JP3882609B2 - 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用紙等の画像出力媒体表面に可視画像と共に、不可視画像を形成する際に、好適に用いることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像中に付加情報を重畳して埋め込む付加データ埋め込み技術がある。近年、この付加データ埋め込み技術を、静止画像等のデジタル著作物の著作権保護、不正コピー防止に利用する動きが活発になってきている。
【0003】
付加データ埋め込み技術をデジタル著作物に利用する場合、著作権IDやユーザーID等の付加データを、視覚的に目立たないように埋め込んだ画像データを流通させる。有価証券等の偽造を防止するために、様々な対策がカラー画像形成装置に盛り込まれている。その手法の一つとして、コピーやプリントアウトに使用した画像形成装置を特定するために、画像上に目視で認識しずらい画像形成装置固有の記号を一定の変調量で画像情報に重畳させる技術がある。
【0004】
この技術を用いた場合は、仮に、その画像形成装置を用いて有価証券の偽造が行われても、この偽造物の画像を、特定の波長域が抽出可能な読み取り装置により読み取って上記画像形成装置固有の記号を判読することができる。従って、この記号の判読により偽造に使われた画像形成装置を特定できるため、偽造者を追跡するための有効な手がかりが得られる。
【0005】
しかしながら、上記技術においては、画像形成装置の階調特性によっては、低濃度域で画像形成装置特有の記号を重畳しても、それが画像濃度に反映されずに判読不可になったり、階調が硬調な濃度域では、重畳した画像形成装置固有の記号が目視で容易に認識されたりするという問題があった。
【0006】
このような事情から、視覚的に目立たないように付加情報を埋め込む技術として、例えば、特開平1−225978号公報、特開平6−113115号公報、特開平6−171198号公報、特開平6−122266号公報に記載された技術が知られている。
【0007】
特開平1−225978号公報に記載された技術は、潜像担持体に画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像を、該静電潜像と逆極性でかつ透明度の高い絶縁性トナーにより現像して不可視トナー像を形成し、該不可視トナー像を転写材に転写・定着させて不可視画像を形成するものである。このようにして得られた不可視画像の顕像化は、転写材上の絶縁性トナー部のみを帯電させ、有色トナーにより現像することで行われる。
【0008】
特開平6−113115号公報に記載された技術は、画像形成方式の異なるパターン形成装置を別個に備え、450nm以下、650nm以上の波長領域で、分光反射特性のピークを持つ記録材料を用いて、所定のパターンを記録するものである。
【0009】
特開平6−171198号公報及び特開平6−122266号公報に記載された技術は、電子写真方式、静電記録方式又はインクジェット記録方式により、基体上に赤外線吸収性色素からなる着色領域と赤外線反射色素からなる着色領域とを並列又は重ねて形成し、着色領域の少なくとも一方が文字、数字、記号、模様などの画像であり、かつ上記2種の着色領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録するものである。
また、特開2001−265181号公報にも、上記と同じコンセプトの画像形成方法が記載されているが、電子写真用トナーに関しては、具体的に詳しくはふれられていない。
【0010】
一方、近赤外光を吸収する材料を用いて不可視画像を形成するための画像形成材料としては、例えば特開平9―104857号公報、特開平9―77507号公報に示されるようなイッテルビウムなどの希土類金属を含有する材料を利用する方法が提案されており、また特開平7−53945号公報では、銅リン酸結晶化ガラスを含有する赤外線吸収材料を利用する方法が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された従来技術においては、次のような問題があった。
すなわち、特開平1−225978号公報に記載の技術では、不可視画像である付加情報を読み取るにあたって、画像の不可視トナー部のみに有色のトナーを現像して顕像化するため、一旦、顕像化してしまうと文書が変質してしまう。そのため、顕像化した以降は、不可視である付加情報を埋め込んだ文書として利用できなくなるという欠点を有している。
【0012】
また、特開平6−113115号公報に記載の技術では、記録材料の可視光領域での吸収性について何ら規定しておらず、よって付加情報を埋め込む領域の上層に、情報を視覚的に隠蔽する遮蔽層を設けることが必要となる場合がある。すなわち、付加情報を埋め込む領域や画像が限定されるという問題が発生する場合がある。通常、その目的から情報を視覚的に隠蔽するための遮蔽層は、可視光領域の波長をすべて吸収、あるいはすべて反射する必要があり、吸収する場合は黒色に、反射する場合は白色を有する層となる。そのため、可視画像が形成された領域のどこにでも、付加情報を埋め込むことができないという問題が生じる場合がある。さらに、白色を有する遮蔽層で付加情報を視覚的に隠蔽する場合は、可視画像が形成された層と、画像出力媒体表面と、の間に付加情報を埋め込む必要があり、前記遮蔽層を形成した後、新たに付加情報を追加したりすることができないという問題が生じる可能性がある。
【0013】
一方、特開平6−171198号公報及び特開平6−122266号公報に記載の技術では、赤外線に対する吸収性及び反射性を有する色素の可視光領域での吸収性について何ら規定していない。従って、上記特開平6−113115号公報に記載の技術と同様に、付加情報を埋め込む領域や画像が限定され、新たに付加情報を追加したりすることができないという問題が生じる場合がある。
さらに、特開平6−171198号公報に記載の技術は、目視でベタ画像に見える可視画像が形成された領域に不可視画像からなる情報を埋め込むものである。従って、画像出力媒体表面に形成された可視画像の位置に関係なく、前記画像出力媒体表面の任意の位置に不可視画像を形成させることができないという不具合がある。
【0014】
また、特開2001−265181号公報に記載の技術においても、前記公報に記載の技術と同様に、不可視画像を形成するトナーの可視光領域での吸収性について何ら規定しておらず、上記と同様の問題が発生する可能性がある。
【0015】
このように、従来の不可視画像を形成する技術では、特に、不可視画像を形成するトナー等の記録材料に関する検討が殆どなされていなかったため、不可視画像を形成した際に、上記に列挙したような赤外光照射等により機械読み取りする場合に十分な精度が得られない問題や、不可視画像を形成する際に種々の制限が発生する等の諸問題が発生する場合があった。
【0016】
一方、特開平9―104857号公報、特開平9―77507号公報および特開平7−53945号公報に記載された不可視画像を形成するための近赤外吸収材料に関する従来の技術では、該近赤外吸収材料を、不可視画像を形成する電子写真用トナーとして利用する場合の検討が十分になされていない。このため、これら公報に記載の技術では、実用上、上記に列挙した諸問題の発生を避けつつ、高精細な不可視画像を形成することは極めて困難である。
【0017】
加えて、近年の機密文書、有価証券などにおいては、本物認識技術として透かし画像やホログラム像等を別途記録することが一般的に行われている。しかしながら、これらの手法は特殊用紙や特殊記録法を用いるために極めて高価であり、使用する用紙・記録機械の機密管理及び保護にも過大な労力が必要なことが欠点として挙げられる。
【0018】
また、従来の不可視画像形成方法により、機密文書や有価証券等の表面に特定パターンを形成する偽造・複製防止技術においては、不可視画像は、機械読み取りによってのみ認識され、これにより本物と偽物との識別を可能にしていた。しかし、当然、目視ではこのような不可視画像の存在の有無すら確認できないため、例えば、紙幣に形成されている透かし絵のように、目視による簡易な本物認識・偽造抑止効果を得ることは全くできなかった。
【0019】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、画像出力媒体表面に、不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、▲1▼赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が長期間にわたり安定して可能で、情報が高密度に記録できる不可視画像と、▲2▼前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができる不可視画像と、▲3▼目視した際に光沢差により認識でき、偽造抑止効果等が発揮できる不可視画像と、を得ることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 少なくとも結着樹脂と、無機材料粒子からなる近赤外光吸収材料と、を含んでなる電子写真用トナーであって、
該電子写真用トナーの可視光領域における吸収率が、15%以下であり、且つ、前記近赤外光吸収材料の平均分散径が、50nm〜800nmの範囲であり、前記近赤外光吸収材料がCuOを20質量%〜60質量%含む銅燐酸結晶化ガラスであることを特徴とする電子写真用トナーである。
【0021】
<2> 前記結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーである。
【0022】
<3> キャリアと、電子写真用トナーと、からなる電子写真用現像剤であって、
該電子写真用トナーが、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーであることを特徴とする電子写真用現像剤である。
【0023】
<4> 画像出力媒体表面に、a)不可視画像のみが設けられ、b)不可視画像と可視画像とが順次積層されて設けられ、c)不可視画像と可視画像とが前記画像出力媒体表面の異なる領域に別々に設けられてなり、少なくともa)、b)、c)から選ばれる1つの画像を有し、a)、b)、c)の少なくともいずれかの不可視画像が2次元パターンからなる画像形成方法であって、
前記不可視画像が、<1>又は<2>に記載の電子写真用トナーにより形成されることを特徴とする画像形成方法である。
【0024】
<5> 前記可視画像が、近赤外光領域における吸収率が5%以下である、イエロー色、マゼンタ色、シアン色の少なくともいずれかのトナーにより形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、電子写真用トナー、電子写真用現像剤、画像形成方法、不可視画像の具体例、および、画像形成装置を用いた本発明の画像形成方法の具体例、の4つに大きくわけて順に説明する。
【0026】
(電子写真用トナー)
本発明は、少なくとも結着樹脂と、無機材料粒子からなる近赤外光吸収材料と、を含んでなる電子写真用トナー(以下、単に「不可視トナー」と略す場合がある)であって、該電子写真用トナーの可視光領域における吸収率が、15%以下であり、且つ、前記近赤外光吸収材料の平均分散径が、50nm〜800nmの範囲であり、前記近赤外光吸収材料がCuOを20質量%〜60質量%含む銅燐酸結晶化ガラスであることを特徴とする。
【0027】
不可視トナーの可視光領域における吸収率が15%以下、且つ、近赤外光吸収材料の平均分散径が50nm〜800nmの範囲であるため、画像出力媒体表面に、前記不可視トナーを用いて形成される画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、▲1▼赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が長期間にわたり安定して可能で、情報が高密度に記録でき、▲2▼前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができ、▲3▼目視した際に光沢差により認識できることにより偽造抑止効果等が発揮できる、不可視トナーにより形成された画像を得ることができる。
【0028】
この場合、前記近赤外吸収材料の可視光領域(400nm〜700nm)おける最大吸収率が、15%以下であることが必要である。さらに、画像出力媒体として一般的に用いられる白色用紙において不可視性を高めるために、400nm〜600nmの波長域における最大吸収率が、8%以下であること好ましく、4%以下であることがより好ましく、また、600nm〜700nmの波長域における最大吸収率が、10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。
【0029】
なお、本発明において、「可視」および「不可視」とは、画像出力媒体表面に形成された画像が、可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかのみを意味するものであり、例えば、前記画像の領域内と、該領域外と、の光沢差によって、目視により認識できるかどうか等を意味するものではない。
【0030】
可視光領域における吸収率が、15%を超える場合は、不可視トナーを用いて形成された画像の不可視性が低下して目視にて認識されるのは勿論、本来、不可視であるべき画像が発色しているために可視画像の品質を損ねてしまう。また、このような問題の発生を避けるために、不可視トナーを用いて形成された画像の表面に更に遮蔽層を設け、さらにその表面に可視画像を形成したり、あるいは、黒ベタ画像に見える可視画像と、画像出力媒体表面との間に不可視トナーを用いて画像を形成したりしなければならない。それゆえ、画像出力媒体表面の可視画像が形成された領域に関係なく、不可視トナーを用いて画像を形成することができない。
【0031】
一方、近赤外光領域(800nm〜1000nm)における不可視トナーの吸収率は、CCD等の読み取り装置による読み取り強度・複号化時の精度を確保する点から、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。また、より高密度の情報を織り込んだ高精細な画像を形成し、これをCCDにより読み取る場合には、CCDの光学感度が高い800nm〜900nmの波長域に吸収ピーク(最大吸収率)を有することが好ましい。
【0032】
なお、不可視トナーの近赤外光領域における吸収率(近赤外光吸収率)は、分光反射率測定機(日本分光社製、V−570)を用いて、不可視トナーにより形成された画像の近赤外域の分光反射率をIT(i)、画像出力媒体の近赤外域の分光反射率をM(i)と測定することにより、下式(1)に示したように求められる。
・式(1) 不可視トナーの近赤外光吸収率=IT(i)−M(i)
【0033】
さらに、上記と同様に、可視域において測定することにより、不可視トナーの可視光領域における吸収率(可視光吸収率)も求めることができる。即ち、不可視トナーにより形成された画像の可視光域の分光反射率をIT(v)、画像出力媒体の分光反射率をM(v)と測定することにより、下式(2)に示したように求められる。
・式(2) 不可視トナーの可視光吸収率=IT(v)−M(v)
【0034】
また、「平均分散径」とは、トナー中に分散している個々の近赤外吸収材料の平均粒径を意味する。この平均分散径は、TEM(透過型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製、JEM−1010)観察により、トナー中に分散している1000個の粒子状の近赤外吸収材料について、個々の断面積よりその粒径を算出し、これを平均した値より求めた。
【0035】
無機材料粒子からなる近赤外光吸収材料の平均分散径は、50nm〜800nmの範囲であることが必要である。平均分散径が前記範囲内にあることにより、結着樹脂の画像出力媒体表面への浸透を、定着性を損ねない範囲で抑制することができ、その結果、不可視トナーにより形成された画像表面は、該画像が形成されない部分に比べ平滑性が高く保たれ、光沢度が高くなる。この場合、不可視トナーを用いて形成される画像を角度をつけてかざすと、可視画像の品質を損ねることなく、相対的に光沢度の高い不可視トナーにより形成された画像部位の存在を認識できるようになる。
【0036】
さらに、不可視トナーにより形成される画像の機械読み取りのために必要な近赤外光吸収能力を高めるためには、平均分散径は、100nm〜600nmの範囲が好ましく、150nm〜450nmの範囲がより好ましい。
上記した範囲内において、所望の平均分散径を得るためには、予め粒径を上記範囲内に収めるように粉砕あるいは造粒した無機材料粒子を用いてもよいが、公知のトナー作製方法、例えば、溶融混練法における混練ストレスの調整によって無機材料粒子の粒径を調整することもできる。
【0037】
平均分散径が、50nmよりも小さい場合には、画像が赤外領域においても透光性となり画像がぼやけてしまうため、記録された情報を読み取ることができなくなる。一方、平均分散径が、800nmよりも大きい場合には、画像の画質が低下したり画素が粗くなるために、記録される情報の密度が低下したり、前記画像が目視にて容易に認識できるようになるために可視画像の品質を損なうという問題が発生する。
【0038】
本発明の電子写真用トナーに用いられる近赤外光吸収材料としては、電子写真用トナーとして作製した際に、既述したような可視光領域における吸収率と、平均分散径を満たす無機材料粒子であれば特に限定されるものではない。しかし、例えば、燐酸、シリカ、ホウ酸等の可視域の波長を透過する公知のガラス網目形成成分に、少なくとも近赤外域の波長を吸収する、遷移金属イオンや、無機及び/又は有機化合物からなる色素等の材料を添加したガラスや、これを熱処理により結晶化した結晶化ガラス等を用いることができる。
【0039】
なお、前記ガラスの作製や、熱処理を容易にするために、その他のアルミナやアルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物等の、公知のガラス網目修飾成分を添加してもよい。また、このようなガラスは一旦溶融し、これを冷却することにより作製してもよいが、ガラス原料に近赤外域の波長を吸収する有機化合物からなる色素等の材料を添加して作製する場合には、高温加熱が必要な溶融プロセスを用いることなくガラスの作製が可能なゾルゲル法等により作製してもよい。
【0040】
また、本発明の電子写真用トナーに用いられる結着樹脂としては、電子写真用トナーとして作製した際に、既述したような可視光領域における吸収率と、平均分散径を満たす無機材料粒子であれた特に限定されるものではないが、例えば、以下に列挙するような材料を用いることができる。
【0041】
例えば、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
【0042】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類を挙げることができる。
【0043】
本発明の電子写真用トナーを構成する結着樹脂及び近赤外光吸収材料としては、既述したような材料を用いることが好ましいが、以下のような材料を用いることが特に好ましい。
即ち、本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする樹脂であり、近赤外光吸収材料が、少なくともCuOと、P25と、を含んでなる無機材料粒子であることが好ましい。
【0044】
近赤外光吸収材料として、少なくともCuOと、P25と、を含んでなる無機材料粒子を用いることにより、このような近赤外吸収材料を含んでなる不可視トナーにより形成された画像は、可視域においてより不可視性に優れ、赤外域において機械読み取りした際により鮮明に認識することができる。このような無機材料粒子の近赤外吸収能力は、該無機材料中に含まれる2価の銅イオンが、近赤外光を吸収することにより発揮されるものと推定される。
【0045】
特に、不可視トナー粒子中におけるCuOの含有濃度は、6%質量%〜35質量%の範囲が好ましく、10質量%〜30質量%の範囲がより好ましい。
CuOの含有濃度が、6質量%よりも小さい場合には、近赤外光吸収能力が不足する場合があり、35質量%よりも大きい場合には、青から緑の色調が強くなり、不可視トナーを用いて形成される画像の不可視性が損なわれる場合がある。
【0046】
さらに、前記無機材料粒子は、不可視トナー中における該無機材料粒子の均一分散性と、電子写真用の記録材料として必要となる適度な負極摩擦帯電性と、を得るために、CuO、Al23、P25およびK2Oを必須の構成成分とする銅燐酸結晶化ガラスからなることが好ましい。この銅燐酸結晶化ガラスの組成は、CuOが、20質量%〜60質量%の範囲であることが必要である。また、その他の成分については、Al23が、1質量%〜10質量%の範囲であり、P25が、30質量%〜70質量%の範囲であり、K2Oが、1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。
【0047】
CuOの含有量は、好適な近赤外光吸収能を好得るために上記範囲内で好適に調整され、P25及びK2Oの含有量は、前者と後者との含有量の比が、銅燐酸結晶化ガラスの組成均一性を確保できるように上記範囲内で好適に調整され、Al23の含有量は、2価の銅イオンの安定化のために上記範囲内で好適に調整される。
【0048】
このような組成からなる銅燐酸結晶化ガラスの作製方法としては、上記成分を混合したガラス原料を、700℃〜2000℃の温度域で溶解して十分に均質となるまで溶融し、これを、一旦室温近辺まで冷却してガラス化させたものを得る。次ぎにこれを、200℃〜800℃の温度域にて熱処理して結晶化させる方法などが挙げられる。
この場合、結晶化処理前後に機械式粉砕を施して微粉末化処理を施してもよい。また、ガラス原料の溶融する際に、酸化剤を添加したり、酸化性の雰囲気下にて溶融処理することにより、銅結晶化ガラス中の2価の銅イオンの存在率を高めることも、銅燐酸結晶化ガラスの近赤外吸収能力を高めるために好ましく用いられる手法である。
【0049】
一方、結着樹脂としては、ポリエステルを主成分とする樹脂を用いることが好ましい。結着樹脂としてポリエステルを主成分とする樹脂を用いることは、既述した銅リン酸結晶化ガラス粒子を含有させて熱溶融混練・粉砕法によりトナー化する場合には、不可視トナー粒子中における、近赤外光吸収材料である銅リン酸結晶化ガラス粒子の分散均一性、濃度設定の自由度、および、近赤外トナー粒子の機械的強度確保等の観点から、他の樹脂を用いる場合よりも有利である。
【0050】
前記ポリエステル樹脂としては、特にポリオール成分及びポリカルボン酸成分から、重縮合により合成されるポリエステル樹脂を結着樹脂として用いるのが好ましく、例えば、ビスフェノールAと多価芳香族カルボン酸とを主たる単量体成分とした重縮合物よりなる線状ポリエステル樹脂が好ましく使用できる。
【0051】
なお、当該「ポリエステルを主成分とする」とは、結着樹脂が、ポリエステル樹脂のみ、あるいは、ポリエステル樹脂と、それ以外の樹脂と、の混合物からなるものであり、前記結着樹脂中に含まれるポリエステル樹脂が、70質量%〜100質量%の範囲内であることを意味する。
【0052】
ポリエステル樹脂の合成に用いられるポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0053】
ポリカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパンテトラメチレンカルボン酸、およびそれらの無水物が挙げられる。
【0054】
また、これらポリエステル系の結着樹脂としては、軟化点が90℃〜150℃、ガラス転移点が55℃〜75℃、数平均分子量が2000〜6000、質量平均分子量が8000〜150000、酸価が5〜30、水酸基価が5〜40の範囲である樹脂が、定着性、及び、偽造抑止効果等の発揮が可能となる不可視トナーにより形成される画像領域への光沢性付与の観点で特に好ましく使用できる。
【0055】
不可視トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収能力を有する無機材料粒子の他に、トナーの内部に含有・分散させて使用する内部添加剤として、定着性を調整するワックスや、帯電を調整する帯電制御剤等を少なくとも1種類以上含有してもよい。
【0056】
前記ワックスとしては次のようものが例示できる。例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。この誘導体には、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物が含まれる。この他にも、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も利用できる。
【0057】
ワックスの、不可視トナーに対する添加量は、1質量%〜10質量%の範囲が好ましく、3質量%〜10質量%の範囲がより好ましい。ワックスの添加量が、1質量%より少ないと、十分な定着ラチチュード(トナーのオフセットなしに定着できる定着ロールの温度範囲)が得られない。一方、10質量%より多いと、近赤外光吸収材料の分散均一性が損なわれる。また、トナーの粉体流動性が悪化し、静電潜像を形成する感光体表面に遊離ワックスが付着して、静電潜像が正確に形成できなくなる。
【0058】
また、その他の内部添加剤として、不可視トナーの粉砕性や熱保存性を満足するために石油系樹脂を用いてもよい。なお、この石油系樹脂とは、石油類のスチームクラッキングによりエチレン、プロピレンなどを製造するエチレンプラントから副生する分解油留分に含まれるジオレフィンおよびモノオレフィンを原料として合成されたものである。
【0059】
更に、不可視トナーの長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させる為に、添加剤として、無機粉、樹脂粉を単独又は併用して用いてもよい。
この無機粉としては例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、樹脂粉としてはPMMA、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミン、フッ素系等の球状粒子、そして、塩化ビニリデン、脂肪酸金属塩等の不定形粉末があげられる。これら添加剤の添加量は、不可視トナー粒子に対して、好ましくは0.2質量%〜4質量%の範囲、より好ましくは0.5〜3質量%の範囲で添加される。
【0060】
特に、不可視トナーを用いて、白色度の高い画像出力媒体表面に、不可視トナーを用いて画像を形成する場合、この画像の不可視性をより高める目的で、白色の添加剤を用いることが好ましく、このような添加剤としては上述したチタニア粒子を用いることが効果的である。
【0061】
チタニア粒子は、不可視トナーの、内部に含有分散させて添加しても、および/または、表面に添加しても、不可視性を高める効果を発現できるが、その粒径が、近赤外光吸収材料の平均分散径よりも小さいことが望ましい。チタニア粒子の粒径が近赤外光吸収材料の平均分散粒径よりも大きい場合は、不可視トナーの白色度が増すものの、その一方で、光隠蔽性も強くなり近赤外光吸収能力を阻害してしまう場合がある。
【0062】
上記内部添加剤を、不可視トナー粒子内部に添加する方法としては公知の手法を用いることができるが、特に熱溶融混練処理が好適に用いられる。この時の混練としては、各種の加熱混練機を用いて行うことができる。加熱混練機としては、三本ロール型、一軸スクリュー型、二軸スクリュー型、バンバリーミキサー型が挙げられる。
【0063】
また、不可視トナー粒子の製造法は、特に限定されるものではなく、公知の手法を用いることができるが、上記混練物の粉砕により製造する場合は、例えば、マイクロナイザー、ウルマックス、JET−O−マイザー、KTM(クリプトン)、ターボミージェット等により行うことができる。更には、その後工程として、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を用いて、機械的外力を加えることで粉砕後のトナー形状を変化させることができる。また、熱風による球形化も挙げることができる。さらには、分級処理を施してトナー粒度分布を調整しても良い。
【0064】
不可視トナーの体積平均粒径としては、3μm〜12μmの範囲が好ましく、5μm〜10μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が、3μmより小さいと、静電的付着力が重力と比べて大きくなり、粉体としてハンドリングするのが困難になる場合がある。一方、体積平均粒径が、12μmより大きいと、高精細な不可視情報の記録が困難となる場合がある。
【0065】
(電子写真用現像剤)
本発明の電子写真用現像剤は、キャリアと、電子写真用トナーと、からなる電子写真用現像剤であって、該電子写真用トナーが、本発明の電子写真用トナーであることが好ましい。
本発明の電子写真用現像剤は、公知の手法により、キャリアと、本発明の電子写真用トナーと、を混合処理することにより得ることができる。また、本発明の電子写真用現像剤は、前記電子写真用トナーは非磁性であり、キャリアは磁性を有するものを混合してなる二成分現像剤であることが好ましい。
【0066】
現像剤中の不可視トナー濃度(TC:Toner Concentration)は、3質量%〜15質量%の範囲が好ましく、5質量%〜12質量%の範囲がより好ましい。なお、前記不可視トナー濃度(TC)は、下式で表わされる。TC(wt%)=〔現像剤に含まれる不可視トナー質量(g)/現像剤の総質量(g)〕×100
【0067】
また、不可視トナーとキャリアとを混合して現像剤とした際の不可視トナーの電荷量は、高すぎるとトナーのキャリアに対する付着力が強くなりすぎるために、不可視トナーが現像されないといった現象が発生する場合がある。一方、電荷量が低すぎると、不可視トナーのキャリアに対する付着力が弱くなり遊離トナーによるトナークラウドが発生し、画像形成時におけるカブリが問題となる場合がある。
このため、良好な現像を行うという観点からは、現像剤中の不可視トナーの電荷量は絶対値で、5μC/g〜80μC/gの範囲が好ましく、10μC/g〜60μC/gの範囲がより好ましい。
【0068】
本発明の電子写真用現像剤としては、例えば、以下のように作製して得られるものが例示できる。
まず、ポリエステル樹脂60質量%と、無色の赤外吸収材料として既述した銅燐酸結晶化ガラス粒子40質量%と、を混練粉砕し、平均粒径が9μmのベーストナーを得た。次に、このベーストナーに対し、疎水化処理を施した平均粒径40nmのチタニア微粉末を前記ベーストナー表面に外添することにより非磁性の不可視トナーを得た。
【0069】
また、キャリアとしては、平均粒径50μmのフェライト粒子100質量部及び質量平均分子量95,000のメタクリレート樹脂1質量部を、溶剤としてトルエン500質量部とともに加圧式ニーダーに入れ、常温で15分混合した後、減圧混合しながら70℃に加温して溶剤を除去した後冷却し、目開き105μmのふるいで篩分したもの準備した。
【0070】
このようにして得られた不可視トナーを、トナー濃度(TC)が8wt%、となるように、前記キャリアと混合し、現像剤中の前記不可視トナーの帯電量を20μC/gとした本発明の電子写真用現像剤を得た。但し、本発明の電子写真用現像剤は、この例に限定されるものではなく、本発明の電子写真用トナーと、キャリアと、からなるものであれば特に限定されない。
【0071】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、画像出力媒体表面に、a)不可視画像のみが設けられ、b)不可視画像と可視画像とが順次積層されて設けられ、c)不可視画像と可視画像とが前記画像出力媒体表面の異なる領域に別々に設けられてなり、少なくともa)、b)、c)から選ばれる1つの画像を有し、a)、b)、c)の少なくともいずれかの不可視画像が2次元パターンからなる画像形成方法であって、前記不可視画像が、本発明の電子写真用トナーにより形成されることが好ましい。
【0072】
なお、本発明において、「不可視画像」とは、赤外域において、CCD等の読み取り装置により認識することができる画像であると共に、不可視画像を形成する不可視トナーが可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性を有さないために、可視域において、目視により認識することができない(即ち、不可視である)画像を意味する。
また、「可視画像」とは、赤外域において、CCD等の読み取り装置により認識することができない画像であると共に、可視画像を形成する可視トナーが可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性を有するために、可視域において、目視により認識できる(即ち、可視である)画像を意味する。
【0073】
本発明の画像形成方法により形成される不可視画像は、本発明の電子写真用トナーを用いて形成されるために、赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が長期間にわたり安定して可能で、情報が高密度に記録できる。また、前記不可視画像は、可視域において発色性を有さず、不可視であるために、画像出力媒体の画像形成面に可視画像が設けられるか否かに関係なく、該画像形成面の任意の領域に形成することができる。
【0074】
しかしながら、本発明においては、画像形成面に形成された、可視画像の領域と、不可視画像の領域と、の一部または全部が重なる場合には、前記可視画像と、前記不可視画像と、が重って形成される領域において、前記不可視画像は、前記可視画像と、画像出力媒体表面と、の間に形成されることが好ましい。このような場合、画像形成面を正面から目視しても可視画像しか認識できないものの、斜めから目視した場合には、不可視画像が形成された領域と、それ以外の領域の光沢差により、可視画像の品質を損なうことなく、前記不可視画像の存在を確認することができる。
一方、画像出力媒体表面に形成された可視画像表面に不可視画像が形成される場合には、該不可視画像による可視光隠蔽により、前記可画像の発色を妨げ、画像欠陥となってしまう場合がある。
【0075】
また、不可視画像を、画像出力媒体表面と、可視画像と、の間に形成することにより、前記不可視画像が、前記可視画像により保護される。このため、画像出力媒体の可視画像及び不可視画像が形成された画像形成面の摩耗等により、不可視画像が劣化しにくいため、より長期にわたり、安定して赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が可能である。
【0076】
また、偽造物の流通により多大な不利益を蒙る可能性の高い機密文書や有価証券等においては、真贋を識別するために不可視画像として記録された情報が、可視画像により保護されるため、前記情報の除去や書き換えが極めて困難になり、優れた偽造抑止効果を得ることができる。
【0077】
但し、このような光沢差に起因する不可視画像の目視による認識は、本物認識・偽造抑止効果を得るためにのみ限定されるものではなく、例えば、バーコードのようなハンディタイプの読み取り機によって、画像出力媒体表面の特定の位置に形成された不可視画像の情報を読み取る際に、不可視の情報が記録された位置を認識する際の目印等として、他の用途にも幅広く利用することができる。
【0078】
本発明の画像形成方法は、可視画像が、近赤外光領域における吸収率が5%以下である、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、の少なくともいずれかのトナーにより形成されることが好ましい。
本発明において、可視画像形成も電子写真法を用いる場合、可視画像形成用に使用するトナーとしては、公知のものを用いることができるが、近赤外光領域における吸収率(近赤外光吸収率)が、5%以下であるイエロー色、マゼンタ色および/またはシアン色のトナー(以下、「可視トナー」と略す場合がある)を用いることが、不可視情報の読み取り精度確保の観点で好ましい。
【0079】
なお、可視トナーは、イエロー、マゼンタ、シアン色以外であってもよく、レッド、ブルー、グリーン等、所望する色のトナーであってもよいが、どのような色の可視トナーにおいても、近赤外光吸収率が5%以下であることが好ましい。
【0080】
可視トナーの近赤外光吸収率が5%以上である場合には、画像出力媒体表面に、不可視画像と、可視画像とが形成された画像形成面を、赤外光照射により機械読み取りする場合において、可視画像も、不可視画像として誤認されてしまう場合がある。特に、画像形成面の不可視画像が形成された領域を特定せずに機械読み取りする場合や、可視画像と、画像出力媒体表面と、の間に不可視画像を形成する場合においては、不可視画像の情報のみを読み取って正確に複号化することが困難になる場合がある。
【0081】
この可視トナーの近赤外光吸収率は、既述した不可視トナーの場合と同様に分光反射率測定機を用いて、前記可視トナーにより形成された可視画像の近赤外域の分光反射率をVT(i)、画像出力媒体の分光反射率をM(i)と測定することにより、下式(3)に示したように求められる。
・式(3) 可視トナーの近赤外光吸収率=VT(i)−M(i)
【0082】
上記したような可視トナーを得るために用いる着色剤としては、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを代表的なものとして例示することができる。
また、可視画像形成用トナーの他の構成要件については、既述した不可視トナーに関する部分において、近赤外光吸収材料及びその吸収率特性に関する部分を除き、同様であることが好ましい。
【0083】
また、不可視画像の読み取り精度を高めるためには、不可視画像を形成する不可視トナーの近赤外光吸収率は、可視画像を形成する可視トナーの近赤外光吸収率よりも15%以上大きいことが好ましく、30%以上大きいことがより好ましい。
【0084】
不可視画像と、可視画像と、の近赤外光吸収率差が15%よりも小さい場合には、不可視画像の近赤外吸収率と、可視画像の近赤外吸収率と、の間の吸収率域において、機械読み取りする際に不可視画像か否かを識別して読み取るために一定のコントラスト(閾値)を境界として2値化処理して、不可視画像のみを認識して読み取ることが困難となる場合がある。即ち、このような場合、可視画像が、不可視画像の読み取り、さらには、不可視画像に記録された情報を正確に復号化する際の障害となってしまう可能性がある。
【0085】
なお、このような、不可視画像を形成する不可視トナーの近赤外光吸収率と、可視画像を形成する可視トナーの近赤外光吸収率と、の差(以下、単に「近赤外光吸収率差」と略す場合がある)は、分光反射率測定機を用いて、画像出力媒体表面に形成された不可視画像(ベタ画像)の分光反射率IP(i)と、画像出力媒体表面に形成された可視画像(ベタ画像)の分光反射率VP(i)と測定することにより、下式(4)に示したように求められる。
・式(4) 近赤外光吸収率差=IP(i)−VP(i)
【0086】
(不可視画像の具体例)
次に、本発明の画像形成方法により形成される不可視画像の画像構成、不可視画像の目視による認識、および、不可視画像の機械読み取り等について具体的に説明する。
不可視画像は、本発明の電子写真用トナーを用いて形成されるもので、近赤外光照射により機械読み取り可能であれば特に限定されるのではないが、文字、数字、記号、模様、絵、写真等の画像からなるのは勿論、JAN、標準ITF、Code128、Code39、NW−7等と呼ばれる公知のバーコードのような2次元パターンであってもよい。
【0087】
不可視画像がバーコードのような2次元パターンからなる場合には、画像出力媒体に画像を形成した画像形成装置を特定するためのシリアル番号や、画像出力媒体表面に前記不可視画像と共に形成される可視画像の著作権認証番号等として利用できる。また、不可視画像と共に形成される可視画像が機密文書・有価証券・免許・個人IDカード等の形態をとる場合においては、これら偽造物の識別を検出することにも効果的に用いられる。
【0088】
なお、上記のバーコードの例のみならず、本発明において、2次元パターンとは、従来、可視で認識可能な画像として用いられてきた公知の記録方式であれば特に限定されるものではない。
例えば、微小面積セルを幾何学的に配置させた2次元パターンを形成する方法としては、QRコードと呼ばれる2次元バーコードが挙げられる。また、微小ラインビットマップを幾何学的に配置させた2次元パターンを形成する方法としては、特開平4−233683号公報に記載の技術である、回転角度が異なる複数のパターンによるコードの形成方法が挙げられる。
【0089】
このような2次元パターンからなる不可視画像を画像出力媒体表面に形成することにより、容量の大きい情報、例えば、音楽情報、文章アプリケーションソフトの電子ファイル等を目視では理解できない形式で画像に埋め込むことが可能となり、より硬度な機密文書あるいはデジタル/アナログ情報共有文書等の作成技術を提供できる。
【0090】
図1は、本発明の画像形成方法により形成される2次元パターンからなる不可視画像形成部の、通常の画像(目視で見た場合)、赤外光照射により認識した場合の拡大図、及び、該拡大図を機械読み取りによりデジタル情報に復号変換した後のビット情報イメージとして捉えた場合の一例を示す模式図である。
図1の左側に示された図は、画像出力媒体12表面を目視で見た場合について示したものであり、画像出力媒体12表面には不可視画像11が形成されている。なお、図中、不可視画像11は、実際には視認できるものではないが、説明のために便宜上ハーフトーンで表している。
【0091】
また、図1の中央に示された図は、不可視画像11を赤外光照射により機械読み取りして認識した場合において、不可視画像11の微視的領域を拡大した拡大図13である。拡大図13に示される2次元パターンは、回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップで形成された場合の一例を示したものであり、具体的には、相互に異なる傾きを有する2種類の微小ライン単位14が配列し、片方が「0」、もう片方が「1」のビット情報を表している。この回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップからなる2次元パターンは、可視画像に与えるノイズが極めて低く、かつ大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことができるため、好適に用いられる。
なお、微小ライン単位14は、好ましくは3〜10ドット、より好ましくは4〜7ドットで1単位が形成される。1単位が、3ドットよりも小さい場合には、機械による読み取り誤りが多くなり、10ドットを超える場合には、可視画像に対しノイズとして現れるため好ましくない。
【0092】
図1の右側に示された図は、微小ライン単位14が配列している拡大図13を、機械読み取りによりデジタル情報に復号変換してビット情報イメージ15として捉えたものである。このように、不可視画像は、CCD等の読み取り装置により、拡大図13に示されるような2次元パターンとして読み取られ、これがデジタル情報としてビット情報イメージ15に復号変換され、さらには、エンコード時の記録フォーマットに対応した方式で音声情報、文章、画像ファイル、アプリケーションソフトの電子ファイル等へデコードされる。
【0093】
一方、従来、偽造防止技術に用いられてきた技術としては、画像出力媒体に、桜紙(複写機の光学読み取り時に、「禁複写」等の文字が浮き出る特殊紙)を用いる方法、あるいは、比較的淡い色で透かし文字を重ね記録する方法があったが、いずれも、前記画像出力媒体表面に形成された文書や模様、絵柄等からなる可視画像の品質を損ねるものであった。
しかしながら、本発明の画像形成方法により画像出力媒体表面に形成された不可視画像が光沢性を有する場合には、該画像出力媒体表面に対して、特定の角度から目視した場合は、前記不可視画像を巨視的に認識でき、また、別の角度から目視した場合は、前記不可視画像を認識できないようにすることが可能であるため、不可視画像と共に形成される可視画像の品質を損なうことがない。このような例について以下に説明する
【0094】
図2は、本発明の画像形成方法により、画像出力媒体表面に不可視画像と共に可視画像が形成された記録物を、該記録物の紙面のほぼ垂直方向(正面)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例であり、図3は、本発明の画像形成方法により、図2に示す記録物を、該記録物の紙面の垂直方向からずれた位置(斜め)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。
【0095】
図2及び図3において、記録物21表面には、文字やグラフ等からなる可視画像と共に「Confidential」というパターン(文字)からなる不可視画像22が、画像出力媒体表面と、可視画像との間に形成されている。
しかし、図2においては、記録物21の紙面に対してほぼ垂直方向(正面)より目視しているため、不可視画像22(図2においては図示せず)は認識できないことを示している。一方、図3においては、記録物21の紙面に対して垂直方向からずれた位置(斜め)より目視しているため、不可視画像として形成された領域と、該領域以外と、の光沢差が顕著となるために、不可視画像22の「Confidential」というパターン(文字)が、可視画像と共に認識できることを示している。
【0096】
図2及び図3に示した例において、不可視画像22は、目視により文字として巨視的に認識できるものであるが、偽造・複写行為に対して牽制効果を発揮するためには、必ずしも文字に限定されるものではない。また、不可視画像22の微視的領域が、図1に示した微小ライン単位14のような機械読み取り可能なパターンで構成されることにより、より偽造が困難で、かつ精度の高い本物認識が可能な記録物21とすることもできる。
なお、図3に示す不可視画像22は、実際には光沢感により認識されるものであるが、説明の都合上、本発明の画像形成方法により形成された記録物を提示して直接説明することができないため、光沢感を有さない黒色のパターン(文字)として描画されている。
【0097】
一方、本発明の画像形成方法により不可視画像と共に形成される可視画像は、どのような画像であってもよく、また、その画像形成方法も、電子写真方式も含め、公知のいかなる画像形成方法を用いてもよいが、不可視画像を機械読み取りする際に精度よく読み取るために、前記可視画像の近赤外光吸収率が5%以下であることが好ましい。さらに、本発明の画像形成方法に用いられる画像出力媒体は、本発明の電子写真用トナーを用いて画像形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、画像出力媒体表面に直接不可視画像が形成される場合には、近赤外域の波長を吸収しないものが好ましく、また、不可視トナーがチタニア粒子等の白色顔料を添加してなるものである場合は、白色または白色度の高いものが好ましい。
【0098】
上記のように、本発明の画像形成方法により、画像出力媒体表面に形成された2次元パターンからなる不可視画像は、波長700nm以上の領域、即ち肉眼で見ることができず、近赤外光領域において、特定の手段によって読み取りが可能となる。具体的な読み取り手段としては、例えば、赤外光成分を有する照明を記録用紙に照射しつつ、赤外光に感度を有するイメージセンサで記録用紙上の画像を読み取ることができる。
【0099】
上記の2次元パターンからなる不可視画像は、例えば、特定の記録フォーマットを採用し、暗号鍵の付与、読み取り誤り補正(パリティ)付与等の公知技術を盛り込むことにより、機密性に優れ、かつ高精度/高密度な情報、例えば著作権、本物認識符号、データリンクアドレス、画像デジタル情報登録等をパターン化(エンコード)し、必要に応じ近赤外光領域による光学的読み取り・複合化(デコード)することができる。
【0100】
(画像形成装置を用いた本発明の画像形成方法の具体例)
以下、本発明の画像形成方法を、画像形成装置を用いた実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、画像形成装置の一例として、電子写真法により、不可視画像を形成する画像形成装置と、不可視画像と共に可視画像を同時に形成する画像形成装置と、を例に挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0101】
図4は、本発明の画像形成方法により不可視画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置100は、像担持体101、帯電器102、像書き込み装置103、現像器104、転写ロール105、クリーニングブレード106等からなる画像形成手段を備えている。
【0102】
像担持体101は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体101は、矢印A方向に回転可能に設けられている。帯電器102は、像担持体101を一様に帯電するものである。像書き込み装置103は、帯電器102によって一様に帯電された像担持体101に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
【0103】
現像器104は、不可視トナーを収容し、この不可視トナーを、像書き込み装置103により静電潜像が形成された像担持体101表面に供給し、現像を行い、像担持体101表面にトナー像を形成する。転写ロール105は、図示しない用紙搬送手段によって矢印B方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を像担持体101との間で挟持しつつ、像担持体101表面に形成された前記トナー像を記録用紙に転写するものである。クリーニングブレード106は、転写後に像担持体101表面に残った前記電子写真用トナーをクリーニング(除去)するものである。
【0104】
次ぎに、画像形成装置100による不可視画像の形成について説明する。先ず、像担持体101が回転駆動され、帯電器102によって像担持体101の表面が一様に帯電された後、この帯電された表面に、像書き込み装置103による像光が照射されて静電潜像が形成される。その後、現像器104によって、該静電潜像が形成された像担持体101表面にトナー像が形成された後、このトナー像が転写ロール105によって記録用紙表面に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体101表面に残ったトナーは、クリーニングブレード106によりクリーニングされる。こうして記録用紙表面には、視覚的に隠蔽したい付加情報などを表わす不可視画像が形成される。
【0105】
なお、画像形成装置100によって、記録用紙表面に不可視画像が形成された面に、他の画像形成装置を用いて更に文字、数字、記号、模様、絵、写真画像などの可視画像を記録してもよい。この可視画像を記録する方法は、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷等の一般的印刷手法はもちろんのこと、熱転写記録、インクジェット法、電子写真法等、公知の画像形成技術を任意に選択できる。
【0106】
ここで、前記可視画像の形成に際しても電子写真法を用いる場合には、不可視/可視画像形成を一貫して実施することにより、生産性・機密管理性に優れた技術を提供できる。この場合の画像形成フローとしては、例えば、画像形成装置100の現像器104に、現像剤に含まれるトナーが不可視トナーのみ、イエロートナーのみ、マゼンタトナーのみ、シアントナーのみからなる現像剤を、各々収容した画像形成装置を併設し、順次画像出力媒体に重畳記録していく、一般的にタンデム方式と呼ばれる方法を用いることができる。
【0107】
このように、図4に示す画像形成装置を用いて記録用紙表面に不可視画像を形成したのちに、さらにその上に可視画像を形成することにより、不可視画像を、可視画像と、記録用紙表面との間に埋め込む形で形成することができる。
【0108】
図5は、本発明の画像形成方法により不可視画像と共に可視画像を同時に形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、像担持体201、帯電器202、像書き込み装置203、ロータリー現像装置204、一次転写ロール205、クリーニングブレード206、中間転写体207、複数(図では3つ)の支持ロール208,209,210、二次転写ロール211等を備えて構成されている。
【0109】
像担持体201は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体201は図5の矢印C方向に回転可能に設けられている。帯電器202は、像担持体201を一様に帯電するものである。像書き込み装置203は、帯電器202によって一様に帯電された像担持体201に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
【0110】
ロータリー現像装置204は、それぞれイエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用、不可視用のトナーを収容する5つ現像器204Y,204M,204C,204K,204Fの有するものである。本装置では、画像形成のための現像剤にトナーを用いることから、現像器204Yにはイエロー色トナー、現像器204Mにはマゼンタ色トナー、現像器204Cにはシアン色トナー、現像器4Kにはブラック色トナー、現像器204Fには不可視トナーがそれぞれ収容されることになる。このロータリー現像装置204は、上記5つの現像器204Y,204M,204C,204K,204Fが順に像担持体201と近接・対向するように回転駆動することにより、それぞれの色に対応する静電潜像にトナーを転移して可視トナー像及び不可視トナー像を形成するものである。
【0111】
ここで、必要とする可視画像に応じて、ロータリー現像装置204内の現像器204F以外の現像器を部分的に除去しても良い。例えば、現像器204Y、現像器204M、現像器204C、現像器204Fといった4つの現像器からなるローターリ現像装置であってもよい。また、可視画像形成用の現像器をレッド、ブルー、グリーン等の所望する色の現像剤を収容した現像器に変換して使用しても良い。
【0112】
一次転写ロール205は、像担持体201との間で中間転写体207を挟持しつつ、像担持体201表面に形成されたトナー像(可視トナー像又は不可視トナー像)をエンドレスベルト状の中間転写体207の外周面に転写(一次転写)するものである。クリーニングブレード206は、転写後に像担持体201表面に残ったトナーをクリーニング(除去)するものである。中間転写体207は、その内周面を、複数の支持ロール208,209,210によって張架され、矢印D方向及びその逆方向に周回可能に支持されている。二次転写ロール211は、図示しない用紙搬送手段によって矢印E方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を支持ロール210との間で挟持しつつ、中間転写体207外周面に転写されたトナー像を記録用紙に転写(二次転写)するものである。
【0113】
画像形成装置200は、順次、像担持体201表面にトナー像を形成して中間転写体207外周面に重ねて転写するものであり、次のように動作する。すなわち、先ず、像担持体201が回転駆動され、帯電器202によって像担持体201の表面が一様に帯電された後、その像担持体201に像書き込み装置203による像光が照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロー用の現像器204Yによって現像された後、そのトナー像が一次転写ロール205によって中間転写体207外周面に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体201表面に残ったイエロー色トナーは、クリーニングブレード206によりクリーニングされる。また、イエロー色のトナー像が、外周面に形成された中間転写体207は、該外周面にイエロー色のトナー像を保持したまま、一旦矢印D方向と逆方向に周回移動し、次のマゼンタ色のトナー像が、イエロー色のトナー画像の上に積層されて転写される位置に備えられる。
【0114】
以降、マゼンタ、シアン、ブラックの各色についても、上記同様に帯電器202による帯電、像書き込み装置203による像光の照射、各現像器204M,204C,204Kによるトナー像の形成、中間転写体207外周面へのトナー像の転写が順次、繰り返される。
【0115】
こうして中間転写体207外周面に対する4色のトナー像の転写が終了すると、これに続いて再び、像担持体201の表面が帯電器202によって一様に帯電された後、像書き込み装置203からの像光の照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、不可視用の現像器204Fによって現像された後、そのトナー像が一次転写ロール205によって中間転写体207外周面に転写される。これにより、中間転写体207外周面には、4色のトナー像が重ね合わされたフルカラー像(可視トナー像)と不可視トナー像との両方が形成される。このフルカラーの可視トナー像及び不可視トナー像は二次転写ロール211により一括して記録用紙に転写される。これにより、記録用紙の画像形成面には、フルカラーの可視画像と不可視画像とが混在した記録画像が得られる。また、画像形成装置200を用いた本発明の画像形成方法では、前記画像形成面の可視画像と、不可視画像と、が重なる領域においては、不可視画像が、可視画像形成層と、記録用紙表面と、の間に形成される。
【0116】
図5に示す画像形成装置200を用いた本発明の画像形成方法では、図4に示す画像形成装置100を用いた本発明の画像形成方法と同様の効果に加えて、記録用紙表面に、フルカラーの可視画像の形成と、不可視画像の形成による付加情報の埋め込みと、を同時に行うことができるという効果が得られる。
【0117】
また、フルカラーの可視画像と、記録用紙表面と、の間に不可視画像を形成することにより、不可視画像が常に記録用紙表面と接した状態になる。これにより、既述した不可視画像の存在の有無による光沢差が、目視検知でき、これにより例えば、機密文書等においては偽造抑止効果等を付与することができる。
【0118】
さらに、画像形成時における不可視画像の解像度と、可視画像の解像度と、を異なるものとすることにより、例えば、不可視画像の読み取り後のデータ処理として、可視画像の解像度に対応する周波数成分をカットするフィルター処理を行うことにより、不可視画像に起因する信号(データ)と、可視画像に起因するノイズ信号と、を効率良く分離して、不可視画像の判読を容易にすることができる。ちなみに、画像形成時の解像度は、像書き込み装置203による静電潜像の書き込み周波数を制御することにより調整することができる。
【0119】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げてより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例は、不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料、不可視トナー及び現像剤の作製、画像形成装置による画像形成、記録物に形成された不可視画像および可視画像の評価、吸収率の評価の順に大きくわけて説明する。
【0120】
<不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料>
不可視トナーの作製に用いた近赤外光吸収材料としては、表1に示した組成からなるガラスを熱処理により結晶化し、粒径が数μm程度になるまで機械的に粉砕した銅燐酸結晶化ガラスA〜Fを用いた。
【0121】
<不可視トナー及び現像剤の作製>
(実施例1)
結着樹脂として線状ポリエステルを55質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスAを40質量部と、添加剤としてワックス(長鎖直鎖脂肪酸長鎖直鎖飽和アルコール;ベベン酸ステアリル)を5質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径(平均粒径D50)が8.6μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=61℃、数平均分子量Mn=4200、質量平均分子量Mw=33000、酸価=12、水酸価=25である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、320nmであった。
【0122】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径25nm)0.7質量部およびシリカ粒子(平均粒径40nm)0.6質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例1の不可視トナー(トナー1)を得た。
一方、キャリアとしては、スチレン/ブチルメタアクリレートの共重合比が、25/75であるスチレン・ブチルメタアクリレート共重合体(質量平均分子量=120000)0.8質量部を、トルエン10質量部に溶解したトルエン溶液に、Mn−Mgフェライト粒子(平均粒径40μm)100質量部を投入し、加熱攪拌しながら真空乾燥処理することにより、Mn−Mgフェライト粒子にスチレン・ブチルメタアクリレート共重合体がコーティングされた、実施例1のキャリアを得た。
【0123】
さらに、トナー1を8質量部と、前記キャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例1の現像剤(現像剤1)を得た。このようにして得られた現像剤1を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0124】
(実施例2)
結着樹脂として線状ポリエステルを52質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスBを40質量部と、添加剤としてアナターゼ型チタニア粒子(平均粒径35nm)3質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が6.1μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、427nmであった。
【0125】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径25nm)0.9質量部およびシリカ粒子(平均粒径40nm)1.0質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例2の不可視トナー(トナー2)を得た。
さらに、トナー2を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例2の現像剤(現像剤2)を得た。このようにして得られた現像剤2を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0126】
(実施例3)
結着樹脂として線状ポリエステルを54質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスCを46質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が9.6μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、109nmであった。
【0127】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)0.6質量部およびアナターゼ型チタニア粒子(平均粒径30nm)0.4質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例3の不可視トナー(トナー3)を得た。
さらに、トナー3を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例3の現像剤(現像剤3)を得た。このようにして得られた現像剤3を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0128】
(実施例4)
結着樹脂として線状ポリエステルを67質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスDを33質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が8.8μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、59nmであった。
【0129】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)0.7質量部およびアナターゼ型チタニア粒子(平均粒径45nm)0.6質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例4の不可視トナー(トナー4)を得た。
さらに、トナー4を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例4の現像剤(現像剤2)を得た。このようにして得られた現像剤4を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0130】
(実施例5)
結着樹脂として線状ポリエステルを60質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスEを40質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が9.5μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、525nmであった。
【0131】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径25nm)0.6質量部およびアナターゼ型チタニア粒子(平均粒径35nm)0.4質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例5の不可視トナー(トナー5)を得た。
さらに、トナー5を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例5の現像剤(現像剤5)を得た。このようにして得られた現像剤5を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0132】
(実施例6)
結着樹脂として線状ポリエステルを75質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスEを25質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が6.5μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、300nmであった。
【0133】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)0.8質量部およびシリカ粒子(平均粒径35nm)1.0質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例6の不可視トナー(トナー6)を得た。
さらに、トナー6を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例6の現像剤(現像剤6)を得た。このようにして得られた現像剤6を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0134】
(実施例7)
結着樹脂として線状ポリエステルを62質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスDを58質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が5.5μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、764nmであった。
【0135】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)1.4質量部およびシリカ粒子(平均粒径70nm)1.0質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例7の不可視トナー(トナー7)を得た。
さらに、トナー7を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例7の現像剤(現像剤7)を得た。このようにして得られた現像剤7を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0136】
(実施例8)
結着樹脂として線状ポリエステルを60質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスGを40質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が6.1μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、413nmであった。
【0137】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)0.7質量部およびアナターゼ型チタニア粒子(平均粒径35nm)0.7質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、実施例8の不可視トナー(トナー8)を得た。
さらに、トナー8を8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、実施例8の現像剤(現像剤8)を得た。このようにして得られた現像剤8を用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0138】
(比較例1)
結着樹脂として線状ポリエステルを70質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスAを30質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が7.5μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=70℃、数平均分子量Mn=4600、質量平均分子量Mw=38000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、47nmであった。
【0139】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)1.0質量部およびシリカ粒子(平均粒径40nm)0.8質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、比較例1の不可視トナー(トナーA)を得た。
さらに、トナーAを8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、比較例1の現像剤(現像剤A)を得た。このようにして得られた現像剤Aを用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0140】
(比較例2)
結着樹脂として線状ポリエステルを60質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスAを40質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が9.1μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=60℃、数平均分子量Mn=3800、質量平均分子量Mw=32000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、842nmであった。
【0141】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)1.0質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、比較例2の不可視トナー(トナーB)を得た。
さらに、トナーBを8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、比較例2の現像剤(現像剤B)を得た。このようにして得られた現像剤Bを用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0142】
(比較例3)
結着樹脂として線状ポリエステルを60質量部と、近赤外光吸収材料として銅燐酸結晶化ガラスFを40質量部と、からなるトナー原料の混合物をエクストルーダーで混練し、粉砕した後、風力式分級機により細粒と、粗粒と、を分級し、体積平均粒径が8.5μmの粒子を得た。
なお、前記線状ポリエステルは、テレフタル酸と、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物と、ビスフェノールA・プロピレンオキシド付加物と、シクロヘキサンジメタノールと、を原料として合成したものであり、ガラス転移点Tg=60℃、数平均分子量Mn=3800、質量平均分子量Mw=32000、酸価=11、水酸価=23である。
また、得られた粒子の断面をTEMにより、約3万倍の倍率にて観察したところ、この粒子中に分散している近赤外吸収材料の平均分散径は、355nmであった。
【0143】
次に、第2の添加剤として、ルチル型チタニア粒子(平均粒径20nm)0.7質量部およびアナターゼ型チタニア粒子(平均粒径35nm)0.7質量部をヘンシェルミキサーを用いて、先に得られた粒子100質量部に対して外部添加することにより、比較例3の不可視トナー(トナーC)を得た。
さらに、トナーCを8質量部と、実施例1で用いたキャリアを100質量部と、をVブレンダーで混合処理し、比較例3の現像剤(現像剤C)を得た。このようにして得られた現像剤Cを用いて、画像形成装置を用いて画像形成テストを実施し、各種評価を行った。
【0144】
<画像形成装置による画像形成>
各々の実施例および比較例において作製した不可視トナーによる画像形成テストには、画像形成装置として、富士ゼロックス社製のDocuColor1250改造機を用いた。この画像形成装置は、図5に示す画像形成装置200において、ブラック用現像器204Kを取り除いたことを除き同様の構成を有するものである。
なお、イエロー用現像器204Y、マゼンタ用現像器204M、シアン用現像器204Cには、DocuColor1250に使用されているイエロー、マゼンタ、シアン現像剤を適用した。また、画像形成テストに用いた画像出力媒体としては、A4サイズ白色紙(富士ゼロックス製、P−A4紙、幅:210mm、長さ:297mm)を使用した。
【0145】
なお、各々の実施例および比較例における画像形成テストには、各々の実施例および比較例にて作成した現像剤を不可視用現像器204Fに供給し、また不可視画像と共に形成される可視画像用のイエロー、マゼンタおよびシアン色のトナーを含んでなる現像剤を、各々イエロー用現像器204Y、マゼンタ用現像器204Mおよびシアン用現像器204Cに供給した。
【0146】
上記の現像剤を用いて、画像形成装置により画像出力媒体表面に画像形成されて得られた記録物は、その画像形成面に、可視画像および不可視画像が形成され、該可視画像は、画像形成面全体に文字や絵図等により構成される文書からなるものである。
一方、前記不可視画像は、図1に示したような回転角度が異なる2種の微小ラインビットマップで形成される機械読み取り・復号化可能な2次元パターンからなるものであり、この2次元パターンからなる不可視画像が光沢性により巨視的に認識できる場合には、目視した場合に偽造抑止効果を発揮するために『XEROX』という文字が見えるように150バイトの著作権情報を繰り返し配列してなるものである。
なお、画像形成テストにおいては、可視画像の品質を評価するためのリファレンスとして、上記の不可視画像及び可視画像が、画像出力媒体表面に形成された記録物(以下、「記録物1」と略す)の他に、記録物1と同じ可視画像のみが画像出力媒体表面に形成された記録物(以下、「記録物2」と略す)を同時に画像形成した。
【0147】
<記録物に形成された不可視画像および可視画像の評価>
記録物1の画像形成面に形成された不可視画像および可視画像の評価は、不可視画像については、不可視情報復元率と、偽造抑止効果について、可視画像については、可視画像品質について評価した。以下にこれらの具体的な評価方法及び評価基準について説明する。
【0148】
(不可視情報復元率の評価)
不可視情報復元率の評価は、記録物1の画像形成面を、該画像形成面のほぼ真上10cmのところに設置した近赤外の波長域の光も照射するリング状LED光源(京都電気製、LEB−3012CE)にて照射した。この状態で、画像形成面のほぼ真上15cmのところに設置した、800nm以下の波長成分をカットするフィルタをレンズ部に装着した800nm〜900nmの波長域に受光感度を有するCCDカメラ(KEYENCE製、CCD TL−C2)によって、前記画像形成面を読み取り、一定のコントラスト(閾値)を境界として2値化処理することにより不可視画像を抽出し、これをソフトウエアで復号化処理し、著作権情報が正確に復元できるかどうかを評価した。そして、この評価は500回実施した際に、情報が正確に復元できた回数を、不可視情報復元率(%)として表2に示した。なお、不可視情報復元率(%)が85%以上であれば、実用上問題無いレベルとした。
【0149】
(偽造抑止効果の評価)
偽造抑止効果の評価は、記録物1の画像形成面を、該画像形成面のほぼ垂直方向(正面)から目視した場合と、該画像形成面の垂直方向に対して斜めから目視した場合とにおいて、不可視画像として形成された『XEROX』の文字を読み取ることができるかどうかを、以下の判定基準により行った。なお、評価結果を表2に示す。
【0150】
強:『XEROX』の文字は、正面から目視した場合には判らないが、斜めから目視した場合には明快に読み取ることができ、実用上、十分な偽造抑止効果が得られる。
中:『XEROX』の文字は、正面から目視した場合には判らないが、斜めから目視した場合には何らかの文字が記録されていることが判るものの『XEROX』として読み取ることは困難であるが、実用上、偽造抑止効果を得ることができる。
弱:『XEROX』の文字は、正面から目視した場合には判らないが、斜めから目視した場合には画像ノイズとして不可視画像の存在が確認でき、実用上、弱いながらも偽造抑止効果を得ることができる。
無:『XEROX』の文字は、正面から目視した場合、及び、斜めから見た場合のいずれにおいても判らないのみならず、画像ノイズとしても確認できないため、なんらの偽造抑止効果を得ることができない。
【0151】
(可視画像品質の評価)
可視画像品質の評価は、記録物1の可視画像と、記録物2の可視画像と、を目視にて比較し、以下の判定基準により評価した。なお、評価結果を表2に示す。
○:記録物1及び記録物2の可視画像の画質には差異が無く、実用上問題が無いレベル。
△:記録物2の可視画像と比較すると、記録物1の可視画像には若干の画質ノイズが確認されるものの、実用上はほぼ問題が無いレベル。
×:記録物2の可視画像と比較すると、記録物1の可視画像には明確な画質ノイズが確認され、実用上問題となるレベル。
【0152】
<吸収率評価>
実施例および比較例にて用いた不可視トナーの可視光領域における吸収率、および、不可視トナーと、可視トナーと、の近赤外光吸収率差の評価は以下に説明するように実施した。
【0153】
(不可視トナーの可視光領域における吸収率評価)
実施例において用いた画像出力媒体に、不可視トナーのベタ画像を形成し、このベタ画像が形成された領域と、何らの画像が形成されていない前記画像出力媒体の表面と、を既述したように分光反射率測定機により測定し、各々の分光反射率を式(2)に代入して不可視トナーの可視光吸収率として求め、可視光の波長域において最大の可視光吸収率を表2に示した。
【0154】
(近赤外光吸収率差の評価)
不可視トナーと、可視トナーと、の近赤外光吸収率差は、既述したように、これらのトナーを用いて作製した不可視画像(ベタ画像)と、可視画像(ベタ画像)の分光反射率差を、分光反射率測定機を用いて波長860nmにて測定し、式(4)により求めた。結果を表2に示す。
【0155】
【表1】
Figure 0003882609
【0156】
【表2】
Figure 0003882609
【0157】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、画像出力媒体表面に、不可視画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、▲1▼赤外光照射により機械読み取り・複号化処理が長期間にわたり安定して可能で、情報が高密度に記録できる不可視画像と、▲2▼前記画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができる不可視画像と、▲3▼目視した際に光沢差により認識でき、偽造抑止効果等が発揮できる不可視画像と、を得ることができる電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及びそれらを用いた画像形成方法を提供することができ、実用上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法により形成される2次元パターンからなる不可視画像形成部の、通常の画像(目視で見た場合)、赤外光照射により認識した場合の拡大図、及び、該拡大図を機械読み取りによりデジタル情報に復号変換した後のビット情報イメージとして捉えた場合の一例を示す模式図である。
【図2】 本発明の画像形成方法により、画像出力媒体表面に不可視画像と共に可視画像が形成された記録物を、該記録物の紙面のほぼ垂直方向(正面)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。
【図3】 本発明の画像形成方法により、図2に示す記録物を、該記録物の紙面の垂直方向からずれた位置(斜め)より、目視した場合に実際に認識できる画像を模式的に示した一例である。
【図4】 本発明の画像形成方法により不可視画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。
【図5】 本発明の画像形成方法により不可視画像と共に可視画像を同時に形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
11 不可視画像
12 画像出力媒体
13 (不可視画像11の微視的領域の)拡大図
14 微小ライン単位
15 ビット情報イメージ
21 記録物
22 不可視画像
100 画像形成装置
101 像担持体
102 帯電器
103 像書き込み装置
104 現像器
105 転写ロール
106 クリーニングブレード
200 画像形成装置
201 像担持体
202 帯電器
203 像書き込み装置
204 ロータリー現像器
204Y イエロー用現像器
204M マゼンタ用現像器
204C シアン用現像器
204K ブラック用現像器
204F 不可視用現像器
205 転写ロール
206 クリーニングブレード
207 中間転写体
208、209、210 支持ロール
211 2次転写ロール

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂と、無機材料粒子からなる近赤外光吸収材料と、を含んでなる電子写真用トナーであって、
    該電子写真用トナーの可視光領域における吸収率が、15%以下であり、且つ、前記近赤外光吸収材料の平均分散径が、50nm〜800nmの範囲であり、前記近赤外光吸収材料がCuOを20質量%〜60質量%含む銅燐酸結晶化ガラスであることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. キャリアと、電子写真用トナーと、からなる電子写真用現像剤であって、
    該電子写真用トナーが、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーであることを特徴とする電子写真用現像剤。
  4. 画像出力媒体表面に、a)不可視画像のみが設けられ、b)不可視画像と可視画像とが順次積層されて設けられ、c)不可視画像と可視画像とが前記画像出力媒体表面の異なる領域に別々に設けられてなり、少なくともa)、b)、c)から選ばれる1つの画像を有し、a)、b)、c)の少なくともいずれかの不可視画像が2次元パターンからなる画像形成方法であって、
    前記不可視画像が、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーにより形成されることを特徴とする画像形成方法。
  5. 前記可視画像が、近赤外光領域における吸収率が5%以下である、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、の少なくともいずれかのトナーにより形成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
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