JP3874398B2 - ショーツ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はショーツに関し、とりわけ、尿吸収パットや生理用ナプキンなどの吸収性パットを併用することに好適なショーツに関する。
【0002】
【従来の技術】
吸収性パットを併用する失禁用ショーツや生理用ショーツにおいては、この吸収性パッドを着用者の陰部に密着保持させる機能を有することが求められる。
そこで、本件出願人は、実開昭59−122123号公報において、ショーツの後身頃片の胴周り方向略中央位置に、股下部から胴周り開口部側に向かって延びる伸縮性テープを取付けた生理用ショーツを提案した。
前記生理用ショーツは、伸縮性テープによってショーツによるナプキンの密着保持性を改善して、ナプキンを女性陰部に密着保持させるようにしてある。
【0003】
本件発明者は、吸収性パットを併用することに好適なショーツに関して、この吸収性パッドを着用者の陰部に密着保持させる機能の向上を研究しており、その結果、ショーツの伸縮を着用者の動作に追従させることが機能の向上に寄与することを知見した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は斯かる従来の実状に鑑みて案出されたもので、ショーツが着用者の動作に追従でき、ショーツに吸収性パットを装着した場合にこの吸収性パットがずれることなく陰部に密着できるようにしたショーツを得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1記載の発明は、伸縮性を有する前身頃片と後身頃片とを互いに縫合して、胴周り開口部及び一対の脚周り開口部が形成されると共に、前記一対の脚周り開口部の間に股当て片を備えた股下部が形成されてなり、前記後身頃片の略中央部に位置して、股下部から胴周り開口部側に向かって縦方向に延びる伸縮性テープが取付けられてなるショーツにおいて、
前記伸縮性テープが股下部から胴周り開口部側に向かって取付けられることによって、股当て片と後身頃片とを縫合する縫合線から胴周り開口側に向かって一定長の伸縮性ギャザー部と、この伸縮性ギャザー部よりも上方側の背側部とが形成されてなり、
前記伸縮性ギャザー部が背側部よりも伸び易く、背側部が股下部よりも伸び易く構成してある。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、 前記伸縮性ギャザー部が、伸縮性テープが縦方向に所定量伸長した状態を維持しつつ取付けられることによって、後身頃片と股当て片との縫合線から上方に収縮状態で30〜110mmの領域に形成されてなる構成にしてある。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、 前記脚周り開口部の前方部分に、前身頃片とは別体の脚周り片が取付けられてなる構成にしてある。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、 前記後身頃片の横方向寸法が、前身頃片の横方向寸法よりも大きく形成され、前身頃片と後身頃片とがショーツの腹側に偏倚した位置で縫合されてなる構成にしてある。
【0009】
ここで、前記前身頃、後身頃には、織布、不織布、編物等の各種布が採用可能である。したがって、この発明における縫合及び縫合線は接合及び接合線が含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
図1は本発明のショーツの断面図、図2は図1の背面図である。
図において、ショーツ1は、前身頃片2と後身頃片3とを互いに縫合して、胴周り開口部11及び一対の脚周り開口部12が形成してあると共に、一対の脚周り開口部12の間に股当て片4bを備えた股下部4が形成してある。
即ち、前身頃片2と後身頃片3とがショーツ1の腹側において上下方向に延びる縫合線6で縫合してあると共に、この実施の形態において前身頃片2及び後身頃片3とは別体の股下片4aを、前身頃片2及び後身頃片3に縫合線5及び縫合線7で縫合してあることによって、胴周り開口部11、一対の脚周り開口部12、股下部4が形成してある。
【0011】
この場合に、前記後身頃片3の横方向寸法は前身頃片2の横方向寸法よりも大きく形成してあり、前身頃片2と後身頃片3とはショーツ1の腹側に偏倚した位置位置で縫合されている。即ち、前記前身頃片2と後身頃片3との縫合線6がショーツ1着用者の腹側に位置するようにしてある。
また、前記股当て片4bは、前身頃片2に対しては股当て片4aと同様に縫合線5で縫合され、後身頃片3に対しては縫合線8で縫合してある。前記縫合線5,7,8は図1及び図2に示されるように、略横方向に延びている。なお、前記股下部4の内側、即ち股当て片4bの内側には吸収性パッド(図示せず)が装着可能である。
【0012】
前記前身頃片2及び後身頃片3は好ましくは縦横方向に伸縮性を有するツーウエイストレッチ布が用いられる。
前記股下部4の股下片4aは、適度な伸びを有する布が用いられ、前身頃片2及び後身頃片3の伸縮性よりも小さい伸縮性を有する布が選択される。また、前記股下部4の股当て片4bは防水性及び通気性を有し、かつ伸縮性の小さい布、合成樹脂製シート等が選択される。
【0013】
前記胴周り開口部11の周縁には胴周り方向へ伸縮可能な飾りテープ13が縫合線13aをもって取付けてある。
【0014】
また、前記一対の脚周り開口部12には、前方部分、即ちショーツ1の着用者の鼠蹊部に対応する位置に、前身頃片2とは別体であって、脚周り方向に弾性を有する脚周り片14が縫合線14aをもって縫合してある。この場合に、前記脚周り開口部12は、前身頃片2と、後身頃片3と、股下部4と、脚周り片14とによって形成されていることになる。なお、前記脚周り片14を前身頃2の後身頃3側又は股下部4側に取付けることによって、脚周り開口部12を前身頃片2と、後身頃片3と、股下部4と、脚周り片14とによって形成することが可能である。
【0015】
前記脚周り片14は、脚周り方向とこれに直角な方向に伸縮性を有するように配置され、好ましくは脚周り方向に伸び易いように配置される。
また、前記一対の脚周り開口部12の周縁には、脚周り片14が配置された部分を除いて、脚周り方向に弾性を有する飾りテープ15が縫合線15aに沿って縫合してある。
【0016】
前記ショーツ1には、後身頃片3の幅方向略中央部に位置して、股下部4から胴周り開口部12側に向かって縦方向に延びる伸縮性テープ16が取付けてある。前記伸縮性テープ16は、ウレタン繊維を織り込んだ幅3〜20mmのバイアステープが採用可能であって、後身頃3と股当て片4b(股下部4)との縫合線8から上方の一定長の領域18において、取付け時に縦方向に所定量伸長した状態を維持しつつ付けられ、背側部19及び股下部4においては伸長しない自由状態に取付けられる。
この場合に、前記領域18に取付けられる際の伸縮性テープ16の伸長率は、105〜140%が選択され、好ましくは110〜130%が選択される。
尚、前記股下部4においては、伸縮性テープ16は股下片4aと股当て片4bとの間に配置され、股下片4aに取付けてある。
【0017】
これによって、前記縫合線8から上方の一定長の領域18、好ましくは縫合線8から上方に収縮状態で30〜110mmの領域18に伸縮性ギャザー部20が形成され、この伸縮性ギャザー部20が背側部19よりも伸び易く、背側部19が股下部4よりも伸び易く構成される。即ち、伸縮性ギャザー部20、背側部19及び股下部4の伸び易さを比較した場合、股下片4aに前身頃片2及び後身頃片3よりも伸び易い布を採用することによって、伸縮性ギャザー部20が最も伸び易く、股下部4が最も伸びにくく、かつ背側部19が中間的な伸び易さを有していることになる。
【0018】
この場合に、前記伸縮性ギャザー部20の長さとして30〜110mmが選択されるのは、長さが30mm未満である場合には、ショーツ1の着用者が座ったり屈んだりする動きによる体形の変化を吸収しきれず、吸収性パッドを装着した場合に、着用者の動作によっては吸収性パッドがずれ易くなる一方、長さが110mmを超えるとショーツ1全体が縮んでしまい、ショーツ1を着用したときに、ウエストラインが下方に引っ張られてV字状になってしまうことになるからである。
【0019】
斯かる構成のショーツ1にあっては、前記伸縮性ギャザー部20が背側部19よりも伸び易く、背側部19が股下部4よりも伸び易く構成されていることによって、着用時のフィット性が向上される。即ち、前記ショーツ1は、着用者が立ち状態及び座り状態を繰り返す場合に、とりわけ伸縮性テープ16が取付けられた部分において、各部位に応じて所定の伸縮性をもって伸縮することにより、着用者の動きに追従し、着用者にフィットした状態が維持される。
これによって、前記股下部4の内側に吸収性パッドを装着した場合において、吸収性パッドのずれが有利に防止される。
したがって、前記ショーツ1に装着した吸収性パッドがずれることなく陰部に密着できるようにしたショーツ1が得られる。
【0020】
また、 前記伸縮性ギャザー部20は、伸縮性テープ16が縦方向に所定量伸長した状態を維持しつつ取付けられることによって、後身頃片3と股当て片4bとの縫合線8から上方に収縮状態で30〜110mmの領域18に、伸縮性ギャザー部20が形成されてなるから、伸縮性ギャザー部20を容易に、所定長さに亘って形成することができる。
【0021】
また、前記脚周り開口部12の前方部分に、前身頃片2とは別体の脚周り片14が取付けられてなるから、この脚周り片14を伸び易い布で構成することにより、着用者の前方部分、即ち鼠蹊部を無用に圧迫することがなく、優れた着用感覚を得ることができる。
【0022】
また、前記後身頃片3の横方向寸法が、前身頃片2の横方向寸法よりも大きく形成され、前身頃片2と後身頃片3とがショーツ1の腹側に偏倚した位置で縫合されてなるから、ショーツ1の着用時、縫合線6が着用者の腰骨に接することによる違和感の解消が可能となる。
【0023】
なお、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明はこれに限ることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記前身頃片2と後身頃片3との間に股下片4aを縫合して股下部4を形成した実施の形態について述べたが、股下片4を廃止して、前身頃片2と後身頃片3とを直接縫合する構成としても良い。
また、前記伸縮性ギャザー部20、背側部19及び股下部4の伸び易さを選択する場合に、伸縮性テープ16の幅や厚さ等を変更することも可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ショーツが着用者の動作に追従でき、ショーツに装着した吸収性パッドがずれることなく陰部に密着できるようにしたショーツが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のショーツの正面図である。
【図2】図1に示すショーツの背面図である。
【符号の説明】
1 ショーツ
2 前身頃片
3 後身頃片
4 股下部
4a 股当て片
5,6,7,8 縫合線
11 胴周り開口部
12 脚周り開口部
16 伸縮性テープ
19 背側部
20 伸縮性ギャザー部
Claims (3)
- 伸縮性を有する前身頃片(2)と後身頃片(3)とを互いに縫合して、胴周り開口部(11)及び一対の脚周り開口部(12)が形成されると共に、前記一対の脚周り開口部(12)の間に股当て片(4a)を備えた股下部(4)が形成されてなり、前記後身頃片(3)の略中央部に位置して、股下部から胴周り開口部側に向かって縦方向に延びる伸縮性テープ(16)が取付けられてなるショーツ(1)において、
前記伸縮性テープ(16)が股下部(4)から胴周り開口部(11)側に向かって取付けられることによって、股当て片(4a)と後身頃片(3)とを縫合する縫合線(8)から胴周り開口部(11)側に向かって一定長の伸縮性ギャザー部(20)と、この伸縮性ギャザー部よりも上方側の背側部(19)とが形成されてなり、
前記伸縮性ギャザー部(20)が背側部(19)よりも伸び易く、背側部(19)が股下部(4)よりも伸び易く構成されてなり、且つ、前記伸縮性ギャザー部(20)は、伸縮性テープ(16)が縦方向に所定量伸長した状態を維持しつつ取付けられることによって、後身頃片(3)と股当て片(4)との縫合線(8)から上方に収縮状態で30〜110mmの領域に形成されてなることを特徴とする、ショーツ。 - 前記脚周り開口部(12)の前方部分に、前身頃片(2)とは別体の脚周り片(14)が取付けられてなることを特徴とする、請求項1記載のショーツ。
- 前記後身頃片(3)の横方向寸法が、前身頃片(2)の横方向寸法よりも大きく形成され、前身頃片(2)と後身頃片(3)とがショーツの腹側に偏倚した位置で縫合されてなることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のショーツ。
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