JP3870617B2 - ヘアーセッター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪にカール付け等の整髪を行うヘアーセッターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来における毛髪13にカール付け等の整髪を行うヘアーカール器やヘアーブラシ等のヘアーセッターとしては、例えば図14に示されるようなものがある。このヘアーセッターはグリップ体11’と、このグリップ体11’の一端に着脱自在に装着されるブラシ体3’とから構成されている。
【0003】
グリップ体11’にはブラシ体3’が装着される一端とは反対側の他端に空気吸込口14’を有しており、グリップ体11’のハウジングに設けられた操作スイッチ15’を操作することにより、グリップ体11’の内部に収納された送風装置及びヒーターが駆動され、空気吸込口14’から吸い込まれた空気が加熱されて温風が発生し、この温風がブラシ体3’に送られるものである。
【0004】
ブラシ体3’は断面中空の構造を有しており、上記ブラシ体3’の外面にはブリスル台4’が設けてあり、上記ブリスル台4’には長尺ブリスル1’を複数個一列状に並べて構成される長尺ブリスル列7’を突出させるように複数配列して設けてある。また上記ブリスル台4’表面にはブラシ体3’の中空部に繋がる吹出し孔12’が設けてあり、上記グリップ体11’から送られた温風が上記吹出し孔12’から吐出することになる。
【0005】
このヘアーセッターを用いるにあたっては図15に示されるように、長尺ブリスル1’を毛髪13’の間に差し入れて毛髪13’を所望の形状に保持し、この状態で送風装置及びヒーターを駆動させてブリスル台4’表面に設けられた吹出し孔12’から温風を吐出することにより毛髪13’を整髪するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来のヘアセッターでは、長尺ブリスル1’を毛髪13’の間に差し入れて毛髪13’を所望のカール形状に保持しようとしても、毛先が長尺ブリスル1’の間から抜け出てしまうものであって、毛先には長尺ブリスル1’からわずかなテンションしか与えることはできず、そのため毛髪13を所望の形状に整髪することは困難であった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、毛髪に毛先まで適度なテンションをかけることができ、容易にカール付け等の整髪を行うことができるヘアーセッターを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係るヘアセッターは、複数の長尺ブリスル1と長尺ブリスル1よりも丈の短い複数の短ブリスル2とを有するブラシ体3を備えたヘアーセッターであって、ブラシ体3には外面に突出する断面円弧状のブリスル台4が設けられ、短ブリスル連結基台9を、ブリスル台4の両側端部において最も側方に配置された長尺ブリスル列7と、前記長尺ブリスル列7のすぐ内側に配置された長尺ブリスル列7との間に、ブリスル台4の表面よりも突出するように配置し、前記短ブリスル連結基台9から突出して形成した軟質材料で構成した短ブリスル2を、その先端がブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5よりも突出すると共に、隣接する短ブリスル2同士が千鳥状になるように配列したことを特徴とするものである。これによりブラシ外に通り抜けようとする毛先を短ブリスル2により確実に捕らえることができるものである。また、毛髪13と直交する方向に対する短ブリスル2の見掛け上の間隔Pを小さくして密集度を大きくし、毛髪13に短ブリスル2にて効果的にテンションをかけることができるものである。また短ブリスル2の先端を所定の高さまで至らせるために短ブリスル2自体の長さを極力延長することを避けることができ、短ブリスル2の長さの延長に伴う耐久性の低下等を避けることができる。
【0009】
また、本発明の請求項2に係るヘアーセッターは、請求項1の構成に加えて、短ブリル2の設けられた位置におけるブリスル台4の円弧状の表面に対する接線6とブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5との間の交差する角度θが鋭角であることを特徴とするものである。これにより確実に短ブリスル2の先端をブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5よりも突出させることができるものである。
【0010】
また、本発明の請求項3に係るヘアーセッターは、請求項1の構成に加えて、複数個の長尺ブリスル1が並んだ長尺ブリスル列7と複数個の短ブリスル2が並ん短ブリスル列8をブリスル台4に設け、短ブリスル列8の短ブリスル2間のピッチPを上記の長尺ブリスル列7の長尺ブリスル1間のピッチPよりも小さいピッチにしたことを特徴とするものである。これにより短ブリスル2同士間の狭い隙間29で挟み込むことで、捕らえた毛髪13を保持することができ、毛髪13に適度なテンションをかけて所望の形状に保持することにより毛髪13を所望の形状に容易に整髪することができるものである。
【0012】
また、本発明の請求項4に係るヘアーセッターは、請求項3の構成に加えて、短ブリスル列8をブリスル台4の円弧状の表面の頂上10を境にしてブリスル台4の断面円弧上において対称位置となるようにブリスル台4に設けたことを特徴とするものである。これにより整髪をする際に毛髪13の導入方向に関係なく毛髪13を確実に捕らえて保持することができるものである。
【0013】
また、本発明の請求項5に係るヘアーセッターは、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、ブラシ体3とグリップ体11とを具備し、グリップ体11に送風手段を設けて中空断面を持たせたブラシ体3と連結させてブラシ体3の外面に設けたブリスル台4にブラシ体3の中空部16と繋がる吹出し孔12を設けて、グリップ体11から送風された風を上記吹出し孔12から吐出させることを特徴とするものである。これにより毛髪13に向けて温風等を吹き掛けることができ、適度なテンションをかけて所望の形状に固定して更に効果的な整髪ができるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1乃至11に本発明の第一の実施の形態を示す。このヘアーセッターは、図2に示すように、その長手方向の一端側がブラシ体3、他端側がグリップ体11にて構成されている。グリップ体11の長手方向の一端にはブラシ体3が着脱自在に装着されるブラシ装着部17が形成されている。またグリップ体11の他端を構成する端部ハウジング18には、グリップ体11の内部に連通するメッシュ状の空気吸込口14が設けられ、またこの端部ハウジング18には、電源コード19が接続されている。またグリップ体11のハウジングの側面には、グリップ体11の内部に収容された送風装置及びヒータを作動させる操作スイッチ20が設けられている。ここで操作スイッチ20を操作すると、グリップ体11内の送風装置は空気吸込口14から空気を吸引してこの空気をブラシ体3まで送るものであり、このとき空気はヒーターによって加熱されて温風として送られるものである。
【0016】
ブラシ体3の外装はブリスル台4とブラシ外郭部21とから構成される。ブラシ外郭部21の内面側にはブリスル台保持枠22の左右両端が保持されて取り付けられている。ブリスル台4はその左右両端に形成されたブリスル台フック23がブリスル台4の左右両端のブラシ外郭部21に形成されたブリスル台固定部24に嵌合されることによりブラシ外郭部21に取り付けられており、このときブリスル台4は内面においてブリスル台保持枠22に保持されているものである。このブラシ外郭部21とブリスル台4に囲まれた中空部16は、グリップ体11からブラシ体3に送られた空気が流通する空気流路25として形成されている。ここでブリスル台4は外方に向けて突出する円弧形状に形成されており、ポリエステルエラストマー等の合成樹脂にて形成され、若干の弾性を有している。
【0017】
またブリスル台4には複数のブリスル1,2及び吹出し孔12が設けられている。ブリスル1、2はブリスル台4から突出して形成されており、丈の長い長尺ブリスル1と、この長尺ブリスル1よりも丈の短い短ブリスル2とが設けられている。例えば短ブリスル2の丈は長尺ブリスル1の丈の半分程度とし、長尺ブリスル1の丈寸法を13mmに、短ブリスル2の丈寸法を6mmに形成するものである。また、この長尺ブリスル1はポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂で、短ブリスル2はポリエステルエラストマー等の合成樹脂にてそれぞれ形成されている。共に可撓性を有する材料であるが、短ブリスル2の方が軟質の材料にしてある。
【0018】
長尺ブリスル1はブリスル台4の略全面に亘って、複数個形成されている。この長尺ブリスル1はヘアーセッターの長手方向に沿って一列状に等間隔に並んで配置されている。本実施の形態の一例としては、この長尺ブリスル1を長尺ブリスル1の根本側の端部にて径の大きい長尺ブリスル連結部30を介して一列状に連接させて長尺ブリスル列7としている。そして長尺ブリスル連結部30はブリスル台4の内方に位置させて、ブリスル台4の内面側より外部に突出させるように長尺ブリスル1はブリスル台4を貫通して設けられているので、長尺ブリスル連結部30がブリスル台4に係止されることにより抜け止めの役割も担うものである。
【0019】
短ブリスル連結基台9は図4(a)に示すように、複数個の短ブリスル2が千鳥状に配列するようになっており、短ブリスル列8の列方向と直交する方向からの側面視においては図4(b)に示すように、ある一つの短ブリスル列8を構成する短ブリスル2が、この短ブリスル2と隣接する他の短ブリスル列8を構成する短ブリスル2の間にあるように配置されている。しかも短ブリスル列8において隣り合う短ブリスル2同士の間隔が、短ブリスル連結基台9全体に亘って略同一の間隔となるように形成されているものである。例えば、図5(a)に示すように、短ブリスル列8内における隣り合う短ブリスル2同士のピッチをP、短ブリスル列8と直交する方向からの側面視における短ブリスル2間の見掛け上のピッチをPとすると、P=1/2Pとしている。このように短ブリスル2間の見掛け上の間隔Pを小さくすることにより毛髪13と直交する方向に対する短ブリスル2の密集度を大きくし、毛髪13に短ブリスル2にて更に効果的にテンションをかけることができるものである。
【0020】
また、上記の短ブリスル連結基台9は図1に示すように長尺ブリスル列7の間に隣接して配置され、短ブリスル連結基台9に隣接する長尺ブリスル列7のブリスル台4の内側に位置する長尺ブリスル連結部30に抜け止め板26を係止させ、ブリスル台4に貫通させて装着されている。また、図6に示すように、複数個の短ブリスル2が一列状に並んだ短ブリスル列8をヘアーセッターの長手方向に沿って(すなわち長尺ブリスル列7の列方向に沿って)三列設けて短ブリスルブロック31が構成される。ここでは、短ブリスルブロック31は図2に示すように、ブリスル台4の両側端部において最も側方に配置された長尺ブリスル列7と、そのすぐ内側に配置された長尺ブリスル列7との間に隣接して設けられ、また、本実施の形態の例では長手方向に一列状に3ブロックずつ設けられている。上記のように短ブリスルブロック31を設けることで長尺ブリスル1で捕らえた毛髪13は必ず短ブリスル2を通過することになるものである。
【0021】
また、上記の短ブリスル連結基台9をブリスル台4の表面よりも突出するように設けることも好ましく、これにより短ブリスル2の先端を所定の高さまで至らせるために短ブリスル2自体の長さを極力延長することを避けることができ、短ブリスル2の長さの延長に伴う耐久性の低下等を避けることができる。上記の突出量は図1にてLで示してある。
【0022】
上記の短ブリスル2は図1に示すように、ブリスル台4に設けられた短ブリスル連結基台9から突出して形成されており、上記短ブリスル2の先端はブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5よりも突出させるように設けてある。上記突出量は図1にてL1で示してある。本実施の形態の一例としては1.8mmの突出量としている。また上記接線5と短ブリル2の設けられた位置におけるブリスル台4の円弧状の表面に対する接線6との間の交差する角度θは鋭角であるように設けてある。本実施の形態の一例としては上記角度θは35°としている。
【0023】
上記の短ブリスル2は細長い略円錐状に形成されており、その先端には凸曲面が形成されている。また短ブリスル2の表面には段差27が設けられており、短ブリスル2の段差27よりも根本側の径が先端側の径よりもより大きくなるように形成されている。図7に示されるように段差27は短ブリスル2の中程に全周に亘って形成され、この段差27よりも先端側を上ブリスル2a、段差よりも下側を下ブリスル2bとすると、上ブリスル2aの下端と下ブリスル2bの上端が段差27において接合された状態となっており、例えば下ブリスル2bの上端の径αを0.763mm、上ブリスル2aの下端の径βを0.713mmとするものである。そのため短ブリスル2の根本側の径と先端側の径の差を大きく形成し、径の大きな根本側において短ブリスル2の耐久性を向上することができるものである。また径の小さな先端側において短ブリスル2間の先端側の隙間29が大きくなって短ブリスル2間に多くの毛髪13を容易に差し入れることができるようになるものであり、短ブリスル2によって毛髪13に更に効果的にテンションをかけることができるようになる。この上ブリスル2a及び下ブリスル2bは、共に先端側に行くに従って径が連続的に小さくなるテーパ部28として形成されている。
【0024】
吹出し孔12は、隣り合う長尺ブリスル列7の間のうち、短ブリスル2が形成されていない部分においてブリスル台4を開口して設けられており、ブリスル台4を内方から外方に貫通してブラシ体3の空気流路25に連通されている。この吹出し孔12は長尺ブリスル1列の列方向に沿って長い長穴として形成されている。
【0025】
このようにして形成されるヘアーセッターを用いて、毛髪13のカール付けやセット等の整髪を行うにあたっては、長尺ブリスル列7及び短ブリスル列8の列方向が毛髪13の方向と略直交するようにブラシ体3を配置して、毛髪13の束を長尺ブリスル1及び短ブリスル2の間に差し入れることによって行われる。毛髪13の束はまず始めに長尺ブリスル列7の長尺ブリスル1の間に捕らえられ、更に毛髪13を捕らえた長尺ブリスル1に近接した一方の短ブリスル2まで誘導されて、図8(a)に示すように、短ブリスル2間に差し入れられる。このとき短ブリスル2の先端側の径は根本側の径よりも小さくなるように形成されているので、隣り合う短ブリスル2同士の間の隙間29は先端側がより大きくなり、毛髪13を短ブリス2ル同士の間に容易に差し入れることができるものであり、短ブリスル2同士の間に差し入れられた毛髪13は、図8(b)に示すように、短ブリスル2に沿って短ブリスル2同士間の隙間29が狭い根本側まで誘導されることとなる。ここで短ブリスル2に形成されたテーパ部28の傾斜によって、毛髪13がスムーズに誘導されるものである。また短ブリスル2は密接して形成されているので短ブリスル2同士間の隙間29は根本側では狭くなっており、毛髪13は根本側において短ブリスル2間に挟み込まれ、毛髪13に適度なテンションがかけられることとなる。
【0026】
以上のように毛髪13は長尺ブリスル1で捕らえられ、短ブリスル2にて保持されるが、この状態でブラシ体3をブリスル台4の円弧の方向に回動させることで更に毛髪13の毛先を捕らえることができる。ブリスル台4に設けてある一方の短ブリスル2を通り過ぎた毛髪13は図9に示すようにブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5上の軌道を描くことになるが、ブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5よりも上方に突出させた他方の短ブリスル2の先端によって再び毛髪13は捕えることができる。毛髪13は図10に示すようにブリスル台4の両側端に位置する短ブリスル2を両方通ることでより強固に保持されることになり、毛髪13の形状が安定して保持されることから毛髪13を所望の形状に容易に整髪することができるものである。
【0027】
この状態で操作スイッチ20を操作して送風装置及びヒータを駆動させると、熱せられた空気が吹出し孔12から所望の形状に保持された毛髪13に向けて噴出されるものであり、熱せられた空気によるブローにより毛髪13の形状を固定して所望のカール付け等の整髪をすることができるものである。また、毛髪13はまず長尺ブリスル1の間に捕らえられた毛髪13の束が更に短ブリスル2の間の隙間29に導入され、図11に示すように細かい束に分散されるので、この状態で熱せられた空気をブリスル台4の吹出し孔12より毛髪13に向けて噴出した場合には、濡れた毛髪13の乾燥効率が向上するものである。
【0028】
また、図12乃至13は本発明の第二の実施の形態であり、ヘアーブラシとして形成されたヘアーセッターを示すものである。このヘアーブラシは、ブラシ体3の端部から柄部32を延設して形成されるものである。ブラシ体3には第一の実施の形態におけるものと同様にブリスル台4が形成され、このブリスル4台には長尺ブリスル1及び短ブリスル2が形成されている。長尺ブリスル1は長尺ブリスル1が等間隔に並んだ長尺ブリスル列7を形成して長尺ブリスル連結部において抜け止めがされてブリスル台4にヘアーセッターの長手方向に複数列設けられている。短ブリスル2は第一の実施の形態におけるものと同様に短ブリスル列8を3列隣接させて形成する短ブリスルブロック31が、ブリスル台4の両側の側部において長尺ブリスル列7の間に挟まれて配している。また、この短ブリスルブロック31は第一の実施の形態におけるものと同様に短ブリスル連結基台9に設けられた抜け止め板26により長尺ブリスル連結部30とブリスル台4により係止されている。ただし、この実施の形態の例では短ブリスルブロックはブリスル台4の長手方向の略全長に亘って設けてある点が異なっている。また、この実施の形態の例はヘアーブラシであるため、ブリスル台4に吹出し孔12が形成されていない点も異なるものである。上記の短ブリスル2は図13(a)に示すように、ブリスル台4に設けられた短ブリスル連結基台9から突出して形成されており、上記短ブリスル2の先端はブリスル台4の円弧状の表面の頂上10における接線5よりも突出させるように設けてある。上記突出量は図13(a)にてL1で示してある。また上記接線5と短ブリル2の設けられた位置におけるブリスル台4の円弧状の表面に対する接線6との間の交差する角度θは鋭角であるように設けてある。また上記短ブリスル連結基台9はブリスル台4から突出させて設けてあり、短ブリスル2間のピッチP2は長尺ブリスル1間のピッチP1よりも小さいものとなっている。
【0029】
このようにヘアーセッターをヘアーブラシとして構成しても、第一の実施の形態のようにして毛髪13を整髪するにあたり、短ブリスル2によって毛髪13に効果的にテンションをかけて所望の形状に保持し、容易に整髪を行うことができるものである。
【0030】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、短ブリスル連結基台を、ブリスル台の両側端部において最も側方に配置された長尺ブリスル列と、前記長尺ブリスル列のすぐ内側に配置された長尺ブリスル列との間に、ブリスル台の表面よりも突出するように配置し、短ブリスル連結基台から突出して形成した軟質材料で構成した短ブリスルの先端がブリスル台の円弧状の表面の頂上における接線よりも突出させられたことを特徴としているので、毛髪取り込み側の短ブリスルで保持された毛髪の毛先は長尺ブリスルの中をブリスル台の円弧状の表面の頂上における接線上の軌跡を描きながら通り抜けてくるが、その接線上に突出した先端を有する他方の短ブリスルにより、そのままブラシ外に通り抜けようとする毛先を確実に捕らえることができるものであり、また短ブリスルの先端を所定の高さまで至らせるために行われる短ブリスル自体の長さの延長を極力行わないようにすることができ、短ブリスルの長さの延長に伴う耐久性の低下等を避けることができるものである。また、短ブリスルを隣接する短ブリスル同士が千鳥状になるように配列したので、毛髪と直交する方向に対する短ブリスルの見掛け上の間隔を小さくして密集度を大きくし、毛髪に短ブリスルにて効果的にテンションをかけることができるものである。
【0031】
また本発明の請求項2に係るヘアーセッターは、請求項1の構成に加えて、短ブリルの設けられた位置におけるブリスル台の円弧状の表面に対する接線とブリスル台の円弧状の表面の頂上における接線との間の交差する角度が鋭角であることを特徴としているので、ブリスル基台の円弧状の表面の曲率の変化に関わらず短ブリスルの先端をブリスル台の円弧状の表面の頂上における接線よりも突出させることが容易に行うことができ、毛髪を確実に捕らえることができるものである。
【0032】
本発明の請求項3に係るヘアーセッターは、請求項1の構成に加えて、複数個の長尺ブリスルが並んだ長尺ブリスル列の長尺ブリスル間のピッチと比べて複数個の短ブリスルが並ん短ブリスル列の短ブリスル間のピッチを小さいピッチにしたことを特徴としているので、長尺ブリスルで大きく捕らえた毛髪を短ブリスルで細かく分散化し、短ブリスル同士間の狭い隙間で挟み込むことで、捕らえた毛髪を保持することができ、毛髪に適度なテンションをかけて所望の形状に保持することにより毛髪を所望の形状に容易に整髪することができるものである。
【0034】
本発明の請求項4に係るヘアーセッターは、請求項3の構成に加えて、短ブリスル列をブリスル台の円弧状の表面の頂上を境にしてブリスル台の断面円弧上において対称位置となるようにブリスル台に設けたことを特徴としているので、整髪をする際に毛髪の導入方向に関係なく毛髪を確実に捕らえて保持することができるものである。
【0035】
本発明の請求項5に係るヘアーセッターは、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、ブラシ体とグリップ体とを具備し、グリップ体に送風手段を設けて中空断面を持たせたブラシ体と連結させてブラシ体の外面に設けたブリスル台にブラシ体の中空部と繋がる吹出し孔を設けて、グリップ体から送風された風を上記吹出し孔から吐出させることを特徴としているので、毛髪を適度なテンションをかけて所望の形状に固定して更に効果的な整髪ができるものであり、また請求項3のようなピッチの小さい短ブリスルに毛髪を通して細分化した状態の毛髪に風を供給ことにより毛髪を効果的に乾燥させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘアーセッターの実施の形態の一例の要部を示し、図2のA−Aで切断した断面図である。
【図2】本発明のヘアーセッターの実施の形態の一例を示す正面図である。
【図3】同上の実施の形態における短ブリスルブロックを示す平面図である。
【図4】(a)は図3の部分拡大図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図5】(a)は同上の実施の形態における短ブリスルブロックにおける概念図、(b)は(a)の側面図である。
【図6】同上の実施の形態における短ブリスル装着部分の拡大図である。
【図7】同上の実施の形態における短ブリスルの一部の拡大図である。
【図8】(a)および(b)は同上の実施の形態における使用状態を示す説明図である。
【図9】同上の実施の形態における使用状態を示す正面説明図である。
【図10】同上の実施の形態における使用状態を示す正面説明図である。
【図11】同上の実施の形態における短ブリスル部分の使用状態を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図13】(a)は図12の拡大平面図、(b)は図12の一部の拡大正面図である。
【図14】従来技術を示すものであり、(a)は正面図、(b)は(a)におけるブラシ体の側面図である。
【図15】従来技術の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 長尺ブリスル
2 短ブリスル
3 ブラシ体
4 ブリスル台
5 接線
6 接線
7 長尺ブリスル列
8 短ブリスル列
9 短ブリスル連結基台
11 グリップ体
12 吹出し孔
突出量
突出量
θ 角度

Claims (5)

  1. 複数の長尺ブリスルと長尺ブリスルよりも丈の短い複数の短ブリスルとを有するブラシ体を備えたヘアーセッターであって、ブラシ体には外面に突出する断面円弧状のブリスル台が設けられ、短ブリスル連結基台を、ブリスル台の両側端部において最も側方に配置された長尺ブリスル列と、前記長尺ブリスル列のすぐ内側に配置された長尺ブリスル列との間に、ブリスル台の表面よりも突出するように配置し、前記短ブリスル連結基台から突出して形成した軟質材料で構成した短ブリスルを、その先端がブリスル台の円弧状の表面の頂上における接線よりも突出すると共に、隣接する短ブリスル同士が千鳥状になるように配列したことを特徴とするヘアーセッター。
  2. 短ブリスルの設けられた位置におけるブリスル台の円弧状の表面に対する接線とブリスル台の円弧状の表面の頂上における接線との間の交差する角度が鋭角であることを特徴とする請求項1に記載のヘアーセッター。
  3. 複数個の長尺ブリスルが並んだ長尺ブリスル列と複数個の短ブリスルが並んだ短ブリスル列をブリスル台に設け、短ブリスル列の短ブリスル間のピッチを上記長尺ブリスル列の長尺ブリスル間のピッチよりも小さいピッチにしたことを特徴とする請求項1に記載のヘアーセッター。
  4. 短ブリスル列をブリスル台の円弧状の表面の頂上を境にしてブリスル台の断面円弧上において対称位置となるようにブリスル台に設けたことを特徴とする請求項3に記載のヘアーセッター。
  5. ブラシ体とグリップ体とを具備し、グリップ体に送風手段を設けて中空断面を持たせたブラシ体と連結させてブラシ体の外面に設けたブリスル台にブラシ体の中空部と繋がる吹出し孔を設けて、グリップ体から送風された風を上記吹出し孔から吐出させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のヘアーセッター。
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