JP2003214361A - ベーンポンプ - Google Patents

ベーンポンプ

Info

Publication number
JP2003214361A
JP2003214361A JP2002018797A JP2002018797A JP2003214361A JP 2003214361 A JP2003214361 A JP 2003214361A JP 2002018797 A JP2002018797 A JP 2002018797A JP 2002018797 A JP2002018797 A JP 2002018797A JP 2003214361 A JP2003214361 A JP 2003214361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vane
ring
pump
cam
vane pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002018797A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Sugihara
雅道 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2002018797A priority Critical patent/JP2003214361A/ja
Publication of JP2003214361A publication Critical patent/JP2003214361A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ベーンポンプの回転中において、各ベーン及び
ベーンリングにジャンピング現象による摩耗や破損が生
じないようにすること。 【解決手段】サイドプレートまたは空間を覆蓋するサイ
ドカバーのいずれか少なくとも一方の内面に形成したリ
ング収納溝内に、環状のベーンリング17の一端側を嵌
合して、このベーンリング17の他端側の外面に各ベー
ン14の内端面の一部を支持できるようにするととも
に、環状のベーンリング17の、カムリング13の吐出
領域に該当する部分に、各ベーン14のシャフト側への
進入を可能とする切欠部17aを形成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベーンポンプに関し、特
に各ベーンの内端側にベーンリングを介在させた平衡型
のベーンポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ベーンポンプの基本的構成は、内部のロ
ータに複数のベーン収納溝を放射状に形成しておき、こ
れらのベーン収納溝内に平板状のベーンをそれぞれ出入
自在に収納しておいて、これら各ベーンを、ロータとと
もに強制的に回転させるようにしたものであり、その際
には、各ベーンの外端面を、吸い込み行程及び吐出行程
に対応するカムリング内面に順に交互に摺接させるよう
にして、互いに隣接し合う各ベーンと、カムリング等と
によって形成される各部屋の容積が相対的に変化するよ
うにしたものである。そして、この種のベーンポンプ
は、各部屋の容積が以上のようにして変化することを利
用して、流体の吸込み及び吐出を行うようにしているも
のである。
【0003】各ベーンとカムリング等により容積が変化
する部屋が形成されるため、及び各ベーンの外端面をカ
ムリング内面に摺接させるためには、各ベーンがカムリ
ングのカム面に向けて自在に出入しなければならない。
この各ベーンの出入は、従来の一般的なベーンポンプで
は、ロータの回転による遠心力と、ベーン内端面に導か
れる流体圧による力との二種類の力によってなされてい
る。
【0004】しかしながら、これらの遠心力や流体圧
は、当該ベーンポンプが作動している間にのみ働くもの
であり、始動時には期待できないものである。特に、当
該ポンプや配管の内部に流体が満たされていない始動当
初においては、遠心力のみによってベーン突出を行わな
ければならない。しかも、この遠心力も、流体として作
動油が使用されていて、しかもその使用が厳冬時である
と、各ベーンとロータとの間に残存している作動油の粘
性が高くなるから、十分な働きをしないことがある。
【0005】まして、流体タンクが当該ベーンポンプよ
り下方に位置しており、このベーンポンプが長時間使用
されていなかったとすると、ポンプや配管内の流体がタ
ンク内に流下してしまっていて、当該ベーンポンプは、
始動初期において十分なポンプ作動を発揮しないことに
なり、流体吐出の応答性も悪くなる。しかも、前述した
作動油を、その粘性が大きくなる厳冬時に使用するもの
であれば、始動初期における作動油吐出の応答性の悪さ
はより一層解消できないことになり、この種ベーンポン
プの始動初期に要求されるオイル吐出圧を短時間に、か
つ確実に得ることができなくなる。
【0006】以上のことを解消するため、従来のベーン
ポンプ、例えば特開平10−306783号公報にて提
案されているベーンポンプにおいては、図6に示すよう
に、「ベーン5の内径側背部に接触し、ロータ4の回転
に伴って各ベーン5をロータ4の回転軸心から半径方向
外方へ押し出すカム機構15を備え」るようにしてい
る。
【0007】これにより、上記公報の段落9以下に記載
されているように、「ポンプの起動時において、ロータ
4が回転を始めると、ベーン5の背部がカム機構15に
摺接して押し出される。これにより、各ベーン5は、背
部に十分な圧力を供給できない状態であっても、(ま
た、この圧力を発生させる油の粘性が高い場合でも)各
ベーン5が確実に押し出され、平衡型ベーンポンプに要
求されるオイル吐出を短時間にかつ確実に得ることがで
きる」といった作用あるいは効果を得ることができると
考えられる。
【0008】しかしながら、この図6に示した従来のペ
ーンポンプにおいては、各ベーン5とカム機構15との
接触による問題が全く考慮されていない。
【0009】すなわち、この種のベーンポンプの、特に
回転作動中において、図6中ので示した吐出行程、つ
まりカムリング内周面の径小行程においては、各ベーン
5にはカムリング内周面によるカム機構15側への押し
戻し力が加わるだけでなく、当該吐出行程における吐出
圧力が加わる。このような二つの力によって、各ベーン
5がベーンポンプを駆動しているシャフト側に押され、
カムリングからベーンが離間することは、「ジャンピン
グ現象」と呼ばれているが、このジャンピング現象によ
って各ベーン5とカム機構15とが接触して、両者間で
大きな摩擦力が発生することを、図6に示した従来のペ
ーンポンプにおいては全く考慮していないのである。
【0010】以上のようにして、ベーン5の内径側背部
やカム機構15の外面に摩耗や破損が発生すれば、当
然、所期の効果が得られなくなるだけでなく、摩耗粉が
ポンプ内を回ることになって各所に故障を発生させる原
因ともなる。
【0011】さらに、各ベーン5とカム機構15との接
触や衝突を許容しようとすれば、カム機構15を各ベー
ン5と同一材料で形成する必要があり、コストアップの
問題が生ずることになる。そして、各ベーン5とカム機
構15との接触を解決するために、両者間の距離あるい
は隙間を広げるということも考えられるのであるが、各
ベーン5の上述したジャンピングによる接触は回避でき
るが、吸い込み領域における各ベーンの飛び出し量が減
少することになって、低温始動時の吸い込み性能が低下
するという問題が発生すると考えられる。
【0012】そこで、本発明者は、この種のベーンポン
プにおける回転中において、各ベーン及びベーンリング
(従来例ではカム機構)に摩耗や破損が生じないように
するはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてき
た結果、本発明を完成したのである。
【0013】
【発明が解決使用とする課題】本発明は、上記の実状に
鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、
この種ベーンポンプの回転中において、各ベーン及びベ
ーンリングにジャンピング現象による摩耗や破損が生じ
ないようにすることである。
【0014】すなわち、まず請求項1及び2に係る発明
の目的とするところは、環状のベーンリングによって各
ベーンのシャフト側端部を支えるようにするとともに、
このベーンリングの吐出領域にある部分に切欠部を積極
的に形成しておいて、この切欠部によってジャンピング
現象による各ベーンとベーンリングとの摩擦が発生しな
いようにして、流体タンクがどのような位置に配置され
ようとも、また流体の粘性が高まる低温時であったとし
ても、その状況に拘わらず摩耗や破損が生じないベーン
ポンプを提供することある。
【0015】また、請求項3に係る発明の目的とすると
ころは、上記請求項1及び2と同様な目的を達成できる
他、ベーンリングの存在による機械的ロスが殆んど発生
しないベーンポンプを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述す
る実施の形態の説明中において使用する符号を付して説
明すると、「ケース11内のサイドプレート12及びカ
ムリング13によって形成される空間内に収納されて、
シャフト18を介して回転されるロータ16と、このロ
ータ16に放射状に形成した複数のベーン収納溝16a
と、これらのベーン収納溝16a内にそれぞれ出入自在
に嵌挿したベーン14とを備えたベーンポンプ10にお
いて、サイドプレート12または空間を覆蓋するサイド
カバー15のいずれか少なくとも一方の内面に形成した
リング収納溝12a内に、環状のベーンリング17の一
端側を嵌合して、このベーンリング17の他端側の外面
に各ベーン14の内端面の一部を支持できるようにする
とともに、環状のベーンリング17の、カムリング13
の吐出領域に該当する部分に、各ベーン14のシャフト
18側への進入を可能とする切欠部17aを形成したこ
とを特徴とするベーンポンプ10」である。
【0017】すなわち、まず、この請求項1に係るベー
ンポンプ10は、ベーンリング17及びこれに必要なリ
ング収納溝12a以外は、従来一般に使用されているベ
ーンポンプと同じ構成を有しているものである。また、
このベーンポンプ10が有するベーンリング17及びリ
ング収納溝12aは、後述する実施形態では、サイドプ
レート12側に設けかつ取付けられる1本のものを採用
しているが、このベーンリング17はサイドプレート1
2ではなくサイドカバー15側に設けてもよく、さらに
はサイドカバー15及びサイドプレート12の両側に設
けて実施してもよいものである。
【0018】さて、サイドプレート12またはサイドカ
バー15のいずれか少なくとも一方に取付けたベーンリ
ング17は、図4及び図5に示すように環状のものとし
て形成したものであって、その一端側がサイドプレート
12またはサイドカバー15のいずれか一方の内面に形
成したリング収納溝12a内に嵌合されるものであり、
このベーンリング17の他端側の外面にて各ベーン14
の内端面の一部を支持できるようにするものである。ま
た、このベーンリング17は、図4及び図5に示すよう
に、その、カムリング13の吐出領域に該当する部分
に、各ベーン14のシャフト18側への進入を可能とす
る切欠部17aを形成したものである。
【0019】なお、このベーンリング17は、各ベーン
14の内端面側に圧力流体を送るための背圧導入溝12
bに部分的に交差することになるが、ロータ16が回転
することによって各ベーン14の内端面には必ずどこか
からの背圧導入溝12bから圧力流体が提供されること
になるため、何等支障となることはない。また、ロータ
16が安定した回転状態になってしまえば、各ベーン1
4の内端面(ロータ16の中心に向かう面)がベーンリ
ング17に摺接することがないため、各ベーン14とベ
ーンリング17との摩擦は殆どない状態となる。
【0020】このベーンポンプ10のベーンリング17
は、図1および図3に示すように、まずサイドプレート
12のリング収納溝12aに収納して組付けたものであ
るから、ロータ16の回転によっては回転されない。そ
の代り、このベーンリング17の吸い込み領域にある部
分は、カムリング13のカム面13aと略相似形となる
ように形成してあるため、図2及び図4に示すように、
各ベーン14の中心側の端部外側でベーン14の一部を
支えるのである。勿論、当該ベーンポンプ10の回転中
において、各ベーン14は遠心力によってカムリング1
3のカム面13a側に突出される。
【0021】このため、この吸い込み領域にある各ベー
ン14は、ベーンポンプ10の停止時や始動時におい
て、ベーンリング17によって支えられるのであり、ロ
ータ16が回転されれば、その遠心力および背圧導入溝
12bからの圧油によって全てのベーン14が直ちにカ
ムリング13のカム面13aに当接することになる。勿
論、当該ベーンポンプ10によって汲み上げられるべき
流体が低温雰囲中にあって粘性の高いものとなっていて
も、もともと、ベーンリング17によって各ベーン収納
溝16aから突出していて、全てのベーン14がカムリ
ング13のカム面13aに近接した状態にあるため、ポ
ンプ作用は確実に発揮されるものである。
【0022】また、当該ベーンポンプ10が流体タンク
の液面より高い位置にあったり、停止時間が長くて当該
ベーンポンプ10内及び配管中の流体が少なくなってい
る場合であっても、ベーンリング17の吸い込み領域に
ある部分に支えられた各ベーン14はロータ16の回転
とともに直ちにカムリング13のカム面13aに当接す
るのであり、始動時であっても全く不安定となることな
くポンプ作用をすることになる。このことは、ロータ1
6が非常に低い回転数で回転されており、背圧ポート1
2bを介して各ベーン14の内端面に送り込まれる流体
の圧力が小さい場合にも、同様に言えるものである。
【0023】さらに、各ベーン14は、ロータ16が回
転すれば直ちにベーンリング17から離れることになる
から、これらがベーンリング17上に摺接する時間は非
常に短い。このため、このベーンリング17を高硬度材
にしたり、耐摩耗性を高めるためのメッキ等を施す必要
はなく、ベーンリング17自体は、安価に製造できるも
のであるし、サイドプレート12またはサイドカバー1
5の少なくともいずれか一方に組付ければよいものであ
るから、当該ベーンポンプ10のコストを上昇させるこ
ともないのである。
【0024】なお、当該ベーンポンプ10の吐出量を調
整したい場合には、図1に示したロータ16やカムリン
グ13等の厚さを変更するのであるが、ベーンリング1
7については、その幅の変更は全く行わなくてよい。何
故なら、このベーンリング17は、各ベーン14の部分
的な係止を行えればよいものだからである。
【0025】従来技術で述べたように、この種のベーン
ポンプにおいて、特にその回転作動中の吐出行程、つま
りカムリング13のカム面13aによる径小行程におい
ては、各ベーン14にはカム面13aによるベーンリン
グ17側への押し戻し力が加わるだけでなく、当該吐出
行程における吐出圧力が加わる。これらの力により、各
ベーン14にはジャンピング現象が発生するのである
が、本発明に係るベ−ンポンプ10の吐出行程において
は、図4及び図5中の斜線部分で示したように、ベーン
リング17の、カムリング13の吐出領域に該当する部
分に切欠部17aを形成したので、この切欠部17aの
存在によって、各ベーン14はシャフト18側への進入
を許容される。
【0026】従って、本発明に係るベーンポンプ10で
は、各ベーン14にジャンピング現象が発生したとして
も、各ベーン14がベーンリング17の外周面に接触す
ることはなく、これによって各ベーン14のシャフト1
8側端部とベーンリング17の外周面との間に摩擦力は
発生しないことから、摩擦による摩耗粉や破損の発生が
全くなくなるのである。
【0027】上記課題を解決するために、請求項2に係
る発明の採った手段は、上記請求項1のベーンポンプ1
0について、「切欠部17aの、各ベーン14の回転方
向に対する両端部に傾斜面17bを形成して、この傾斜
面17bによって各ベーン14のシャフト18側端部が
ベーンリング17外周面上に対して滑らかに移動し得る
ようにしたこと」である。
【0028】すなわち、この請求項2に係るベーンポン
プ10では、ジャンピング現象を生じた各ベーン14
が、万一、ベーンリング17外周面上に接触したとして
も、そのシャフト18側端部にてベーンリング17外周
面上で滑らかに移動し得るようにするための傾斜面17
bを、図5に示すように、切欠部17aの、各ベーン1
4の回転方向に対する両端部に形成したものである。
【0029】このようにしたベーンリング17により、
当該ベーンポンプ10の作動中においては、この傾斜面
17b部分で、各ベーン14がジャンピングを起こした
としても、各ベーン14がベーンリング17に接触する
ことはなく、各ベーン14とベーンリング17との間に
は大きな摩擦は発生しない。何故なら、ジャンピング現
象によってシャフト18側に移動した各ベーン14の内
端部は、仮にベーンリング17に接触したとしても、ベ
ーンリング17の外周面上に対して円滑に移動するとい
った状態となるからである。このため、各ベーン14
は、ベーンリング17との間に大きな摩擦を発生せず、
従って破損も生じないことになるのである。
【0030】従って、この請求項2のベーンポンプ10
は、上記請求項1のベーンポンプ10と同様な機能を発
揮することは勿論、その機能がより一層効果的なものと
なっているのである。
【0031】さらに、上記課題を解決するために、請求
項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または2
のベーンポンプ10について、「切欠き部17aを除い
てベーンリング17外周面とカム面13aとの距離L
が、ベーン14の出入方向に対してベーン14の高さh
より常に僅かに大きくなるようにしたこと」である。
【0032】すなわち、この請求項3のベーンポンプ1
0は、切欠部17aを除いてそのベーンリング17の外
形形状をカムリング13のカム面13aと略同じとなる
ようにするとともに、このベーンリング17によって支
えるべきベーン14のカムリング13及びロータ16側
に対するクリアランスを確保するようにしたものであ
る。つまり、この請求項3のベーンポンプ10では、前
記したジャンピング現象が発生する切欠部17a以外の
ベーン14の出入方向に対するベーンリング17の外周
面とカムリング13内周面であるカム面13aとの距離
Lが、常にベーン高さhに対して僅かなクリアランスを
加えた寸法となるようにしたものである。
【0033】この請求項3のベーンポンプ10におい
て、ベーンリング17を以上のように構成したことによ
って、各ベーン14のベーン収納溝16a内への出入が
ポンプ作動を発揮できるように許容されることは当然と
して、各ベーン14が切欠部17a以外ではどのような
位置にあっても、そのカムリング13のカム面13aま
たはベーンリング17に対するクリアランスが常にベー
ン高さhよりわずかに大きい範囲に規定される。このた
め、当該ベーンポンプ10の始動時においては、各ベー
ン14はクリアランス分だけ突出するのみでカムリング
13のカム面13aに当接するのであり、しかもロータ
16の回転中は、各ベーン14がベーンリング17に摺
接することがなく、ベーンリング17の存在による機械
的ロスは全く発生することがないのである。
【0034】具体的には、後述する実施形態のベーンポ
ンプ10のように、パワーステアリング装置用のものと
して採用されるように全体の大きさが100mm前後の
ものであれば、ベーン14の突出方向におけるベーンリ
ング17外周面とカムリング13内周面との距離Lが、
常にベーン高さhに0.4〜0.6mmを加えた寸法と
なるようになされれるのであり、この0.4〜0.6m
mの値が上記クリアランス量となるのである。
【0035】従って、この請求項3のベーンポンプ10
は、上記請求項1または2のベーンポンプ10と同様な
機能を発揮する他、ベーンリング17の存在による機械
的ロスが殆んど発生しないのである。
【0036】
【発明の実施の形態】以上のように構成した各発明を、
図面に示した実施の形態であるベーンポンプ10につい
て説明すると、図1には、本発明に係るベーンポンプ1
0の縦断面図が示してあり、このベーンポンプ10は、
各種流体路を形成したケース11内にサイドプレート1
2とロータ16とを収納して、その外側をサイドカバー
15によって覆ったものである。本実施形態に係るベー
ンポンプ10は、車両用パワーステアリング装置を構成
するものであり、車両のエンジンによって回転駆動され
るシャフト18が、ケース11内のロータ16にスプラ
イン嵌合してある。
【0037】サイドプレート12は、図3及び図4に示
したように、シャフト18が通る軸穴を中心にした吐出
工程から吐出された後の高圧室19と連通した図示しな
い複数の背圧ポートおよびこれと連通する背圧導入溝1
2bを形成したものであり、この背圧導入溝12bの周
りに位置する内面に、後述するベーンリング17が嵌合
して組付けられることになるリング収納溝12aが形成
してある。
【0038】このサイドプレート12の外側には、図1
及び図3に示したように、ロータ16が配置されるので
あるが、このロータ16には、図2に示したように、シ
ャフト18の軸穴(スプライン穴)を中心に放射状とな
る多数のベーン収納溝16aが形成してあって、これら
各ベーン収納溝16a内には、同じ大きさのベーン14
がそれぞれ出入自在に嵌挿してある。
【0039】さらに、このロータ16の外側は、図1に
示したように、サイドカバー15によって覆蓋してあ
り、一例として挙げた本実施例では、このサイドカバー
15によってシャフト18の先端を支持するようにして
いる。なお、このサイドカバー15には、吐出流体の通
路が形成してあり、この通路はケース11側の通路に連
通するようにしてある。
【0040】勿論、このケース11内のロータ16の外
周側となる部分には、図1及び図2に示したように、内
面をカム面13aとしたカムリング13が組込んであ
り、このカム面13aに各ベーン14の外端が摺接する
ようにしてある。
【0041】さて、ベーンリング17であるが、このベ
ーンリング17は、本実施形態では、図1及び図4に示
したように、サイドプレート12のロータ16側の側面
に形成したリング収納溝12a内に組込まれるものであ
り、非真円状で環状のものである。
【0042】また、このベーンリング17は、図4及び
図5に示すように、カムリング13の吐出領域に該当す
る部分に、各ベーン14のシャフト18側への進入を可
能とする切欠部17aが形成してあるのである。この切
欠部17aの存在によって、ジャンピング現象が生じた
各ベーン14はシャフト18側への進入を許容される。
【0043】また、このベーンリング17では、図5に
示したように、その切欠部17aの、各ベーン14のロ
ータ16回転方向に対する両端部に傾斜面17bを形成
したものであり、この傾斜面17bは、ジャンピング現
象を生じた各ベーン14に、万一ベーンリング17に接
触する程の押し戻し現象が発生したとしても、そのシャ
フト18側端部にてベーンリング17外周面上に滑らか
移動し得るようにするためのものである。
【0044】さらに、ロータ16に装着された各ベーン
14の、出入方向に対する切欠部17を除いたベーンリ
ング17の外面とカム面13aとの距離Lは、図3に示
したように、各ベーン14の半径方向のベーン高さh
と、0.4〜0.6mmの間の一定値との和となるよう
にしてある。この数値0.4〜0.6mmは、当該ベー
ンポンプ10がパワーステアリング装置の構成部品とし
て使用され、全体の大きさが100mm程度のものであ
る場合の一例であり、これに限定されるものではない。
【0045】以上のように、ベーン14の出入方向に対
するベーンリング17外周面とカム面13aとの距離
が、ベーン14の出入方向に対してベーン14の高さh
より常に僅かに大きくなるようにしたのは、ベーンポン
プ10の停止時においてベーンリング17上に支持され
ることになるベーン14の、ベーンリング17やカムリ
ング13に対するクリアランスが常に僅かなもの(0.
4〜0.6mm程度)となるようにするためであり、ベ
ーンポンプ10の回転時、ベーン14がベーンリング1
7に摺接させないのはもちろんのこと、始動時における
各ベーン14の飛び出し量を極力少なくして、あらゆる
使用条件でも作動油(流体)吐出の高い応答性を確保す
ることができるのである。
【0046】以上の実施形態のように、本発明に係るベ
ーンポンプ10は、あらゆる使用条件下でも変化のない
応答性を確保でき、特に始動時における作動油吐出の高
い応答性を確保することができ、しかも、当該ベーンポ
ンプ10の作動中に、各ベーン14がベーンリング17
に摺接することがなくて、機械的ロスを発生させなくす
ることができるのである。
【0047】さらに、ベーンリング17自体が安価な材
料で実現できることから、この種のベーンポンプのコス
トを上昇させることなく製造できる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳述した通り、請求項1または2
に係る発明においては、上記実施形態にて例示した如
く、「ケース11内のサイドプレート12及びカムリン
グ13によって形成される空間内に収納されて、シャフ
ト18を介して回転されるロータ16と、このロータ1
6に放射状に形成した複数のベーン収納溝16aと、こ
れらのベーン収納溝16a内にそれぞれ出入自在に嵌挿
したベーン14とを備えたベーンポンプ10において、
サイドプレート12または空間を覆蓋するサイドカバー
15のいずれか少なくとも一方の内面に形成したリング
収納溝12a内に、環状のベーンリング17の一端側を
嵌合して、このベーンリング17の他端側の外面に各ベ
ーン14の内端面の一部を支持できるようにするととも
に、環状のベーンリング17の、カムリング13の吐出
領域に該当する部分に、各ベーン14のシャフト18側
への進入を可能とする切欠部17aを形成したこと」を
基本的特徴とするものであり、これにより、環状のベー
ンリング17によって各ベーン14のシャフト18側端
部を支えることができるとともに、このベーンリング1
7の吐出領域にある部分に切欠部17aを積極的に形成
したから、この切欠部17aによってジャンピング現象
による各ベーン14とベーンリング17との摩擦が発生
しないようにすることができるのであり、流体タンクが
どのような位置に配置されようとも、また流体の粘性が
高まる低温時であったとしても、その状況に拘わらず摩
耗や破損を生じさせることはないのであり、その運転を
安定した状態で行うことができて、耐久性に優れたベー
ンポンプ10を提供することができるのである。
【0049】さらに、請求項3に係る発明においては、
上記請求項1または2のベーンポンプ10について、
「ベーンリング17外周面とカム面13aとの距離L
が、ベーン14の出入方向に対してベーン14の高さh
より常に僅かに大きくなるようにしたこと」にその構成
上の特徴があり、これにより、上記請求項1または2の
ベーンポンプ10と同様な効果を発揮できる他、始動時
における作動油吐出の高い応答性、及びベーンリング1
7が存在していても、これによる機械的ロスを殆んど発
生させることのないベーンポンプ10を提供することが
できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベーンポンプの縦断面図である。
【図2】図1中の1−1線に沿ってみた断面図である。
【図3】本発明に係るベーンポンプを構成しているロー
タ、ベーンリング及びベーンを中心にみた部分拡大縦断
面図である。
【図4】同ベーンポンプにおけるベーンリングと、カム
面との位置関係を示す拡大平面図である。
【図5】図4に示したベーンリングを取り出して示した
もので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【図6】従来のベーンポンプにおけるベーンリングと、
カム面との位置関係を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
10 ベーンポンプ 11 ケース 12 サイドプレート 12a リング収納溝 12b 背圧導入溝 13 カムリング 13a カム面 14 ベーン 15 サイドカバー 16 ロータ 16a ベーン収納溝 17 ベーンリング 17a 切欠部 17b 傾斜面 18 シャフト 19 高圧室 h ベーン高さ L 距離

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内のサイドプレート及びカムリン
    グによって形成される空間内に収納されて、シャフトを
    介して回転されるロータと、このロータに放射状に形成
    した複数のベーン収納溝と、これらのベーン収納溝内に
    それぞれ出入自在に嵌挿したベーンとを備えたベーンポ
    ンプにおいて、 前記サイドプレートまたは前記空間を覆蓋するサイドカ
    バーのいずれか少なくとも一方の内面に形成したリング
    収納溝内に、環状のベーンリングの一端側を嵌合して、
    このベーンリングの他端側の外面に前記各ベーンの内端
    面の一部を支持できるようにするとともに、 前記環状のベーンリングの、前記カムリングの吐出領域
    に該当する部分に、前記各ベーンのシャフト側への進入
    を可能とする切欠部を形成したことを特徴とするベーン
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記切欠部の、前記各ベーンの回転方向
    に対する両端部に傾斜面を形成して、この傾斜面によっ
    て前記各ベーンのシャフト側端部が前記ベーンリング外
    周面上に対して滑らかに移動し得るようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 【請求項3】 前記切欠部を除いて前記ベーンリング外
    周面とカム面との距離が、前記ベーンの出入方向に対し
    てベーンの高さより常に僅かに大きくなるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のベーンポン
    プ。
JP2002018797A 2002-01-28 2002-01-28 ベーンポンプ Pending JP2003214361A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002018797A JP2003214361A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 ベーンポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002018797A JP2003214361A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 ベーンポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003214361A true JP2003214361A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27654002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002018797A Pending JP2003214361A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 ベーンポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003214361A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102966538A (zh) * 2011-08-31 2013-03-13 株式会社昭和 叶片泵
CN103511251B (zh) * 2012-06-04 2017-03-08 罗伯特博世汽车转向有限公司 容积式泵

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102966538A (zh) * 2011-08-31 2013-03-13 株式会社昭和 叶片泵
CN102966538B (zh) * 2011-08-31 2016-08-03 株式会社昭和 叶片泵
CN103511251B (zh) * 2012-06-04 2017-03-08 罗伯特博世汽车转向有限公司 容积式泵

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4917584A (en) Vane pump with annular aetainer limiting outward radial vane movement
US5154593A (en) Vane pump with annular groove in rotor which connects undervane chambers
US11377953B2 (en) Rotary fluid pressure device with drive-in-drive valve arrangement
US8016577B2 (en) Vane pump with vane biasing means
US7628594B2 (en) Vane pump having a labyrinth seal and gap between a top surface of a rotor and a ceiling surface of a rotor chamber that is formed between upper and lower cases
CN110925194A (zh) 止推板、动涡旋部件和涡旋压缩机
US6135742A (en) Eccentric-type vane pump
CN108223362A (zh) 具有一个或多个受限较少的叶片的叶片泵
JP2003214361A (ja) ベーンポンプ
JPS63131883A (ja) ベ−ンポンプ
WO2017141478A1 (ja) ベーンポンプ
JP2003214360A (ja) ベーンポンプ
JP2010509543A (ja) サイドチャンネルポンプ
JP5841018B2 (ja) オイルポンプ
JP2582863Y2 (ja) ベーンポンプ
JPH09287552A (ja) アキシャルピストン型流体ポンプ・モータ
JP2004052711A (ja) ベーンポンプ
JP2010101202A (ja) 可変容量型圧縮機
US11598334B2 (en) Vane pump having a side member including a triangular-shaped protruding opening portion in communication with a back pressure opening portion for preventing wear of an inner circumference cam face
JP2006090261A (ja) ベーンポンプ
JPS63131882A (ja) ベ−ンポンプ
JP4254358B2 (ja) ベーンロータリ型圧縮機
KR200181267Y1 (ko) 회전식 베인형 진공펌프
JP2008267275A (ja) ベーンポンプ
JP4439231B2 (ja) アキシャルピストン型流体モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060417

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060508

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061002

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02