JP3885471B2 - 静電荷像現像用トナー、2成分系静電荷像現像用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、2成分系静電荷像現像用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法を利用した静電荷像現像用トナー、2成分系静電荷像現像用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザービームプリンタ等において画像を形成しうる場合、一般にカールソン法が用いられている。従来の白黒電子写真法による画像形成方法は、光学的手段によって感光体上に形成された静電潜像は現像工程で現像された後、転写工程で記録紙等の記録媒体に転写され、次に定着工程で一般に熱と圧力で記録紙等の記録媒体に定着され、白黒画像を得る。
【0003】
近年の電子写真の技術は白黒からフルカラーヘの展開が急速になされつつある。フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーに黒色を加えた4色を用いてすべての色の再現を行なうものである。一般的なフルカラー電子写真法は、まず原稿をイエロー、マゼンタ、シアン、黒色に色分解し、各色ごとに光導電層上に静電潜像を形成する。次に現像、転写工程を経てトナーは記録媒体上に保持される。次いで前述の工程を順次複数回行い、位置を合せつつ、同一記録媒体上にトナーは重ね合せられる。そして一回の定着工程によってフルカラー画像を得る。このように色の異なる数種のトナーを重ね合せる点が白黒電子写真法とフルカラー電子写真法との大きな違いである。フルカラー電子写真法に用いられるカラートナーは、定着工程で多色トナーが十分混合することが必要であり、十分混合することで色再現性やOHP画像の透明性が向上し、画質の高いフルカラー画像を得ることができる。白黒プリント用黒トナーと比べてカラートナーはこの混色性を高めるために、一般的にシャープメルトの低分子量樹脂で形成されることが望まれる。
【0004】
従来の白黒プリント用黒トナーにおいては、定着時にトナー像と熱ローラ等の定着機が加熱溶融状態で接触するため、トナー像の一部が熱ローラ表面に付着して転移する、いわゆるオフセット現象を防止する為に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性の高い、比較的融点の高いワックスが内包されている。一般に白黒プリント用黒トナーのように、高粘性トナーの場合には、トナーの熱溶融時の分子間凝集力が強いため、ワックスが少量染み出すことでオフセットが防止できる。
【0005】
一方で、フルカラートナーのように2色以上のトナーを重ね合わせて発色させたり、OHP画像の透明性を持たせるためにフラットな定着像表面を作製する必要がある場合には、低粘度化し熱溶融性を増す必要がある。この場合、耐オフセット性に対して十分な効果を出すためにはワックスを多量に添加する必要がある。しかしながら、溶融混練/粉砕法で作製したトナーの場合、トナーの表面にワックスが露出するトナー構造になるために、トナー表面に露出した大量のワックスが感光体へのフィルミングをおこしたり、キャリアや現像スリーブの表面を汚染しやすく、画像が劣化しやすい。
【0006】
このため、通常のフルカラー用のカラートナーはワックスを含まず、このオフセットを防止することを目的に加熱定着ローラー表面をトナーに対する離型性に優れたシリコンゴムやフッ素樹脂で形成し、更にその表面にシリコーンオイル等の離型性液体を供給する方法がとられている。この方法はトナーのオフセット現象を防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止液を供給するための装置が必要になる等の問題がある。これは、小型化、軽量化と逆の方向であり、また、オフセット防止液が加熱されて蒸発して不快臭を与えることや、機内の汚染を生じることがある。
【0007】
このような問題を生じることから、フルカラー用のカラートナーには、シャープメルトの低分子量樹脂を用いて、低融点ワックスを少量だけ内包し、加熱定着ローラー表面に離型性液体を供給することなしに定着する事が可能であるトナーが検討されている。
【0008】
この検討の一つとして、結着樹脂の分子量分布の制御を目的とした、種種の報告がなされている。一般に、低分子量の樹脂は粘度が低くシャープメルトであり、低温定着やフラットな定着画像形成には有利であるが、耐オフセット性に劣る。また、高分子量の樹脂は粘度が高く耐オフセット性には有利であるが、低温定着やフラットな定着画像形成には不利である。
【0009】
そこで、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂とを組み合わせるたり、分子量分布を規定することにより、低温定着性と耐オフセット性の両方を満足させようとする試みがいくつかある。たとえば、分子量分布を規定したものとして、特開平10−207126号公報のようなMw/Mnの値を規定したもの、特開平10−63035号公報のような3つの極大値を持つもの、特開平10−228131号公報、特開平3−278067号公報のような低分子量成分と高分子量成分の比率を細かく規定したもの、などがある。
【0010】
しかしながら、特開平10−207126号公報、特開平10−228131号公報に開示されたような広い分布を持つ分子量分布では、高分子量成分の比率が多く、低温定着やOHP透明性が十分ではない。また、特開平10−63035号公報では分子量500〜1000という非常に分子量の低い領域にピークを持っていたり、特開平3−278067号公報には分子量分布が10000以下の割合が55%〜80%であるようなトナーが開示されているが、これらのトナーには、トナー中の低分子量成分成分を多く含むために定着工程においてオイルを供給しない定着方法を取るのが困難である。仮に、定着温度範囲を厳密に制御してオイルを供給しない定着方法が使用できたとしても、これらのトナーを用いると定着工程において、特に坪量が小さい紙や吸湿した紙上には、紙が加熱部材に巻きつくという巻き付き現象が起きてしまう。したがって、定着工程で剥離補助部材等を用いて、紙の巻き付きを防止することにより、定着可能な定着温度範囲を若干広げて、定着するしかなかった。
【0011】
ここで、図2に剥離補助部材を備える定着装置の一例を示す。図2に示す定着装置は、加熱部材1と加圧部材2との2つのロールからなり、搬送ベルト4を介して圧接されている。加熱部材(加熱ロール)1と加圧部材(加圧ロール)2と接触点(ニップ部)付近の搬送ベルト3上には剥離補助部材3が備えられている。このような剥離補助部材3は、その取り付けにおいて、加熱部材1、加圧部材2及び剥離補助部材3の位置を厳密に制御しなければならず、電子写真装置の組み立て工程効率が非常に悪くなる。また、剥離補助部材3の位置精度不良や電子写真装置が保証している以外の小さい坪量の紙をユーザーが使用することにより、一旦、紙が加熱部材に巻きつくと、紙は加熱材と剥離補助部材との僅かな隙間に詰まってしまい、詰まった紙の除去が非常に困難となってくる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、加熱加圧定着において実質的にオイルを塗布することなく、しかも剥離補助部材等を用いずに、低温定着性、OHP透明性、耐オフセット性、及び巻き付き防止特性に優れ、高い光沢度の定着画像を形成し得る静電荷像現像用トナー、2成分系静電荷像現像用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1>少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有してなるトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーのテトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布における、分子量5000以下の範囲に分布する重量割合が20重量%以下であり、分子量5000〜10000の範囲に分布する重量割合が10%〜20%であり、分子量10000〜50000の範囲に分布する重量割合が40%〜60%であり、分子量105〜106の範囲に分布する重量割合が5%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<2>前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含むことを特徴とする2成分系静電荷像現像用現像剤である。
<3>潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナーにより該静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を加熱材及び加圧材とを用いて定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、該トナーが前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(静電荷像現像用トナー)
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有してなるトナー粒子を含んでなり、該トナーのテトラヒドロフラン(THF)溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布における、分子量5000以下の範囲に分布する重量割合が20%以下であり、分子量5000〜10000の範囲に分布する重量割合が10%〜20%であり、分子量10000〜50000の範囲に分布する重量割合が40%〜60%であり、分子量105〜106の範囲に分布する重量割合が5%以下である。なお、以下、この分子量分布を「特定の分子量分布」ということがある。
また、好ましくは、トナー粒子のTHF溶解成分のGPCによる分子量分布における、分子量5000以下の範囲に分布する重量割合が18%以下(より好ましくは15%以下)であり、分子量5000〜10000の範囲に分布する重量割合が10%〜18%(より好ましくは10%〜15%)であり、分子量10000〜50000の範囲に分布する重量割合が45%〜60%(より好ましくは50%〜60%)であり、分子量105〜106の範囲に分布する重量割合が3%以下(より好ましくは1%以下)であることがよい。
【0015】
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記特定の分子量分布を有することで、加熱加圧定着において実質的にオイルを塗布することなく、しかも剥離補助部材を用いずに、低温定着性、OHP透明性、耐オフセット性、及び巻き付き防止特性に優れ、高い光沢度の定着画像を形成できる。このため、トナーのTHF溶解成分のGPCによる分子量分布における、分子量5000以下の範囲に分布する重量割合が20重量%より多い場合は、耐オフセット性が著しく劣ってしまう。分子量5000〜分子量10000の範囲に分布する重量割合が10%未満の場合は定着部材(例えば加熱部材等)への巻き付き性が低下してしまうし、一方20%より大きい場合は低温定着性が失われてくる。分子量10000〜分子量50000の範囲に分布する重量割合が40%未満だと加熱部材への巻き付き性が低下してしまうし、一方60%より大きいと低温定着性が失われてくる。分子量105〜106の範囲に分布する重量割合が5%より大きいと、低温定着性とOHP透明性が著しく低下してしまう。
【0016】
ここで、図1に本発明の静電荷像現像用トナーにおける特定の分子量分布の一例を示す。図1に示す特定の分子量分布は、分子量と、その微分分子量分布値(%)との関係を示したものである。このように、本発明においては、低分子量成分の量を少なくすることで耐オフセット性を向上させ、さらに高分子量成分を少なくすることで、低温定着性やOHP透明性、フラットな定着画像形成性能を高めている。言いかえると、分子量分布を狭くし、低分子量成分と高分子量成分の量を制御することで、フルカラートナーに求められている諸特性を同時に満足することを可能としている。さらに本発明では、低分子量成分、中分子量成分、高分子量成分の各量を厳密に制御することにより、定着部材(例えば加熱部材等)への巻き付き性を低下させることができる。この定着部材への巻き付き防止特性は、トナーの分子量分布と大きな相関があるためと考えられ、トナー中の低分子量成分が多いと巻き付き性は大きくなるし、低分子量成分が少なくてもトナー中の中・高分子量成分が少なすぎると巻き付き性は大きくなると推測される。
【0017】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、特定の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
【0018】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、上記特定の分子量分布を有するトナーは、トナー粒子を構成する結着樹脂、着色剤、ワックス、及びその他の内添剤と、外添剤との種類或いは量を適宜選択することで得ることができる。以下、各材料はについて詳しく説明する。ただし、これら各材料は、従来公知の材料を用いることができ、これら具体例に限定されることはない。
【0019】
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のa−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;等の単独重合体あるいは共重合体を挙げられる。
【0020】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、変性ロジン、パラフィン、ワックス類も挙げられる。
【0021】
この中でも、ポリエステル樹脂が特に好ましい。ポリエステル樹脂は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分から重縮合により合成することができる。ポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノール−Aエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリオール成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸1,2,5ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸およびそれらの無水物が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂としては、ポリオール成分としてビスフェノールAと、ポリカルボン酸成分として多価芳香族カルボン酸とを主単量体成分とした重縮合物よりなる線状ポリエステル樹脂が特に好適に使用することができる。
【0022】
結着樹脂としては、軟化点90〜150°C、ガラス転移点55〜75°C、酸価5〜30、水酸基価5〜40等の物性値を示す樹脂が特に好ましく使用できる。
【0023】
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを代表的なものとして挙げられる。
【0024】
ワックスとしては、70〜100℃の温度範囲に融点を有するものが好ましい。この融点が、70℃未満ではワックスの変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりすることがある。一方100℃を超える場合には、ワックスの変化温度が高すぎることがあり、高温での定着を行えばよいが、省エネルギーの観点で好ましくない。
【0025】
ワックスとしては、110℃において1〜200mPa・s(1〜200センチポアズ)の溶融粘度を示すものが好ましく、より好ましくは1〜100mPa・s(1〜100センチポアズ)の融解粘度を示すものである。この溶融粘度が1mPa・s未満では、混錬粉砕法においてはワックスの粘度が低すぎてトナー粒子中への分散性が悪化する場合がある。一方、200mPa・sより高いとトナー粒子からの溶出が弱く、定着剥離性が不十分となってしまうことがある。
【0026】
ワックスのトナー粒子に対する添加量は、5wt%〜10wt%であることが好ましく、より好ましくは5〜8wt%である。この添加量がが5%より少ないと、十分な定着ラチチュード(トナーのオフセットなしに定着できる定着部材温度範囲)が選られなくなることがあ。一方、10wt%より多いと、トナー粒子中から脱離して遊離しているワックス量が増えて、現像剤担持体への汚染が生じ易くなる。また、トナー粒子の粉体流動性が悪化し、静電潜像を形成する感光体表面に遊離ワックスが付着して、静電潜像が正確に形成できなくなることがある。さらにワックスは結着樹脂と比較して透明性が劣る為、OHP等の画像の透明性が低下して、くろずんだ投影像となってしまうことがある。
【0027】
ワックスとしては、特に示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で吸熱開始温度が40℃以上であるものが好ましく、より好ましくは50℃以上である。この吸熱開始温度が40℃未満であると複写機内やトナーボトル内でトナー粒子の凝集が発生してしまうことがある。吸熱開始温度はワックスを構成する分子量分布のうち、低分子量のものやその構造のもつ極性基の種類、量で左右される。一般に高分子量化すれば融点とともに吸熱開始温度も上昇するが、このやり方ではワックス本来の低溶融温度と、低粘度をそこなってしまう。よってワックスの分子量分布のうち、これら低分子量のものだけを選別してのぞくことが有効であるが、この方法として、分子蒸留、溶剤分別、ガスクロマトグラフ分別等の方法がある。
【0028】
ワックスとして具体的には、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等のワックスから得られるものが好適である。ここで誘導体とは酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、ワックスとしては、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も利用できる。
【0029】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子中に無機微粒子を内部添加することが好ましい。この無機微粒子をトナー粒子中に内部添加することで、ワックスの分散を細かく均一にすることが可能となり、ワックスの分散が細かくなることで粉体流動性が向上し、画像形成装置内部(例えば現像器内部)の汚染を少なくすることができる。また、特性、特に耐オフセット性が向上し、加熱部材への巻き付き性をさらに改良することができる。これは、トナー粒子中に無機微粒子を内部添加することで、トナー粒子の損失弾性率をあまり大きくせずに、貯蔵弾性率を大きくさせることが可能となるためであると推測される。貯蔵弾性率が大きくなるために、トナー粒子にゴム弾性特性が付与され、定着部材(例えば加熱部材)への巻き付き性をさらに低下させることができる。無機微粒子の添加量の制御によって、損失弾性率をあまり大きくさせることなく、貯蔵弾性率を大きくできるため、トナー粒子の低温定着性は損なわれない。
【0030】
無機微粒子の添加量としては2%〜10%であることが好ましく、より好ましくは3%〜8%である。この無機微粒子の添加量が2%未満であるとトナー粒子の貯蔵弾性率を大きくする効果が実質的になくなってしまうことがある。一方、10%より大きいとトナーの損失弾性率も大きくなってしまい、低温定着性が失われてくることがあり、また、定着画像表面が凹凸を持った構造になりカラー画像の色再現範囲が小さくなってしまうことがある。
【0031】
無機微粒子として具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等、公知の無機化合物を特に限定することなく使用することができ、これらは、単独ではもちろん、2種以上を混合して用いることもできる。本発明において、これらのなかでは、OHP透明性の観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ微粒子が好ましい。このようなシリカ微粒子としては、具体的には無水シリカの他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、などを含有するものであってもよいが、屈折率が1.5以下となるような組成のものが好ましい。また、シリカ微粒子は種々の方法を用いて表面処理されたものでもよい。具体的には例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル、などにより表面処理されたものが好ましく用いことができる。
【0032】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、トナー粒子中に脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂を、ワックスの分散性を向上させる目的で添加することも可能である。ここでいう、脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂とは、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィンおよびモノオレフィンを原料として合成されたものであり、具体的にはイソプレン、ピペリレン、2−メチル−ブテン−1、2−メチルブテン−2から選ばれる少なくも1種以上の脂肪族炭化水素モノマーと、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、イソプロペニルトルエンから選ばれる少なくも1種以上の芳香族炭化水素モノマーとを共重合させたものが好ましい。
【0033】
ここで、芳香族炭化水素モノマーとしては、モノマー純度の高いピュアモノマーを使用すると、樹脂の着色や、加熱時の臭気を低く押さえることができるのでより好ましい。芳香族炭化水素モノマーの純度としては95%以上が好ましく、より好ましくは98%以上である。芳香族炭化水素モノマーは、炭素数が9以上のモノマーからなり、このモノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂の場合には、炭素数が9未満の芳香族炭化水素モノマーと脂肪族炭化水素モノマーから得られる共重合石油樹脂に比べて結着樹脂、例えば、ポリエステル樹脂との相溶性がより高くなる点から好ましい。
【0034】
芳香族炭化水素共重合石油樹脂の添加量としては、2%〜10%であることが好ましい。この添加量が2%未満ではワックスの分散性向上の効果が小さくなることがある。一方、10%より多くなるとワックスがトナー用樹脂(結着樹脂等)に分散するのではなく、主として芳香族炭化水素共重合石油樹脂自身と相溶してしまい、ワックスのトナーにおける離型材としての効果が小さくなってしまうことがある。
【0035】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子中には、その他、内添加剤として帯電を調整する帯電制御剤を一つ以上含んで構成してもよい。また、トナー粒子の粉砕性や熱保存性を満足するために石油系樹脂を含んでもよい。石油系樹脂とは石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィンおよびモノオレフィンを原料として合成されたものである。
【0036】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、さらに、トナー粒子表面に無機粉、樹脂粉を、長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させる目的で単独又は併用して外部添加してもよい(外添剤)。無機粉としては例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛等が挙げられる。樹脂粉としてはPMMA、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミン、フッ素系等の球状粒子;塩化ビニリデン、脂肪酸金属塩等の不定形粉末等が挙げられる。これらの無機粉、樹脂粉をトナー粒子表面に外部添加する場合、それぞれの添加量は、トナー粒子に対して0.2〜4重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3重量%である。
【0037】
本発明の静電荷像現像用トナーは、混練・粉砕製法、乳化重合、懸濁重合等の化学製法等、公知の方法によって作製することが可能である。ここでは一例として混練・粉砕製法での作製方法について述べる。混練・粉砕製法では、上記内部添加剤をトナー粒子内部に添加するのは混練処理で行われる。この時の混練としては各種の加熱混練機を用いて行うことができる。加熱混練機としては、三本ロール型、一軸スクリュー型、二軸スクリュー型、バンバリーミキサー型が知られている。また、トナー粒子の粉砕や分級の製造法は任意である。上記混練物の粉砕は、例えばマイクロナイザー、ウルマックス、Jet−o−マイザー、KTM(クリプトン)、ターボミル、I式Jet−Mill等挙げられる。分級は、コアンダー効果を用いた風力式のエルボージェット等が挙げられる。また、分級の際或いはその後工程としてハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を加えることで形状を変化することができ、熱風による球形化も可能である。
【0038】
(2成分系現像剤)
本発明の2成分系現像剤は、前記本発明の静電現像用トナーとキャリアとを含んでなる。キャリアは、公知のキャリアであれば特に制限されるものでなく、例えば、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリア、表面コートフェライトキャリア等が好適に挙げられる。
【0039】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナーにより該静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を加熱材及び加圧材とを用いて定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、該トナーが前記本発明の静電荷像現像用トナーである。本発明の画像形成方法は、トナーとしてとして前記本発明の静電荷像現像用トナーを用いることで、加熱加圧定着において実質的にオイルを塗布することなく、しかも剥離補助部材等を用いずに、低温定着性、OHP透明性、耐オフセット性、及び巻き付き防止特性に優れ、高い光沢度の定着画像を形成し得る。
【0040】
定着工程において、加熱材及び加圧材の表面は、シリコーン樹脂或いはフッ素樹脂で形成されていることが好ましく、フッ素樹脂で形成されているのが、トナーに対しての離型性の点からより好ましい。このようなフッ素系樹脂の具体例としては、例えば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンとの共重合体が好適に挙げられる。
【0041】
定着工程においては、加熱材及び加圧材の表面に、実質的にシリコーンオイル等の剥離性液体を用いずに定着を行うことができる。離型性液体は定着ラチチュードに対しては有効であるが、定着される転写材に転移するため、ベトツキがあり、また、テープを貼れない、マジックで文字を書き加えられない等の問題がある。これはOHPについて顕著である。また、離型性液体は定着表面の荒さをスムーズにできないので、OHP透明性の低下の要因にもなっている。しかし、前記本発明の静電荷像現像用トナーが、十分な定着ラチチュードを示すので、定着部剤(例えば定着ロール等)に塗布される離型性液体は実質的に用いることなる定着を行うことができる。。ただし、高速印刷に対応する場合などには、わずかな離型性液体の供給も可能である。この場合の供給量は、例えば、A4用紙1枚当たりで1μl以下でよい。この程度の範囲にあれば、前述の諸問題は実質上回避できる。
【0042】
定着工程においては、剥離補助部材を用いることなく定着を行うことができる。本発明の画像形成方法においては、前記本発明の静電荷像現像用トナーを用いることで、定着部材への巻き付きを防止することができるため、剥離補助部材を用いることなく定着を行うことができる。
【0043】
本発明の画像形成方法においては、上記定着工程以外の工程は、特に制限はなく従来公知の方法にて行うことができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中の「部」とはすべて「重量部」を示す。
【0045】
[結着樹脂の作製]
表1に従ってモノマーを選択し、種種の分子量分布をもつ7種類の線状ポリエステル1〜7の結着樹脂を作製した。また、これらの数平均分子量(Mn)も示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003885471
【0047】
[トナーの作製]
<トナー粒子1>
―組成―
線状ポリエステル1 84部
マゼンタ顔料(C.I.ピグメント・レッド57:1) 6部
マイクロクリスタリンワックス(融点85℃) 5部
芳香族炭化水素共重合石油樹脂 5部
【0048】
上記組成物をエクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒、粗粒を分級し平均粒子径d50=6.8μmのマゼンタトナー粒子1を得た。
【0049】
<トナー粒子2>
線状ポリエステル2 76部
マゼンタ顔料(C.I.ピグメント・レッド57:1) 6部
シリカ微粒子(R972日本アエロジル社製) 5部
マイクロクリスタリンワックス(融点85℃) 5部
芳香族炭化水素共重合石油樹脂 8部
【0050】
上記組成物をエクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒、粗粒を分級し平均粒子径d50=7.8μmのマゼンタトナー粒子2を得た。
【0051】
<トナー粒子3>
線状ポリエステル3を用いたこと以外はトナー1と同様にして平均粒子径d50=6.2μmのマゼンタトナー粒子3を得た。
【0052】
<トナー粒子4>
線状ポリエステル4を用いたこと以外はトナー1と同様にして平均粒子径d50=6.5μmのマゼンタトナー粒子4を得た。
【0053】
<トナー粒子5>
線状ポリエステル5を用いたこと以外はトナー1と同様にして平均粒子径d50=7.9μmのマゼンタトナー粒子を得た。
【0054】
<トナー粒子6>
線状ポリエステル6を用いたこと以外はトナー1と同様にして平均粒子径d50=7.5μmのマゼンタトナー粒子6を得た。
【0055】
<トナー粒子7>
線状ポリエステル7を用いたこと以外はトナー1と同様にして平均粒子径d50=6.8μmのマゼンタトナー粒子7を得た。
【0056】
これらトナー粒子1〜7を用い、トナー粒子100部に対して負帯電性シリカ1.2部、負帯電性チタニア0.7部を添加してトナー1〜7を作製した。なお、トナー粒子1〜7の分子量分布の測定結果を表2に示す。なお、この分子量分布は、上述に示した通り行った。
【0057】
【表2】
Figure 0003885471
【0058】
[現像剤の作製]
平均粒子径50μmのMn−Mgフェライトにスチレン−メチルメタクリレート共重合体を被覆したキャリア100部に対して、それぞれトナー1〜7を6部を添加、混合して現像剤1〜7を作製した。
【0059】
(実施例1〜2、及び比較例1〜5)
現像剤1〜7を用い、電子写真複写機(A−Color935、富士ゼロックス社製)を改造したテスト機によって、剥離補助部材を使用せずにコピーテストを行った。このときの定着ローラの周速は100mm/secに設定した。テストにはA4の転写紙に縦5cm、横4cmのソリッド未定着トナー像を作製した。このときトナー量が0.5mg/cm2、1.5mg/cm2となるように、トナー像を作製し、以下に示す評価を行った。結果を表3に示す。
【0060】
−定着可能温度領域−
トナー量1.5mg/cm2のソリッド未定着トナー像を用い、定着ロール温度が自由に設定でき、モニターできるように改造した前記A−Color630を用いて、定着ロールへの離型剤オイル供給をとめて実質上定着ロール(定着部材)表面に離型剤オイルが存在しない状態でテストを行った。即ち、定着ロール表面温度を段階的に変化させ、各表面温度において上記トナー像を保持する転写紙を用いて未定着トナー像の定着を行った。この際、紙の余白部分に定着ロールからのトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない最高温度を定着可能温度領域の上限温度とした。また実験中に加熱ロールへの紙の巻き付きが起きた場合には、その温度で耐オフセット性の実験を中止し、巻き付きの生じない最高温度を定着可能温度領域の上限温度とした。
また、トナー量0.5mg/cm2のソリッド未定着トナー像を用い、定着ロールへの離型剤オイル供給をとめて実質上定着ロール表面に離型剤オイルが存在しない状態で、定着ロール表面温度を段階的に変化させ、各表面温度において上記トナー像を保持する転写紙を用いて未定着トナー像の定着を行った。
このときの定着試料の光沢度をGloss Meter(村上色彩工学研究所製)を用いて75度の光沢度を測定した。各温度で選られた光沢度のなかで、最も低い温度で光沢度40を超える温度を定着可能温度領域の下限温度とした。
【0061】
−低温定着性−
低温定着性は、定着可能温度領域の下限温度が135度未満を○、135度以上145度未満を△、145度以上を×として評価した。
【0062】
−オフセット性−
耐オフセット性は、定着可能温度領域の上限温度が180度以上を○、170度以上180度未満を△、170度未満を×として評価した。
【0063】
−定着部材巻き付き性−
定着部材巻き付き性は、定着可能温度領域の上限温度、即ち巻き付きの生じない最高温度が、180℃以上を○、170℃以上180℃未満を△、170℃未満を×として評価した。
−OHP透過性−
トナー量0.5mg/cm2のソリッド未定着トナー像を用い、定着ロールへの離型剤オイル供給をとめて実質上定着ロール表面に離型剤オイルが存在しない状態で、160℃におけるテストを行った。この定着像の透過光に対する直進光の割合を求め、OHP透過性とした。具体的には、透過光の直進光成分としては見こみ角3.5度で集光した値を用い、見こみ角45度で集光した値との比率で透過光率(%)を求めた。また、OHP透明性は、この透過光率(%)が80%以上を○、70%以上80%未満を△、70未満を×として評価した。
【0064】
【表3】
Figure 0003885471
【0065】
表3の結果から明らかなように、実施例1〜2では、用いたトナーが、上記特定の分子量分布を有するため、定着部材(加熱部材)に離型性液体を供給せずに、しかも剥離補助装置を取り付けない状態で低温定着性、耐オフセット性、OHP透明性、巻き付き防止特性のすべてを満足することができる。また、実施例2においては、無機微粒子をトナー粒子内部に含んでいるために、定着可能温度範囲が60℃以上と広く、非常に優れた特性を示すことがわかる。
【0066】
比較例1では、用いたトナーが分子量5000以下の割合、分子量5000〜分子量10000の範囲に分布する重量割合、分子量10000〜分子量50000の範囲に分布する重量割合、分子量105〜106の範囲に分布する重量割合の全てにおいて、上記特定の分子量分布の条件を満たしていないために、耐巻き付き性やOHP透明性が非常に悪いことがわかる。
【0067】
比較例2では、用いたトナーが分子量5000以下の割合が、上記特定の分子量分布の条件を満たしていないために、耐巻き付き性が非常に悪いことがわかる。
比較例3では、用いたトナーが分子量5000〜分子量10000の範囲に分布する割合が3.8%と、上記特定の分子量分布の条件である10%〜20%を満たしていないために、光沢度が低く、低温定着性が悪いことがわかる。
比較例4では、用いたトナーが分子量10000〜分子量50000の範囲に分布する割合が32.7%と、上記特定の分子量分布の条件である40%〜60%を満たしていないために、光沢度が低く、低温定着性が悪いことがわかる。
比較例5では、用いたトナーが分子量105〜106の範囲に分布する重量割合が13.5%と、上記特定の分子量分布の条件である5%以下を満たしていないために、低温定着性やOHP透明性がに悪くなっていることがわかる。
【0068】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、加熱加圧定着において実質的にオイルを塗布することなく、しかも剥離補助部材等を用いずに、低温定着性、OHP透明性、耐オフセット性、及び巻き付き防止特性に優れ、高い光沢度の定着画像を形成し得る静電荷像現像用トナー、2成分系静電荷像現像用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の静電荷像現像用トナーにおける特定の分子量分布の一例を示す概要図である。
【図2】 剥離補助部材を備える定着装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 加熱部材
2 加圧部材
3 剥離補助部材
4 搬送ベルト

Claims (3)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有してなるトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーのテトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布における、分子量5000以下の範囲に分布する重量割合が20重量%以下であり、分子量5000〜10000の範囲に分布する重量割合が10%〜20%であり、分子量10000〜50000の範囲に分布する重量割合が40%〜60%であり、分子量105〜106の範囲に分布する重量割合が5%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含むことを特徴とする2成分系静電荷像現像用現像剤。
  3. 潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナーにより該静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、該転写画像を加熱材及び加圧材とを用いて定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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