JP3874715B2 - 香り発生器および香り発生装置 - Google Patents

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Description

【発明が属する技術分野】
【0001】
本発明は、薄型、小型で、香り発生効率が高く、取り扱い易い香り発生器、および、当該香り発生効率を更に高めると共に、利用者に香りを効率よく提示する香り発生装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
従来の香り発生器、あるいは、香り発生装置は、大きく自然揮発式と強制揮発式とに分けられる。自然揮発式としては、液体香料の入った瓶にロープを入れ、ロープの先端を瓶から少し出し、ロープに染み込んだ液体香料を空気中で自然に気化させる方式が良く知られている。構造は簡単だが、空気に触れる面積が限られるため、気化量が少なく、強い香りが得られないという問題がある。また、瓶を倒すと液がロープを伝ってこぼれると言う問題もある。更に、液体香料は1種類に限られ、例えば、複数の香りの中からその日の気分で香料を選んで使うことは困難である。
【0003】
他の自然揮発式としては、繊維やフェルト布材などに液体香料を染み込ませ、専用のケースに入れて使用するものがある。通常、利用者は、専用ケースから当該繊維やフェルト布材をピンセットなどで取り出し、スポイトなどで液体香料を染み込ませ、ケースに戻して使用する。従って、面倒であり、液を扱う際に手が汚れ易い、また、上記ロープ式と同様、気化力が弱いという欠点がある。小形扇風機を組み合わせて気化力を高める方式もあるが、風が効率良く液体香料にあたらないため、強い香りは得にくいという問題がある。
【0004】
強制揮発式としては、霧吹きの原理を利用したディフューザと呼ばれる香り発生装置が良く知られている。管の一方を液体香料に浸し、管の他方を細くして先端に空気を吹き付ける。液体香料は吹き付けられた空気で管の上端まで上がり、吹き飛ばされて霧状になる。その霧を硝子容器の中で循環させ、大きな液体香料粒子を落下させて排除した後、微粒子を気化させ香りを容器から放出する。一旦粒子にした後に気化させるので、気化力は高く強い香りが得られるが、霧吹き機構が複雑なため、小型に製造することは難しく、製造コストも高くなりやすい。また、容器が汚れた際には、洗浄が面倒である。また、液体香料を霧状にして硝子容器内を循環させる際に、当該液体香料は空気に触れて劣化するという問題もある。劣化した液体香料の使用は、特に天然香料において望ましくないため、ランニングコストは高くなる。また、液体香料溜めには通常1種類の液体香料しか入らないため、香りを組み合わせることは難しい。また、霧吹き量を変化させて、香り濃度を変化させることも構造上難しい。さらに、空気の吹き付けにはエアーポンプを使用するが、ポンプは振動と音を伴うため、静寂性、環境性にも問題がある。
【0005】
以上のように、従来の香り発生器または香り発生装置は、簡単な構造のものでは、香り発生効率が悪い、香りの品質が悪いなどの問題があり、複雑な構造のものでは、小型化が難しい、高価である、メンテナンスが難しい、香料の消費量が多い、などの問題がある。また、共通する問題として、香りを効率よく発生させ、利用者に的確に提示することが難しい更に、複数の香りを組み合わせて複雑な香りを調合することが難しいなどが挙げられる
【0006】
【特許文献1】
特開平10−295439
【特許文献2】
特開平11−178909
【特許文献3】
特開平07−172477
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の状況に鑑み、本発明の目的は、薄型、小型で、香り発生効率が高く、取り扱い易い、香り発生器を実現すること、および、当該香り発生器を用い、香り発生効率を更に高めると共に、利用者に香りを効率よく提示する香り発生装置を実現することである。
【0008】
技術的な課題は、(1)液体香料の吸蔵性が高く、気化効率がよい構成であること、(2)気化香料を外部に効率よく放出すること、できれば、気化香料を拡散させずに、固まりとして放出することである
【課題を解決するための手段と作用】
【0009】
<手段1>
本発明の香り発生器は、例えば、図1、図2、図4、図6、図8、図10、図11、図12に対応付けて説明すると、液体香料吸蔵板(例えば、図1の100、または、図8の107)と、当該液体香料吸蔵板に接するように設けられたカバー板(例えば、図1の200、201)とから構成され、当該液体香料吸蔵板は、液体香料を吸収し蓄えるとともに空気を通過させる網状線材(例えば、図2の101、102、図6Bの103、104)または多孔質素材(例えば、図8の107)で構成され、当該カバー板は、複数の空気穴(例えば、図1の202)が設けられ、当該空気穴の大きさ及び形状は、皮膚が当該空気穴に触れた際に、皮膚の変形によって当該空気穴に侵入する当該皮膚が前記液体香料吸蔵板に到達しないように設定され、かつ、表面から裏面に向かって、即ち、皮膚が接する面から液体香料吸蔵板と接する面に向かって、当該空気穴が大きくなるように構成される(例えば、図1、図4、図6c、図8、図10、図11、図12)ことを特徴とする。具体的には、当該穴の容積は、前記穴に侵入する当該皮膚の体積より大きくなるように設定される。
【0010】
<手段2>
本発明の香り発生器は、前記手段1において、前記カバー板と前記液体香料吸蔵板との間の前記空気穴を前記液体香料の気化促進空間とすることを特徴とする。
【0011】
<手段3>
本発明の香り発生器は、例えば、図1、図3、図6B、図7、図8に対応付けて説明すると、液体香料吸蔵板(例えば、図1の100)と、当該液体香料吸蔵板に接するように設けられたカバー板(例えば、図1の200、201)とから構成され、当該液体香料吸蔵板は、液体香料を吸収し蓄えるとともに空気を通過させる網状線材または多孔質素材で構成され、当該カバー板は、複数の空気穴が設けられ、当該空気穴の大きさ及び形状は、皮膚が当該空気穴に触れた際に、皮膚の変形によって当該空気穴に侵入する当該皮膚が前記液体香料吸蔵板に到達しないように設定され、かつ、当該液体香料吸蔵板は、カバー板の空気穴に連結される空気通過領域(例えば、図3のAirH)が選択的に撥水性材料(RC)で構成される、または、当該空気通過領域の網目間隔が周辺に比べ疎になるように構成され(例えば、図6B、図7、図8)、前記空気穴から入った空気が当該空気通過領域を介して縦方向または横方向に気流を形成することを特徴とする。
【0012】
前記手段3において、前記網状線材(例えば、図6の103、104)の網目間隔は、密なる部分と疎なる部分の組み合せで構成してもよい。
【0013】
前記手段1から前記手段3において、前記液体香料吸蔵板は、網状線材にあっては、線材数Nが1mm幅当たり50本以下の範囲で網状に構成され、多孔質素材にあっては、当該穴数Mが1mm幅当たり50個以下の範囲に構成され、カバー板の厚さtは0.5〜2.0mmの範囲に構成され、かつ、空気穴の表面の径dは0.2〜3.0mmの範囲が望ましい。更に、dが1/N(mm)または1/M(mm)より大なる条件を満たしていることが望ましい。
【0014】
前記手段1から前記手段3において、前記液体香料吸蔵板(図6の100)は、複数の網状線材を重ねた多層構造であって、当該網目密度が層の中心ほど密になっていることが望ましい。
【0015】
前記手段1から前記手段3において、前記液体香料吸蔵板は、領域が複数に分割され、当該分割された所定の領域に供給された液体香料は、当該所定領域のみに拡散し蓄積されるように構成してもよい(例えば、図14の108、図15の110、図16の111)。
【0016】
前記手段1から前記手段3において、前記カバー板の空気穴の形状は、図4に示すように円形、図12に示すように、四角、三角、その他の形状が可能である。また、図10に示すように、表面から裏面に向かって穴の面積が変化する構成でもよい。また、表面と裏面の形状を変えることができる。構成上重要な点は、図11に示すように、表面に比べて裏面(液体吸蔵板側)の気化空間が広くなるようにすることである
【0006】
前記手段1から前記手段3において、カバー板の空気穴(図1の202)の近傍、または、液体香料吸蔵板の通気孔(図3のAirH)は、フッ素系樹脂等の撥水性材料(RC)で構成できる。
【0018】
<手段1から手段3の作用>
前記構成要素は以下のように作用する。網状線材(図2の101、102、図6Bの103、104)または多孔質素材(図8の107)で構成された前記液体香料吸蔵板の一部に滴下された液体香料は、毛細管現象によって、当該吸蔵板内に吸収され、板面方向に速やかに拡散して蓄えられる。また、当該液体香料吸蔵板の網目は密な部分と疎な部分が存在するため、当該液体香料に局部的に加わる力は不均一であり、従って、網目が液体香料で一様に満たされることは少なく、液が溜まる部分、液が溜まらない部分ができる。液の無い部分は、空気が通過する通気孔となる。
【0019】
図1において、カバー板(200、201)の空気穴(202)は、皮膚と接する側の穴の面積は小さいため、皮膚がカバー板に接触した際、当該穴の中にめり込む皮膚の量は少ない、即ち、皮膚が液体香料吸蔵板に接触することを回避できる。
【0020】
図1または図6cにおいて、当該空気穴の構成(202)は、当該カバー板(200、201)が液体香料吸蔵板(100)と接する際、カバー板の接触面積を小さくする。従って、液体香料が空気に触れる面積を大きくすることができ、当該香料が気化しやすい状態を作る。
【0021】
また、当該空気穴(202)の構成は、気化した香り(ガス状香料)を当該穴の中に満しやすい。即ち、当該空気穴は、香りを溜める空間として機能する。この部分に気流を当てると、濃度の高い当該香りがカバー板の外に放出される
【0022】
また、当該空間に溜まる香りは、図6cに示すように、香り発生器の厚さ方向、即ち縦方向に流れるのみならず、図11に示すように、カバー板の空気穴から入って、別の空気穴から出る、即ち横方向に流れるようにすることもできる。従って、縦方向、または、横方向に気流を当てて香りを放出することができる
【0023】
以上のように、本発明の液体香料吸蔵板(100)とカバー板(200、201)とからなる香り発生器の構成は、供給された液体香料を蓄積する容器として機能するとともに、気化した香料を一時的に溜め、カバー板に空気を当てた際、気化香料を効率よく放出するように作用する。
【0024】
図1に示すように、カバー板の厚さtを0.5〜2.0mmにした場合、実施例で示すようにアクセサリーへの加工がしやすい。空気穴の表面の径dが0.2mm以上の場合、香りがカバー板から出やすい。dを3mm以下にすると、カバー板(201)に皮膚(500)が触れた際、皮膚が空気穴(202)を通過して吸蔵板(100)に達することは少ない。
【0025】
図2、または、図6Bに示すように、網状線材密度Nが50本/mm以下の場合、液体香料の吸蔵特性に優れ、かつ、液体香料による目詰まりが少なく、風通しが良い。また、d>1/N(mm)にすることによって、気化した香りはカバー板から速やかに外に放出されやすい。
【0026】
図6Aに示すように、液体は、網目密度が細かい方に向って拡散する性質がある。従って、網状線材吸蔵板の中心部の網目密度を高くすることによって、液体香料は中心部に向って拡散し、中心部に留まろうとする力(保持力)が強くなる。つまり、液漏れを起し難い安全な構造になる。
【0027】
図6Aに示すように、カバー板の空気穴の近傍が撥水性材料(RC)で構成されると、当該空気穴付近の液体香料の表面張力は高まるため、当該液体香料は当該液体香料吸蔵板内に保持される。即ち、当該液体香料の漏れを防止し、カバー板の液体容器としての機能を高める。
【0028】
図3に示すように、液体香料吸蔵板の通気孔(AirH)が撥水性材料(RC)で構成されると当該撥水性材料がコーティングされた部分は液体香料が吸蔵されにくいため、通気孔(AirH)がより確実に形成され、当該液体香料吸蔵板の空気通過特性は極めて良い。
【0029】
仮に、撥水性材料のコーティングがないと、液体香料吸蔵板が液体香料で満たされやすい。この場合、カバー板の空気穴から入った空気は行き場がなく、気流が通過しにくい。しかし、図3のように、カバー板の空気穴に連結される空気通過領域(AirH)が選択的に撥水性材料(RC)で構成されると、通気孔は整然と点在し、その周辺に液体香料(301)を吸蔵させることができる。また、気流は当該液体香料の近くを通過するため、液体香料は気化しやすい状態が作られる
【0030】
ここで、前記手段1から前記手段3に係る作用に関して、従来例と比較し特徴を補足説明する。特開平10−295439には、空気穴を設けたカードに精油を含浸させ、当該カードをカードホルダ(カバー板)に収容して芳香浴を楽しむ携帯型のアロマカードユニットの構成が開示されている。また、特開平11−178909には、香りシートを覆うように空気穴を多数設けたカバー厚紙で覆い、香料が被服に付着するのを防止しつつ、香りを発生させる芳香シートが開示されている。いずれのカバー板も複数の空気穴が設けられ、液体香料が人に直接接触するのを防止するように構成されている。また、特開平7−172477には、密なる部分と疎なる部分の組み合わせで構成される常温揮発性薬剤用含浸シートが開示されている。
【0031】
前記3つの従来例は、薄型、小型、取り扱いが容易で、安価な香り発生器実現を目的にしている点は、本発明と類似している。
【0032】
しかし、本発明では、薄型、小型で、取り扱いが容易、安価に加えて、香り発生効率および放出効率が高い香り発生器を実現することを目的にしている。このため、カバー板の空気穴を前記のように特殊な構造、即ち、香料が気化しやすいようにカバー板と液体香料吸蔵板との間の空間が広くなるような構造にしている。また、気流が、当該空間を低抵抗で、縦方向、横方向に通過できるようにしている。気化した香りは当該空間に溜められ、気流を当てることにより、高い濃度で放出される従来例に比べて、香りの発生効率、放出効率ははるかに高い
【0033】
<手段4>
本発明に係わる請求項4に記載の香り発生装置は、例えば、図21、図24に対応付けて説明すると、前記手段1から前記手段3に記載の香り発生器を用い、当該香り発生器に縦方向(図6c参照)または横方向(図11)の気流を当てることにより、気化香料を放出することを特徴とする。
【0034】
<手段4の作用>
前記構成要素は以下のように作用する。例えば、図21において、カバー板(200、201)には、多数の空気穴(202)があり、液体香料吸蔵板(113)には微小通気孔が多く存在する。従って、当該カバー板に気流を当てると、当該気流は、一方のカバー板(201)の空気穴を通過し、液体香料吸蔵板の通気孔を通過し、他方のカバー板(200)の空気穴を通過する。つまり、気体は、香り発生器の厚さ方向(縦方向)に流れるこの際、液体香料が気化していれば、当該香りは、前記気流に乗って放出される。また、カバー板の空気穴は、吸蔵板と接する側が大きな空間を持つため、気流がないとき香りを溜めるように作用する。カバー板に気流を当てると、当該香り溜め領域に気流が発生し、当該香りは空気穴から放出される。このため、空気の入れ替えが起き、気化が促進される
【0035】
<手段5>
本発明に係わる請求項5に記載の香り発生装置は、例えば、図21、図22、図24、図26に対応付けて説明すると、前記手段1から前記手段4に記載のいずれかの香り発生器を用い、当該香り発生器を加熱する手段を備え、当該加熱手段は、縦方向または横方向に気流を通過せしめる空気穴を多数有することを特徴とする。
【0036】
当該加熱手段(505)の空気穴から入った気体が前記カバー板の空気穴(202)を通過するように設定されることが望ましい
【0037】
また、図28に示すように、カバー板または液体香料吸蔵板には、発熱性導電体を用い、当該導電体に通電することで、当該カバー板または液体香料吸蔵板を加熱し、これによって、液体香料を加熱しても良い。
【0038】
また、加熱手段は、遠赤外線を発生する手段が利用できる。2.53〜3.0μm、または、5.0〜7.0μmの波長の遠赤外線が望ましい。カバー板または液体香料吸蔵板の近傍に、カーボン素材を用いた発熱物体を設け発熱させると、当該、カーボン素材からは、当該波長を含む強い遠赤外線が放出される。
【0039】
<手段5の作用>
前記構成要素は以下のように作用する。例えば、図26において、加熱手段505は、香り発生器(007)を温める。カバー板(200、201)、または、液体香料吸蔵板(113)を加熱すると、熱は液体香料に伝わる。液体香料は、通常、精油原液か、もしくは、精油原液を水、アルコールなどで希釈して使用するが、加熱すると、精油、水、アルコールはそれぞれ気化しやすい。本香り発生器の構造は板状で、液体香料を薄く広い面積で吸蔵しているため、カバー板または液体香料吸蔵板が加熱されると、この熱は直ぐに液体香料に伝わる。
【0040】
カバー板(200、201)と液体吸蔵板(113)の間には大量の気化香料が溜まる。加熱手段には、多数の空気穴が設けられ空気抵抗が小さいため、瞬間気流発生手段(514)の気流を阻害することがない。従って、前記気化香料は二点鎖線のように効率よく放出される。明確な香りの環状固まり(香り玉)を作ることができる。
【0041】
本発明に用いる加熱手段は、本香り発生器が縦方向、横方向に気流を通過せしめる機能を有することを踏まえて、同様な性質、即ち、縦方向または横方向に気流を通過せしめる空気穴を多数有する加熱手段を用いることが望ましい香り発生器と当該加熱手段が一体となって、香りを効率よく放出することができる
【0042】
液体香料は、通常、精油原液か、もしくは、精油原液を水、アルコールなどで希釈して使用するが、2.53〜3.0μm、5.0〜7.0μmの波長の遠赤外線を用いると、水分子は共振し、エネルギーの共鳴吸収が起きるため、水の気化は促進される。この際、水に解けた香り分子も気化する。特に、6.27μmは、水分子と共振しながら水のクラスターをこわして大量のマイナスイオンを発生させる。従って、マイナスイオンが大量に含まれた香りを発生させることができる。
【実施例】
【0043】
図1は、本発明の香り発生器の実施例で、当該香り発生器の断面および概観を示している。
【0044】
同図において、001は本発明の平板形香り発生器である。100は液体香料吸蔵板、200はカバー板(上)、201はカバー板(下)、300は液体香料供給手段である。これらが本発明の主要な構成部品であり、同図には下線を引いて示している。400は本香り発生器から発生される香り、500は人の肌などの熱源である。
【0045】
当該液体香料吸蔵板100は、網状線材を3枚重ねることによって構成されており、各々、A層、B層、C層としている。なお、本発明で、吸蔵とは、液体香料を吸収して蓄える意味として用いる。
【0046】
当該カバー板200、201には多数の空気穴202が設けられている。203は、カバー板(上)とカバー板(下)を接続するボルトである。カバー板201、201は、共に厚さが0.5mm〜2.0mm程度が望ましい。
【0047】
図1において、カバー板(上)200には、液体香料供給口302と供給口の蓋303が設けられている。蓋を開けて香料を供給する。
【0048】
液体香料供給手段300は、スポイトなどでも良いが、図1では、液体香料301の入った液体香料溜め304、当該液体香料301を吸い出してノズル307に送るポンプ305、当該ポンプを動作させる取っ手306、および、前記香料供給口302から構成されている。
【0049】
図2は、当該実施例の構成要素である網状線材の液体香料吸蔵板の上面図である。同図において、101は前記A層、C層に対応する網状線材であり、102は前記B層に対応する網状線材である。101および102は1mmあたり3本から50本の線材で同図のように格子状に編まれるが、B層に対応する102は、A層、C層に対応する101に比べて線幅が密で目が細かい。301は液体香料で網目に吸蔵された状態を示している。
【0050】
ここで、当該実施例の使用方法および香り発生原理について説明する。図1において、液体香料供給手段300の取っ手306を押すと、ポンプ305が作動し、適量の液体香料がノズル307から香料供給口302に供給され、液体香料吸蔵板100に吸収される。当該吸収された液体香料は、毛細管現象によって液体香料吸蔵板内を平面状に拡散する。一点鎖線308は、当該液体香料吸蔵板内を拡散していく液体香料の拡散パスである。
【0051】
ここで、液体香料吸蔵板は、前記のように、網状線材A、B、C層から構成されるが、B層の密度が高いので、液体香料はより細い網目のB層に溜まろうとする。このように、液体香料はB層を中心にA層、C層に吸蔵される。なお、網状線材は細かければ細かいほど良いと言う訳ではなく、細か過ぎると、拡散速度が遅くなり、上記のような吸蔵が起きない場合がある。図2に示すように、1mmあたり3本から50本の線材で格子状に編むのが良い。
【0052】
液体香料は、図1の一点鎖線で示したように、拡散しているときは液体香料吸蔵板の線材周辺を流れる。従って、当該線材の網目は一時的に液体で満たされるが、液体の流れが止むと液体に加わる表面張力は不均一なため、液体香料の溜まりができる。この様子を図2の301に示す。網状格子に液体香料の溜まりができると、当該溜まりの周辺には微小空間ができ、空気が通過する通気孔となる。
【0053】
ここで、図1に示すように、当該平板形香り発生器001の近くに、人の肌のような熱源500があると、当該人の肌の近傍で温められた空気は、二点鎖線のような経路でカバー板(下)201の空気穴を通過し、液体香料吸蔵板100の前記通気孔を通過し、カバー板(上)200の空気穴202を通過して、香り400となって外に出る。なお、400は、液体香料吸蔵板100の中に蓄積された液体香料が当該吸蔵板を突き抜ける気流によって気化して、香りガスになる様子を示す気流パス(経路)である。以上が、本発明の香り発生器の基本的な動作である。
【0054】
次に、図2で示した網状線材を用いた液体香料吸蔵板において、液体香料を吸蔵する部分と空気が通過する部分(通気孔)をより確実に作る方法について述べる。
【0055】
図3は、当該実施例の構成要素である網状線材の液体香料吸蔵板に通気孔を作るため撥水性材料を塗布した例である。同図(ア)の実線は撥水性材料を塗布してない線材を示し、破線は撥水性材料RCを塗布した線材を示す。同図(イ)は(ア)に液体香料を多量に吸蔵させたときの様子である。液体香料301は実線で示す線材の周辺に吸蔵され、破線で示す撥水性材料が塗布された線材の周辺には存在しない。つまり、実線で示す網状線材部分は、液体香料を吸蔵するための孔EssHを形成し、破線で示す網状線材部分は通気孔AirHを形成している。以上のようにして、液体香料吸蔵板の中に吸蔵部分と通気部分を分けて作ることができる。分けることによって、空気の通過特性は大幅に向上する
【0056】
図4は、当該実施例の構成要素であるカバー板の拡大図である。同図では、カバー板の空気穴202が拡大して示してあり、当該空気穴の径は、当該カバー板の表面側202−1から裏面側202−2に向かって大きくなっている。このように、当該カバー板の表面側は空気穴の径が小さく、裏面側は大きい方が望ましい。また、表面側の当該空気穴の径d1は、0.2mm〜3.0mm程度が望ましい。
【0057】
当該空気穴の特徴的な形状の作用について説明する。先ず、本香り発生器001に手が触れた場合について説明する。図4において、カバー板の空気穴の径は、皮膚が触れる側(表面202−1)の方が小さい。従って、皮膚は、穴の中に大きく入り込むことはない。径d1が0.2mm〜3.0mm程度で、カバー板の厚さが0.5mm〜2.0mmであれば、通常の接触では皮膚は吸蔵板に達することはない。従って、手や皮膚に香料が付着し汚染されることはない。皮膚が香料で刺激されることが少ないので安全である。
【0058】
次に、図4において、裏面202−2の穴径が大きくなっている理由について説明する。カバー板の裏面は液体香料吸蔵板100と接触している。ここで、仮に、カバー板と液体香料吸蔵板との接触面積が大きいと液体香料が空気と触れる面積は少なくなり気化し難くなるが、本実施例では、カバー板裏面の穴径を大きくしているので、カバー板と液体香料吸蔵板との接触面積は小さく、液体香料が空気と触れる面積が大きくなっている。このため、液体香料は気化しやすい
【0059】
以上の作用について、図1のカバー板の断面構造図を用いて更に詳細に説明する。同図のように、カバー板の表面は空気穴の径が小さく、裏面は空気穴の径が大きい。従って、カバー板は液体香料吸蔵板と小さな面で接触している。このように、カバー板200、201と吸蔵板100との間に大きな空間ができているため、当該空間は気化した香りガスを蓄えることができる。ここで、当該空間を気流が通過すると、当該蓄えられた香りガスは、空気穴202から400の二点鎖線のように外に導かれる
【0060】
本発明では、液体香料吸蔵板に蓄えた液体香料がカバー板の空気穴から容易に漏れることはないが、その理由について説明する。図1において、液体香料吸蔵板100は3層構造になっており、内側のB層の目が、外側のA層、C層の目よりも細かい。一般に液体は毛細管現象によって、目の細かい方に拡散する力が働くため、液体香料は層の内側に留まろうとする。従って、液は外側には移動しにくく漏れ難い。
【0061】
更に、カバー板の空気穴からの液漏れをより完璧に防止するためには、図4において、カバー板の空気穴202の内部および液体香料吸蔵板100と接触する側の面をフッ素系樹脂などの撥水性材料RCでコーティングすることが望ましい。
【0062】
図5は、カバー板の空気孔をより単純な構造にして、当該空気穴の近傍に撥水性材料をコーティングした場合の作用を説明する図である。カバー板と液体香料吸蔵板の断面を示している。
【0063】
同図において、205はカバー板(下)、309は液体香料を示す。なお、空気穴は、図1の場合とは異なって、表面から裏面に向かって同じ大きさの場合を示している。同図(ウ)は、空気穴の周辺にコーティングのない場合、同図(エ)は、空気穴の周辺にフッ素系樹脂などの撥水性材料RCがコーティングされている場合である。205の周辺に破線で示した部分がRCをコーティングした部分である。
【0064】
液体香料吸蔵板100に吸蔵された液体香料が溢れ出ようとした場合、撥水性材料がコーティングされていない(ウ)のケースでは、香料309は空気穴の壁を伝って同図のように外に出てしまうことがあるが、撥水性材料RCをコーティングした(エ)のケースでは、空気穴部分の液体の表面張力が高くなるため、同図のように液体香料は半球状になり液体香料吸蔵板内に留まる。
【0065】
以上のように、本香り発生器001は、液体香料を薄い板状の液体香料吸蔵板に蓄えると共に、空気の通過を容易にしているため、香り発生効率は極めて高い。
【0066】
次に、各部品の構成素材について説明する。網状線材吸蔵板101、102は、液体香料によって化学変化が起きにくい素材が望ましく、具体的には、アルミニウム、ステンレス、カーボンファイバー、グラスファイバー、金合金、プラチナ合金などが適している。特にカーボンファイバーは、加熱することによって、遠赤外線を放出し、液体香料の気化を促進する作用がある。また、プラスチック、絹などを用いることも可能である。
【0067】
カバー板200、201は、液体香料で化学変化を起こさないだけでなく、軽く、変形自在で、美しいものが良い。具体的には、色硝子、カーボン、ステンレス、金合金、銀合金、銅合金などが適している。また、曲げに対する柔軟性のある素材として、プラスチックを用いることもできる。更に、フッ素系樹脂の薄い板に空気穴を形成してカバー板にしても良い。この場合、空気は通すが液体は通しにくい性質のカバー板が実現できる。
【0068】
液体香料としては、植物性香料、動物性香料、化学合成香料、および、これらを組み合せた調合香料が適用可能である。具体的には、植物性香料として、シトラス系、フルーティ系、グリーン系、フローラル系、ウッディ系、動物性香料として、ムスク系、アンバー系、シベット系、また、合成香料として、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ラクトン類、芳香族類などが適用できる。
【0069】
図6は、液体香料吸蔵板100の他の実施例で、図6Aは、香り発生器001の断面図、図6Bは、網状線材で構成された液体香料吸蔵板103、104の上面図、図6Cは、液体香料吸蔵板の断面拡大図で、図6Bの破線部分を紙面に垂直に切断したときの模式図である。図6Cにおいて、液体香料吸蔵板103(A層)は網目が比較的粗く、104(B層)は網目が細かい。
【0070】
図6Aにおいて、破線で示すRCは、カバー板201、202の空気穴の周辺にコーティングした撥水性材料を示している。全ての空気穴の周辺にコーティングを施すが、同図では、一箇所のみを示している。また、カバー板201、202と液体香料吸蔵板100の間の接合部は、電気溶接して両者を一体化してもよい。接着することにより、香り発生器としての扱いが容易になる。AKは発光ダイオードなどの発光手段、CHはフォトトランジスタなどの受光手段である。AKとCHは組み合わされてフォトカプラを構成している。
【0071】
図6Bにおいて、103は、液体香料吸蔵板100のA層、C層に対応する網状線材、104は、B層に対応する網状線材である。同図のように、103、104は、各々、網目が密の部分と疎の部分が交互になるように構成されているのが特徴である。また、104の網目の密な部分は、103の網目の密な部分に比べて、密度がより細かくなっている。
【0072】
103と104は、図6Cのように重ねられて液体香料吸蔵板を構成するが、網目の密部分の縦と横が交叉する領域EssHは、液体香料を吸蔵するための微小孔の集まり吸蔵孔を構成している。また、網目の疎部分の縦と横が交叉する領域AirHは、空気が通過する通気孔を構成している。このように液体香料吸蔵板の製造において、線間隔の密の部分と疎の部分を作ることによって、吸蔵部と通気部を作ることができる
【0073】
当該液体香料吸蔵板100(A,B,C層)に液体香料を供給すると、香料は当該吸蔵板内を流れるが、流れが止んだ時点で、当該液体香料309は、網目の密な領域EssHに集中して蓄えられる。同状態を図6Cの断面拡大図で見ると、香料309は、網目の細かい部分に偏在し、その回りには空間が作られていることが分かる。当該空間が通気孔AirHである
【0074】
図6Cにおいて、気流をカバー板(下)201から当てると、当該気流は二点鎖線のように、201の空気穴から入り、AirHを通過し、カバー板(上)200の空気穴202から抜ける。この際、香料309の一部は気化して前記気流に混入するので、二点鎖線のような経路で香り400となる。本実施例では、液体香料が網目の密な領域に偏在し、その周辺を気流が通過するので、液体香料が空気と触れる面積は極めて大きく気化しやすい。従って、香りを効率良く発生させることができる
【0075】
ところで当然のことながら、液体香料吸蔵板100は、液体香料の最大吸蔵量が決まっており、これを超えて吸蔵することはできない。仮に、当該最大吸蔵量を超えて液体香料を供給した場合においては、カバー板に撥水性材料がコーティングしてあったとしても当該液体香料は溢れてしまう。
【0076】
図6Cにおいて、発光ダイオードなどの発光手段AKとフォトトランジスタなどの受光手段CHからなるホトカプラは、液体香料吸蔵板に液体香料を限度以上供給しないための監視手段である。AKの光軸が、CHの光軸とずれて構成されているのが特徴である。
【0077】
同図において、当該液体香料の液量の監視と供給制御は以下のようにして行われる。香料が網目の密な部分を一様に満たしていない場合には、発光手段AKから出た光は直進するため、CHには到達しない。一方、液体香料吸蔵板に蓄えられた液体香料の量が増え、網目の密な部分が一様に満たされてくると、図6CにTNで示すような光路が発生し、AKの光は受光手段CHに捉えられるようになる。
【0078】
ここで、CHの受光量と液体吸蔵量との関係を比較用データとして予め用意しておくと、CHの受光量から当該比較用データを参照して、その時点の吸蔵液量を検出できる。設定目標値と比較し、差分があって不足していると判断される場合には、香料の供給を継続することができる。また、当該受光量が設定目標値となった、あるいは、超えた場合には、液体の供給を止めるように制御することができる。なお、これらの制御は、図6には示していない制御回路を用いて行う。以上のように、CHの受光レベルで、吸蔵限界か否かを判断し、吸蔵限界を超える前に液体香料の供給を止めれば、液漏れは防止できる。
【0079】
図7は、液体香料吸蔵板の他の実施例である。網状線材の液体香料吸蔵板の上面図と、当該網状線材吸蔵板を3枚重畳した構成の拡大図を示している。
【0080】
同図において、105、106は、チェックパターン構造の網状線材液体香料吸蔵板である。実線の密の部分は多くの線材で構成された部分、疎の部分は線材がない、または、少ない部分を示している。通常は、これらを3枚ないし、5枚程度重ねて使用する。
【0081】
この際、同図のように、層の中心部に密度の高い液体香料吸蔵板を配置することが望ましい。図7の線材密度が高い部分は、液体香料を吸蔵するための吸蔵孔EssHが多数形成され、線材密度の少ない疎の部分は、空気が通過しやすい通気孔AirHが形成されている。また、105S、106Sは、吸蔵板を重ねる際に、隙間が生じるようにするためのスペーサである。
【0082】
当該チェックパターン構造の網状線材液体香料吸蔵板は、ステンレスや貴金属の薄板からパターン印刷技術とエッチング技術を用いて製造される。即ち、パターン印刷技術を用いて線が必要な部分には非溶解塗料を塗布した後、当該金属板を溶解する液に漬け、エッチングによって、当該非溶解塗料が塗られていない不要な部分を溶解して削除する。更に、最後に前記非溶解塗料を取り除けば、当該構造の液体香料吸蔵板が得られる。
【0083】
あるいは、金型を用い樹脂やカーボン材を成形して作ることも可能である。前記エッチング技術や当該成形技術を用いることで、複雑な網目パターンの液体香料吸蔵板を得ることができる。この設計は、できるだけ多量の液体香料を吸蔵し、かつ、液体香料と空気との接触面をできるだけ大きくし気化を促進する方向が望ましい。
【0084】
図8は、多孔質素材の液体香料吸蔵板を用いた平板形香り発生器の実施例である。
【0085】
同図において、002は平板形香り発生器、107は、多孔質素材を用いた液体香料吸蔵板、200はカバー板(上)、201はカバー板(下)、303は液体供給口に設けた蓋、107のEssHは多孔質素材である107自体が備えている液体を吸蔵するための吸蔵孔、AirHは107に設けた空気を通過させるための通気孔である。香り発生の様子を二点鎖線で示す。一方のカバー板の空気穴から入った空気が、液体香料吸蔵板を通過する際に香料が混じり、他方のカバー板を出る際に香りとなって放出される。
【0086】
AKは発光ダイオードなどの発光手段、CHはフォトトランジスタなどの受光手段で、両者はフォトカプラを構成している。225はAKを取り付けるためのセンサ口、TN1はAKの光が入射する部分、TN2は当該光をCHに出射する部分で、TN1とTN2は光の経路を示す。
【0087】
図9は当該多孔質素材の液体香料吸蔵板の上面図である。同図において、301は液体香料、302は香料供給口、310の一点鎖線は多孔質素材吸蔵板内を液体香料が拡散する様子を示す香料の拡散パス例である。
【0088】
本香り発生器の動作を説明する。図8において、液体香料301は、液体供給口の蓋303を開けて供給口から供給される。当該液体香料は107内を、図9に示すように、面方向に拡散する。拡散中は、EssH、AirHが液で満たされることもあるが、液が拡散した後において、香料はEssHの部分に主に吸蔵され、AirHの部分にはあまり残らない。つまり、EssHに吸蔵された液体香料の周辺には、空気が通過する穴AirHが発生する
【0089】
ここで、図8において、カバー板201に気流を当てると、気流の一部は、空気穴から入り、AirHを通って、カバー板200の空気穴202から出る。この際、EssHに吸蔵された液体香料が当該気流によって気化し、濃度の高い香りとなって202から出る
【0090】
次に、液体香料吸蔵板の液体香料の吸蔵量を監視する仕組みについて説明する。図8において、107に液体香料が吸蔵されていない状態では、TN1からTN2に至る経路が、同図のように曲がっているため、AKの光は、CHに届かない。一方、吸蔵板107のEssHが液体香料によってある程度満たされてくると、TN1からTN2に至る経路にも当該液体香料が入るため、光路が生じ、AKの光は、TN1、TN2を通りCHで受光される。
【0091】
受光レベルで吸蔵されている液体の量が推定できる。また、受光レベルが予め設定している値を超えた場合に、香料の供給を中止するように制御することによって、最大吸蔵量を超えて液体香料が107から溢れることはなく、また、当該液体香料が香り発生器から漏れることはない。
【0092】
図10は、平板形香り発生器の他の実施例で、カバー板の空気穴を特殊な形状にしたものである。同図において、206はカバー板(上)、207はカバー板(下)、208は空気穴、100は液体香料吸蔵板である。カバー板と液体香料吸蔵板は接合部が電気溶接されている。二点鎖線は香り発生の様子である。
【0093】
同図には、空気穴208の拡大構造を合わせて示している。当該空気穴208において、カバー板の表面と裏面の穴の径を比較すると、前図までの例と同様、裏面の方が大きいが、表面から裏面に向かって単調に大きくなっているのではなく、穴の径は、表面から裏面に向かって、一旦小さくなり、途中から再び大きくなって、裏面では最も大きな穴径になっている。
【0094】
この空気穴の構造は、穴の径を表面から裏面に向かって単調に大きくする場合に比べて、空気の通過量を大きくできるので、香りの発生効率が高い。また、手がカバー板の表面に触れた場合、皮膚は穴が狭くなっている部分より奥に入ることはないため、当該皮膚が吸蔵板に触れて、皮膚が香料によって刺激されると言ったトラブルは回避できる。
【0095】
図11は、平板形香り発生器の他の実施例で、カバー板209の空気穴を特殊な形状にしたものである。図11Aはカバー板209の表側面、即ち、手が触れる側の面、図11Bは209の裏側面、即ち、液体香料吸蔵板と接触する側の面、図11Cはカバー板と液体香料吸蔵板の断面図である
【0096】
同図において、210は空気穴、303は香料供給口の蓋である。この実施例の特徴は、カバー板の裏側面209−2の空気穴210の穴径が、隣接する穴と重なる程度に大きいことである。なお、カバー板の表側面209−1の穴径は、図4に示したカバー板200の表側面の穴径と同様である。
【0097】
図11のような構造のカバー板の特徴について説明する。図11Cから分かるように、カバー板209と液体香料吸蔵板100との接触面積が小さいので、気流401は二点鎖線 のように、 1 枚のカバー板の空気穴から入り、当該カバー板の他の空気穴から出ることを可能にしている。また、同図には示していないが、100の下にもう1枚のカバー板を配置することができ、気流を一方のカバー板の空気穴から入れ、液体香料吸蔵板の通気孔を通し、他方のカバー板の空気穴から取り出すことができるのは当然である
【0098】
即ち、本香り発生器では、気流は当該香り発生器の厚さ方向にも、面方向にも通過することができる。このように、多様な気流が通過できる構造を有するため、液体香料吸蔵板で気化した香料ガスを効率良く外に導くことが可能である。このような構造のカバー板を持つ本香り発生器は、後述する図24、図25の香り発生装置に適している
【0099】
図12は、平板形香り発生器の他の実施例で、カバー板211の空気穴を特殊な形状にしたものである。図12Aはカバー板211の表側面、即ち、手が触れる側の面、図12Bは211の裏側面、即ち、液体香料吸蔵板と接触する側の面、図12Cはカバー板と液体香料吸蔵板の断面図である。
【0100】
図12Aにおいて213は、カバー板の表側面211−1に描いたデザイン絵で、山と湖を示している。本香り発生器は、そのままの構成でインテリアや、ファッション用品になるため、カバー板には同図のようなデザインを施して付加価値を高めることができる。
【0101】
カバー板の空気穴212は、表側面から裏側面に向かって、図12Cのように、階段状に穴径が変化してもよい。また、円形の他、三角形、四角形でも良い。
空気穴の大きさは、いずれも、カバー板の表側面211−1より、カバー板の裏側面211−2の方が大きい。二点鎖線は、香り発生の様子である。
【0102】
図13は、香料カプセル式香り発生器の実施例で、断面概観図を示す。同図において、003は香料カプセル式香り発生器である。311はカプセル破裂式香料供給手段で、液体香料吸蔵板の周辺に設けられた香料カプセル312と、指押し部315で構成されることを特徴としている。108は液体香料カプセル312を内蔵した液体香料吸蔵板、214はカバー板(上)、215はカバー板(下)である。指押し部315は、214の一部として、液体香料カプセル312の上部に設けられる。
【0103】
香料カプセル312は、開口部破裂式で、指316等で指押し部315を押すと、香料カプセルの所定部分が破れ、液体香料313が周囲に飛び出る構造を有する。当該香料カプセルの開口部は、左右に2つあり、液体香料吸蔵板を構成する層につながっている。香料カプセルが破裂すると、液体香料313は、一点鎖線で示すような拡散パス317で液体香料吸蔵板108の中に吸蔵される。
【0104】
液体香料吸蔵板108は、同図のように、通気孔AirHを設けた多孔質素材を用いても良いし、あるいは、網状線材を用いても良い。気流は、カバー板(下)215の空気穴から入り、液体香料吸蔵板108の通気孔AirHを通過し、カバー板(上)214の空気穴202から出る。108で気化した香料が当該気流に混じると、二点鎖線のように、香りが得られる。
【0105】
図14は、液体香料吸蔵板108の他の実施例で、液体香料吸蔵領域が液体香料仕切り部109で4つに分割され、各領域には液体香料カプセルが内蔵されている。108−1、108−2、108−3、108−4は分割された吸蔵領域、312−1、312−2、312−3、312−4は、各々種類の異なる液体香料が入った香料カプセルである。仕切りの方法は、仕切りラインに液を通過しない撥水性物質を埋め込んでも良いし、また、ライン状の空間を設けて、毛細管現象の拡散が当該ラインを超えて進行しないようにしてもよい。香料カプセルを破裂して香料を拡散させたとき、当該香料は当該仕切り部を超えて隣領域には到達しない構造となっている。当該液体香料吸蔵板の上下には同図には示していないカバー板が設けられ、当該カバー板の前記香料カプセルに対応する部分には、指押し部が設けられている。
【0106】
図15は、図14に示した構造の香り発生器を用いて、芳香ペンダントに応用した例である。図15Aは液体香料吸蔵板の上面図、図15Bはカバー板(上)、図15Cは本香り発生器の断面構造図、図15Dは気流発生手段の断面図である。同図において、004はペンダント形香り発生器である。引き出し線の矢印は、同図全体を示している。110は液体香料吸蔵板、216はカバー板(上)、217は空気穴、219はカバー板(下)、318は開口部を1つ持つ開口部破裂式の香料カプセルである。また、510は気流発生手段で、502は羽根、503は扁平モータ、504は太陽電池である。
【0107】
使用方法について説明する。液体香料吸蔵板110とカバー板(上)216とカバー板(下)219は一体化されて、香り発生器を構成している。通常は、鎖穴218に鎖をつけ、首からつるして使用する。カバー板(上)あるいはカバー板(下)を押して、液体香料カプセル318を破裂させると、香料313は、一点鎖線のように放出される。当該香料カプセル318は、液体香料吸蔵板の中心部に4種類設けられている。破裂によって放出される方向は、同図のように放射線状とする。放出された液体香料は、液体香料吸蔵板の中を拡散し吸蔵される。
【0108】
本ペンダントの動作について説明する。人体の胸元では、身体から発する熱によって、通常僅かに上昇気流が発生している。この気流が図15Cの二点鎖線のように、カバー板(下)219の空気穴から入り、液体香料吸蔵板110の通気孔を抜け、カバー板(上)216の空気穴217から出る。液体香料が気化して香料が当該気流に混じるため、香りが発生する。当該香りは、胸元に沿って上昇し、人の嗅覚器に到達する。
【0109】
香りの発生効率を更に高めたい場合には、図15Dに示す気流発生手段501をカバー板(下)219に取り付けても良い。扁平モータ503が羽根502を回し、微風を発生させる。
【0110】
ところで、人の嗅覚器には飽和特性があるため、定常的に香り刺激を与えても知覚が鈍ってしまう。従って、間欠的に香り刺激を与える、あるいは、香り濃度に変化を付けて提示することが効果的である。前記扁平モータ503は常時駆動ではなく間欠駆動が良い。間欠駆動であれば、消費電力は極めて少なくて済むため、同図のように、電力に太陽電池を用いることが可能である。太陽電池で得た電力をコンデンサなどに蓄積しておき、間欠的にモータを駆動して羽根を回し、気流を発生させることができる。
【0111】
図16は、図13に示した構造の香り発生器を芳香ブレスレッドに応用した例である。同図において、005はブレスレット形香り発生器、111は液体香料吸蔵板、220はカバー板(上)、221はカバー板(下)、312は開口部破裂式の香料カプセルである。当該香料カプセルは、同図のように、リング状に複数取り付けられている。本香り発生器は、薄い板状が特徴であるが、板は変形が容易であり、曲げることも可能なため、同図のようにリング状にするとブレスレッドになる。
【0112】
この使用方法は、指316でカバー板(上)220を押して、香料カプセル312を破裂させると、香料が液体香料吸蔵板111に拡散し、二点鎖線のように香りが発生する。
【0113】
前記のように、複数の芳香カプセルを内蔵することができるが、液体香料吸蔵板に仕切り部を設け、種類の異なる複数の芳香カプセルを内蔵することによって、出先などで気軽に様々な香りを楽しむことができる。使用時に香料カプセルを破裂させるので、香りは新鮮で心地よく、アロマテラピー効果も期待できる。
【0114】
また、使用できる香料としては、持続時間が長いミドルノート、ベースノートの香料は当然のこと、持続時間が短く、通常であれば使用し難いトップノートの柑橘系天然香料なども使用できる。
【0115】
図15、および、図16の香り発生器は、特別なケースに入れることなく、それ自体で芳香器として利用できる。カバー板や液体香料吸蔵板に、金やプラチナなどの貴金属を使用して、高級感のある香り付き装飾品とすることもできる。
【0116】
また、本香り発生器は、小型で、薄い板状に構成されるため、曲げに対する柔軟性を持たせることができる。特に、構成部品である液体香料吸蔵板、および、カバー板を硝子系素材、カーボン系素材で製造した場合、柔軟性は大きくなる。この特徴を生かすと後述するように様々な形状の香り発生装置を実現できる。
【0117】
柔軟性があって、液漏れも少ない本香り発生器は、衣類の中に組み込むこともできる。例えば、洋服の襟、女性用下着のひもやパット部分、ネクタイの裏側、ブレザーの裏ポケットの部分、ソックスの中、スカートのウエスト部分やすその裏地などに差し込むようにして取り付けることができる。衣類に付けた場合、当該芳香器は体温で温められ、動作により香りが高まり、当該香りは、衣類の繊維の中に付着し、周辺に心地よい香りを撒き散らす。衣類洗濯時には、当該芳香器を衣類から取り外しても良いし、そのまま洗濯することも可能である。洗濯によって、液体香料吸蔵板の液体香料が取り除かれた場合には、香料供給口からスポイト等を用いて、液体香料を補充することができる。
【0118】
図17は、本香り発生器の形状自在性を生かして、傘形香り発生器にした実施例である。液体香料供給手段としてロープ式香料供給手段を用いている。同図において、006は傘形香り発生器、112は液体香料吸蔵板、222はカバー板(上)、223はカバー板(下)、319はロープ式香料供給手段、320は液体香料溜め、321は液吸い上げロープ、322は香料供給口、323は支持部、324は香料の拡散パスである。
【0119】
香り発生動作について説明する。香料溜め320の液体香料301は、吸い上げロープ321の毛細管現象を利用して、香料供給口322まで導かれる。当該香料は液体香料吸蔵板内を拡散し、傘面全体に吸蔵される。液体香料は広い面に吸蔵されるので気化は促進し、空気穴202からは高い濃度の香りが放出される。なお、更に、香りを強くするためには、傘の下にヒータを入れて暖めても良い。カバー板の厚さは、0.5mm〜2.0mm程度が安定して使い易い。
【0120】
図18は、本香り発生器の形状自在性を生かして、円筒形にし、芳香瓶のキャップの一部としたもので、芳香瓶そのものが、ペンダント式香り発生器になる応用例である。
【0121】
同図において、320は香料溜め、321は香料液体吸い上げロープ、NJは香料溜めの先端ネジ部、STPは吸い上げロープを絞めることで香料を止める機構、324は、320のネジ部に取り付ける芳香キャップである。当該芳香キャップは、カバー板(外)228、液体香料吸蔵板116、香料供給口322、蓋FT、鎖フックKFで構成される。鎖フックKFには鎖FSを付け、首につるして使用する。
【0122】
香り発生動作は以下の通りである。液体香料301が吸い上げロープ321で芳香液吸蔵板116に供給される。カバー板は、空気穴の特殊構造や当該空気穴近傍に塗布した同図には示していない撥水性樹脂などで、空気は通すが、液漏れは防止する構造を有する。また、皮膚や衣類がカバー板に触れても液体香料吸蔵板には触れない程度の穴構造を有する。図1で説明した構造と同様であり、カバー板の空気穴の径は外側が小さく、116と接触する側は大きい。液体香料吸蔵板も図3、図6B、図7、図8、図9で示したような空気を通過する構造とする。空気が二点鎖線のように通過することにより、香りが胸元に漂う。ペンダントを使用しない場合、または、香りが強すぎる場合には、STPを絞め香料の供給を止めれば良い。
【0123】
カバー板と液体香料吸蔵板は、電気溶接などで一体化させても良い。また、金、プラチナなどの貴金属で製造しても良い。お洒落な香りグッズとなる。また、ペンダントとしてだけでなく、携帯電話のストラップとしても使用できる。
【0124】
図19は、更に、装飾性を高めたペンダント式芳香器の例で、正面断面図と側面断面図を示している。当該ペンダントは上下分解点で上下に分かれ、2種類の香料を選択して使用できる構造である。
【0125】
同図において、229はカバー板(外)、117は液体香料吸蔵板、322は香料供給口である。カバー板の空気穴202は図12Cに示した構造を有する。カバー板の表面では小さな穴径を持ち、内側で階段状に大きな穴径になり、液体香料吸蔵板に接している。空気穴202の近傍には、フッ素樹脂等の撥水性樹脂が塗布されていても良い。また、229と117の接合部は電気溶接されている。
【0126】
液体香料301は、香料溜め320から液吸い上げロープ321を介して、香料供給口322に至る。当該液体香料は、液体香料吸蔵板内を拡散し吸蔵される。ここで、空気は、二点鎖線のように、当該香り発生器の様々な方向から入り出ることができる。胸に下げた場合、胸で暖められた空気は、側面断面図に二点鎖線で示す経路により流れる。気化効率が高いので、濃度の高い香りを楽しむことができる。
【0127】
香りが強すぎる場合には、STPで液体香料の供給を止め調節できる。STPの調節は側面断面図に示すようにネジ機構が可能である。小型な形状でありながら、2種類の香りを切り替えて、あるいは組み合せて使用できる。液体香料を使い切った場合は、香料溜めを取りかえれば良い。即ち、本香り発生器は繰り返して使用できる。
【0128】
図20は、本香り発生器を腕時計に組み込んだ実施例である。正面図と側面断面図を示している。同図において、014は、腕時計内蔵の平板形香り発生器、230はカバー板(外)、118は液体香料吸蔵板である。
【0129】
正面図において、カバー板230には空気穴202があり、香りはここから放出される。側面断面図において、カバー板230に接するように液体香料吸蔵板118が設けられ、当該液体香料吸蔵板は、液吸い上げロープ321を介して香料溜め320に接続されている。また、液吸い上げロープの途中には香料止め機構STPが設けられ、液の供給を調整できる。当該調節は、正面図に示すように、腕時計の側面、時間合わせつまみの上または下の位置に設けることができる。
香料溜め320は、液体香料301が消耗した際などに、時計の裏蓋FUTAを開けて取り替えることができる。また、FUTAは空気を通過する構造とする。空気は二点鎖線のように通過する。
【0130】
更に、当該時計の内部にモータ503と羽根502からなる液体香料気化促進手段を設けることもできる。当該モータは、時計ムーブメントを駆動する電池BTを兼用して、回転させることができる。
【0131】
この気化促進手段は、タイマーと連動して利用することができる。即ち、予め定めた時間になると、モータが回転し、強い香りが放出される。利用者は、モータの振動と、香りにより、当該時刻を知ることができる。
【0132】
図21は、前記説明した香り発生器を用いて、香りの濃度(人が感じる香りの強度)を制御できるようにした卓上形の香り発生装置の実施例である。
【0133】
同図において、007は平板形香り発生器、225は液体香料吸蔵板100に設けられたセンサ取り付け口、325は液溜め、326はポンプ、327はパイプ、505はヒータ、506は超音波振動子、507はフード、508は湿度センサ、509は制御回路である。ここで、平板形香り発生器007には中央に太い実線で示す液体香料仕切り部があり、2種類の液体香料を吸蔵できる。なお、当該香り発生器は、同図のように概ね左右対称なので、記号説明の番号は片側にのみに付与している。
【0134】
また、図22は当該香り発生装置の断面構造図、図23は液体香料ポンプの拡大図である。同図において、328はポンプの香料取り込み口、329は下栓、330は上栓、331はスプリング、332はピストン、333は駆動磁性体、334は電磁石、510はUSB端子である。
【0135】
当該香り発生装置の使用方法、および、動作について説明する。当該香り発生装置では、前記香り発生器を装着部品として使用する。装着方法については、図21において、平板形香り発生器007は、本装置のヒータ505の上に置くようにして装着する。次に、液体香料301が香料供給口302に滴下するように、図21の中の拡大図に示す滴下機構をセットする。当該滴下機構はパイプ327の上部に設けられているので、図21に示すように、パイプの先端を矢印のように回転することによって、滴下部が香料供給口302の上に来るようにセットできる。ここで、滴下機構拡大図に示すAFNは香料が一滴ずつ滴下するように速度を調整する微細網目素材である。当該滴下機構をセットした後、フード507を被せて、香り発生装置の準備が整う。
【0136】
次に、香りの種類切り替え制御方法、および、香りの濃度制御方法について説明する。図21、図22において、液体香料は、予め左右の香料溜め325に入っており、必要な量が、ポンプ326、パイプ327、および、滴下機構により、香り発生器007に供給される。液体香料供給手段は、同図のように左右に2個あり、左右の当該供給手段に種類の異なる液体香料を入れて置くことができる。
【0137】
例えば、一方の容器には、リフレッシュ作用のあるレモン系香料、他方の容器には、リラックス作用のあるラベンダー系香料を入れておくことができる。この組み合せによって、朝はレモン系の香りを発生させ、やる気を起こさせ、昼は両者を調合して仕事の疲れを癒し、就寝時はラベンダー系を発生させ、安眠を誘発する等の効果を得ることができる。
【0138】
なお、レモンの代わりにベルガモットを用いても同様な効果が期待できる。ベルガモットとラベンダーを調合するとやる気が高まるオーデコロン効果も期待できる。
【0139】
図21の平板形香り発生器007の液体香料吸蔵板113には、前記のように、真中に香料仕切り部があるものを用いる。右側の香料供給口302から入った液体香料は、113の中を拡散するが、真中の太い実線で示す仕切り部で止まる。即ち、113の右側に吸蔵される。左側の香料供給口から入った液体香料は、同様に113の左側に吸蔵される。このように、液体香料吸蔵板113は左右に分けて使用することができる。
【0140】
ポンプ326には駆動機構がついており、動作は制御回路509で行なう。当該制御回路で、液体香料吸蔵板に供給する液体香料の量を制御することができる。2種類の液体香料を吸蔵できる当該吸蔵板113の片方に、より多くの液体香料を供給すれば、その香りの濃度は強くなる。従って、香りの濃度や香りの組み合せは、当該液体香料供給量で制御することができる。
【0141】
また、液体香料が液体香料吸蔵板にどの程度吸蔵されているのか、吸蔵限度に近づいたか否かについての確認は、発光素子AKと受光素子CHからなるフォトカプラを用いて可能である。図21において、AKは、カバー板(上)200のセンサ口225に収まるように構成され、CHは、カバー板(下)201のセンサ口に収まるように構成されている。センサ口225の中が、液体香料で満たされると、AKの光がCHに到達し、液体香料吸蔵板113に液が満たされたことが分かる。所定量が供給されたところで、供給を止めれば吸蔵限度を超えることは防止できる。また、液体香料吸蔵板の液体香料が気化し、当該吸蔵板の中が乾いて来た場合には、光が通過し難くなるので、再び、供給を再開すれば良い。
これらのセンサ信号の処理、および、供給ポンプの制御は、509の制御回路で処理される。
【0142】
また、図21の香り発生装置において、平板形香り発生器007は、前記のように、ヒータ505、超音波振動子506からなる液体香料気化促進手段の上に置かれている。505、506は、509によって駆動制御される。
【0143】
ここで、液体香料気化促進手段としての当該ヒータの作用について説明する。ヒータ505は、通電発熱線材を網状にして構成され、空気の自由な通過が可能とする。ヒータ素材としては、発熱した際に、波長2.53〜3.0μm、または、5.0〜7.0μmの遠赤外線を放出すカーボン系素材が適している。
【0144】
ヒータ505から出た熱は、カバー板201を温め、更に、液体香料吸蔵板113を温める。液体は一般に温められると分子活動が活発になり気化しやすくなる。従って、113に吸蔵された液体香料も気化が促進される。
【0145】
また、ヒータから波長2.53〜3.0μm、または、5.0〜7.0μmの遠赤外線が放出されると、当該波長の光エネルギーは、液体香料吸蔵板113の中の液体香料に効率良く吸収される。これは、液体香料の中の水分子が当該光の波長で共振し、共鳴吸収を強く起こすためである。従って、水は、少ないエネルギーで効率良く気化する。特に、6.27μmの波長は、水分子と共振しながら水のクラスターをこわして大量のマイナスイオンを発生させる。従って、マイナスイオンが大量に含まれた水蒸気を発生させることができる。水が気化すると、水に溶けている香料分子も水蒸気に混じって気化する。なお、前記ヒータは、香り発生器の一部の範囲のみが温まるように、領域を選択して駆動してもよい。
【0146】
図21の香り発生装置において、液体香料気化促進手段として設けた超音波振動子506について説明する。超音波振動子506を駆動すると、当該振動は、カバー板201、または、液体香料吸蔵板113を介して液体香料に伝わる。液体香料は当該液体香料吸蔵板中で小さな液玉となっているため、この液玉に超音波が照射されると、液玉は激しく振動し気化する。なお、超音波が、当該香り発生器の一部の範囲のみに照射されるように、複数の超音波振動子を選択的に駆動してもよい。
【0147】
前記のように、ヒータの領域、または、超音波振動子を選択的に駆動することよって、液体香料吸蔵板に吸蔵されている液体香料の気化速度を領域によって変えることができる。領域毎に液体香料の種類を変えておくと、当該香料の気化速度の差によって、様々な濃度組み合せの香りを作ることができる。
【0148】
次に、液体香料気化促進手段としての気流発生手段について説明する。図21、図22には、ヒータ505の下に、モータ503と羽根502からなる気流発生手段が設けられている。モータは制御回路509で回転速度や駆動時間が制御される。間欠的に駆動することや、音楽等と同期させて、速度に変化を持たせて駆動することができる。
【0149】
羽根502によって発生した気流は、ヒータ505を通過するとき、暖かい気流となり、カバー板に当たる。カバー板(下)201に当たった気流は、当該カバー板の空気穴から入り、液体香料吸蔵板113の通気孔を通過し、カバー板(上)200の空気穴から出る。液体香料吸蔵板中の液体香料の近傍を温かい気流が通過するので、気化は促進される。液体香料の気化によって生じた香りは、カバー板の空気穴202からフード507の中に放出される
【0150】
更に、当該香りは、二点鎖線400で示すように、当該フードで放出方向が制御される。ここで、フード507の中には、同図のように、香りが通過する部分に湿度センサ508を設けても良い。平板形香り発生器007から出る香りは、液体香料が気化したものなので、多くの水分を含んでいる。つまり、湿度は香りの濃度と相関をもっている。そこで、当該湿度センサで、フード内の湿度を計測することで、香りの濃度、あるいは、液体香料の気化量、あるいは、吸蔵板内の液体香料の残量を推定することができる。湿度センサの結果から液体香料吸蔵板113に供給すべき液体香料の量を判断し、ポンプ326でその供給量を制御してもよい。
【0151】
図22において、制御回路509は、外部インタフェース端子であるUSB端子510に接続されており、駆動電力と制御信号は当該USB端子から供給される。通常、コンピュータの外部インタフェース端子から抽出できる電力は僅かであるが、本発明では、液体香料の気化を促進する前記手段の消費電力を、当該手段を間欠駆動することによって、極めて少なくしているため、実現が可能である。USB端子から得られる電流を大容量コンデンサ等に蓄積し、電圧変換してマイコンを駆動し、所定のタイミングで短時間、液体香料の気化を促進するための前記手段を駆動すれば良い。
【0152】
ここで、間欠駆動が望ましい理由は以下の通りである。人の嗅覚は、香りが定常的に供給されると、刺激を感じなくなる性質がある。そこで、液体香料の気化を促進する手段を間欠的に駆動すると、部屋の香り濃度に変化がおき、心地よい嗅覚刺激となる。
【0153】
図23は、液体香料を供給するポンプの断面図である。動作を説明する。通常、ピストン332はスプリング331によって上方に押され、スプリング付近には液体香料が満たされ、下栓は閉まっている。ここで、電磁石334に通電すると、駆動磁性体333が紙面の下方向に駆動され、ピストン332は押し下げられる。ここで、スプリング331付近に溜まっている液体香料は、紙面の上方向に押し出され、上栓330の下部を通り、ピストン内の管を上方向に進む。このようにして、ピストンを1回押した量の液体香料がピストン内の管からパイプ327に供給される。次に電磁石の通電を切ると、スプリング331によって、ピストン332は上方に戻される。このとき、下栓329は開き、液体香料はポンプ内に取り込まれる。
【0154】
図24は、本発明の香り発生装置の他の実施例で、香りの種類の切り替えを容易にしたものである。008は平板形香り発生器、114は4種類の液体香料を吸蔵できる液体香料吸蔵板である。335は複数香料溜めで、4種類の液体香料E1,E2,E3,E4が入っている。336は香料選択装置で、当該4種類の液体香料の中から1種類を選択してポンプ326に送る。当該ポンプはパイプ327に液体香料を流す。パイプ内を通過した液体香料は先端の滴下機構によって1滴ずつ、香料供給口302を介して、液体香料吸蔵板114に供給される。当該吸蔵板は4分割されており、各分割領域には対応する4種類の所定の液体香料が吸蔵される。従って、当該平板形香り発生器008には、4つの香料供給口302と4つのセンサ口がある。センサ口225は、当該領域の液体香料の量を監視するためのものであるが、原理は前に示したので省略する。
【0155】
4種類の液体香料を液体香料吸蔵板114の4つの分割領域に吸蔵する方法について述べる。平板形香り発生器008は、液体香料気化促進装置(下部)511−1の上に置かれ、中心点CENで回転可能とする。337は棒状で当該先端が楕円運動する圧電モータである。当該圧電モータの先端は、当該香り発生器008の外周に接触している。当該圧電モータを駆動すると、先端は円形の当該香り発生器の外周縁をつき押すように楕円運動するため、当該香り発生器はCENを中心にして回転する。
【0156】
圧電モータ337の駆動と香料選択装置336の駆動を連動することによって、所定香料を液体香料吸蔵板114の所定領域に吸蔵させることができる。即ち、香料選択装置336が所定香料を選択するように調整した後、圧電モータ337によって、当該液体香料吸蔵板の所定領域が滴下機構の下に来るように当該香り発生器008を回転し、ポンプ326で前記所定香料を滴下すれば良い。
【0157】
511−2は液体香料気化促進装置(上部)で、511−1と対向し、前記平板形香り発生器008の上にかぶさるものとする。液体香料気化促進装置511−1、および、511−2は、同図のように1/4の領域が機能するものとする。511−1には、ヒータ505、超音波振動子506が設けられ、更に、同領域の下部には空気ポンプ512が設けられ、同領域には所定の気圧が掛かるものとする。
【0158】
当該所定の気圧がかかると、ヒータ上部からは空気が吹き出る。当該空気は平板形香り発生器008の1/4領域に選択的に当たる。この気流によって、液体香料吸蔵板114の液体香料の気化は促進され、二点鎖線のように香り400となって、511-2の空気穴から吹き出る。当該香り400は、フード513によって、方向が定められる。
【0159】
なお、以上の説明では、液体香料吸蔵板114の4分割された領域にそれぞれ異なる液体香料を吸蔵する場合を示したが、当該領域の何れかを絵の具のパレットのようにして、複数の液体香料を調合する領域として利用しても良い。即ち、当該液体香料吸蔵板114の何れかの領域に、E1〜E4の中から複数の液体香料を選択し、重ねて吸蔵させてもよい。114の所定領域内に複数の液を注入した場合、各々の液は一様に拡散するため、調合は極めて容易である。香料の調合によって、多様な香りを作り出すことができる。
【0160】
図25は、本発明の香り発生装置の他の実施例で、香り付き扇風機への応用を示している。扇風機の羽根502の前に平板形香り発生器001を4枚組み合せた平板複合形香り発生器009が取り付けてある。図25Aは当該香り発生装置の正面図、図25Bは側面図である。また、図25Cは扇風機が回転しているときの平板複合形香り発生器を示している。
【0161】
各平板香り発生器には、香料供給口が1つ、液体香料吸蔵領域が1つ設けられている。当該香料供給口には、電磁香料弁GLの一端が接続されており、他端は香料溜め325に接続されている。当該4つの香料溜めには、異なる液体香料が蓄えられている。電磁香料弁GLは、電磁石によって弁が開閉し、香料溜め325の液体香料を平板香り発生器001に供給、あるいは、遮断する制御機能を有する。各平板香り発生器の周辺には、図には示していないが、加熱手段、超音波発生手段、および、これらの間欠駆動制御手段を設けても良い。
【0162】
動作を説明する。図25Aは扇風機が停止している状態を示しており、4つの香料溜めの液体香料301は、重力で各々下側に偏在している。ここで、扇風機の羽根502が回転すると、平板複合形香り発生器009も回転する。このとき、香料溜め325の液体香料は、回転軸JKから離れたところにあるため、遠心力が働き、図25Cのように、平板香り発生器001の方に流れようとする。ここで、電磁香料弁GLが開いていると、香料は、当該平板香り発生器の液体香料吸蔵板に1滴ずつ供給される。供給量が多すぎる場合には、GLを閉じれば供給は止まる。当該供給量については、図8に示したようなフォトカプラAK、CHを用いて監視することができる。羽根が回っているため、当該平板香り発生器の周辺には、気流が生じており、液体香料吸蔵板近傍で気化した香料は当該気流に混入して前方に放出される。
【0163】
香りの濃度を変化させるには、液体香料吸蔵板への香料供給量を変化させる、または、平板香り発生器001を加熱する、または、001に超音波を当てるなどが可能である。また、電磁香料弁GLを開く、あるいは、閉じることによって、気流に混入する4種類の香料を制御することができる。従って、香りを調合することができる。同図では、4種類の液体香料を用いる場合を示しているが、10種類程度の液体香料が使用できるように、平板香り発生器の数を増やすことができる。
【0164】
ここで、扇風機の羽根の回転数が高速になり、遠心力が強過ぎるような場合には、図には示していないが、羽根502と本平板複合形香り発生器009の間に、クラッチ機構を設け、回転数を制御しても良い。
【0165】
また、扇風機は、風の強さに揺らぎを持たせて、自然の風の感じを再現するものが多い。そこで、香りについても、濃度、種類などに変化を付けることが望ましい。この手段については、加熱手段、超音波照射手段などの液体香料気化促進手段を間欠的に駆動する、あるいは、電磁香料弁を間欠的に動作して、液体香料の供給量を制御することで可能である。
【0166】
図26は、本発明の香り発生装置の実施例で、香り玉を放出する装置である。同図において、514は空気玉を発生する瞬間気流発生手段で、開口部518を備えた筒型容器と、エアーポンプ515と、エアーポンプの駆動部516とから構成される。当該空気玉発生部は、煙り玉を放出する玩具等でその基本構造は知られているが、図26は、当該開口部に縦方向に瞬間的に気流を通過せしめるように構成される平板形香り発生器007を取り付けて、香り玉発生装置としたところに特徴がある
【0167】
エアーポンプ駆動部516は、バネ駆動、電磁石駆動などを用いることができる。同図は、電磁石駆動式を示している。517はエアーポンプ駆動板、518は鉄心、519はコイルである。コイルに通電すると、エアーポンプ駆動板517は筒型容器の内側に引き込まれる。容器内の体積は急激に小さくなるため、空気が塊(玉)となって開口部から放出される。
【0168】
当該開口部518に平板形香り発生器007を付けたときの作用は以下の通りである。前記香り発生器は、空気が容易に通過できる構造が一つの特徴である。カバー板は、空気穴の径を大きくする、空気穴の数を多くすることによって空気の通過を良くすることができる。また、液体香料吸蔵板は、図3、図6、図7、図8で示すように通気孔AirHを多数設けた構造によって、空気通過を容易にすることができる。
【0169】
平板形香り発生器007を空気が容易に通過する構造にすると、気流発生手段514の開口部518に当該平板形香り発生器を取りつけても、前記空気玉発生機構にはさほど影響はなく、空気玉は、その形を崩さずに前に放出される。この際、当該空気玉には、前記平 板形香り発生器007から放出される香料分子が混じるため、香り玉400Bとなって前方に放出される
【0170】
因みに、当該空気玉発生手段では、開口部に気流の流れを大きく乱すものがある場合には、空気玉は得られないが、本香り発生器は、気流の流れを大きく乱さない程度に空気を良く通す性質あるため、前記のような香り玉が実現できる特徴がある。これは実験によって確認している
【0171】
また、図26の平板形香り発生器007は、2種類の液体香料を吸蔵できる場合を示している。前記の液体香料気化促進手段を制御することによって、2種類の液体香料の気化量を調整し、変化のある香り玉を放出することができる。
【0172】
液体香料吸蔵領域を更に分割し、多数の香料を組み合せることができるのは当然である。例えば、6種類の液体香料を用いる場合には、シトラス系のオーデコロンレシピを作成することができる。即ち、レシピAとして、レモン、マンダリン、ラベンダー、プチグレン、ゼラニウム、サンダルウッドを使用したものを用いることができる。また、レシピBとして、ベルガモット、プチグレン、レモン、ラベンダー、ネロリ、ローズマリーなどを用いることができる。シトラス系の香りは、性別、年齢を問わずに好まれる香りである。
【0173】
種類の少ない香料を用いると、飽きがくることがあるが、6種類程度の香料を用い濃度を変えて調合すると、変化に富んだ年間を通じて飽きのない香り空間を創造することができる。
【0174】
図27は、本発明の香り発生装置の他の実施例である。同図において、空気玉を発生する瞬間気流発生手段514の開口部には、円筒形香り発生器010を取り付けて構成される。当該円筒形香り発生器010は、形状自在性を利用して、液体香料吸蔵板115とカバー板226、227を円筒形にしたものである。円筒の断面構造を拡大図に示している。115は液体香料吸蔵板、226はカバー板(内)、227はカバー板(外)である。
【0175】
図28は、当該円筒形香り発生器010のカバー板(外側)227を取り外した様子である。液体香料吸蔵板115は、左右に2種類の液体香料を吸蔵する。302−1、302−2は、それぞれ、液体香料供給口である。520は通電手段で、BAは電源、GDは接地、SWはスイッチである。
【0176】
液体香料吸蔵板115は、同図中に拡大図で示すように、空気の通過を容易にするため、網目間隔を疎と密が交互になるようにした網目線材で構成している。また、実線は、撥水性材料がコーティングされていない部分、破線は、撥水性材料をコーティングした部分を示している。網目が密で、撥水性材料がコーティングされていない実線の部分は、液体香料吸蔵孔EssHが多数存在する吸蔵領域として機能し、網目が疎で、撥水性材料がコーティングされている部分は通気孔AirHとして機能する。同図では、実線の回りに液体香料309が吸蔵される様子を示している。
【0177】
また、線材の一部に発熱性導電体を用いている。当該発熱性導電体には、ニクロム合金、導電性カーボン等を素材とするものが使用できる。図28のように、通電手段520を用いて、当該発熱性導電体に通電すると、ジュール熱によって、液体香料吸蔵板115は発熱し、液体香料309が温められる。当該発熱性導電体には2.53〜3.0μm、または、5.0〜7.0μmの遠赤外線を放出する素材を使用すると更に効果的である。
【0178】
また、同図には示してないが、超音波振動子を円筒形香り発生器010の周囲に配置して、液体香料の気化を促進させても良い。
【0179】
ここで、瞬間気流発生手段514と組み合せたとき、香り玉が発生する原理について説明する。図27において、エアーポンプ515を適当な圧力で押すと、円筒形容器から空気の塊が放出される。この様子を二点鎖線で示す。二点鎖線の中で気流Aは中央部から放出される気流の塊で、高速に進む。開口部の中央を空気が高速で流れると、その部分の気圧は下がり、周りの空気をまき込もうとするこの作用によって、円筒周辺の気流は気流Bで示すように渦巻きを作る。この渦巻き気流は、気流Aに比較してゆっくりとした速度で、400Bに示すように、開口部と同じ形状、即ち、同図の場合、円形輪となって前方に放出される
【0180】
ここで、当該円筒香り発生器010は、前記のように、空気の通過が容易な液体香料吸蔵板115、および、カバー板226、227を用いているため、前記円筒周辺の空気の一部は、同図の気流Bように、当該円筒形香り発生器を厚さ方向(縦方向)に通過する。また、空気の一部が、筒と並行の方向(横方向)にも通過するのは、当然である。このように、液体香料吸蔵板115で気化した香料は、気流Aにも混入する。従って、気流A、気流Bは液体香料吸蔵板で気化した大量の香料を含むことになり、400Bは香り玉となって前方に放出される
【0181】
更に、円筒形香り発生器を加熱するなどして気化を促進させて、香り玉を作ると、利用者に極めてクリアな嗅覚刺激を与えることができる
【0182】
香り玉が飛ぶ距離は、気流発生手段514の性能によるが、無風状態(室内)で3〜5m以上飛ばすことができる。また、多少の風がある環境でも気流Aについては、数m飛ばせることができる。
【0183】
以上の説明では、液体香料吸蔵板に発熱性導電体を用いた場合を説明したが、カバー板に発熱性導電体を用いても良い。また、液体香料に導電性があり、短絡の危険がある場合には、当該導電体を絶縁体で被覆しても良い。しかし、図28のように、電圧を印加する2つの電極が離れていること、高電圧は印加されないこと、液体香料吸蔵板に液体香料が付着した状態で、当該吸蔵板の抵抗値が大幅に低下することはないこと等のために、通常は、被覆しなくでも短絡することはなく正常に加熱できる。
【0184】
また、円筒形の香り発生器を示したが、形状は四角筒形、三角筒形、多角筒形でも良い。
【0185】
図27では、カバー板が外側と内側で2枚、液体香料吸蔵板が多層で一式の場合を示している。円筒形香り発生器の外側は、人の手が触れやすいので、カバー板(外)は必要であるが、内側は、人の手が触れにくいので、カバー板(内)は、省略することも可能である。このように、本香り発生器では、カバー板は片方のみで構成してもよい。
【0186】
図29は、図27の開口部および円筒型香り発生器を変形した実施例である。同図において、011は円筒型香り発生器である。図27と比較した特徴は、気流発生手段514から開口部までの筒形状にある。筒の断面が、同図のように、気流発生手段から開口部に掛けてなだらかに狭くなっている。当該形状の作用は、気流の乱れを押えるため、安定した香り玉を作ることができる。また、二点鎖線の気流Cに示すように、筒の外側を沿うような気流が多く発生するため、気化した香料が当該気流Cにとり込まれ易くなる。結果として、香り玉の香料濃度は高くなる。
【0187】
図30は、本香り発生装置を用いて、様々な香りを演出するシステムの応用例である。同図において、K1〜K4は、香り発生器の液体香料吸蔵板を4分割した領域、ES1〜ES4は、4種類の液体香料を当該K1〜K4に供給する手段、AC1〜AC4は、当該K1〜K4の液体吸蔵量を検出するためのフォトカプラである。また、H1〜H4は、K1〜K4を各々加熱するための手段、U1〜U4は、K1〜K4に各々超音波を照射するための手段、W1〜W4は、K1〜K4に各々気流を通すための手段である。
【0188】
CPUは香りの濃度を制御し、また、液体香料の組み合せを制御するためのマイコンである。Dataは、香りのイメージに相当する香料の組み合わせを選択するための、言語から香料へメディア変換するためのデータベースである。例えば、海の香りをイメージする場合は、ローズマリー、ベルガモットを調合する。山の香りをイメージする場合には、オークモス、パイン、ヒノキ、アトラスシダー、シダーウッドを調合すると良い。以上は、天然香料を例に挙げたが、合成香料を組み合せて調合すると更に、複雑で洗練された香りになるのは当然である。
【0189】
CPUは、ヒータH、超音波発生器U、気流発生器Wの駆動を制御して、液体香料吸蔵板K1〜K4から放出される香料を調合する。この際、Data内の知識に基づき調合すると、イメージ言語に適合する香りを発生させることができる。つまり、言葉をヒントに当該言葉に相応しい香りを創生できるシステムを構成しており、「言語制御の香り発生」と言うコンセプトを実現する手段である。
【0190】
USBは、コンピュータの外部インタフェース端子、TUKIは信号分流器、YKは微少電流蓄積電源である。当該電源は、破線のように、ヒータH、超音波発生器U、気流発生器W、フォトカプラAC、液体香料供給手段ESに供給されている。CPUが動作のための制御信号を当該装置に送ると、当該装置は動作し、液体香料の供給や液体香料の気化促進を行う。
【0191】
制御方法について、更に詳細に説明する。EからESへの矢印は液体香料の流れを示す。ESからKへの矢印は液体香料の供給量を制御する様子を示す。線が太いほど液量が多いことを示す。KからACへの矢印は、液体香料吸蔵板の液体香料の量を検出するためのフォトカプラの信号を示す。ACからCPUへの矢印は、当該信号の伝送を示す。CPUは当該信号を処理し、ESに液体香料をどの程度供給するのかの指令を矢印のように送る。H、U、WからKへの矢印は気化促進手段のエネルギーの流れを示し、線の太さはその強さを相対的に示す。当該エネルギーの選択に関しては、CPUからの制御信号に基づいて行われる。CPUはDataを参照して、適切なエネルギーをKに送るようH、U、Wに指令する。
【0192】
同図では、液体香料吸蔵板のK1領域は、ES1によって液体香料E1が多量に供給されており、フォトカプラAC1がその量を検出している。ヒータH1からは多量の熱照射を受け、超音波発生器U1からは少しの超音波を受けている。また、気流発生器Wからは中程度の気流が当てられている。
【0193】
同様に、液体香料吸蔵板のK3領域は、香料E2が中程度、E3とE4の香料が少しずつ供給されており、フォトカプラAC3がその量を検出している。ヒータH1からは中程度の熱照射を受け、超音波発生器U1からは中程度の超音波を受けている。また、気流発生器Wからは中程度の気流が当てられている。
【0194】
どのような香料をどの程度液体香料吸蔵板に供給し、気化をどの程度促進するかについては、前記メッセージと香料との関係(レシピ)を記憶してあるDataを参照して、CPUが決定する。
【発明の効果】
【0195】
<香り発生器の効果>
(1)液体香料を薄い板状の液体香料吸蔵板に吸蔵するとともに、空気の通過を容易にしているため、当該液体香料は気化しやすく、効率良く香りを発生する。
【0196】
(2)また、網目間隔を工夫するとともに、カバー板の空気穴形状を特殊な構造にし、更に、撥水性材料のコーティングを施しているため、液体香料は液体香料吸蔵板の中に留まり易い。従って、当該液体香料は、過蓄積されない限り、容易に外に漏れることはなく、通常の扱いでは極めて安全である。激しく振っても液体香料が当該香り発生器の外側に漏れることは少ない。
【0197】
(3)また、液体香料吸蔵板の通気孔に撥水性材料をコーティングした場合には、所定の場所に通気孔を確実に確保すると共に、当該通気孔の回りに液体香料を吸蔵させることができるため、液体香料が空気と触れる面積が極めて広くなり、香り発生効率は更に良い(図3参照)。特に、気流を当てて香りを取り出す芳香装置には最適である
【0198】
(4)皮膚がカバー板に触れても、空気穴を付き抜けて皮膚が吸蔵板に触れることはないため、通常の取り扱いで、液体香料が手について汚れることはない。同様に衣類が本香り発生器に触れても、液体香料が漏れて衣類を汚すことはない。従って、アレルギー疾患などにより、皮膚や衣類に直接液体香料を付けることができないが、香りを楽しみたいと言う利用者には最適である。
【0199】
(5)カバー板の空気穴は、表面が小さく、裏面、即ち液体吸蔵板と接触する面が大きいため、カバー板と液体吸蔵板との間に気化香料を一時的に溜める空間が作られる。従って、本香り発生器に気流を当てると、香りが効率よく放出される。当該気流は、香り発生器の厚さ方向(縦方向、図6c参照)にも、並行方向(横方向、図11参照)にも当てることができ、様々な香り発生装置に利用できる
【0200】
(6)薄い板状をしているため、曲げに対する柔軟性が高い、また、折るなどの形状の変形が可能である。従って、様々な芳香装置に応用できる。また、衣類の中に入れて使用することもできる。
【0201】
(7)液体香料吸蔵板の領域を複数に分割し、当該領域に異なる液体香料を吸蔵させる、または、パレット領域を設け、複数の香料を当該領域で調合することもできる。これによって、変化に富んだ様々な香りを放出する香り発生器を実現できる。
【0202】
(8)当該香り発生器が汚れた場合には、カバー板の空気穴に水圧を与えると、水はカバー板および液体香料吸蔵板を通過するので、洗浄は容易である。煮沸や超音波洗浄機にかけることも当然可能である。
【0203】
(9)香料カプセルを液体香料吸蔵板近傍に収納し、使用する際に当該香料カプセルを破裂させて液体香料を供給することにより、極めて小型、薄型で部品点数が少なく、軽く、携帯性が良く、安価な芳香器が実現できる。
【0204】
(10)また、本香り発生器は、特別なケースに入れることなく、それ自体で芳香器として利用できる。カバー板や液体香料吸蔵板に金やプラチナなどの貴金属を使用すると高級感のある装飾品となる。例えば、香り発生機能付きペンダント、ブレスレット、ブローチなどへの応用が可能である。この場合、香りは必要な時にカプセルを割って発生させるため、出先において新鮮で美しい香りを楽しむことができる。
【0205】
(11) その他、香り発生器は、洋服や下着など衣類の中に組み込む、名刺入れに入れる、クローゼットの衣装ケース、筆箱などに入れる等の応用が考えられる。香料カプセルを取り替えることによって、香り発生器を繰り返し使用することもできる、また、香料カプセルを使い終わった後で、香り発生器を使い捨てにすることもできる。また、香り文房具入れ、スリッパ、玄関マット、靴の下敷きなどにも最適である。日常の生活香りグッズをトータルにコーディネートできる。
【0206】
(12)香り発生器には、液量監視センサと液量の供給を制御する手段を設けることができるため、過量の液体香料が吸蔵されることはなく、液漏れ防止が可能である。
【0207】
(13)液体供給制御手段に、自動ポンプとマイコンを使用すると、液体香料吸蔵板への液体香料の補充を自動化できるため、メンテナンスフリーの香り発生装置を実現できる。
【0208】
以上のように、本発明の香り発生器は、小型、薄型で、形状自在性が高く、香り発生効率が高く、香りの調合が可能で、安全で、衛生的で、メンテナンスも容易な特徴を有する。
【0209】
<香り発生装置の効果>
(14)本発明の香り発生装置は、前記香り発生器に気流を当てることにより、カバー板と液体香料吸蔵板との間に一時的に溜まる気化香料を効率よく放出させることができる。当該香り発生器は、カバー板と液体香料吸蔵板が特殊構造をしているため、縦方向または横方向の気流通過抵抗は低い。従って、瞬間的な気流を当てて香りを固まりとして放出することが可能である。特に、空気砲の筒に香り発生器を取り付けると、気化香料の環状固まり(香り玉)を所定の方向、例えば、利用者に向けて放出できる。香料を拡散させずに、利用者の嗅覚器付近に届けることができるため、嗅覚特性は極めてよい。また、任意の空間に選択的に高い濃度の香りのガス玉を送ることができる。
【0210】
(15)香り発生器を加熱すると液体香料の気化が促進されるので、香り発生効率を更に高くできる。
【0211】
(16)香り発生器の液体香料吸蔵領域を分割し、当該分割された領域を選択的に加熱する、または、気流を当てると、香りを切り替える、または、調合することができる。
【0212】
(17)マイコン制御を組み合せることによって、様々な種類の香りを様々な濃度で発生させることができる。
【0213】
(18)香り発生器に気流を通過させて強い香りを発生させる香り発生装置の応用として、香りが出る照明装置、ヘアードライアー、エアコン、扇風機などが可能である。また、加湿器の水蒸気の出る部分に本香り発生器を取りつけて使用することができる。液体香料として、ユーカリ、ペパーミントを用いると、花粉症の人には、香りを利用して生理的な辛い症状の緩和が可能である。
【0214】
(19)人の嗅覚飽和特性を踏まえて、間欠駆動できるので、人に優しく飽きることのない香り発生装置が実現できる。
【0215】
(20)間欠駆動なので、消費電力は極めて少なく、USB端子から得られる電力を利用して動作させることができる。従って、商用電源線が省略でき取り扱いやすい。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】本発明の香り発生器の実施例で、断面概観図である。
【図2】当該実施例の構成要素である網状線材の液体香料吸蔵板である。
【図3】当該実施例の構成要素である網状線材の液体香料吸蔵板に通気孔を作るため撥水性材料を塗布した図である。
【図4】当該実施例の構成要素であるカバー板の拡大図である。
【図5】カバー板の空気穴近傍に撥水性材料をコーティングした場合の作用説明図である。
【図6】本発明の香り発生器の他の実施例である。図6Aは断面図、図6Bは網目に密の領域と疎の領域を設けた網状線材の液体香料吸蔵板、図6Cは断面拡大図である。
【図7】香り発生器の構成要素である液体香料吸蔵板の実施例である。
【図8】多孔質素材の液体香料吸蔵板を用いた香り発生器の実施例である。
【図9】当該多孔質素材で構成された液体香料吸蔵板の上面図である。
【図10】香り発生器のカバー板の変形例である。
【図11】香り発生器のカバー板の変形例である。
【図12】香り発生器のカバー板の変形例である。
【図13】本発明の香り発生器の他の実施例で、カプセル破裂式香料供給手段を液体香料吸蔵板近傍に埋め込む構成を示している。
【図14】当該液体香料吸蔵板を4分割し、各々に香料カプセルを埋め込んだ例である。
【図15】本発明の香り発生器の他の実施例で、ペンダントへの応用を示している。
【図16】本発明の香り発生器の他の実施例で、ブレスレットへの応用を示している。
【図17】本発明の香り発生器の他の実施例で、傘形の液体香料吸蔵板およびカバー板と、ロープ式香料供給手段とを組み合わせた構成を示している。
【図18】本発明の香り発生器の他の実施例で、ペンダントへの応用を示している。
【図19】本発明の香り発生器の他の実施例で、ペンダントへの応用を示している。
【図20】本発明の香り発生器の他の実施例で、腕時計への組み込み応用を示している。
【図21】本発明の香り発生装置の実施例で、卓上形芳香装置への応用例である。ポンプによる液体香料供給手段、液体香料気化促進手段などを示している。
【図22】当該卓上形芳香装置の断面図である。
【図23】液体香料を供給するポンプの拡大断面図である。
【図24】本発明の香り発生装置の他の実施例で、液体香料吸蔵板に4種類の液体香料を供給して、様々な香りを発生させる構成を示している。
【図25】本発明の香り発生装置の他の実施例で、香り発生扇風機への応用例である。図25Aは正面図、図25Bは側面図、図25Cは扇風機回転時の様子を示している。
【図26】本発明の香り発生装置の他の実施例で、気流発生手段として空気玉放出装置を用い、当該装置の開口部に平板形香り発生器を取り付けた構成である。
【図27】本発明の香り発生装置の他の実施例で、気流発生手段として空気玉放出装置を用い、円筒形香り発生器と組み合せて香り玉を発生させる構成である。
【図28】当該円筒形香り発生器の構造図で、液体香料吸蔵板には、発熱性網状線材を用いている。
【図29】本発明の香り発生装置の他の実施例で、気流発生手段として空気玉放出装置を用い、円筒形香り発生器と組み合せて香り玉を発生させる構成である。
【図30】本発明の香り発生装置の制御システム図である。液体香料吸蔵板への香料供給制御、液体香料気化促進手段の制御について示している。
【符号の説明】
【0217】
001、002、007、008・・・平板形香り発生器
003・・・・・・・香料カプセル式香り発生器
004・・・・・・・ペンダント形香り発生器
005・・・・・・・ブレスレット形香り発生器
006・・・・・・・傘形香り発生器
009・・・・・・・平板複合型香り発生器
010、011・・・円筒形香り発生器
012、013・・・ペンダント式香り発生器
014・・・・・・・腕時計内蔵平板形香り発生器
100、108、110、111、112、113、114、115、116、117、118・・・・・・・液体香料吸蔵板
109・・・・・・・液体香料仕切り部
101、102、103、104・・・網状線材の液体香料吸蔵板
107・・・・・・・多孔質素材の液体香料吸蔵板
200、201、205、206、207、209、211、214、
215、216、219、220、221、222、223、226、227、228、229、230・・・カバー板
202、208、210、217・・・空気穴
300・・・・・・・液体香料供給手段
301、309・・・液体香料
302、322・・・香料供給口
303・・・・・・・蓋
312、318・・・香料カプセル
326・・・・・・・液体ポンプ
400・・・・・・・香り
400B・・・・・・香り玉
500・・・・・・・熱源
501・・・・・・・気流発生手段
502・・・・・・・羽根
505・・・・・・・ヒータ
506・・・・・・・超音波振動子
509・・・・・・・制御回路
512・・・・・・・空気ポンプ
514・・・・・・・気流発生手段
515・・・・・・・エアーポンプ
AirH・・・・・・通気孔
EssH・・・・・・吸蔵孔
RC・・・・・・・・撥水性材料
AK・・・・・・・・発光手段
CH・・・・・・・・受光手段
GL・・・・・・・・電磁式香料弁
STP・・・・・・・香料止め機構

Claims (5)

  1. 液体香料吸蔵板と、当該液体香料吸蔵板に接するように設けられたカバー板とから構成され、
    当該液体香料吸蔵板は、液体香料を吸収し蓄えるとともに空気を通過させる網状線材または多孔質素材で構成され、
    当該カバー板は、複数の空気穴が設けられ、当該空気穴の大きさ及び形状は、皮膚が当該空気穴に触れた際に、皮膚の変形によって当該空気穴に侵入する当該皮膚が前記液体香料吸蔵板に到達しないように設定され、
    かつ、表面から裏面に向かって、即ち、皮膚が接する面から液体香料吸蔵板と接する面に向かって、当該空気穴が大きくなるように構成されることを特徴とする香り発生器
  2. 請求項1において、前記カバー板と前記液体香料吸蔵板との間の前記空気穴を前記液体香料の気化促進空間とすることを特徴とする香り発生器
  3. 液体香料吸蔵板と、当該液体香料吸蔵板に接するように設けられたカバー板とから構成され、
    当該液体香料吸蔵板は、液体香料を吸収し蓄えるとともに空気を通過させる網状線材または多孔質素材で構成され、
    当該カバー板は、複数の空気穴が設けられ、当該空気穴の大きさ及び形状は、皮膚が当該空気穴に触れた際に、皮膚の変形によって当該空気穴に侵入する当該皮膚が前記液体香料吸蔵板に到達しないように設定され、
    かつ、当該液体香料吸蔵板は、カバー板の空気穴に連結される空気通過領域が選択的に撥水性材料で構成される、または、当該空気通過領域の網目間隔が周辺に比べ疎になるように構成され、前記空気穴から入った空気が当該空気通過領域を介して縦方向または横方向に気流を形成することを特徴とする香り発生器
  4. 請求項1から請求項3に記載のいずれかの香り発生器を用い、当該香り発生器に縦方向または横方向の気流を当てることにより、気化香料を放出することを特徴とする香り発生装置
  5. 請求項1から請求項4に記載のいずれかの香り発生器を用い、当該香り発生器を加熱する手段を備え、当該加熱手段は、縦方向または横方向に気流を通過せしめる空気穴を多数有することを特徴とする香り発生装置
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