JP3875294B2 - ディスク装置 - Google Patents

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  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドを目標位置へ高速に移動させるシーク制御を行うディスク装置に関し、特に、ヘッド位置信号のサンプリング周期が比較的長いセクタサーボを対象に1〜10トラック程度の短い距離のシーク制御を高速に行うディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気ディスク装置等のディスク装置においては、ヘッド切替え時間の方がヘッドを1トラック移動する時間、即ち1トラックシーク時間に比べて十分に短い。そこで、1トラックを超えて連続するようなデータをアクセスする場合、目的とするシリンダアドレスにシークした後に、ヘッド切替えによってデータのリード又はライトを行っている。
【0003】
しかし、記憶容量の増加に伴ってトラック間隔が狭まることにより、ヘッド間のオフセットが相対的に大きくなり、ヘッド切替えの際に必ずオフセット補正を必要とし、このため、ヘッド切替え時間が1トラックシークのシーク時間と同等もしくはそれ以上になりつつある。更に、ヘッド同士の相対位置は時間とともに変わる可能性があり、シーク時間は一定にはならない。
【0004】
このため、従来は連続してデータを読み書きする時には、ヘッドを切替えながら同一シリンダ上の異なるディスク面のデータを読み書きしていたが、今後は同じディスク面上のデータを1トラックシークにより順次読み書きした後に、次のディスク面にヘッド切替えにより移行した方が、高速になる可能性がある。
図55は一般的なシーク制御について、時間経過に対するヘッド位置の変化を示している。以下の説明におけるシーク時間、コアス時間、整定条件及び整定時間は次のように定義される。まずシーク時間とは、シーク命令を受信してから、ヘッドを目標位置に到達させ、かつ整定条件を満足するまでの時間である。また整定条件とは、シーク後に目標位置からの位置誤差を測定して、以後に位置誤差の許容範囲を越えないことを保証するための条件のことである。
【0005】
コアス時間とは、シーク時間に含まれ、ヘッドがシーク開始位置から目標位置へ到達するまでの時間で、整定時間を含まない時間のことである。整定時間とは、目標位置へ到達してから、整定条件を満足するまでの時間のことである。
次にシーク時間に影響を与える要因としては、次のものがある。
▲1▼ポジション感度
シークを行う際には、現在の位置を正確に取得する必要がある。磁気ディスク装置においては、ディスク媒体上に位置信号、例えば2相サーボ信号が記録されており、トラック間のオフセット量が求まるようになっている。
【0006】
この位置誤差信号は一般的にアナログ信号であり、ADコンバータを使いMPUに取り込まれる。ADコンバータの値を実際のトラック単位に直すには、事前にシリンダ位置毎に測定したゲインを掛け、ポジション感度を一定にしなければならない。
▲2▼ループゲイン
ヘッドアクチュエータを駆動するVCM(Voice Coil Motor)の力定数BLの値は、通常はトラック位置により異なるので、制御系のサーボ帯域を全てのトラックで一定にするようにゲインを補正することが必要になる。このVCM力定数BLの値もしくは回路系のゲイン等は温度により変化するので、ファームウェアが予め保持している補正ゲインが、実際の値と合わなくなる。
【0007】
制御系は誤差なくゲインが補正されているときにオーバーシュート及びアンダーシュートが少なく、整定時間が最も短くなるように設計・調整されているので、ゲインの変動は整定時間増加につながる。このため制御系のサーボ帯域を全てのトラックで一定にするようにループゲインを補正することが必要になる。
▲3▼バイアス力
アクチュエータに外部から加わる力は、場所により一定ではない。このため外部のバイアス力を場所によらず常に一定とする補正が必要になる。
【0008】
▲4▼ヘッド間オフセット
トラック番号(シリンダ番号)が同一でもヘッド番号が異なる時には、ヘッド切替えを行うことになるが、ヘッド間にオフセットが生じている。したがって、ヘッド切替えを伴う1トラックシークでは、ヘッド切替えに伴なうオフセットが加わり、実際には例えば1.2トラックシークを必要とする場合があり、シーク時間に影響する。
【0009】
▲5▼機械共振
VCMの位置に対する電流特性は、簡易的には二重積分に比例した式として表現される。ところが、実際には、アクチュエータとヘッドの機械共振の影響があり、シーク電流によっては、共振を加振してしまい、シーク後に振動が残ることがある。このような、シーク後の振動を残留振動と呼ぶ。この残留振動が大きい場合には、振動が収まるまで長い整定時間が必要になる。
【0010】
▲6▼ランウアト
ディスク上の目標トラックは実際には同心円にはならず、歪みがある。このような、理想的なトラック位置からのずれのうち、回転に同期した成分を回転同期ランアウトRRO(Repeatable Run Out)、非同期な成分を回転非同期ランアウトNRRO(Non Repeatable Run Out)と呼ぶ。
【0011】
回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの影響は、次の2つの理由で問題である。1つは、同一トラックでの問題である。シーク直後に整定判定を行うが、回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの影響でなかなか整定条件を満足せずに、整定時間が長くなる場合がある。
図56(A)(B)は、3.5インチの磁気ディスク装置において、位置制御系で目標位置に追従制御しているときの回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの各振幅の最大値を各トラック毎に測定したものである。このように、回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの値はトラック毎に大きく異なる。
【0012】
2つ目は隣接トラックとの問題である。現在のトラックから隣のトラックへ移動する場合に、理想的にはちょうど1.0トラックの距離だけ移動すれば良い。ところが、実際には回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの影響で、シーク距離が時間と場所により変動する。図57は、隣接トラックに1トラックだけシークした時のトラック間隔の変動の幅を、各トラック毎に測定した結果である。この測定例では、トラック間隔が±20%程度の範囲で変動している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ディスク装置において、シーク制御を最適化してシーク時間を短縮するためには、このようなポジション感度、ループゲイン、バイアス力、ヘッド間オフセット、機械共振、ディスク回転に伴う同期および非同期のランアウト等の変動要因をできるだけ抑えるようにしなければならない。ポジション感度、ループゲイン、バイアス力、ヘッド間オフセットについては、事前に測定することが可能なので、現在の位置に応じた補正を行うことで影響を回避することができる。
【0014】
共振については、専用のサーボ面にサーボ情報を記録しており、サーボヘッドから常時ヘッド位置信号が得られ、短いサンプリング周期でヘッド位置を検出できる装置であれば、出力電流に共振周波数付近の成分が混ざらないようにフィルタを挿入することで、影響を回避することができる。
しかし、データ面のトラック上に離散的にサーボ情報を記録したセクタサーボ又は埋込みサーボと呼ばれる装置では、ヘッド位置信号のサンプル周期が長くなる。このためフィルタを構成することは物理的に無理であり、共振の影響を回避できない恐れがある。
【0015】
また回転同期ランアウトRROと回転非同期ランアウトNRROは、その形状がトラック毎に異なり、完全に除去できない。1トラックシークなどの短距離のシーク制御においては、この共振、回転同期ランアウトRRO、及び回転非同期ランアウトNRROの影響の回避が特に重要になる。
このように、サンプリンク周期の長いセクタサーボを採用した従来のディスク装置においては、回転同期ランアウトRROと回転非同期ランアウトNRROの影響を受けて1〜4トラック程度の短い距離のシーク制御においてさえ、例えば10サンプル以上の比較的長いコアス時間を必要としており、より高速なシーク制御が望まれている。
【0016】
本発明の目的は、ヘッド位置のサンプル周期が比較的長いセクタサーボについて、1〜10トラック程度の短距離シークを数サンプルという短いコアス時間で行い、整定時間を含めてシーク時間も10サンプル以下の高速シークができるディスク装置を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。
まず本発明のディスク装置は、トラック情報とヘッド位置情報を含むサーボフレームが各トラック上に離散的に記録されたセクタサーボのディスク媒体を使用する。またディスク媒体に対しヘッドを移動させるアクチュエータ、電流により動作してアクチュエータを駆動するモータ、ヘッドの読取信号からヘッド位置信号とトラック情報を所定のサンプル周期毎に検出するサーボ復調手段、及び上位装置からシーク命令を受けた際、指定された目標位置に向けて前記ヘッドを移動して位置決めさせるシーク制御手段を備える。
【0018】
ここで本発明のコアス時間およびシーク時間は、サンプル数で定義される。サンプル数とは、例えばコアス時間を例にとると、シーク制御を開始した時のサンプルタイミングからコアス制御を終了したときのサンプルタイミングまでのヘッド位置信号のサンプル回数を意味する。
このためサンプル数とサンプルタイミングの数は同じことを意味している。例えばコアス時間が4サンプルといった場合、第1サンプル目がシーク開始タイミングとなり、第4サンプル目がコアス終了タイミングとなる。サンプル数とサンプル周期の関係は、(サンプル数−1)が
サンプル周期となる。例えば4サンプルは、3サンプル周期となる。
【0019】
このようなディスク装置のシーク制御手段として本発明にあっては、1〜12トラック程度の短距離シークの制御のため、設定制御手段54、FF電流設定手段56、目標位置軌道設定手段58、修正値設定手段60、及び位置制御手段 (位置サーボ)64を設けたことを特徴とする。
設定制御手段54は、上位装置からシーク命令が所定シーク距離以下の場合、例えば12トラック以下の場合、ヘッド位置信号のサンプル周期の複数周期に亘る短距離コアス制御期間を設定し、短距離コアス制御期間の制御開始時を含む各サンプルタイミング毎に制御動作を指示する。
【0020】
FF電流設定手段56は、短距離コアス制御期間でヘッドをシーク開始位置から目標位置に移動させるに必要なフィードフォワード電流(FF電流)の値を、短距離コアス制御期間の制御終了時を除くサンプルタイミング毎に予め保持し、設定制御手段54の指示に従ってサンプルタイミング毎に対応する電流をモータに流す。
【0021】
目標位置軌道設定手段58は、電流設定手段56のフィードフォワード電流によるヘッド移動軌道の各サンプルタイミング毎の位置を目標位置として予め保持し、設定制御手段54の指示に従ってサンプルタイミング毎に該当する目標位置を出力する。また修正値設定手段60は、目標位置軌道設定手段58の目標位置の修正値をサンプルタイミング毎に予め保持し、設定制御手段54の指示に従ってサンプルタイミング毎に該当する修正値を出力する。
【0022】
位置制御手段64は、サンプルタイミング毎に、目標位置を修正値で修正して現在位置との誤差を求め、FF電流に加えて更に、この位置誤差に基づいて修正後の目標位置に追従するようにモータに電流を流して位置のフィードバック制御を行う。
FF電流設定手段56は、加速電流と減速電流を出力し、加速電流の流し始めから減速電流を流し終るまでの時間(コアス時間)で決まる電流波形の周期を、位置制御手段64の周波数帯域より高い共振周波数をもつアクチュエータ18の共振周期より長く設定し、更に加速電流と減速電流の波形を相似形とする。
【0023】
またFF電流設定手段56は、電流波形の周期を、位置制御手段64の周波数帯域より高い共振周波数をもつ筐体の共振周期より長く設定する。更に、FF電流設定手段56は、加速電流と減速電流の最大値の絶対値を同一とする。
FF電流設定手段56は、加速電流と減速電流との間に電流零の区間を設けるようにしてもよい。FF電流設定手段56は、加速電流と減速電流として三角波状、矩形波状、または台形波状の電流波形を使用する。
【0024】
設定制御手段54で設定する短距離コアス制御期間の長さは、シーク距離に応じたサンプルタイミングの数とする。例えば、1乃至12トラックの短距離シークについて3乃至6サンプルタイミングとする。これはサンプル周期でみると2乃至5周期である。例えば、
1乃至4トラックシークで3サンプルタイミング、
1乃至4トラックシークで4サンプルタイミング、
5乃至8トラックシークで5サンプルタイミング、
9乃至12トラックシークで6サンプルタイミング
とする。
【0025】
またシーク命令により指定されたシーク距離が1トラック長の時、設定制御手段54で設定する短距離コアス制御期間を2〜6サンプルタイミング(1〜5サンプル周期)とし、フィードフォワード電流を1サンプルの間に複数回変化させる。例えば、加速電流と減速電流として三角波状の電流波形を出力し、加速電流と減速電流との間に電流零の区間を設け、設定制御手段54で設定する短距離コアス制御期間を5サンプルタイミング(5サンプル周期)とする。
【0026】
またシーク命令により指定されたシーク距離が1トラック長の時、設定制御手段54で設定する短距離コアス制御期間を5〜10サンプルタイミング(4〜9サンプル周期)とし、フィードフォワード電流を1サンプルの間に1回変化させる。例えば、加速電流と減速電流として三角波状の電流波形を出力し、加速電流と減速電流との間に電流零の区間を設け、設定制御手段54で設定する短距離コアス制御期間を8サンプルタイミング(7サンプル周期)とする。
【0027】
FF電流設定手段56は、サンプルタイミングとその間に設定した1又は複数のタイミング、例えば1/2サンプル周期の各々について、フィードフォワード電流の値を保持し、各タイミング毎に該当する電流を出力する。
FF電流設定手段56は、シーク開始タイミングの電流出力が遅延した場合、この遅延時間分の電流を補うように電流値を高くして出力する。
【0028】
目標位置軌道設定手段58は、シーク命令に基づいたシーク距離を短かめに修正した修正シーク距離について、フィードフォワード電流による目標移動軌道を求めて各サンプルタイミングの目標位置とする。例えば、シーク命令に基づいたシーク距離を10%以下の範囲で短いシーク距離に修正する。
目標位置軌道設定手段58は、フィードフォワード電流から求められるヘッド位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置として、シミュレーションにより修正した値を用いる。また目標位置軌道設定手段58は、フィードフォワード電流から求められる目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置として、キャリブレーションにより修正した値を用いる。
【0029】
目標位置軌道設定手段58は、例えば目標位置軌道のうちで、最後のサンプルタイミングの値のみを修正する。
目標位置軌道設定手段58は、シーク方向に応じて目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置を保持する。またシーク距離に応じて前記目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置を保持する。
【0030】
目標位置軌道設定手段58は、ディスク回転に同期したトラック位置変動RRO: Rotatable Run Out )によるオフセット測定値を全トラックに共通なセクタ位置毎に保持し、シーク開始セクタのオフセット測定値と目的セクタのオフセット測定値に基づいてシーク命令に基づくシーク距離を修正し、修正したシーク距離についてフィードフォワード電流による目標位置軌道を求めて各サンプルタイミングの目標位置を保持する。この場合、目標位置を、シーク開始セクタと目的セクタとのオフセット測定値に応じて修正する。
【0031】
目標位置軌道設定手段58は、ヘッド切替えに対応したオフセット測定値を保持し、ヘッド切替えを伴うシーク命令を受けた際に、ヘッド切替えのオフセット測定値で修正したシーク距離についてフィードフォワード電流による目標位置軌道を求めて各サンプルタイミングの目標位置を保持する。例えば、シーク命令のシーク距離に基づく位置軌道の各サンプルタイミングの目標位置を、ヘッド切替えに伴なう切替前と切替え後のオフセット測定値で修正する。
【0032】
シーク制御手段は,更に、リード動作のシーク命令を受けた際に、短距離コアス制御の終了時点でヘッド位置が予め定めたリード許容誤差範囲か否か判定し、リード許容誤差範囲内のときは直ちにリード許可をデータ復調ユニットに与える。このためリード動作のためのシーク時間は、コアス時間と同等にでき、整定時間は不要となる。
【0033】
シーク制御手段は、更に装置に加わる衝撃を検知するセンサを有し、短距離コアス制御期間中にセンサで衝撃を検知した場合には、短距離コアス制御の終了直後にリード許可を与えず、センサが衝撃を検知しなくなるまで待ってリード許可を与える。
またシーク制御手段は,更に、ライト動作のシーク命令を受けた際に、短距離コアス制御の終了後に所定の整定条件を満足するか否か判定し、整定条件を満足したときにライト許可をデータ変調ユニットに与える。
【0034】
シーク制御手段は,シーク命令によるシーク距離が所定シーク距離を越えた長距離シーク距離の場合、目標位置までの残り距離(トラックデファレンス)に応じた目標速度に追従させる速度制御を用い、目標位置との残り距離が所定距離以下となった場合、FF電流設定手段56、目標位置軌道設定手段58、及び修正手段60による短距離シーク制御を行う切替制御手段を備える。
【0035】
この切替制御手段は、長距離シーク制御から短距離シーク制御への切替時のヘッド速度を検出する速度検出手段、切替時のヘッド速度を零とするフィードフォワード電流I1と該フィードフォワード電流I1を前記モータに流した時の移動距離L1と、各サンプルタイミング毎の位置を求める第1演算手段、目標位置までの距離L0から第1演算手段の移動距離L1を差し引いた残り距離L2を短距離シーク制御するための各サンプルタイミング毎のフィードフォワード電流I2、フィードフォワード電流I2をモータに流した時の目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の位置を求める第2演算手段、および第1及び第2演算手段で求めた2種類のフィードフォワード電流および各サンプルタイミング毎の位置を加算する加算手段を有し、この加算手段で得られたフィードフォワード電流I0及び目標軌道位置に さらに本発明のディスク装置は、シーク制御手段の短距離コアス制御によるシーク時間の統計情報に基づいて自動的にキャリブレーションを行うキャリブレーション手段を設ける。キャリブレーション手段は、例えば時間測定手段で短距離シーク制御毎に、シーク開始から整定待ち終了までのシーク時間をシーク距離毎に計測して保持し、起動手段で同一シーク距離のシーク時間の確率分布を求め、所定の確率を与えるシーク時間が、予め定めた基準時間よりも長い場合にキャリブレーションを起動する。そして起動手段によるキャリブレーションの起動を受けて、キャリブレーション実行手段が所定のキャリブレーションを実行する。
【0036】
キャリブレーション実行手段は、例えば位置制御手段64のループゲインを測定し、測定ループゲインが初期設定した最適値から外れていた場合、最適値にループゲインを補正する。またキャリブレーション実行手段は、複数のフィードフォワード電流及び複数のフィードフォワード電流の各々に対応した目標位置軌道の設定値を選択して短距離シーク制御を行うことでシーク時間を計測し、複数のフィードフォワード電流の中で最もシーク時間が短いフィードフォワード電流を選択してFF電流設定手段56に保持させる。
【0037】
このように本発明は、1〜12トラック程度の短いシーク距離について、ヘッド位置信号のサンプル数で3〜5サンプルという短時間の制御でコアス制御を終了し、整定時間を含めて10サンプル程度でシークを完了する。この短距離シーク制御は、FF電流と位置フィードバック制御を合せた制御であり、更に位置制御にあっては、FF電流による目標位置軌道とその修正値により各サンプルタイミングでの目標位置を決めて実位置との位置誤差に応じてモータに電流を流す位置フィードバック制御する。
【0038】
FF電流、目標位置軌道、目標位置軌道の修正値は、各々シーク開始時刻からの経過時間、即ち予め定めたサンプル数分の各サンプルタイミングで生成される。ここで、FF電流の加速電流波形と減速電流波形で決まるコアス時間は、共振の影響を受けず、また電流がモータ(VCM)のアンプが飽和しない範囲で、できるだけ短く設定する。
【0039】
例えば、185.6μsのサンプリング周期をもつディスク装置の場合、1トラックのシーク距離について、コアス時間を3サンプルと設定する。このように極端に少ないサンプル数のコアス時間は、従来の制御では設定することができなかった。また、FF電流と目標位置軌道のみでは、シーク後にオーバーシュート・アンダーシュートが発生する。この大きさは、シーク方向、シーク距離に依存する。目標位置軌道を理想的な値から意図的にずらすことで、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
<目次>
1.装置構成とサーボパターン
2.短距離シーク制御
3.テーブル作成とキャリブレーション
(1)製造段階のキャリブレーション
(2)FF波形のキャリブレーション
(3)運用段階のキャリブレーション
4.長距離シーク制御の引込み制御
5.衝撃センサによる監視
6.その他
1.装置構成とサーボパターン
図2は本発明のディスク装置の構成を示したブロック図である。図2において、ディスク装置はコントロールユニット10とディスクエンクロージャ12で構成される。ディスクエンクロージャ12には、スピンドルモータ16により回転されるディスク14が設けられている。ディスク14の上下のデータ面に対しては、ヘッド21,22が設けられている。
【0041】
ヘッド21,22としては、リードヘッドとライトヘッドを一体に備えた複合ヘッドが使用される。この内、ライトヘッドはインダクティブヘッドであり、リードヘッドは例えばMRヘッドを使用する。ヘッド21,22はアクチュエータ18の先端に装着され、ボイスコイルモータ(以下「VCM」という)20により、ヘッド21,22をディスク14上の任意のトラック位置に移動できるようにしている。アクチュエータ18としては、通常、VCM20により回転軸を中心にヘッド21,22側を移動させるロータリ型のアクチュエータが使用される。
【0042】
コントロールユニット10側にはMPU24が設けられ、MPU24に対してはバス44を介してROM26,RAM28が設けられる。ROM26には、MPU24で実行する本発明のシーク制御を含む各種の制御プログラムが格納され、また各種の制御に必要なパラメータも格納されている。またMPU24に対しては、バス44を介してインタフェースコントローラ32が接続され、上位のホスト側コントローラとの間でコマンド及びデータのやり取りを行う。
【0043】
インタフェースコントローラ32に対してはキャッシュRAM30が設けられており、ホスト側コントローラ32からのリードまたはライトのアクセス要求に対し、インタフェースコントローラ32は、まずキャッシュRAM30を参照して、もしミスヒットであればMPU24に対しディスク14に対するリードまたはライトのアクセスを要求する。
【0044】
更にMPU24に対しては、バス44を介してスピンドルモータドライバ34、VCMドライバ36、リード/ライトユニット42及びサーボデコーダ38が設けられている。スピンドルモータドライバ34はMPU24による指示のもとに、ディスクエンクロージャ12に設けたスピンドルモータ16を一定速度で回転させる。
【0045】
VCMドライバ36は、MPU24に設けているシーク制御部及びシーク完了後の位置決め制御部による制御指示を受けてVCM20に電流を流し、アクチュエータ18の駆動によるヘッド21,22の目的トラック位置に対する位置決め制御を行う。リード/ライトユニット42とサーボデコーダ38に対しては、ヘッドIC40を介して、ディスクエンクロージャ12に設けているヘッド21,2が接続されている。
【0046】
リード/ライトユニット42は、リード動作の際にはリード側が有効となってデータ復調回路として動作する。そのときヘッドIC40で選択されているヘッド21または22のいずれかより読み出されるディスク14からのデータ記録部分からの読出信号からリードデータを復調し、RAM28に格納した後、インタフェースコントローラ32を経由してホスト側コントローラにリードデータを転送する。
【0047】
またライト動作の際には、リード/ライトユニット42はライト側が有効となり、データ変調回路として動作する。この場合には、ホスト側コントローラからインタフェースコントローラ32を介してRAM28に転送された書込データを、ヘッドIC40を介して、命令により指定されたヘッド21または22のいずれかによりディスク14に書き込む。
【0048】
サーボデコーダ38は、ヘッドIC40で選択されているヘッド21または22から得られるサーボ読取信号からトラック番号及びヘッド位置信号を復調し、MPU24はサーボデコーダ38で復調したトラック番号及びヘッド位置信号に基づいて、ディスク14に対するヘッド21,22の位置決め制御をVCMドライバ36によるVCM20に対する電流供給により行う。
【0049】
図3は、図2のディスクエンクロージャ12に設けたディスク媒体14のトラック記録状態である。ディスク媒体14は両面をデータ面46としている。データ面46上には、同心円状に複数のトラックが形成されている。図3にあっては、複数のトラックの内のトラック48i,48i+1の2本を代表して示している。トラック48i,48i+1は、円周方向に一定の間隔を置いてサーボフレーム50i,50i+1を設けている。
【0050】
サーボフレーム50i,50i+1は、図4に取り出して示すように、サーボマーク51、トラックアドレス52、4種類A,B,C,Dのサーボパターン53を円周方向に記録している。サーボマーク51はサーボフレームの開始位置を示す。トラックアドレス52は、例えばグレーコード等によりトラック番号を記録している。
【0051】
サーボパターン53は、ディスク半径方向についてパターンA,Bを1トラックずつ交互に記録し、またパターンC,Dも同様に1トラックずつ交互に記録し、パターンA,BとパターンC,Dでは0.5トラックずらしている。このようなサーボパターン53から得られたパターンA,B,C,Dの4つのパターン読取信号について、右側に示すように、パターンAとBの差からヘッド位置信号Nを復調し、同時にパターンCとDの差からヘッド位置信号Qを復調する。
【0052】
ヘッド位置信号N,Qは0.5トラック位相のずれた信号であり、通常、2相サーボ信号と呼ばれる。即ち、ヘッド位置信号Nはトラック番号i,i+1,i+2で示すトラックセンタを中心に、ヘッド21の半径方向の位置に対し異なった極性で直線的に変化し、トラック境界部分で飽和した特性となる。
これに対しヘッド位置信号Qは、トラック境界を0次として、ヘッド21の移動方向に応じて正または負に直線的に変化する特性であり、トラックセンタで飽和した信号となる。このため、トラックセンタを中心とした所定範囲ではヘッド位置信号Nを使用し、ヘッド境界部分ではヘッド位置信号Qを使用することで、全トラック範囲に亘りヘッド位置を示すヘッド位置信号を得ることができる。
【0053】
本発明のディスク装置にあっては、図4のサーボフレームが、図3のようにトラック上に離散的に記録されており、サーボフレームの間がデータ領域として使用される。このようなサーボフレームの記録をセクタサーボあるいは埋込みサーボと呼ぶ。
セクタサーボのディスク装置にあっては、図3のように、トラック上に離散的にサーボフレーム50i,50i+1が記録されているため、サーボフレームの読取信号から得られるヘッド位置信号はディスク14の回転数と1トラック当たりのサーボフレームの数に依存した周期で間欠的に得られる。
【0054】
例えば、ディスク14の回転数を5400rpm、1トラック当たりのサーボフレームの数を60フレームとした場合、ヘッドから読み取られるヘッド位置信号の周期は185.6μs間隔となる。このため図2のMPU24にあっては、サーボデコーダ38より185.6μsの周期間隔でヘッド位置信号が得られることから、この周期をサンプリング周期としてヘッド位置信号を取り込んで、シーク制御やオントラック制御などのヘッド位置決め制御を行う。
【0055】
本発明のディスク装置にあっては、シーク命令による目標位置に対し現在位置からのシーク距離が例えば13トラック以上の場合には通常のシーク制御を行う。これ対しシーク距離が12トラック以下の短いシーク距離の場合には、本発明により提供されるフィードフォワード波形、目標位置軌道及び目標位置軌道修正を用いた位置フィードバック制御による3〜6サンプル程度の短いコアス期間で短距離シークを行うようにしている。
【0056】
ここでシーク距離が13トラック以上となる通常のシーク制御とは、目的位置に対する現在位置からの残りトラック数に応じて読み出した速度制御パターンに従って、加速、定速、減速の速度制御を行い、速度制御の最終段階による減速中に、目標位置に対し所定トラック範囲に入ったときに位置制御に切り替えるシーク制御をいう。
2.短距離シーク制御
図5は、本発明のディスク装置で例えば12トラック以下の短距離シークを行うためのシーク制御部の機能構成のブロック図である。本発明の短距離シーク制御は、フィードフォワード電流(以下「FF電流」という)、位置制御、目標位置軌道及び目標位置軌道の修正という4つの制御要素を組み合わせた制御を行う。またシーク距離に応じてシーク開始位置から目標位置にヘッドが到達するまでの期間、即ちコアス期間が3〜5サンプルの範囲で予め決められた制御を行う。
【0057】
図5において、短距離制御を行うためのシーク制御部は、設定制御部54、FF電流設定部56、目標位置軌道設定部58、修正値設定部60、加算点62、位置制御部64、加算点66、及びVCM20を用いたアクチュエータ18で構成される。FF電流設定部56には、製造段階での設計値及び後の説明で明らかにするシミュレータを用いたキャリブレーションにより決まるサンプルタイミングごとに最適なFF電流の値が格納されている。そして、設定制御部54に対するシークコマンド及びサンプルクロックに基づいて、対応するFF電流値を選択して、各サンプルタイミングごとに加算点66に出力してアクチュエータ18に電流を流す。
【0058】
目標位置軌道設定部58には、FF電流設定部56に設定したFF電流をアクチュエータ18のVCM20に流したときのヘッドの目標位置軌道が各サンプルタイミングごとの位置として予め記憶されている。そして、設定制御部54に対するシークコマンド及びサンプルクロックに基づき、各サンプルタイミングごとに目標位置として加算点62に出力する。
【0059】
修正値設定部60には目標位置軌道設定部58に記憶している目標位置軌道の各位置の値を修正する目標位置軌道修正値が予め記憶されている。この目標位置軌道の修正値は、FF電流と目標位置軌道のみによる制御ではシーク後にオーバーシュートやアンダーシュートが発生することから、オーバーシュートやアンダーシュートが発生しないように目標位置軌道を理想的な値から意図的にずらすことで、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できるようにしている。
【0060】
この軌道修正値そのものは、装置製造段階での後の説明で明らかにするシミュレータを用いたキャリブレーションにより最適値が決められて予め記憶される。位置制御部64は通常の位置フィードバック制御を行うもので、加算点62に対する目標位置軌道修正値により修正された目標位置とフィードバックされた実際のヘッド位置との偏差を、位置制御部64に設定したループゲインに従って増幅した後に加算点66に与える。更に、FF電流設定部56から別個に供給されているFF電流と合成してアクチュエータ18に電流を流し、加算点62の誤差が常に0となるようにフィードバック制御する。
【0061】
図6は、図5のFF電流設定部56、目標位置軌道設定部58及び修正値設定部60の具体的な実施例である。図6において、シーク方向に応じてフォワードテーブル74−1とリバーステーブル74−2が設けられる。フォワードテーブル74−1,リバーステーブル74−2は、例えば図7にフォワードテーブル74−1を代表して示すように、シーク距離とサンプルタイミングの順番を示すサンプル番号をパラメータとして、修正値Kij、第1FF電流FIij及び第2FF電流SIijの値を格納している。
【0062】
ここで、iはシーク距離1〜12であり、jはサンプル番号1〜5を表わしている。またサンプル番号は、サンプルタイミングの順番に対応している。更に、テーブル上には、最初のサンプルタイミングから最後から1つ前のサンプルタイミングまでのサンプル番号を登録しており、最後のサンプルタイミングではFF電流は零となり、また目標位置はシーク距離そのものになることから、テーブル登録は行っていない。
【0063】
これら修正値、第1FF電流及び第2FF電流は、後の説明で明らかにする装置製造段階におけるシーク制御のキャリブレーションによって最適値が決められ、図示のようにテーブルデータとして例えばROM26に予め保持されている。図7のフォワードテーブル74−1のデータは、本発明が対象とする短距離シークの1〜12トラックについて準備されている。ここでシーク距離とコアス期間を決めるサンプル数の関係は、図8のようになる。
【0064】
図8において、シーク距離が0.1〜4トラックの場合には、特性118に示すようにサンプル数は3とする。シーク距離が5〜8トラックについては、特性120のようにサンプル数を4とする。シーク距離が9〜12トラックについては、特性122のようにサンプル数を5としている。シーク距離が13トラック以上についてはサンプル数6以上の特性124となり、この特性は目標位置に対するトラックディファレンスに応じて目標速度を読み出して速度制御する従来のシーク制御の領域となる。
【0065】
再び図7を参照するに、フォワードテーブル74−1における第1FF電流は、例えばシーク距離1、サンプル番号1〜3の場合を例にとると、サンプルタイミングごとに第1FF電流FI11〜FI13を出力する。これに対し第2FF電流SI11〜SI13は、ヘッド位置信号が得られていないサンプル周期の中間の1/2サンプル周期の間に発生するFF電流を保持している。
【0066】
このため、FF電流の出力については1/2サンプル周期ごとに行われることで、例えばサンプル数3の場合には倍の6回FF電流の出力が行われることになる。これに対し修正値K11〜K13を使用した目標位置軌道の発生は、サンプル番号1,2,3で決まるサンプルタイミングごとに行われ、合計3回の位置制御を行うことになる。
【0067】
再び図6を参照するに、フォワードテーブル74−1,リバーステーブル74−2に対しては、レジスタ68によりテーブルポインタとしてフォワード/リバース70及びシーク距離72の各情報がセットされる。フォワード/リバース70のシーク方向を示す情報は、シーク命令の解読でセットされる。シーク距離72は、シーク命令による目標位置とシーク開始時の現在位置との差で与えられる。
【0068】
このレジスタ68にセットした値によりフォワードテーブル74−1またはリバーステーブル74−2のいずれか一方を指定し、指定したテーブル内のシーク距離に応じた記憶内容をテーブル読出データ78として読み出す。ここでテーブル読出データ78の第1FF電流及び第2FF電流は、フォワードテーブル74−1またはリバーステーブル74−2のものをそのまま使用するが、目標位置軌道については、修正演算部76でテーブルから読み出した修正値Kを使用した修正演算で求める。
【0069】
修正演算部76は、各サンプル番号ごとの目標位置軌道を
目標位置軌道=目標位置+(シーク距離×修正値Kij)
として算出している。この修正演算部76で算出された各サンプル番号、即ちサンプルタイミング毎の目標位置軌道の値が、Pi1 ,Pi2 ,・・・としてテーブル読出データ78にセットされる。なおテーブル読出データ78は、RAM28上の適宜の領域にテーブル読出データ104にバッファされる。
【0070】
修正演算部76の演算に使用されるシーク距離は、シーク距離修正処理部90及びヘッド切替修正処理部100で修正された修正シーク距離を使用する。シーク距離修正処理部90は、ディスクの回転同期ランアウトによる変動に対しシーク距離を補正する。
図9はシーク距離修正処理部90の具体例であり、回転同期ランアウトテーブル132を備えている。回転同期ランアウトテーブル132は、全トラックについて共通のセクタ番号をポインタとして各セクタ番号におけるトラックセンタからの回転同期ランアウトによるオフセットを保持している。このオフセットは、ディスクの全トラックの同一セクタ番号について、測定した値の平均値を使用する。
【0071】
図10は、回転同期ランアウトテーブル132に使用するオフセット測定の様子を示している。いま、トラック48iから隣接するトラック48i+1に1トラックシークを行う場合、各トラックについて相似な回転同期ランアウトによるトラック位置の変動があったとする。この場合、シーク軌道134と136では、同じシーク時間Tであっても回転同期ランアウト即ち偏心によりシーク距離が異なっている。
【0072】
このため、理想的なシーク距離である1トラックに対し、例えばシーク軌道134は1トラック以下の短いシーク距離となり、これに対しシーク軌道136の場合には1トラックを超えた長いシーク距離となる。この回転同期ランアウトによる実際の変動の様子は、例えば図56(A)に示したようになる。
そこで本発明にあっては、ディスク媒体の全トラックのセクタ番号01〜60について各々1トラックシーク制御を行ったときのオフセットを測定し、同一セクタ番号のオフセットを平均化して、図9の回転同期ランアウトテーブル132を作成している。
【0073】
回転同期ランアウトテーブル132に対しては、開始セクタ84をセットするレジスタ126、目的セクタ86をセットするレジスタ128、セレクタ130によるテーブルポインタの設定機構が設けられている。即ち、レジスタ126に開始セクタ84をセットし、これをセレクタ130で選択して回転同期ランアウトテーブル132の該当するセクタ番号からオフセットを読み出して、開始セクタオフセット134を求める。
【0074】
続いてセレクタ130を切り替えて、レジスタ128の目的セクタ86による回転同期ランアウトテーブル132のセクタ番号の指定で対応するオフセットを目的セクタオフセット136として読み出す。演算部138は、回転同期ランアウトテーブル132から読み出した開始セクタオフセット134と目標セクタオフセット136を使用し、シーク命令に基づいたシーク距離82を修正する。
【0075】
具体的には、シーク命令で指定されたシーク距離82から各オフセットを差し引くことで修正シーク距離92を求め、これを図6のヘッド切替修正処理部100に供給する。図6のヘッド切替修正処理部100は、ヘッド切替えを伴う短距離シークの際にシーク距離の修正を行う。例えば図11に示すように、ヘッド切替修正処理部100にはヘッドオフセットテーブル140が設けられている。この実施例にあっては、図2のディスクエンクロージャ12の2つのヘッド21,22を使用していることから、ヘッドオフセットテーブル140は、現在ヘッドをヘッド番号01、目的ヘッドをヘッド番号02としたときのオフセットと、逆に現在ヘッドをヘッド番号02、目的ヘッドをヘッド番号01としたときのオフセットが記憶されている。
【0076】
このヘッドオフセットテーブル140の各オフセットは、任意の測定トラックに位置決めしている状態でヘッド切替えを行って生じたオフセットを使用する。実際の測定は、ディスクの全トラックについてヘッド切替えを行ってオフセットを求め、その平均値をヘッドオフセットテーブル140に格納する。ここで、ヘッド番号01から02に切り替えたときのオフセットとヘッド番号02から01に切り替えたときのオフセットは、オフセット量は同一で符号が逆になるだけである。
【0077】
オフセットテーブル140に対しては、レジスタ138により現在ヘッド番号96と目的ヘッド番号98がセットされ、これら2つのヘッド番号を使用したヘッドオフセットテーブル140のアクセスで、対応するオフセットを読み出して演算部142に出力する。演算部142には、図6のシーク距離修正処理部90で修正された修正シーク距離92が入力され、これをオフセットテーブル140から読み出したオフセットを加えることで修正して、修正シーク距離102を求め、図6の修正演算部76に与える。
【0078】
もちろん、ヘッド切替えを行わない短距離シークについては、ヘッド切替修正処理部100の修正は行われず、シーク距離修正処理部90で修正された修正シーク距離92がそのまま修正演算部76に与えられる。
修正演算部76の演算を経て最終的に得られたテーブル読出データ104は、サンプルクロック106に同期してサンプル数1,2,・・・nの順番に順次レジスタ108に読み出される。このうち目標軌道110及び第1FF電流112は各サンプルタイミングごとに図5の加算点62及び加算点66に供給される。
【0079】
第2FF電流114についてはサンプル周期の間の1/2サンプル周期のタイミングで図5の加算点66に出力される。この第1FF電流112と第2FF電流114はセレクタ116により選択され、セレクタ116はサンプルクロック106の1/2周期ごとに切り替えられてサンプリングタイミングで第1FF電流112を出力し、1/2サンプル周期経過したタイミングで第2FF電流114を出力する。
【0080】
図12は、図5においてシーク距離を1トラックとするシーク命令を受けたときのサンプルクロック、FF電流、目標位置軌道と目標位置軌道修正、更にそのときのヘッド軌道のタイムチャートである。
1トラックのシーク命令については、図12(A)のように3サンプル周期の短距離シーク期間が設定され、シーク開始時のサンプルクロックのクロック番号を1とすると、3サンプル周期でクロック番号1,2,3,4の4つのサンプルタイミングが作られる。更にFF電流については、1/2サンプル周期で制御タイミングが作られる。したがって全体としての制御タイミングは、図12(B)に示すように、時刻t1〜t7の7回となる。
【0081】
このような制御タイミングt1〜t7に対し、図12(C)のようにFF電流146が出力される。FF電流146としては三角波状の電流波形を使用しており、前半の制御タイミングt1〜t4の加速電流148−1と後半のタイミングt4〜t7の減速148−2となっている。このようなFF電流146の加速電流148−1と減速電流148−2で1つの波形周期を構成し、これは3サンプル周期数で決まるサンプル数4のコアス時間を意味している。
【0082】
図12(D)は、図12(C)のFF電流146をVCM20に流したときの理想的な目標位置軌道150であるが、本発明にあっては、これを修正値により修正して破線の目標位置軌道修正152としている。このような目標位置軌道修正152により、図12(E)のように、3サンプル周期の期間でヘッドを1トラック分移動して目標位置に生成させるヘッド軌道154となる短距離シーク制御を実現することができる。
【0083】
即ち、図12(C)のFF電流146による制御タイミングt1〜t7ごとの電流出力と、図12(D)の目標位置軌道修正152の制御タイミングt1,t3,t5,t7における目標位置の設定による位置フィードバック制御の合成により、僅か3サンプル期間という短時間でヘッドを位置トラック制御して目標位置に整定させるシーク制御が実現されている。
【0084】
図13は、図2のMPU24による本発明のディスク装置のシーク制御のフローチャートである。まずステップS1で、上位のホスト側コントローラよりシーク命令を受信する。このシーク命令には、コマンドパラメータとして目標位置、ヘッド番号、リード/ライト種別が指定されている。続いてステップS2で、目標位置と現在位置から理想的なシーク距離を計算する。
【0085】
理想的なシーク距離とは、目標位置のトラックアドレスと現在位置のトラックアドレスとの差で与えられるトラック数を意味する。次にステップS3で長距離シークか否かチェックする。ここでシーク距離が12トラック以下であった場合には短距離シークであることから、ステップS4に進み、図5に示したFF電流、目標位置軌道、目標位置軌道修正及び位置制御による本発明の短距離シーク制御を行う。
【0086】
ステップS5については、シーク距離に応じて設定したフィードフォワード時間の終了の有無、即ち所定のサンプル数分の終了を監視しており、処理終了を判別するとステップS6に進み、リードシークか否か判定する。もしリードシークであればステップS7に進み、予め定めたリード許可範囲にヘッド位置が入っていれば、直ちにステップS8でリード/ライトユニット42に対しリード許可を与え、ステップS9で通常のトラックセンタに対するトラック追従制御に入る。
【0087】
一方、ステップS6でリードシークでなかった場合、即ちライトシークであった場合には、ステップS10に進み、予め定めた整定判定処理を行う。この整定判定処理は、コアス時間経過後に次の4つの条件を満足するか否かで判定される。
▲1▼現在の位置誤差の絶対値が0.1トラック以下
▲2▼現在位置と1サンプル前の位置の差の絶対値が0.09トラック以下
▲3▼現在の位置誤差を2倍した値から1サンプル前の位置誤差を引いた値の絶対
値が0.11トラック以下
▲4▼前記の3つの条件▲1▼〜▲3▼を全て満足する状態が4サンプル続くこと
ステップS10でこのような整定判定条件が成立すると、ステップS11に進み、ヘッドがライト許可範囲にあることを判定し、ステップS12でリード/ライトユニット42のライトユニット側にライト許可を与えた後、ステップS9で通常のトラック追従制御に入る。
【0088】
ステップS9の通常のトラック追従制御でのリード動作またはライト動作が済むと、ステップS13で次のシーク命令を監視しており、シーク命令を新たに受けると再びステップS1に戻り、同様な処理を繰り返す。
図14(A)は、図13のステップS4における本発明による短距離シーク制御を実行するサーボ割込み処理のフローチャートである。サンプルタイミングでサーボ割込み信号が発生すると、まずステップS1で、第1サンプルのタイミングか否かチェックしており、第1サンプルのタイミングであるとステップS2に進み、1/2サンプル周期でFF電流を出力するためのタイマ割込みをセットし、現在位置を取得する。
【0089】
次にステップS3でシーク距離を求め、ステップS4で、シーク距離とシーク方向に応じた例えば図7のフォワードテーブル74−1の先頭アドレスTPを求める。そしてステップS5で、例えば図7のフォワードテーブル74−1を参照し、最初のサンプルタイミングのデータ先頭位置のアドレスTPを作成し、ステップS7で、テーブル検索により目標位置軌道、第1FF電流及び第2FF電流を取得する。
【0090】
次にステップS8で、シーク距離修正に基づくテーブル読出時の修正を行う。例えば図6のシーク距離修正処理部90により、回転同期ランアウトのオフセットに応じた修正を行う。またヘッド切替えを伴うシークの場合には、ヘッド切替修正処理部100によるヘッド切替えのオフセットに応じた修正を行う。続いてステップS9で、実際にVCM20に流す第1FF電流及び第2FF電流を計算する。
【0091】
このFF電流の計算は、FF電流にループゲインを掛け合わせ、それにバイアス分を加算することで求める。即ち、VCM20の力係数BLの値はトラック位置により異なるので、全てのトラック位置で一定とするようにループゲインを補正する。またアクチュエータ18に外部から加わる力は場所により一定ではないことから、同様にしてトラック位置に応じてバイアス力が一定となるようにバイアスを補正する。
【0092】
次にステップS10で、VCM20にステップS9で計算した第1FF電流を出力する。次にステップS11で、次のサンプルタイミングでのテーブルアドレスの設定TP=TP+1を行い、更にシーク開始からのサンプル数CNTを1つ増加させ、ステップS12で、指定サンプル数例えばサンプル数3に到達したか否かチェックする。
【0093】
到達していなければステップS13で次のサンプルからの通常のトラック追従制御へ移行するように、割込み処理のアドレスを設定し、サーボ割込み処理を抜けて、次のサンプルタイミングを待つ。この次のサンプルタイミングを待つ間に1/2サンプル周期を経過すると、図14(B)のタイマ割込処理が起動し、VCM20に対し図14(A)のステップS9で計算した第2FF電流を出力して、図14(A)のメインルーチンにリターンする。
【0094】
続いてステップS1で第2サンプルタイミングに達すると、ステップS13に進み、ステップS2と同様にタイマ割込みのセットと現在位置の取得を行い、第2サンプルタイミングからは直ちにステップS7に進み、テーブル検索による目標位置軌道、第1FF電流及び第2FF電流の取得からの処理を第1サンプルタイミングと同様にして行う。以上の処理をステップS12で指定サンプル数に到達するまで繰り返すことになる。
3.テーブル作成とキャリブレーション
図15は、本発明のディスク装置における製造段階での作業と、装置を出荷した運用状態での処理のフローチャートである。まず製造段階にあっては、ステップS1〜S3のように、シミュレーションモデルによるFF電流、目標位置軌道及び目標位置軌道修正の作成と、これに基づくステップS2のテーブル作成を行い、更にステップS3で、キャリブレーションによりFF電流、目標位置軌道及び目標位置軌道の修正調整を行う。このような製造段階でのシミュレーションモデルを使用したFF電流、目標位置軌道及び目標位置軌道修正の作成と調整によって、図12に示したような例えば4サンプルで1トラックシークのコアス制御を終了するような最適化された短距離シークのためのテーブル情報が作成される。
【0095】
そして運用段階にあっては、ステップS4でシーク制御を行うごとに、例えばシーク距離ごとにシーク時間を記録して統計情報を作成し、このシーク時間の統計情報からステップS5でキャリブレーション条件の成立を判定した場合、ステップS6で自動キャリブレーションを行い、その結果に基づきステップS7でテーブル内容の更新を行うようにしている。そこで、まずステップS1〜S3の製造段階におけるキャリブレーションを説明する。
(1)製造段階のキャリブレーション
まずサンプル数で決まるコアス時間に亘って出力するFF電流の周期と共振の関係を説明する。本発明のディスク装置にあっては、ヘッドを装着したアクチュエータのアームの共振点のゲインが大きいときは、シーク動作によりヘッドアームが過振されてシーク後に振動が残り、整定時間が長くなる。機械的な共振の影響を避けるためには、機械的な共振点を加振しない周期のFF電流を出力する必要がある。
【0096】
ここでFF電流の形状と周期に対する機械的な共振周期との関係を調べるため、簡単なシミュレーションを行う。いま加速度定数をBL/m、トラック幅をLpとし、図16のような理想的な二重積分器158に比例したVCMに共振点が1つ存在する場合を考える。例えば図17(A)のように、共振点160の共振周波数Frは3kHz、ピークゲインはノミナルモデルに対し+40dBであったとする。なお、図17(B)は共振点162での位相特性である。
【0097】
いま図16の駆動電流発生器156により、例えば図18のような周期T、最大電流Imaxとする矩形波形状をもつFF電流を出力したとする。このFF電流によってヘッドを1.0トラック移動するに必要な電流の最大値Imaxは次式となる。
【0098】
【数1】
Figure 0003875294
【0099】
ここで共振点の周波数を3kHzとして駆動電流の周期Tを変化させたときに、移動後の残留振動がどの程度発生するかを調べると、図19(A)(B)のようになる。図19(A)は電流波形の周期Tと共振周期Trを同じにした場合であり、シーク後に振動が残っている。これに対し図19(B)は電流波形の周期Tを共振周期Trの2倍とした場合であり、シーク後に振動は全く見られない。このため、電流波形の周期Tを最適に選べば、ピークゲインが高い共振をもつVCMであっても、シーク後に残留振動を発生させずにシーク制御することが可能である。
【0100】
次に、駆動波形を図20のような三角波とした場合を調べてみる。三角波の場合、1.0トラック移動するのに必要な駆動電流の最大値Imaxは次式となる。
【0101】
【数2】
Figure 0003875294
【0102】
ここで共振周波数を3kHzとして図18の方形波及び図20の三角波を使用して周期Tを変化させたときの残留振動の最大の振幅を調べると、図21(A)(B)のようになる。図21(A)は方形波の場合、図21(B)は三角波の場合である。また、それぞれ共振周期Trを1として正規化して表わしている。図21(A)(B)において、正規化された波形周期T=2で残留振動が0となる現象は、サンプル周波数の半分となるナイキスト周波数の信号が観測できない現象と同じである。
【0103】
更に興味深いことは、方形波及び三角波が共に共振周期Trの2倍より長い周期Tであるならば、残留振動の振幅が十分に小さいということである。この場合、図21(A)の方形波駆動より図21(B)の三角波駆動の方が残留振動が小さいことが分かる。更に図21(A)(B)のいずれについても、電流波形の周期Tが共振周期Trの1倍のときと1.5倍のときとを比較すると、1.5倍のときの方が残留振動が減少している。
【0104】
このような共振周期とFF電流波形の周期との関係から、FF電流波形の周期Tを共振周期Trより長い周期に選べば、残留振動の影響を抑えることができる。また残留振動は電流波形により異なり、矩形波より三角波の方が残留振動を抑えることができる。
一方、FF電流によるシーク制御を短時間に終わらせるためには、電流波形の周期Tは短くする必要がある。この電流波形の周期Tはどの程度まで短くできるかは、次の点を考慮しなければならない。
【0105】
▲1▼共振点のピークゲイン
▲2▼ヘッド位置信号の最小分解能、即ちADコンバータの最小ビット相当の位置
誤差
▲3▼回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの大きさ
▲4▼VCMドライバのカットオフ周波数及び電流波形の歪み
このような点を主に考慮して残留振動の許容レベルを決め、図16のシミュレーションで求めた図21のような残留振動と電流波形の周期との関係数から最適な電流波形の周期Tの限界が決められる。この場合、残留振動の大きさが位置検出用のADコンバータの最小1ビットよりも小さいか、あるいはシーク終了後の位置制御における回転同期ランアウトや回転非同期ランアウトの振幅より十分に小さいときは、問題ないといえる。
【0106】
例えば、サンプル周期が185.2μsの3.5インチの磁気ディスク装置の共振点が3.0kHz(共振周期333μs)であったとする。このとき三角波上のFF電流波形の周期Tが2サンプル周期で370.4μsならば、共振周期に対し1.1倍となり、図21(B)から残留振動の影響が心配である。そこで、もう1サンプル増やして3サンプル周期とすると、FF電流波形の周期は560.1μsで共振周期の1.68倍となる。この場合には、2サンプル周期に比べ残留振動は5分の1程度に減少できる。
【0107】
一方、サンプル周期単位でFF電流を切り替えると、途中に電流0の区間を設けた場合の方形波の場合には4サンプル必要となり、また図20の三角波の場合には6サンプル必要になる。しかし、このままではサンプル数の増加で時間がかかりすぎることから、例えば2分の1サンプル単位に電流切替えを行うものとすれば、方形波も三角波もどちらも3サンプルの波形周期T=556μsとなる共振周期Trの1.67倍で駆動することができる。
【0108】
この場合、残留振動が十分に抑圧される共振周期Trの2倍よりも波形周期Tが短いので、実際の測定を通じて残留振動が十分に抑圧されることを確認する必要がある。更にもう1サンプル延ばして4サンプルにすると、共振の影響はほとんど無視することができる。
したがって、実際の装置に適用する場合には、サンプル数を低減することによるシーク時間の短縮と残留振動による整定時間の増加のバランスをとり、最適な電流波形の周期Tを決定する。以下の説明においては、電流波形Tの周期を3サンプルとし、更に1/2サンプル周期でFF電流を切り替える場合を例にとる。
【0109】
ここでFF電流は1/2サンプル周期ごとに切り替えて3サンプル周期の三角波即ち図20の三角波形を使用する。ここでVCMドライバ36の能力により図20のFF電流が歪む場合には、周期を長くすればよい。
またFF電流の切替えは必ずしもサンプル周期の2分の1に限らず、より高速なMPUやDSPを使用している場合には1サンプル単位の制御でも十分である。またヘッド位置信号が得られるサンプル周期が比較的長い装置では、シーク時間を短くするためにサンプル周期の2分の1や3分の1単位でFF電流を切り替えることが望ましい。
【0110】
本発明は、短距離シーク制御に必要な各種のパラメータのキャリブレーションのために、次の構造をもつ位置制御のコントローラを使用して図5に示した構造のシーク制御を行う。ここで目標位置軌道は、1サンプル周期ごとに位置制御部を構成するコントローラの位置誤差に加算する。またFF電流は1/2サンプル周期でコントローラに対する指示電流に加算し、サンプル周期以外の1/2サンプル周期のタイミングでの切替えはタイマ割込みを行う。更に4サンプル周期以降は、FF電流による制御をやめて通常の位置制御に移行する。
【0111】
コントローラは、オブザーバと状態フィードバックループで構成される。このコントローラの特徴は、2次のオブザーバであり、計算遅れを考慮したもので、カットオフ周波数は2kHzとなっている。また電流値はオブザーバからの状態フィードバックと位置誤差の加算の積分値、即ちPID制御と等化の制御である。また次の目標性能はサーボ帯域が450Hz、位相余弦が35°となっている。このコントローラのオブザーバは次式で定義される。
【0112】
【数3】
Figure 0003875294
【0113】
(1)式は、各サンプル周期において軌道修正のための前処理及び電流を計算するためのエラー修正式であり、y[k]を現在位置から目標位置を差し引いた偏差として目標位置をオブザーバに反映させる。(2)(3)(4)式は、オブザーバからの状態フィードバックに位置誤差の積分値を加算するためのPIDと等化の処理である。更に(5)式は、VCMに電流を出力した後に次のサンプルタイミングでの位置を推定するオブザーバの後処理計算としての位置推定式である。
【0114】
最終的にVCM20に出力する電流値は、キャリブレーションにより測定されたループゲイン及びバイアスの補正値で修正される。即ち、次式に従った補正を行う。
【0115】
【数4】
Figure 0003875294
【0116】
一方、シミュレータによってループゲインの値がずれたときの影響を調べる際には、FF電流出力時のゲインを強制的に変更することで可能であり、この場合には次式に従った処理を行う。
【0117】
【数5】
Figure 0003875294
【0118】
ここで右辺の「GainOfs」が変更分のゲインを表わしている。
図22は、オブザーバによる図5の装置機能を実現するサーボ引込み処理のフローチャートである。このオブザーバ制御は、基本的に図14(A)(B)に示した本発明の短距離シーク制御と同じであるが、FF電流、目標位置軌道及びその修正について、ステップS7〜S11で前記(1)〜(6)式に従ったオブザーバの構造で提供される計算処理を行っている点が相違するだけである。
【0119】
本発明のシーク制御において、ループゲインをキャリブレーションで測定して補正した後、前記(7)式に従って電流を出力するためのゲインを例えば−20%〜+20%の範囲で5%間隔に変化させてループゲインがずれた時の影響を実験した場合、図23(A)〜(C)、図24(D)〜(F)、図25(G)〜(I)の結果がられた。ここで400A〜400IはVCMの駆動電流、402A〜402Iはヘッド位置、404A〜404Iは±0.1トラック以内となる整定条件である。
【0120】
この実験結果から図24(D)〜(F)のように、±5%程度の誤差であればオーバーシュート及びアンダーシュートはほぼ位置制御時の回転同期ランアウト及び回転非同期ランアウトと同等レベルで問題はなかった。しかし、図23(A)〜(C)及び図25(G)〜(I)のように、それ以上の誤差になるとオーバシュートまたはアンダーシュートが大きくなり、シーク時間が誤差に応じて延びている。また、ゲインを大きくした時の方が、小さくした時よりもシーク時間の延びが大きかった。
【0121】
この結果から、ゲイン変動に対しシーク時間の変動を小さくするためには、最初から故意にゲインを数%小さめに設定すればよいことがわかる。このループゲインを数%小さく設定することは、つまりシーク距離を正確に1.0トラックではなく0.98トラック等のように僅かに小さく設定することを意味する。
本発明のシーク制御の実験においては、図26(A)〜(C)および図27 (A)(B)のように、シーク方向及びシーク距離に応じて、シーク直後のオーバーシュートとアンダーシュートに差が見られた。ここで406A〜406EはVCMの駆動電流、408A〜408Eはヘッド位置、410A〜410Eは±0.1トラック以内となる整定条件である。
【0122】
この場合、アンダーシュートの大きさは、図26(A)〜(C)および図27(D)のように、シーク途中での目標位置を理想的な値よりも+0,20トラック、+0.30トラック、+0.42トラック、+0.50トラックというように、故意にずらすことで低減できる。尚、図27(E)の+0.60トラックのように、ずらし過ぎるとオーバーシュートがでてしまう。
【0123】
即ち、オーバーシュートとアンダーシュートの大きさは、シーク途中での目標位置を理想的な値よりも故意にずらすことで低減できることが確認された。
図28は4サンプルによるコアス制御であり、コアス制御終了から1つ前の3サンプル目の目標位置軌道152の値を例えば大きくするとオーバーシュート156が出るようになり、目標位置軌道152の値を小さくするとアンダーシュート158を生ずるようになる。このようにシーク制御の途中における目標位置軌道の値を調整することを利用すれば、シーク後のオーバーシュートとアンダーシュートを自由に調整することが可能である。
【0124】
実験によれば、シーク方向がフォワードかリバースかによって、目標位置に到達した直後のオーバーシュートとアンダーシュートが異なることが確認されている。図29(A)(B)はその実験結果である。図29(A)は調整前であり、フォワード駆動電流412Aによりヘッド位置414Aの制御が行われ、リバース駆動電流416Aによりヘッド位置418Aの制御が行われ、若干のアンダーシュートが見られる。
【0125】
図29(B)は目標位置軌道の調整後であり、フォワード駆動電流412Bによりヘッド位置414Bの制御が行われ、リバース駆動電流416Bによりヘッド位置418Bの制御が行われ、アンダーシュートが低減している。このようにシーク方向の相違によるオーバーシュートとアンダーシュートを回避するため、フォワードにおける目標位置とリバースにおける目標位置を異なった値にすることが必要になる。
【0126】
更に実験で、フォワード及びリバースの両方向でオーバーシュートとアンダーシュートが出ないように調整した後に、同じ定数を使用してシーク距離を1.5トラック、2.0トラック、3.0トラック、4.0トラックと変えてシーク制御を行ったところ、シーク距離が4.0トラックで再びオーバーシュートが発生する現象が見られた。
【0127】
この4.0トラックでのオーバーシュートの発生は、VCMドライバ36の出力電圧が飽和するためFF電流の加速電流波形と減速電流波形に歪みが生じて電流波形が相似形にならないことに起因していることが分かった。そこで本発明の短距離シーク制御を正しく動作させるためには、FF電流波形の加速電流波形と減速電流波形が相似形となる範囲でシーク距離を定める必要がある。このようにFF電流波形が歪みを生じて相似形が崩れるような場合には、波形周期を長くする必要がある。
【0128】
このようなループゲイン誤差、オーバーシュートとアンダーシュートの調整、シーク方向による差、及びシーク距離による差を考慮して、最終的な目標位置の設定値を得ると、図30の結果が得られている。
図30は、シーク制御を3サンプル周期で行い、且つFF電流に三角波を使用した場合であり、シーク距離は2.0トラック未満についてフォワード方向とリバース方向を分けており、2.0トラック以上についてはシーク方向の区別はない。また各サンプルタイミングで目標位置を求めるための修正係数は、例えば2.0トラック未満でシーク方向がフォワードの場合は、−1.0、−1.0、及び−0.550とする。
【0129】
この図30の各サンプルタイミングでの修正係数を用いた目標位置の算出は、図14のフローチャートにおけるステップS7の位置誤差を求めるための目標位置軌道の計算に使用される。即ち、目標位置軌道は、
目標位置軌道=シーク距離×修正係数
で与えられる。例えば図30において、シーク距離が1.0トラックでシーク方向がフォワードの場合、第1サンプル目は目標位置は0、第2サンプル目も目標位置は0、第3サンプル目は目標位置は0.45となる。第4サンプル目は通常の位置制御に入るので、目標位置は1.0となる。
【0130】
このように本発明にあっては、目標位置軌道を用いた位置フィードバック制御にFF電流を加えたループ制御を行うにとどまらず、更にシーク距離及び方向を考慮した目標位置軌道の修正を行うことで,予め定めたサンプル数での短いシーク制御が実現できている。
次に本発明のシーク制御において、FF電流制御に合わせて行う位置フィードバック制御の有効性を検証する.図57に示したように,トラック間隔は±20%程度の変動を持っている。このようにトラック間隔が変動を持っていても、本発明にあっては位置制御部64による位置フィードバック制御をFF電流による開ループ制御に加えて行うことで、低周波帯域の変動となる回転同期ランアウトPRO及び回転非同期ランアウトNPROの影響を抑制できることが確認できている。
【0131】
図31は、本発明のシーク制御を用いて1トラックシークを作った時の、コアス制御終了時の到達位置の変動を測定した結果である。これを図57の従来例と比較すると、3分の1程度にトラック間隔の変動幅が抑えられ、従来、±20%程度であったものが±6〜7%程度の変動となっている。これは回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの低周波成分に対し、VCMが位置フィードバック制御により追従していることを意味する。
【0132】
したがって、4サンプルという短い時間であっても、本発明のように位置フィードバックの閉ループ制御を行うことで回転同期ランアウトRRO及び回転非同期ランアウトNRROの影響を小さくすることができる。
本発明のシーク制御にあっては、4サンプルに亘るヘッドのシーク開始位置から目標位置までの制御において、シーク終了後にオーバーシュート及びアンダーシュートがほとんど見られないことから、4サンプルの制御が終了した時点、即ちコアス時間直後で整定状態となることが、かなりの割合を占める。通常、コアス時間により目的位置に到達した後の整定判定は、例えば次の4つの条件を満足するか否かで行っている。これを第1整定判定条件とする。
【0133】
第1整定判定条件
▲1▼現在の位置誤差の絶対値が0.1トラック以下。
▲2▼現在位置と1サンプル前の位置との差の絶対値が0.09トラック以下。
▲3▼現在の位置誤差の2倍から1サンプル前の位置誤差を引いた値の絶対値が
0.11トラック以下。
【0134】
▲4▼前記3つの条件▲1▼〜▲3▼を全て満足する状態が4サンプル連続。
図32(A)は、この整定判定条件を満足する1トラックシークのシーク時間の頻度分布を実験により求めた結果であり、シーク時間はサンプル数8の部分に約90%が集中している。
ところが本発明のシーク制御にあっては、指定された4サンプルの制御が終了した後のオーバーシュートとアンダーシュートがほとんど見られないことから、第2整定判定条件として単純に位置誤差の大きさでシーク時間を判定する。即ち、第2整定判定条件をシーク終了時の位置誤差が±0.1トラック以内とし、この第2整定判定条件によるシーク時間を実験により求めてみると、図32(B)のような結果となる。即ち、図32(B)にあっては、サンプル数4付近に整定条件を満足してシーク終了となる確率が約90%と非常に高いことが分かる。
【0135】
図33(A)は、第1整定判定条件についてのサンプル数で決まる時間に対するエラーレートの測定結果であり、また図33(B)は、第2整定判定条件によるサンプル数で決まる時間に対するエラーレートの測定結果であり、位置誤差のみを条件とした第2整定判定条件による図33(B)の整定判定で十分なエラーレートが確保されていることが分かる。
【0136】
このような指定サンプル数に従ったシーク制御の終了時点で、位置誤差のみの判定で十分な整定判定が得られることに基づき、本発明にあっては、図13のフローチャートのステップS6〜S8に示したように、リードシークについてはステップS7で第2整定判定条件である位置誤差のみの整定判定を行い、リード許容範囲にヘッド位置が収まっていれば、直ちにステップS8でリード許可を与えるようにしている。
【0137】
これに対しライトシークについては、シーク終了後のオーバーシュートに起因した位置ずれによってデータを誤って消去する危険性があることから、図13のステップS10において、前述した第1整定判定条件による判定処理を行う。
図34は、本発明によるシーク制御と従来のシーク制御について、ライトシークで使用される第1整定判定条件での距離が1トラックの時のシーク時間の測定結果の確率分布であり、図35に同じくエラーレートを示している。図34にあっては、従来のシーク時間が確率分布248に示すようにほぼガウス分布となって、しかもサンプル数15という比較的長いシーク時間を必要としている。
【0138】
これに対し本発明にあっては、確率分布240に示すように、サンプル数8付近に約95%が分布し、確率分布もサンプル数8に集中したピーク的な特異な分布を持っている。従って、第1整定判定条件によるライトシークにあっても、従来の15〜16サンプルに対し8サンプルと、ほぼ半分のシーク時間に短縮できることが確認されている。
(2)FF波形のキャリブレーション
本発明のシーク制御で使用するFF電流は、シーク後の速度が0になるならば、計算式で求まる値にシーク距離及びループゲイン分の補正を施すだけでよい。しかしながら実際には、FF電流が加速電流と減速電流で波形面積が異なるような場合には、シーク後の速度は0にならない。
【0139】
図36は、本発明で使用するFF電流の補正の手順を示している。まず図36(A)のFF電流162は、計算式から求められた波形であり、この波形によるシーク制御で図36(D)のようなヘッド軌道164が得られる。このヘッド軌道164は、ゲイン不足で目標位置となる1.0トラックに移動できず、元に戻る部分164−1を生じている。
【0140】
そこで図36(B)の電流波形166のように、電流の振幅を変化させ、図36(E)のように、ヘッド軌道168をフラットな部分168−1となるように補正する。更に図36(B)の波形では、目標位置となる1.0トラックに達していないことから、図36(C)の波形170のように、更に振幅を増加させ、図36(F)のヘッド軌道172のように、目標位置となる1.0トラックに到達して整定するように電流波形を調整する。
【0141】
図37は、コントローラにおける演算処理のタスクによる時間遅れを考慮したFF電流波形の補正である。シーク命令を受信した直後のサンプルタイミングでは、シーク制御に必要な初期計算を多数実行しなければならないため、それ以降のサンプルタイミングに比べ、VCMに対し電流を出力するタイミングが遅れる。
【0142】
事前に時間遅れが予測できれば、最初のサンプルタイミングの電流値を時間遅れ分だけ補正する。図37(A)は、最初のサンプルタイミングT1で図37 (B)のように、初期計算のために比較的時間のかかるタスク174−1を行い、時刻t2で処理を終了して、図37(C)に示すように、最初のVCM電流を流す。
【0143】
この時の時刻t1からの遅れ時間をTd2とする。これに対し、本来はそれより短い遅延時間Td1でFF電流178を流すことを予定していたとする。そこで、遅延時間Td1に対する遅延時間Td2の差分即ち178の部分に相当する面積を時刻t2からの電流値に上乗せすることで補正したFF電流を使用する。これによって、最初のサンプルタイミングの初期計算に時間が掛かって最初のFF電流の出力に遅れを生じても、この遅れによる影響を受けることなく、正しいFF電流をVCMに流すことができる。
【0144】
またFF電流の調整としては、事前にシーク方向により異なる摩擦力が測定できれば、その摩擦力を考慮した補正をすることが望ましい。更に、FF電流における加速電流と減速電流の波形が異なる場合には、加速電流及び減速電流を使った開ループ制御によるシークを行った後の速度を測定し、加速側または減速側のどちらかを増減することでシーク終了時の速度を零に修正してもよい。
【0145】
図38は、本発明のシーク制御についてマルチレート制御を行った場合のタイムチャートである。即ち、図5のシーク制御にあっては、FF電流のみを1/2サンプル周期ごとに変化させているが、図38のマルチレート制御については、これに加えて目標位置軌道とその修正についても、1/2サンプル周期ごとに処理を行うようにしたことを特徴とする。
【0146】
即ち、時刻t1,t4,t7のサンプルタイミングごとにヘッド位置を検出して目標位置との差をとり、1フィードバック制御による電流値を計算して、そのときのFF電流と加算してVCMに電流を出力する。更に、マルチレート制御によりサンプルタイミングの間のVCMの動作を予測して目標位置との差をとって電流を計算し、これにFF電流を加えて、図38(C)のように、例えば時刻t1のサンプルタイミングに同期した図38(B)のタスク182−1による時刻t2の電流出力に対し、サンプル周期T1の半分のT/2遅れた時刻t3で、タスク184−1で求めた電流をずらしてVCMに供給する。
【0147】
時刻t4〜t6のサンプルタイミングの間についても、時刻t5のタイミングで同様にしてマルチレート制御によるVCM電流の出力を行う。更に、時刻t7〜t9の間の時刻t8のタイミングについても同様である。
このマルチレート制御におけるサンプルタイミング間での目標位置の予測は、目標位置と実際の位置との位置誤差を0として計算する方法、次のサンプルタイミングの位置との間の補間により求める方法、予め設定した計算式に従って目標位置を生成する方法などが使用できる。
【0148】
このようなマルチレート制御との併用により、更に高精度のFF電流の出力に合わせた位置フィードバック制御が実現でき、シーク終了後のオーバーシュート及びアンダーシュートの発生をより確実に抑えることができる。
図39(A)〜(E)は、本発明で使用するFF電流波形をサンプル数について表わしている。即ち図39(A)はサンプルクロックであり、これに対応して図39(B)は2サンプル周期の三角波FF電流188、図39(C)は3サンプル周期の三角波FF電流190、図39(D)は4サンプル周期の三角波FF電流、更に図39(E)は5サンプル周期の三角波FF電流194である。
【0149】
図40(A)〜(E)は、図40(A)のサンプルクロックと共に、図40 (B)〜(E)と同様、矩形波FF電流について、2サンプル周期、3サンプル周期、4サンプル周期、及び5サンプル周期の各FF電流196,198,200,202を示している。
図41(A)〜(E)は、図41(A)のサンプルクロックに対し、図41 (B)〜(E)に台形状のFF電流波形について、2サンプル周期、3サンプル周期、4サンプル周期、5サンプル周期のそれぞれのFF電流204,206,208,210を示している。
【0150】
図42は、図42(A)の2サンプル周期のサンプルクロックに対し、図42(B)(C)(D)のそれぞれに、途中に0区間214をもった三角形FF電流212、矩形FF電流216及び台形FF電流218を示している。
図43(A)は、途中に0区間を設けない場合の矩形FF電流220であり、前半の加速電流と後半の加速電流の面積が同じにならない。これに対し図43 (B)のように途中に0区間228を設けた場合には、破線の理想的な矩形電流波形に対し実線の実際の電流波形226の相違が前半の加速側と後半の減速側で同じになり、加速電流と減速電流の相似性を確保することができる。
【0151】
したがって、FF電流の波形歪みによって前半の加速電流と後半の減速電流が相似にならない場合には、図42(B)〜(D)に示すような途中に0区間をもった三角形、矩形または台形のFF電流を使用することが望ましい。
図44は、本発明のシーク制御による1トラックシークにおいて、FF電流を1サンプル間に1回変化させる場合のFF電流波形を示す。図44(A)のサンプル周期のサンプルクロックに対し、例えば5〜10サンプルタイミング(4〜9サンプル周期)を使用する。図44(A)(B)は、5サンプルタイミング (4サンプル周期)の場合であり、矩形FF電流420、零区間をもつ台形FF電流42を使用する。三角形FF電流424の場合は、図44(D)のように、7サンプルタイミング(6サンプル周期)となる。これに零区間を設けた三角形FF電流426は、図44(E)にように、8サンプルタイミング(7サンプル周期)となる。
【0152】
以上のような製造段階でのキャリブレーションの最終目標は、シーク時間を最短とするように調整することである。シーク時間は図33(A)のライトシーク、図33(B)のリードシークに示したように、エラーレートを測定することで正確に比較することができる。したがって、キャリブレーションの最終段階で行う目標位置軌道の修正について、行った修正が最適か否かを判断するためにエラーレートを測定し、エラーレートが一定の値でのシーク時間を求めて比較することで、最適な目標位置軌道の修正値を決めることができる。
(3)運用段階のキャリブレーション
図45は、図15のステップS4〜S7の運用段階の処理における自動キャリブレーションの詳細を示したフローチャートである。
【0153】
図45において、自動キャリブレーションは、まずステップS1で、本発明のシーク制御の有無をチェックしており、シーク制御が行われるとステップS2に進んで、シーク時間の計測処理を行う。シーク結果の記録はシーク距離ごとに分けて行う。図46は、例えば1.0トラックのシーク距離を例にとってシーク時間の計測結果の記録を行う計測用バッファの例を示している。
【0154】
この実施例にあっては、例えば経過時間5分ごとのシーク時間を記憶する4つのバッファ284−1〜284−4を設けており、各バッファはサンプル数4,5,6,7,8,・・・で決まる各シーク時間の回数を記録する領域を備えている。例えば、バッファ284−1は現時点におけるシーク時間を記録し、バッファ284−2は5分前のシーク時間を記録しており、バッファ284−3は10分前のシーク時間を記録しており、更にバッファ284−4は15分前のシーク時間を記録している。
【0155】
そして現在時刻でのバッファ284−1での記録時間が5分を経過すると、最も古い15分前のバッファ284−4の内容を消去し、シーク時間の回数を記録する処理を繰り返す。これによって現在時刻から15分間に亘るシーク時間の各回数の記録状態が常に保持できる。
再び図45を参照するに、ステップS2でシーク時間の計測ができたならばステップS3に進み、シーク時間の計測結果から同一シーク距離におけるシーク時間の回数の確率分布を生成する。具体的には、図32(A)(B)に示したように、シーク時間はライトシークとリードシークに分けて計測結果を記憶しており、それぞれのシーク時間の回数の確率分布を図32(A)(B)のように生成する。
【0156】
次にステップS4に進み、指定した確率のシーク時間が予め定めた基準時間をオーバーしたか否かチェックする。例えば図32(B)のリードシークを例にとると、指定確率として例えば80%を指定し、この指定確率の基準時間を例えば4サンプルとする。このため、ステップS3で求めた実際のリードシークの確率分布について、指定確率80%を超える確率分布の時間が基準時間である4サンプルを超えて増加するか否かをキャリブレーション判定基準とすることになる。
【0157】
ステップS4で指定確率のシーク時間が基準時間をオーバーした場合には、キャリブレーションの必要があるものと判断し、ステップS5で位置制御のループゲインを測定する。このループゲインの測定は、全トラックでキャリブレーション対象となったシーク距離のシーク制御を行って、そのときのループゲインを測定して平均値を求める。次にステップS6で、実測されたループゲインが製造段階で設定された正しいループゲインの値に一致しているか否か比較し、不一致の場合にはループゲインがずれていることから、正しい値にループゲインを補正する。
【0158】
ループゲインの補正処理が済んだならばステップS7に進み、FF電流の調整を行う。
図47は、図45のステップS7で行うFF電流の調整処理のフローチャートである。このFF電流の調整を可能とするため、本発明のディスク装置にあっては、ROMに予め図39(B)〜(E)、図40(B)〜(E)、及び図41 (B)〜(E)のそれぞれに示した三角波、矩形波、及び台形波のFF電流をサンプル数3,4,5,6ごとに予め記憶しているものとする。
【0159】
図47のFF電流の調整にあっては、まずステップS1で三角波、矩形波、台形波の3種類の内の特定の電流波形を選択し、ステップS2で、選択したFF電流とこれに対応する目標位置軌道に基づいて、例えば1.0トラックのシーク制御を行い、ステップS3でシーク時間を計測する。この場合のシーク制御とシーク時間の計測処理は、図48のフローチャートのように、全トラックの全セクタについてシーク時間を測定して、その平均値を算出する。
【0160】
即ち、図48のシーク時間計測処理にあっては、まずステップS1で所定のシーク開始トラックにシークした後に、ステップS2で、そのトラックの開始セクタか否かチェックし、予め指定した開始セクタに達すると、ステップS3で、予め指定したトラック数分のシーク例えば1.0トラックシークを行い、ステップS4で、そのシーク時間を測定する。
【0161】
1セクタ分のシークが済むと、再びステップS5で元の開始トラックに戻し、ステップS6で全セクタのシーク時間の計測を終了するまで、ステップS7で開始セクタを1つアップしながら、ステップS2〜S5の処理を繰り返す。
ステップS6で全セクタのシーク時間の計測が終了すると、ステップS8に進み、全トラックの計測を終了したか否かチェックし、終了していない場合には、ステップS9でシーク開始トラックを1つアップし、ステップS2からの処理を繰り返す。
【0162】
全トラックの計測が終了するとステップS10に進み、測定されたシーク時間から平均シーク時間を算出する。なお全てのトラックの全セクタについてシーク時間の計測を行うことは処理に時間がかかることから、例えば特定のトラックを指定して全セクタのシーク時間を計測して、その平均シーク時間を算出するようにしてもよい。
【0163】
再び図47を参照するに、ステップS3でシーク時間の計測が終了したならば、ステップS4に進み、全ての波形についてのシーク時間計測処理が済んだか否かチェックし、済んでいなければステップS5で次のFF波形を選択して、ステップS2からの処理を繰り返す。ステップS4で全波形のシーク時間の計測が終了したならば、ステップS6で、最小となるシーク時間のFF波形を選択する。
【0164】
続いてステップS7で、選択したFF波形の最小時間が所定の基準時間以下か否かチェックする。基準時間以下であればステップS8に進み、最小時間となる選択されたFF電流の波形を最適波形として登録する。
一方、ステップS7で基準時間を超えていた場合には、FF波形の選択ではシーク時間に改善が見られないことから、ステップS9に進み、最小時間となったFF波形の周期を変化させ、ステップS10で、周期を変化させたFF波形と目標位置軌道を使用したシーク制御を行って、ステップS11でシーク時間を計測する。
【0165】
この場合のシーク制御によるシーク時間の計測も、図48のフローチャートに従って全トラックの全セクタについて行ったシーク時間の計測結果の平均値を使用する。ステップS11でシーク時間の計測が済んだならば、再びステップS7に戻り、波形周期を変えたことによるシーク時間が基準時間以下か否かチェックする。
【0166】
基準時間以下であればステップS8に進み、周期を変化させた波形を最適なFF波形として登録する。なおステップS9における波形周期の変化は、装置の共振周期を考慮し、共振周期にあまり近付けない範囲で変化させる必要がある。
ここで図45の自動キャリブレーションにあっては、シーク時間を計測し、各シーク距離におけるシーク時間の回数の確率分布からキャリブレーションの必要性を判断しているが、各シーク距離のシーク時間の計測結果から図33(A) (B)に示したようなライトシーク及びリードシークのシーク時間に対するエラーレートのカーブを求め、エラーレートのカーブが予め定めた許容範囲を超えた場合にキャリブレーションを実行するようにしてもよい。
【0167】
また別のキャリブレーションの判断として、各シーク距離ごとの基準シーク時間を定めておき、この基準シーク時間をオーバーする割合を求め、オーバーする割合が所定値を超えたときにキャリブレーションを行うようにしてもよい。この場合、基準シーク時間をオーバーする割合を求める際に、全回数でオーバーした回数を単純に割算してもよい。更に、割算の代わりに
1≧(基準範囲内でのシーク時間の回数)/2n >0.5
1≧(基準範囲外でのシーク時間の回数)/2m >0.5
となるn,mを求め、ある定数M0 を定め、
n≧m+M0
となる条件を比較判定してもよい。
【0168】
この条件を満足する場合には、エラーレートが1/2のM0 以下であることが保証できる。このように基準値よりも大きいか否かをキャリブレーションの判断基準とすれば、異なるシーク距離の場合であっても同一のカウンタでシーク時間の回数が計測でき、シーク距離ごとのシーク時間の回数の記録が不要であることから、シーク時間の回数の計測結果の記憶管理が簡単にできる。
4.長距離シーク制御の引込み制御
図49は、本発明によるFF電流の開ループ制御と目標位置軌道及びその修正値を用いた位置フィードバック制御を、従来の速度制御から位置制御に切り替えるときの引込み制御に用いた実施例である。
【0169】
図49において、長距離シーク制御部272は、例えば13トラック以上のシーク距離について、速度制御に従ってアクチュエータ18のVCMに電流を流すシーク制御を行う。即ち、シークコマンドを受領し、シーク距離が13トラック以上であった場合には、ヘッド位置信号による現在位置から目標位置までの残りトラック数(トラックディファレンス)に応じ、予め定めた目標速度テーブルから対応する目標速度を読み出し、速度フィードバック制御を行うことによりヘッドを目標位置に移動する。
【0170】
長距離シーク制御部272による速度制御によるヘッド移動で、目標位置までの残りトラック数が予め定めた一定距離例えば1トラック手前となったとき、切替制御部275を起動し、FF電流、目標位置軌道、及び位置制御に従った引込み制御を行う。
この引込み制御の際に使用するFF電流、目標位置軌道は、切替制御部275で生成される。切替制御部275は、長距離シークから引込み制御に切り替える際の速度を検出する速度検出部274、切替時の速度を0とするための電流−I1及びその電流−I1によるシーク距離L1を算出する第1演算部276、目標位置までの距離L0から第1演算部276で演算したシーク距離L1を差し引いたシーク距離L2についてのFF電流と目標位置軌道を演算する第2演算部278、第1演算部276と第2演算部278の各電流及び目標位置軌道をそれぞれFF電流設定部56及び目標位置軌道設定部58に出力する加算部280を備える。
【0171】
切替制御部275に続いて設けられた回路部は、図5の本発明の短距離シーク制御を行うための回路部と同じであり、設定制御部54、FF電流設定部56、目標位置軌道設定部58、修正値設定部60、加算点62、位置制御部64、加算点66で構成される。加算点66に続いては、長距離シーク制御部272の速度制御による電流を加算するための加算点282が設けられている。
【0172】
図50は、図49の実施例におけるシーク制御のフローチャートである。まずシーク距離が12トラック以下となる短距離シークについては、図13のステップS4と同じである。これに対し13トラックを超える長距離シークについては、ステップS14で通常の速度制御によるシーク制御を行った後、ステップS15で残り距離が指定範囲内、例えば1.0トラック手前に達したことを判別すると、ステップS16に進み、切替制御部275に従った引込みシーク制御を行う。引込みシーク制御後の整定判定を伴う一連の処理は図13と同じである。
【0173】
図51(A)〜(F)は、図49の切替制御部275によるFF電流及び目標位置軌道の設定処理であり、目標位置までの制御期間を4サンプルに設定した場合を例にとっている。まず切替制御部275の第1演算部276は、引込みシーク制御に切り替えた際の速度検出部274で検出された切替時のヘッド移動速度Vを目標位置までに0とする電流−I1を算出し、且つ、この電流−I1をアクチュエータ18に流したときの目標位置軌道を算出する。
【0174】
図51(A)は、第1演算部276で算出される制御切替時のヘッド速度Vを0とするための電流−I1の電流波形252を示している。この電流波形252をアクチュエータ18のVCMに流すことで、図51(D)のヘッド移動軌道256を与える目標位置軌道254を求める。
この目標位置軌道254によるシーク距離L1は、目標位置までのシーク距離L0 より小さく、目標位置の途中でヘッド移動速度が零となっている。図48の第2演算部278は、目標位置までのシーク距離L0 から第1演算分276で喪とめたシーク距離L1 を差し引いたシーク距離L2(=L0 −L1)について、ヘッドを目標位置に移動させるためのFF電流及び目標移動軌道を算出する。
【0175】
図51(B)は、シーク距離L2、3サンプル周期でシーク制御する際のピーク電流I2をもつFF波形258であり、図51(E)は、このFF電流波形258をアクチュエータ18のVCMに流したときの目標位置軌道260である。図49の加算部280は、第1演算部276と第2演算部278で演算した図51(A)の電流252と図51(B)のFF電流258を加算した図50(C)に示すFF電流262を求め、設定制御部54を介してFF電流設定部56に設定する。
【0176】
また加算部280は、第1演算部276で演算した図51(D)の目標位置軌道254と第2演算部278で演算した図51(E)の目標位置軌道260を加算した図51(F)の目標位置軌道264を、設定制御部54を介して目標位置軌道設定部58に設定する。
このため切替後の引込み制御にあっては、図51(C)のFF電流が1/2サンプルタイミングごとに加算点66に与えられてアクチュエータ18のVCMに電流を流し、同時に図51(F)の目標位置軌道264が各サンプルタイミングごとに加算点62に与えられてヘッド位置との誤差が求められ、この誤差に応じた位置制御部64による位置フィードバック制御が行われ、4サンプルでヘッドを目標位置に制御して引き込むことができる。
【0177】
図52は、図50におけるステップS16の引込みシーク制御のフローチャートである。まずステップS1で、速度検出部274が切替地点の速度V0 を測定する。次にステップS2で、第1演算部276が速度V0 を目標位置の手前のT1時間で0とする電流I1を算出する。次にステップS3で、電流I1をT1時間流したときの位置L1を算出する。即ち、L1=0.5×I1×BL/m×T1として求める。
【0178】
次にステップS4で、第2演算部278が目標位置までのシーク距離L0 からステップS3で算出した位置L1を差し引いたシーク距離L2について、指定されたサンプル数で変化するFF電流I2及び目標位置軌道をROMのテーブルから読み出して決定する。続いてステップS5で、加算部280が各サンプルタイミングでの電流値をI0 =I1+I2として求め、また各サンプル点での目標位置軌道をL0 =L1+L2として求める。
【0179】
続いてステップS6でサンプルタイミングを判別し、各サンプルタイミングごとに、ステップS7でVCM電流を計算して出力する。即ち、加算電流I0 にループゲインとバイアスを補正したVCM電流を計算して出力する。続いてステップS8で、指定サンプル数に達したか否かチェックし、指定サンプル数に達していなければ、ステップS9でサンプル数のカウンタCNTを1つアップし、ステップS6でサンプルタイミングに達するごとにステップS7のVCM電流の計算出力を繰り返し、ステップS8で、指定された4サンプル目で通常の位置制御に切り替えて引込みを終了する。
5.衝撃センサによる監視
図53は、本発明によるシーク制御中に装置に加わる衝撃を検知してシークエラーを回避するようにした実施例である。図53において、ディスクエンクロージャ12とコントロールユニット10で構成された本発明のディスク装置には、更に衝撃センサ270が設けられている。
【0180】
衝撃センサ270としては、例えば加速度センサを使用する。衝撃センサ270で検出された衝撃の強さ例えば加速度は、シーク制御中にMPU24で監視され、許容値以上の衝撃が検知された場合には、衝撃による振動が収束した状態となるまでの整定判定を行うようにしている。
図54のフローチャートは、図53の衝撃センサ270を設けた場合の本発明によるシーク制御の処理である。シーク制御そのものは、図49の通常のシーク制御による目標値の手前で本発明のシーク制御を用いた引込み制御を行う場合の処理を例にとっている。もちろん、図13に示した短距離シーク制御について適用してもよいことは勿論である。
【0181】
図54のフローチャートにあっては、リードシーク側について新たにステップS100,S101の処理により衝撃センサによる衝撃検出の有無をチェックし、所定値を超える衝撃があった場合には、ステップS101で衝撃センサの検出値が規定値以下に低下するまでの整定判定処理を行い、その後にステップS8でリード許可を出すようにしている。
【0182】
一方、ライトシークについては、ステップS10の整定判定条件によって、規定値を超える衝撃があっても十分な判定処理が可能である。
更に、衝撃が極端に大きくシーク制御が不要となるような大きな位置ずれが生ずるような場合には、シーク制御を途中で停止し、ヘッド移動速度を常に零とするような速度制御を行って、衝撃によるヘッドの移動を抑え、その後にリトライ動作によりシーク制御を行うようにしてもよい。
6.その他
本発明の実施形態にあっては、FF電流の波形周期を決める場合の共振として、ヘッドのアクチュエータの共振周期を考慮したが、VCMやスピンドルモータを取り付けているディスクエンクロージャ(筐体)の共振を測定できる場合には、FF電流を筐体の共振についても影響を与えないように波形と周期を設定することが望ましい。
【0183】
更に、ディスク装置に音量を測定するセンサもしくは筐体の振動を測定する振動センサを取り付け、音量もしくは振動を最小とするようにFF電流の波形と周期を決めるようにしてもよい。更に、装置の運用段階で共振周波数を測定し、共振周波数に変化が生じている場合に、この変化に対応してFF電流の周期及び波形を修正または変更し、更に装置ごとに微妙な異なった共振周波数のずれに対応したFF電流の周期及び波形を決めることが望ましい。
【0184】
更に、共振周波数がサンプリング周波数の2分の1より大きい場合、即ちナイキスト周波数よりも大きい場合には、共振周波数がナイキスト周波数で折り返されて見える。このため、共振周波数が測定できていれば、このナイキスト周波数による折返しを考慮した最適なFF電流の周期の設定が可能である。
一方、図4に示したサーボパターンから読み出されるヘッド位置信号N,Qは、例えば媒体欠陥やリードヘッドのコア幅に対しトラック幅が大きかった場合には、一時的にヘッド位置に対応した位置信号が得られなくなる場合がある。このように位置信号が正常に得られなくなるサンプルタイミングでサンプリングした位置信号を使用してシーク制御を行うと、エラーを起こすことになる。
【0185】
したがって、位置信号が正常に得られないタイミングが予め分かっていれば、その場所を通過する際にヘッドは目標位置軌道に正確に追従しているものと仮定したシーク制御を行えばよい。またヘッド位置信号が正確に得られないタイミングで生ずるシーク後のオーバーシュート及びアンダーシュートを予め測定し、このオーバーシュート及びアンダーシュートをなくすように目標位置軌道の修正値を設定させてもよい。
【0186】
更に上記の実施例は、ディスク媒体の回転速度が5400rpm、1トラック当たりのサーボフレームを60フレームとしてサンプリング周期185.6μsとした場合を例にとっているが、サンプリング周期はディスクの回転数と1トラック当たりのサーボフレームの数により適宜に決まる値であり、実施形態の数値による限定は受けない。
【0187】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、シーク命令による12トラック以下の短距離シーク、望ましくは1〜4トラック程度の短距離シークについて、機械共振、シーク距離の差、シーク方向の差、回転同期ランアウト及び回転非同期ランアウト等の影響を受けることなく、高速なシーク制御が実現できる。特に1トラックや2トラックなどの短い距離のシーク制御にあっては、コアス時間を4サンプル(3サンプル周期)、整定を含めたシーク時間を10サンプル(9サンプル周期)程度に抑えることができ、セクタサーボによってヘッド位置信号が得られるサンプル周期が長くなったディスク装置であっても、高速なシーク制御を実現することができる。
【0188】
更に、本発明の1,2トラック等の短い距離のシーク制御を、長い距離のシーク制御を行う速度制御に従った通常速度制御の目標位置への引込み制御に組み合わせることで、速度制御によるシーク制御の整定を高速に実現することができる。
更に、装置の運用段階において、シーク時間が予定した性能を下回るような場合について、自動的にキャリブレーションを実行して最適シーク条件に回復させることができ、装置の安定的な性能保証が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明のディスク装置の構成図
【図3】ディスクのサーボフレームの説明図
【図4】サーボフレームと復調されるヘッド位置信号の説明図
【図5】本発明の短距離シーク制御の基本構成のブロック図
【図6】図5のFF電流、目標移動軌道及び軌道修正の設定処理の実施形態のブロック図
【図7】図6のフォワードテーブルの説明図
【図8】本発明によるシーク距離とサンプル数の対応の説明図
【図9】図6のシーク距離修正処理部のブロック図
【図10】回転同期ランアウトとシーク距離の関係の説明図
【図11】図6のヘッド切替修正部のブロック図
【図12】図5の短距離シーク制御のタイムチャート
【図13】図2のシーク制御の全体処理のフローチャート
【図14】図13の短距離シーク制御のフローチャート
【図15】本発明のキャリブレーションの手順のフローチャート
【図16】共振を調べるためのシミュレーションモデルの説明図
【図17】図16のシミュレーションモデルの周波数特性図
【図18】シミュレーションに使用する方形波FF電流の説明図
【図19】FF電流波形の周期によるシーク後の振動状態の説明図
【図20】本発明のシーク制御に使用する三角波FF電流波形の説明図
【図21】FF電流として方形波と三角波を与えた場合のシーク後の振動振幅と周期の関係の説明図
【図22】本発明の短距離シーク制御のフローチャート
【図23】ループゲインを変化させたときの実験結果の説明図
【図24】ループゲインを変化させたときの実験結果の説明図(続き)
【図25】ループゲインを変化させたときの実験結果の説明図(続き)
【図26】目標位置を故意にずらしたときの実験結果の説明図
【図27】目標位置を故意にずらしたときの実験結果の説明図(続き)
【図28】目標位置軌道を変化させたときのシーク後の位置誤差の応答関係の説明図
【図29】フォワード方向とリバース方向でシーク制御の実験結果の説明図
【図30】シミュレータで得られたシーク距離、シーク方向に応じた目標位置軌道の修正値の説明図
【図31】本発明のシーク制御を用いて1トラックシークを作った時のコアス制御終了時の到達位置の変動の説明図
【図32】本発明のシーク制御について2種の整定判定条件を用いたシーク時間の頻度分布の説明図
【図33】本発明のシーク制御について2種の整定判定条件を用いたシーク時間のエラーレートについての頻度分布の説明図
【図34】本発明と従来のシーク制御のシーク時間の頻度分布の説明図
【図35】本発明と従来のシーク制御のシーク時間のエラーレートについての頻度分布の説明図
【図36】本発明で使用するFF電流波形のキャリブレーションの手順の説明図
【図37】本発明の第1サンプル目で流す電流のタイミング遅れを補正するFF電流波形の補正の説明図
【図38】1/2サンプルタイミングでFF電流に加え目標位置軌道を予測して位置制御するマルチレート制御のタイムチャート
【図39】サンプル数に対する三角波FF電流波形の説明図
【図40】サンプル数に対する方形波FF電流波形の説明図
【図41】サンプル数に対する台形波FF電流波形の説明図
【図42】途中に零区間を設けたFF電流波形の説明図
【図43】零区間の有無によるFF矩形波電流と実電流の歪みとの関係の説明図
【図44】1サンプル間に1回電流を変化させる場合のFF電流波形の説明図
【図45】装置の運用段階で行う自動キャリブレーションのフローチャート
【図46】図45のシーク時間の計測で使用する計測バッファの説明図
【図47】図45のFF波形の調整処理のフローチャート
【図48】図47で行うシーク時間計測処理のフローチャート
【図49】通常の長距離シークの引込み制御に本発明を適用した実施形態のブロック図
【図50】図49のシーク制御のフローチャート
【図51】図49の切替制御部によるFF電流と目標位置軌道の算出処理の説明図
【図52】図49の切替制御部による引込み制御のフローチャート
【図53】衝撃センサを用いた本発明の実施形態のブロック図
【図54】衝撃センサを用いたシーク制御のフローチャート
【図55】シーク時間、コアス時間、整定時間の定義の説明図
【図56】従来装置の回転同期ランアウト及び回転非同期ランアウトを計測した結果の説明図
【図57】従来装置のトラック間隔の変動幅を計測した結果の説明図
【符号の説明】
10:コントロールユニット
12:ディスクエンクロージャ
14:ディスク
16:スピンドルモータ
18:アクチュエータ
20:ボイスコイルモータ(VCM)
21,22:ヘッド
24:MPU
26:ROM
28:RAM
30:キャッシュRAM
32:インタフェースコントローラ
34:スピンドルモータドライバ
36:VCMドライバ
38:サーボデコーダ(サーボ復調回路)
42:リード/ライトユニット(データ復調回路/データ変調回路)
44:バス
46:データ面
48i,48i+1:トラック
50i,50i+1:サーボフレーム
51:サーボマーク
52:トラックアドレス
53:サーボパターン
54:設定制御部
56:FF電流設定部(フィードフォワード電流設定部)
58:目標位置起動設定部
60:修正値設定部
62,66,282:加算点
64:位置制御部
74−1:フォワードテーブル
74−2:リバーステーブル
76:修正演算部
80:テーブル修正部
90:シーク距離修正処理部
100:ヘッド切替修正処理部
132:回転同期ランアウトテーブル
138,142:演算部
140:ヘッドオフセットテーブル
146:FF電流
148−1:加速電流
148−2:減速電流
150:目標位置軌道
152:目標位置軌道修正
154:ヘッド軌道
270:衝撃センサ
272:長距離シーク制御部
274:速度検出部
275:切替制御部
276:第1演算部
278:第2演算部
280:加算部

Claims (26)

  1. トラック情報とサーボパターンを含むサーボフレームがトラック上に離散的に記録されたディスク媒体と、
    前記ディスク媒体に対しヘッドを移動させるアクチュエータと、
    電流により動作して前記アクチュエータを駆動するモータと、
    前記ヘッドの読取信号からヘッド位置信号とトラック情報を所定のサンプル周期毎に検出するサーボ復調手段と、
    上位装置からシーク命令を受けた際、指定された目標位置に向けて前記ヘッドを移動して位置決めさせるシーク制御手段と、
    を備えたディスク装置に於いて、
    前記シーク制御手段は、
    上位装置からのシーク命令が所定シーク距離以下の場合、前記シーク命令に対応して前記ヘッド位置信号のサンプル周期の複数周期に亘る短距離コアス制御期間を設定し、該短距離コアス制御期間の制御開始時を含む各サンプルタイミング毎に制御動作を指示する設定制御手段と、
    前記短距離コアス制御期間で前記ヘッドをシーク開始位置から目標位置に移動させるに必要なフィードフォワード電流の値を、前記短距離シーク期間の制御終了時を除くサンプルタイミング毎に予め保持し、前記設定制御手段の指示に従ってサンプルタイミング毎に対応する電流を前記モータに流す電流設定手段と、
    前記電流設定手段のフィードフォワード電流によるヘッド移動軌道の各サンプルタイミング毎の位置を目標位置として予め保持し、前記設定制御手段の指示に従ってサンプルタイミング毎に該当する目標位置を出力する目標位置軌道設定手段と、
    前記目標位置軌道設定手段の目標位置の修正値をサンプルタイミング毎に予め保持し、前記設定制御手段の指示に従ってサンプルタイミング毎に該当する修正値を出力する修正値設定手段と、
    前記サンプリングタイミング毎に、前記目標位置を前記修正値で修正して現在位置との誤差を求め、該位置誤差に基づいて修正後の目標位置に追従するように前記モータに電流を流して位置のフィードバック制御を行う位置制御手段と、
    を備えたことを特徴とするディスク装置。
  2. 請求項1記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、加速電流と減速電流を出力し、該加速電流の流し始めから減速電流を流し終るまでの時間で決まる電流波形の周期を、前記位置制御手段の周波数帯域より高い共振周波数をもつ前記アクチュエータの共振周期より長く設定し、更に前記加速電流と減速電流の波形を相似形としたことを特徴とするディスク装置。
  3. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記電流波形の周期を、前記位置制御手段の周波数帯域より高い共振周波数をもつ筐体の共振周期より長く設定したことを特徴とするディスク装置。
  4. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記加速電流と減速電流の最大値の絶対値を同一としたことを特徴とするディスク装置。
  5. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記加速電流と減速電流との間に電流零の区間を設けたことを特徴とするディスク装置。
  6. 請求項2乃至5の何れかに記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記加速電流と減速電流として三角波状の電流波形を出力することを特徴とするディスク装置。
  7. 請求項2乃至5の何れかに記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記加速電流と減速電流として矩形波状の電流波形を出力することを特徴とするディスク装置。
  8. 請求項2乃至5の何れかに記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記加速電流と減速電流として台形波状の電流波形を出力することを特徴とするディスク装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載のディスク装置に於いて、前記設定制御手段で設定する短距離コアス制御期間を、シーク距離に応じたサンプルタイミングの数としたことを特徴とするディスク装置。
  10. 請求項9記載のディスク装置に於いて、指定されたシーク距離が1トラック長の時には、前記設定制御手段で設定する短距離コアス制御期間を2〜6サンプルタイミングとし、フィードフォワード電流を1サンプルの間に複数回変化させることを特徴とするディスク装置。
  11. 請求項10記載のディスク装置に於いて、指定されたシーク距離が1トラック長の時には、前記加速電流と減速電流として三角波状の電流波形を出力し、加速電流と減速電流との間に電流零の区間を設け、
    前記設定制御手段で設定する短距離コアス制御期間を5サンプルタイミングとすることを特徴とするディスク装置。
  12. 請求項9記載のディスク装置に於いて、指定されたシーク距離が1トラック長の時には、前記設定制御手段で設定する短距離コアス制御期間を5〜10サンプルタイミングとし、フィードフォワード電流を1サンプルの間に1回変化させることを特徴とするディスク装置。
  13. 請求項12記載のディスク装置に於いて、1トラック長のシーク距離の時には、前記加速電流と減速電流として三角波状の電流波形を出力し、加速電流と減速電流との間に電流零の区間を設け、
    前記設定制御手段で設定する短距離コアス制御期間を8サンプルタイミングとすることを特徴とするディスク装置。
  14. 請求項10乃至13の何れかに記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、前記サンプルタイミングとその間に設定した1又は複数のタイミングの各々について、前記フィードフォワード電流の値を保持し、前記各タイミング毎に該当する電流を出力することを特徴とするディスク装置。
  15. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記電流設定手段は、シーク開始タイミングの電流出力が遅延した場合、該遅延時間分の電流を補うように電流値を高くして出力することを特徴とするディスク装置。
  16. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、前記シーク命令に基づいたシーク距離を短かめに修正した修正シーク距離について、前記フィードフォワード電流による目標位置軌道を求めて各サンプルタイミングの目標位置としたことを特徴とするディスク装置。
  17. 請求項16記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、前記フィードフォワード電流から求められるヘッド移動軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置として、シミュレーションにより修正した値を用いることを特徴とするディスク制御装置。
  18. 請求項16記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、前記フィードフォワード電流から求められる目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置として、キャリブレーションにより修正した値を用いることを特徴とするディスク制御装置。
  19. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、シーク方向に応じて前記目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置を保持することを特徴とするディスク装置。
  20. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、シーク距離に応じて前記目標位置軌道の各サンプルタイミング毎の目標位置を保持することを特徴とするディスク装置。
  21. 請求項2記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、ディスク回転に同期したトラック位置変動によるオフセット測定値を全トラックに共通なセクタ位置毎に保持し、シーク開始セクタの前記オフセット測定値と目的セクタの前記オフセット測定値に基づいてシーク命令に基づくシーク距離を修正し、修正したシーク距離について前記フィードフォワード電流による目標位置軌道を求めて各サンプルタイミングの目標位置を保持したことを特徴とするディスク装置。
  22. 請求項21記載のディスク装置に於いて、前記目標位置軌道設定手段は、シーク命令に基づくシーク距離の目標位置軌道における各サンプルタイミングの目標位置を、シーク開始セクタと目的セクタとのオフセット測定値の比率に応じて修正することを特徴とするディスク装置。
  23. 請求項2記載のディスク装置に於いて、更に、前記シーク制御手段の短距離コアス制御によるシーク時間の統計情報に基づいて自動的にキャリブレーションを行うキャリブレーション手段を設けたことを特徴とするディスク装置。
  24. 請求項23記載のディスク装置に於いて、前記キャリブレーション手段は、前記短距離シーク制御毎に、シーク開始から整定待ち終了までのシーク時間をシーク距離毎に計測して保持する時間測定手段と、
    同一シーク距離のシーク時間の確率分布を求め、所定の確率を与えるシーク時間が、予め定めた基準時間よりも長い場合にキャリブレーションを起動する起動手段と、
    前記起動手段によるキャリブレーションの起動を受けて、所定のキャリブレーションを実行するキャリブレーション実行手段と、
    を設けたことを特徴とするディスク装置。
  25. 請求項23記載のディスク装置に於いて、前記キャリブレーション実行手段は、前記位置制御手段のループゲインを測定し、測定ループゲインが初期設定した最適値から外れていた場合、該最適値にループゲインを補正することを特徴とするディスク装置。
  26. 請求項23記載のディスク装置に於いて、前記キャリブレーション実行手段は、
    複数のフィードフォワード電流及び複数のフィードフォワード電流の各々に対応した目標位置軌道の設定値を選択して前記短距離シーク制御を行うことでシーク時間を計測し、前記複数のフィードフォワード電流の中で最もシーク時間が短いフィードフォワード電流を選択して前記電流設定手段に保持させることを特徴とするディスク装置。
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