JP3880084B2 - シート送り装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原稿等のシートを搬送するシート送り装置及び該シート送り装置を用いた画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、複写機やファクシミリ装置、或いはプリンタ等においては複数枚セットした原稿や記録シートを一枚ずつ分離搬送するためのシート送り装置が広く使用されている。このようなシート送り装置のシート分離機構としては、シートを給送する方向に回転するフィードローラに対してシートを給送する方向と逆方向に回転するリタードローラによってシートを押圧し、両ローラを回転させて積層されたシートを一枚ずつ分離給送するリタード分離方式がある。
【0003】
このようなリタード分離方式にあっては、図49に示すように、リタードローラ500 へは一定以上の駆動力が伝達しないように、駆動伝達系にトルクリミッタ501 を介在させている。また、前記リタードローラ500 はシートをフィードローラに押圧し得るように、固定軸502 を中心に回動可能なアーム503 によってリタードローラ軸504 を支持し、リタードローラ500 がフィードローラ方向へ揺動可能に構成している。このため、両端をフレーム505a、505bによって支持されたトルクリミッタ501 の軸とリタードローラ軸504 とをユニバーサルジョイントによって接続した中間リンク部材506 によって連結している。これにより、リタードローラ500 への駆動力の伝達は駆動ギア507 からトルクリミッタ501 、中間リンク部材506 、リタードローラ軸504 と伝達される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記リタードローラの支持構成では、装置の小型化を図ろうとすると、フレーム505a、505b間の距離や、中間リンク部材506 の長さが充分にとれなくなるために、リタードローラ500 を揺動させたときに中間リンク部材506 の傾きθ1 が大きくなる。この傾きθ1 が大きくなると、リタードローラ500 に回転力を伝達するときに該ローラ500 をフィードローラに押圧する力も発生するために、リタードローラ500 のフィードローラへの押圧力が不安定となるおそれがある。
【0005】
また前記押圧力が不安定となると、リタードローラ500 が均一に磨耗せず、一部のみが磨耗する偏磨耗現象が発生し、リタードローラの寿命が短くなるおそれがある。
【0006】
本発明は従来の上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、装置を小型化してもシートの分離性能を低下させることなく、またローラの寿命も短くすることがないシート送り装置及び前記シート送り装置を用いた画像読取装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、積載されたシートを一枚ずつ分離して搬送するシート送り装置において、シートを給送するためのフィードローラと、前記フィードローラにシートを押圧すると共に、前記シートを給送方向と逆方向に送るように回転するリタードローラと、前記リタードローラに一定トルクを伝達するためのトルクリミッタと、ギア支持板に固定された片持ちの固定軸に回転可能に支持され、前記リタードローラのローラ軸に駆動力を伝達するためのギアと、中間軸とこれに取り付けたパイプ部材とから構成され、前記リタードローラ軸と前記ギアとをユニバーサルジョイントによって連結するための連結部材と、を有し、前記連結部材には、入力側が前記中間軸に固定され出力側が前記パイプ部材と係合する前記トルクリミッタが設けられ、前記トルクリミッタが設けられた連結部材は、前記リタードローラ軸と前記ギアの間において、前記ギアと前記中間軸とをピンで連結して第1のユニバーサルジョイント機構を構成し、前記パイプ部材と前記リタードローラ軸とをピンで連結して第2のユニバーサルジョイント機構を構成していることを特徴とする。
【0008】
上記構成にあっては、駆動力を伝達するギアとリタードローラ軸とをユニバーサルジョイントで連結した連結部材によって連結したために、装置を小型化しても連結部材の長さを長くとることが出来、リタードローラを揺動させたとしても連結部材の傾きは大きくならない。このために、ユニバーサルジョイントによるリタードローラへの回転力の伝達がスムーズに行われ、該リタードローラによるフィードローラへの押圧力が安定し、偏磨耗も防止される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係る一実施形態であるシート送り装置及びこれを用いた画像読取装置について説明する。
【0010】
〔第1実施形態〕
この本実施形態に係るシート送り装置として原稿を送る原稿送り装置を用いた画像読取装置を例にとって説明する。図1及び図2に示すように、原稿送り装置1と、読取手段としてのフラットベッドスキャナ2とを組み合わせてなる。
【0011】
{全体構成}
まず、図1を参照して画像読取装置の全体構成を説明すると、これは給紙トレイ3に原稿を載置してセットし、読み取り開始スイッチを入れる、又は後述の図43に示したコンピュータや図示しないコンピュータネットワークからの読み取り開始信号が入力されると、その原稿はピックアップローラ8によって給送されると共に、フィードローラ9及びリタードローラ10によって一枚ずつ分離給送され、且つ引き抜きローラ21及び送りローラ23によって読取部へ搬送される。そして、この原稿が読取部を搬送される間にスキャナ2によって原稿記載情報を流し読みによって読み取る。
【0012】
読み取り後の原稿は排紙ローラ30によって搬送され、除電針32で除電されつつ排紙トレイ39へと排出される。
【0013】
尚、この画像読取装置は前記のように原稿送り装置1によって原稿を自動的に送り込むと共に読み取ることが出来るが、原稿送り装置1とスキャナ2とは図2に示すように、原稿送り装置1の端部に設けた脚34がスキャナ2に設けた嵌合穴に嵌合して結合しており、この脚34は図1に示すように軸35を中心に回動可能になっているために、原稿送り装置1を下部のスキャナ2に対して回動可能である。このため、図3に示すように、原稿送り装置1を開いてスキャナ2のプラテンガラス40を露出させ、このガラス40上に直接原稿を載置して読み取るようにすることも可能となっている。
【0014】
次にこの原稿送り装置を有する画像読取装置の各部の構成について順次説明する。
【0015】
{原稿送り装置のストッパの機能}
120 は補助トレイ手段としてのストッパであり、原稿送り装置1の下部側のトレイ手段(本実施形態では排紙トレイ39)に突設して設けられており、該トレイ手段に積載載置される原稿の搬送方向の長さに応じて引き出し可能な構成となっている。従って、原稿の搬送方向長さが長い場合には前記ストッパ120 をトレイ手段から所定量引き出すことで、該トレイ手段から原稿の先端が垂れ下がり、床やテーブル等に落下してしまうのを防止している。
【0016】
更に前記ストッパ120 は、下部側のトレイ手段である排紙トレイ39に突設して設けてあり、スキャナ2の上部に開閉可能に取り付けられた原稿送り装置1を図3に示すように開くときに把手として機能するようになっている。
【0017】
図4は前記ストッパ120 を下面側から見た拡大図である。前記ストッパ120 の下面側にはカバー137 が設けられており、該カバー137 には指かけ突起部131 が図に示すように設けられている。これにより、使用者がストッパ120 に手をかけて原稿送り装置1を開閉させるときに、確実に握ることが出来、誤って手を滑らせるようなことを防止することが出来る。
【0018】
このように下部側に設けたトレイ手段に補助トレイ手段としてのストッパ120 を突設して設け、それを把手として用いることで、確実に原稿送り装置1の開閉操作をすることが出来、これにより、使用者が誤って手を滑らせてしまうことを防止することが出来る。
【0019】
尚、本実施形態では、上部側のトレイ手段である給紙トレイ3から原稿を一枚ずつ分離給送し、読み取り終了後下部側のトレイ手段である排紙トレイ39に排出する原稿送り装置1において、前記下部側の排紙トレイ39に補助トレイ手段としてのストッパ120 を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図示していないが、下部側のトレイ手段である給紙トレイから原稿を一枚ずつ分離給送し、読み取り終了後に上部側のトレイ手段である排紙トレイに排出する原稿送り装置において、前記下部側の給紙トレイに補助トレイ手段としてのストッパ120 を設けた構成としても、前述した効果と同様の効果が得られる。
【0020】
{給紙トレイ}
図1において、3はトレイ手段としての原稿給紙トレイであり、原稿送り装置1の上部側に開閉可能に取り付けてある。これは、下部側のトレイ手段である排紙トレイ39に小サイズの原稿が排紙されたときに、その原稿を取り出し易くするのと、排紙側のジャム時にジャム原稿を取り除き易くするための工夫である。
【0021】
しかしながら、スキャナ2に対して原稿送り装置1が開閉可能であり、且つ該原稿送り装置1に対してトレイ手段(本実施形態では給紙トレイ3)が開閉可能な構成の画像読取装置の場合、特に本実施形態のように原稿送り装置1全体の開閉方向と給紙トレイ3の開閉方向が同一方向の画像読取装置の場合、原稿送り装置1の開閉を行うとその勢いで、給紙トレイ3も図3に示すように不必要に開く可能性がある。
【0022】
そこで、本実施形態ではこれを防止するために、スキャナ2に対して原稿送り装置1が開閉可能であり、且つ該原稿送り装置1に対してトレイ手段(本実施形態では給紙トレイ3)が開閉可能な画像読取装置において、特に本実施形態のように原稿送り装置1全体の開閉方向と給紙トレイ3の開閉方向が同一方向の画像読取装置において、前記原稿送り装置1と給紙トレイ3とを弾性的に係合させるための係合手段を前記両者1,3間に配設し、原稿送り装置1の開閉動作によって給紙トレイ3が開閉しないように構成している。
【0023】
図5及び図6を用いて前記係合手段の構成について詳しく説明する。図5は給紙トレイ2の先端側を裏から見た部分拡大図であり、図6は外装カバー部の展開図である。
【0024】
前記係合手段は、弾性突起246 を有する弾性部材248 (スナップフィット部材)と、該弾性突起246 が弾性係合する係合凹部247 とからなり、本実施形態では図5及び図6に示すように、給紙トレイ3側に前記弾性部材248 を取り付け、原稿送り装置1側に前記係合凹部247 を設け、両者の弾性係合により原稿送り装置1の開閉動作によって給紙トレイ3が開閉動作しないようにしている。
【0025】
図5において、248 は樹脂で成形された略U字型の弾性部材であり、原稿送り装置1側の係合凹部247 と係合する弾性突起246 が一体成形されている。この弾性部材248 は、図5に示すように、原稿給紙トレイ3の裏側に設けたリブの間に挟まれるように取り付けられている。
【0026】
また、前記弾性部材248 を給紙トレイ3裏側のリブ間に取り付けた時に、該弾性部材248 が回転しないように、原稿給紙トレイ3の裏側の所定位置には回転防止リブ249 が設けてあり、更に弾性突起246 と嵌合する穴が設けてある。
【0027】
従って、前記弾性部材248 を図5に示すように前記給紙トレイ3に取り付け、該弾性部材248 の弾性突起246 が係合する相手部材に押さえられることによりスナップフィット機構として機能するようになっている。
【0028】
一方、図6に示すように、原稿送り装置1の外装カバー210 には、前記給紙トレイ3に取り付けられたスナップフィット機構として機能する弾性部材248 の弾性突起246 が係合する係合凹部247 が設けてあり、更に原稿給紙トレイ3を突き当て支持するための突き当てリブ159 が設けてある。
【0029】
尚、図5及び図6では、前記係合手段をなす、弾性突起246 を有する弾性部材 248、係合凹部247 、及び突き当てリブ159 を幅方向片側にしか図示していないが、同様の構成の係合手段を幅方向中央部を基準にして反対側にも対称的に設けている。
【0030】
上記構成により、前記給紙トレイ3の裏面に取り付けた弾性部材248 の弾性突起246 を原稿送り装置1の外装カバー210 の係合凹部247 に係合させることにより、原稿送り装置1を開いても給紙トレイ3が不用意に開いてしまうのを防止することが出来る。更に前記弾性部材248 はスナップフィット機構として機能するようになっているため、使用者が前記給紙トレイ3を持ち上げるだけで前記弾性部材248 の弾性突起246 と係合凹部247 との係合は容易に解除され、排紙トレイ39に排出された小サイズ原稿の取り出しや、排紙部でのジャム処理作業を容易に行うことが出来る。
【0031】
(サイド規制ガイド)
また、前記給紙トレイ3には図6に示すように、原稿の幅方向両側に1対で設けたサイド規制ガイド4が設けてある。このガイド4は、給紙トレイ3に給紙方向と直角方向にスライド可能に取り付けてあり、原稿を給紙方向と直角方向から押さえ込み斜行することを防いでいる。
【0032】
このサイド規制ガイド4は、図6に示すように、原稿給紙トレイ3の裏側に設けたラックギア266 に係合されており、ラックギア206 とサイド規制ガイド4との結合はクリップ205 で行われている。そして、ラックギア206 は原稿給紙トレイ3の裏側に設けられたボス部に回転可能に支持されたピニオンギア207 に各々係合している。これにより1対のサイド規制ガイドはセンタを基準に互いに反対方向にのみ移動可能に構成されている。
【0033】
尚、原稿給紙トレイ3の裏側には前記ラックギア206 やピニオンギア207 等を覆うためのラックギアカバー208 が設けられている。このラックギアカバー208 はピニオンギア207 の抜け止めも兼ねるようにピニオンギア押さえ用のボス部が設けられている。これにより従来設けていたピニオンギア脱落防止用のネジが不要になりコストダウンが図られている。
【0034】
原稿給紙トレイ3の裏面は排紙される紙の上カール押さえガイドも兼ねているので、ラックギアカバー208 は、その時に紙が突っかかるのを防止する働きもしている。
【0035】
前記サイド規制ガイド4は略コの字形状をしており、原稿を上側から押さえる屋根部154 が設けてあり、原稿端部が浮き上がって斜行してしまうことを防止している。本実施形態の屋根部154 は、調節手段によって原稿の積載量やカールの形状やカールの大きさにより、原稿給紙トレイ3の原稿載置面との距離を3段階に選択変更可能になっている。
【0036】
前記調節手段の構成を図7及び図8を参照して説明する。図7はサイド規制ガイド4の斜視説明図であり、図8は図7を横から見た側面図である。図8に示すように、前記カール押さえ屋根部154 の一方端は軸252 によって規制ガイド4に対して回動可能に取り付けてあり、押さえ屋根部154 の他方端である回動端部には高さ位置決め用の位置決め突起301 が設けてある。そして、規制ガイド4の垂直壁には前記位置決め突起301 が係合するためのクリック固定穴300 が設けてある。この固定穴300 は本実施形態では高さ方に三箇所設けてあり、各固定穴300 間は位置決め突起301 の直径よりも狭く、且つ位置決め突起301 が強制通過可能な溝によって連結している。これにより、位置決め突起301 は三個の固定穴300 の何れかに係合可能であり、係合する固定穴300 を変えることによって押さえ屋根部154 の高さを変えることが出来る。
【0037】
図9は原稿のカールの状態を示す断面図であり、(a) に示すように、折り目がある原稿(例えば3つ折りされた手紙を開いたような場合)や、(b) に示すように、高湿度環境で吸湿してカールした原稿を給紙する場合で、且つ原稿枚数が少ない場合は、押さえ屋根部154 が高い位置にあるとカールを押さえつけることが出来ず、サイド規制ガイド4による原稿の幅方向からの押さえが充分にならない。このときは、前記位置決め突起301 が係合する固定穴300 を低い位置に変えて押さえ屋根部154 の高さを低くすることにより、カールした原稿を最適に押さえることが出来、斜行の発生を防止することが出来るものである。
【0038】
前記原稿給紙トレイ3は両側に設けた支持ピン203 (図6参照)を、係合穴5に対して回動可能に取り付けてあり、排紙トレイ39上の原稿を取り出す場合や、ジャム処理を行う場合に給紙トレイ3を開くことが出来るようにしている。尚、前記係合穴5は、原稿送り装置1の右側板211 と左側板212 に設け、且つ両側板 211,212 の外側に出っ張り方向が来るように加工したバーリング穴である。
【0039】
{上部開閉ガイド}
前記給紙トレイ3上に載置された原稿はピックアップローラ8等によって送り出されるが、この原稿の上側を上部開閉ガイド6によってガイドするようにしている。この上部開閉ガイド6は、図1に示すように、揺動中心軸7によって原稿送り装置1に対して回動可能に取り付けられていると共に、この上部開閉ガイド6には後述するピックアップローラ8及びフィードローラ9が組み付けられている。そして、前記揺動中心軸7は前記組み付けられたピックアップローラ8及びフィードローラ9へ駆動力を伝達するための駆動軸にもなっている。
【0040】
また、図1に示すように、上部開閉ガイド6の回動元部近傍には板バネ37が設けてある。この板バネ37は原稿送り装置1をコントロールするための電気基板36に取り付けられたスイッチ(図示せず)を動作させるものであり、上部開閉ガイド6が閉じた状態では該ガイド6に設けた突起部26が前記板バネ37を押圧し、該バネ37が前記スイッチを押圧する。一方、上部開閉ガイド6を開くと、前記突起部26が板バネ37から離隔し、板バネ37がスイッチを押圧しなくなる。これによって上部開閉ガイド6の開閉状態を検出し、ジャム処理等のために上部開閉ガイド6が開いた状態では原稿送り装置1の動作を停止させるように制御するものである。
【0041】
更に、前記上部開閉ガイド6には、図1に示すように、給紙トレイ3に原稿が載置されているか否かを検出するためのセンサレバー12が回動可能に取り付けてある。このセンサレバー12は給紙トレイ3に原稿がない状態ではフォトインタラプタ20の光路を遮断する位置にあり、給紙トレイ3に原稿をセットすると原稿によってフォトインタラプタ20の光路から逃げた位置に回転するようになっている。
【0042】
{ピックアップローラ}
次にピックアップローラ8は給紙トレイ3に積載載置された原稿を上から順に装置内部に送り出すローラであり、上部開閉ガイド6に回転可能に支持されたローラ軸に所定間隔を隔てて2個のローラを取り付けて構成している。
【0043】
また前記ピックアップローラ8の下方には、給紙ごとにピックアップローラ8に対して原稿を押しつけるための上下揺動トレイ13が設けてある。この揺動トレイ13は回転支軸14を中心に図1の実線でしめす下降位置と、破線で示す上昇位置に回動可能であり、後述するレバーと回転カム及び回転カムを駆動するモータにより昇降駆動するようになっている。尚、揺動トレイ13は図示しない付勢バネによって上方へ引っ張られており、揺動トレイ13の上昇は前記付勢バネに引張によって行われ、前記付勢バネの力に逆らった下降は前記回転カムの回転によって行うようにしている。この揺動トレイ13によって載置された原稿がピックアップローラ8に押しつけられるため、原稿束の厚みにかかわらず最上位の原稿は最適な力でピックアップローラ8と圧接する。
【0044】
(上下揺動トレイの揺動機構)
ここで前記上下揺動トレイ13を揺動させるための回転カム142 の構成について図10及び図11を参照して説明する。図10において、140、141 はそれぞれ第1カムセンサ、第2カムセンサで、原稿送り装置のフレームに固定してある軸145 を回転中心として矢印148 方向へ回転する回転カム142 の第1カム 146によってON/OFFするようになっている。
【0045】
またレバー143 は軸14によって軸承されている上下揺動トレイ13を昇降をさせるものであり、回転支軸に固定され、且つ付勢バネ144 によって常に上昇方向に付勢されいる。そして、前記軸14を中心として回転カム142 の第2カム147 によって揺動されるようになっている。
【0046】
即ち、回転カム142 はカムセンサ 140,141 のON/OFFと、上下昇降トレイ13の昇降の2つの作業を、別々のカム146 と147 で同時に行うものである。
【0047】
前記回転カム142 はDCモータ202 に取り付けたウォームギア139 と、回転カム142 に一体に設けたホイールギア(図示せず)で係合している。また149 は、前記第1カムセンサ140 及び第2カムセンサ141 が停止すべきカムの頂点を示している。
【0048】
上記構成において、まずDCモータをONしてカムを矢印148 方向に回転させる。すると今までONだった一方のカムセンサがOFFになり他方のカムセンサがOFFからONになる。そしてカムセンサのレバーのカム146 との接触点がカムの頂部149 の位置で止まるようにDCモータをOFFする。このようにして回転カム142 を約半回転毎に停止させることが出来る。
【0049】
その結果、軸14に軸承されている上下揺動トレイ13を上昇位置と下降位置に停止させることが出来る。
【0050】
また図10に示す150 はカムの頂点と頂点をつなぐつなぎカム面であり、この面150 は対向する部分よりも滑らかになっている。これは回転カム142 が矢印148 方向に回転したときに、カムセンサ140 のレバーがカウンターに当たりレバーが破損するのを防止するために設けたものである。
【0051】
尚、DCモータをOFFしてから実際にカム142 が停止するまでの時間は、装置のロット等でばらつくので、電源ONの時にカムを一回転以上回転させてDCモータの特性を学習するようにしている。このデータに基づいてカム頂部149 とカムセンサレバーの接触点が一致するようなタイミングを割り出し、DCモータをOFFさせるように構成している。
【0052】
(イコライズプレート)
前記構成によって上下揺動トレイ13は回転支軸14を揺動中心として、図12の矢印52に示す方向に揺動し、原稿をピックアップローラ8に当接させて所定のタイミングで搬送可能とする。この上下揺動トレイ13には、図12に示すように、主載置部材となる上下揺動トレイ13に補助載置部材となるイコライズプレート51が取り付けられており、このイコライズプレート51はピックアップローラ8との当接部分54、55 に均等に力が加わるように、上下揺動トレイ13上に設けられた揺動軸302 を中心に矢印53に示す方向に揺動するように取り付けられている。
【0053】
更に前記イコライズプレート51の動作を確実にするために、上下揺動トレイ13とイコライズプレート51との間には、所要の段差dが設けられ、上下揺動トレイ13の平坦な原稿載置面に対してイコライズプレート51の平坦な原稿載置面がピックアップローラ8側に近くなるように構成している。尚、本実施形態では前記段差dを約1mm に設定している。
【0054】
前記段差dを設けた理由を説明すると、原稿がカールしている場合、図13に示すように、上部開閉ガイド6と上下揺動トレイ13との間にカールした原稿を挟み込んでカールを矯正してから、給紙する必要がある。しかし原稿のカールが大きい場合に、ピックアップローラ8への接触より早く上部開閉ガイド6へ上カール部分が接触するようになり、ピックアップローラ8への加圧力よりも上部開閉ガイド6への加圧力が大きくなり、ピックアップローラ8への加圧力が不十分になって給紙できなくなってしまう現象が発生する。
【0055】
そのために、本実施形態では前記のようにピックアップローラ8の対向部のイコライズプレート51を上下揺動トレイ13よりも約1mm 高い位置(ピックアップローラ8に近い位置)に配置している。
【0056】
前記段差dは低すぎると効果がなく、また高すぎるとカール矯正効果が少なくなる。従って、本実施形態のように原稿積載厚みを約13mm程度に想定している場合は前記段差dを0.5mm 〜3mm 程度に設定するのが最適である。
【0057】
もしも、前記段差dを5mm 以上にするとカールを挟み込んで給紙前に平面状に矯正する効果がなくなってしまう。また、原稿積載許容高さが5mm 減ってしまうため、原稿の最大積載枚数スペックを満足できなくなるという事態も生ずる。
【0058】
また、本実施形態では前記ピックアップローラ8の下端と上下揺動トレイ13の上面との距離を6mm〜20mmに設定している。
【0059】
尚、図13に以上の様子を示した。上カールした原稿253 は上部開閉ガイド6と上下揺動トレイ13の間に挟まれて矯正される。そして、イコライズプレート51は上下揺動トレイより高い位置にあるのでピックアップローラ8への原稿253 の押圧が確実に行える。また、イコライズプレート51の幅方向の長さは、ピックアップローラ8の幅とほぼ同一なので揺動中心軸302 を中心に図13のように傾いても幅方向端部の上下移動距離は小さく、よってピックアップローラ8の下方接線と上部開閉ガイド6との段差は小さな距離でも動作可能となっている。
【0060】
尚、本実施形態では図13に示したように、この段差を約2mmとしている。
【0061】
更に、これによりピックアップローラ8への押圧力のバランスを保てるので斜行を防止することも可能となっている。
【0062】
尚、本実施形態では前述したようにイコライズプレート51の高さが上下揺動トレイ13の面よりも段差dを有する位置に取り付けるようにしたが、イコライズプレート51を図14に示すように構成し、該プレート51の原稿載置面の高さを上下揺動トレイ13の原稿載置面と略同一高さに取り付けるようにしても同様の効果を得ることが出来る。図14に示すイコライズプレート51にはピックアップローラ8の対向部にのみ原稿の押し上げ突起部51aが設けてあり、この突起部51aはプレート51の面に対して前記段差dに相当する高さを有するように構成してある。更に前記押し上げ突起部51aの原稿搬送方向上流側は徐々に立ち上がるようになっており、原稿をスムーズにガイドし得るようにしている。このようにしても突起部51aが本実施形態における段差dに相当するために本実施形態のイコライズプレートの場合と同様の効果が得られるものである。
【0063】
{フィードローラ及びリタードローラ}
次にフィードローラ9及びリタードローラ10はピックアップローラ8によって送り出された原稿を一枚ずつ分離して給送する分離給送手段を構成するものである。
【0064】
フィードローラ9は、図1に示すように、上部開閉ガイド6の揺動中心軸7に固定されたプーリからベルト42を介して原稿給送時に原稿を給送する方向に回転するように直接駆動される。尚、前記フィードローラ9に伝達された駆動力はベルト43を介してピックアップローラ8に伝達され、該ローラ8が回転する。
【0065】
リタードローラ10は原稿を前記フィードローラ9に押圧すると共に、原稿給送時に原稿を給送方向と逆方向に送るように回転する分離部材を構成するものであり、リタードローラ10の両端は2個のリタードローラ支持レバー16によりフィードローラ9に押圧する方向に移動可能に支持されており、バネ19により所定の圧力でフィードローラ9に圧接されている。
【0066】
リタードローラ支持レバー16は、図15及び図16に示すように、L字形状をしており、屈曲部において装置全体フレームに固定された軸15を中心に回転可能に支持され、一方端部にリタードローラ10を回転可能に支持し、他方端において2個のリタードローラ支持レバー16を連結する軸17が取り付けられている。この軸17は長手方向略中央部分において押圧レバー18によって押圧されている。
【0067】
前記押圧レバー18は軸15を中心に回動可能に支持されており、回動側には引張バネ19が係止して図15の右方向に引っ張っている。これにより、リタードローラ10がフィードローラ9に圧接するようになっている。尚、この押圧レバー18には前記バネ19を掛ける切り欠き部83が3箇所設けてあり、バネ19を掛ける位置を変更することによってフィードローラ9に対するリタードローラ10の圧接力を調節出来るようになっている。
【0068】
前記リタードローラ10は、図17に示すように、スラスト方向に移動可能で図の矢印A方向に付勢された軸111 によって回転可能に支持され、その上部にはリタードローラカバー112 が取り付けられている。このリタードローラカバー112 は原稿の下面をガイドする下ガイド81に着脱可能であって、下ガイド81に組み込んだときに壁113 により前記軸111 のスラスト方向の動きを規制し、リタードローラ10の保持動作を確実にして振動や衝撃が加わってもリタードローラ10が脱落しないようにしている。このリタードローラカバー112 を取り外すことによってリタードローラ10の交換を可能としている。
【0069】
{引き抜きローラ及び送りローラ}
前記フィードローラ9及びリタードローラ10によって1枚に分離された原稿は引き抜きローラ21と、該ローラ21に板バネ(上部開閉ガイド6に取り付けられている)11によって圧接したアイドラコロ22によってニップされて搬送される。
【0070】
本実施形態では、図1に示すように、フィードローラ9とリタードローラ10の分離ニップから引き抜きローラ21とそのアイドラコロ22のニップまでの距離を短くし、且つサイド規制ガイド4の長さを上記の距離より3倍以上に長く構成ている。これにより、原稿は斜行する前に引き抜きローラ21とアイドラコロ22にニップされるため、従来のように特別にレジストローラ対を設けなくても原稿が斜行することがない。また、レジストローラ対による斜行とりのようにレジストループを作る必要がないために、短い紙パスでとてもレジストループを作れない名刺のような超厚紙でも給紙することが可能となっている。また紙先端が直線でない原稿(例えば先端側をちぎった原稿等)も斜行することなく給紙可能である。
【0071】
前記引き抜きローラ21によって搬送された原稿は更に搬送方向下流に位置する原稿送りローラ23及び該ローラ23にバネ25によって付勢されたアイドラコロ24によって原稿読取部へと搬送される。尚、前記バネ25は、図1に示すように、フレームの支点27に回動自在に支持され、上部開閉ガイド6先端の突起部26により図の点線の位置から実線の位置まで撓ませられ、アイドラコロ24を原稿送りローラ23方向に付勢している。このため、原稿がジャムした時には、上部開閉ガイド6を上方に開いて開放することによりバネ25が点線の位置に移動する。これにより、アイドラコロ24の付勢力がなくなり、ジャム原稿が取り易くなる。
【0072】
(フィードローラ、引き抜きローラ等の間隔)
また、図18及び図19(図18及び図19は搬送経路で展開した図であり、図19において原稿搬送方向からみると引き抜きローラ21と送りローラ22と位置を逆に示している)に示すように、本実施形態ではフィードローラ9、リタードローラ10、引き抜きローラ21、原稿送りローラ23はそれぞれ原稿幅方向に2個のローラ対で構成しており、それぞれのローラ対の原稿幅方向の関係を見てみると、2個の引き抜きローラ21間の距離は前記2個のフィードローラ9間の距離よりも小さく、また前記2個の原稿送りローラ23間の距離は前記2個の引き抜きローラ21間の距離よりも大きく構成している。尚、2個のリタードローラ8間の距離は2個のフィードローラ間の距離と同一である。
【0073】
これは、もしも2個のフィードローラ9より2個の引き抜きローラ21間の幅の方を広く構成するとtoe in搬送状態になり、40g /m 2 程度の薄い原稿を搬送した場合、その原稿先端が波打ち状態になってしまうという問題が発生するおそれがある。
【0074】
そして、最悪はフィードローラ9の直後に出来た波打ちにより紙詰まり、すなわちジャムが発生するおそれがある。
【0075】
これは、フィードローラ9に対向するリタードローラ10が常に原稿を押し戻す方向に一定トルクで付勢されているため、原稿に一定のブレーキ力が加わることによる。
【0076】
フィードローラ9とリタードローラ10による分離ニップよりも下流の引き抜きローラ21間の幅が分離ニップの幅より広いと、原稿の搬送方向の真ん中にブレーキ力が、そして搬送方向両側に搬送力が作用することになる。
【0077】
つまり、ブレーキ力のベクトルと搬送力のベクトルが一直線上に無いので原稿の内部に引っ張り力以外の力が発生してしまう。具体的には原稿の先端側に圧縮力が作用する。これをtoe in搬送状態という。
【0078】
原稿が厚い場合はこのようになってもあまり問題は発生しないが、ファックスの感熱紙や薄紙のように腰の弱い原稿では、先端側の圧縮力に原稿が耐えられず、座屈して皺が発生してしまう。
【0079】
これを避けるには、搬送力をブレーキ力よりも狭くすればよい。こうすると、先端側には圧縮力では無く引っ張り力が作用するため、例え薄紙でも座屈することは無くなる。これは、紙やプラスチックシート等からなる原稿は引っ張り力に対しては圧縮力よりも耐性があるからである。このような状態をtoe out 搬送状態という。
【0080】
しかし、2個の原稿送りローラ23間の幅まで、2個の引き抜きローラ21間の幅と同じ狭いままにすると原稿の斜行が発生し易くなり、逆に弊害が発生してしまう。
【0081】
これは幅の狭いローラでは、ほんの少しの左右の搬送速度の差で大きな斜行になるからである。この弊害を防止するために、本実施形態では2個の原稿送りローラ23間の幅を2個の引き抜きローラ21間の幅よりも広くしている。
【0082】
上記のようにフィードローラ対9、引き抜きローラ対21、送りローラ対23の幅を前記のように構成することにより、薄い原稿であっても座屈させることなく、且つ斜行させることなく搬送することが出来るものである。
【0083】
{駆動伝達}
次に前記リタードローラ10、フィードローラ9、ピックアップローラ8等への駆動力の伝達構成について、図18、図19及び図20を参照して説明する。尚、図20は上部開閉ガイド6のユニットの構成部品を示した斜視図である。
【0084】
図18及び図19に示すように、駆動モータであるステップモータ99の軸ギア100 からアイドラギア98、アイドラギア97、引き抜きローラ21の軸82の一方端に取り付けたギア62の順でギア列が噛合している。
【0085】
また前記軸82の他方端に取り付けたギア63からアイドラギア64、送りローラ23の軸の一方端に取り付けたギア65の順でギア列が噛合している。更に前記ギア63はトルクリミッタ67と連結したギア66と噛合している(図18参照)。
【0086】
前記送りローラ23の軸の他方端には電磁クラッチ61が取り付けてあり、このクラッチ61のON/OFFによって図1に示す上部開閉ガイドの揺動中心軸7を選択的に駆動するようにしている。即ち、電磁クラッチ61のギアからアイドラギア96、アイドラギア90、中心軸7の一方端に取り付けたギア78の順でギア列が順に噛合しており、電磁クラッチ61はONすると駆動力をギア96へ伝達し、OFFするとギア96へ駆動力を伝達しない。
【0087】
また前記中心軸7とフィードローラ9及びピックアップローラ8の軸にはそれぞれベルトプーリ59が取り付けてあり、これらの間にベルト42,43が掛け渡されている。
【0088】
リタードローラ11はリタードローラ芯70によって保持され、このローラ芯70を支える軸71はパイプ部材68とユニバーサルジョイント機構によって連結し、且つパイプ部材68はトルクリミッタ67と連結している。トルクリミッタ67には前記ギア66によって常に原稿給紙方向とは逆の、原稿を押し戻す方向に駆動が与えられている。
【0089】
従って、ステップモータ99が駆動されると、その駆動力はギア100 →アイドラギア98→アイドラギア97→ギア62→ギア63→ギア66(図18参照)→トルクリミッタ67→リタードローラ芯70の順に伝達され、リタードローラ10に一定の回転トルク(本実施形態では 300g・cm)が伝達される。このリタードローラ10へ伝達される回転方向(加えられる一定トルクの方向)は、電磁クラッチ61のON/OFFに関わらず、原稿を原稿給紙トレイ3へ戻す方向である。
【0090】
次にフィードローラ9にはステップモータ99の駆動力がギア100 →ギア98→ギア97→ギア62→軸82→ギア63→アイドラギア64→ギア65→原稿送りローラ23の軸→電磁クラッチ61へと伝達される。そして、電磁クラッチ61がONすると、その駆動力はギア96→アイドラギア90→ギア78→揺動中心軸7→軸7に取り付けたベルトプーリ59→ベルト42→フィードローラ9の軸に取り付けたベルトプーリ59→フィードローラ9へと伝達される。この時のフィードローラ9の回転方向は原稿を給紙下流側に搬送する方向である。
【0091】
一方、前記電磁クラッチ61がOFFすると、フィードローラ9はフリー状態になる。このときステップモータ99が駆動状態にあると、フィードローラ9に圧接しているリタードローラ10は前述の通り給紙方向と逆方向に駆動されているので、フリー状態のフィードローラ9はリタードローラ10に従って連れ回る。即ち、フィードローラ9は電磁クラッチ61がONすると原稿を給紙する方向に回転し、電磁クラッチ61をOFFするとリタードローラ10に連れ回って原稿を原稿給紙トレイ3へ戻す方向に回転する。
【0092】
またピックアップローラ8への駆動力は、前記フィードローラ9へ伝達された駆動力がベルト43→ベルトプーリ59→ワンウェイクラッチ89→ピックアップローラ軸86→ピックアップローラ8へと伝達される。ここで前記ワンウェイクラッチ89はフィードローラ9が給紙方向に回転するときにピックアップローラ軸86にロック状態となって駆動力を伝達し、フィードローラ9が給紙方向と逆方向に回転するときはフリー状態となって駆動力をピックアップローラ軸86へ伝達しないものである。
【0093】
フィードローラ9は前述のように、電磁クラッチ61のON/OFFにより回転方向が切り変わる。従って、電磁クラッチ61がONすると(フィードローラ9が給紙方向に回転する場合)、ワンウェイクラッチ89がロック状態となってピックアップローラ8はフィードローラ9と同一方向(給紙方向)に回転駆動され、原稿が給送される。このとき、図1の上下揺動トレイ13が連動して動作する。即ち、電磁クラッチ61のONに先だって上下揺動トレイ13が上昇し、電磁クラッチ61がOFFする前に上下揺動トレイ13が下降する。
【0094】
一方、電磁クラッチ61がOFFすると(フィードローラ9が給紙方向と逆方向に回転する場合)、ワンウェイクラッチ89がフリー状態になるのでピックアップローラ8へは駆動が伝達されない。このためにピックアップローラ8は停止したままとなる。
【0095】
尚、フィードローラ9が給紙方向と逆方向に回転するときに、ワンウェイクラッチ89のフリートルクによってピックアップローラ8が給紙方向と逆方向に回転してしまうと、原稿をピックアップローラ8と原稿の接触点により上流側まで搬送してしまい、給紙出来なくなってしまうおそれがある。これを防止するために、本実施形態ではピックアップローラ8が給紙方向と逆方向には回転しないように一方向ブレーキとして別のワンウェイクラッチ89′を設けている。
【0096】
これによりフィードローラ9がどちらに回転しても、ピックアップローラ8は給紙方向に回転するか停止しているかのどちらかとなる。このような構成を利用して原稿給紙時の重送を防止するために、本実施形態では制御手段が次のようなシーケンスを行うように構成している。
【0097】
使用者が最初に原稿を給紙トレイ3にセットするときは、場合によっては原稿を突っ込みすぎてフィードローラ9とリタードローラ10の分離ニップに突入させてしまうおそれがある。この状態のまま給紙を開始すると分離がうまく行かずに重送したり、場合によってはジャムを生ずる。そこで、使用者が原稿をセットしてその後給紙を開始する場合、給紙に先立って電磁クラッチ61をOFFのままステップモータ99を駆動し、フィードローラ9とリタードローラ10を給紙方向と逆に回転させ、分離ニップに突っ込んだ原稿束を一度給紙トレイ3に吐き出しイニシャル状態に戻すように制御する。
【0098】
このように給紙開始前に分離ニップの原稿を吐き出すことで重送やジャムを防止するものである。
【0099】
尚、本実施形態では原稿を原稿給紙トレイ3に吐き出し易くするために、この動作に連動して上下揺動トレイ13が数回揺動するように構成している。これにより、原稿が揺さぶられ更に戻り易くなる。
【0100】
また前記原稿の吐き出し動作を原稿給紙毎に行うようにすることにより、分離ニップ部に大量の原稿が突っ込んでジャムや重送を引き起こすことを未然に防止することが出来る。
【0101】
(ピックアップローラ及びフィードローラの交換)
ここで前記ピックアップローラ8とフィードローラ9の交換構成について説明する。
【0102】
図20、図21は、原稿送り装置の上部開閉ガイド6を含む開閉ガイドユニットの構成を説明する斜視図である。図20に示すように、原稿送り装置1の右フレーム211 と左フレーム212 に滑り軸受け79を介して、上部開閉ガイド6の揺動中心軸7が取り付けられている。
【0103】
滑り軸受け79は更に上部開閉ガイド6も回動可能に支持している。そして、図20及び図22に示すように、上部開閉ガイド6にはフィードローラ9とピックアップローラ8を保持するためのローラユニット軸受部材88がワンタッチで取り付け可能となっている。このローラユニット軸受部材88にはフィードローラ軸87と、フィードローラ9と、ベルトプーリ59と、ベルト42と、ワンウェクラッチ89と、ピックアップローラ8とが取り付けられ、1個のローラユニット103 を構成している。そして、ローラユニット軸受部材88には図22に示すように4本の係止爪303 が設けてあり、前記軸受部材88を取り付ける取付部材である上部開閉ガイド6には前記係止爪303 が係止可能な4個の係止穴(図示せず)が設けてある。このように構成することで、フィードローラ9とピックアップローラ8を交換するために分解するときには、ユニット軸受部材88の係止爪303 を外すだけで分解可能となり、また組み立て時も係止爪303 を上部開閉ガイド6の係止穴に押し込むだけでワンタッチで固定出来るので非常に簡単に組み立てることが出来る。
【0104】
このローラユニット103 にあってはベルトプーリ59はローラユニット軸受部材88の外側で、且つフィードローラ軸87の端部に片持ち状態で取り付けることが好ましい。これにより、係止爪303 の係止を外したときに、ベルト42を簡単に外せるので、ローラユニット103 は図22の状態のまま取り外すことが出来る。従って、ピックアップローラ8及びフィードローラ9の交換作業は別の机上等で出来るので、交換作業効率が格段に改善される。尚、前記ベルトプーリ59はローラユニット軸受部材88の内側の設けてもよいが、この場合はベルト42を外す場合にフィードローラ軸87を完全に抜き取る必要があるため、前記のようにベルトプーリ59はローラユニット軸受部材88の外側に設けるのが好ましい。
【0105】
一般にフィードローラ9やピックアップローラ8等のゴム材料は耐久により他の部品より早く消耗するので交換部品となっており、このように分解、組立が簡単であることのメリットは非常に大きい。
【0106】
また本実施形態においては、ローラユニット軸受部材88を取り付けて組み立てるときに、間違えて逆に組み立ててしまわないように、図22に示すように、ピックアップローラ8側の係止爪303 間の距離L1 とフィードローラ9側の係止爪303 間の距離L2 が異なるように構成し(L1 ≠L2 )、ローラユニット軸受部材88を非対称形状に構成している。これにより、前記軸受部材88を正規装着状態にした場合のみ、前記係止爪303 が上下開閉ガイド6に設けた係止穴に対して合致するようになる。
【0107】
尚、本実施形態では、ベルト42を用いてフィードローラ9等へ駆動力を伝達しているが、図23に示すように、フィードローラ軸87の端部にギア304 を取り付けることにより、このギア304 を駆動系と噛合させたギア列で駆動を伝達しても良い。このようにすると、前記のようにするとローラユニット103 の着脱に際してベルト42を着脱する工程が不要となり、更にピックアップローラ8及びフィードローラ9の分解、組立性が良くなる。
【0108】
(ギア構成)
次に前記駆動伝達を行うためのギアも簡単に取り付けられるように構成している。その構成を図24、図25、図26を参照して説明する。図に示すギアは前述したギア62、63、65等の構成を示すものであり、軸の回転方向の回り止めとして軸に係合する内径はD型形状305 をしている。またスラスト方向の抜け止めとして先端に爪部306 を有する係合アーム307 を有している。
【0109】
図25は前記ギアの係合アーム307 の断面説明図であり、前記爪部306 の長さuと厚みtはEリングを取り付け可能な溝に係合することが可能となっている。図26は軸に前記ギアを取り付けた状態をスラスト方向から見た説明図であり、Dカットされた前記ギアを取り付けるためのギア軸には前記爪部306 が係合可能な溝308 が設けてある。これにより軸にギアを挿入すると係合アーム307 の弾性によって爪部306 が溝308 に係合してギアが抜けなくなる。このためギアを軸に挿入するだけで簡単に取り付けることが出来る。
【0110】
また、前記ギアの抜け強度不足等のためにEリングを使用しなければならない場合には、図26に示すように、Eリング309 を前記溝308 に嵌め込むことが可能となっている。これによって簡単に取り付けることが出来る。
【0111】
このように、Eリング309 を爪部306 と干渉しないように爪部306 とは反対側から軸に嵌め込むことにより、爪部306 が係合する溝308 と同じ溝にEリング309 を取り付けることが出来る。従って、Eリングを取り付ける場合に新たにEリング専用の溝を設ける必要がないために、別途Eリング専用の溝を設ける場合に比べて軸を短く出来、結果として装置の小型化が可能となる。尚、ギア列を構成するすべてのギアを前記ギア構成を採用してもよいが、いずれか1つのギアに前記ギア構成を採用した場合でも効果的である。
【0112】
(ユニバーサルジョイント構成)
次に前記リタードローラ10に一定トルクを伝達するトルクリミッタ67を連結するためのユニバーサルジョイント機構について説明する。
【0113】
図27はリタードローラ10の近傍を真上から見た図である。ギア66は装置フレームに固定されたギア支持板60に固定された片持ちの固定軸76に回転可能に支持されている。このギア66は前述したようにステップモータ99によって回転する。そしてギア66とリタードローラ10の軸71とが連結部材によってユニバーサルジョイントで連結している。尚、本実施形態にあっては、前記連結部材を中間軸75とこれに取り付けたパイプ部材68で構成しており、前記ギア66に設けた長穴と中間軸75に設けたピン74とが係合して第1のユニバーサルジョイント機構を形成している。
【0114】
一方、リタードローラ10は、リタードローラ芯70に固定され、リタードローラ芯70は、原稿送り装置1のフレーム(リタードローラブラケット) 114(図32参照)に固定された軸15を中心に揺動する支持レバー16及びリタードローラ軸71、111 によりイコライズ可能に支持されている。
【0115】
前記軸71にはピン72が固定され、このピン72が中間軸75に取り付けたパイプ部材68の長穴と係合して第2のユニバーサルジョイント機構を形成している。
【0116】
また前記中間軸75にはピン73によりトルクリミッタ67の駆動入力側が固定され、更にトルクリミッタ67のトルク出力側の突起とパイプ部材68が係合している。これにより、トルクリミッタ67に伝達されたトルクがパイプ部材68を介してリタードローラ10に伝えている。
【0117】
以上のようにして、ギア66に伝えられた駆動トルクが中間軸75、トルクリミッタ67及びパイプ部材68を介してリタードローラ10に伝えられる。
【0118】
次に図28は図27を矢印101 の方向から見た図である。リタードローラ10は原稿送り装置1のフレームに実質的に固定されたフィードローラ9に追従して矢印102 の方向に移動することになる。この移動は、図28に示すように、前記第1と第2の2箇所のユニバーサルジョイント機構が折れ曲がり、この動作を可能にしている。
【0119】
本実施形態では前記のようにギア66を片持ちの軸76で支持することで、ギア66の外側から第1のユニバーサルジョイント機構までの距離を限界まで短くすることが可能となっている。更にこのような構成が可能になったのは、ユニバーサルジョイントを形成する中間軸75にトルクリミッタ67を設け、トルクリミッタ67自体をユニバーサルジョイントのユニットに組み込んだことにもよる。
【0120】
以上の構成により、ユニバーサルジョイントを形成するための中間軸75の長さを従来の構造よりも大幅に長くすることが可能となり、その結果として図28に示す角度θを大幅に小さい値にすることが可能となる。これにより、ユニバーサルジョイント部が理想的にトルクのみを伝達可能となり、中間軸75のラジアル方向への不要な力の発生を大幅に低減している。
【0121】
更に、これによりリタードローラ10のフィードローラ9への押圧力の変動が大幅に少なくなり、リタードローラ10の一部のみが磨耗する偏磨耗の現象の発生が抑えられる。このため、リタードローラ10の耐久寿命が大幅に長くなるものである。
【0122】
図29はリタードローラ10に回転駆動力を伝達するユニバーサルジョイントの組み立て構成を示している。
【0123】
本実施形態においては、リタードローラ部分の組み立て性を向上させるために、ユニバーサルジョイントのパイプ部材68のジョイント部に工夫がしてある。
【0124】
これを説明すると、図29において、軸75には駆動ギア66からの回転駆動力を受け取るピン74が設けられている。軸75には更にトルクリミッタ67に駆動を伝達するピン73が設けてある。トルクリミッタ67からの出力はパイプ部材68の係合溝109 を介してパイプ部材68に伝達される。
【0125】
パイプ部材68はスナップフィットレバー104 を軸75の係合溝109 に係合させることにより、ワンタッチで組み立て可能になっている。これにより軸75、ピン74、ピン73、トルクリミッタ67、パイプ部材68が一体のユニットになる。
【0126】
一方、リタードローラ軸71には2方向に突出したピン72が設けられ、前述したパイプ部材68の他端側と係合するようになっている。そしてトルクリミッタ67より出力された一定トルクは、パイプ部材68→ピン72→リタードローラ軸71→リタードローラ10へと伝達される。
【0127】
前記ピン72の一方の突部はパイプ部材68に設けた第1孔部であるジョイント用孔106 に係合する。またピン72の他方の突部はパイプ部材68に設けた第2孔部であるジョイント用長孔107 に係合する。更にパイプ部材68にはユニバーサルジョイントを形成するために内側に面取り108 が設けてある。
【0128】
またジョイント用長孔107 は、パイプ部材68の端部まで幅d1の溝で開口している。ここで前記ピン72の直径はd2であり、長孔の幅は前記ピン72の直径d2よりも少し大きく、溝寸法であるd1はピン72の直径d2よりも少し小さくなっている。
【0129】
これにより、ユニバーサルジョイントを組み立てる場合には、図29に示すように、ジョイント用孔106 にピン72の一方突部を図示のように引っかけ、リタードローラ軸71を矢印110 の方向に移動させる事で、ピン72の他方突部が溝幅d1を押し広げてジョイント用長孔107 の位置まで移動することが可能となる。これによって、ユニバーサルジョイント部の組立を容易に行うことが出来る。尚、前記ジョイントを外す場合にはリタードローラ軸71を前記矢印110 と逆方向に移動させるだけでピン72をジョイント用長孔107 から簡単に外すことが出来る。
【0130】
前記のようにしてリタードローラ10とトルクリミッタ67をユニバーサルジョイントによって連結するが、本実施形態ではトルクリミッタ67の表面を原稿ガイド面として機能させている。これを図30を参照して具体的に説明する。尚、図30は下ガイド81を中心にしたリタードローラ10部分の構成部品を示すものである。
【0131】
図30において、211 は右フレーム、212 は左フレーム、215 は右フレーム211 と左フレーム212 をつないで全体のフレームを形成するステイである。全体フレームの構成は図31に示す。221 は上部開閉ガイドをスナップフィットで位置決めする為の開閉クリック、214 は部材固定用のネジである。
【0132】
図30に示すように、トルクリミッタ67は下ガイド81に設けられた開口部より外部に露出している。そしてトルクリミッタ67の表面は下ガイド81の原稿ガイド面と同一面に位置し、共同して原稿ガイド面を形成している。
【0133】
そのために、トルクリミッタ67の表面は滑らかで、成型時のゲートやイジェクトピンの跡がないよう構成されている。本実施形態ではこのようにトルクリミッタ67を原稿ガイドとしても機能させることにより、装置の小型化を実現している。
【0134】
即ち、従来はリタードローラ10と連結したトルクリミッタ67の表面は完全に紙パスから隔離され、またトルクリミッタの表面も格別に滑らかにするような配慮はなされていなかった。そのために、従来は本実施形態のような小型の装置にすることが出来なかったか、またはリタードローラ10の横に直接トルクリミッタ67を配置することは出来なかった。
【0135】
リタード分離においては、リタードローラ10に伝達する一定のトルクの値の精度は極めて重要なパラメータであり、精密に管理されなければ重送やジャムが発生してしまう。従って、リタードローラ10とトルクリミッタ67の間によけいなギアやその他の伝達機構は出来るだけ無いほうが望ましい。その意味でも本実施形態のようにリタードローラ10のすぐ横にトルクリミッタ67を配置可能とし、且つトルクリミッタ67の表面が原稿ガイドを兼ねる構成にすることが効果的である。
【0136】
尚、本実施形態においてはリタードローラ10の直径を20mm、トルクリミット67の表面の直径を18mmに設定している。即ち、リタードローラ10の表面が1mm だけ原稿ガイド面より出っ張るように構成している(図15参照)。
【0137】
{排紙ローラ}
また図1において、30,31は画像の読み取られた原稿を後述する排紙トレイ39上に排出するための排紙ローラ対であり、30は排紙ローラ、31は該排紙ローラ30に圧接されて従動回転するアイドラコロである。前記アイドラコロ31は、通常、後述する画像読取部における白色ガイド部材38に固定されたバネ33によって排紙ローラ30側に付勢されている。前記白色ガイド部材38は原稿送りローラ23の軸に回動可能に支持されており、通常は図1に示す如く閉状態にある前記上部開閉ガイド6によって下方に押さえ付けられ、図1に示すように位置決めされている。尚、白色ガイド部材38とアイドラコロ31とバネ33の関係は図32に示す。
【0138】
そして、後で詳述するが、前記上部開閉ガイド6を開放すると、押さえ付けが解除された白色ガイド部材38も上方に揺動するので、前記アイドラコロ31を排紙ローラ30側へ付勢している前記バネ33の付勢力は解除される。つまり、前記アイドラコロ31は白色ガイド部材38の自重だけで排紙ローラ30へ接している状態になる。即ち、排紙ローラ30とアイドラコロ31との圧接が解除されるため、この排紙部でのジャム処理が容易になる。
【0139】
(除電針)
32は帯電した原稿の除電を行う除電針であって、前記排紙ローラ対30,31によって排紙される原稿が帯電して排紙トレイ39や原稿給紙トレイ3の裏側に張り付き、積載ジャム等を引き起こすのを防止するためのものである。また、前記除電針32は排紙された原稿の後端が上カールで持ち上がっている場合に、該カール原稿後端を押さえるカール押さえの役目も兼ねており、前記カール原稿後端が次の排出原稿の妨げになるのを防止している。このため、前記除電針32の長さは、通常よりも長く設定されており、本実施形態においては約20mm程度としている。
【0140】
{排紙トレイ}
また図1において、39はトレイ手段としての排紙トレイであって、読取終了後に前記排紙ローラ対30,31によって排出搬送され、除電針32によって除電された原稿を保持するためのものである。この排紙トレイ39の搬送方向最下流側には、前述したように原稿の先端側の垂れ下がりを防止するためのストッパ120 が引き出し可能に取り付けられている。尚、前記ストッパ120 は、図4を用いて前述したように、原稿送り装置開閉時の把手の機能を兼ねており、その開閉時にストッパ120 に掛けたユーザの手が滑らないように、多数の指かけ突起部131 を備えたカバー137 が下部側に設けられている。
【0141】
(ストッパ)
次に図33を用いて前記排紙トレイ39に取り付けられたストッパ120 について詳細に説明する。この補助トレイ手段としてのストッパ120 は排紙トレイ39で保持する原稿のサイズに応じて図33中矢印b方向に引き出し可能となっており、本実施形態では排紙トレイ39に押し込んだ第1のポジションと引き出した第2のポジションの2つのポジションが選択可能となっている。尚、図33では、排紙トレイ39に押し込んだ第1のポジションにあるストッパ120 を示している。
【0142】
前記ストッパ120 を各ポジションで固定するために、前記ストッパ120 の内部にはストッパレバー122 が組み込まれている。該レバー122 は支点127 を中心として回動可能となっており、排紙トレイ39内のレール401 に設けられた溝123-1 ,123-2 に係合する突起部130 を備えた腕部402 と、該突起部130 を前記溝側に付勢する突き当て部128 を備えたバネ129 と、該レバー122 を回動させ突起部130 と溝123-1 ,123-2 との係合及び解除を行うレバーボタン126 が一体形成されている。
【0143】
尚、図33では前記ストッパ120 内部に組み込まれたストッパレバー122 を片側だけ図示しているが、上述した同様の構成のストッパレバーが反対側にも対称的に組み込まれており、レバーボタン126 は2つを同時に押すことで上記の機能を満たしている。
【0144】
そして、通常、前記第1のポジションにあるストッパ120 は、前記ストッパレバー122 に一体形成されたバネ129 の突き当て部128 が、ストッパ120 の内側壁(不図示)に突き当たって、前記突起部130 が溝123-1 (或いは溝123-2 )に付勢係合している。
【0145】
そして、前記第1のポジションから第2のポジションに移動させるには、レバーボタン126-1 ,126-2 を押すことによってストッパレバー122 が支点127 を中心として回転し、前記バネ129 の付勢力に抗して突起部130 と溝123-1 との係合が解除されるので、前記レバーボタン126-1 ,126-2 を押しながらストッパ120 を図33中矢印a方向に移動させ、突起部130 をもう一方の溝123-2 に落とし込むことにより前記ストッパ120 が第2のポジションにて係合固定される。
【0146】
逆に前記第2のポジションから第1のポジションに移動させるには、上述した手順と同じようにレバーボタン126 を押しながらストッパ120 を押し込み、突起部130 を溝123-1 に落とし込めば良い。
【0147】
尚、前記突起部130 を備えた腕部402 と、溝123-1 ,123-2 を備えたレール401 は、該両者の隙間が極力少なくなるように円弧状に形成されており、ストッパ120 の引き出し方向に直交する方向のガタを少なくしている。
【0148】
(ストッパタブ)
前記ストッパ120 には排紙トレイ39から原稿が落下するのを防止するための規制手段としてのストッパタブ121 が折り畳み収納可能に取り付けられている。該ストッパタブ121 は、使用しないときの第1のポジション(図33中実線位置)と、使用するときの第2のポジション(図33中破線位置)の2つのポジションが選択可能となっている。
【0149】
また前記ストッパタブ121 の自由端側の両端には指又は爪を引っ掛けるための突起部124 が設けられており、更に前記自由端側に対応するストッパ120 上には指を入れる溝125 が設けられている。従って、前記ストッパタブ121 は、前記ストッパ120 上に設けられた溝125 に指を入れ、ストッパタブ121 の両突起部124 を指又は爪で持ち上げることで容易に引き出すことが可能となっている。
【0150】
更に前記ストッパタブ121 は原稿端を規制する規制手段として機能する第2のポジションにてロックされるように構成されている。このストッパタブ121 のロック機構について図34及び図35を用いて説明する。図34及び図35はストッパタブ121 の中央部を切断した断面図であり、図34は第1のポジション(折り畳み収納位置)にあるストッパタブ121 を示しており、図35は第2のポジション(起立位置)にあるストッパタブ121 を示している。
【0151】
図34及び図35に示すように、前記ストッパタブ121 は回転支軸134 を中心として回動可能となっており、該回動端部にはストッパ側に穿設された凹部136 と係合する凸部135 が突設されている。前記凹部136 はストッパ120 の下部側に設けられたカバー137 の一部に設けられたスリット132 によって片持ち梁となっているバネ133 の上面側に穿設されている。従って、前記ストッパタブ121 を第1のポジションから第2のポジションへと回動させると、該ストッパタブ121 によって前記片持ち梁となっているバネ133 が下方向に撓ませられ、ストッパタブ121 の凸部135 が前記バネ133 の凹部136 に落ち込み、これにより前記ストッパタブ121 が第2のポジション(図33中破線位置)で規制手段として機能するようにロックされる。
【0152】
{ジャム処理}
次に上記原稿送り装置におけるジャム処理について説明する。本発明では装置本体の最上部に開閉可能に取り付けられた上部開閉ガイド6の開閉操作に伴って、原稿を挟持搬送する全ての搬送ローラ対の圧接及び解除が行えるように構成してある。即ち、上部開閉ガイド6を開くことによって全搬送ローラ対の圧接が解除され、逆に上部開閉ガイド6を閉じることによって全搬送ローラ対が圧接されるように構成してある。尚、前記搬送ローラ対の圧接を解除する方法としては搬送ローラ対をなすローラ同士を離間する方法、或いはローラ同士を圧接するバネ等の付勢手段の付勢力を解除する方法等がある。本実施形態では、その両方を用いて前記搬送ローラ対の圧接及び解除を行っている。以下、詳述する。
【0153】
(ローラ対の圧接及び解除)
上記構成の原稿送り装置において原稿の給紙から排紙までの搬送を行うローラは、搬送方向上流側から順に、ピックアップローラ8、フィードローラ9とこれに圧接するリタードローラ10、引き抜きローラ21と板バネ11の付勢力によって前記ローラ21に圧接するアイドラコロ22、原稿送りローラ23とバネ25の付勢力によって前記ローラ23に圧接するアイドラコロ24、及び排紙ローラ30とバネ33の付勢力によって前記ローラ30に圧接するアイドラコロ31である。ここで、上部開閉ガイド6の開閉操作によって圧接及び解除が行われる搬送ローラ対は、フィードローラ9とリタードローラ10、引き抜きローラ21とアイドラコロ22、原稿送りローラ23とアイドラコロ24、及び排紙ローラ30とアイドラコロ31である。
【0154】
前記ローラのうち、上部開閉ガイド6に回転可能に取り付けられているローラは、フィードローラ9とアイドラコロ22である(図20参照)。尚、上部開閉ガイド6にはピックアップローラ8も取り付けれらている。また、前記引き抜きローラ21、原稿送りローラ23、及び排紙ローラ30は装置本体側に回転可能に取り付けられている。更に前記リタードローラ30は装置本体側に揺動可能に取り付けられたL字型の支持レバー16に回転可能に取り付けられており、バネ19の付勢力によってフィードローラ9方向に付勢されている。また前記アイドラコロ24は、装置本体のフレームをなすステイ215 に取り付けられた搬送ガイドに回転可能に取り付けられており(図30参照)、バネ25の付勢力によって原稿送りローラ23方向に付勢されている。また前記アイドラコロ31は、原稿送りローラ23の軸を中心に揺動可能な白色ガイド部材38の自由端に回転可能に取り付けられており(図32参照)、上部開閉ガイド6の押さえ付け及びバネ33の付勢力によって排紙ローラ30方向に付勢されている。
【0155】
従って、上部開閉ガイド6を開くと、フィードローラ9及びアイドラコロ22が対向する各ローラ10,21から離間するため、フィードローラ9とリタードローラ10、及び引き抜きローラ21とアイドラコロ22の圧接がそれぞれ解除される。同時に、アイドラコロ24を原稿送りローラ23に付勢しているバネ25の付勢力、アイドラコロ31を排紙ローラ30に付勢しているバネ33の付勢力も解除されるため、原稿送りローラ23とアイドラコロ24、及び排紙ローラ30とアイドラコロ31の圧接もそれぞれ解除される。これにより、上部開閉ガイド6を開くという1アクションだけで全搬送ローラ対の圧接を解除することができ、搬送路中でジャムした原稿等を簡単に取り除くことができる。特に上記いずれかの搬送ローラ対間に挟持された状態でジャムした原稿等を簡単に取り除くことができる。
【0156】
同様に、前記各ローラ対の圧接も1アクションで行える。即ち、前述した手順と逆の手順で、上部開閉ガイド6を閉じれば良いだけである。
【0157】
尚、給紙トレイ3と排紙トレイ39との間に介在する排紙ローラ対30,31部分でのジャム処理は、前記給紙トレイ3の開放を兼用する事で行う。この給紙トレイ3は図3、図5及び図6を用いて前述したように、スナップフィット機構として機能する弾性部材248 と係合凹部247 とからなる係合手段によって弾性的に係合されているだけなので、容易に外すことができ、簡単に上方に揺動させることができるようになっている。
【0158】
図15において、81はガイド部材としての下ガイドであって、前記上部開閉ガイド6下方の対向位置に所定の間隔をもって配設され、原稿の搬送路を形成している。また、82は引き抜きローラ軸であって、引き抜きローラ21の回転中心となる。83はフィードローラ9に対するリタードローラ10の圧接力を調節するためのバネ掛け切り欠き部であり、軸15を中心として回転可能に支持された押圧レバー18に設けられている。この押圧レバー18の自由端は、軸15を中心として回転可能な支持レバー16の一端の軸17に接しており、該接点を通して付勢力が作用している。これによりリタードローラ10がフィードローラ9に圧接される。また、84は原稿給紙トレイ3上に原稿を乗せるときに、その原稿の先端を突き当てる突き当て壁である。この図15の中で、アイドラコロ31を除くすべての部材は引き抜きローラ軸82を回転中心として上部開閉ガイド6を開閉することで揺動する。また、上部開閉カバー6を閉じたときはバネ33によりアイドラコロ31を付勢し排紙ローラ30に圧を加え、開放したときはアイドラコロ31への付勢力が解除され排紙ローラ30に圧が加わらないようになっている。
【0159】
(ジャム時リトライ給送)
図36は上記原稿送り装置に用いているジャム時リトライシーケンスの説明図である。また、図37は図36の一部のみを示すことで、図36をよりわかりやすくしたものである。
【0160】
尚、ここでいうリトライシーケンスとは、特開平3-216428号公報等に記載されているように、原稿給紙時に給紙ローラがスリップした場合にすぐにジャムと判断するのではなく、数回給紙動作を繰り返して試みるシーケンスのことをいう。そして、その数回の給紙動作の繰り返しでもなお原稿が給紙されないときにジャムと判断する。
【0161】
本実施形態に係る原稿送り装置では更に次のようなシーケンスにしてある。即ち、給紙開始信号(図中a部)で上下揺動トレイ13が上昇を開始し、所定時間経過後、電磁クラッチ61がONとなる。そして、前記上下揺動トレイ13が上昇位置に達してから一定時間T1経過後、前記上下揺動トレイ13が下降し始める。そして、紙端検知センサ41が原稿先端を検知したら、同時を含む所定時間経過後に電磁クラッチ61をOFFする。
【0162】
本来ならばクラッチONから原稿の搬送を開始し、所定時間経過後に紙端検知センサ41が原稿の先端を検知することになっている(図中b部)。しかし、ピックアップローラ8やフィードローラ9がスリップした場合は、原稿を所定の距離だけ給紙することができず、紙端検知センサ41を所定のタイミングで原稿が通過しない。
【0163】
そして、一定時間T3を経過しても紙端検知センサ41を原稿が通過しないときは、給紙ジャム保留としてステッピングモータを止め、一定時間T4の間給紙動作を一時休止させて、もう一度上下揺動トレイ13の上昇(図中c部)からの給紙シーケンスを繰り返し、リトライを行う。但し、その際の2回目の上下揺動トレイ13の上昇時間T2を前記上昇時間T1よりも長くすることで、確実な給紙を行う事を可能としている(T2>T1)。尚、これ以外にも2回目の時は給紙速度を下げてリトライを行う事で、同様の効果を得ることが出来る。
【0164】
{画像読取手段}
上記構成の原稿送り装置1によって搬送され、画像読取部29を通過する原稿の画像を、スキャナ2の光学系によって読み取る。ここで、図38乃至図42を用いて画像読取部近傍の構成について説明する。
【0165】
(透明シート部材)
図38に示すように、画像読取部近傍において、28は透明シート部材(以下、「透明シート」という)であり、白色ガイド部材38との間に原稿が通過する隙間k(本実施形態では約0.9 mm)が設けられている。尚、この透明シート28と白色ガイド部材38との間の隙間kは後述する位置決め突起部材119 によって保証されている。この透明シート28と白色ガイド部材38との間の隙間kを原稿が通過する時に、画像読取部29にて前記透明シート28を通して原稿の画像が読み取られる。
【0166】
本実施形態では、図39に示すように、前記透明シート28として、透過型のポリエステルシートの原稿搬送面側に2H以上の耐スクラッチコーティング91を施したシートを用いており、前記ポリエステルシートの原稿搬送面側に傷が付かないようにしている。これにより、傷による透過率の低減や画像の劣化を防止している。更に本実施形態では前記ポリエステルシートのチャージアップを防止するために帯電防止剤を練り込んだ材料を用いている。これにより、前記透明シート(ポリエステルシート)28と原稿が静電気によって貼り付くのを防止している。
【0167】
尚、前記透明シート28は上記構成のシートに限定されるものではなく、例えば、ポリカーボシートやアクリルシートや成形ガラス等であっても良い。
【0168】
(透明シートの位置決め)
前記白色ガイド部材38と透明シート28との間の隙間kは、図38に示すように前記白色ガイド部材38の画像読取部29との対向面であって、原稿が通過する読み取り領域外に設けられた位置決め突起部材119 によって保証されている。この位置決め突起部材119 の形状と働きについて説明する。
【0169】
前記白色ガイド部材38は画像読取部29と対向する面が、プラテンガラス40と平行な面117 と、その面117 に連なって所定の半径を持つ円弧面118 によって図38に示す如き形状に形成されている。そして、この白色ガイド部材38の画像読取部29との対向面に更に対向して前記透明シート28が配設されている。この透明シート28は前記白色ガイド部材38の対向面に設けられた位置決め突起部材119 の突起部119aとプラテンガラス40とに挟まれて位置決めされ、且つ白色ガイド部材38との隙間kが保証されている。
【0170】
しかし、前記位置決め突起部材119 の突起部119aだけでは、前述した対向面の円弧面118 の部分で透明シート28が白色ガイド部材38に接触してしまい、腰の弱い薄紙や逆に厚みの厚い紙や、またカーボン紙のように摩擦係数の大きな紙等の通紙抵抗を大きくする原因となっていた。
【0171】
そこで本発明では、位置決め突起部材119 の突起部119aの両側に、該突起部119aよりも低い高さで、しかもプラテンガラス40に平行な部分の両側にある白色ガイド部材38の両円弧面118 まで延設された補助突起部119bを設けている。ここで、前記突起部119aの高さは、白色ガイド部材38と透明シート28との間の隙間kと同程度であり、補助突起部119bの高さは前記突起部119aの高さの半分程度としている。尚、本実施形態では、前記突起部119aの高さを約0.9mm 程度とし、補助突起部119bの高さを約0.5mm 程度としている。
【0172】
上述の如く構成することにより、画像読取部近傍における搬送パスの隙間を全域にわたって確保することができるので、薄紙やカーボン紙等の原稿を給送しても、該原稿が滑らかに画像読取部29を通過し、スムーズな搬送が可能となる。更に画像の伸びや歪み、ジャムが発生することがなく、読み取り画像の画質や精度が良好となる。
【0173】
(フラッパと透明シートの係合)
前記透明シート28は画像読取部29の上流側に位置するフラッパ213 に取り付けられている。その構成について図40,図41,図42を用いて説明する。
【0174】
図40,図41に示すように、前記透明シート28の上流側の幅方向両端には、長穴262 と決め穴263 が穿設されている。これと対向するように、前記透明シート28を取り付けるフラッパ213 の幅方向両端には、前記長穴262 と対向する位置に鍵状の突起261 が、前記決め穴263 と対向する位置に抜け止め265 を有する突起264 が突設されている。従って、前記透明シート28をフラッパ213 に取り付ける際は、長穴262 と鍵状の突起261 を係合させた後、決め穴263 と突起264 を係合させることにより、前記透明シート28がフラッパ213 に取り付けられ、且つ位置決めされる。
【0175】
また、図41に示すように前記鍵状の突起261 は、その鍵部の長手方向の長さrが前記透明シート28の長穴262 の長手方向の長さsよりも短く形成されているので、前記透明シート28をフラッパ213 に取り付ける際は、前記長穴262 を鍵状の突起261 に簡単に嵌め込むことができる。そして、前記長穴262 を鍵状の突起261 に嵌め込んだ後で透明シート28を鍵状の突起261 の鍵部の内側に嵌め込むようにずらすことによって確実な係合が可能になる。尚、鍵状の突起261 の根元の部分x(図42参照)に透明シート28の長穴262 を嵌め込むことによって、透明シート28がフラッパ213 から脱落するのを防止し、同時に位置決めも行っている。
【0176】
そして、前記フラッパ213 と透明シート28の係合をより確実なものにするため、透明シート28の決め穴263 をフラッパ213 の抜け止め265 を有する突起264 に嵌め込む。この突起264 の抜け止め265 と鍵状の突起261 の鍵部の両方の効果により、透明シート28はフラッパ213 から脱落することはない。更にこれらは位置決めも兼ねているので、装置の省スペース化にもつながる。
【0177】
(読取速度)
次に前記原稿の画像の読取速度について説明する。上述の如く構成の画像読取装置では、原稿送り装置1で原稿を搬送し、この搬送原稿の読取部通過時に画像を読み取る方式と、プラテンガラス40に原稿をセットし、該原稿に沿って光学系を走査しつつ画像を読み取る方式と、の2つの読取方式が選択可能となっている。そして、本実施形態では、原稿送り装置1を流し読み方式とすることで、読み取り時の原稿と原稿の間隔をフラットベット式のスキャナ2に比べて小さくしている。
【0178】
更に本実施形態では原稿の画像読取速度そのものも高速にしている。具体的には、フラットベッドスキャナ2は最高速での読み取り時間は6秒で戻り時間は5秒になっている。一方、原稿送り装置1による流し読み時の読み取り時間は3秒で原稿間隔は1秒である。即ち、スキャナ2は11秒/サイクル、原稿送り装置1は4秒/サイクルである。読み取り時間だけで比較すると、2倍の差がある。
【0179】
一方、ラインCCD47への光学系(ランプやミラー等)と照明ランプは共通であり、原稿送り装置1が高速だからといって照明光量に余裕は無いし、レンズを複数用意して切り替え、レンズの明るさ(fナンバ)を変えるような高価な設計もローコストマシンでは出来ない。しかし、通常ならラインCCD47への蓄積時間×光量は所定の値にしないとラインCCD47のS/N比が悪くなってしまい良好な画像情報を得る事は出来ない。
【0180】
これらの問題をバランス良く解決するため、本発明の実施形態においては、原稿送り装置1が最高速度で動作する場合、4bit多値であることを利用している。即ち、通常、8bit多値で読み取りをする場合、ラインCCD47のアナログ信号のS/N比は256 以上であることが必要である。しかし、4bit多値の場合なら、ラインCCD47のアナログ信号のS/N比は16以上あれば良い。このことを考慮すると、高速で画像読み取りを行い、ラインCCD47が光量不足になってもS/N比が16以上確保できれば良いことになる。
【0181】
結局、本発明の実施形態においては、最高速の時にラインCCD47のS/N比が16以上になる光量のランプを用いることで、バランスを取っている。言い換えれば、高速読み取りモードの時は、読み取りの段数(ビット数)を落として、その代わりにラインCCD47の光量も落としてラインCCD47を光量不足の状態で使用している。
【0182】
これにより、高速機でありながらランプ光量を従来の低速機並に押さえることが可能となり、コストダウンすることが出来た。
【0183】
図43はフラットベッドスキャナのシステム構成を表す図である。図において、フラットベッドスキャナ2で読み取った画像データをホストコンピュータ200 に転送する際、ホストコンピュータ200 がメモリ容量や処理速度の関係でフラットベッドスキャナ2から送られてくる画像データを処理しきれなくなる事態が発生する。これに対応するため、フラットベッドスキャナ2の読取動作を一次中断する、いわゆるスタート・ストップが行われている。
【0184】
この時、ラインCCD47を用いた装置では蓄積時間をなめらかに変化させると画像処理が極めて難しくなり、読取中に速度をなめらかに減らすことはできないので、いきなり停止、いきなり立ち上げを強いられる。
【0185】
しかし、パーソナルコンピュータの高速化により、読み取り速度も高速になった。それによりスタート・ストップ読み取り時の画像の連続性の維持や、モータの脱調を防止することが困難になってきたため、本実施形態の原稿送り装置1及びフラットベッドスキャナ2では、フルスピード→1/2 →停止というように、いきなり停止させずに1/2 の速度を間に入れるシーケンスを採用している。尚、原稿の画像読み取り中に、前述したように段階的に速度を変化させる動作をステップダウン読み取りと称する。
【0186】
(ステップダウン)
図44は読取中のスタート・ストップとステップダウンを簡単に表した図である。図44において、縦軸は紙送りローラやミラー44の送り速度、横軸は時間を表している。図44において、ある速度で読み取りを行っているとき、メモリ容量や通信速度などの関係で画像データを処理しきれなくなりそうになったら、読取速度を1/2 に変化させる。このような動作をステップダウンという。
【0187】
その後、1/2 の速度で読み取りを続け、コンピュータが画像データを処理しきれなくなると、イメージスキャナはコンピュータのデータ処理が終了するまで読み取りを中断し、その後コンピュータからの要求に応じて読み取りを再開する、という動作を繰り返す。このような動作をスタート・ストップという。
【0188】
尚、ステップダウンとスタート・ストップ動作の時、通常、原稿照明ランプは瞬間的に高速に応答するものはないので、ラインCCD47の蓄積時間を読み取りの途中に変更することは通常なら不可能である。故に、本発明の実施形態では、読取速度を1/2 にするときは1ラインずつ余分な情報がラインCCD47より出力されてくるので、これをAD変換した後に平均を取って2ラインの情報を1ラインの情報に変換している。
【0189】
そして、この画像情報処理をステップダウンのタイミングに連動していて行っている。尚、簡易に実施する場合は1ライン毎に情報を捨てても良いのはもちろんである。更に、本発明の実施形態では、ステップモータ99に2相モータを使用しているが、この駆動についても工夫がしてある。
【0190】
通常の読取速度(つまり高速)で読み取っているときは、高速でモータの駆動パルスパターンを出す必要があり、DCコントローラ、即ち通常はマイクロコンピュータの仕事が増えることになる。しかし、マイクロコンピュータは同時に他の仕事もこなさなければならない。このような状況で、コストを下げる為パフォーマンスの低いチップを用いた場合、通常の1-2 相駆動を行うと処理が間に合わなくてジャムや動作不良が発生する。
【0191】
これを解決するにはパフォーマンスの高いチップに変更すれば良いが、そうすると回りの回路の高速化も必要となり、コストが上昇することになる。
【0192】
本発明の実施形態では、コストを押さえつつ、高速に読み取りを行うために1-2 相の駆動が無理なときにだけ2-2 相駆動を行っている。即ち、通常の高速読み取りの時は2-2 相駆動で、ステップダウンが発生し半分の速度になったら1-2 相駆動にしている。つまり、読取速度を半分にするのと完全に同期して駆動パルスパターンも瞬間的に変化させている。
【0193】
この変化は2相→2相→2相→1相→2相→1相→2相・・・・・と2-2 相から1相に変化させる時に連動してステップダウンを行うことで実現している。即ち、本発明の実施形態では、単純にバッファメモリが少なくなったらすぐにステップダウンしているのでは無く、ステップモータ99への2-2 相の駆動パルスパターンも考慮してステップダウンのタイミングを決定している。
【0194】
また本実施形態では、バッファメモリが無くなってストップした後のスタートは1/2 の読取速度で立ち上げている。これは、いきなり高速の読取速度にするとモータにハイパワー、つまりハイトルクで且つ慣性モーメントの小さなハイレスポンスのものを使わなければならず、非経済的になってしまうからである。更にハイトルクで且つハイレスポンスのモータは、細くそして極めて長いモータになってしまい、コンパクトなマシンには配置すること自体が不可能になってしまうと言う欠点がある。
【0195】
それ故に、停止状態からの立ち上げは通常より遅い速度で立ち上げるのである。尚、前の原稿が読み終わったら、次の原稿の先端が読取位置に来る間に徐々に加速して元の速度に戻し、次の原稿からは元の速度で読み取りを開始する。即ち、原稿間の間に通常の読取速度に戻すようにしている。これは原稿を読み取っていないときは、徐々に加速できるので小さなパワーのモータでも問題ないからである。
【0196】
(スキャナ白色基準)
図45は本発明の実施形態のフラットベッドスキャナ2の基本ユニットの構造を示す展開図である。
【0197】
図45において、223 は本体上カバー、224 はプラテンガラス40をスキャナユニットに固定しているガラス押さえ、226 はコインを用いて回すことが可能なミラー台固定フックである。これは、フラットベッドスキャナ2を運搬するときに第1ミラー44や第2ミラー45が外部衝撃などで移動して破損してしまわないように設けてある。225 はフラットベッドスキャナ2の底部を形成する底部電送ユニットである。
【0198】
また、図45のプラテンガラス40の原稿突き当て指標の副走査に平行な側においては、突き当て指標切り欠き部250 が形成されている。また突き当て指標の裏面には副走査方向で原稿読み取り感度のばらつきを補正するための白色基準面が設けてある。
【0199】
フラットベッドスキャナ2で原稿の画像を読み取るときは、副走査方向の変動(ばらつき)をおさえるために、常にこの白色板の濃度が一定になるように電気的に補正されている。しかし、突き当て指標切り欠き部250 の部分においては、基準白色面を設けることが出来ないので、本発明の実施形態においては、この切り欠き部250 の範囲においては、その切り欠き部250 の直前の補正値を維持するという制御を行っている。
【0200】
なぜこのような複雑なことを行わなければならないか、以下に理由を説明する。突き当て指標の切り欠き部250 には、図38に示した白色ガイド部材38の位置決め突起部材119 が対向している。ここで、位置決め突起部材119 を原稿の通過範囲に設けると最大幅の原稿が突起により通紙不可能になる。
【0201】
故に位置決め突起119 は最大幅の原稿よりも、つまり読み取り範囲よりも幅方向(通紙方向と直角方向)外側に配置しなければならない。・・・▲1▼
一方、原稿送り装置1を使用せず、フラットベッドスキャナ2により直接原稿を読み取る場合を考えると、原稿はプラテンガラス40の突き当て指標に突き当てる事で位置決めされるので、突き当て指標は原稿読み取り範囲の一端に無ければならない。・・・▲2▼
上記▲1▼と▲2▼より原稿送り装置1とフラットベッドスキャナ2による読み取り範囲を一致させるならば、突き当て指標を一部切り欠いて、突き当て指標切り欠き部250 を設け、そこに位置決め突起部材119 を対向させなければならないことになる。
【0202】
これを防止するために、従来は突き当て指標の上に位置決め突起部材119 をつき当てたり、原稿送り装置1の読み取り範囲とフラットベッドスキャナ2の読み取り範囲を大きく数mmもずらしていた。
【0203】
しかし大きくずらしても、フラットベッドスキャナ2で原稿を読み取るときは原稿の上に位置決め突起部材119 が乗ることになるので原稿を傷めたり、プラテンガラス40上の突き当て指標の上に位置決め突起部材119 を乗せた場合は、突き当て指標の厚み分だけ通紙パスがプラテンガラス40の上面から浮き上がって画像に悪影響を与えたりする欠点があった。
【0204】
本発明の実施形態では、これらの欠点を突き当て指標切り欠き部250 を設け、且つその部分では副走査方向の白補正をスキップすることで解決している。
【0205】
{電装基板}
図46はフラットベッドスキャナ2の底部電送ユニットの構成部品を示す展開図である。
【0206】
図46に示すように、電源ユニット228 や、制御回路基板229 、電源のON/OFFを表示するLED230 、LED支持部材231 、LED反射部材232 等が底板233 に取り付けられている。
【0207】
更に図46において、234 はLED230 の配線を固定する配線押さえ部材、235 はフラットベッドスキャナ2を支える本体脚部材、236 は図1の第1ミラー44のホームポジションを検知するためのフォトインタラプタ、237 はフォトインタラプタと制御回路基板229 を結ぶ配線、238 と239 は制御回路基板229 に設けたコネクタにごみや異物が入らないようにするためのコネクタ防塵カバー、240 は制御回路基板229 から電波ノイズが外部に出ないようにするための電波ノイズ放射防止板、である。
【0208】
(ミラー駆動用モータの取り付け)
図47は底板233 上に取り付けられた、フラットベッドスキャナ2の第1ミラー44と第2ミラー45を駆動するためのモータである本体ステップモータ244 の取付構造を示す展開図である。
【0209】
図47において、241 は本体ステップモータ242 を底板233 に固定するための本体モータ支持板、243 は本体ステップモータ242 の出力軸に固定される本体モータギア、244 はネジ214 により本体ステップモータ支持板241 が底板233 に固定されるときに振動防止ゴム部材245 を押さえつけるワッシャである。
【0210】
振動防止ゴム部材245 は底板233 と本体モータ支持板241 との間に設けられ、本体モータ支持板241 との間に設けられ、本体モータ支持板241 の振動が直接本体底板233 に伝達されないようにしている。
【0211】
これにより本体ステップモータ242 の作動音が本体底板233 に共鳴して大きな騒音にならないようにしている。
【0212】
〔他の実施形態〕
前述した第1実施形態では、リタードローラを揺動可能に構成することによって、フィードローラに原稿を押圧するようにした例を示したが、リタードローラを揺動させずにフィードローラを揺動可能に構成することによって原稿をフィードローラに押圧させるように構成してもよい。この場合は、図48に示すように、フィードローラ9に駆動力を伝達するギア600 をフレーム601 に対して片持ち支持し、このギア600 と連結部材602 の一方端とを第1ユニバーサルジョイント機構(図48にあっては、ギア600 に設けた溝600aと連結部材602 に設けたピン602aとの係合)によって直接連結し、連結部材602 の他方端とフィードローラ軸603 とを第2ユニバーサルジョイント機構(図48にあっては、連結部材602 に設けた孔602bとローラ軸603 に設けたピン603aとの係合)によって連結する。尚、フィードローラ軸603 の他方端は軸受604 によって支持している。
【0213】
このように構成すると、装置を小型化しても連結部材602 の長さを充分にとることが出来、フィードローラ9を揺動させても連結部材602 の傾き角度が小さいために、ユニバーサルジョイントによるラジアル方向への力の発生が小さく抑えられる。よって、フィードローラ9への回転駆動力を効率よく伝達出来、フィードローラ9とリタードローラ10との圧接力が安定し、フィードローラ9及びリタードローラ10の偏磨耗を防止することが出来る。
【0214】
また前述した第1実施形態ではフィードローラにシートを押圧する分離部材としてリタードローラを例示したが、これは必ずしもシートを給送方向と逆方向に送るように回転するものでなくてもよく、例えば分離パッド等の押圧部材で構成しても同様の効果を得ることが出来る。
【0215】
また前述した第1実施形態ではシートに搬送力を付与する部材として、ローラ形状のフィードローラ等を例示したが、本発明におけるローラとはシートに搬送力を付与し得る回転体であって、例えばプーリ間に掛け渡した無端ベルト等を回転させてシートに搬送力を付与するものを含む概念である。
【0216】
更に、前述した第1実施形態で説明したシート送り装置は原稿をスキャナの読み取り位置に搬送し、画像読み取り後に原稿を排出トレイに排出するものを例示したが、本発明に係るシート送り装置はスキャナに原稿を送る場合以外にも、複写機の自動原稿送り装置やプリンタにおける記録シートを送る装置、或いはファクシミリ装置における原稿又は記録シートを送る装置等には適用し得るものである。従って、シート送り装置によって送るシートは、前述した原稿以外にも記録シートであってもよく、シートも紙に限定するものでなくプラスチックシート等紙以外の材質であってもよい。
【0217】
【発明の効果】
本発明は前述したように、駆動力を伝達するギアとリタードローラ軸又はフィードローラ軸とをユニバーサルジョイントで連結した連結部材によって連結したために、装置を小型化しても連結部材の長さを長くとることが出来、リタードローラを揺動させたとしても連結部材の傾きは大きくならない。このために、ユニバーサルジョイントによるリタードローラ又はフィードローラへの回転力の伝達がスムーズに行われる。このため、ローラによる押圧力が安定し、偏磨耗を防止することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る原稿送り装置を備えた画像読取装置の断面説明図である。
【図2】原稿送り装置とフラットベッドスキャナの取付構造を示す斜視図である。
【図3】原稿送り装置とフラットベッドスキャナの開閉構造を示す斜視図である。
【図4】ストッパを下から見た図である。
【図5】原稿給紙トレイの先端側を裏から見た図である。
【図6】原稿送り装置の外装を形成する部品の配置図である。
【図7】サイド規制ガイドの斜視説明図である。
【図8】サイド規制ガイドの側面説明図である。
【図9】原稿のカールの状態を示す断面図である。
【図10】上下揺動トレイの駆動用回転カムの駆動構造図である。
【図11】原稿送り装置の各ローラを駆動するステップモータと、上下揺動トレイの駆動DCモータとよりなるモータユニットの配置図である。
【図12】上下揺動トレイの機構を説明する図である。
【図13】イコライズプレートによる原稿押圧状態の説明図である。
【図14】イコライズプレートの他の実施形態を示す斜視説明図である。
【図15】下ガイド近傍の断面詳細図である。
【図16】リタードローラ支持部材を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図17】取り外し自在のリタードローラ近傍の斜視図である。
【図18】搬送パスに沿って展開した図である。
【図19】原稿送り装置の各ローラを搬送パスで展開した展開図である。
【図20】原稿送り装置の上部開閉ガイドに取り付ける部品の配置図である。
【図21】原稿送り装置の上部開閉ガイドを含む開閉ガイドユニットの構成を説明する斜視図である。
【図22】ピックアップローラ及びフィードローラの着脱説明図である。
【図23】ピックアップローラ及びフィードローラの着脱説明図であって、フィードローラへの駆動力伝達をギアによって行う実施形態の説明図である。
【図24】駆動伝達ギアの斜視説明図である。
【図25】ギアの係止部の説明図である。
【図26】ギアをギア軸に係止した状態を示す断面説明図である。
【図27】リタードローラ近傍を真上から見た図である。
【図28】図27を矢印101 の方向から見た図である。
【図29】リタードローラに回転駆動力を伝達するユニバーサルジョイント部の組立方法を示す断面図である。
【図30】原稿送り装置の紙ガイドと下ガイドの近傍の部品を示した配置図である。
【図31】原稿送り装置のフレームを形成する主要部品の配置図である。
【図32】原稿送り装置の白色ガイド部材の近傍部材の配置図であり、特にリタードローラを支持する部材の構造を示している斜視図である。
【図33】ストッパの動きを説明する図である。
【図34】ストッパの中央部を切断した断面図である。
【図35】ストッパの中央部を切断した断面図である。
【図36】原稿送り装置のジャム時リトライシーケンスの説明図である。
【図37】図36のリトライシーケンスの詳細説明図である。
【図38】白色ガイド部材と透明シートの位置決めを行う位置決め突起部材の形状と働きを示す詳細図である。
【図39】透明シート近傍の拡大図である。
【図40】フラッパの鍵状突起と透明シートの長穴との係合状態を表す説明図である。
【図41】フラッパの突起と透明シートの決め穴との係合状態を表す説明図である。
【図42】鍵状突起の形状を表す断面図である。
【図43】フラットベッドスキャナのシステム構成を表す図である。
【図44】読みとり中のスタート・ストップとステップダウンを表した図である。
【図45】フラットベッドスキャナ部の基本ユニットの構造を示す配置図である。
【図46】図45の底部ユニットの詳細配置図である。
【図47】図46の底板に取りつく本体ステップモータの取付配置図である。
【図48】本発明の他の実施形態の構成説明図である。
【図49】従来技術に係るリタードローラへの駆動伝達構成の説明図である。
【符号の説明】
1…原稿送り装置
2…フラットベッドスキャナ
3…原稿給紙トレイ
4…サイド規制ガイド
5…穴
6…上部開閉ガイド
7…上部開閉ガイドの揺動中心軸
8…ピックアップローラ
9…フィードローラ
10…リタードローラ
11…板バネ
12…センサレバー
13…上下揺動トレイ
14…揺動トレイの回転支軸
15…軸
16…支持レバー
17…軸
18…押圧レバー
19…バネ
20…フォトインタラプタ
21…引き抜きローラ
22…アイドラコロ
23…原稿送りローラ
24…アイドラコロ
25…バネ
26…突起部
27…フレームの支点
28…透明シート
29…画像読取部
30…排紙ローラ
31…アイドラコロ
32…除電針
33…バネ
34…脚
35…軸
36…電気基板
37…板バネ
38…白色ガイド部材
39…排紙トレイ
40…プラテンガラス
41…紙端検知センサ
42…ベルト
43…ベルト
44…第1ミラー
45…第2ミラー
46…結像レンズ
47…ラインCCD
51…イコライズプレート
54…当接部分
55…当接部分
59…ベルトプーリ
60…ギア支持板
61…電磁クラッチ
62…ギア
63…ギア
64…ギア
65…ギア
66…ギア
67…トルクリミッタ
68…パイプ部材
70…リタードローラ芯
71…リタードローラ軸
72…ピン
73…ピン
74…ピン
75…軸
76…固定軸
78…ギア
79…滑り軸受
81…下ガイド
82…引き抜きローラ軸
83…切り欠き部
84…突き当て壁
86…ピックアップローラ軸
87…フィードローラ軸
88…ローラユニット軸受
89…ワンウィクラッチ
89′…ワンウィクラッチ
90…ギア
91…耐スクラッチコーティング
96…ギア
97…ギア
98…ギア
99…ステップモータ
100 …モータギア
103 …ローラユニット
104 …スナップフィットレバー
106 …ジョイント用穴
107 …ジョイント用長穴
108 …面取り
109 …係合溝
111 …軸
112 …リタードローラカバー
113 …壁
114 …フレーム
117 …平面
118 …円弧面
119 …位置決め突起部材
119a…突起部
119b…補助突起部
120 …ストッパ
121 …ストッパタブ
122 …ストッパレバー
123 …溝
124 …突起部
125 …溝
126 …レバーボタン
127 …支点
128 …突き当て部
129 …バネ
130 …突起部
131 …指かけ突起部
132 …スリット
133 …バネ
134 …支軸
135 …凸部
136 …凹部
137 …カバー
139 …ウォームギア
140 …第1カムセンサ
141 …第2カムセンサ
142 …回転カム
143 …レバー
144 …付勢バネ
145 …軸
146 …第1カム
147 …第2カム
149 …カム頂点
150 …つなぎカム面
154 …サイド規制ガイドの屋根
159 …突き当てリブ
202 …DCモータ
203 …支持ピン
205 …クリップ
206 …ラックギア
207 …ピニオンギア
208 …ラックギアカバー
210 …外装カバー
211 …右フレーム
212 …左フレーム
213 …フラッパ
214 …ネジ
215 …ステイ
221 …開閉クリック
223 …本体上カバー
224 …ガラス押さえ
225 …底部電装ユニット
226 …ミラー台固定フック
228 …電源ユニット
229 …制御回路基板
230 …LED
231 …LED支持部材
232 …LED用反射部材
233 …底板
234 …配線押さえ部材
235 …本体脚部材
236 …フォトインタラプタ
237 …配線
238 …コネクタ防塵カバー
239 …コネクタ防塵カバー
240 …電波ノイズ放射防止板
241 …本体モータ支持板
242 …本体ステップモータ
243 …本体モータギア
244 …ワッシャ
245 …振動防止ゴム部材
246 …弾性突起
247 …弾性突起係合凹部
248 …弾性突起部材
249 …回り止めリブ
250 …突き当て指標切り欠き部
252 …軸
253 …原稿
300 …係合穴
301 …突起
302 …揺動軸
303 …係止爪
304 …ギア
305 …D型形状
306 …爪部
307 …係合アーム
308 …溝
309 …Eリング
401 …レール
402 …腕部
600 …ギア
600a…溝
601 …フレーム
602 …連結部材
602a…ピン
602b…孔
603 …ローラ軸
603a…ピン
604 …軸受

Claims (3)

  1. 積載されたシートを一枚ずつ分離して搬送するシート送り装置において、
    シートを給送するためのフィードローラと、
    前記フィードローラにシートを押圧すると共に、前記シートを給送方向と逆方向に送るように回転するリタードローラと、
    前記リタードローラに一定トルクを伝達するためのトルクリミッタと、
    ギア支持板に固定された片持ちの固定軸に回転可能に支持され、前記リタードローラのローラ軸に駆動力を伝達するためのギアと、
    中間軸とこれに取り付けたパイプ部材とから構成され、前記リタードローラ軸と前記ギアとをユニバーサルジョイントによって連結するための連結部材と、
    を有し、
    前記連結部材には、入力側が前記中間軸に固定され出力側が前記パイプ部材と係合する前記トルクリミッタが設けられ、前記トルクリミッタが設けられた連結部材は、前記リタードローラ軸と前記ギアの間において、前記ギアと前記中間軸とをピンで連結して第1のユニバーサルジョイント機構を構成し、前記パイプ部材と前記リタードローラ軸とをピンで連結して第2のユニバーサルジョイント機構を構成していることを特徴とするシート送り装置。
  2. シートに記載された画像を読み取る画像読取装置において、
    請求項1記載のシート送り装置と、
    画像を読み取るための読取手段と、
    を有することを特徴とする画像読取装置。
  3. 前記シート送り装置は前記読取手段の読み取り位置にシートを搬送するものである請求項2記載の画像読取装置。
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