JP3872992B2 - 自動操舵システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばパワーステアリング装置の油圧シリンダを自動操舵機構で制御するための自動操舵システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動操舵機構を備えた従来の自動操舵システムとして、特開平10−157643号公報に記載されたものが知られているが、この公報に記載されたシステムを示したのが、この出願に添付した図3である。
図3に示したように、従来の自動操舵システムでは、オイルポンプ101に分流弁102を接続し、この分流弁102にマニュアル操舵機構103と自動操舵機構104とを接続している。
【0003】
これらマニュアル操舵機構103と自動操舵機構104とは、上記分流弁102に対して並列になるように接続するとともに、これらマニュアル操舵機構103および自動操舵機構104の下流側には油圧シリンダ105を接続している。
また、上記油圧シリンダ105には、図示しないステアリングホイールを接続し、この油圧シリンダ105の移動によってステアリングホイールを転舵させるようにしている。
【0004】
上記分流弁102は、オイルポンプ101からの作動油をマニュアル操舵機構103あるいは自動操舵機構104のいずれか一方に選択的に供給するようにしている。この分流弁102には、オイルポンプ101に接続する流入口106と、マニュアル操舵機構103に接続する第1流出口107と、自動操舵機構104に接続する第2流出口108とを備えている。
また、上記流入口106と第1流出口107とは第1連通路109で連通され、流入口106と第2流出口108とは第2連通路110で連通される。この第1連通路109および第2連通路110には、それぞれ絞り111、112を設けている。
【0005】
また、上記分流弁102には、流入口106と第1流出口107および第2流出口108との間にスプール孔113を形成し、このスプール孔113には、摺動自在のスプール114を設けている。そして、このスプール114が図面右側に移動したときには第2流出口108を塞ぎ、左側に移動したときには第1流出口107を塞ぐようにしている。
【0006】
また、上記スプール114の第1連通路109側に臨んだ一端114aには、スプリング115のバネ力を作用させるとともに、移動部材116を臨ませている。また、第2連通路側110に臨んだ他端114bには、スプリング117のバネ力のみを作用させている。
上述したように、移動部材116の一端116aは、上記スプール114に臨ませているが、その他端116bには、パイロットライン118を介してマニュアル操舵機構103のパイロット圧を導いている。
【0007】
上記のような分流弁102の第1流出口107には、先に述べたようにマニュアル操舵機構103を接続している。このマニュアル操舵機構103はロータリー式油圧制御弁119により構成され、このロータリー式油圧制御弁119には、第1ポート120と第2ポート121とを備えている。上記第1ポート120は第1切換弁122を介して油圧シリンダ105の一方の室105aに接続している。また、第2ポート121は第2切換弁123を介して油圧シリンダ105の他方の室105bに接続するようにしている。
このようなマニュアル操舵機構103では、ドライバーのステアリング操舵力に応じて上記ロータリー式油圧制御弁119が切り換えられる。
【0008】
一方、上記分流弁102の第2流出口108には自動操舵機構104を接続している。この自動操舵機構104は、自動操舵制御弁124と、ステアリングの操舵量を検出する操舵量センサ125と、走行路やガードレールに設けた発信器から送信される外部信号を受信する受信機126と、これら操舵量センサ125あるいは受信機126からの信号によって自動操舵制御弁124を制御する制御装置127とを備えている。
このような自動操舵機構104では、上記制御装置127によって自動操舵制御弁124が切り換えられるようにしている。
【0009】
上記自動操舵制御弁124には、オイルポンプ101側に接続する導入ポート128と、タンクT2に接続するタンクポート129と、右操舵用ポート130と、左操舵用ポート131とを備えている。そして、上記右操舵用ポート130が上記第1切換弁122を介して油圧シリンダ105の一方の室105aに接続し、左操舵用ポート131が上記第2切換弁123を介して油圧シリンダ105の他方の室105bに接続するようにしている。
上記第1切換弁122および第2切換弁123は、マニュアル操舵機構103あるいは自動操舵機構104の差圧に応じて、上記マニュアル操舵機構103あるいは上記自動操舵機構104のいずれか一方の作動油を油圧シリンダ105に供給するようにしている。
【0010】
上記従来の自動操舵システムにおいて、マニュアル操舵をしようとした場合、自動操舵機構104のスイッチをオフにして、自動操舵制御弁124を中立の位置に保持する。このように自動操舵制御弁124を中立の位置に保持させることで、オイルポンプ101から自動操舵機構104側に供給された作動油はタンクT2に流れる。
そして、ドライバーはステアリングを左右いずれかの方向に操舵する。このようにドライバーがステアリングを左右いずれかの方向に操舵することによって、マニュアル操舵機構103のロータリー式油圧制御弁119が切り換えられる。
【0011】
例えば、ドライバーが右側に操舵した場合、ロータリー式油圧制御弁119の絞りAおよびBの開度が大きくなり、絞りCおよびDの開度が小さくなるようにしている。このように絞りA,Bの開度が大きくなり、絞りC,Dの開度が小さくなると、第1ポート120を介して第1切換弁122の一方の室122aにオイルタンク101の作動油が供給される。
【0012】
このように第1切換弁122の一方の室122aに作動油が供給されると、第1切換弁122の弁体132が図面右側の他方の室122b側に押され、自動操舵制御弁124の右走行用ポート130と、油圧シリンダ105の一方の室105aに連通するポート133との連通を遮断する。自動操舵制御弁124と油圧シリンダ105との連通が遮断されると、ロータリー式油圧制御弁119の第1ポート120と油圧シリンダ105の一方の室105aに連通するポート134とだけが連通される。したがって、マニュアル操舵機構103からの作動油だけが油圧シリンダ105の一方の室105aに供給される。
【0013】
一方、油圧シリンダ105の他方の室105bは排出側となるが、この排出される作動油は弁体135の両側に導かれる。したがって、この弁体135が左右いずれかに切り換わるということがない。上記弁体135が切り換わることがないので、ポート136は他方の室123bを介してタンクT2に導かれ、ポート137は一方の室123aを介してタンクT2に導かれる。
したがって、上記油圧シリンダ105の他方の室105bの作動油は、上記ポート136および137を介してタンクT2に流れる。
このように、油圧シリンダ105の一方の室105aに作動油が供給され、他方の室105bの油がタンクT2に流れることによって、油圧シリンダ105が移動し、ステアリングホイールを右方向に転舵することができる。
【0014】
また、上記ではドライバーが右方向にステアリングを操舵した場合について説明したが、ドライバーがステアリングを左方向に操舵した場合には、ロータリー式油圧制御弁119の絞りC,Dの開度が大きくなり、絞りA,Bの開度が小さくなる。そして、オイルポンプ101の作動油が油圧シリンダ105の他方の室105bに供給され、一方の室105aの油がタンクT2に流れ、ステアリングホイールを左方向に転舵させることができる。
【0015】
上記のようにドライバーが左右いずれかの方向にステアリングを操舵すると、このマニュアル操舵機構103に負荷圧が発生するが、この負荷圧は第1連通路109にも同様に発生している。この第1連通路109に発生した圧力は、スプール114の一端114aに作用する。
【0016】
さらに、上記マニュアル操舵機構103に発生した圧力は、パイロットライン118を介して移動部材116の他端116bにも作用する。このようにマニュアル操舵機構103に発生した圧力が、スプール114の一端114aと移動部材116の他端116bとに作用して、この力がスプリング117のバネ力よりも大きくなると、スプール114が図面右方向に移動する。
このようにスプール114が右方向に移動すると、このスプール114によって第2流出口108が塞がれる。したがって、オイルポンプ101の作動油はマニュアル操舵機構103だけに供給されるようになる。
【0017】
次に自動操舵をしようとした場合について説明する。自動操舵をする場合には、自動操舵機構104のスイッチをオンにする。このように自動操舵機構104のスイッチをオンにすると、制御装置127によって自動操舵制御弁124が制御されるようになる。
【0018】
上記制御装置127によって自動操舵制御弁124が切り換えられると、その負荷圧力によって、第1切換弁122および第2切換弁123の弁体132,135が、図面左方向に移動する。そして、自動操舵制御弁124と油圧シリンダ105とを連通し、マニュアル操舵機構103のロータリー式油圧制御弁119と油圧シリンダ105との連通を遮断する。
そして、上記自動操舵制御弁124の切換位置に応じて油圧シリンダ105を移動させ、ステアリングホイールを転舵させる。
【0019】
上記のように自動操舵機構104に負荷圧が発生すると、分流弁102の流入口106と、自動操舵機構104に接続する第2流出口108とを連通する第2連通路110にも上記圧力が発生する。そして、この圧力がスプリング115のバネ力よりも大きくなると、スプール114が図面左方向に移動する。スプール114が図面左方向に移動することによって、このスプール114が第1流出口107を塞ぐようになる。したがって、オイルポンプ101からの作動油は、マニュアル操舵機構103には供給されずに、自動操舵機構104に供給されることになる。
【0020】
また、この従来の自動操舵システムでは、自動操舵機構104によって自動操舵をしている場合であっても、ドライバーが自己の意思でステアリングを操舵したときには、マニュアル操舵に切り換えるようにしている。上記自動操舵中にドライバーが自己の意思でステアリングを操舵するのは、例えば、ドライバーが危険を感知してとっさにステアリングを操舵した場合などがある。
【0021】
上記自動操舵機構104にオイルポンプ101からの作動油が供給されるようにすると、上述したようにスプール114が左側に移動して第1流出口107を塞ぐようにするが、このとき、完全に塞ぐのではなく、スプール114に設けた通孔138によって、わずかにすき間ができるようにしている。このように通孔138を設けることによってオイルポンプ101からの作動油がわずかにマニュアル操舵機構103にも供給されるようにしている。
【0022】
このようにわずかにマニュアル操舵機構103に作動油が供給されている状態で、ドライバーがステアリングを操舵すると、図3のロータリー式油圧制御弁119の絞りA,BあるいはC,Dのいずれかの開度が小さくなる。このように絞りの開度が小さくなることによって、このロータリー式油圧制御弁119には高い負荷圧が発生する。この発生した圧力は、スプール114の一端114aに直接作用し、スプール114を図面右側に押し付けるとともに、移動部材116の他端116bにも圧力が作用し、スプール114を右側に押し付けるようにする。
【0023】
上記のようにスプール114には図面右側に押し付ける力が作用するが、この右側に押し付ける力が、スプール114を左側に押し付けるスプリング117のバネ力と自動操舵機構104の負荷圧よりも大きくなったとき、スプール114は図面右側に移動する。
このようにスプール114が図面右側に移動すると、塞がれていた第1流出口107が開放される。一方、自動操舵機構104と接続する第2流出口108が塞がれ、オイルポンプ101の作動油は第1流出口107と接続するマニュアル操舵機構103に供給される。
上記のようにして、自動操舵中でも、ステアリングを操舵することによってマニュアル操舵機構103に切り換えられるようにしている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の自動操舵システムにおいて、自動操舵機構104によって自動操舵をしている場合に、ドライバーが自己の意思でステアリングを操舵することでマニュアル操舵に切り換えるときには、以下のような問題があった。
【0025】
上記従来の自動操舵システムでは、ドライバーがステアリングを操舵してロータリー式油圧制御弁119に発生する負荷圧が、スプリング117のバネ力と自動操舵機構104との負荷圧よりも大きくならないと、スプール114は図面右側に移動しない。したがって、上記ロータリー式油圧制御弁119に発生する負荷圧が、上記スプリング117のバネ力と自動操舵機構104との負荷圧より小さいと、自動操舵からマニュアル操舵に切り換わらない。言い換えれば、自動操舵機構104の負荷圧が大きい場合には、ステアリングの操作量も大きくする必要があり、自動操舵からマニュアル操舵に切り換わりにくいという問題があった。
【0026】
また、上記自動操舵からマニュアル操舵に切り換わる場合、ドライバーがステアリングを操舵してロータリー式油圧制御弁119で負荷圧を発生させてから以下のような過程が必要となる。上記ドライバーがステアリングを操舵すると、その負荷圧が移動部材116に作用し、この移動部材116によってスプール114を移動させ、このスプール114によって自動操舵機構に連通する第2流出口108が塞がれるという過程である。
【0027】
したがって、ドライバーがステアリングを操舵しても、マニュアル操舵に切り換わるまでに時間がかかってしまう。自動操舵からマニュアル操舵に切り換わるまでに時間がかかると、切り換えの応答性が悪いという問題があった。
上記のように自動操舵からマニュアル操舵への切り換えの応答性が悪いと、例えば、ドライバーが危険を察知してステアリングを操舵した場合には、危険回避が遅れてしまう可能性があった。
【0028】
また、自動操舵時であっても、使用していないマニュアル操舵機構103のロータリー式油圧制御面119に、通孔138を介して作動油が供給されるようになっている。したがって、上記マニュアル操舵機構103に供給される作動油の分だけ、エネルギーロスが発生するという問題もあった。
しかも、上記のように、自動操舵時であってもマニュアル操舵機構103に作動油を供給するようにしているので、自動操舵機構に最高圧力を発生できず、十分な操舵力を発揮できない可能性がある。このような場合には、油圧ポンプの圧力性能を上記通孔138の損失分だけ向上させなければならない。
【0029】
さらに、上記従来例の場合、一度、自動操舵からマニュアル操舵に切換わっても、ステアリングを中立位置に戻したら、再び自動操舵に切り換わるという問題があった。それは以下の理由による。
この従来例では、ロータリー式油圧制御弁119に発生する負荷圧によってスプール114を移動させ、供給圧がロータリー式油圧制御弁119に導かれるようにしている。しかし、ステアリングが中立位置になると、ロータリー式油圧制御弁119の負荷圧が低下する。
【0030】
上記のようにロータリー式油圧制御弁119の負荷圧が低下すると、スプール114は、スプリング117のバネ力によって図4の左側に移動する。このとき、自動操舵制御弁124が切り換わったままなので、この自動操舵制御弁124にも供給圧が供給され、この自動操舵制御弁124に圧力が発生する。この発生した圧力によってスプール114がさらに左側に移動して第1流出口107を塞ぐ可能性もある。
このように、第1流出口107が塞がれると、マニュアル操舵から再び自動操舵に切り換わってしまう。
【0031】
したがって、上記ステアリングが中立位置になると、マニュアル操舵から自動操舵に切り換わり、ステアリングを操舵すると、今度は自動操舵からマニュアル操舵に切り換わるようになる。
しかし、このように、マニュアル操舵と自動操舵とが入り交じった操舵になった場合、ドライバーは、マニュアル操舵をしているのか自動操舵をしているのかを認識することができない。したがって、ドライバーが操舵フィーリングに違和感を覚えるという問題がった。さらに、上記マニュアル操舵と自動操舵が入り交じることによって、操舵の安定性が悪くなったりするという問題もあった。
【0032】
この発明の目的は、自動操舵時に、マニュアル操舵に切り換える場合、ステアリングの操舵量に拘わらず確実に切り換わり、しかも、この切り換えの応答性が良好で、かつ、エネルギーロスのない自動操舵システムを提供することである。さらに、自動操舵からマニュアル操舵に切り換わったら、この切換位置を保持することができる自動操舵システムを提供する。
【0033】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、オイルポンプと、ステアリングの操舵力に応じて切り換わるオープンセンタタイプの油圧バルブと、コントローラからの信号に応じて切り換わるオープンセンタタイプの制御バルブと、上記コントローラの信号に応じて上記油圧バルブおよび制御バルブのいずれか一方を油圧シリンダに連通させる切り換えバルブと、この切り換えバルブの切換位置を保持させるデテント機構とを備え、上記切り換えバルブの一端に上記油圧バルブの上流側の圧力を導くとともに、上記切り換えバルブの他端に上記油圧バルブの下流側の圧力を導き、ステアリングを操舵して上記切り換えバルブの一端側に作用する押力が、上記切り換えバルブの他端側に作用する押力よりも大きくなったとき、上記切り換えバルブの一端側に作用する押力によって切り換えバルブが切り換わり、上記油圧バルブを上記油圧シリンダに連通させたことを特徴とする。
【0034】
第2の発明は、切り換えバルブは、マニュアル操舵位置と自動操舵位置とを備え、上記マニュアル操舵位置では、油圧バルブと油圧シリンダとを連通させ、制御バルブと油圧シリンダとの連通を遮断するとともに、上記自動操舵位置では、上記油圧バルブと油圧シリンダとの連通を遮断し、制御バルブと油圧シリンダとを連通させたことを特徴とする。
第3の発明は、オイルポンプと、ステアリングの操舵力に応じて切り換わるオープンセンタタイプの油圧バルブと、コントローラからの信号に応じて切り換わるとともに、オイルポンプに対して上記油圧バルブと直列に設けたオープンセンタタイプの制御バルブと、上記油圧バルブと油圧シリンダとを連通する一対の連通路と、この一対の連通路に設けるとともに上記油圧バルブを油圧シリンダに連通させたり、あるいはこの連通を遮断したりする切り換えバルブと、この切り換えバルブの切換位置を保持させるデテント機構とを備え、上記切り換えバルブの一端に上記油圧バルブの上流側の圧力を導くとともに、上記切り換えバルブの他端に上記油圧バルブの下流側の圧力を導き、ステアリングを操舵して上記切り換えバルブの一端側に作用する押力が、上記切り換えバルブの他端側に作用する押力よりも大きくなったとき、上記切り換えバルブの一端側に作用する押力によって切り換えバルブが切り換わり、上記油圧バルブを上記油圧シリンダに連通させ、かつ、上記制御バルブは2つの通路を介して上記一対の連通路に連通するとともに、この通路には制御バルブから油圧シリンダへの流れのみを許容するチェック弁をそれぞれ設け、上記いずれか一方の通路の圧力をいずれか他方の通路に設けたチェック弁に作用させ、このいずれか一方の通路の圧力によって、いずれか他方の通路に設けたチェック弁が押し開かれ、上記いずれか一方の通路を介して、油圧シリンダに圧油が供給され、いずれか他方の通路を介して油圧シリンダの戻り油がタンクに戻される点に特徴を有する。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1実施形態を表したものである。
図示したように、オイルポンプ1に供給路2を介してマニュアル操舵機構3を接続し、このマニュアル操舵機構3の下流側に流路4を介して自動操舵機構5を接続している。すなわち、オイルポンプ1に対してマニュアル操舵機構3と自動操舵機構5とを直列に接続している。
【0036】
上記マニュアル操舵機構3は、オープンセンタタイプの油圧バルブ6によって構成される。この油圧バルブ6はステアリングシャフト7を介してステアリング8と接続している。そして、ステアリング8の操舵によって、上記油圧バルブ6が切り換わるとともに、その操舵力に応じて、油圧シリンダ9に供給する油圧を制御している。
【0037】
また、上記自動操舵機構5は、オープンセンタタイプの制御バルブ10によって構成されるとともに、この制御バルブ10にはソレノイド11、12を設けている。このソレノイド11、12はコントローラEに接続し、コントローラEの励磁信号によって励磁されるようにしている。
【0038】
そして、上記マニュアル操舵機構3の油圧バルブ6の戻りポート16と、自動操舵機構5の制御バルブ10のポンプポート17とを流路4で連通することによって、マニュアル操舵機構3と自動操舵機構5とを接続している。
また、上記マニュアル操舵機構3および自動操舵機構5を、スプールバルブである切り換えバルブ19を介して上記油圧シリンダ9に接続している。
なお、この実施形態では、上記切り換えバルブ19はスプールバルブとしているが、上記切り換えバルブ19は、どのようなタイプの切り換えバルブでもよい。
【0039】
上記切り換えバルブ19はマニュアル操舵位置19aと自動操舵位置19bとを有している。また、上記切り換えバルブ19はポート20〜23を有している。
上記切り換えバルブ19がマニュアル操舵位置19aにあるときは、上記油圧バルブ6は、ポート20、21を介して油圧シリンダ9と連通している。このとき、上記制御バルブ10と、油圧シリンダ9との連通は遮断されている。
一方、上記切り換えバルブ19が自動操舵位置19bにあるときは、上記制御バルブ10は、ポート22、23を介して油圧シリンダ9と連通している。このとき、上記油圧バルブ6と、上記油圧シリンダ9との連通は遮断されている。
【0040】
また、上記切り換えバルブ19には、その一端24にデテント機構Sを、他端25にソレノイド26を設けている。そして、上記ソレノイド26も上記コントローラEに接続し、コントローラEの励磁信号によって励磁されるようにしている。
また、上記デテント機構Sは、移動規制溝27と、この移動規制溝27にかみ合う図示しないボール部材とからなる。上記移動規制溝27はマニュアル操舵保持溝27aと、自動操舵保持溝27bとを備え、上記移動規制溝27にボール部材がかみ合うことによって、上記切り換えバルブ19を各切換位置に保持するようにしている。
【0041】
そして、上記切り換えバルブ19には、その一端24に油圧バルブ6の上流側の圧力を、パイロットラインP1を介して導くようにしている。また、上記切り換えバルブ19の他端25に上記油圧バルブ6の下流側の圧力を、パイロットラインP2を介して導くようにしている。
なお、上記油圧シリンダ9のピストンロッド28の両端には操舵輪29を接続するとともに、この油圧シリンダ9は、実際にはマニュアル操舵機構3と一体的に構成されるようにしている。
【0042】
また、上記コントローラEには、操舵指令Mと、自動操舵ON/OFFスイッチ13からのON/OFF信号と、タイヤの舵角を検出する舵角センサー14からの舵角信号とが入力されるようにしている。上記操舵指令Mとは、例えば車両が走行路から外れないように車両の走行状態に応じて出力される信号である。
このようなコントローラEによって、上記切り換えバルブ19あるいは自動操舵機構5の制御バルブ10を切り換えるようにしていることは先に述べたとおりである。
【0043】
上記のような構成において、その作用を説明する。
ドライバーが自動操舵をしようとした場合、自動操舵ON/OFFスイッチ13をONにする。このように自動操舵ON/OFFスイッチをONにすると、ON信号がコントローラEに入力される。コントローラEは、切り換えバルブ19のソレノイド26を励磁するとともに、舵角センサー14からの舵角信号に応じて制御バルブ10のソレノイド11、12を励磁する。
【0044】
上記ソレノイド26が励磁されると、そのソレノイド推力によって、デテント機構Sのマニュアル保持溝27aがボール部材から外れ、上記切り換えバルブ19は、自動操舵位置19bに切り換わる。
上記切り換えバルブ19が自動操舵位置19bに切り換わると、上記デテント機構Sのボール部材が、自動保持溝27bにかみ合うようになり、この切り換えバルブ19を自動操舵位置19bにしっかりと保持する。
【0045】
上記のように切り換えバルブ19が切り換わったら、その後はデテント機構Sによってその位置が保持されるので、上記切り換えバルブ19のソレノイド26は非励磁にするようにしている。
また、制御バルブ10も、操舵指令Mと舵角センサ14とからの舵角信号に応じて左右いずれかの位置に切り換わる。
【0046】
このとき、オイルポンプ1からの圧油は、以下のようにして油圧シリンダ9に導かれる。
すなわち、上記オイルポンプ1からの供給油は、供給路2を介してマニュアル操舵機構3の油圧バルブ6のポンプポート15に導かれる。この油圧バルブ6がドライバーによって切り換えられていないので、油圧バルブ6は中立位置を保っている。これと同時に、切り換えバルブ19が自動操舵位置19bに切り換わっているのでポート20とポート21とはブロックさせる。
【0047】
したがって、ポンプポート15に導かれた圧油は、短絡路32、流路4を介して、自動操舵機構5の制御バルブ10のポンプポート17に導かれる。ポンプポート17に導かれた圧油は、自動操舵位置19bにある切り換えバルブ19を介して油圧シリンダ9に導かれる。
このとき、油圧シリンダ9からの戻り油は、切り換えバルブ19に導かれ、制御バルブ10の戻りポート18からタンク通路31を介してタンクT1に戻される。
以上のようにして、ドライバーは自動操舵をすることができる。
【0048】
一方、ドライバーがマニュアル操舵をしようとした場合、自動操舵ON/OFFスイッチ13をOFFにする。自動操舵ON/OFFスイッチをOFFにすると、コントローラEは切り換えバルブ19のソレノイド26を非励磁にするとともに、自動操舵機構5の制御バルブ10のソレノイド11、12も非励磁にする。
ここで、上記マニュアル操舵をする前に自動操舵をしていた場合には、切り換えバルブ19が自動操舵位置19bに切換わっていて、その切換位置をデテント機構Sによって保持されている。したがって、油圧バルブ6と油圧シリンダ9との連通が遮断されている。
【0049】
上記油圧バルブ6と油圧シリンダ9との連通が遮断されている状態で、マニュアル操舵を開始して、ステアリング8を操舵すると、この操舵力によって油圧バルブ6が左右いずれかの位置に切り換わる。そして、オイルポンプ1からの供給油が油圧バルブ6に供給される。
しかし、上記したように油圧バルブ6と油圧シリンダ9との連通が遮断されているので、供給側の圧力が高くなる。すなわち、供給路2の圧力が高くなり、パイロットポートP1の圧力が上昇する。そして、この上昇した圧力が切り換えバルブ19の一端24に導かれる。
【0050】
そして、上記パイロットポートP1の圧力が、切り換えバルブ19の他端25に導かれた圧力よりも高くなると、この切り換えバルブ19は図1の左側に押し付けられる。そして、上記一端24に導かれた圧力が他端25に導かれた圧力よりも設定以上に高くなると、デテント機構Sの自動操舵保持溝27bからボール部材が外され、この切り換えバルブ19が切り換わる。すなわち、上記切り換えバルブ19は、自動操舵位置19bからマニュアル操舵位置19aに切り換わる。
【0051】
さらに、上記自動操舵位置19bからマニュアル操舵位置19aに切り換わると、デテント機構Sのボール部材は、マニュアル保持溝27aにかみ合うようになる。
上記切り換えバルブ19が切り換わると、油圧バルブ6と油圧シリンダ9とが連通し、ドライバーによるマニュアル操舵が可能となる。
【0052】
さらに、上記この第1実施形態の自動操舵システムも、従来の自動操舵システムと同様に、自動操舵機構5によって自動操舵をしている場合であっても、ドライバーが自己の意思でステアリング8を操舵したときには、マニュアル操舵に切り換わるようにしている。上記自動操舵中にドライバーが自己の意思でステアリングを操舵するのは、例えば、ドライバーが危険を感知してとっさにステアリングを操舵した場合などがある。
【0053】
上記自動操舵時というのは、切り換えバルブ19が自動操舵位置19bに切り換わっているときである。上記切り換えバルブ19が自動操舵位置19bに切り換わっている状態で、ドライバーがステアリング8を操舵すると、上記油圧バルブ6は、この操舵力によって左右いずれかに切り換わる。
これは、上記マニュアル操舵をするときと同様である。したがって、自動操舵時にマニュアル操舵をしたときにも、通常のマニュアル操舵と同様の機構で切り換えバルブ19が自動操舵位置19bからマニュアル操舵位置19aに切り換わる。
【0054】
さらに、上記切り換えバルブ19のマニュアル操舵位置19aは、デテント機構Sによってその位置が保持される。したがって、上記切り換えバルブ19が、一度、自動操舵位置19bからマニュアル操舵位置19aに切り換わったら、再び自動操舵ON/OFFスイッチ13をONにしてソレノイド26を励磁させない限り、自動操舵位置19bに戻ってしまうことがない。自動操舵位置19bに戻ってしまうことがないので、自動操舵からマニュアル操舵に切り換えたとき、その操舵中に、ドライバーの意思に拘わらず再び自動操舵に切り換わるということがなくなる。したがって、操舵フィーリングを良好に保つことができ、操舵の安定性を維持することができる。
【0055】
また、上記のようにデテント機構Sによって機械的に切り換えバルブ19の切換位置を保つことができるので、例えばバルブ位置センサや圧力検出装置を用いて電気的に上記切り換えバルブ19を制御するよりも、コストを低く抑えることができる。
上記切り換えバルブ19の切換位置を電気的な制御で保持しようとすると、上記保持しているときには、常に通電が必要となる。このように、常に通電することによって、ソレノイドの寿命を短くしたり、誤作動を発生させたりする可能性が高くなる。これに対して、この実施形態のようにデテント機構Sを採用することによって、ソレノイドの信頼性や耐久性を向上させることができる。
なお、自動操舵ON/OFFスイッチを再びONにしてソレノイド26を励磁させた場合には、マニュアル操舵位置19aから自動操舵位置19bに切り換わるようにしている。
【0056】
上記のように自動操舵中にステアリング8を操舵すると、その操舵の大小に拘わらず供給路2の連通が遮断される。そして、この遮断によって上昇した供給路2の圧力によって、切り換えバルブ19を切り換えるようにしている。したがって、従来のように自動操舵機構の負荷圧が大きい場合に、ステアリングの操作量を大きくしなければならないという不都合を解消することができ、上記ステアリングの操作量の大小に拘わらずマニュアル操舵に切り換えることができる。
【0057】
また、上記供給路2の圧力をパイロットポートP1から直接切り換えバルブ19に導いて、この切り換えバルブ19を切り換えているので、ステアリング8を操舵して供給路2の圧力が上昇したら、すぐに上記切り換えバルブ19が切り換わる。したがって、ステアリング8を操舵してから、マニュアル操舵に切り換わるまでの応答性を良好に保つことができる。
上記のように応答性を良好に保つことができるので、例えば、ドライバーが危険を察知して自己の意思でステアリング8を操舵した場合には、その危険を回避できる可能性が高い。
【0058】
さらに、従来の自動操舵システムでは、ステアリングの操舵量が大きくなった状態で自動操舵からマニュアル操舵に切り換わっていた。このように、ステアリングの操舵量が大きくなった状態で自動操舵からマニュアル操舵に切り換わると、切り換わりの瞬間にステアリングが軽くなるなどのショックが伴うことがあった。しかし、この実施例の自動操舵システムでは、ドライバーがステアリング8を操舵すると、瞬時に自動操舵からマニュアル操舵に切り換わるので、ステアリング8に与えるショックも少ない。つまりは、ドライバーに感じさせるショックを小さく抑えることができる。
【0059】
さらに、マニュアル操舵機構3の油圧バルブ6と、自動操舵機構5の制御バルブ10とを、オイルポンプ1に対して直列に接続しているので、マニュアル操舵機構3と自動操舵機構5とに、別々に圧油を供給することがない。すなわち、従来例では、自動操舵時であっても使用していないマニュアル操舵機構に圧油を供給していたが、この第1実施例では使用していない操舵機構には圧油を供給しなくてもよい。使用していない操舵機構に圧油を供給しないので、その分、エネルギーロスを防止することができる。また、エネルギーロスを防止することができるので、この分、オイルポンプ1も小型にすることができる。
【0060】
図2は、この発明の第2実施形態を示したものである。この第2実施形態では、マニュアル操舵機構3の油圧バルブ6に切り換えバルブ33を接続し、この切り換えバルブ33は、マニュアル操舵位置33aと自動操舵位置33bとを備えている。上記マニュアル操舵位置33aでは、マニュアル操舵機構3の油圧バルブ6と油圧シリンダ9とを連通路34、35を介して連通し、自動操舵位置33bでは、これを遮断する。
【0061】
さらに、上記切り換えバルブ33には、その一端側37にデテント機構Sを設けている。このデテント機構Sは上記第1実施形態と同様である。
また、上記切り換えバルブ33には、その一端37に油圧バルブ6の上流側の圧力を、パイロットラインP1を介して導き、上記切り換えバルブ33の他端38に上記油圧バルブ6の下流側の圧力を、パイロットラインP2を介して導くようにしている。また、この他端38側にはソレノイド39を備えている。
【0062】
自動操舵機構5の制御バルブ10は、チェック弁40、41を介して上記連通路34,35に連通する。また、このチェック弁40,41は、通路42,43を介して制御バルブ10に接続している。
また、上記チェック弁40,41は、制御バルブ10から油圧シリンダ9への流れのみを許容し、その逆を阻止するようにしている。
【0063】
さらに、上記チェック弁40の上流の圧力をパイロットライン44によって他方のチェック弁41に導いている。そして、上記一方のチェック弁40の上流が高圧になったとき、他方のチェック弁41を押し開くようにしている。同様にチェック弁41の上流の圧力を、パイロットライン45を介して一方のチェック弁40に導いている。
この第2実施形態において、上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。その同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0064】
上記のような構成の第2実施形態において、ドライバーが自動操舵にする場合には、自動操舵ON/OFFスイッチ13をONにして、このON信号をコントローラEに入力する。コントローラEは、切り換えバルブ33のソレノイド39を励磁するとともに、制御バルブ10のソレノイド11,12を励磁する。
上記励磁された切り換えバルブ33は、遮断位置33bに切り換わり、オイルポンプ1からの供給油は、供給路4を介して、自動操舵機構5の制御バルブ10に導かれる。制御バルブ10に導かれた供給油は、チェック弁40,41のいずれか一方を介して連通路34あるいは35に導かれ、この連通路34あるいは35を介して油圧シリンダ9に供給される。
【0065】
このとき上記いずれか一方のチェック弁の上流の圧力が、他方のチェック弁にパイロット圧として導かれている。したがって、この他方のチェック弁は、上記パイロット圧によって押し開かれる。
したがって、油圧シリンダ9からの戻り油は、上記押し開かれた他方のチェック弁を介して、タンクT1に戻される。
【0066】
一方、ドライバーがマニュアル操舵をおこなうとき、自動操舵ON/OFFスイッチ13をOFFにする。自動操舵ON/OFFスイッチ13をOFFにしているとき、コントローラEは切り換えバルブ33のソレノイド39を非励磁にするとともに、自動操舵機構5の制御バルブ10のソレノイド11,12も非励磁にする。
上記自動操舵ON/OFFスイッチをOFFにしたとき、上記切り換えバルブ33が自動操舵位置33bに切換わっているときには、上記第1実施形態と同様に、この切り換えバルブ33が一端37に導かれるパイロット圧と他端38に導かれるパイロット圧とによって、マニュアル操舵位置33aに切り換わる。したがって、オイルポンプ1からの供給油は、上記マニュアル操舵機構3を介して上記油圧シリンダ9のいずれかの室9a、9bに導かれる。
【0067】
この第2実施形態によれば、自動操舵機構5の制御バルブ10と油圧シリンダ9との間にチェック弁40,41を設けることによって、操舵輪29,29に加わる外力で、自動操舵時に油圧シリンダ9が動いてしまうのを防止することができる。
例えば、自動操舵の直進時においては、舵角センサー14の舵角がゼロとなることがある。このように舵角がゼロになったときには、コントローラEに入力される舵角信号がゼロになり、制御バルブ10は中立位置に保たれる。制御バルブ10が中立位置に保たれたとき、この制御バルブ10はタンクT1に連通する。
さらに、制御バルブ10がタンクT1に連通し、しかも、油圧シリンダ9と制御バルブ10とが連通すると、操舵輪29,29に外力が加わったときに、油圧シリンダ9の室9aあるいは9bの油が制御バルブ10側に流出入し、ピストンロッド28が動いてしまうことがある。
【0068】
また、上記ピストンロッド28が動いてしまうと、回路内に圧力が発生する。この発生した回路内の圧力によって、パイロットポートP1,P2に圧力が発生し、切り換えバルブ33を切り換える可能性もある。
【0069】
しかし、この第2実施形態によれば、油圧シリンダ9と制御バルブ10との間にチェック弁40,41を設けているので、操舵輪29,29に外力が加わったとしても、油圧シリンダ9の室の油が制御バルブ10側に流入することがない。
したがって、上記操舵輪29,29に外力が加わっても、油圧シリンダ9が動いてしまうことがない。油圧シリンダ9が外力で動くことがないので、安全性を向上させることができる。
【0070】
さらに、この第2実施形態の切り換えバルブ33は、マニュアル操舵機構3の油圧バルブ6と油圧シリンダ9とを連通させるか、あるいは、遮断するかのどちらかのみを行う。したがって、第1実施形態のように、マニュアル操舵機構3の油圧バルブ6と、自動操舵機構5の制御バルブ10との両方を切り換えバルブ33に接続し、どちらかのバルブを油圧シリンダ9に接続するように切り換えるときに比べて、この切り換えバルブ33のポート数が少なくてよい。しかも、この切り換えバルブ33の構造も簡単にすることができる。
【0071】
また、切り換えバルブ33に、油圧バルブ6の上流側の圧力と下流側の圧力とを導くことによって、ドライバーが、記自動操舵中にマニュアル操舵をしたときには、マニュアル操舵に切り換えることができるという効果は第1実施形態と同様である。また、デテント機構Sを設けることによって、この切り換えバルブ33が遮断位置33bに戻ってしまうことがない等の効果も第1実施形態と同様である。
【0072】
なお、上記第1および第2実施形態の制御バルブや切り換えバルブは、従来のパワーステアリング装置内に一体的に組み込むこともできるし、上記パワーステアリング装置の外側に組み付けることもできる。上記パワーステアリング装置の外側に組み付ける場合には、従来のパワーステアリング装置をそのまま利用し、これに組み付けることも可能である。したがって、車両搭載時のレイアウトも比較的容易であり、かつ、オプションとして後付けすることもできる。
【0073】
【発明の効果】
第1の発明によれば、切り換えバルブの一端に油圧バルブの上流側の圧力を導き、上記切り換えバルブの他端に上記油圧バルブの下流側の圧力を導く構成にしたので、自動操舵時にドライバーがステアリングを操舵して、上記油圧バルブの上流側の圧力を上昇させることによって、この上昇した圧力で直接切り換えバルブを切り換えることができる。
したがって、上記ステアリングの操舵量に拘わらず、切り換えバルブを切り換えることができる。
【0074】
また、油圧バルブの上流側の圧力で直接切り換えバルブを切り換えることができるので、その切り換えを瞬時におこなうことができ、自動操舵からマニュアル操舵への切り換えの応答性を良好に保つことができる。
さらに、上記切り換えバルブにデテント機構を設け、この切り換えバルブが切り換わったら、その切換位置を保持できるようにしたので、自動操舵とマニュアル操舵とが入り交じった操舵になることを防止することができる。したがって、操舵フィーリングに違和感を感じたり、操舵の安定性が悪くなったりすることがない。
【0075】
第2の発明によれば、切り換えバルブのマニュアル操舵位置では、油圧バルブと油圧シリンダとを連通させ、制御バルブと油圧シリンダとの連通を遮断するとともに、上記自動操舵位置では、上記油圧バルブと油圧シリンダとの連通を遮断し、制御バルブと油圧シリンダとを連通させることとしたので、上記切り換えバルブが自動操舵位置にある状態で、油圧バルブに圧油が導かれると、この油圧バルブの上流の圧力が上昇する。したがって、上記油圧バルブの切り換え量に拘わらず、油圧バルブの上流の圧力を上昇させることができ、より一層、自動操舵からマニュアル操舵への応答性を良好にすることができる。
第3の発明によれば、油圧シリンダと制御バルブとの間にチェック弁を設けているので、操舵輪に外力が加わったとしても、油圧シリンダの室の油が制御バルブ側に流入することがない。したがって、操舵輪に外力が加わっても、油圧シリンダが動いてしまうことがなく、安全性を向上させることができる。
また、切り換えバルブは、油圧シリンダに油圧バルブのみを連通させたり、あるいは、遮断したりするので、切り換えバルブのポート数を少なくすることができ、切り換えバルブの構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である自動操舵システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】第2実施形態を示す図である。
【図3】従来の自動操舵システムを示す図である。
【符号の説明】
1 オイルポンプ
6 油圧バルブ
8 ステアリング
9 油圧シリンダ
10 制御バルブ
19 切り換えバルブ
E コントローラ
24 切り換えバルブの一端
25 切り換えバルブの他端
33 切り換えバルブ
37 切り換えバルブの一端
38 切り換えバルブの他端
S デテント機構

Claims (3)

  1. オイルポンプと、ステアリングの操舵力に応じて切り換わるオープンセンタタイプの油圧バルブと、コントローラからの信号に応じて切り換わるオープンセンタタイプの制御バルブと、上記コントローラの信号に応じて上記油圧バルブおよび制御バルブのいずれか一方を油圧シリンダに連通させる切り換えバルブと、この切り換えバルブの切換位置を保持させるデテント機構とを備え、上記切り換えバルブの一端に上記油圧バルブの上流側の圧力を導くとともに、上記切り換えバルブの他端に上記油圧バルブの下流側の圧力を導き、ステアリングを操舵して上記切り換えバルブの一端側に作用する押力が、上記切り換えバルブの他端側に作用する押力よりも大きくなったとき、上記切り換えバルブの一端側に作用する押力によって切り換えバルブが切り換わり、上記油圧バルブを上記油圧シリンダに連通させる構成にした自動操舵システム。
  2. 切り換えバルブは、マニュアル操舵位置と自動操舵位置とを備え、上記マニュアル操舵位置では、油圧バルブと油圧シリンダとを連通させ、制御バルブと油圧シリンダとの連通を遮断するとともに、上記自動操舵位置では、上記油圧バルブと油圧シリンダとの連通を遮断し、制御バルブと油圧シリンダとを連通させた請求項1記載の自動操舵システム。
  3. オイルポンプと、ステアリングの操舵力に応じて切り換わるオープンセンタタイプの油圧バルブと、コントローラからの信号に応じて切り換わるとともに、オイルポンプに対して上記油圧バルブと直列に設けたオープンセンタタイプの制御バルブと、上記油圧バルブと油圧シリンダとを連通する一対の連通路と、この一対の連通路に設けるとともに上記油圧バルブを油圧シリンダに連通させたり、あるいはこの連通を遮断したりする切り換えバルブと、この切り換えバルブの切換位置を保持させるデテント機構とを備え、上記切り換えバルブの一端に上記油圧バルブの上流側の圧力を導くとともに、上記切り換えバルブの他端に上記油圧バルブの下流側の圧力を導き、ステアリングを操舵して上記切り換えバルブの一端側に作用する押力が、上記切り換えバルブの他端側に作用する押力よりも大きくなったとき、上記切り換えバルブの一端側に作用する押力によって切り換えバルブが切り換わり、上記油圧バルブを上記油圧シリンダに連通させ、かつ、上記制御バルブは2つの通路を介して上記一対の連通路に連通するとともに、この通路には制御バルブから油圧シリンダへの流れのみを許容するチェック弁をそれぞれ設け、上記いずれか一方の通路の圧力をいずれか他方の通路に設けたチェック弁に作用させ、このいずれか一方の通路の圧力によって、いずれか他方の通路に設けたチェック弁が押し開かれ、上記いずれか一方の通路を介して、油圧シリンダに圧油が供給され、いずれか他方の通路を介して油圧シリンダの戻り油がタンクに戻される構成にした自動操舵システム。
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