JP3884986B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベーンリングでベーンの内端面を支持するベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のベーンポンプとして、特開2000−97166号公報に記載された発明が知られている。この従来のベーンポンプは、例えばこのベーンポンプの始動時などでも、低回転で十分な吐出圧を得ることができるように、ベーンリングでベーン内端面を支持し、ベーン外端面をカムリングの内周に積極的に接触させるようにしている。
図12はこの従来例と同様のベーンポンプの断面図である。
【0003】
図示したように、ケーシング1に収納穴2を形成し、この収納穴2に、カムリング3を挿入している。上記カムリング3の内周には、略楕円形のカムリング孔4を形成している。そして、このカムリング孔4にロータ5を回転自在に組み込んでいる。このロータ5には、放射状にベーン溝6を形成し、このベーン溝6に対して突出自在とした複数枚のベーン7を組み込んでいる。
また、上記ベーン溝6の内径側端部には、ロータ5に吐出側の高圧を導く背圧導入溝8を設けている。
【0004】
また、上記カムリング3の内側には、ベーンリング9を設けている。このベーンリング9は、上記カムリング3のカムリング孔4と略相似形の楕円形にしている。
上記ベーンリング9は、図示しないサイドプレートとこのサイドプレートに隣接したロータ5との間に設け、このサイドプレートとロータ5とによってベーンリング9を覆うようにしている。すなわち、サイドプレートにベーンリング9をはめるための溝を設け、ベーンリング9の一方の面をはめる。また、ロータ5にも、ベーンリング溝5aを設け、ベーンリング9の他方の面をはめるようにしている。
【0005】
上記サイドプレートおよびベーンリング9は、回転することなく固定される。したがって、サイドプレート9にはベーンリング9とほぼ同じ断面を有した楕円形の溝を設け、この溝にベーンリング9をはめるようにしている。
一方、上記ロータ5は、回転可能に設けているので、上記ベーンリング9に対して相対回転する。このようにロータ5を回転可能にするためには、このロータ5が回転したとき、ベーンリング溝5aと、このベーンリング溝5aにはめたベーンリング9とがぶつからないようにしなければならない。ベーンリング溝5aとベーンリング9とがぶつからないようにするためには、ベーンリング溝5を円形とし、かつ、この円形の直径をベーンリング9の長径としている。
【0006】
上記のようなベーンリング9の外周は、上記ベーン7の内端面7aに接触し、このベーン7の内端面7aを支持するようにしている。
また、ベーンリング9をカムリング孔4と略相似形にすることによって、ベーンリング9とカムリング孔4とのベーン7突出方向での距離を等しくすることができる。このベーンリング9とカムリング孔4との距離は、具体的にはベーン7突出方向でのベーン7の長さに若干の寸法をプラスした長さとしている。
【0007】
上記したように、ベーンリング9およびカムリング孔4間の距離をベーン7の長さに若干の寸法をプラスした理由は以下の通りである。すなわち、以下に説明するようにベーン7をカムリング孔4に沿って摺動させるために、ベーンリング9およびカムリング孔4間の距離と、ベーン7との間にすき間が必要となるからである。もし、上記ベーンリング9およびカムリング孔4の距離をベーン7の長さにぴったりと一致させれば、ベーン7とカムリング孔4との摺動性が悪くなる。したがって、上記ベーンリング9およびカムリング孔4間の距離をベーン7の長さよりもわずかに大きくしてクリアランスを保つようにしている。
【0008】
さらに、ベーンリング9とカムリング孔4との距離は、すべての場所で一致するわけではない。それは、場所によってはベーンリング9とカムリング孔4との間でベーン7が垂直に支持されずに、斜めに支持されるからである。このようにベーン7が斜めに支持されたところでは、垂直に支持されたところに比べてその距離が短くなる。したがって、ベーンリング9の形状が、カムリング孔4の形状に対して完全な相似形ではなく、略相似形となる。
【0009】
上記のような構成において、ロータ5の中心に組み込んだシャフト10を回転させると、この回転にともなって上記ロータ5が回転する。
ロータ5が回転すると、吐出圧がロータ5に設けたベーンリング溝5aを介して背圧導入溝8に導かれる。この背圧導入溝8に導かれた吐出圧と、遠心力とによって、上記ベーン7の外端面7bが、カムリング3のカムリング孔4に押し付けられる。このようにベーン7の外端面7bがカムリング孔4押し付けられた状態で、ロータ5が回転することによって、各ベーン7間に形成された室の容積が順次変化することになる。
【0010】
そして、上記ロータ5を矢印k方向に回転させた場合、ベーン7間の室の容積が大きくなる工程、すなわち、一点鎖線Sで示す容積拡大領域では、作動油を吸い込むことになる。
一方、ベーン7間の室の容積が小さくなる工程、すなわち、一点鎖線Tで示す容積縮小領域では、上記吸い込んだ作動油を吐出することになる。
上記ベーンポンプでは、上記のようにして作動油を吐出することができる。
【0011】
また、上記ベーンリング9を設けることによって、例えばベーンポンプの作動開始時など、ロータ5の回転数が低いときや、背圧導入溝8の圧力が低下したときでも、ベーン7が確実にカムリング3のカムリング孔4に接触させることができる。なぜなら、上記ベーン7の外端面7bとカムリング孔4との間にはわずかなすき間しかないので、上記遠心力が小さかったり、あるいは、背圧導入溝8の圧力が低かったりした場合でも、外端面7bを確実にカムリング孔4に確実に押し付けることができるからである。
【0012】
これに対して、上記ベーンリング9を設けていない場合には、上記ベーンポンプの作動開始時には、十分な遠心力が得られないだけでなく、背圧導入溝の圧力も十分に得られない。したがって、ベーン7がカムリング孔4にしっかりと接触しなくなり、ベーン7間の室を確実に形成することができなくなる。そして、吐出の応答性が悪くなってしまう。
したがって、上記ベーンリング9を設けることによって、上記作動開始時の応答性を良好に維持することができるようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例において、一点鎖線Tで示す容積減少領域では、その圧力が吐出圧であることから高圧になる。そして、この高圧がベーン7の外端面7bに作用する。このように、高圧がベーン7の外端面7bに作用すると、この高圧が内周面7aに作用する背圧導入溝8の圧力に抗して、ベーン7を内側に押し戻そうとする。上記ベーン7を内側に押し戻そうとする力が発生すると、背圧導入溝8の圧力が主にこの背圧導入溝8に圧力を導いているベーンリング溝5aを経て圧力孔18側に逃げる。背圧導入溝8の圧力が圧力孔18に逃げると、ベーン7が内側に押し戻されてしまう。
【0014】
これは以下の理由による。すなわち、上記ベーンリング溝5aは先に説明したように、その直径をベーンリング9の長径とした円形としなければならないので、どうしてもその大きさを比較的大きくしなければならない。このようにベーンリング溝5aを大きくすると、これに接続した背圧導入溝8からの圧力が戻りやすくなる。したがって、上記ベーンリング溝5aを設けることによって、ベーン7が内側に押し戻されてしまう。
なお、ベーンリングを装着していないベーンポンプでは、大きなベーンリング溝5aを設ける必要がないので、上記背圧導入溝8と連通する溝を非常に小さくすることができる。この溝が小さい場合には、この溝により絞り効果を与えてベーン7の押し戻しを抑制することが可能である。
【0015】
また、上記ベーン7が内側に押し戻されるもうひとつの理由として、カムリング孔4の形状によるものがある。すなわち、上記容積減少領域では、容積拡大領域とは反対に、カムリング孔4がロータ5方向に径を減少するような形状となっていることから、形状的にもベーン7の外周面7bをロータ5側に押し戻す力が作用し、ベーン7を内側に押し戻そうとする。
【0016】
上記のような2つの理由によって、上記ベーン7を内側に押し戻そうとする力が発生すると、背圧導入溝8の圧力が主にこの背圧導入溝8に圧力を導いているベーンリング溝5aを経て圧力孔18側に逃げる。このように、背圧導入溝8の圧油が圧力孔18側に移動してしまうことによって、上記ベーン7が内側に押し戻されて、カムリング孔4とベーン外周面7bとが離間するという、いわゆるジャンピング現象を起こしてしまう。
【0017】
上記ジャンピングによって、内側に押し戻されるベーン7の量というのは、微小であるが、上記ベーン7とベーンリング9との間にはわずかなすき間しかないので、ベーン7が微小に押し戻されただけでも、ベーン7の内端面7aがこのベーンリング9に接触してしまう。
上記ベーン7の内端面7aがベーンリング9に接触すると、異音の発生や摺動抵抗が増大することによる吐出効率の低下等が懸念される。さらに、この接触した部分のベーンリング9が摩耗し、この摩耗粉が油中に混入することがある。そして、この摩耗粉によりポンプに不具合が生じるという問題があった。
【0018】
この発明の目的は、ベーンが内側に押し戻されるジャンピングを防止することにより、異音や摩耗粉の発生を防止するだけでなく、吐出効率の低下等からくる不具合を防止できるベーンポンプを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ケーシングと、ケーシング内に設けたサイドプレートと、サイドプレートに隣接して設けたカムリングと、カムリング内周のカムリング孔に回転自在に組み込んだロータと、ロータ内に複数設けたベーン溝と、このベーン溝に組み込むとともにロータに対して放射状に突出自在のベーンと、ベーン溝の内端側に設けロータの背圧をベーンの内端面に作用させる背圧導入溝と、このベーンの内端面を支持するベーンリングとを備え、上記ロータの回転によってベーンとロータとカムリングとによって形成される室の容積が縮小する容積縮小領域と、上記室の容積が拡大する容積拡大領域とが形成され、上記容積拡大領域では油を吸い込み、上記容積縮小領域では油を吐出するベーンポンプにおいて、ベーンリングで容積縮小領域の背圧導入溝を塞いだことを特徴とする。
【0020】
第2の発明は、サイドプレートとベーンリングとの相対回転を防止する回転防止機構を備えたことを特徴とする。
第3の発明は、ベーンリングは、サイドプレートに組み込む台座部と、ベーンを支持する支持部とを有し、上記支持部の外周はカムリング孔と略相似形にするとともに、サイドプレートに上記台座部を組み込む組み込み凹部を形成したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜6は、この発明の第1実施形態を示している。この第1実施形態では、ベーンリング11とこのベーンリング11を組み込むサイドプレート12とに特徴を有する。この特徴以外の構成要素は、従来例とほぼ同じである。したがって、この従来例と同様の構成要素については、従来例と同じ符号を用いて説明する。また、この従来例と同様の構成要素については、その詳細な説明を省略する。
【0022】
図1は、ベーンポンプの全体断面図であり、図2は図1のII-II線断面における矢視図である。ただし、図2では、ケーシング1を省略している。
上記図1,2に示すようにケーシング1に収納穴2を形成し、この収納穴2に、サイドプレート12を収納している。そして、このサイドプレート12にベーンリング11を組み込む組み込み凹部13を形成し、この組み込み凹部13に上記ベーンリング11を組み込んでいる。
さらに収納穴2にはカムリング3を挿入している。上記カムリング3の内周には、図2に示すように略楕円形のカムリング孔4を形成している。そして、このカムリング孔4内にロータ5を回転自在に組み込んでいる。ロータ5には、突出自在とした複数枚のベーン7を放射状に組み込んでいる。
【0023】
また、上記ケーシング1には軸孔14を形成し、この軸孔14にシャフト10を回転自在に支持している。また、このシャフト10をロータ5の中心部分に貫通固定させて、シャフト10を回転させれば、ロータ5が回転するようにしている。
さらに、上記ケーシング1の端面にはカバー15を固定し、ケーシング1の収納穴2を塞いでいる。そして、このカバー15に形成した軸受穴16内で、上記シャフト10の先端を回転自在に支持している。
【0024】
また、ケーシング1には図1に示すように、高圧室17を形成し、この高圧室17に吐出した作動油を導くとともに、その圧力作用によってサイドプレート12全体を隣接するロータ5側に押し付けている。
さらに、上記サイドプレート12の圧力孔18、および、この圧力孔18と隣接するロータ5に設けた円還溝を介して、高圧室17の圧力をロータ5の背圧導入溝8a,8bに導いている。図2に示したように、上記背圧導入溝8a,8bに導かれた圧力は、ベーン7の内端面7aに作用し、このベーン7を外側に押し付けるようにしている。
【0025】
また、上記ベーンリング11は、図3,4に示したように、ベーン7の内端面7aを支持する支持部19と、台座部20とを備えている。上記支持部19は、図2に示したように、その外周をカムリング3のカムリング孔4と略相似形になるようにしている。
また、図4に示したように、サイドプレート12の組み込み凹部13に、上記ベーンリング11の台座部20を組み込むが、この組み込み凹部13は円形を有している。そして、上記台座部20は円形を切り欠いた形状にしているとともに、上記組み込み凹部13の円形と台座部20の円形とはその直径を一致させている。
したがって、上記台座部20を組み込み凹部13に組み込むと、ベーンリング11は組み込み凹部13の内周に沿って摺動するようになる。
【0026】
また、上記のように台座部20は円形を切り欠いた形状にしているが、図2に示したように、この台座部20が圧力穴18を塞がないようにしたためである。したがって、上記台座部20を、上記圧力穴18を避けるようにして、その円形を切り欠いた形状にしている。
【0027】
また、図4に示したように、上記組み込み凹部13の底面にはピン21,21を設け、ベーンリング11にはこのピン21,21に対応するピン穴22,22を形成している。このピン21とピン穴22とによって、この発明でいう相対回転防止機構を形成している。
上記ベーンリング11を組み込み凹部13に組み込んで、このベーンリング11を適当に回転させると、組み込み凹部13のピン21,21がベーンリング11のピン穴22,22に挿入される。このようにピン21をピン穴22に挿入することによって、ベーンリング11と組み込み凹部13との相対回転を防止することができる。
【0028】
また、図6に示したように、上記台座部20の高さは、上記組み込み凹部13の高さと一致させるようにしている。したがって、サイドプレート12にベーンリング11を組み込んだ場合、上記台座部20とサイドプレート12とが同一平面になる。一方、支持部19の高さは、上記組み込み凹部13の高さよりも高くなるようにしている。したがって、組み込み凹部13から支持部19が突出するようになる。
そして、上記突出した支持部19でベーン7の内端面7aを支持するようにしている。このように突出した支持部19でベーン7の内端面7aを支持するとともに、台座部20とサイドプレート12とが同一平面なるようにしているのでベーン7が回転しても、このベーン7が台座部20に引っかかることがない。
【0029】
さらに図2で示したように、上記ベーンリング11の支持部19は、一点鎖線Tで示した容積縮小領域に対応する部分の径方向を厚くして、この支持部19の一方の面19aで、この容積縮小領域に位置するロータ5の背圧導入溝8aを塞ぐようにしている。このように背圧導入溝8aを塞ぐことによって、圧力孔18との連通が遮断される。
また、上記ベーンリング11の支持部19は、容積縮小領域においては上記のようにその厚さを厚くしているが、一点鎖線Sで示した容積拡大領域においては、この容積拡大領域に位置する背圧導入溝8bを塞がないように、その径方向の厚さを薄くしている。このように容積拡大領域においては、背圧導入溝8bが塞がれないので、圧力孔18と背圧導入溝8bとが連通する。
【0030】
このような第1実施形態において、シャフト10を回転させると、容積拡大領域で油を吸い込み、容積縮小領域で作動油を吐出する。このとき容積縮小領域が高圧になって、この高圧がベーン7の外端面7bに作用して、ベーン7を内側に押すようになる。しかし、このベーン7の内端面7aには背圧導入溝8aからの背圧が作用するとともに、この背圧導入溝8aがベーンリング11の支持部19の一方の面19aによって塞がれている。このように背圧導入溝8aが塞がれることによって、この背圧導入溝8aの圧力を圧力孔18側に逃げ難くしている。
【0031】
したがって、容積縮小領域における上記背圧導入溝8aの圧力を高圧に維持することができ、ベーン7が内側に押し戻されるのを防止することができる。
上記ベーン7が内側に押し戻されるのを防止することができるので、ベーン7の内端面7aがベーンリング11に接触するという、いわゆるベーン7のジャンピング現象を防止することができる。したがって、異音や摩耗粉等が発生することもなく、さらには、摺動抵抗が増加することによる吐出効率低下等の不具合を防止することができる。
【0032】
また、容積拡大領域では、ベーンリング11の支持部19の径方向の厚さを薄くして、この容積拡大領域に位置する背圧導入溝8bを塞がないようにして、この背圧導入溝8bと圧力孔18とが連通するようにしている。したがって、この容積拡大領域では、圧力孔18を介して背圧導入溝8bに積極的に高圧を導くことができる。
しかも、ベーンリング11の台座部20も、上記圧力孔18を塞がないように、これを避けて形成しているので、より一層背圧導入溝8bに高圧を導きやすい。
【0033】
図7,8はこの発明の第2実施形態を示したものである。この第2実施形態では回転止め機構としてベーンリング23を装着した際、サイドプレート25に隣接する側の面に凸部24を形成している。そして、サイドプレート25の組み込み凹部26には、この凸部24に対応する凹部27を形成している。したがって、上記ベーンリング23の凸部24と、サイドプレート25の凹部27とをかみ合わせるだけで、サイドプレート25とベーンリング23との相対回転を防止することができる。
【0034】
また、この第2実施形態では、ベーンリング23の台座部28をサイドプレート25の組み込み凹部26に挿入する場合、上記凸部24と凹部27との位置関係を確認しないで適当に挿入しても、その後、ベーンリング23を回転させることによって上記凸部24と凹部27とをかみ合わせることができる。したがって、組み込み凹部26に台座部28を組み込む際に、特別な位置合わせが必要なく、その分、組み付け作業性すなわち組み付け効率が向上する。
上記のようにこの第2実施形態では、上記凸部24と凹部27とを容易にかみ合わせることで、簡単にしかも確実に、上記ベーンリング23とサイドプレート25との相対回転を防止することができる。
【0035】
この第2実施形態において、上記ベーンリング23とサイドプレート25以外は、第1実施形態と同様である。したがって、ここではこの第1実施形態と同様の構成要素についての詳細な説明を省略する。
また、容積縮小領域に位置する背圧導入溝8aをベーンリング23の支持部29の一方の面29aで塞ぐことによって、ベーン7が内側に押し戻されるのを防止することができる等の効果は上記第1実施形態と同様である。
【0036】
なお、この第2実施形態では、凸部24および凹部27を容積縮小領域に配置したものを図示して説明したが、これらの位置は、他の機能を阻害しないところであれば、円周上のどこに配置しても構わない。さらにその数はいくつあってもよい。また、ベーンリング23側に凹部を、サイドプレート25側に凸部を配置しても構わない。
【0037】
図9〜11はこの発明の第3実施形態を示している。図9に示したように、サイドプレート30にベーンリング31を組み込むための組み込み凹部32を形成するが、この組み込み凹部32は円形を切り欠いた形状にしている。すなわち、組み込み凹部32は、円周の一部を直線でカットした直線部33を形成するとともに、線対称の位置にも同様に直線部33を形成している。
また、ベーンリング31の台座部34も、上記組み込み凹部32に対応する2つの直線部35,35を形成している。
この第3実施形態では、上記組み込み凹部32の直線部33,33と、台座部34の直線部35,35とによって回転防止機構を形成している。
【0038】
上記サイドプレート30の組み込み凹部32にベーンリング31を組み込むときには、ベーンリング31の台座部34の直線部35,35と、組み込み凹部32の直線部33,33とを一致させるようにする。このように直線部33,35同士を一致させることによって、上記ベーンリング31とサイドプレート30とが相対回転することがない。
しかも、上記直線部33,35同士を一致させるようにして、台座部34を組み込み凹部32に組み込むことができるので、この台座部34と組み込み凹部32との位置合わせが非常に楽にできる。
【0039】
また、この第3実施形態において、上記ベーンリング31とサイドプレート30以外は、第1実施形態と同様である。したがって、ここではこの第1実施形態と同様の構成要素についての詳細な説明を省略する。
また、容積縮小領域に位置する背圧導入溝8aをベーンリング31の支持部36の一方の面で塞ぐことによって、ベーン7が内側に押し戻されるのを防止することができる等の効果は上記第1実施形態と同様である。
なお、この第3実施形態では、回り止め機能をする直線部33,35を対称的に2つ設けることとしたが、どちらかひとつでも構わない。また、回り止め機能を果たすように円周方向にガタなくかみ合っているものであれば、直線形状でなくても構わない。
【0040】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ベーンリングで容積縮小領域の背圧導入溝を塞ぐこととしたので、背圧導入溝の圧力を高圧に維持することができ、ベーンが内側に押し戻されるのを防止することができ、ベーンの内端面がベーンリングにぶつかることがない。したがって、異音や摩耗粉等が発生することもなく、さらには摺動抵抗が増加することによる吐出効率低下等の不具合を防止することができる。
【0041】
第2の発明によれば、サイドプレートとベーンリングとの相対回転を防止する回転防止機構を備えたので、サイドプレートとベーンリングとの相対回転を防止することができる。
【0042】
第3の発明によれば、ベーンリングは、サイドプレートに組み込む台座部と、ベーンを支持する支持部とを有し、上記支持部の外周はカムリング孔と略相似形にするとともに、サイドプレートに上記台座部を組み込む組み込み凹部を形成することとしたので、ベーンリングを簡単にサイドプレートに組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の全体断面図である。
【図2】図1のII-II線断面のカムリング部分を矢視方向から示した図である。
【図3】第1実施形態のベーンリングの正面図である。
【図4】サイドプレートとベーンリングとの組み込み斜視図である。
【図5】サイドプレートの正面図である。
【図6】第1実施形態のサイドプレートにベーンリングを組み込んだ断面図である。
【図7】第2実施形態のベーンリングの正面図である。
【図8】第2実施形態のサイドプレートにベーンリングを組み込んだ断面図である。
【図9】第3実施形態のサイドプレートの正面図である。
【図10】第3実施形態のベーンリングの正面図である。
【図11】第3実施形態の図2に対応する図である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 カムリング
4 カムリング孔
5 ロータ
6 ベーン溝
7 ベーン
8a 背圧導入溝
11 ベーンリング
12 サイドプレート
13 組み込み凹部
19 支持部
20 台座部
21 ピン
22 ピン穴
23 ベーンリング
24 凸部
25 サイドプレート
26 組み込み凹部
27 凹部
28 台座部
29 支持部
30 サイドプレート
31 ベーンリング
32 組み込み凹部
33 直線部
34 台座部
35 直線部
36 支持部

Claims (3)

  1. ケーシングと、ケーシング内に設けたサイドプレートと、サイドプレートに隣接して設けたカムリングと、カムリング内周のカムリング孔に回転自在に組み込んだロータと、ロータ内に複数設けたベーン溝と、このベーン溝に組み込むとともにロータに対して放射状に突出自在のベーンと、ベーン溝の内端側に設けロータの背圧をベーンの内端面に作用させる背圧導入溝と、このベーンの内端面を支持するベーンリングとを備え、上記ロータの回転によってベーンとロータとカムリングとによって形成される室の容積が縮小する容積縮小領域と、上記室の容積が拡大する容積拡大領域とが形成され、上記容積拡大領域では油を吸い込み、上記容積縮小領域では油を吐出するベーンポンプにおいて、ベーンリングで容積縮小領域の背圧導入溝を塞いだベーンポンプ。
  2. サイドプレートとベーンリングとの相対回転を防止する回転防止機構を備えた請求項1記載のベーンポンプ。
  3. ベーンリングは、サイドプレートに組み込む台座部と、ベーンを支持する支持部とを有し、上記支持部の外周はカムリング孔と略相似形にするとともに、サイドプレートに上記台座部を組み込む組み込み凹部を形成した請求項1または2記載のベーンポンプ。
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