JP3877037B2 - 往復ポンプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、三連ピストンポンプ装置等の往復ポンプ装置に係り、詳しくは小型化に有利な往復ポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば洗浄機等に装備される三連ピストンポンプ装置では、複数個の往復ポンプが、クランク軸の軸方向へ一列に配列され、そのクランク軸により共通に駆動されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
大型の往復ポンプ装置では、オイルポンプか別途設けられているが、小型の往復ポンプ装置では、オイルポンプを別途装備することはスペースや価格等で大変、制約される。
【0004】
この発明の目的は、構造簡単化及び小型化に有利な新規な往復ポンプ装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の往復ポンプ装置(55,85)によれば、3個以上の往復ポンプ(60a,b,c)が、それらのポンプ室(72)を直列に接続されるとともに、共通又は別々の駆動軸(24)により運転される。この往復ポンプ装置(55,85)では、各往復ポンプ(60a,b,c)は、駆動軸(24)の駆動によりシリンダ部材(76)内を往復動してシリンダ部材(76)内のポンプ室(72)の容積を増減する往復部材(63,86)を有している。直列接続の一端及び他端の往復ポンプ(60a,60c)はそれぞれ往復ポンプ装置(55,85)全体としての吸入口(70)及び吐出口(71)を備えている。接続関係が隣り同士である往復ポンプ(60a,b,c)同士は、各シリンダ部材(76)を接続通路(73)により相互に接続されているとともに、その接続通路(73)とポンプ室(72)との連通を各往復部材(63,86)の往復動に伴い往復部材(63,86)により断接するようにする。接続関係が隣り同士である往復ポンプ(60a,b,c)同士では、吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)が吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)よりθ(ただしθは、360°を往復ポンプの数で除した値の角度)進んだ位相で運転され、吸入口(70)、吐出口(71)及び接続通路(73)はそれぞれ、それが関わっている往復部材(63,86)が上死点±α(αは所定の角度)の回転角範囲(回転角は駆動軸(24)の回転角で定義するものとする。)にあるとき、その往復部材(63,86)により閉鎖され、その他の回転角範囲にあるとき、その閉鎖はなされないように構成される
【0006】
往復ポンプ装置(55,85)は多連往復ポンプ装置を含む。なお、多連往復ポンプ装置とは、複数個の往復ポンプが共通の駆動軸により駆動されるものを言うものとする。駆動軸(24)はクランク軸に限定されない。駆動軸(24)は、例えば偏心した円形カムを備え、コンロッド(25)の大端部がその円形カムに嵌合しているようになっていてもよい。
【0007】
往復部材(63,86)の移動速度は、上死点及び下死点で0となる。以下の説明上、往復部材(63,86)の移動速度について、吸入行程を正、吐出行程を負とする。もし、接続関係が隣り同士である往復ポンプ(60a,b,c)のポンプ室(72)同士が連通状態であるならば、往復部材(63,86)の移動速度の小さい方のポンプ室(72)から往復部材(63,86)の移動速度の大きい方のポンプ室(72)へ流体は流れる。そして、接続関係が隣り同士である往復ポンプ(60a,b,c)のポンプ室(72)同士では、吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度が吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度より大きい回転角範囲A1(以降、回転角はすべて駆動軸(24)の回転角で考える。)は、吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度が吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度より小さい回転角範囲A2に等しく(A1=A2)、すなわちA1=A2=180°となる。しかし、接続通路(73)は、その両端の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の上死点を含む回転角範囲においてその往復部材(63,86)により閉止される結果、この閉止期間CはA2に含まれるので、すなわち流体の流れに関しては吐出口側のポンプ室(72)から吸入口側のポンプ室(72)へ逆流する回転角範囲となっているので、接続通路(73)により両側の往復ポンプ(60a,b,c)のポンプ室(72)の連通中に、吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度は吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度より大きい回転角範囲B1が、A1に等しく、すなわち180°に維持されるのに対し、吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度が吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)の往復部材(63,86)の移動速度より小さい回転角範囲B2は、B2=A2−Cとなり、すなわち、B2<180°となる。こうして、吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)のポンプ室(72)から吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)のポンプ室(72)へを順方向とすると、順方向の流れの回転角範囲B1が逆方向の流れの回転角範囲B2より長くなり(B1>B2)、往復ポンプ装置(55,85)全体として流体は、順方向、すなわち吸入口(70)から吐出口(71)へ流れる。
【0008】
この往復ポンプ装置(55,85)では、逆止弁形式の吸入弁及び吐出弁を一切用いずに、往復ポンプ装置(55,85)を作成することができ、往復ポンプ装置(55,85)の構造の簡単化及び小型化を図ることができる。
【0009】
この発明の往復ポンプ装置(55,85)によれば、各往復ポンプ(60a,b,c)は、ポンプ室(72)が往復部材(63,86)により密封状態になったときの圧力抜き用の圧力逃がし通路(79,91)を装備している。
【0010】
往復ポンプ装置(55,85)が吸排する流体が非圧縮正流体、すなわち液体である場合に、各往復ポンプ(60a,b,c)において、往復部材(63,86)が、(その往復部材(63,86)に係る往復ポンプが直列接続の一端の往復ポンプ(60a)である場合は)吸入口(70)と接続通路(73)とを、(その往復部材(63,86)に係る往復ポンプが直列接続の中間の往復ポンプ(60b)である場合は)両接続通路(73)を、(往復ポンプが直列接続の他端の往復ポンプ(60b)である場合は)接続通路(73)と吐出口(71)とを閉止されて、密封状態になると、往復ポンプ(60a,b,c)の運転に支障が生じる。圧力逃がし通路(79,91)は、そのようなときに、ポンプ室(72)から液体を排出し、往復ポンプ(60a,b,c)の円滑な運転を保証する。なお、往復ポンプ装置(55,85)が吸排する流体が圧縮性流体である場合は、圧力逃がし通路(79,91)は不要である。
【0011】
この発明の往復ポンプ装置(55,85)によれば、圧力逃がし通路(79,91)は、シリンダ部材(76)の周面において往復部材(63,86)の軸方向へ延びる溝(79)として形成され、その溝(79)は、往復部材(63,86)とコンロッド(25)とを回転自在に結合するクロスヘッドピン(62)の軸線方向(77)に対して直角方向(78)からα(ただし0°<α<90°)だけ周方向へ離れた位置となっている。
【0012】
往復部材(63,86)は、コンロッド(25)からクロスヘッドピン(62)の軸線方向(77)に対して直角方向(78)の向きに荷重を受け、シリンダ部材(76)の周面に押し付けられる。もし、溝(79)がクロスヘッドピン(62)の軸線方向(77)に対して直角方向(78)に配置されていると、溝(79)に往復部材(63,86)に押し付けられ、応力集中により異常摩擦や発熱の原因となる。しかし、溝(79)はクロスヘッドピン(62)の軸線方向(77)に対して直角方向(78)からαずらされているので、このような問題を生じることなく、往復部材(63,86)は円滑にシリンダ部材(76)内を移動することができる。
【0013】
この発明の往復ポンプ装置(55,85)によれば、往復ポンプ装置(55,85)を副往復ポンプ装置(55,85)とし、副往復ポンプ装置(55,85)は主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)に配設され、副往復ポンプ装置(55,85)の各往復部材(63,86)は主往復ポンプ装置(10)の各往復部材(28)のクロスヘッド(63,86)を兼ね、吸入口(70)、吐出口(71)、及び接続通路(73)は主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)に形成されている。
【0014】
副往復ポンプ装置(55,85)の各往復ポンプ(60a,b,c)は、主往復ポンプ装置(10)の各往復ポンプ(18)の往復部材(28)のクロスヘッド(63,86)の範囲に設けられ、主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)内に配設されるので、副往復ポンプ装置(55,85)及び主往復ポンプ装置(10)全体を大幅に小型化できる。
【0015】
この発明の往復ポンプ装置(55,85)によれば、副往復ポンプ装置(55,85)は、主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)内のオイルを吸入、吐出するオイルポンプである。
【0016】
副往復ポンプ装置(55,85)は、主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)内に配設され、オイルポンプとして利用されることにより、オイルポンプの小型化及び構成の簡単化を図ることができる。特に、主往復ポンプ装置(10)及び副往復ポンプ装置(55,85)が共に多連ポンプ装置として適用されるときには、副往復ポンプ装置(55,85)全体を主往復ポンプ装置(10)の共通の駆動軸ケース(11)内に配設して、駆動軸ケース(11)内のオイルを吸入、吐出するオイルポンプとして利用することにより、スペース効率が高まる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は主三連ピストンポンプ装置10の概略図である。クランクケース11、吸入マニホールド12、シリンダパイプ13、及び吐出マニホールド14は、クランク軸24の水平の軸方向に対して直角の水平方向へ順番に配設され、相互に接合されている。主三連ピストンポンプ装置10は、計3個のピストンポンプ18から構成され、シリンダパイプ13は、各ピストンポンプ18ごとに設けられ、クランク軸24の軸方向へ一列に並んでいる。吸入口19は、吸入マニホールド12の下部に1個設けられ、吸入マニホールド12内の吸入室20へ連通している。吐出口21は、吐出マニホールド14の上部に1個設けられ、吐出マニホールド14内の吐出室22へ連通している。クランク軸24はクランクケース11内を水平方向へ貫通し、各ピストンポンプ18は、共通のクランク軸24へその軸方向異なる位置のクランクピンへ基端側において回転自在に結合するコンロッド25と、クランクケース11、吸入マニホールド12、及びシリンダパイプ13内を中心線に沿って延びるピストン棒28とを有している。3個のピストンポンプ18は、運転順に120°(以下、ポンプの位相はクランク軸24の回転角で定義する。)ずつの位相差を付けて運転される。シールパッキン29は、吸入マニホールド12の基端側に配設され、内周側においてピストン棒28に摺接し、クランクケース11と吸入マニホールド12との間のシールを行う。弁体33及びストッパ34は、ピストン棒28の先端部に所定の間隔を開けてそれぞれ基端側及び先端側の関係で取り付けられ、ナット35は、ストッパ34より先端側からピストン棒28に螺合し、ストッパ34及び弁体33を基端側の方へ締め付け、それらを固定している。弁座40は、弁体33とストッパ34との間においてピストン棒28に遊嵌され、ピストンパッキン41は、弁座40の外周側において弁座40に嵌着され、外周側においてシリンダパイプ13の内周に摺接し、シリンダパイプ13の内周と弁座40との間のシールを行っている。弁体33と弁座40とは吸入弁を構成する。ポンプ室36はシリンダパイプ13においてストッパ34より先端側に形成され、吐出弁44はポンプ室36と吐出室22との間に配設される。吸入行程では、吐出弁44は閉止され、弁座40はストッパ34に当接し、吸入室20の液体は、弁体33の外側、ピストン棒28と弁座40との間の環状空間、及びストッパ34の通孔(図示せず)を経て、ポンプ室36へ流入する。吐出行程では、吐出弁44は開状態になり、弁座40は弁体33に当接して、吸入室20とポンプ室36との連通は断たれ、ポンプ室36内の液体は吐出弁44を経て吐出室22へ吐出される。フェルト材47は、シールパッキン29よりクランクケース11側においてピストン棒28の周部に接し、オイルケース48内のオイルを毛管現象により浸透させて、ピストン棒28に付着させる。
【0018】
図2は主三連ピストンポンプ装置10のクランクケース11内の構成図である。副三連プランジャポンプ装置55は、クランクケース11内に設けられ、3個の副往復ポンプ60a,b,cを備える。クランク軸24の両端部は、ボールベアリング56により回転自在にクランクケース11の側壁部に支持される。副往復ポンプ60a,b,cは、クランク軸24の軸方向へ順番に配置され、同一の構造を有している。クランクケース11内には、各副往復ポンプ60a,b,cごとに円柱孔76が形成され、各円柱孔76にはクロスヘッド63が摺動自在に収容されている。クロスヘッド63は、基端部においてクロスヘッドピン62を介してコンロッド25の先端部に回転自在に結合するプランジャ64と、プランジャ64の先端側の小径部65とをもち、ねじ孔66は、小径部65の先端面から小径部65の中心線に沿って小径部65内に穿設され、ピストン棒28(図1)の基端部を螺着される。こうして、ピストン棒28は、クロスヘッド63と一体に往復動するとともに、円柱孔76におけるクロスヘッド63の案内により安定化された往復動となる。オイルシール67は、クランクケース11内の段部に嵌挿され、内周側において小径部65に摺接し、円柱孔76をシールする。吸入口70は、クランクケース11の副往復ポンプ60a側の側壁に穿設され、副往復ポンプ60aの円柱孔76をクランクケース11の外部へ連通させている。吐出口71は、クランクケース11の副往復ポンプ60c側の側壁に穿設され、副往復ポンプ60cの円柱孔76をクランクケース11の外部へ連通させている。2個の連通孔73は、クランクケース11に穿設され、一方の連通孔73は副往復ポンプ60aの円柱孔76と副往復ポンプ60bの円柱孔76とを相互に連通させ、他方の連通孔73は副往復ポンプ60bの円柱孔76と副往復ポンプ60cの円柱孔76とを相互に連通させている。円柱孔76内には、ポンプ室72が、オイルシール67とプランジャ64の先端側段部との間に形成される。副往復ポンプ60a,b,cは、対応するピストンポンプ18(図1)と一体に運転されるので、対応のピストンポンプ18と同じ順番で運転されるともに、運転順に隣り関係(この実施の形態では、副往復ポンプ60a,b,cの順に運転され、運転順=配列順となっている。)の前の往復ポンプは後の往復ポンプに対して位相で120°進んでいる。吸入口70、吐出口71、及び連通孔73は、それらが関わっている副往復ポンプ60a,b,cのプランジャ64が上死点を含む±30°の回転角範囲ではプランジャ64により閉鎖され、その他の回転角範囲はポンプ室72へ開口する位置及び寸法となっている。図2では、吸入口70及び吐出口71の接続先を示していないが、例えば、この副三連プランジャポンプ装置55を主三連ピストンポンプ装置10のオイルポンプとして使用し、吸入口70はクランクケース11内の下部へ、また、吐出口71はオイルクーラ(図示せず)へ接続し、クランクケース11内とオイルクーラとを含む油路においてオイルを循環させ、オイルの過熱を防止するようにしてもよい。
【0019】
図示のクランク軸24は水平に配設されているが、クランク軸24を鉛直に配設した場合、吐出口71からのオイルを上側のボールベアリング56に供給するように接続し、クランクケース11内にオイルを上端まで充填することなく、上側のボールベアリング56の潤滑を行えるようにすることができる。
【0020】
図3は図2の副往復ポンプ60aにおいて吸入口70より基端側の軸方向位置で円柱孔76を切断した横断面図である。中心線77は、クランク軸24の軸方向に対して平行な方向に一致する。なお、クランク軸24の軸方向に対して平行な方向とは、吸入口70、吐出口71、及び連通孔73の中心線方向でもある。中心線78は、円柱孔76及び中心線77の両方に対して直角方向(この直角方向は図1では上下方向に一致する。)となっている。1対の液圧逃がし用溝79は、円柱孔76の中心に対して対称位置にあるとともに、中心線78に対して円柱孔76の周方向へ30°ずれた位置で、円柱孔76の軸方向へポンプ室72から円柱孔76の基端へ延び、ポンプ室72をコンロッド25の運動空間へ連通させている。
【0021】
副往復ポンプ60a,b,cは、クランク軸24の回転に伴い、その順番に、120°ずつ位相を遅らせて、運転される。クロスヘッド63は、クランク軸24の回転に伴い、往復動して、ポンプ室72の容積を増減する。副往復ポンプ60aのプランジャ64の移動速度Vpは次式で表される。
Vp=Vc・{sinθ+(R・sin2θ)/(2・L)}・・・(1)
ただし、θ:クランク軸24の角度、L:コンロッド25の長さ、R:クランクアームの長さ、Vc:クロスヘッド63の最大移動速度。
また、(1)では、L/R=6.7として、すなわちL>>Rとして、近似している。
【0022】
図4は副往復ポンプ60a,b,cのVp/Vcとクランク軸24の回転角との関係と共に副往復ポンプ間の圧力状態をを示している。なお、図4では、Vp/Vcは、L>>Rとして、(1)式を近似した次の(2)式により表されている。
Vp=Vc・sinθ・・・(2)
図4において、#1,#2,#3はそれぞれ副往復ポンプ60a,b,cを意味し、○は副往復ポンプ間における順方向(吸入口70から吐出口71へ向かう流れを順方向、吐出口71から吸入口70へ向かう流れを逆方向と定義する。)の流れを引き起こす圧力状態意味し、×は副往復ポンプ間における逆方向の流れ、−はその往復ポンプに係る吸入口70、吐出口71、及び連通孔73がプランジャ64により閉鎖されているためポンプ室72が密封状態になりそのポンプ室72からの液体の出入りがない状態を示す。例えば、吸入口70について、副往復ポンプ60aのプランジャ64が吸入口70を閉鎖しているときは(0°≦θ≦30°,330°≦θ≦360°)、吸入口70を介する副三連プランジャポンプ装置55の外部−副往復ポンプ60aのポンプ室72の液体の出入りが停止し、また、副往復ポンプ60aの円柱孔76−副往復ポンプ60bの円柱孔76の連通孔73について、副往復ポンプ60aのプランジャ64がそれに係る連通孔73を閉鎖しているとき(0°≦θ≦30°,330°≦360°)及び副往復ポンプ60bのプランジャ64がそれに係る連通孔73を閉鎖しているとき(90°≦θ≦150°)、該連通孔73を介する副往復ポンプ60aのポンプ室72−副往復ポンプ60bのポンプ室72の液体の出入りが停止する。さらに、各ポンプ室72の吸引力はVp/Vcが大きい程、増大するので、隣り合う往復ポンプでは、Vp/Vcが小さい方のポンプ室72から大きい方のポンプ室72へ液体が移動することになり、これに基づいて○(=順方向)及び×(=逆方向)が決定される。図4から理解されるように、−は、もし、連通孔73がプランジャ64に閉鎖されなければ、×となる区間に設定されている。したがって、−の存在により×の区間が本来の6個から減少し、#1から#2への液体の流れ、及び#2から#3への液体の流れは、いずれも順方向の流れの区間(=○の区間)は6個であるのに対し、×の区間は2個となり、液体は#1→#2→#3と、進んでいく。なお、吸入口70→副往復ポンプ60aのポンプ室72、及び副往復ポンプ60cのポンプ室72→吐出口71の液体の出入りに関しては、○の区間と×の区間とは、それぞれ5個ずつで、差し引き0であり、液体の実質的な流れは生じないようであるが、#1→#2→#3における流れの慣性により、吸入口70では、副三連プランジャポンプ装置55の外から副往復ポンプ60aのポンプ室72へ流入する液体の量の方がその逆より大きく、また、吐出口71では、副往復ポンプ60cのポンプ室72から副三連プランジャポンプ装置55の外へ流出する液体の量の方がその逆より大きくなる。こうして、副三連プランジャポンプ装置55は、吸入口70から液体を吸入して、ポンプ室72から排出する。なお、副往復ポンプ60a,b,cにおいて、各プランジャ64が上死点を基準に±30°の回転角の範囲では、各ポンプ室72は密封状態にあり、液体は、非圧縮性のため、ポンプ室72内に密封されると、プランジャ64の運動に支障が生じる。しかし、各ポンプ室72の密封状態では、液圧逃がし用溝79が各ポンプ室72をコンロッド25の方のクランクケース11内空間へ連通させているので、密封された液体は液圧逃がし用溝79を介して逃がされ、プランジャ64が運動を停止してしまうような事態を防止できる。
【0023】
図5は副三連ピストンポンプ装置85が主三連ピストンポンプ装置10のクランクケース11内に装備された場合の構造図である。図2と同一要素は同符号で指示して、相違点のみ説明する。各副往復ポンプ60a,b,cにおいて、クロスヘッドピン62の軸方向はクランク軸24の軸方向に対して平行であり、ピストン兼クロスヘッド86は、基端部においてクロスヘッドピン62を介してクロスヘッドピン62の軸線の周りに回転自在にコンロッド25の先端部に結合し、円柱孔76を摺接する。連結棒88は、基端部をピストン兼クロスヘッド86の先端部にねじ穴92に螺着し、オイルシール67を摺接しつつ、貫通する。連結棒88は、先端部にねじ孔66を有し、このねじ孔66にピストン棒28(図1)の基端部を螺着される。ポンプ室72は、連結棒88の軸方向へオイルシール67とピストン兼クロスヘッド86の先端面との間に形成され、ピストン兼クロスヘッド86の往復動に伴い、容積を増減される。吸入口70、吐出口71、及び連通孔73の位置は、副三連プランジャポンプ装置55の場合と同一であり、対応のピストン兼クロスヘッド86が上死点に対して±30°の範囲にあるとき、ピストン兼クロスヘッド86の周部により対応のポンプ室72との連通を断たれるようになっている。この副三連ピストンポンプ装置85においても、クランク軸24の運転に伴い、液体は吸入口70から吐出口71の方へ流れる。
【0024】
図6は図5のピストン兼クロスヘッド86の横断面図である。図3の副三連プランジャポンプ装置55では、円柱孔76の内周に液圧逃がし用溝79が形成されているが、副三連ピストンポンプ装置85では、液圧逃がし用溝79は設けられず、代わりに、1対の液圧逃がし用通孔91が、連結棒88のねじ孔92の中心に対して対称位置に、ピストン兼クロスヘッド86を軸方向へ貫通するように、ピストン兼クロスヘッド86に穿設される。こうして、連通孔73等がピストン兼クロスヘッド86により閉鎖されて、ポンプ室72が密封状態になっても、ポンプ室72内の液体は液圧逃がし用通孔91を介して逃がされ、副三連ピストンポンプ装置85は支障なく運転される。
【0025】
なお、クランク軸24を逆回転すれば、図4のVp/Vcの特性が上下逆になり、位相の早い方から#3,#2,#1の順になる。これにより、液体は、正回転時とは逆方向へ流れ、すなわち吐出口71から吸入されて、副往復ポンプ60c,b,aを順に経て吸入口70から吐出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】主三連ピストンポンプ装置の概略図である。
【図2】主三連ピストンポンプ装置のクランクケース内の構成図である。
【図3】図2の副往復ポンプにおいて吸入口より基端側の軸方向位置で円柱孔を切断した横断面図である。
【図4】副往復ポンプのVp/Vcとクランク軸の回転角との関係と共に副往復ポンプ間の圧力状態をを示す図である。
【図5】副三連ピストンポンプ装置が主三連ピストンポンプ装置のクランクケース内に装備された場合の構造図である。
【図6】図5のピストン兼クロスヘッドの横断面図である。
【符号の説明】
10 主三連ピストンポンプ装置(主往復ポンプ装置)
11 クランクケース(駆動軸ケース)
18 ピストンポンプ(主往復ポンプ)
24 クランク軸(駆動軸)
25 コンロッド
28 ピストン棒(往復部材)
55 副三連プランジャポンプ装置(往復ポンプ装置、副往復ポンプ装置、オイルポンプ)
60 副往復ポンプ(往復ポンプ)
62 クロスヘッドピン
63 クロスヘッド(往復部材)
70 吸入口
71 吐出口
72 ポンプ室
73 接続通路(連通孔)
76 円柱孔(シリンダ部材)
79 液圧逃がし用溝(圧力逃がし通路)
85 副三連ピストンポンプ装置(往復ポンプ装置、副往復ポンプ装置)
86 ピストン兼クロスヘッド(往復部材、クロスヘッド)
91 液圧逃がし用通孔(圧力逃がし通路)

Claims (5)

  1. 3個以上の往復ポンプ(60a,b,c)が、それらのポンプ室(72)を直列に接続されるとともに、共通又は別々の駆動軸(24)により運転される往復ポンプ装置(55,85)において、
    各往復ポンプ(60a,b,c)は、前記駆動軸(24)の駆動によりシリンダ部材(76)内を往復動して前記シリンダ部材(76)内のポンプ室(72)の容積を増減する往復部材(63,86)を有し、
    直列接続の一端及び他端の往復ポンプ(60a,60c)はそれぞれ往復ポンプ装置(55,85)全体としての吸入口(70)及び吐出口(71)を備え、
    接続関係が隣り同士である往復ポンプ(60a,b,c)同士は、各シリンダ部材(76)を接続通路(73)により相互に接続されているとともに、その接続通路(73)とポンプ室(72)との連通を各往復部材(63,86)の往復動に伴い前記往復部材(63,86)により断接するようにし、
    接続関係が隣り同士である往復ポンプ(60a,b,c)同士では、吸入口側の往復ポンプ(60a,b,c)が吐出口側の往復ポンプ(60a,b,c)よりθ(ただしθは、360°を往復ポンプの数で除した値の角度)進んだ位相で運転され、前記吸入口(70)、吐出口(71)及び接続通路(73)はそれぞれ、それが関わっている前記往復部材(63,86)が上死点±α(αは所定の角度)の回転角範囲(回転角は前記駆動軸(24)の回転角で定義するものとする。)にあるとき、その往復部材(63,86)により閉鎖され、その他の回転角範囲にあるとき、その閉鎖はなされないことを特徴とする往復ポンプ装置。
  2. 前記各往復ポンプ(60a,b,c)は、ポンプ室(72)が往復部材(63,86)により密封状態になったときの圧力抜き用の圧力逃がし通路(79,91)を装備していることを特徴とする請求項1記載の往復ポンプ装置。
  3. 前記圧力逃がし通路(79,91)は、シリンダ部材(76)の周面において前記往復部材(63,86)の軸方向へ延びる溝(79)として形成され、その溝(79)は、前記往復部材(63,86)とコンロッド(25)とを回転自在に結合するクロスヘッドピン(62)の軸線方向(77)に対して直角方向(78)からα(ただし0°<α<90°)だけ周方向へ離れた位置となっていることを特徴とする請求項2記載の往復ポンプ装置。
  4. 前記往復ポンプ装置(55,85)を副往復ポンプ装置(55,85)とし、前記副往復ポンプ装置(55,85)は主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)に配設され、前記副往復ポンプ装置(55,85)の各往復部材(63,86)は前記主往復ポンプ装置(10)の各往復部材(28)のクロスヘッド(63,86)を兼ね、前記吸入口(70)、前記吐出口(71)、及び前記接続通路(73)は前記主往復ポンプ装置(10)の前記駆動軸ケース(11)に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の往復ポンプ装置。
  5. 前記副往復ポンプ装置(55,85)は、前記主往復ポンプ装置(10)の駆動軸ケース(11)内のオイルを吸入、吐出するオイルポンプであることを特徴とする請求項4記載の往復ポンプ装置。
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