JP3877435B2 - 軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受装置に関し、詳細には、ラジアル動圧空気軸受とアキシャル磁気軸受を利用した軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル複写機やレーザープリンタ等のレーザー書込系を用いた電子写真方式の記録装置は、その印字品質が良好なこと、印字速度が速いこと及び騒音が低いこと等の特徴と低価格化が進んできたことから、近時、急速に普及してきている。
【0003】
この電子写真方式の記録装置のレーザー書込系に用いられているポリゴンスキャナには、記録装置のプリント速度及び画素密度に応じた回転速度でポリゴンミラーを回転させることが要求され、特に、近年、プリント速度の高速化及び画素密度の高密度化にともない、ポリゴンスキャナには、20000rpm以上の超高速回転が要求される。
【0004】
このような超高速回転の要求されるポリゴンスキャナには、従来のボールベアリングタイプの軸受装置では、軸受寿命や軸受騒音などの面から要求される画像品質を満足させることができない。
【0005】
そこで、従来から、超高速回転の要求されるポリゴンスキャナには、動圧空気を利用した動圧空気軸受が用いられている。
【0006】
このような動圧空気軸受を使用した装置としては、例えば、特開平8−5951号公報に記載されている光偏向装置が提案されている。この光偏向装置は、動圧軸受を構成する回転スリーブと円柱状固定軸をセラミック材料で形成し、回転スリーブの上端内部に反発型磁気軸受を構成する永久磁石を配設するとともに、固定軸先端に軸方向に所定の磁気ギャップを空けて反発用の第二の永久磁石を配設している。
【0007】
また、従来、特開平7−279966号公報に記載されている動圧流体軸受装置が提案されている。この動圧流体軸受装置は、回転スリーブの外周と固定軸内周で動圧軸受を構成し、軸受の一方をポリアミドイミドをコーティングし、他方をアルマイトあるいはニッケルメッキ処理している。また、動圧軸受外の回転スリーブ上端に磁気軸受を構成する永久磁石を配設している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の軸受装置にあっては、ポリゴンスキャナ等の高速回転の軸受としては、なお、改良の余地があった。
【0009】
すなわち、特開平8−5951号公報記載の光偏向装置は、回転体の上部に磁気軸受用の永久磁石が配設された構成となっていたため、装置全体が長大化・大型化するという問題があった。また、回転体上部に配設されている永久磁石から摩耗により発生する磁粉が軸受隙間内に脱落・侵入し、軸受が正常に回転しなくなるという問題があった。
【0010】
また、特開平7−279966号公報記載の動圧流体軸受装置にあっては、動圧軸受外の回転スリーブ上端に磁気軸受を構成する永久磁石が配設された構成となっていたため、装置全体が長大化・大型化するという問題があった。また、回転スリーブの形状が複雑な形状となり、回転スリーブの材料がアルミ合金等の加工性の良好な金属に限定され、設計の自由度が制限されるという問題があった。さらに、金属表面のまま動圧軸受に使用した際に発生する軸受ロックを防止するために、軸受にポリアミドイミドをコーティングしたり、アルマイトあるいはニッケルメッキ処理を施しているが、工程の複雑な表面処理を必要とし、加工性が悪く、軸受装置の生産性が悪く、軸受装置が高価なものになるという問題があった。
【0011】
そこで、請求項1記載の発明は、所定のハウジングに固定される固定軸と、固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、座面が形成されている鍔部を有し、中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられるキャップ形状の保持部材と、座面に載置されて回転体に固定されるポリゴンミラーと、回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を中空回転軸の内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、磁気力を利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、固定軸と中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、アキシャル軸受を、中央部に有底部を有するハウジングに軸方向に位置決め固定された固定軸の内部に収納することにより、固定軸と中空回転軸を耐摩耗性の良好なセラミックを使用して安価にかつ高精度に加工するとともに、アキシャル軸受を固定軸内に収納し、信頼性を向上させることのできる小型で安価な軸受装置を提供することを目的としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、アキシャル軸受を、固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えたものとすることにより、固定軸の内部にアキシャル軸受を適切に収納し、より一層小型で安価な軸受装置を提供することを目的としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、所定のハウジングに固定される固定軸と、固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、中空回転軸のハウジングと反対側の先端側に中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられる保持部材と、回転体に固定されるポリゴンミラーと、を備え、ハウジングを、その略中央部に固定軸の固定される所定形状の有底部を有したものとし、アキシャル軸受を、円筒形状の固定軸の内部に収納するとともに、有底部に直立した状態で固定軸の内部に収納された所定のスペーサにより軸方向に位置決めし、空気溜まりを、保持部材に形成された所定の大きさの微細穴により外部に連通することにより、アキシャル軸受の位置決めを簡単かつ適切に行うとともに、アキシャル軸受に適度なダンピング特性を付与し、より一層信頼性を向上させることのできる小型で安価な軸受装置を提供することを目的としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、アキシャル軸受を、固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えたものとするとともに、当該吸引型磁気軸受固定部を、スペーサの上端に位置する状態で固定軸の内部に挿入し、当該吸引型磁気軸受固定部の上端を固定軸の内部に圧入された所定の固定用ブッシュで抑えて、固定軸の内部に保持固定することにより、アキシャル軸受の軸方向の位置決めを、特別な治具を用いたり、特別な工程処理を行うことなく、確実かつ容易に行い、より一層信頼性を向上させることのできる小型でより一層安価な軸受装置を提供することを目的としている。
【0015】
請求項5記載の発明は、軸受装置を用いることにより、ポリゴンスキャナへの超高速回転の要求に対応することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の軸受装置は、所定のハウジングに固定される固定軸と、前記固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、座面が形成されている鍔部を有し、前記中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられるキャップ形状の保持部材と、前記座面に載置されて回転体に固定されるポリゴンミラーと、前記回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、磁気力を利用したアキシャル軸受と、により前記回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、前記固定軸と前記中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、前記アキシャル軸受は、中央部に有底部を有する前記ハウジングに軸方向に位置決め固定された前記固定軸の内部に収納されていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、所定のハウジングに固定される固定軸と、固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、座面が形成されている鍔部を有し、中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられるキャップ形状の保持部材と、座面に載置されて回転体に固定されるポリゴンミラーと、回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を中空回転軸の内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、磁気力を利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、固定軸と中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、アキシャル軸受を、中央部に有底部を有するハウジングに軸方向に位置決め固定された固定軸の内部に収納しているので、固定軸と中空回転軸を耐摩耗性の良好なセラミックを使用して安価にかつ高精度に加工することができるとともに、アキシャル軸受を固定軸内に収納することができ、信頼性を向上させることができるとともに、軸受装置を小型で安価なものとすることができる。
【0018】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記アキシャル軸受は、前記固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、前記保持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えていてもよい。
【0019】
上記構成によれば、アキシャル軸受を、固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えたものとしているので、固定軸の内部にアキシャル軸受を適切に収納することができ、軸受装置をより一層小型で安価なものとすることができる。
【0020】
求項3記載の軸受装置は、所定のハウジングに固定される固定軸と、前記固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、前記中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられる保持部材と、前記回転体に固定されるポリゴンミラーと、前記回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、磁気力を利用したアキシャル軸受と、により前記回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、固定軸と前記中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、かつ、前記ハウジングは、その略中央部に前記固定軸の固定される所定形状の有底部を有し、前記アキシャル軸受は、前記円筒形状の固定軸の内部に収納されるとともに、前記有底部に直立した状態で当該固定軸の内部に収納された所定のスペーサにより軸方向に位置決めされ、前記空気溜まりは、前記保持部材に形成された所定の大きさの微細穴により外部に連通されていることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、ハウジングを、その略中央部に固定軸の固定される所定形状の有底部を有したものとし、アキシャル軸受を、円筒形状の固定軸の内部に収納するとともに、有底部に直立した状態で固定軸の内部に収納された所定のスペーサにより軸方向に位置決めし、空気溜まりを、保持部材に形成された所定の大きさの微細穴により外部に連通しているので、アキシャル軸受の位置決めを簡単かつ適切に行うことができるとともに、アキシャル軸受に適度なダンピング特性を付与することができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、軸受装置を小型で安価なものとすることができる。
【0022】
求項4記載の軸受装置は、請求項3記載の軸受装置において、前記アキシャル軸受は、前記固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、 前記保持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、当該吸引型磁気軸受固定部が、前記スペーサの上端に位置する状態で前記固定軸の内部に挿入され、当該吸引型磁気軸受固定部の上端が前記固定軸の内部に圧入された所定の固定用ブッシュで抑えられて、前記固定軸の内部に保持固定されていることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、アキシャル軸受を、固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えたものとするとともに、当該吸引型磁気軸受固定部を、スペーサの上端に位置する状態で固定軸の内部に挿入し、当該吸引型磁気軸受固定部の上端を固定軸の内部に圧入された所定の固定用ブッシュで抑えて、固定軸の内部に保持固定しているので、アキシャル軸受の軸方向の位置決めを、特別な治具を用いたり、特別な工程処理を行うことなく、確実かつ容易に行うことができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、軸受装置を小型でより一層安価なものとすることができる。
【0024】
求項5記載のブラシレスモータは、請求項1乃至4の何れか1つに記載の軸受装置を用いたことを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、20000rpm以上の超高速回転が可能なブラシレスモータを実現することができるそして、高速回転時の温度上昇による高温状態でも振動が少なく、かつ、ポリゴンミラーの反射面精度を高精度に維持することができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、画像品質をより一層向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0027】
図1及び図2は、本発明の軸受装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の軸受装置の一実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1の正面断面図である。
【0028】
図1において、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、ハウジング2とハウジング2上にネジ固定された上カバー3により、その外観が形成され、ハウジング2は、その底部中央部に、周壁を有し所定量円柱状に窪んで平面上の底部を有する有底部2aが形成されている。ハウジング2の有底部2aには、円筒形状の固定軸4が圧入固着あるいは焼きばめ等の方法で固定されている。この固定軸4をハウジング2へ固定する際、ハウジング2に有底部2aが形成されているため、当該有底部2aに固定軸4を圧入固着あるいは焼きばめ等で固定するのみで、軸方向位置を設定することができ、固定軸4の軸方向位置の基準を有底部2a以外の箇所に設定して、特別な治具を使用したり、位置調整を行うことなく、簡単かつ容易に固定軸4をハウジング2に固定することができる。
【0029】
固定軸4は、その周壁部の適切な位置にヘリングボーン溝4aが形成されており、固定軸4の上端凹部内には、アキシャル方向(軸方向)に所定長さを有したリング状の吸引型磁気軸受固定部5が埋設されている。
【0030】
吸引型磁気軸受固定部5は、図2に示すように、所定の大きさの中心円がその中心部に形成されアキシャル方向に2極に着磁されてアキシャル方向に磁極が向いたリング状の永久磁石6と、永久磁石6のアキシャル方向両端(軸方向両端)に固定され永久磁石6の中心円(内径)よりも小さい中心円がその中心部に形成された強磁性材料からなる一対の第1固定ヨーク板7及び第2固定ヨーク板8と、で形成されている。吸引型磁気軸受固定部5は、第1固定ヨーク板7と第2固定ヨーク板8とで永久磁石6を挟んだ状態で固定軸4の上端凹部内に埋設され、第1固定ヨーク板7の上部から、図1に示すように、固定用ブッシュ9で固定されることにより、永久磁石6を第1固定ヨーク板7と第2固定ヨーク板8で固定軸4の軸方向に挟んだ状態で、かつ、第1固定ヨーク板7の中心円と第2固定ヨーク板8の中心円が固定軸4の軸中心と一致する(同軸となる)状態で、固定軸4の上端凹部内に埋設されている。上記第1固定ヨーク板7及び第2固定ヨーク板8は、鉄鋼系の板材で形成されており、永久磁石6は、例えば、主に希土類系の永久磁石が用いられている。なお、吸引型磁気軸受固定部5は、固定用ブッシュ9で固定軸4の上端凹部内に固定するものに限るものではなく、例えば、接着剤等で固定軸4の上端凹部内に固定してもよい。
【0031】
固定軸4は、図1に示すように、回転スリーブ(中空回転軸)10の中空内に挿入されており、回転スリーブ10の上端面から外周面には、キャップ形状に形成されるとともに、外方(径方向)に鍔状に突出したフランジ(保持部材)11が焼きバメあるいは圧入固定により固定されている。この固定軸4の外周面と回転スリーブ10の内周面とで形成される軸受隙間は、数μmに保たれている。
【0032】
フランジ11の中央部には、吸引型磁気軸受回転部12が圧入されてフランジ11に固定されており、吸引型磁気軸受回転部12は、図2に示したように、第1固定ヨーク板7の中心円部分及び第2固定ヨーク板8の中心円部分との間に磁気ギャップを構成する外筒面12a、12bが形成されている。この外筒面12a、12bは、吸引型磁気軸受回転部12の回転中心軸と同軸になるように配置されている。
【0033】
フランジ11の鍔状に突出した座面11aには、図1に示すように、アルミ合金製のポリゴンミラー13が載置されており、ポリゴンミラー13は、板ばね14により回転スリーブ10のフランジ11の座面11aに押さえつけられるとともに、ネジ15が吸引型磁気軸受回転部12の上端部に形成されたネジ穴12cに螺合されて板ばね14が吸引型磁気軸受回転部12に固定されることにより、吸引型磁気軸受回転部12に固定されている。なお、フランジ11は、上述のように、回転スリーブ10の上方の中空部を閉止する状態で回転スリーブ10に取り付けられており、固定軸4の上端とフランジ11により閉止された回転スリーブ10の中空部に空気溜まり16が形成されている。
【0034】
そして、上記固定軸4の吸引型磁気軸受固定部5の下方には、円柱形状のスペーサ17が収納されており、スペーサ17は、有底部2aに直立した状態で固定軸4内に収納されている。このスペーサ17は、吸引型磁気軸受固定部5の軸方向位置決めと空気溜まり16の容積を減少させる役割を果たしている。したがって、アキシャル軸受を構成する吸引型磁気軸受固定部5の軸方向の位置決めを、特別な治具を用いたり、特別な工程処理を行うことなく、確実かつ容易に行うことができる。
【0035】
吸引型磁気軸受回転部12は、永久磁石あるいは鉄鋼系の強磁性体等のように、寸法精度の高い材料で形成されている。また、上記固定軸4と回転スリーブ10は、セラミック材料により円筒形に形成されており、回転スリーブ10に固定されているフランジ11は、ポリゴンミラー13と同じアルミ合金材料により形成されている。すなわち、フランジ11は、ポリゴンミラー13の熱膨張率と略同じ熱膨張率を有するアルミ合金材料により形成されている。
【0036】
このように固定軸4と回転スリーブ10をセラミック材料により形成すると、耐摩耗性に優れている反面、切削等を行うことができず加工を行いにくいため、ザグリ穴など凹凸部を形成するには、量産性が低下して、品質低下やコストアップをまねく。
【0037】
そこで、本実施の形態においては、固定軸4と回転スリーブ10をともに内外径、すなわち、肉厚を均一にした単純な円筒形状に形成し、かつ、固定軸4の内部にアキシャル軸受を構成する吸引型磁気軸受固定部5と吸引型磁気軸受回転部12を配置して、セラミック材料の特徴を生かしつつ、量産性を向上させている。
【0038】
また、板ばね14は、例えば、アルミニウム合金等の非磁性材料で形成されている。
【0039】
1に示すように、吸引型磁気軸受回転部12の周面には、板ばね14のスリット(図示略)を介して回転スリーブ10の外部に連通する微細穴11bが形成されており、微細穴11bは、微細穴11bを通過する空気の粘性抵抗により、後述するアキシャル軸受に適切なダンピング特性を持たせている。
【0040】
回転スリーブ10のフランジ11の下面であって回転スリーブ10の外周方向には、図1に示すように、周状にロータマグネット18が取り付けられており、ロータマグネット18は、例えば、軽量かつ機械的耐力(引張強度)の高いアルミ−マンガン系の金属磁石等により形成されている。
【0041】
上記フランジ11、吸引型磁気軸受回転部12、ポリゴンミラー13、板ばね14、ネジ15及びロータマグネット18等の取り付けられた回転スリーブ10は、回転体19を構成している。
【0042】
上記ロータマグネット18に対向する内周側には、ステータコア20が配設されており、ステータコア20には、巻線コイル20aが巻かれている。ステータコア20は、ハウジング2に固定された支持部材21に取り付けられている。ロータマグネット18及び巻線コイル20aの巻かれたステータコア20の下方の位置には、プリント基板22とホール素子23が配設されている。プリント基板22は、ハウジング2に取り付けられており、ホール素子23は、プリント基板22に取り付けられている。プリント基板22には、駆動回路が形成されており、これらロータマグネット18、プリント基板22、巻線コイル20a及びホール素子23等により、ステータコア20の外径方向にロータマグネット18との磁気ギャップを持つラジアルギャップ・アウターロータ型のブラシレスモータ24が構成されている。ブラシレスモータ24は、プリント基板22の駆動回路がホール素子23の位置検出信号に基づいて、順次巻線コイル20aへの通電を制御して、励磁切り換えを行うことにより、回転体19を回転させて、定速制御する。
【0043】
そして、回転体19には、高速回転時にも振動が発生しないように、上下にバランス修正が施されており、上側のバランス修正は、板ばね14の折り曲げ部分14aであり、下側のバランス修正は、フランジ11の外径部11cである。これら板ばね14の折り曲げ部14a及びフランジ11の外径部11cに接着剤を塗布すること等により数mg以下の精度で回転体19のバランス修正を行っている。
【0044】
上記固定軸4の外周面には、上述のように、ヘリングボーン溝4aが形成されているため、ブラシレスモータ24の駆動により回転体19が回転すると、回転スリーブ10と固定軸4の隙間の圧力が高まり、回転スリーブ10、固定軸4及びヘリングボーン溝4aにより回転スリーブ10と固定軸4のヘリングボーン溝4aの形成された面を動圧空気軸受面として動圧空気を利用したラジアル軸受(動圧軸受)として機能して、非接触でラジアル方向(半径方向)に回転体19を支持する。
【0045】
また、上記フランジ11に固定された吸引型磁気軸受回転部12、固定軸4の上端凹部内に埋設・固定された永久磁石6、第1固定ヨーク板7と第2固定ヨーク板8からなる吸引型磁気軸受固定部5は、吸引型磁気軸受回転部12と固定軸4に埋設・固定された吸引型磁気軸受固定部5に吸引力が発生して、回転体19を浮上させるアキシャル軸受(磁気軸受)として機能して、回転体19を軸方向に非接触で支持する。
【0046】
そして、上カバー3には、図示しない半導体レーザからのレーザー光の入出射用の開口窓部3aにガラス窓25が両面テープまたは接着剤等で固定されて、内部が密閉されている。
【0047】
次に、本実施の形態の作用を説明する。動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、ハウジング2の有底部2aに固定された固定軸4が回転スリーブ10に挿入され、固定軸4の上端凹部内に吸引型磁気軸受固定部5が埋設されている。吸引型磁気軸受固定部5は、アキシャル方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石6を上下(アキシャル方向)の1対のリング状の第1固定ヨーク板7と第2固定ヨーク板8で挟んだ状態に形成され、第1固定ヨーク板7と第2固定ヨーク板8の中心円は、永久磁石6の中心円よりも小さく形成されているとともに、回転スリーブ10の軸芯と一致する状態で配設されている。
【0048】
動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1の組立においては、具体的には、まず、均一な肉厚の円筒形状に形成された固定軸4をハウジング2の有底部2aに固定し、固定軸4の上方からスペーサ17を固定軸4内に挿入して有底部2a上に直立した状態で配設した後、吸引型磁気軸受固定部5を構成する第2固定ヨーク板8、永久磁石6及び第1固定ヨーク板7を固定軸4内に挿入して、固定用ブッシュ9を固定軸4内に圧入して固定する。
【0049】
したがって、固定軸4のハウジング2への固定及びスペーサ17のハウジング2への固定は、ハウジング2に形成された有底部2aに固定軸4及びスペーサ17を突き立てて固定するだけで、吸引型磁気軸受固定部5の位置決めを、他の基準を利用することなく、また、特別な治具や調整を行うことなく、高精度にかつ簡単に行うとができ、作業性を向上させることができる。
【0050】
この固定軸4は、回転スリーブ10の中空内に挿入されており、回転スリーブ10には、フランジ11が取り付けられているとともに、このフランジ11にポリゴンミラー13、ロータマグネット18及び吸引型磁気軸受回転部12等が取り付けられて、回転体19を構成している。
【0051】
フランジ11には、固定軸4の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部5の中心円内に侵入する吸引型磁気軸受回転部12が固定されており、吸引型磁気軸受回転部12は、永久磁石または鉄鋼系の強磁性材料等のように、寸法精度の高い材料で、円柱状あるいは円筒状に形成されるとともに、吸引型磁気軸受固定部5の第1固定ヨーク板7及び第2固定ヨーク板8と対向する位置に外筒面12a、12bが形成されて、第1固定ヨーク板7及び第2固定ヨーク板8との間に微細間隔の磁気ギャップを形成している。
【0052】
吸引型磁気軸受回転部12は、上述のように、永久磁石または強磁性体材料で形成されており、吸引型磁気軸受固定部5の永久磁石6、第1固定ヨーク板7、吸引型磁気軸受回転部12及び第2固定ヨーク板8へと向かい、再び永久磁石6へと向かう閉ループ状に磁力線が形成されて、固定軸4の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部5とフランジ11を介して回転スリーブ10に固定された吸引型磁気軸受回転部12との間に吸引力が発生して、フランジ11に固定された吸引型磁気軸受回転部12と固定軸4の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部5は、回転体19を浮上させるアキシャル軸受として機能して、回転体19を軸方向に非接触で支持する。
【0053】
また、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、フランジ11に取り付けられたロータマグネット18に周方向で対向する位置に、巻線コイル20aの巻かれたステータコア20が配設されているとともに、ロータマグネット18の下方の位置にホール素子23とプリント基板22が配設されており、これらプリント基板22、巻線コイル20aの巻かれたステータコア20及びホール素子23等は、ラジアルギャップ・アウターロータ型のブラシレスモータ24を構成して、プリント基板22の駆動回路により巻線コイル20aへの通電を制御して、励磁切り換えを行うことにより、回転体19を回転させる。
【0054】
上記固定軸4の外周面には、ヘリングボーン溝4aが形成されており、ブラシレスモータ24の駆動により回転体19が回転すると、回転スリーブ10と固定軸4の隙間の圧力が高まって、回転スリーブ10、固定軸4及びヘリングボーン溝4aが、動圧空気を利用したラジアル軸受として機能して、非接触でラジアル方向に回転体19を支持する。
【0055】
このように、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、アキシャル軸受が回転体19を非接触で軸方向に支持し、ブラシレスモータ24により回転体19を回転駆動することにより、動圧空気を利用したラジアル軸受が、非接触で回転体19をラジアル方向に支持する。
【0056】
そして、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、固定軸4と回転スリーブ10セラミック材料により簡単な形状である均一な肉厚の円筒形に形成されているため、セラミック材料の特徴を生かしつつ、量産性の良好な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1を作製することができる。
【0057】
また、回転スリーブ10に取り付けられているポリゴンミラー13は、アルミ合金で形成されているため、回転スリーブ10とポリゴンミラー13との熱膨張率の差が問題となる。すなわち、アルミは、その熱膨張率が2.3×10-5/℃であり、セラミック[アルミナ]は、その熱膨張率が0.7×10-5/℃である。
【0058】
このようにセラミック材料で形成された回転スリーブ10に、従来のように、アルミ合金製のポリゴンミラー13を直接接着固定すると、部品間に嵌合隙間が存在し、高速回転時の温度上昇(100℃以上)により微小な位置ずれが発生して、回転体19の回転バランスが崩れて、ポリゴンミラー13の振動が増大するという問題が発生する。この場合、ポリゴンミラー13を回転スリーブ10に焼きバメあるいは圧入固定すると、高精度に加工されたポリゴンミラー13の反射面精度が悪化して、画像の乱れが発生する等の問題が発生する。
【0059】
ところが、本実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、アルミ合金製のポリゴンミラー13を、フランジ11を介してセラミック材料製の回転スリーブ10に取り付けている。すなわち、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、回転スリーブ10の上端面から外周面に、キャップ形状に形成されるとともに、外方(径方向)に鍔状に突出したフランジ11が焼きバメあるいは圧入固定により固定されており、フランジ11の鍔状に突出した座面11aに、ポリゴンミラー13が載置されて、板ばね14により回転スリーブ10のフランジ11の座面11aに押さえつけられて固定されている。
【0060】
したがって、高速回転時の高温状態においても、振動を抑制することができるとともに、画像の乱れを防止して、画像品質を向上させることができる。
【0061】
このように、本実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、ハウジング2に固定軸4が固定され、軸方向に中空部を有する回転スリーブ10にポリゴンミラー13の固定された回転体19の回転スリーブ10の中空部内に固定軸4が挿入され、回転スリーブ10の先端側に中空部を閉止して空気溜まり16を形成する状態でフランジ11が取り付けられ、回転体19がブラシレスモータ24により回転されると発生する空気の動圧を回転スリーブ10の内周面と固定軸4の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、を備え、固定軸4と回転スリーブ10を、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成し、アキシャル軸受を、固定軸4の先端側内部に収納している。
【0062】
したがって、固定軸4と回転スリーブ10を耐摩耗性の良好なセラミックを使用して安価にかつ高精度に加工することができるとともに、アキシャル軸受を固定軸4内に収納することができ、信頼性を向上させることができるとともに、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1を小型で安価なものとすることができる。
【0063】
また、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1は、アキシャル軸受を、固定軸4のフランジ11側の先端側内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部5と、フランジ11に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部5内に当該吸引型磁気軸受固定部5と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部12と、を備えたものとしている。
【0064】
したがって、固定軸4の先端側内部にアキシャル軸受を適切に収納することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1をより一層小型で安価なものとすることができる。
【0065】
さらに、ハウジング2を、その略中央部に固定軸4の固定される有底部2aを有したものとし、アキシャル軸受を、円筒形状の固定軸4の内部に収納するとともに、有底部2aに直立した状態で固定軸4の内部に収納されたスペーサ17により軸方向に位置決めし、空気溜まり16を、フランジ11に形成された所定の大きさの微細穴11bにより外部に連通している。
【0066】
したがって、アキシャル軸受の位置決めを簡単かつ適切に行うことができるとともに、アキシャル軸受に適度なダンピング特性を付与することができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1を小型で安価なものとすることができる。
【0067】
また、アキシャル軸受を、固定軸4のフランジ11側の先端側内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部5と、フランジ11に固定され吸引型磁気軸受固定部5内に当該吸引型磁気軸受固定部5と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部12と、を備えたものとするとともに、吸引型磁気軸受固定部5を、スペーサ17の上端に位置する状態で固定軸4の内部に挿入し、吸引型磁気軸受固定部5の上端を固定軸4の内部に圧入された固定用ブッシュ9で抑えて、固定軸4の内部に保持固定している。
【0068】
したがって、アキシャル軸受の軸方向の位置決めを、特別な治具を用いたり、特別な工程処理を行うことなく、確実かつより一層容易に行うことができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ1を小型でより一層安価なものとすることができる。
【0069】
さらに、フランジ11を、回転スリーブ10の中空部を閉止して空気溜まり16を形成する状態で回転スリーブ10に取り付け、ポリゴンミラー13を、所定の熱膨張率を有するアルミ合金で形成するとともにフランジ11に固定し、フランジ11を、ポリゴンミラー13の熱膨張率と略同じ熱膨張率を有するアルミ合金で形成している。
【0070】
したがって、高速回転時の温度上昇による高温状態でも振動が少なく、かつ、ポリゴンミラー13の反射面精度を高精度に維持することができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、画像品質をより一層向上させることができる。
【0071】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の軸受装置によれば、所定のハウジングに固定される固定軸と、固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、座面が形成されている鍔部を有し、中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられるキャップ形状の保持部材と、座面に載置されて回転体に固定されるポリゴンミラーと、回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を中空回転軸の内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、磁気力を利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、固定軸と中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、アキシャル軸受を、中央部に有底部を有するハウジングに軸方向に位置決め固定された固定軸の内部に収納しているので、固定軸と中空回転軸を耐摩耗性の良好なセラミックを使用して安価にかつ高精度に加工することができるとともに、アキシャル軸受を固定軸内に収納することができ、信頼性を向上させることができるとともに、軸受装置を小型で安価なものとすることができる。
【0073】
請求項2記載の発明の軸受装置によれば、アキシャル軸受を、固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えたものとしているので、固定軸の内部にアキシャル軸受を適切に収納することができ、軸受装置をより一層小型で安価なものとすることができる。
【0074】
請求項3記載の発明の軸受装置によれば、ハウジングを、その略中央部に固定軸の固定される所定形状の有底部を有したものとし、アキシャル軸受を、円筒形状の固定軸の内部に収納するとともに、有底部に直立した状態で固定軸の内部に収納された所定のスペーサにより軸方向に位置決めし、空気溜まりを、保持部材に形成された所定の大きさの微細穴により外部に連通しているので、アキシャル軸受の位置決めを簡単かつ適切に行うことができるとともに、アキシャル軸受に適度なダンピング特性を付与することができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、軸受装置を小型で安価なものとすることができる。
【0075】
請求項4記載の発明の軸受装置によれば、アキシャル軸受を、固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えたものとするとともに、当該吸引型磁気軸受固定部を、スペーサの上端に位置する状態で固定軸の内部に挿入し、当該吸引型磁気軸受固定部の上端を固定軸の内部に圧入された所定の固定用ブッシュで抑えて、固定軸の内部に保持固定しているので、アキシャル軸受の軸方向の位置決めを、特別な治具を用いたり、特別な工程処理を行うことなく、確実かつ容易に行うことができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、軸受装置を小型でより一層安価なものとすることができる。
【0076】
請求項5記載の軸受装置を用いたブラシレスモータによれば、20000rpm以上の超高速回転が可能なブラシレスモータを実現することができるそして、高速回転時の温度上昇による高温状態でも振動が少なく、かつ、ポリゴンミラーの反射面精度を高精度に維持することができ、より一層信頼性を向上させることができるとともに、画像品質をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受装置の一実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面断面図。
【図2】図1の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの吸引型磁気軸受部の正面断面図。
【符号の説明】
1 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
2 ハウジング
2a 有底部
3 上カバー
3a 開口窓部
4 固定軸
5 吸引型磁気軸受固定部
6 永久磁石
7 第1固定ヨーク板
8 第2固定ヨーク板
9 固定用ブッシュ
10 回転スリーブ
11 フランジ
11a 座面
11b 微細穴
11c 外径部
12 吸引型磁気軸受回転部
12a、12b 外筒面
12c ネジ穴
13 ポリゴンミラー
14 板ばね
14a 折り曲げ部分
15 ネジ
16 空気溜まり
17 スペーサ
18 ロータマグネット
19 回転体
20 ステータコア
20a 巻線コイル
21 支持部材
22 プリント基板
23 ホール素子
24 ブラシレスモータ
25 ガラス窓

Claims (5)

  1. 所定のハウジングに固定される固定軸と、
    前記固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、
    座面が形成されている鍔部を有し、前記中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられるキャップ形状の保持部材と、
    前記座面に載置されて回転体に固定されるポリゴンミラーと、
    前記回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、
    磁気力を利用したアキシャル軸受と、により前記回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、
    前記固定軸と前記中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、
    前記アキシャル軸受は、中央部に有底部を有する前記ハウジングに軸方向に位置決め固定された前記固定軸の内部に収納されていることを特徴とする軸受装置。
  2. 前記アキシャル軸受は、前記固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、
    前記保持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の軸受装置。
  3. 所定のハウジングに固定される固定軸と、
    前記固定軸が挿入される中空部を軸方向に有する中空回転軸と、
    前記中空回転軸の前記ハウジングと反対側の先端側に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられる保持部材と、
    前記回転体に固定されるポリゴンミラーと、
    前記回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、
    磁気力を利用したアキシャル軸受と、により前記回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する軸受装置であって、
    固定軸と前記中空回転軸は、セラミック材料により均一な厚さを有する円筒形状に形成されており、かつ、
    前記ハウジングは、その略中央部に前記固定軸の固定される所定形状の有底部を有し、
    前記アキシャル軸受は、前記円筒形状の固定軸の内部に収納されるとともに、前記有底部に直立した状態で当該固定軸の内部に収納された所定のスペーサにより軸方向に位置決めされ、
    前記空気溜まりは、前記保持部材に形成された所定の大きさの微細穴により外部に連通されていることを特徴とする軸受装置。
  4. 請求項3記載の軸受装置において、前記アキシャル軸受は、前記固定軸の内部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、
    前記保持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部内に当該吸引型磁気軸受固定部と半径方向に所定の磁気ギャップを形成する状態で挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、
    当該吸引型磁気軸受固定部が、前記スペーサの上端に位置する状態で前記固定軸の内部に挿入され、当該吸引型磁気軸受固定部の上端が前記固定軸の内部に圧入された所定の固定用ブッシュで抑えられて、前記固定軸の内部に保持固定されていることを特徴とする軸受装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の軸受装置を用いたブラシレスモータ。
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