JP3889193B2 - 使い捨て紙おむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主には排尿および排便の重みによって吸収体が垂れ下がるのを防止するようにした使い捨て紙おむつに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、おむつ離れを促進する、或いはその都度止着テープを用いての装着作業から大人を解放し、装着を簡便化するなどの目的のために、パンツ型使い捨て紙おむつがテープ型使い捨て紙おむつと共に市場に提供されている。
【0003】
本出願人も先の特開平10−127687号公報、特開平11−128267号公報などにおいて、パンツ型使い捨て紙おむつを提案した。前者の特開平10−127687号公報において提案したパンツ型使い捨て紙おむつを例に採って説明すれば、このパンツ型使い捨て紙おむつは、図10に示されるように、透液性トップシート52と、ポリエチレン等からなる防水フィルム53と、これら両シート間に介在された吸収体54とからなる紙おむつ本体50の外面側に本体バックシート51を設けた構造のものである。
【0004】
前記本体バックシート51は、表面バックシート55と裏面バックシート56との二層構造となっており、これら両シート間55,56には、紙おむつの腰部開口部を封止する腰回り弾性伸縮部材57…,58…が配設されるとともに、腹部および背部のそれぞれに対してずり落ちを防止するとともに、フィット性を確保するために腹側弾性伸縮部材59、59…および背側弾性伸縮部材60,60…、並びに脚回りを封止する脚回り第1弾性伸縮部材61,61…と脚回り第2弾性伸縮部材62、62…とが設けられている。この脚回り第1弾性伸縮部材61、61…は、一方の脚回りの前身頃F端から股間部を巡って他方の脚回りの前身頃F端に連続して配設された1または複数の弾性伸縮部材であり、前記脚回り第2弾性伸縮部材62、62…は、一方の脚回りの後身頃B端から股間部を巡って他方の脚回りの後身頃B端に連続して配設された1または複数の弾性伸縮部材である。紙おむつの股間部位では、前記第1弾性伸縮部材61、62…と、第2弾性伸縮部材62、62…とは、交差することなく接近しながら紙おむつの幅方向に沿って配設されている。
【0005】
前記紙おむつ本体50は、外面側に防水フィルム53のほぼ全面がホットメルト接着剤によって本体バックシート51の表面バックシート55に接着固定され一体化されている。前述の紙おむつは、略中央の折り畳みラインLにて前身頃Fと後身頃Bを重ね合わせ、その両側縁部を超音波溶接法等の溶着方法に接合することによってパンツ型に成形される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる使い捨て紙おむつの場合には、前記吸収体54に尿が吸収され重みが増したり、排便の重みによって吸収体54部分が、結果的には紙おむつ全体が着用中に垂れ下がり、見栄えが悪い、装着性が悪化するなどの問題が生じるとともに、吸収体54の垂れ下がりによって脚部との間に隙間が生じ***物が漏れ易くなるなどの問題があった。また、前記脚周りに沿って配設される脚回り弾性伸縮部材61,62によって肌に跡付きが生じるなどの問題もあった。なお、これら吸収体の垂れ下がりの問題およびゴムによる跡付きの問題等は従来のテープ型使い捨て紙おむつにおいても同様である。
【0007】
他方、前述したパンツ型使い捨て紙おむつの例では、脚周り弾性伸縮部材61,62が股間部を横断して配設されているため、吸収体54が剛化しはき心地が悪くなる、外面側に脚回り第1弾性伸縮部材61、61…および第2弾性伸縮部材62、62…の配設ラインに沿ってシワが生じるため見栄えが悪くなるとともに、強い収縮力がそのまま吸収体54に作用するため、吸収体54に紙おむつ幅方向の縮こまりが生じて装着者が股間部に不快なゴワ付き感を感じるようになるとともに、吸収体54の縮こまりによって生じた幅方向の溝やシワから尿等が漏れ出すことがあるなどの問題があった。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、テープ型およびパンツ型の種別を問わず、排尿および排便の重みによって吸収体が垂れ下がるのを防止するとともに、横漏れを防止し、さらに脚周り弾性伸縮部材によるゴムの跡付きを軽減することにある。
【0009】
また同時に、パンツ型使い捨て紙おむつへの適用では、股間部を横断する脚周り弾性伸縮部材を無くすことで、吸収体の剛化、縮こまりおよびゴワ付き感を防止するとともに、見栄えを向上することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1記載の本発明は、使用面側を覆う透液性トップシートと、外面側を覆うバックシートとの内部に吸収体が介在され、紙おむつの両側部にほぼ紙おむつの全長に亘って表面側に突出する立体ギャザーが形成された使い捨て紙おむつにおいて、
前記立体ギャザーの起立点よりも実質的に外側に配置される脚周り弾性伸縮部材を無くし、前記使い捨て紙おむつの両側部に紙おむつの略長手方向に沿って直線状に或いは脚周りに沿うように展開視で弧状に配置されるとともに、少なくとも紙おむつ長手方向の中央部では前記立体ギャザーの起立点よりも内側位置を通るように吸収体持上げ用弾性伸縮部材を配置し、かつ前記直線状に或いは脚周りに沿うように展開視で弧状に配置された吸収体持上げ用弾性伸縮部材の前後端部が吸収体配設領域に固定されたことを特徴とするものである。
【0011】
前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材は、丁度、前身頃から脚付け根部を経由して後身頃に至るように配設され、従来の脚周り弾性伸縮部材を兼用し得るため、従来の前記立体ギャザーの起立点よりも実質的に外側に配置される脚周り弾性伸縮部材、具体的にはパンツ型使い捨て紙おむつの例で言えば、図10に示される、少なくとも一方の脚回りの前身頃端から股間部を巡って他方の脚回りの前身頃端に連続して配設された1または複数の脚回り第1弾性伸縮部材61,61…、および一方の脚回りの後身頃端から股間部を巡って他方の脚回りの後身頃端に連続して配設された1または複数の脚回り第2弾性伸縮部材62,62…、またテープ式使い捨て紙おむつの例で言えばサイドフラップに紙おむつ長手方向に沿って配設される平面ギャザーを形成するための複数本の弾性伸縮部材(図示せず)を省略した態様においてその効果が発揮される。
【0012】
前記使い捨て紙おむつにおいて、具体的な吸収体持上げ用弾性伸縮部材の配置態様としては種々のパターンを挙げることができる。たとえば、仮に吸収体が長方形状である場合には、その両側縁部に吸収体の長手方向に沿って配置したり、脚周りに沿うように展開視で弧状に配置することができる。また、仮に吸収体が中間両側部領域に括れ部を有し略砂時計形状を成す場合であっても、中間部では前記括れ部を通り、前後端部を吸収体前後端側部に夫々固定して配置することができる。この場合も、前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材は直線状に配置したり、脚周りに沿うように展開視で弧状に配置することができる。
【0013】
なお、本発明における前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材の配置態様は、請求項1に記載される条件を満たす限り、上記態様に限定されるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0015】
〔第1形態例〕
図1は本発明に係るパンツ型使い捨て紙おむつの一部破断展開図、図2及び図3はそれぞれ図1のII−II線矢視図、III−III線矢視図である。なお、図面の所要箇所においては接着部位を×印で明示している。
【0016】
同図に明示されるように、本パンツ型紙おむつは、不織布などからなる透液性トップシート11と、ポリエチレン等からなる防水フィルム12とにより、綿状パルプなどからなる吸収体本体13を含む構造の紙おむつ本体10の外面側に本体バックシート20が一体的に設けられた構造の紙おむつである。
【0017】
以下、前記紙おむつ本体10と本体バックシート20の構造、およびその組立構造について順に説明する。
【0018】
(紙おむつ本体10の構造)
前記吸収体本体13は、広い面積の砂時計状の上側吸収体13Aと、若干狭い面積の長方形状の下側吸収体13Bとを備え、これらがクレープ紙13C、13Dによって囲繞され、全体として変形が可能な半剛性の性質を有するもので、前記上側吸収体13Aおよび下側吸収体13Bの内部には粉状の高分子吸収ポリマーが含有されている。この吸収体本体13の上面に対して、透液性トップシート11がほぼ全面においてホットメルト接着剤により固定され、吸収体本体13の下面に対して防水フィルム12が同じくホットメルト接着剤により固定され、紙おむつ本体10が構成されている。
【0019】
一方、前記紙おむつ本体10の表面両側にはギャザーシート30,30によって立体ギャザーB1、B1が設けられている。
【0020】
前記ギャザーシート30は、図2に示されるように、上側吸収体13Aの側縁部近傍位置から紙おむつ本体10の側縁部、すなわち吸収体13A、13B側縁より外方に延在しているクレープ紙13C、13Dの側部接合部を越えてさらに防水フィルム12の側縁部において一端側が透液性トップシート11上にホットメルト接着剤によって固定され、ほぼ幅方向中央部で折り返され他端側が前記ホットメルト接着剤によって固定された一端側の上面に同じくホットメルト接着剤によって固定されている。この二重に形成されたギャザーシート30の内部には、高さ方向に複数本の、図示の例では6本の弾性伸縮部材31,31…が配設されている。前記ギャザーシート30は、紙おむつ本体10の前後端部では図3に示されるように、起立先端側が所定幅で外側に折り返されホットメルト接着剤によって接着されているとともに、折り返し点から起立点までの面も透液性トップシート11にホットメルト接着剤によって接着されている。
【0021】
その結果、製品の使用状態において、その中間部のみが自由端となって、第1起立用弾性伸縮部材31、31…の収縮力に伴って製品の内側に向かって起立し立体ギャザーB1を構成するようになっている。また、起立部分の高さ方向に沿って複数本の弾性伸縮部材31,31…を配設し、起立部分がひだ状となるように構成してあるため、肌に対する密着度が向上し横漏れを確実に防止するようになっている。前記立体ギャザーB1を構成するギャザーシート30としては、極力透液性を低下させ体液の透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。また、前記弾性伸縮部材31および後述の吸収体持上げ用弾性伸縮部材14としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。
【0022】
他方、前記防水フィルム12は、紙おむつ本体10の裏面全面を覆う態様で設けられている。この防水フィルム12としては、近年、ムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に遠心することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。なお、立体ギャザーB1の形成態様は、本例では紙おむつ本体10の両側にそれぞれ1条づつ設けたが、2条づつ設けるようにしてもよい。
【0023】
(本体バックシート20の構造)
本体バックシート20は、内面用バックシート不織布22と外面用バックシート不織布21とをホットメルト接着剤によって貼り合わせたもので、その前後端側部にフラップ部を形成するべく、前記紙おむつ本体10よりも外形が大きく、全体として擬似砂時計形状を成している。
【0024】
この本体バックシート20を構成している内面用バックシート不織布22と外面用バックシート不織布21との間には、紙おむつを着用者にフィットさせるとともに、尿や便の漏れを防止するために各種機能の弾性伸縮部材が介在され、ホットメルト接着剤によって固定されている。
【0025】
具体的には、図1に示される展開形状において、前身頃Fの開口部および後身頃Bの開口部において、たとえば帯ゴムなどからなる、図示例では各4本の腰回り弾性伸縮部材23…,24…がそれぞれ設けられている。
【0026】
また、前身頃Fの腹部相当箇所において横方向に沿って、例えば糸ゴムからなる複数本の、図示の例では5本の腹部弾性伸縮部材25,25…が設けられるとともに、両端部が腹部相当箇所に位置し、中央部が股下側に膨出する形状の糸ゴムからなる複数本の、図示の例では6本の前身頃持ち上げ用弾性伸縮部材26,26…が設けられている。また、後身頃Bの前記腹部相当箇所に対応した臀部箇所には横方向に沿ってたとえば糸ゴムからなる複数本の、図示の例では6本の臀部弾性伸縮部材27,27…が設けられている。
【0027】
なお、本発明に係る使い捨て紙おむつでは、後述の吸収体配設部位に吸収体持上げ用弾性伸縮部材14、14を設けるために、従来の脚周り弾性伸縮部材、すなわち図10に示される、一方の脚回りの前身頃F端から股間部を巡って他方の脚回りの前身頃F端に連続して配設された1または複数の脚回り第1弾性伸縮部材61、61…と、一方の脚回りの後身頃B端から股間部を巡って他方の脚回りの後身頃B端に連続して配設された1または複数の脚回り第2弾性伸縮部材62,62…は設けられていない。
【0028】
(紙おむつの組立)
前記紙おむつ本体10および本体バックシート20はそれぞれ別々に製造され、図4に示されるように、本体バックシート20の上面側に紙おむつ本体10がホットメルト等の接着剤Sによって接着され一体化される。そして、図5に示されるように、紙おむつ本体10および本体バックシート20が折り返しラインLにて前後方向に折り重ねられ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されることによりパンツ型紙おむつに組み立てられる。
【0029】
前記紙おむつ本体10と本体バックシート20との接合の際には、本発明に従って前記紙おむつ本体10と本体バックシート20との間に、紙おむつ本体10の吸収体本体13配設相当部位に吸収体持上げ用弾性伸縮部材14,14が介在される。この吸収体持上げ用弾性伸縮部材14は、平面的には図1に示されるように、吸収体本体13を構成している砂時計状の上側吸収体13Aの前後端部の相対的に幅広部両側を終始端として、中央の括れ部13aを通過するように長手方向に沿って配設される。また、図2の横断面図でその配置態様を視ると、前記紙おむつ本体10の防水フィルム12と、前記本体バックシート20の内面用バックシート不織布22との間に介在されるように固定され、前記立体ギャザーB1との位置関係は少なくとも紙おむつ長手方向中央部では前記立体ギャザーB1の起立点よりも内側位置に配設されている。前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材14は、その伸縮率を概ね120〜300%、弾性強度を5〜150gとする条件の下で配置するのが望ましい。
【0030】
ところで、前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材14は、図示の例では前記紙おむつ本体10と本体バックシート20との間に介在させるようにしたが、紙おむつ本体10の内部、たとえばクレープ紙13Dと防水フィルム12との間、またはクレープ紙13Cとクレープ紙13Dとの間に配置するようにしてもよい。また、本例では1本の弾性伸縮部材を配置するようにしたが複数本配置するようにしてもよい。
【0031】
かかる使い捨て紙おむつの場合には、図5に示されるように、前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材14、14が紙おむつ本体10の配設範囲内の両側部において前身頃から脚付け根部を経由して後身頃に至るように配設される。したがって、吸収体本体13に排尿および排便が行われ重みが増しても吸収体本体13が下方に垂れ下がるのを効果的に防止し得るようになる。その結果、股間部との間に隙間が形成されることが無くなるとともに、前記立体ギャザーB1が肌から離間することなくなるため、横漏れを確実に防止できるようになる。また、吸収体本体13の垂れ下がりがなくなることで装着状態の見栄えが悪化するのを防止できるようになるとともに、装着性が悪化するのを同時に防止できるようになる。
【0032】
一方、本使い捨て紙おむつにおいては、従来の脚周りに沿って配設されると共に、股間部にて吸収体を横断して配設される脚周り弾性伸縮部材を無くしたため、ゴムによる跡付きを無くすことが可能になるとともに、ゴムの収縮力による吸収体の剛化および縮こまりを同時に防止できるようになり、ゴワ付き感などを無くし装着感が向上するようになる。また、吸収体の縮こまりによって生じる溝やシワから尿が漏れ出すなどの事態も防止できるようになる。さらに、外観的にも股間部を横断する弾性伸縮部材を無くすことで外観が向上するようになる。
【0033】
ところで、前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の配置態様としては種々の例を挙げることができる。図6に示される配置態様は、股間部領域では括れ部13a領域において脚周りに沿うように弧状に配置し、前後端部を上側吸収体13Aの配設領域内に固定するように配置した例であり、図7に示される配置態様は上側吸収体13A内であってかつその側縁部に括れ部13aの形状に沿って弧状に配置した例である。これら図6および図7に示される配置態様では、弧状に配置した吸収体持上げ用弾性伸縮部材14、14により外方向(幅方向外側方向)に向かう力が吸収体本体13に作用するようになるため、尿を吸収した吸収体本体13が中央部に束状に集まるのを同時に防止出来るようになる。
【0034】
前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材14,14によって吸収体本体13が垂れ下がらないようにきっちりと保持するためには、吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の前後端部(固定点)がきっちりとあまり位置ズレしない状態で保持されることが望ましく、したがって前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の両端部は吸収体本体13の配設領域に固定するようにするのが良い。
【0035】
〔第2形態例〕
図8は本発明をテープ型使い捨て紙おむつに適用した場合の一部破断展開図であり、図9は図8のIX−IX矢視図である。
【0036】
図8において、使い捨て紙おむつは、有孔または無孔の不織布からなり使用面側を覆う透液性トップシート2と、不織布からなり紙おむつの外面を覆うとともに、おむつ前後端両側部では後述のギャザーシート4と共にフラップ部ESを構成し、かつおむつ前後端部では透液性トップシート2と共にエンドフラップ部EFを構成するバックシート1と、前記透液性トップシート2とバックシート1との間に介在された、綿状パルプ等からなる砂時計形状(または長方形状等)のある程度の剛性を有する吸収体本体3Aおよびこれを囲繞するクレープ紙6とからなる吸収体3と、バックシート1との間の実質的に吸収体3を覆う範囲に配設されたポリエチレン等からなる防水フィルム5と、紙おむつの両側部に表面側に起立する立体ギャザーB1を形成するギャザーシート4と、紙おむつ背側両側部に設けられたファスニングテープ8,8とから主に構成されている。
【0037】
前記吸収体本体3Aは全体として砂時計形状を成し、両側縁の股間相当部位に立体ギャザーB1の基端位置よりも内方側に側縁を有するように括れ部分3a、3aが形成されている。また、前記吸収体本体3Aは、クレープ紙6によって内包されるようになっている。前記クレープ紙6は、詳しくは図9に示されるように、吸収体本体3Aの上面および非括れ部分3a側縁を越えて側方に延在される方形状の上層クレープ紙6Aと、吸収体本体3Aの下面および非括れ部分3a側縁を越えて側方に延在される方形状の下層クレープ紙6Bとから構成されるもので、最側縁部においては一方側クレープ紙(図示の例では下層クレープ紙6B)の延在端を他方側クレープ紙(図示の例では上層クレープ紙6A)の延在端部に重ねて折り返し、クレープ紙6A、6Bの重合部を形成している。
【0038】
他方、本例では通常、おむつ外面を覆うために用いられているポリエチレン等による不透液性バックシートに代えて、不織布からなるバックシート1が用いられているため、吸収体本体3Aが吸収した体液が外面側に滲み出すのを防止するため、吸収体3とバックシート1との間にポリエチレン等からなる防水フィルム5が介在されている。前記防水フィルム5は、吸収体3を覆う範囲で方形状とされ、かつ両側縁部が吸収体3側縁よりも若干側方に延在して形成され、この側方延在部分Kにおいて透液性トップシート2とホットメルト接着剤などにより固着されている。
【0039】
一方、ギャザーシート4は、吸収体3の側縁部においてその幅方向中間部が紙おむつの略長手方向に沿って固着され、この固着部よりも内方側の不織布シート部分によって表面側に起立する立体ギャザーB1が形成されている。この立体ギャザーB1は、吸収体3の側縁近傍位置に起立端を有し、その先端が紙おむつ長手方向に沿って二重に折り返され、この折り返し部の内方に1本の糸状弾性ゴム7を、または必要により複数本の糸状弾性ゴムを配設することにより、その伸縮力を利用して立体ギャザーB1を起立させるようになっている。
【0040】
一方、紙おむつの背側および腹側では、この防水フィルム5の外側領域に、前記バックシート1および透液性トップシート2とによるエンドフラップ部EFが形成され、テープ状弾性伸縮部材9,9がそれぞれ介在されている。
【0041】
かかるテープ式紙おむつにおいても、前記立体ギャザーB1の外側位置に紙おむつの長手方向に沿って複数本の弾性伸縮部材を配設する代わりに、吸収体3の配設領域の両側部に紙おむつの長手方向に沿って、図示の例では1本の吸収体持上げ用弾性伸縮部材14が配設されている。この吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の配置態様はもちろん、たとえば図6に示されるように股間部領域では括れ部13a領域において脚周りに沿うように弧状に配置するようにしてもよいし、または図7に示されるように吸収体本体13A内であってかつその側縁部に括れ部13aの形状に沿って弧状に配置するようにしてもよい。
【0042】
また、配設される層の位置は、図示の例では防水フィルム5とバックシート1との間に配置するようにしたが、防水フィルム5と下層クレープ紙6Bとの間、上層クレープ紙6Aと下層クレープ紙6Bとの間、さらには上層クレープ紙6Aと透液性トップシート2との間に配置するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、テープ型およびパンツ型の種別を問わず、排尿および排便の重みによって吸収体が垂れ下がるのを防止するとともに、横漏れを防止し、さらに脚周り弾性伸縮部材によるゴムの跡付きを軽減することができるようになる。
【0044】
またパンツ型使い捨て紙おむつへの適用では、股間部を横断する脚周り弾性伸縮部材を無くすことで、吸収体の剛化、縮こまりおよびゴワ付き感を防止するとともに、見栄えを向上することが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るパンツ型使い捨て紙おむつの一部破断展開図である。
【図2】 図1のII−II線矢視図である。
【図3】 図1のIII−III線矢視図である。
【図4】 紙おむつ本体と本体バックシート20との一体化要領および吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の配設要領を示す斜視図である。
【図5】 本パンツ型紙おむつの製品状態斜視図である。
【図6】 吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の配置態様変形例を示す紙おむつ本体10の平面図である。
【図7】 吸収体持上げ用弾性伸縮部材14の他の配置態様変形例を示す紙おむつ本体10の平面図である。
【図8】 本発明に係るテープ式使い捨て紙おむつの一部破断展開図である。
【図9】 図8のIX−IX線矢視図である。
【図10】 従来のパンツ型紙おむつを示す展開図である。
【図11】 従来のパンツ型使い捨て紙おむつの製品状態斜視図である。
【符号の説明】
1…バックシート、2…透液性トップシート、3…吸収体、3A…吸収体本体、5…防水フィルム、6A・6B…クレープ紙、10…紙おむつ本体、11…透液性トップシート、12…防水フィルム、13…吸収体本体、13A…上側吸収体、13B…下側吸収体、13C・13D…クレープ紙、14…吸収体持上げ用弾性伸縮部材、20…本体バックシート、21…外面用バックシート不織布、22…内面用バックシート不織布、23・24…腰回り弾性伸縮部材、25…腹部弾性伸縮部材、26…前身頃持ち上げ用弾性伸縮部材、27…臀部弾性伸縮部材、30…ギャザーシート、31…起立用弾性伸縮部材、B1…立体ギャザー
Claims (2)
- 使用面側を覆う透液性トップシートと、外面側を覆うバックシートとの内部に吸収体が介在され、紙おむつの両側部にほぼ紙おむつの全長に亘って表面側に突出する立体ギャザーが形成された使い捨て紙おむつにおいて、
前記立体ギャザーの起立点よりも実質的に外側に配置される脚周り弾性伸縮部材を無くし、前記使い捨て紙おむつの両側部に紙おむつの略長手方向に沿って直線状に或いは脚周りに沿うように展開視で弧状に配置されるとともに、少なくとも紙おむつ長手方向の中央部では前記立体ギャザーの起立点よりも内側位置を通るように吸収体持上げ用弾性伸縮部材を配置し、かつ前記直線状に或いは脚周りに沿うように展開視で弧状に配置された吸収体持上げ用弾性伸縮部材の前後端部が吸収体配設領域に固定されたことを特徴とする使い捨て紙おむつ。 - 前記吸収体は中間両側部領域に括れ部を有する略砂時計形状を成し、前記吸収体持上げ用弾性伸縮部材は、中間部では前記括れ部を通り、前後端部が吸収体前後端側部に夫々固定されている請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP37010299A JP3889193B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 使い捨て紙おむつ |
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JP37010299A JP3889193B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 使い捨て紙おむつ |
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