JP3869696B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のステアリングホィールなどの操舵入力手段から入力されたトルクに応じて油圧シリンダを作動させることにより操舵力や操舵アシスト力を付与する車両の操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の車両の操舵制御装置としては、例えば特開昭59−118569号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
図6に基づきその概略を説明すれば、ステアリングホィール1に取付られた操舵軸2と、該操舵軸2の下端部に連結した出力軸3と、該出力軸3の下端部に設けられたラック、ピニオン4a,4bと、ラック4aに連繋された油圧アクチュエータである油圧シリンダ5と、該油圧シリンダ5のピストン6によって隔成された左右の第1、第2油圧室7a、7bに第1通路8aと第2通路8bを介して油圧を相対的に供給する可逆式オイルポンプ9と、前記第1、第2通路8a,8b間に接続されたバイパス通路10に設けられて、該バイパス通路10を開閉する電磁切換弁11とを備えている。
【0004】
そして、車両走行中において、ステアリングホィール1により通常の左右操舵を行なうと、この操舵トルクを検知した検知機構12が制御回路13を介して前記電磁切換弁11に通路閉信号を出力すると共に、ポンプモータ14により可逆式のオイルポンプ9を正転あるいは逆転させて油圧を各油圧室7a,7bに相対的に供給して、操舵アシスト力を付与するようになっている。
【0005】
また、車両の直進時などに検知機構12が操舵トルクを検出しない場合は、電磁切換弁11はバイパス通路10を連通させて、両油圧室7a,7b間の作動油を置換流動可能にするようになっている。
【0006】
一方、他の従来例としては、特開昭57−201767号公報に記載されている装置のように、前者のバイパス通路に設けられた前述のような電磁切替弁ではなく、オイルポンプの吐出側にそれぞれ接続されたパイロット通路内の油圧が高まるまでバイパス通路を開成するバイパスバルブを設け、これによって両油圧室間の作動油を置換流動させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の従来例にあっては、例えばキックバックなどによって路面から装置への急激な外乱が入力されるような場合には、検出機構12がかかるトルクを検出して電磁切換弁11に通路閉信号を出力して、バイパス通路10を遮断するが、この時点ではオイルポンプ9は作動されない状態になっているため、このオイルポンプ9からの油圧の速やかな供給による操舵アシスト力が得られない。この結果、油圧回路全体が閉回路になってしまい、各油圧室7a,7b間を置換流動する作動油に大きな流動抵抗が発生して、運転者によるステアリングホィール1の操舵負荷が増大し、操舵フィーリングを悪化させてしまうおそれがある。
【0008】
これに対し、後者の従来例は、前述のようにオイルポンプの吐出圧が高まるまでバイパス通路は開成されて連通状態になっているため、前述のように、オイルポンプが作動されない場合においても、運転者の操舵負荷の上昇が抑制される。
【0009】
ところが、後者の従来例にあっては、車両の運転中にオイルポンプが例えば故障などによりロックしてしまった場合に、バイパス通路の連通性は確保できるものの、その故障状態を検出する具体的な手段がないため、信頼性に欠けると共に、その後の具体的なフェールセーフ対策を速やかに取ることができない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の車両の操舵制御装置の課題に鑑みて案出されたのもので、請求項1記載の発明は、操舵入力手段から出力された入力トルクに応じて、可逆式のオイルポンプから第1通路と第2通路を介して液圧シリンダのピストンで隔成された第1、第2液圧室に選択的に給排される液圧によって車輪を操舵制御する車両の操舵制御装置であって、
前記第1通路と第2通路の上流側及び下流側にそれぞれ配置されて、前記オイルポンプから各液圧室側へのみ作動液の流動を許容する各一対の弁機構と、一端が前記オイルポンプと前記各通路上流側の弁機構との間に接続され、他端が前記各液圧室と前記各通路下流側の弁機構との間に接続された第1、第2バイパス通路と、該両バイパス通路間に配設されて、該各バイパス通路内の作動液を低圧側に戻す戻し通路と、前記第1、第2通路と各バイパス通路の液圧との差圧に応じて作動するフェールセーフ機構と、前記各バイパス通路のフェールセーフ機構よりも上流側に設けられて、フェールセーフ機構から前記オイルポンプ側へのみ作動液の流動を許容する逆止弁とを備え、前記オイルポンプの故障による作動停止時に、前記フェールセーフ機構下流側の弁機構によって、前記いずれか一方側通路の各弁機構間の圧力と前記液圧室からバイパス通路に流入した液圧とに圧力差を発生させたことを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、前記第1,第2通路及び各バイパス通路に対する各弁機構や逆止弁の特異な配置構成によって、前記オイルポンプの故障による作動停止時に、前記フェールセーフ機構下流側の弁機構を介して、前記いずれか一方側通路の各弁機構間の圧力と前記液圧室からバイパス通路に流入した液圧とに圧力差を発生させることができる。このため、該差圧の発生により、前記オイルポンプがロックしたこと検知することができ、さらに、この圧力差の発生と同時にフェールセーフ機構が働いてバイパス通路を介して各液圧室内の液圧の流動性を確保することができることから、運転者の操舵負荷を減少させることが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明にあっては、前記フェールセーフ機構は、前記いずれか一方側通路の各弁機構間の圧力と前記液圧室からバイパス通路に流入した液圧が少なくともほぼ均等圧の状態において前記戻し通路を開作動させることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明にあっては、前記フェールセーフ機構は、前記第1、第2通路と各バイパス通路とに跨って設けられた弁孔と、該各弁孔内に摺動自在に設けられて、前記戻し通路を開閉する弁体と、前記弁孔の一端側に形成されて、前記バイパス通路からの液圧を弁体の開方向作用させる受圧室と、該受圧室に弾装されて弁体を開方向に付勢するばね部材と、前記弁孔の他端側に設けられて、前記第1、第2通路からの液圧を前記弁体の前記ばね部材と反対側から作用させる背圧室とを備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記背圧室の後端側に、前記弁体の開方向の摺動に伴い容積を減少させて前記弁体の開方向への摺動を許容する吸収機構を設けたことを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記第1、第2通路に設けられたフェールセーフ機構下流側の弁機構を、弁体をばね部材で閉方向に付勢した差圧弁としたことを特徴としている。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記第1、第2通路に設けられたフェールセーフ機構上下流側の弁機構を、弁体をばね部材で閉方向に付勢した差圧弁としたことを特徴としている。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記各液圧室内に作動液を逆止弁を介して補給する補給通路を設けたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる車両の操舵制御装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態を示し、操舵入力手段であるステアリングホィール21が連結された操舵軸22と、該操舵軸22の下端部の出力軸23に設けられたラック・ピニオン24と、出力軸23の下端側に設けられてステアリングホィール21の操舵回転トルクや、図外の前輪からの路面入力を検出する検出手段26と、前記ラックに連繋された油圧シリンダ27と、該油圧シリンダ27に油圧を給排する油圧回路28とから構成されている。
【0020】
前記油圧シリンダ27は、車体幅方向に延設された筒状シリンダ部29内を前記ラックに連繋したピストンロッド30が貫通していると共に、該ピストンロッド30に筒状シリンダ部29内を摺動するピストン31が固定されている。また、シリンダ部29内には、ピストン31によって左右の第1油圧室32と第2油圧室33が隔成されている。
【0021】
前記油圧回路28は、各一端部が前記各油圧室32、33に接続された一対の第1、第2通路34、35と、該両通路34,35の他端部に接続されてポンプモータ36によって正逆回転可能な可逆式のオイルポンプ37と、前記両通路34,35間に設けられて所定の条件下で前記両油圧室32、33を開放する開放機構38と、前記オイルポンプ37の上流側に配置されて、内部に作動油を貯留したリザーバタンク39と、前記第1、第2通路34,35をそれぞれバイパスする第1、第2バイパス通路40、41とから構成されている。
【0022】
前記開放機構38は、前記第1,第2バイパス通路40、41間に接続されて、前記各油圧室32,33の作動油圧を各バイパス通路40、41を介して下流端42bから前記リザーバタンク39に戻す一対の戻し通路42,42と、前記各油圧室32,33と各バイパス通路40,41との間に跨って設けられて、戻し通路42,42を開成あるいは遮断する第1、第2フェールセーフ機構44,45と、前記各通路34、35のフェールセーフ機構44,45を挟んだ上下流に配設されて、オイルポンプ37から各油圧室32,33方向へのみ作動油の流動を許容する弁機構46a、46b、47a、47bと、前記バイパス通路40、41のオイルポンプ37とフェールセーフ機構44,45との間に設けられて、フェールセーフ機構44,45側からオイルポンプ37方向へのみ作動油の流動を許容する逆止弁48,49とを備えている。
【0023】
前記第1,第2フェールセーフ機構44,45は、各通路34,35と各バイパス通路40、41の途中に跨って円筒状の一対の弁孔50、51が形成されていると共に、該各弁孔50,51内にほぼ円柱状の弁体52,53が摺動自在に設けられている。また、前記各弁孔50,51の弁体52,53の後端側に有する各背圧室50a、51aには、前記通路34,35がそれぞれ連通されていると共に、弁体52,53の前端側に有する受圧室50b、51bには、前記バイパス通路40,41がそれぞれ連通されている。また、前記各受圧室50b、51bには、スプリング54,55が弾持されており、このスプリング54,55は、前記弁体52,53を互いに各戻し通路42,42の各開口端42a、42aを開成する方向に付勢するようになっている。また、前記各戻し通路42,42の下流端42bは、前記リザーバタンク39に接続されている。
【0024】
また、前記各背圧室50a、51aの後端部には、各弁体52,53の前後摺動に伴って容積を変化させる吸収機構56,57が設けられている。この吸収機構56,57は、各背圧室50a、51aに連続して形成された吸収室56a、57aと、該吸収室56a、57aの背圧室50a、51a側に設けられたスライド板56b、57bと、吸収室56a、57a内に弾装されて、吸収板56b、57bを背圧室50a、51a方向へ環状ストッパ56c、57cに突き当たるまで付勢するリターンスプリング56d、57dとを備えている。また、各吸収室56a、57aは、図外の透孔を介して外気と連通している。
【0025】
また、前記各弁体52,53は、ポペット状に形成され、前記背圧室50a、51a内の油圧と、受圧室50b、51bと各スプリングのばね圧との合成圧との相対的な圧力で開閉方向へ前後摺動するようになっていると共に、外周部に各室間をシールする環状シールが嵌着固定されている。
【0026】
また、前記オイルポンプ37と各フェールセーフ機構44,45との間の各弁機構46a、47aは、単純なチェックボールから構成されているが、各油圧室32,33とフェールセーフ機構44,45との間の各弁機構46b、47bはチェックボールを閉方向に付勢するチェックスプリング46c、47cを備え、これによって、各通路34,35の各弁機構46b、47b前後に差圧を発生するようになっている。
【0027】
前記リザーバタンク39は、内部に貯留された作動油を供給路58を介して前記オイルポンプ37の吸入側に供給補充するようになっていると共に、該オイルポンプ37の各構成部材からリークした作動油を回収するようになっている。
【0028】
前記ポンプモータ36は、マイクロコンピュターを備えたコントローラ59から出力される制御電流によって正逆回転制御されるようになっており、このコントローラ59は、前記検知手段26からの操舵入力トルクや路面入力などの情報信号に基づいて演算により前記制御電流を出力するようになっている。
【0029】
以下、本実施形態の作用について説明する。まず、車両の通常の運転走行中には、例えば運転者がステアリングホィール21を図中矢印で示すように右に回転させると、コントローラ59からの制御信号によってポンプモータ36が例えば正転制御されるのに伴って、オイルポンプ37も正転駆動される。かかるポンプ作用により第1通路34内に吐出された作動油は、一方の弁機構46aを通って第1フェールセーフ機構44の背圧室50a内に流入し、さらにここから他方の弁機構46bのチェックスプリング46cのばね圧に抗してチェックボールを押し開きながら第1油圧室32に供給される。すなわち、前記背圧室50aに流入した油圧は、他方の弁機構46bによって第1バイパス通路40から受圧室50bに流入した油圧より高くなって差圧が生じているため、第1フェールセーフ機構44の弁体52が戻し通路42の開口端42aを閉塞する。
【0030】
一方、オイルポンプ37の反対側の吸引力により第2油圧室33から吸引された作動油は、一旦、第2通路35に入るが、その途中が弁機構47bによって閉止されているため、第2バイパス通路41を通って第2フェールセーフ機構45の受圧室51bに流入してそのまま逆止弁49を通ってオイルポンプ37に吸引される。
【0031】
したがって、各油圧室32、33に選択的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホィール21の右回転操舵力にアシスト力を付与する。これによって、回転操舵の負荷が軽減して、ステアリングホィール21の操作性を向上させることができる。
【0032】
なお、この右回転操舵状態を維持させた場合は、ポンプモータ36への通電が遮断されて油圧回路28が密閉状態になって、第1油圧室32内へ油圧が掛った状態が維持される。
【0033】
一方、かかる右回転操舵状態からステアリングホィール21を元の状態に戻し、さらに左回転操舵を行なうと、コントローラ59によってポンプモータ36を介してオイルポンプ37を逆転させる。このため、今度は、前述とは逆に第2通路35に作動油が吐出されて、弁機構47bによって生成された差圧よって第2フェールセーフ機構45の弁体53がスプリング55のばね力に抗して左方向に摺動して戻し通路42の開口端42aを閉止する。したがって、各弁機構47a、47b及び第2フェールセーフ機構45の背圧室51aを介して第2通路35から第2油圧室33内に油圧が供給される。また、同時に、オイルポンプ37の吸引作用によって第1油圧室32内から第1通路34、第1バイパス通路40内に流入した作動油は、ここから逆止弁48を開いて、再びオイルポンプ37内に吸引される。
【0034】
したがって、各油圧室32、33に相対的に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステアリングホィール21の左回転操舵力にアシスト力を付与する。これによって、回転操舵の負荷が軽減して、ステアリングホィール21の操作性を向上させることができる。
【0035】
そして、車両の運転中に、前記ポンプモータ36が例えば電気的に故障したり、オイルポンプ37が機械的に故障して、該オイルポンプ37が故障して非作動状態になった場合は、該オイルポンプ37からいずれかの通路34,35への油圧の供給が停止されることになる。
【0036】
この時点でステアリングホィール21を例えば右旋回操作すると、運転者による操舵力が操舵軸22,出力軸23,ラック・ピニオン24、ピストンロッド30へと伝達され、ピストン31を第2油圧室33方向へ移動させると、第2油圧室33の内圧が高くなり、第2油圧室33内の作動油は第2通路35内に流入するが、一方の弁機構47bによって他方の弁機構47a方向の流動が規制される。このため、前記油圧は第2バイパス通路41に流動して、第2フェールセーフ機構45の受圧室51b内に流入する。このため、前記両弁機構47a、47b間の油圧、つまり背圧室51aの内圧P1よりも受圧室51bの内圧P2の方が十分に高くなる。このため、弁体53は、この差圧によってスプリング55のばね圧との合成力により後退動しょうとする。この時、前記背圧室51aには作動油が充填されて容積が変化しないため、前記第2弁体53が後退動すると、吸収機構57のスライド板57bがリターンスプリング57dのばね力に抗して吸収室57a内に移動する。これにより、第2弁体53の後退動が許容されて、戻し通路42の開口端42aが開成され、第2バイパス通路41内の作動油圧をリザーバタンク39に戻すことが可能になる。
【0037】
また、第1油圧室32側は負圧状態になることから、作動油がリザーバタンク39から第1通路34を介して第1油圧室32に流入する。
【0038】
一方、ステアリングホィール21を、前述とは逆に中立位置から左方向へ旋回操作すると、第1フェールセーフ機構44が前述した第2フェールセーフ機構45と同じ作用によって第1油圧室32の作動油を第1弁体52により開成された他の戻し通路42からリザーバタンク39内に戻すことができる。
【0039】
このように、オイルポンプ37の故障または回転停止時であっても、各油圧P1,P2の圧力差を検出することが可能になるばかりか、この圧力差を利用して各フェールセーフ機構44,45により各油圧室32,33をリザーバタンク39に連通させることができるため、ステアリングホィール21のマニュアルステアが確保されて車両運転の安全性が高くなる。
【0040】
しかも、各油圧室32,33の作動油を、低圧側のリザーバタンク39へ排出するため、両油圧室32、33から流動する作動油の大きな流動抵抗の発生を効果的に抑制できる。この結果、運転者によるステアリングホィール21の操舵負荷の増加が抑制されて、操舵フィーリングの悪化を防止できる。
【0041】
また、この実施形態では、前記各フェールセーフ機構44,45の作動を、高価な電磁切換弁ではなく、各通路33,34の各弁機構46a、46b、47a、47b間の油圧P1と各バイパス通路40,41(各油圧室32,33)油圧P2との差圧によって機械的に制御するようにしたため、コストの低減化が図れる。
【0042】
しかも、各フェールセーフ機構44,45は、各弁体52,53が吸収機構56,57を介して速やかに後退動することが可能になるため、その作動応答性が良好になる。
【0043】
また、各戻し通路42,42からリザーバタンク39内に戻された作動油は、オイルポンプ37の補充用として即座に利用されるため、該オイルポンプ37内での作動油の不足によるいわゆるキャビティーションの発生を防止できる。
【0044】
さらに、各バイパス通路40,41には、何らばね付勢のない第1,第2逆止弁48、49を設けたため、各油圧室32、33からオイルポンプ37方向への作動油の大きな流動抵抗の発生が防止される。したがって、オイルポンプ37の吸引作用が良好になり、ポンプ作動の応答性の向上とポンプ負荷の低減化が図れる。
【0045】
また、各フェールセーフ機構44,45の弁体52,53を、ポペット弁によって構成したため、該各弁体52,53と各開口端42a,42aとの間に、例えばコンタミなどの異物が噛み込まれたとしても、これによって戻し通路42,42の連通が確保されることになるので、ステアリングホィール21のマニュアルステアが確実に得られ、安全性が高くなる。
【0046】
一方の弁機構46a、47aを単にボール弁体によって構成したため、構造の簡素化が図れ、製造作業が容易であると共に、コストの高騰を抑制できる。
【0047】
また、前記一方の弁機構46b、47bをチェックスプリング46c、47cを用いた差圧弁としたことにより、前記各通路内の差圧状態を安定に維持することができ、この結果、フェールセーフ機構44,45の各弁体52,53の開弁作動を安定かつ確実に行うことが可能になる。
【0048】
図2は本発明の第2の実施形態を示し、基本構成は第1の実施形態と同様であるが、異なるところは他方の弁機構46a、47aもチェックボールをスプリング46d、47dによって閉方向へ付勢して、差圧弁として機能させるようにしたものである。
【0049】
したがって、この実施形態では、上下流の両弁機構46a、46bと47a、47bによってその区間での安定した圧力設定が可能になる。したがって、各背圧室50a、51a内の油圧P1が一定に安定に保持されて、各バイパス通路40、41の油圧P2の上昇に伴う各弁体52,53の開弁方向の摺動を安定かつ速やかに行うことが可能になる。このため、前述の運転者によるマニュアルステア化への切り換え応答性が向上する。
【0050】
図3は第3の実施形態を示し、他方の弁機構46b、47bの各スプリングを廃止して、差圧弁としては機能させないようにした。したがって、各油圧室32,33が負圧になると、ここに各背圧室50a、51a内の作動油を速やかに補給することができる。このため、負圧になった各油圧室32,33内のキャビティーションの発生を防止できる。
【0051】
図4は第4の実施形態を示し、前記第1通路34と第2通路35の前記各油圧室32,33と各バイパス通路40,41との間に、前記各油圧室32,33内に作動液を補給する補給通路60,61を設けたものである。すなわち、この補給通路60,61は、各一端部が前記リザーバタンク39に接続されていると共に、各他端部が各油圧室32,33近傍の前記各通路34,35に接続されている。また、各補給通路60,61には、リザーバタンク39内の作動油を各油圧室32,33方向にのみ流動を許容する逆止弁62,63が設けられている。
【0052】
また、各フェールセーフ機構44,45には、第1〜第3の実施形態のような吸収機構は設けられておらず、各弁体52,53は、各背圧室50a、51a内のスプリング68,69のばね力で閉方向に付勢されている。したがって、各弁体52,53が、各スプリング68,69のばね圧に抗して開方向への摺動する際には、他方の弁機構46b、47bをスプリング46c、47cのばね圧に抗して開成して摺動を許容するようになっている。
【0053】
また、オイルポンプ37は、両側に接続された供給通路64,65により各逆止弁66,67を介してリザーバタンク39に接続されている。
【0054】
したがって、例えば、前述のオイルポンプ37が故障で回転が停止した際や、機関始動直後などでポンプ圧が高まっていない状態のときに、ステアリングホィール21を左右へ大きく旋回操作すると、油圧シリンダのピストン31の移動に伴い、いずれかの油圧室32,33の容積が大きくなって負圧が発生すると、該負圧が発生した油圧室32,33内に前記一方の補給通路60,61からリザーバタンク39内の作動油が積極かつ速やかに供給される。
【0055】
このため、負圧になった油圧室32,33内での作動油不足が解消されてキャビティーションの発生が防止される。この結果、不安定な操舵が防止されて、常時安定かつ確実な操舵性を確保できる。
【0056】
また、前記オイルポンプ37の両端側には、リザーバタンク39が接続されているため、ポンプ回転に伴いポンプ吸入量が各通路34,35からの供給量だけでは不足する場合に、リザーバタンク39から補給されるため、通常の運転中にも各油圧室32,33内でのキャビティーションの発生が防止されて、適正かつ安定した操舵性を得ることができる。
【0057】
なお、前記補給通路60,61は、他端部が必ずしも第1、第2通路34、35に接続される必要はなく、各油圧室32,33に直接接続することも可能であり、あるいは、図5に示すように各バイパス通路40、41の上流端に接続することも可能である。
【0058】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばフェールセーフ機構44,45は、前記各通路34,35や油圧室32,33の差圧に応じて作動するものであれば前記の構成に限定されるものではない。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、オイルポンプが故障して作動が停止してしまった場合であっても、第1,第2通路と各バイパス通路との液圧の圧力差を検出することが可能になるばかりか、この差圧を利用して各フェールセーフ機構により各液圧室内の作動液を低圧側に排出することができる。このため、ステアリングホィールのマニュアルステアが可能になり、安全性が高くなる。
【0060】
しかも、各液圧室の作動液を低圧側へ流出させるため、作動液の大きな流動抵抗の発生を効果的に抑制でき、運転者によるステアリングホィールの操舵負荷の増加が抑制されて、操舵フィーリングの悪化も防止できる。
【0061】
請求項2に記載の発明によれば、各フェールセーフ機構を前記差圧がほぼ等しい状態でも開作動させるようにしたので、オイルポンプの故障時における安全性がより高くなる。
【0062】
請求項3に記載の発明によれば、フェールセーフ機構を油圧により作動する機械的な構造としたため、コストの高騰を抑制することができる。
【0063】
請求項4に記載の発明によれば、吸収機構によって各弁体を速やかに開作動させることができるため、良好な操舵性が得られると共に、安全性がより高くなる。
【0064】
請求項5に記載の発明によれば、フェールセーフ機構下流側の弁機構を、差圧弁としたため、前記各通路内の差圧状態を安定に維持することができ、この結果、フェールセーフ機構の各弁体の開弁作動を安定かつ確実に行うことが可能になる。
【0065】
請求項6に記載の発明によれば、両方の弁機構を差圧弁としたため、その区間での安定した圧力設定が可能になり、各背圧室内の油圧が一定に安定に保持されて、各バイパス通路の油圧の上昇に伴う各弁体の開弁方向の摺動を安定かつ速やかに行うことが可能になる。このため、前述の運転者によるマニュアルステア化への切り換え応答性が向上する。
【0066】
請求項7に記載の発明によれば、補給通路によって負圧側油圧室内での作動油不足か解消されてキャビティーションの発生が防止される。この結果、不安定な操舵が防止されて、常時安定かつ確実な操舵性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の操舵制御装置の第1の実施形態を示す全体の概略図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す全体の概略図。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す全体の概略図。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す全体の概略図。
【図5】補給通路の他例を示す全体の概略図。
【図6】従来の車両の操舵制御装置を示す概略図。
【符号の説明】
21…ステアリングホィール
26…検出手段
27…油圧シリンダ
32…第1油圧室
33…第2油圧室
34…第1通路
35…第2通路
36…ポンプモータ
37…オイルポンプ
38…開放機構
39…リザーバタンク
40・41…バイパス通路
42・42…戻し通路
44・45…フェールセーフ機構
46a・46b…弁機構
47a・47b…弁機構
48・49…逆止弁

Claims (7)

  1. 操舵入力手段から出力された入力トルクに応じて、可逆式のオイルポンプから第1通路と第2通路を介して液圧シリンダのピストンで隔成された第1、第2液圧室に選択的に給排される液圧によって車輪を操舵制御する車両の操舵制御装置であって、
    前記第1通路と第2通路の上流側及び下流側にそれぞれ配置されて、前記オイルポンプから各液圧室側へのみ作動液の流動を許容する各一対の弁機構と、一端が前記オイルポンプと前記各通路上流側の弁機構との間に接続され、他端が前記各液圧室と前記各通路下流側の弁機構との間に接続された第1、第2バイパス通路と、該両バイパス通路間に配設されて、該各バイパス通路内の作動液を低圧側に戻す戻し通路と、前記第1、第2通路と各バイパス通路の液圧との差圧に応じて作動するフェールセーフ機構と、前記各バイパス通路のフェールセーフ機構よりも上流側に設けられて、フェールセーフ機構から前記オイルポンプ側へのみ作動液の流動を許容する逆止弁とを備え、前記オイルポンプの故障による作動停止時に、前記フェールセーフ機構下流側の弁機構によって、前記いずれか一方側通路の各弁機構間の圧力と前記液圧室からバイパス通路に流入した液圧とに圧力差を発生させたことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記フェールセーフ機構は、前記いずれか一方側通路の各弁機構間の圧力と前記液圧室からバイパス通路に流入した液圧が少なくともほぼ均等圧の状態において前記戻し通路を開作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記フェールセーフ機構は、前記第1、第2通路と各バイパス通路とに跨って設けられた弁孔と、該各弁孔内に摺動自在に設けられて、前記戻し通路を開閉する弁体と、前記弁孔の一端側に形成されて、前記バイパス通路からの液圧を弁体の開方向作用させる受圧室と、該受圧室に弾装されて弁体を開方向に付勢するばね部材と、前記弁孔の他端側に設けられて、前記第1、第2通路の液圧を前記弁体の前記ばね部材と反対側から作用させる背圧室とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 前記背圧室の後端側に、前記弁体の開方向の摺動に伴い容積を減少させて前記弁体の開方向への摺動を許容する吸収機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記第1、第2通路に設けられたフェールセーフ機構下流側の弁機構を、弁体をばね部材で閉方向に付勢した差圧弁としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両の操舵制御装置。
  6. 前記第1、第2通路に設けられたフェールセーフ機構上下流側の弁機構を、弁体をばね部材で閉方向に付勢した差圧弁としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両の操舵制御装置。
  7. 前記各液圧室内に作動液を逆止弁を介して補給する補給通路を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両の操舵制御装置。
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