JP3883499B2 - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明に属する利用分野】
本発明は金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,自動的に溶接電流または加圧力を調節して散りを予防しながら適正なナゲットを得る抵抗スポット溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】
従来の抵抗スポット溶接は一般に,溶接電流を一定に制御する定電流機能によって行われていた。しかしながら定電流機能だけでは電極チップが磨耗して起きる通電路面積の拡大による溶接部の電流密度の低下などを補償できないため,これに所定の打点数ごとに溶接電流を上昇させていくステップアップ制御を組み合わせたり,電極チップ間電圧を検出して溶接部の電力を算出して電流を調整して溶接部の発熱密度を維持したりしようとしていた。しかしながらこれらはいずれもステップアップ電流の上昇率やそれを切り替える打点数,あるいは溶接部の電力を算出するための電極チップ間電圧と電極先端径との相関定数など,特有のパラメータの適正な設定が不可欠で,しかもそれらのパラメータは実験を行って求める必要があり,実際の生産ラインに適用するには手間を要して実用化が困難な面があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明では抵抗スポット溶接方法において,通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出し,縦軸に溶接電流と電極チップ間電圧の積である電力(P),横軸に溶接電流(I)または溶接電流の2乗値(I)を取るところのP−IまたはP−I曲線を演算して求め,その曲線形状の推移によってナゲットの形成状態を判定して,それ以降のサイクルの溶接電流または加圧力を調節するか,またはその時点で溶接電流を打ち切って散りの発生を予防するか,溶接電流が過小または過大または散りの発生を判定して警報を出力するようにして作業者が溶接条件の妥当性を判断することができるようにするか,またはその次の溶接打点の溶接電流または加圧力を自動的に調節して散りを予防しながら適正なナゲットを得るようにした。
【0004】
P−IまたはP−I曲線は縦軸に溶接電流(I)と電極チップ間電圧(V)の積である電力(P),横軸に溶接電流(I)または溶接電流の2乗値(I)を取る。電力PはP=V・Iであり,言い換えれば電極チップ間抵抗をRとすれば,P=IRであるから,Pの値は電極チップ間抵抗に比例している。図1に示すように,電極チップ間抵抗1は溶接部である溶接物の板間接触抵抗2と,溶接物自体の固有抵抗3と,電極チップ6と溶接物7との接触抵抗4と,電極チップ自体の固有抵抗5の合成値である。電極チップ間抵抗は溶接物が通電により軟化して溶接物の板間接触抵抗と電極チップと溶接物との接触抵抗の接触状態が良好になり通電路面積が広がれば低下し,溶接部の温度が変化すれば溶接物の材質の固有抵抗の温度係数の特性により変化する。
【0005】
【発明の実施の態様】
図2は本発明による実施例で,通電開始の第0.5サイクル以降の溶接電流波形(I)と電力波形(P)を模式的に示したものである。これから縦軸に溶接電流と電極チップ間電圧の積である電力(P),横軸に溶接電流(I)または溶接電流の2乗値(I)を取るところのP−IまたはP−I曲線を演算して求める。それらの曲線の増加過程と減少過程は溶接電流波形の増加過程と減少過程の区間と一致している。P−IまたはP−I曲線の増加過程の曲線の方が減少過程より上側に来るのはPの値が大きいということで,図2における第0.5サイクルのように電力波形の方が電流波形より急峻に立ち上がっていることを示している。 また増加過程と減少過程の曲線が一致して重なるというのは,第7.0サイクルのように電力波形と電流波形の立ち上がりと立ち下りが揃って相似の傾斜になることを示す。
【0006】
図3は散りも出ずに所定のナゲットが形成される適正な溶接条件(1),すなわち板厚0.8mmの2枚重ねのSPCC材を電極加圧力315daN,溶接電流10.5kAで溶接した場合の第0.5サイクルのP−I曲線の例である。通電開始の第0.5サイクルの先頭においてはまだ溶接物が軟化しておらず,溶接物の板間接触や電極チップとの接触状態がよくないために電極チップ間抵抗は高く,その後通電が開始されると溶接物が軟化し,接触面積が拡大して抵抗値は急激に低下する。前述したようにPの値は抵抗値に比例するので,図3に示すように第0.5サイクル前半の増加過程のP−IまたはP−I曲線の方が後半の減少過程の曲線より上側に来る。この傾向は本溶接条件(1)の場合は図4のように,第1.0サイクルまで継続する。なお,この電極チップ間抵抗の変化傾向は,たとえば第0.5サイクルの後半の減少過程と第1.0サイクルの前半の増加過程の間についても同様のことがいえるが,本実施例では同一半サイクル内のP−IまたはP−I曲線の増加過程と減少過程を比較するようにしている。
【0007】
本実施例の溶接条件(1)においては図5に示すように,第1.5サイクルになるとP−IまたはP−I曲線の上下関係が逆転して,減少過程の方が増加過程の曲線より上側に来る。これは増加過程の期間では抵抗発熱により溶接物の固有抵抗が高くなるが,同時に通電路面積も広がって相殺しあうのに対し,減少過程では溶接電流,すなわちエネルギー供給を下降させていくとその相殺バランスが増加過程におけるより通電路面積の拡大による抵抗低下の率が小さく,全体としては抵抗が高くなるためである。
【0008】
本実施例の溶接条件(1)においては第2.0から第6.5サイクルの期間では第1.5サイクルにおけるP−IまたはP−I曲線の上下関係が維持され,減少過程の方が増加過程の曲線より上側に来る状態が続く。この期間はナゲットの成長過程にあたる。ただし第5.0サイクル近辺から増加過程と減少過程の曲線が徐々に接近して,第7.0サイクルになると図6のようにほぼ一致して重なってくる。これ以降は同一の溶接電流で通電を継続しても増加過程と減少過程の曲線はほぼ一致したままとなる。これは本溶接条件(1)においては第7.0サイクル付近で溶接部に所定のナゲットが形成され,熱的平衡に達したことを示している。
【0009】
【発明の効果】
本発明の請求項1による実施例は,適正な溶接条件(1)においてP−IまたはP−I曲線の増加過程と減少過程の曲線の上下関係が前記のような経過を経て,第7.0サイクルで増加過程と減少過程の曲線がほぼ一致して重なり,それらの曲線間の面積があらかじめ定めた所定値以下になったことを検出して,以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,またはその時点で通電を打ち切り,所定のナゲットを得ながら散りの発生を予防する抵抗スポット溶接方法である。
【0010】
溶接電流が適切値より過小の場合でも,適正な溶接条件(1)の場合と同様に,通電開始の第0.5サイクルに対する第1.5から第2.0サイクル近辺におけるP−IまたはP−I曲線の増加過程と減少過程の曲線の上下関係の逆転現象は溶接条件により発生時点は異なるが同様に発生する。もちろん溶接条件が半分以下など極端であればこの限りではないが,それは一般に公開されている溶接条件表から経験的に分かる範囲であり,そのような非常識な設定は行われないものとして除外して考える。溶接電流がある程度過小であると,上記の第1.5から第2.0サイクル近辺での増加過程と減少過程の曲線の逆転現象の後,両曲線が接近して両曲線間の面積が所定値以下になるのが,溶接条件が適切である場合に比べて溶接条件にもよるが数サイクル程度遅れる。これは溶接部に与えるエネルギーが小さすぎるので,ナゲットの成長プロセスが遅くなるためである。
【0011】
本発明の請求項2による実施例は,溶接電流が過小の場合に増加過程と減少過程のP−IまたはP−I曲線が接近して両曲線間の面積が所定値以下になるのが,溶接条件が適正である場合に比べて所定サイクル以上遅れたことを検出して,溶接電流過小警報を出力することを特徴とした抵抗スポット溶接方法である。作業者はこの警報を受けて現在の溶接電流が過小であることを知り,次の溶接打点の溶接条件の設定を大きくするように変更する。
【0012】
本発明の請求項3による実施例は,溶接電流が過小の場合に増加過程と減少過程のP−IまたはP−I曲線が接近して両曲線間の面積が所定値以下になるのが,溶接条件が適正である場合に比べて所定サイクル以上遅れたことを検出して,自動的にその次の溶接打点の溶接条件の設定を上げる,すなわち溶接電流を所定値だけ上げるか,または加圧力を所定値だけ低くして適正なナゲットを得るようにする。
【0013】
溶接電流が適正値より過大の場合でも,適正な溶接条件(1)の場合と同様に,通電開始の第0.5サイクルに対する第1.5から第2.0サイクル近辺におけるP−IまたはP−I曲線の増加過程と減少過程の曲線の上下関係の逆転現象は溶接条件により発生時点は異なるが同様に発生する。もちろん溶接条件が2倍以上など極端であればこの限りではないが,それは一般に公開されている溶接条件表から経験的に分かる範囲であり,そのような非常識な設定は行われないものとして除外して考える。溶接電流がある程度過大であると,上記の第1.5から第2.0サイクル近辺での増加過程と減少過程の曲線の逆転現象の後,両曲線の上下関係が再度逆転するか,ある半サイクル内で増加過程と減少過程の曲線が交差するなど過大電流の程度によってランダムな挙動を示す。これは過大電流により散りが発生すると溶融した溶接物の一部が外部に飛散してしまうので溶接部が冷却され,溶接物の固有抵抗が変化するためである。
【0014】
図7は過大な溶接条件(2),すなわち板厚0.8mmの2枚重ねのSPCC材を電極加圧力258daN,溶接電流11.0kAで溶接した場合の第4.0サイクルにおけるI−P曲線の例である。この溶接条件(2)ではP−IまたはP−I曲線は,第0.5および第1サイクルにおいては増加過程の曲線の方が減少過程の曲線より上側に来て,第1.5サイクルではこれが逆転して第3.5サイクルまでその状態が継続しており,ここまでは適正な溶接条件(1)のパターンと同様であったが,第4.0サイクルに至って増加過程と減少過程の曲線の上下関係が逆転するとともに交差現象も発生し,このときに散りも観測されている。そして続く2半サイクル,すなわち第4.5および第5.0サイクルでは増加過程の曲線の方が減少過程より上側に来て,第5.5サイクル以降は両曲線は接近してほぼ一致している。これは散りが発生したことによって溶接部が冷却され,以降は2半サイクルの加熱期間があって,その後熱平衡の状態に達したことを示している。この場合,所定のナゲットは得られていたのだが,散りが発生したこと自体が溶接品質および作業環境に対して悪影響を与えていると解釈される。
【0015】
本発明の請求項4による実施例は過大な溶接条件(2)の場合に,前記の第4.5サイクルのように増加過程と減少過程の曲線の上下関係が再度逆転するか,両曲線が交差したことを検出して,それ以降の溶接電流を下げるか,または加圧力を高くするか,またはその時点で通電を打ち切って散りの発生を軽減させることを特徴とした抵抗スポット溶接方法である。この場合第4.0サイクルですでに散りは発生してしまっているのだが,それに引き続く通電時間のうち,特に第4.5および第5.0サイクルの加熱期間の溶接電流を下げるか,または加圧力を高くするか,またはその時点で通電を打ち切ることにより,この期間での散りの発生を抑制することができる。
【0016】
本発明の請求項5による実施例は過大な溶接条件(2)の場合に,前記の第4.5サイクルのように増加過程と減少過程の曲線の上下関係が再度逆転するか,両曲線が交差したことを検出して,溶接電流過大もしくは散り発生の警報を出力することを特徴とした抵抗スポット溶接方法である。作業者はこの警報を受けて現在の溶接電流が過大であることを知り,次の溶接打点の溶接条件の設定を下げるように変更する。
【0017】
本発明の請求項6による実施例は過大な溶接条件(2)の場合に,前記の第4.5サイクルのように増加過程と減少過程の曲線の上下関係が再度逆転するか,両曲線が交差したことを検出して,自動的にその次の溶接打点の溶接条件の設定を下げる,すなわち溶接電流を下げるか,または加圧力を高くするか,またはその時点で通電を打ち切って散りの発生を軽減させる。
【0018】
本発明の請求項7による実施例である,図8は半サイクルにおける溶接電流と電極チップ間電圧および電極チップ間電力示したものである。
時々刻々に変化する溶接電流の半サイクルの増加過程と減少過程のそれぞれに対応した電極チップ間電圧を所定の同一電流値(I)のもとで,それぞれを検出して,その時の電極チップ間電圧(EupおよびEdown)と所定同一電流値(I)との積であるところの電極チップ間電力(Pup=Eup×I および Pdown=Edown×I)の差(Pdown−Pup)または比(Pdown/Pup)あるいは電極チップ間電圧の比(Edown/Eup)をPsとして求めると,このPsはP−I曲線上で同一電流における増加過程と減少過程における前記電極チップ間電力の差あるいは比もしくは電極チップ間電圧の比に等しく従って,適正な溶接条件(1)におけるP−I曲線の増加過程と減少過程の曲線の上下関係が前記のような経過を経て,第7.0サイクルで増加過程と減少過程の曲線がほぼ一致して重なる時,Psの値を縦軸にサイクル数を横軸に取ったところのPs−Cycle線図は,電極チップ間電力差を例にとると図9のようになり,同一電流値における電極チップ間電力差または電極チップ間電力比もしくは電極チップ間電圧比あらかじめ定めた所定値以下になったことを検出して,以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,あるいはその時点で通電を打ち切り,所定のナゲットを得ながら散りの発生を予防することができる。
【0019】
本発明の請求項8による実施例では,時々刻々に変化する溶接電流の半サイクルの増加過程と減少過程のそれぞれに対応した電極チップ間電圧を所定の同一電流値(I)のもとで,それぞれを検出して,その時の電極チップ間電圧(EupおよびEdown)と所定同一電流値(I)との積であるところの電極チップ間電力(Pup=Eup×I および Pdown=Edown×I)の差(Pdown−Pup)または比(Pdown/Pup)あるいは電極チップ間電圧の比(Edown/Eup)をPsとして求めるが,このPsがあらかじめ定めた半サイクル毎の所定値より大きく(または小さく)なったことを検出して,次半サイクル毎の溶接電流を所定値だけ下げる(または上げる)か,または加圧力を所定値だけ高く(または低く)するか,あるいはその時点で通電を打ち切り,所定のナゲットを得ながら散りの発生を予防することができる。
【0020】
本発明の請求項9の実施例において,図10は半サイクルにおける溶接電流と電極チップ間電圧を示したものである。時々刻々変化する溶接電流の通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,各半サイクルにおける溶接電流の最大値に到達した時点(Ti-peak)と電極チップ間電圧が最大値に到達する時点(Te-peak)までの時間差(Ts)は,所定の同一電流値(I)のもとで,電流増加過程及び電流減少過程それぞれのその時の電極チップ間電圧(EupおよびEdown)と所定同一電流値(I)との積であるところの電極チップ間電力(Pup=Eup×I および Pdown=Edown×I)の差(Pdown−Pup)または比(Pdown/Pup)あるいは電極チップ間電圧の比(Edown/Eup)が大きい(または小さい)場合は,時間差が大きく(または小さく)なる。従って,適正な溶接条件(1)におけるP−I曲線の増加過程と減少過程の曲線の上下関係が前記のような経過を経て,第7.0サイクルで増加過程と減少過程の曲線がほぼ一致して重なる時,時間差(Ts)の値を縦軸にサイクル数を横軸に取ったところのTs−Cycle線図は図11のようになり,各半サイクルの溶接電流の最大値に到達した時点(Ti-peak)と電極チップ間電圧が最大値に到達する時点(Te-peak)までの時間差(Ts)が,あらかじめ定めた所定値以下になったことを検出して,以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,またはその時点で通電を打ち切り,所定のナゲットを得ながら散りの発生を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例である電極チップ間電圧の構成要素を示す図である。
【図2】 本発明の実施例において通電開始の第0.5サイクル以降の溶接電流波形(I)と電力波形(P)を模式的に示したものである。
【図3】 本発明の実施例において適正な溶接条件(1)の第0.5サイクルのP−I曲線を示したものである。
【図4】 本発明の実施例において適正な溶接条件(1)の第1.0サイクルのP−I曲線を示したものである。
【図5】 本発明の実施例において適正な溶接条件(1)の第1.5サイクルのP−I曲線を示したものである。
【図6】 本発明の実施例において適正な溶接条件(1)の第7.0サイクルのP−I曲線を示したものである。
【図7】 本発明の実施例において過大な溶接条件(2)の第4.0サイクルのP−I曲線を示したものである。
【図8】 本発明の実施例において同一電流値における電極チップ間電力の差を示したものである。
【図9】 本発明の実施例において同一電流値における電極チップ間電力の差(Ps)の推移を示したものである。
【図10】 本発明の実施例において,半サイクルにおける溶接電流の最大値と電極チップ電圧の最大値の時間差(Ts)を示したものである。
【図11】 本発明の実施例において溶接電流の最大値と電極チップ電圧の最大値の時間差(Ts)の推移を示したものである。
【符号の説明】
1 電極チップ間抵抗 2 溶接物の板間接触抵抗
3 溶接物自体の固有抵抗 4 電極チップと溶接物との接触抵抗
5 電極チップ自体の固有抵抗 6 一対の電極チップ
7 溶接物

Claims (9)

  1. 金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,縦軸に溶接電流と電極チップ間電圧の積である電力(P),横軸に溶接電流(I)または溶接電流の2乗値(I)を取るところのP−IまたはP−I曲線を演算して求め,その曲線が各半サイクル内で溶接電流が流れ始めるI=P=0のゼロ点から出発して右上がりに増加する増加過程の曲線と,Iがピークに達した後減少に転じ通電終了で再びゼロ点に戻ってくる減少過程の曲線において,Iのゼロ点近傍のデータを除外しながら,それら増加過程と減少過程の曲線の上下関係を,第0.5サイクルから始まり,以降第1.0サイクル,第1.5サイクルと続く各半サイクル内同士で比較して,最初の第0.5サイクルでは増加過程の曲線が上側に来て,それから逆転して減少過程の曲線が上側になり,その後両曲線が接近して両曲線間の面積が所定値以下になったことを検出して,それ以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,もしくはその時点で通電を打ち切って,散りの発生を予防することを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  2. 金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,縦軸に溶接電流と電極チップ間電圧の積である電力(P),横軸に溶接電流(I)または溶接電流の2乗値(I)を取るところのP−IまたはP−I曲線を演算して求め,その増加過程と減少過程の曲線の上下関係を比較して,最初の第0.5サイクルでは増加過程の曲線が上側に来て,それから逆転して減少過程の曲線が上側になり,その後両曲線が接近して両曲線間の面積が所定値以下になるのが所定サイクル長より長くかかったことを検出して,溶接電流過小警報を出力することを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  3. 請求項2にかかる抵抗スポット溶接方法において,増加過程と減少過程のP−IまたはP−I曲線が接近して両曲線間の面積が所定値以下になるのが所定サイクル長より長くかかったことを検出して,自動的にその次の溶接打点の溶接電流を所定値だけ上げるか,または加圧力を所定値だけ低くして適正なナゲットを得ることを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  4. 金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,縦軸に溶接電流と電極チップ間電圧の積である電力(P),横軸に溶接電流(I)または溶接電流の2乗値(I)を取るところのP−IまたはP−I曲線を演算して求め,その増加過程の曲線と減少過程の曲線の上下関係を比較して,最初の第0.5サイクルでは増加過程の曲線が上側に来て,それから逆転して減少過程の曲線が上側になるが,その後再度それらの上下関係が逆転するか,あるいは半サイクル内で増加過程と減少過程の曲線が交差したことを検出して,それ以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,あるいはその時点で通電を打ち切って,散りの発生を軽減させることを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  5. 請求項4にかかる抵抗スポット溶接方法において,増加過程と減少過程のP−IまたはP−I曲線の上下関係が,最初の第0.5サイクルでは増加過程の曲線が上側に来て,それから逆転して減少過程の曲線が上側になるが,その後再度上下関係が逆転するか,あるいは半サイクル内で増加過程と減少過程の曲線が交差したことを検出して,溶接電流過大もしくは散り発生の警報を出力することを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  6. 請求項4にかかる抵抗スポット溶接方法において,増加過程と減少過程のP−IまたはP−I曲線の上下関係が,最初の第0.5サイクルでは増加過程の曲線が上側に来て,それから逆転して減少過程の曲線が上側になるが,その後再度それらの上下関係が逆転するか,あるいは半サイクル内で増加過程と減少過程の曲線が交差したことを検出して,自動的にその次の溶接打点の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くして散りの発生を軽減させながら適正なナゲットを得ることを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  7. 金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,時々刻々変化する溶接電流の通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,各半サイクルにおける溶接電流の増加過程と減少過程それぞれの所定の同一電流値(I)に対応した電極チップ電圧を検出して,同一電流値(I)と電極チップ電圧との積であるところの電極チップ間電力(Pup=Eup×IおよびPdown=Edown×I)の差(Pdown−Pup)または比(Pdown/Pup)あるいは電極チップ間電圧の比(Edown/Eup)をPsとして求め,そのPsの半サイクル毎の推移する値が所定値以下になったことを検出して,そのサイクル以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,もしくはその時点で通電を打ち切って,散りの発生を予防することを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  8. 金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,時々刻々変化する溶接電流の通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,各半サイクルにおける溶接電流の増加過程と減少過程それぞれの所定の同一電流値(I)に対応した電極チップ電圧を検出して,同一電流値(I)と電極チップ電圧との積であるところの電極チップ間電力(Pup=Eup×IおよびPdown=Edown×I)の差(Pdown−Pup)または比(Pdown/Pup)あるいは電極チップ間電圧の比(Edown/Eup)をPsとして求め,そのPsの半サイクル毎に推移する値が予め記憶された半サイクル毎に推移する値と比較し,そのPsの半サイクル毎に推移する値が予め記憶された前記Psの半サイクル毎に推移する値になるように半サイクル毎に溶接電流を制御することを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
  9. 金属板の溶接物を一対の電極チップで挟みつけて,これに加圧力をかけながら通電して溶接する抵抗スポット溶接方法において,時々刻々変化する溶接電流の通電中の溶接電流と電極チップ間電圧とを時々刻々に検出して,各半サイクルにおける溶接電流の最大値に到達した時点と電極チップ間電圧波形が最大値に到達するまでの時間差(Ts)を求め,この時間差(Ts)が所定値以下になったことを検知してそのサイクル以降の溶接電流を所定値だけ下げるか,または加圧力を所定値だけ高くするか,あるいはその時点で通電を打ち切って散りの発生を予防することを特徴とした抵抗スポット溶接方法。
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