JP3881093B2 - 地震体験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工的に起こした地震を部屋内で体験できる地震体験装置に関し、詳しくは内部屋を上下、左右および傾斜させることによって、種々の震度の地震が体験できるようにした地震体験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の地震体験装置としては、単純な振動を体験できるものしかなく、またその震度も一定であり種々震度の地震を体験できるものはなかった。また、内部屋を振動させる手段として、その四隅部分をエアーシリンダーで支持し、エアーシリンダーの伸縮駆動により内部屋を上下振動させ、また横揺れ用のエアーシリンダーを設けて内部屋に横揺れを与える地震体験装置も考えられたが、この装置は内部屋をエアーシリンダーで支持しているため静止時にも微小な振動を生じて、実際の地震を体験できるというものではなく、しかも内部屋を容易に傾斜させることができないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、内部屋を上下方向、左右方向へ振動させることができ、さらに傾斜させることもできるので複雑な動きとなり、さらに乗る場所によって震度の強弱も体験ができて、複合的な振動を被体験者に与えることができる地震体験装置を提供することにある。本発明の他の目的は、静止時には室内の揺れを感じることがないので、実際の地震に近い体験をすることができる地震体験装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の地震体験装置は、被体験者用の座席が設けられた内部屋と、該内部屋を包囲する外部屋と、を有し、該内部屋が駆動手段により振動するように構成した地震体験装置であって、
該内部屋を支持する支軸が内部屋の上部にその長手方向にわたって配設され、該支軸の一端部が地面に固定された架台に軸支され、該支軸の他端部に内部屋の壁面に固定されたシャフトが固定され、該シャフトに、該内部屋を上下振動させるための縦揺れ駆動手段の上端部が連結され、該駆動手段の下端部が該外部屋の床台に連結され、該内部屋を横方向へ振動させるための横揺れ駆動手段が外部屋と内部屋との間もしくは外部屋と該シャフトとの間に設けられており、そのことにより上記目的が達成される。
【0005】
好ましい実施態様では、前記シャフトは横部材を有し、該横部材の両端部に縦揺れ駆動手段としてエアーシリンダーが配設されている。
【0006】
好ましい実施態様態様では、前記内部屋と外部屋との間にクッション手段が配設されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明の地震体験装置は、図1〜図4に示すように、被体験者用の座席が設けられた内部屋1と、該内部屋1を包囲する外部屋2と、を有し、該内部屋1が駆動手段により振動されるように構成されている。
【0009】
該内部屋1を支持する支軸3が内部屋1の天井の上側にその長手方向にわたって配設され、該支軸3の一端部に固定されたシャフト4に、該内部屋1を上下振動させるための縦揺れ駆動手段5が連結され、該内部屋1を横方向へ往復移動させ得るための横揺れ駆動手段6が設けられている。
【0010】
上記内部屋1は密閉空間に形成され、出入り口21にドア8が設けられている。内部屋1の床面1aには、座席10が配設され、手摺り9が固定されている。その座席10は、平面視でU字形に形成された第1の座席10aと、その第1の座席10aで囲まれた第2の座席10bとを有する。第1および第2の座席10a、10bの間に手摺り9が配設されている。この内部屋1の内壁面には時計、音響装置が通常設けられる。
【0011】
該内部屋1を包囲する外部屋2は、壁面のみを有する枠で構成してもよく、あるいは天井を有する部屋で構成してもよい。外部屋2の壁面の外側には、看板や絵画等を描いてもよい。この外部屋2によって、内部屋1が外側から隠され、内部屋1の振動等が外部から見られることがない。
【0012】
内部屋1を支持する支軸3が内部屋1の天井部の上側において、その長手方向にわたって配設されている。該内部屋1のドア8側の壁面の外側には、地面に固定された架台11が配設されている。この架台11の上端部に上記支軸3の一端部が回動可能に軸支され、該支軸3の他端部が内部屋1の他端側の壁面の外側に固定されたシャフト4の上端部に軸支されている。上記固定側の軸受12としては、例えばピロボールを使用することができる。内部屋1の他端側に固定されたシャフト4は、斜め部材13および横部材14を有している。
【0013】
このような構成の内部屋1を駆動させる手段は、以下のように構成されている。上記シャフト4の横部材14の下側において、横部材14の両側にそれぞれ2本の上下駆動用のエアーシリンダー5,5が配設されている。該エアーシリンダー5の下端部は床台上に軸着され、エアーシリンダー5の上端部は横部材14に軸着されている。また、横部材14の両側には横押し駆動用のエアーシリンダー6、6がそれぞれ配設され、該エアーシリンダー6の基部は外部屋2の壁面に軸着され、エアーシリンダー6のロッド先端である駆動部は内部屋1もしくは横部材14に軸着されている。
【0014】
さらに、該横部材14と外部屋2との間には、内部屋1の振動(上下、横揺れ、及び傾斜振動)を許容しながら、所定位置に内部屋1を保持するためのクッション手段16が設けられてしる。このクッション手段16としては、圧縮スプリングが内部に配設されたもので構成することができる。クッション手段16の一端部は外部屋2の壁面に軸着され、他端部は横部材14あるいは内部屋1に軸着されている。上記エアーシリンダーを駆動させるためのエアーコンプレッサー17およびサブタンク18が図2に示すように外部屋2内に配設され、これらはエアー供給管にて連結されている。
【0015】
操作ボックス19が内部に設けられた係員室20が出入り口付近に配置され、係員がここで内部屋1の振動状態を制御および操作することができる。
【0016】
次に、本発明に係る地震体験装置の作用を説明する。
【0017】
外部屋2および内部屋1に設けられた出入り口21,22から、内部屋1内に被体験者が入ると、係り員は操作ボックス19を操作して、内部屋1の振動を制御する制御盤に信号を送り、そのエアーコンプレッサー17を駆動させ、および/またはエアー供給管のエアー弁を開閉操作して、上記横押し用エアーシリンダー6および/または上下駆動用エアーシリンダー5を伸縮駆動させる。すると、内部屋1の壁面に固定されたシャフト4はそれらのエアーシリンダー5,6によって押されて内部屋は上下および横方向へ移動する。ここで、エアーシリンダー5,6の操作によって、内部屋1に横方向の傾斜を与えたり、あるいは横揺れを生じさせ、また縦方向の傾斜を与えることができる。支軸3の一端部は架台11の上部に軸支されているので、出入り口21,22側での内部屋1の振動の程度は内部屋1の奥側(エアーシリンダー側)に比べて小さく、被体験者は好みや年齢等に応じて振動の程度を選択することができる。
【0018】
エアーシリンダー5,6の駆動を停止しているときは、上記したように内部屋1の一端側の上部が架台11によって軸支され、内部屋1の他端側ではクッション手段16によって保持されていることにより、内部屋1は安定に維持され、被体験者は揺れをそれほど感じることはない。
【0019】
上記内部屋の振動と同時に、音響、視覚等によって被体験者に地震時の効果を大きくして与えるようにしてもよい。上記駆動手段は油圧で行ってもよく、あるいは電気モータ等によって駆動させるようにしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、内部屋を駆動手段によって上下方向、左右方向へ移動させ、さらに傾斜させることもできるので、複合的な複雑な振動を被体験者に与えることができる。しかも、乗る場所によって震度の強弱の体験ができる。つまり、ドア側に乗る場合には、揺れが少なく、内部屋の奥側(エアーシリンダー側)に乗った場合には、激しく揺れることになる。さらに、内部屋が外部屋によって囲まれているので、内部屋の動作が見えることがなく、また外側から振動する内部屋に接触することもないので安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地震体験装置の一実施例の分解斜視図である。
【図2】図1で示す地震体験装置の平面図である。
【図3】図1で示す地震体験装置の正面図である。
【図4】図1で示す地震体験装置の側面図である。
【符号の説明】
1 内部屋
2 外部屋
3 支軸
4 シャフト
5 縦揺れ駆動手段
6 横揺れ駆動手段
Claims (3)
- 被体験者用の座席が設けられた内部屋と、該内部屋を包囲する外部屋と、を有し、該内部屋が駆動手段により振動するように構成した地震体験装置であって、
該内部屋を支持する支軸が内部屋の上部にその長手方向にわたって配設され、該支軸の一端部が地面に固定された架台に軸支され、該支軸の他端部に内部屋の壁面に固定されたシャフトが固定され、該シャフトに、該内部屋を上下振動させるための縦揺れ駆動手段の上端部が連結され、該駆動手段の下端部が該外部屋の床台に連結され、該内部屋を横方向へ振動させるための横揺れ駆動手段が外部屋と内部屋との間もしくは外部屋と該シャフトとの間に設けられている地震体験装置。 - 前記シャフトは横部材を有し、該横部材の両端部に縦揺れ駆動手段としてエアーシリンダーが配設されている請求項1記載の地震体験装置。
- 前記内部屋と外部屋との間にクッション手段が配設されている請求項1記載の地震体験装置。
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JPH1195647A JPH1195647A (ja) | 1999-04-09 |
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1997
- 1997-09-17 JP JP25254797A patent/JP3881093B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1195647A (ja) | 1999-04-09 |
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