JP3885797B2 - エンジンの燃料供給制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃料供給制御装置に関し、詳細には、所定の燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させるカットインディレイ機能を備えるエンジンの燃料供給制御装置に関する。
従来、減速時に過濃混合気とならないようにするとともに、燃料消費量を低減するため、アクセルペダルが完全に戻されている等、所定の燃料カット条件が成立しているときに、燃料の供給を停止する燃料カットが行われている。この燃料カットの方法として、次のようなカットインディレイが一般的に知られている。すなわち、所定の燃料カット条件が成立した後、すぐには燃料の供給を停止せず、所定のディレイ時間が経過するのを待ってこれを停止するものである(特許文献1)。アクセルペダルが完全に戻され、スロットル弁が全閉したことを受けて即時に燃料の供給を停止したとすると、エンジントルクが急激に減少して、運転者に対して過剰な引込み感を与えることになるところ、カットインディレイによれば、スロットル弁の下流の吸気通路に残留する空気の減少とともに、緩やかにエンジントルクを減少させていき、エンジントルクが充分に減少した時点で燃料の供給を停止するので、引込み感の発生を抑えることができる。
近年、エンジンの高出力及び高効率化のため、コレクタの容量が増大する傾向にある。そのようなエンジンでは、減速時における引込み感の発生を確実に抑えるため、コレクタの容量の増大に伴い、カットインディレイのディレイ時間は、これまでのものよりも延長して設定する必要がある。
特許第2605755号公報(第3頁左欄第6〜15行)
しかしながら、燃料カットに際し、単に所定のディレイ時間を設けることとしただけの上記のカットインディレイには、特にマニュアルトランスミッションを備える車両において、次のような問題がある。
すなわち、カットインディレイにより燃料の供給を遅れて停止することは、クラッチが締結しており、クランクシャフトと駆動輪とが連結した状態にある駆動走行時には、有効に働く。しかしながら、変速時、特に高速段側への変速を行うアップシフト時には、アクセルペダルが完全に戻された後も所定のディレイ時間が経過するまでは燃料の供給が継続されることから、エンジン回転数の低下が鈍く、場合によっては、クラッチの開放によりエンジンが吹き上がることも考えられる。このため、ショックのない滑らかな変速を望む運転者は、クラッチの開放後、エンジン回転数が変速後の最適回転数に低下するまでの間、クラッチの締結を待たなければならず、速やかに変速を終えることができない。かりに最適回転数への到達前にクラッチを無理に締結させたとすれば、回転数差により飛出し感が発生することになる。
このような問題の対策として、燃料カット条件が成立し、かつクラッチが開放しているときに、行われる変速がアップシフトである場合に限りカットインディレイのディレイ時間を短くし、クラッチの開放後のエンジン回転数の低下を速めることが考えられる。行われる変速がダウンシフトである場合にディレイ時間を維持するのは、ダウンシフト時において、滑らかな変速のためには変速後の最適回転数に向けてエンジン回転数を上昇させなければならず、燃料カットによりエンジン回転数の低下を速めることが却って不利に働くからである。ここで、ダウンシフトが行われる場合に一律にディレイ時間を維持することとすれば、エンジン回転数を合わせるためにアクセルペダルを踏み込んだものの、エンジン回転数が上がり過ぎた場合に不都合が生じる。この場合は、最適回転数に向け、エンジン回転数を速やかに低下させたいからである。
本発明は、カットインディレイによる燃料カットを行うエンジンの燃料供給制御装置において、ダウンシフト時に変速後の最適回転数に向け、運転者がエンジン回転数を速やかに、かつ積極的に調整することを可能とし、速やかな変速を実現することを目的とする。
本発明は、エンジンの燃料供給制御装置を提供する。
本発明の第1の形態に係る装置は、運転者の操作により締結又は開放するクラッチを介して駆動輪と接続され、このクラッチが締結している状態で出力軸が駆動輪と接続され、このクラッチが開放している状態でこの接続が遮断されるエンジンに設けられる。所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定し、燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させる。ここで、クラッチが開放していることを検出する機能を有し、クラッチが開放してから締結するまでの1回の動作において、燃料カット条件が成立した後にクラッチが開放したことを検出したときと、クラッチが開放したことを検出した後に燃料カット条件が成立したときとで前記ディレイ時間の長さを異ならせ、好ましくは、後者のときに前者のときよりも前記ディレイ時間を短くする。
本発明の第2の形態に係る装置は、運転者の操作により変速段が切り換えられる変速機に接続されたエンジンに設けられる。所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定し、燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させる。ここで、変速段が現在のものからそれ以外のものに切り換えられる変速時にあることを検出するとともに、これを検出したときは、行われる変速が、変速比を増大させるダウンシフトである否かを判定する。変速時にあることを検出し、かつ行われる変速がダウンシフトであるときに、燃料カット条件の成立が解除された場合は、その解除の前後で前記ディレイ時間の長さを異ならせる。
本発明は、クラッチペダルの位置に応じて締結又は開放するクラッチを備えるマニュアル変速式の車両に搭載されたエンジンに対し、好適に適用することができる。
本発明では、燃料カット条件が成立し、かつクラッチが開放していることを検出したとき(すなわち、変速時)に、クラッチが開放してから締結するまでの1回の動作における燃料カット条件の成立とクラッチの開放との時間的な関係に応じ、燃料の供給を実際に停止するまでのディレイ時間の長さを異ならせることとした。このため、本発明によれば、クラッチの開放の方が先であるときに、燃料カット条件の成立の方が先であるときよりも前記ディレイ時間を短くすることで、行われる変速がダウンシフトである場合に、変速後の最適回転数を超えて上昇した後のエンジン回転数の低下を速めることができ、運転者は、ダウンシフト時において、エンジン回転数を速やかに、かつ積極的に調整し、速やかに変速を終えることができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両Vの駆動系の構成を示している。この車両Vは、マニュアル変速式のものである。
エンジン1は、この車両Vの駆動源を構成している。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト101は、フライホイール201と結合されており、このフライホイール201は、クラッチ2の入力側の摩擦面を形成している。クラッチプレート202は、このクラッチ2の出力側の摩擦面を形成しており、マニュアル式の変速機3の入力軸301と結合されている。クラッチ2は、運転者によるクラッチペダル31の操作によりクラッチプレート201がフライホイール201に押し付けられ、クラッチペダル31の位置に応じて開放又は締結する。変速機3の出力軸は、プロペラシャフト4及びディファレンシャル5を介して車輪駆動軸6及び駆動輪7と結合されている。このため、クラッチ2が締結している状態でクランクシャフト101と駆動輪7とが接続され、エンジン1の動力が駆動輪7に伝達される。他方、クラッチ2が開放している状態でこの接続が遮断され、エンジン1から駆動輪7への動力の伝達が遮断される。
エンジン1の動作は、コントロールユニット(以下「C/U」という。)11により制御される。C/U11には、アクセル開度APO(運転者のアクセル操作量を示す。)を検出するためのアクセルセンサ21の検出信号、クランク角センサ22の検出信号(これをもとに、エンジン回転数Neを算出することができる。)、車速VSPを検出するための車速センサ23、冷却水温度Twを検出するための温度センサ24の検出信号が入力されるほか、アイドルスイッチ25及びクラッチスイッチ26の作動信号が入力される。アイドルスイッチ25は、アクセルペダル41が完全に戻された状態でオンされ、エンジン1に対するアイドル運転要求を検出する。クラッチスイッチ26は、クラッチペダル31が踏み込まれ、クラッチ2が完全に開放した状態でオンされる。
本実施形態では、クラッチスイッチ26として、始動制御用のインヒビタスイッチを採用している。C/U11は、エンジン1の始動時において、このインヒビタスイッチが入っていないとき(すなわち、クラッチの締結時)に、スタータとその電源との間の接続を遮断し、始動を禁止する。
C/U11は、入力した各種の制御情報をもとに、エンジン1に設けられた燃料供給用の、図示しないインジェクタの動作を制御する。すなわち、C/U11は、通常時において、エンジン1の運転状態に応じた制御量によりインジェクタを駆動し、そのときの運転状態にとって最適な量の燃料をエンジン1に供給する一方、所定の燃料カット条件が成立したときは、所定のディレイ時間が経過した後にこの制御量の値を強制的に0とし、エンジン1への燃料の供給を停止させる。
次に、C/U11の動作について、フローチャートにより説明する。
図2は、燃料噴射量演算ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、イグニッションスイッチがオンされることにより起動され、その後、所定の時間毎に実行される。このルーチンでは、インジェクタの燃料噴射量Qfが設定される。
S101では、アクセル開度APO、エンジン回転数Ne及び冷却水温度Tw等、エンジン1の運転状態を読み込む。
S102では、読み込んだ運転状態をもとに、燃料噴射量Qfを算出する。燃料噴射量Qfの演算は、例えば、アクセル開度APO及びエンジン回転数Neに応じて基本燃料噴射量Qfbaseを割り付けたマップを参照し、読み込んだAPO,Neに対応するQfbaseを算出するとともに、算出したQfbaseに冷却水温度Tw等に応じた補正を行い、得た値を燃料噴射量Qfとすることにより行う。
S103では、燃料カットフラグFcutが0であるか否かを判定する。0であるときは、S108へ進み、0でないときは、S104へ進む。燃料カットフラグFcutは、通常は0に設定されており、後述する燃料カットルーチンで所定の燃料カット条件が成立していると判定されたときに、1に切り換えられる。
S104では、カウント値CNTを1だけカウントアップする。なお、このカウント値CNTは、燃料カット条件が成立し、燃料カットフラグFcutが1に切り換えられた後の経過時間を示す。
S105では、カウントアップ後のCNTが所定の値CNT1に達したか否かを判定する。達しているときは、燃料カット条件が成立した後、値CNT1により定められる所定のディレイ時間が経過したとしてS106へ進み、達していないときは、S108へ進む。所定の値CNT1の大きさは、後述するディレイ時間設定ルーチンにおいて、比較的に大きな第1の値a1と、この第1の値a1よりも小さな第2の値a2との間で、切り換えて設定される。
S106では、カウント値CNTを0に設定する。
S107では、エンジン1への燃料の供給を停止させるため、燃料噴射量Qfを0に設定する。
S108では、以上のようにして設定した燃料噴射量Qfを出力噴射量Qfsetとし、この出力噴射量Qfsetに応じた幅を持たせた駆動パルスTiをインジェクタに出力する。インジェクタは、この駆動パルスTiにより駆動され、出力噴射量Qfsetの燃料をエンジン1に供給する。
図3は、燃料カットルーチンのフローチャートである。このルーチンは、イグニッションスイッチがオンされることにより起動され、その後、所定の時間毎に実行される。このルーチンでは、燃料カット判定フラグFcutが設定される。
S201では、アイドルスイッチ信号SWidl及びエンジン回転数Neを読み込む。
S202では、読み込んだSWidlの値が1であるか否かを判定する。1であるときは、S203へ進み、1でないときは、S207へ進む。アイドルスイッチ信号SWidlは、アクセルペダル41が完全に戻されているときに1に、それ以外のときに0に設定される。
S203では、燃料カットフラグFcutが0であるか否かを判定する。0であるときは、S204へ進み、0でないとき(すなわち、燃料カット中)は、S206へ進む。
S204では、読み込んだNeが所定の値Necut以上であるか否かを判定する。Necut以上であるときは、エンジン1が燃料カットを行うことができる燃料カット実行回転数域にあるとしてS205へ進み、Necutよりも小さいときは、S207へ進む。
S205では、燃料カットフラグFcutを1に設定し、先の燃料噴射量演算ルーチンにおいて、所定のディレイ時間が経過したときにエンジン1への燃料の供給を停止させる。
S206では、燃料の供給を停止させた後、燃料カットによりエンジン回転数Neが減少し、読み込んだNeが所定の値Nercvに達したか否かを判定する。達したときは、燃料の供給を再開させるため、S207へ進み、達していないときは、燃料の供給を引き続き停止させるため、S205へ進む。
S207では、燃料カットフラグFcutを0に設定する。
図4は、ディレイ時間設定ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、イグニッションスイッチがオンされることにより起動され、その後、所定の時間毎に実行される。このルーチンでは、所定の値CNT1の大きさが設定される。
S301では、クラッチスイッチ信号SWclt等を読み込む。
S302では、燃料カットフラグFcutの値が1であるか否かを判定する。1であるときは、S305へ進み、1でないときは、S303へ進む。
S303では、読み込んだSWcltの値が1であるか否かを判定する。1であるときは、S304を介してこのルーチンを終了し、1でないときは、このルーチンをそのまま終了する。クラッチスイッチ信号SWcltは、クラッチペダル31が踏み込まれ、クラッチ2が完全に開放しているときに1に、それ以外のときに0に設定される。
S304では、回転数調整フラグFadjを1に設定する。この回転数調整フラグFadjは、ダウンシフト時において、エンジン回転数Neを変速後の最適回転数に合わせるために一時的に燃料カットが解除されたことを示すためのものであり、燃料カットフラグFcutの値が0であることがそのような一時的な解除によるものである場合に(S302)、このステップで1に設定される。
S305では、読み込んだSWcltの値が0であるか否かを判定する。0であるときは、S309へ進み、0でないときは、S306へ進む。
S306では、シフト判定を行い、行われる変速がアップシフトであるか、ダウンシフトであるかを判定する。アップシフトであるときは、S310へ進み、ダウンシフトであるときは、S307へ進む。このシフト判定の内容は、後に図5に示すフローチャートを参照して説明する。
S307では、回転数調整フラグFadjの値が1であるか否かを判定する。1であるときは、この燃料カットがエンジン回転数Neの調整に伴う再判定によるものであるとしてS308へ進み、1でないときは、S309へ進む。
S308では、回転数調整フラグFadjを0に設定する。
S309では、所定の値CNT1(第1及び第4のディレイ時間に相当する。)を第1の値a1に設定する。
S310では、所定の値CNT1(第2及び第3のディレイ時間に相当する。)を第2の値a2(<a1)に設定する。なお、本実施形態では、この第2の値a2を0としている。
図5は、シフト判定ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、先のディレイ時間設定ルーチンにおいて、クラッチスイッチ26が入り(S305)、S306へ進んだときに実行される。このルーチンでは、クラッチペダル31が踏み込まれたときに、行われる変速がアップシフトであるか、ダウンシフトであるかが判定される。なお、本実施形態では、変速機3は1〜n速(例えば、n=6)の間で変速段が切り換えられ、変速段を示す数nが増すほど変速比が小さくなり、高速段側へ移行するものとする。
S401では、変速段G及びエンジン回転数Neを読み込む。
S402では、読み込んだGをもとに、現在の変速段(以下「現変速段」という。)が1又は2速であるか否かを判定する。1又は2速であるときは、S405へ進み、それ以外の変速段であるときは、S403へ進む。
S403では、読み込んだGをもとに、現変速段が5又は6速であるか否かを判定する。5又は6速であるときは、S406へ進み、それ以外の変速段(すなわち、3又は4速)であるときは、S404へ進む。
S404では、読み込んだNeが所定の値Ne1以上であるか否かを判定する。Ne1以上であるときは、S405へ進み、Ne1よりも小さいときは、S406へ進む。
S405では、行われる変速がアップシフトであるとの判定を下す。
S406では、行われる変速がダウンシフトであるとの判定を下す。
ここで、本実施形態に係るシフト判定の妥当性について付言する。現変速段が1又は2速であるときは、行われる変速がアップシフトであると判定している(S402)。これは、現変速段が1速である場合は、アップシフトが行われるとしか考えられず、他方、現変速段が2速である場合も、2速から1速へのダウンシフトが行われることはごく稀であるため、アップシフトが行われるものとみなすことができるからである。また、現変速段が5又は6速であるときは、行われる変速がダウンシフトであると判定している(S403)。これは、現変速段が6速であるときは、ダウンシフトが行われるとしか考えられず、他方、現変速段が5速であるときは、6速へのアップシフトが行われることも考えられるが、その確率はダウンシフトの場合よりも格段に低いからである。かりに判定を誤ったとしても、5速からのアップシフト時に要求されるエンジン回転数Neの低下代は小さく、アップシフト時に燃料の供給を継続させたことで、クラッチ2の締結に際して変速後の最適回転数に厳密には一致していなくとも、回転数差が小さく、かつ変速比も小さいことから、発生するショック(ここでは、飛出し感)は小さく、誤判定による影響は小さい。更に、現変速段が3又は4速であるときは、エンジン回転数Neによりいずれの方向に変速が行われるかを判定することとしており、所定の値Ne1以上の高回転域にあるときはアップシフトが行われると、それ以外の低回転域にあるときはダウンシフトが行われると判定している(S404)。これは、現変速段が3又は4速である場合に、高回転域での変速であれば、速やかな加速に伴うアップシフトが行われると考えることができ、他方、低回転域での判定が誤りであるとしても、低回転域でのアップシフト時に要求されるエンジン回転数Neの低下代は小さく、大きな飛出し感が発生することはないからである。
図6は、変速段検出ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、イグニッションスイッチがオンされることにより起動され、その後所定の時間毎に実行される。このルーチンでは、変速段Gが検出される。
S501では、クラッチスイッチ信号SWcltの値が0であるか否かを判定する。0であるときは、S502へ進み、0でないときは、このルーチンを終了する。
S502では、エンジン回転数Ne及び車速VSPを読み込む。本実施形態では、車速VSPを変速機3の出力軸の回転数をもとに、検出することとしている。
S503では、読み込んだNe,VSPをもとに、変速機3の変速比Rを次式により算出する。
R=Ne/VSP ・・・(1)
S504では、算出したRをもとに、変速段Gを算出する。なお、変速比Rは、変速段Gと一義的な関係にあり、同じ変速段Gのもとでは、算出されるRは常に同じ値を示す。
次に、本実施形態に係るカットインディレイによる燃料カットについて、タイムチャートにより説明する。
図7は、カットインディレイによる場合の燃料噴射量Qf等のタイムチャートを示している。
アクセルペダル41が完全に戻され、アイドルスイッチ25が入ると(時刻t1)、エンジン回転数Neが所定の値Necutにより定められる燃料カット実行回転数域にあることを条件に燃料カットフラグFcutが1に切り換えられ、カウント値CNTが1ずつカウントアップされていく。ここで、クラッチスイッチ26が入っていない減速時には、ディレイ時間の長さを定める所定の値CNT1が比較的に大きな第1の値a1に設定される。他方、クラッチスイッチ26が入っている変速時には、エンジン回転数Ne及び変速段Gをもとに、行われる変速がアップシフトであるか、ダウンシフトであるかを判定し、その結果に応じて所定の値CNT1が切り換えられる。ディレイ時間(=CNT1)は、前者の場合に第2の値a2に、後者の場合に第1の値a1(>a2)に設定される。燃料カットフラグFcutが1に切り換えられた後、カウント値CNTが所定の値CNT1に達するまでは、燃料の供給が継続され、エンジン回転数Neの低下が抑えられる。カウント値CNTが所定の値CNT1に達したときは(時刻t2,t5)、燃料噴射量Qfが運転状態によらず0に設定されることで、エンジン1への燃料の供給が停止され、エンジン回転数Neが急激に低下する。ここで、ダウンシフトが行われる場合に、エンジン回転数Neの調整のためにアクセルペダル41を踏み込んだときは(時刻t3)、アイドルスイッチ25が切れることにより燃料カットフラグFcutが0に設定されるとともに、燃料噴射量Qfが増大する(図7のA1)。そして、アクセルペダル41を完全に戻すと、アイドルスイッチ25が入り、燃料カットフラグFcutが再び1に設定されるが、このときの値CNT1は、回転数調整フラグFadjが1に設定されていることから(S307)、第2の値a2に設定される。このため、アイドルスイッチ25が入るとともに燃料の供給が停止されるので(時刻t4)、エンジン回転数Neは、調整に際して過剰に上昇したとしても、最適回転数tNeへ向けて速やかに低下することとなる。その後、燃料の供給は、変速の終了等によりアクセルペダル41が再度踏み込まれるか、あるいはエンジン回転数Neが所定の値Nercvにより定められる燃料カットリカバー回転数域に達したときに再開される。
本実施形態に関し、図4に示すフローチャートのS303,305が開放状態検出手段又は変速時検出手段を、図3に示すフローチャートのS202〜204が燃料カット判定手段を、図2に示すフローチャートのS104〜107及び図4に示すフローチャート全体(S303,305を除く。)が燃料供給停止手段を、図5及び6に示すフローチャート全体がシフト判定手段を構成する。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、本実施形態では、燃料カット条件が成立し、かつクラッチスイッチ26が入っているとき(すなわち、変速時)に、行われる変速がダウンシフトである場合は、原則としてカットインディレイのディレイ時間を長くすることとし(図7のB3)、他方、ダウンシフト時において、エンジン回転数Neの調整のためにアクセルペダル41を踏み込んだときは、その後にアクセルペダル41を戻した際のディレイ時間を短くすることとした(図7のB1)。このため、ダウンシフト時において、原則としてクラッチ2の開放後も燃料の供給を継続させ、エンジン回転数Neの低下を抑える一方、調整に際してエンジン回転数Neが上がり過ぎた場合は、燃料カットによりエンジン回転数Neの低下を速めることができ、アクセルペダル41の操作をエンジン回転数Neの変化に直接的に反映させ、速やかであり、かつ積極的な変速を実現することができる。
第2に、本実施形態では、変速時において、シフト操作の方向性に応じてカットインディレイのディレイ時間の長さを異ならせることとし、アップシフト時において、ダウンシフト時よりもディレイ時間を短くすることとした(図7のB2)。このため、アップシフト時において、燃料カットによりエンジン回転数Neの低下を速め、速やかな変速を実現することができる。
第3に、本実施形態では、燃料カット条件が成立したときに、クラッチスイッチ26が入っているときと、入っていないときとでもディレイ時間の長さを異ならせることとし、後者の減速時において、ディレイ時間を長くすることとした(図7のA3)。このため、減速時において、エンジントルクの急激な減少を防止し、引込み感の発生を抑えることができる。
第4に、本実施形態では、クラッチスイッチ26として、マニュアル変速式の車両に一般的に備えられているインヒビタスイッチを採用することとしたので、本発明の実施に際して必要とされる追加のコストを最小限に抑えることができる。
以上では、ダウンシフト時にエンジン回転数Neの調整に際して設定されるディレイ時間(すなわち、第2のディレイ時間)と、アップシフト時に設定されるディレイ時間(すなわち、第3のディレイ時間)とを同じ長さとし、その値をともに0に設定した。このようにすれば、エンジン回転数Neの調整を迅速なものとするとともに、アップシフト時において、クラッチ2の開放に伴うエンジン1の吹き上がり(図7のB4)を防止し、エンジン回転数Neを速やかに低下させることができる(図7のB2)。しかしながら、本発明によれば、これらのディレイ時間の長さを異ならせてもよく、特に後者のディレイ時間にある程度の長さを持たせ、クラッチ2の開放後も燃料の供給をある程度は継続させるようにすることで、運転者が誤ってクラッチ2を開放させた場合にすぐには燃料の供給を停止させず、再締結時に引込み感が発生するのを防止することができる。
また、以上では、第2のディレイ時間が設定される前提として、駆動走行時と同様の燃料カット条件が成立していることを条件としたが(S302)、ダウンシフト時の回転数調整に際して燃料の供給を停止させるための条件と、駆動走行時の燃料カット条件とを異ならせてもよく、回転数調整のために燃料カット条件が解除されたときは、その後にアイドルスイッチ25がオンされたことのみをもって即時に燃料の供給を停止させることとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る車両の駆動系の構成 燃料噴射量演算ルーチンのフローチャート 燃料カットルーチンのフローチャート ディレイ時間設定ルーチンのフローチャート シフト判定ルーチンのフローチャート 変速段検出ルーチンのフローチャート 燃料カット時における燃料噴射量等の変化を示すタイムチャート
符号の説明
V…車両、1…エンジン、101…クランクシャフト、2…クラッチ、201…フライホイール、202…クラッチプレート、3…変速機、301…変速機の入力軸、4…プロペラシャフト、5…ディファレンシャル、6…車輪駆動軸、7…駆動輪、11…コントロールユニット、21…アクセルセンサ、22…クランク角センサ、23…車速センサ、24…冷却水温度センサ、25…アイドルスイッチ、26…クラッチスイッチとしていのインヒビタスイッチ、31…クラッチペダル、41…アクセルペダル。

Claims (10)

  1. 運転者の操作により締結又は開放するクラッチを介して駆動輪と接続され、このクラッチが締結している状態で出力軸が駆動輪と接続され、このクラッチが開放している状態でこの接続が遮断されるエンジンに設けられ、
    クラッチが開放していることを検出する開放状態検出手段と、
    所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定する燃料カット判定手段と、
    燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、を含んで構成され、
    燃料供給停止手段は、クラッチが開放してから締結するまでの1回の動作において、燃料カット条件が成立した後にクラッチが開放したことを検出したときは、前記ディレイ時間として第1のディレイ時間を、クラッチが開放したことを検出した後に燃料カット条件が成立したときは、前記ディレイ時間としてこの第1のディレイ時間とは長さが異なる第2のディレイ時間を設定するエンジンの燃料供給制御装置。
  2. 第2のディレイ時間が第1のディレイ時間よりも短い請求項1に記載のエンジンの燃料供給制御装置。
  3. 第2のディレイ時間の値が0である請求項2に記載のエンジンの燃料供給制御装置。
  4. 走行時において、クラッチが開放していることを検出したときに、変速比が現在よりも小さなものに切り換えられるアップシフト時にあるか、変速比が現在よりも大きなものに切り換えられるダウンシフト時にあるかを判定するシフト判定手段を更に含んで構成され、
    燃料供給停止手段は、クラッチが開放していることを検出したときに、前記ディレイ時間として、ダウンシフト時には第1又は第2のディレイ時間を、アップシフト時には第1のディレイ時間よりも短い第3のディレイ時間を設定する請求項2又は3に記載のエンジンの燃料供給制御装置。
  5. 燃料供給停止手段は、クラッチが開放していることを検出したとき以外のときに、前記ディレイ時間として、第2のディレイ時間よりも長い第4のディレイ時間を設定する請求項2〜4のいずれかに記載のエンジンの燃料供給制御装置。
  6. クラッチが開放しているとき以外のときのエンジンの始動を禁止するためのインヒビタスイッチを備えるエンジンに設けられ、
    開放状態検出手段は、このインヒビタスイッチの出力信号をもとに、クラッチが開放していることを検出する請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの燃料供給制御装置。
  7. 運転者の操作により変速段が切り換えられる変速機に接続されたエンジンに設けられ、
    変速段が現在のものからそれ以外のものに切り換えられる変速時にあることを検出する変速時検出手段と、
    変速時にあることを検出したときに、行われる変速が、変速比を増大させるダウンシフトである否かを判定するシフト判定手段と、
    所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定する燃料カット判定手段と、
    燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、を含んで構成され、
    燃料供給停止手段は、変速時にあることを検出し、かつ行われる変速がダウンシフトであるときに、燃料カット条件の成立が解除された場合は、その解除の前後で前記ディレイ時間の長さを異ならせるエンジンの燃料供給制御装置。
  8. 運転者の操作により締結又は開放するクラッチを介して駆動輪と接続され、このクラッチが締結している状態で出力軸が駆動輪と接続され、このクラッチが開放している状態でこの接続が遮断されるエンジンに設けられ、
    クラッチが開放していることを検出する開放状態検出手段と、
    所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定する燃料カット判定手段と、
    燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、を含んで構成され、
    燃料供給停止手段は、クラッチが開放したことを検出した後に燃料カット条件が成立したときは、エンジンへの燃料の供給を直ちに停止させるエンジンの燃料供給制御装置。
  9. 燃料供給停止手段は、前記ディレイ時間を0とすることで、エンジンへの燃料の供給を直ちに停止させる請求項8に記載のエンジンの燃料供給制御装置。
  10. 運転者の操作により締結又は開放するクラッチを介して駆動輪と接続され、このクラッチが締結している状態で出力軸が駆動輪と接続され、このクラッチが開放している状態でこの接続が遮断されるエンジンに設けられ、
    クラッチが開放していることを検出する開放状態検出手段と、
    所定の燃料カット条件が成立したか否かを判定する燃料カット判定手段と、
    燃料カット条件が成立した後、所定のディレイ時間が経過したときにエンジンへの燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、を含んで構成され、
    燃料カット判定手段は、アクセル操作量が所定の値以下であることを燃料カット条件に含み、
    燃料供給停止手段は、クラッチが開放してから締結するまでの1回の動作のなかで、燃料カット条件の成立が解除された場合は、その後にアクセル操作量が所定の値に達したときに、エンジンへの燃料の供給を直ちに停止させるエンジンの燃料供給制御装置。
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