および表3中のバインダーポリマー〕
(B−1)
アリルメタクリレート/メタクリル酸/N−イソプロピルアクリルアミド(共重合モル比67/13/20)
NaOH滴定により求めた実測酸価1.15meq/g
GPC測定より求めた重量平均分子量13万
(B−2)
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合モル比83/17)
NaOH滴定により求めた実測酸価1.55meq/g
GPC測定より求めた重量平均分子量12.5万
【0169】
(B−3)
下記ジイソシアネートとジオールの縮重合物であるポリウレタン樹脂
4,4'−ジフェニルメタンジイソイソシネート(MDI)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)
ポリプロピレングリコール、重量平均分子量1000(PPG1000)
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド(DMPA)
共重合モル比(MDI/HMDI/PPG1000/DMPA)40/10/15/35
NaOH滴定により求めた実測酸価1.05meq/g
GPC測定より求めた重量平均分子量4.5万
【0170】
〔表1および表3中の現像液〕
(D−1)
下記組成からなるpH10の水溶液
モノエタノールアミン 0.1 重量部
トリエタノールアミン 1.5 重量部
下記式1の化合物 4.0 重量部
下記式2の化合物 2.5 重量部
下記式3の化合物 0.2 重量部
水 91.7 重量部
【0171】
【化20】
Figure 0003893818
【0172】
上記(式1)中、R21は水素原子またはブチル基を表す。
【0173】
(D−2)
下記組成からなる水溶液
1Kケイ酸カリウム 3.0 重量部
水酸化カリウム 1.5 重量部
前記式3の化合物 0.2 重量部
水 95.3 重量部
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の平版印刷版用原版は、支持体と感光層の間にカチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを含有する中間層を有することにより、耐刷性と汚れ性に極めて優れたものとすることができた。また、本発明による平版印刷版用原版はレーザ光による走査露光に十分な実用感度を有している。

Claims (1)

  1. 親水化処理を施したアルミニウム支持体上に、カチオン性基及びラジカル反応性基を有するポリマーを含有する中間層と、光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物、及び高分子バインダーを含有する光重合性感光層を設けてなる平版印刷版用原版。
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