JP3869670B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板を純水等のリンス液でリンス処理した後に乾燥処理する基板処理方法、特に、処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を引き上げあるいは処理槽内からリンス液を排出し、基板に対しイソプロピルアルコール(IPA)等の有機溶剤の蒸気を供給して基板を乾燥させる基板処理方法、ならびに、その方法を実施するために使用される基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ等の基板を、処理槽内に収容されたリンス液、例えば純水中に浸漬させてリンス処理した後に乾燥処理する方法として、例えば特開平10−209109号公報等には、処理槽内に貯留された純水中に基板を浸漬させてリンス処理した後に、処理槽内の純水の液面を不活性ガス、例えば窒素ガスの雰囲気にしつつ基板を純水中から引き上げ、窒素ガス等の不活性ガスをキャリアガスとして水溶性の有機溶剤、例えばIPAの蒸気を、純水中から引き上げられた基板の周囲へ供給し、基板の表面上の気液界面で、IPA蒸気を凝縮させて基板表面に付着した純水をIPAに置換させた後、基板が収容された密閉チャンバ内を真空排気して密閉チャンバの内部を減圧状態にすることにより、基板の表面に凝縮したIPAを蒸発させて、基板を速やかに乾燥させる、といった方法が開示されている。また、上記公報には、基板の表面でIPA蒸気が凝縮しやすくなるように基板の温度を低くするため、処理槽内の純水の液面を窒素ガス雰囲気にする際に、冷却器により窒素ガスを0℃〜常温、より好ましくは5℃程度の温度に冷却して、その冷却された窒素ガスをノズルから純水の液面に対して吹き付けることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−209109号公報に記載されている装置では、基板のリンス処理が行われる処理槽の上部開口面を囲み窒素ガス雰囲気にされる空間とIPA雰囲気とされ基板の乾燥処理が行われる乾燥室内とが、扉によって開通および遮断可能に隔てられており、純水中から引き上げられた基板は、窒素ガス雰囲気を介してIPA雰囲気とされた乾燥室内に移送され、その後に、処理槽の上部開口面を囲む空間と乾燥室内とは扉によって遮断され、その状態で基板の乾燥が行われる。このような構成であるため、処理槽内の純水の液面にはIPA蒸気が供給されない。しかしながら、処理槽の上部開口面を囲む空間と乾燥室内とを扉によって隔て、扉を開閉して処理槽側の空間と乾燥室内と開通させたり遮断したりするのは、装置の構成が複雑となり制御も煩雑となる。
【0004】
一方、上記したような扉を設けずに、処理槽内の純水中から引き上げた基板を、処理槽の上部開口面を囲む空間内で乾燥させるような構成の装置では、乾燥処理時に処理槽内の純水の液面にもIPA蒸気が供給されるので、純水中にIPAの一部が溶け込むことになる。この純水中に溶け込むIPA量が多くなると、処理槽内の純水の液面にIPAの濃度斑が発生する。この結果、基板面内における乾燥状態にばらつきを生じたり、デバイスパーティクルが発生したり、IPAによってデバイス上のレジストの溶解を生じたりする、といった不都合を生じる。基板の表面でIPA蒸気が凝縮しやすくなるように基板の温度を低くする目的で、処理槽内の純水の液面に対して冷却された窒素ガスを吹き付けたりすると、純水中に溶け込むIPA量が増加して、余計に上記不都合を生じやすくなる。
【0005】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、処理槽内に貯留されたリンス液中から露出させられた基板に対し有機溶剤の蒸気を供給して基板を乾燥させる場合において、リンス液中に溶け込む有機溶剤量を少なくして、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することを防止することができ、装置の構成や制御も比較的簡単である基板処理方法を提供すること、ならびに、その方法を好適に実施することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、処理槽内に貯留されたリンス液中に基板を浸漬させてリンス処理する工程と、前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる工程と、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給して基板の表面で有機溶剤を凝縮させた後に、その有機溶剤を蒸発させて基板を乾燥処理する工程と、を含む基板処理方法において、前記処理槽内のリンス液中から基板を露出させる前から、前記処理槽内のリンス液の液面に対し加熱された不活性ガスを供給して、リンス液の液面を加熱するとともにリンス液の液面付近を不活性ガス雰囲気にし、その加熱された不活性ガスの供給を開始した後に、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、処理槽内に貯留されたリンス液中に基板を浸漬させてリンス処理する工程と、前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる工程と、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給して基板の表面で有機溶剤を凝縮させた後に、その有機溶剤を蒸発させて基板を乾燥処理する工程と、を含む基板処理方法において、前記処理槽内のリンス液中から基板を露出させる前から、前記処理槽内のリンス液の液面へ光を照射してリンス液の液面を加熱するとともに、前記処理槽内のリンス液の液面に対し不活性ガスを供給してリンス液の液面付近を不活性ガス雰囲気にし、前記処理槽内のリンス液の液面への光の照射およびリンス液の液面に対する不活性ガスの供給を開始した後に、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給することを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】
請求項3に係る発明は、リンス液が貯留されそのリンス液中に基板が浸漬させられてリンス処理される処理槽と、前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる基板露出手段と、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対して有機溶剤の蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記処理槽内のリンス液の液面に対して不活性ガスを供給するガス供給手段、および、前記ガス供給手段によって供給される不活性ガスを加熱するヒータを有し、前記処理槽内のリンス液の液面を加熱する加熱手段と、前記基板露出手段によって前記処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前に前記加熱手段を作動させ、前記加熱手段を作動させた後に前記蒸気供給手段による有機溶剤の蒸気の供給を開始するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、リンス液が貯留されそのリンス液中に基板が浸漬させられてリンス処理される処理槽と、前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる基板露出手段と、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対して有機溶剤の蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記処理槽内のリンス液の液面へ光を照射する加熱用ランプを有し、前記処理槽内のリンス液の液面を加熱する加熱手段と、前記処理槽内のリンス液の液面に対して不活性ガスを供給するガス供給手段と、前記基板露出手段によって前記処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前に前記加熱手段を作動させるとともに前記ガス供給手段による不活性ガスの供給を開始し、前記加熱手段を作動させるとともに前記ガス供給手段による不活性ガスの供給を開始した後に前記蒸気供給手段による有機溶剤の蒸気の供給を開始するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
請求項1に係る発明の基板処理方法によると、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前から、処理槽内のリンス液の液面に対し加熱された不活性ガスが供給されることにより、リンス液の液面および液面付近の温度が上昇するとともに、リンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となる。このように、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面および液面付近の温度が上昇するので、リンス液中に溶け込む有機溶剤量が少なくなって、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することが抑えられる。このとき、処理槽内のリンス液は処理槽上部から連続して溢れ出る状態にされるので、リンス液の液中温度が上昇することはない。したがって、リンス液中の基板の温度が上昇することはないので、リンス液中から露出させられた基板の表面への有機溶剤蒸気の凝縮は支障無く行われる。また、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となるので、リンス液の液面へ供給される有機溶剤の量が少なくなって、リンス液中に溶け込む有機溶剤量がより少なくなる。
【0015】
請求項2に係る発明の基板処理方法によると、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前から、処理槽内のリンス液の液面へ光が照射されることにより、輻射熱でリンス液の液面が加熱されてリンス液の液面および液面付近の温度が上昇するとともに、処理槽内のリンス液の液面に対し不活性ガスが供給されることにより、リンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となる。このように、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面および液面付近の温度が上昇するので、リンス液中に溶け込む有機溶剤量が少なくなって、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することが抑えられる。このとき、処理槽内のリンス液は処理槽上部から連続して溢れ出る状態にされるので、リンス液の液中温度が上昇することはない。したがって、リンス液中の基板の温度が上昇することはないので、リンス液中から露出させられた基板の表面への有機溶剤蒸気の凝縮は支障無く行われる。また、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となるので、リンス液の液面へ供給される有機溶剤の量が少なくなって、リンス液中に溶け込む有機溶剤量がより少なくなる。
【0016】
【0017】
【0018】
請求項3に係る発明の基板処理装置においては、基板露出手段によって処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前から、ヒータによって加熱された不活性ガスがガス供給手段によって処理槽内のリンス液の液面に対し供給されることにより、リンス液の液面および液面付近の温度が上昇するとともに、リンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となる。このように、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面および液面付近の温度が上昇するので、リンス液中に溶け込む有機溶剤量が少なくなって、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することが抑えられる。このとき、処理槽内のリンス液は処理槽上部から連続して溢れ出る状態にされるので、リンス液の液中温度が上昇することはない。したがって、リンス液中の基板の温度が上昇することはないので、リンス液中から露出させられた基板の表面への有機溶剤蒸気の凝縮は支障無く行われる。また、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となるので、リンス液の液面へ供給される有機溶剤の量が少なくなって、リンス液中に溶け込む有機溶剤量がより少なくなる。
【0019】
請求項4に係る発明の基板処理装置においては、基板露出手段によって処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前から、加熱用ランプから処理槽内のリンス液の液面へ光が照射されることにより、輻射熱でリンス液の液面が加熱されてリンス液の液面および液面付近の温度が上昇するとともに、ガス供給手段によって処理槽内のリンス液の液面に 対し不活性ガスが供給されることにより、リンス液の液面付近を不活性ガス雰囲気となる。このように、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面および液面付近の温度が上昇するので、リンス液中に溶け込む有機溶剤量が少なくなって、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することが抑えられる。このとき、処理槽内のリンス液は処理槽上部から連続して溢れ出る状態にされるので、リンス液の液中温度が上昇することはない。したがって、リンス液中の基板の温度が上昇することはないので、リンス液中から露出させられた基板の表面への有機溶剤蒸気の凝縮は支障無く行われる。また、処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる際にリンス液の液面付近が不活性ガス雰囲気となるので、リンス液の液面へ供給される有機溶剤の量が少なくなって、リンス液中に溶け込む有機溶剤量がより少なくなる。
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、この発明に係る基板処理方法を実施するのに使用される基板処理装置の概略構成の1例を示す模式図である。この基板処理装置は、リンス液、例えば純水が貯留されその純水中に基板Wが浸漬させられてリンス処理される処理槽10、および、処理槽10の周囲を取り囲む処理チャンバ12を備えている。
【0024】
処理槽10は、その詳細な図示および説明を省略するが、下部に純水供給口を有するとともに上部に純水が溢れ出す溢流部を有し、底部に排水口が設けられている。処理チャンバ12は、蓋(図示せず)を開閉させることにより基板Wの搬入および搬出を行うことができるともに密閉することが可能である。処理チャンバ12の内部には、昇降駆動されるリフタ14が配設されており、このリフタ14は、処理チャンバ12内へ搬入された基板Wを受け取って処理槽10の内部へ搬入し、処理槽10内で基板Wを支持し、処理が終わった基板Wを処理槽10内から取り出す。また、処理チャンバ12の底部には、気液排出口16が設けられており、気液排出口16に、開閉弁20が介挿された排気管18、および、開閉弁24が介挿された排水管22がそれぞれ連通している。
【0025】
また、処理チャンバ12内の上部には、蒸気供給ノズル26が設けられている。蒸気供給ノズル26には、不活性ガス、例えば窒素ガスをキャリアガスとして有機溶剤、例えばIPAの蒸気を供給する蒸気供給管28が連通して接続されており、蒸気供給管28には、開閉弁30が介在して設けられている。また、処理チャンバ12の内部には、処理槽10内の純水の液面に対して不活性ガス、例えば窒素ガスを供給するガス供給ノズル32が設けられている。ガス供給ノズル32には、窒素ガスの供給源に接続されたガス供給管34が連通して接続されており、ガス供給管34には、開閉弁36が介在して設けられている。また、ガス供給管34には、ヒータ38が介在して設けられており、ガス供給管34を通ってガス供給ノズル32へ供給される窒素ガスをヒータ38で加熱、例えば50℃以上の温度に加熱することができるように構成されている。
【0026】
また、排気管18および排水管22にそれぞれ介挿された開閉弁20、24の開閉動作、リフタ14の昇降動作、ならびに、蒸気供給管28およびガス供給管34にそれぞれ介挿された開閉弁30、36の開閉動作を制御するために、図2に示すように、タイマ42を具備した制御部40が設けられている。
【0027】
次に、上記した構成の基板処理装置を使用してリンス処理後に行われる基板の乾燥処理操作の1例について説明する。
【0028】
処理槽10内に貯留された純水中に基板Wが浸漬させられて基板Wのリンス処理が行われ、そのリンス処理が終了すると、ヒータ38が駆動され、開閉弁36が開かれて、ガス供給管34を通ってガス供給ノズル32へ50℃以上の温度に加熱された窒素ガスが送られ、ガス供給ノズル32から処理槽10内の純水の液面に対し加熱された窒素ガスが供給される。これにより、処理槽10内の純水の液面付近が窒素ガス雰囲気になり、また、純水の液面および液面付近の温度が上昇する。
【0029】
加熱された窒素ガスの供給が開始された後、例えば窒素ガスの供給開始時から10秒以上経過した後に、図3にタイムチャートを示すように、開閉弁30が開かれ、窒素ガスをキャリアガスとしてIPA蒸気が蒸気供給管28を通って蒸気供給ノズル26へ送られ、蒸気供給ノズル26から処理槽10内へIPA蒸気が供給される。このとき、処理槽10内の純水の液面付近は窒素ガス雰囲気となっており、また、純水の液面および液面付近の温度が上昇しているので、純水中へのIPA蒸気の溶け込みが抑えられる。したがって、処理槽10内の純水の液面にIPAの濃度斑が発生することはない。また、処理槽10内の純水は、処理槽10上部の溢流部から連続して溢れ出る状態にされるので、純水の液中温度が上昇することはなく、純水中の基板Wの温度は上昇しない。
【0030】
IPA蒸気の供給が開始された後、リフタ14が駆動され、リフタ14により基板Wが処理槽10内の純水中からゆっくりと引き上げられる。そして、純水中から引き上げられた基板Wの表面では、IPA蒸気が凝縮して、基板W表面に付着した純水がIPAに置換されていく。基板Wが純水中から完全に引き上げられると、ガス供給管34に介挿された開閉弁36が閉じられ、加熱された窒素ガスの供給が停止される。その後に、蒸気供給管28に介挿された開閉弁30が閉じられ、処理チャンバ12内へのIPA蒸気の供給が停止される。この時点では、基板Wの表面はIPAによって完全に置換された状態となる。
【0031】
リフタ14により処理槽10内の純水中から基板Wが完全に引き上げられると、処理槽10内からの排水や窒素ガスによる処理チャンバ12内のパージを行うなどした後、密閉された処理チャンバ12の内部に基板Wを保持したまま、排気管18を通して処理チャンバ12の内部を真空排気し、処理チャンバ12内に保持された基板Wを速やかに減圧乾燥させる。これにより、基板Wの表面からIPAが完全に蒸発して除去され、基板Wの乾燥が終了する。基板Wの乾燥処理が終了すると、真空排気を停止した後、処理チャンバ12の蓋を開けて基板Wを処理チャンバ12内から搬出する。以上の一連の処理動作は、制御部40によって制御される。
【0032】
上記した実施形態では、処理槽10内の純水の液面を加熱するのに、ガス供給ノズル32から処理槽10内の純水の液面に対し加熱された窒素ガスを供給するようにしたが、図4に示すように、処理チャンバ12の内部に加熱用ランプ44を配設し、その加熱用ランプ44から処理槽10内の純水の液面に向かって近赤外光〜遠赤外光を照射し、輻射熱によって純水の液面を加熱するような装置構成とすることもできる。図4中において、図1で使用した符号と同一符号を付した各部材は、図1に示した装置に関して説明した上記各部材と同一機能を有するものである。また、図4に示した基板処理装置において、ガス供給ノズル32から処理槽10内の純水の液面に対し常温の窒素ガスを供給するようにする。
【0033】
また、上記実施形態では、リンス処理が終了した基板Wをリフタ14によって引き上げることにより、処理槽10内の純水中から基板Wを露出させるようにしたが、リンス処理後の基板Wを処理槽10内で静止させたままにし、処理槽10内からゆっくりと排水して処理槽10内の純水の液面を低下させることにより、純水中から基板Wを露出させるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1および請求項2に係る各発明の基板処理方法により、処理槽内に貯留されたリンス液中から露出させられた基板に対し有機溶剤の蒸気を供給して基板を乾燥させるときは、リンス液中に溶け込む有機溶剤量を少なくして、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することを防止することができる。このため、基板面内における乾燥状態にばらつきを生じたり、デバイスパーティクルが発生したり、デバイス上のレジストの溶解を生じたりする、といった不都合を無くすことができる。そして、装置の構成や制御も比較的簡単である。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
請求項3および請求項4に係る各発明の基板処理装置を使用すると、リンス液中に溶け込む有機溶剤量を少なくして、リンス液の液面に有機溶剤の濃度斑が発生することを防止することができ、このため、基板面内における乾燥状態にばらつきを生じたり、デバイスパーティクルが発生したり、デバイス上のレジストの溶解を生じたりする、といった不都合を無くすことができる。そして、装置の構成や制御も比較的簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る基板処理方法を実施するのに使用される基板処理装置の概略構成の1例を示す模式図である。
【図2】 図1に示した基板処理装置の制御系の概略構成を示す図である。
【図3】 図1に示した基板処理装置を使用してリンス処理後に行われる基板の乾燥処理操作のタイムチャートである。
【図4】 この発明に係る基板処理装置の概略構成の別の例を示す模式図である。
【符号の説明】
10 処理槽
12 処理チャンバ
14 リフタ
16 気液排出口
18 排気管
20、24、30、36 開閉弁
22 排水管
26 蒸気供給ノズル
28 蒸気供給管
32 ガス供給ノズル
34 ガス供給管
38 ヒータ
40 制御部
W 基板
Claims (4)
- 処理槽内に貯留されたリンス液中に基板を浸漬させてリンス処理する工程と、
前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる工程と、
前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給して基板の表面で有機溶剤を凝縮させた後に、その有機溶剤を蒸発させて基板を乾燥処理する工程と、
を含む基板処理方法において、
前記処理槽内のリンス液中から基板を露出させる前から、前記処理槽内のリンス液の液面に対し加熱された不活性ガスを供給して、リンス液の液面を加熱するとともにリンス液の液面付近を不活性ガス雰囲気にし、その加熱された不活性ガスの供給を開始した後に、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給することを特徴とする基板処理方法。 - 処理槽内に貯留されたリンス液中に基板を浸漬させてリンス処理する工程と、
前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる工程と、
前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給して基板の表面で有機溶剤を凝縮させた後に、その有機溶剤を蒸発させて基板を乾燥処理する工程と、
を含む基板処理方法において、
前記処理槽内のリンス液中から基板を露出させる前から、前記処理槽内のリンス液の液面へ光を照射してリンス液の液面を加熱するとともに、前記処理槽内のリンス液の液面に対し不活性ガスを供給してリンス液の液面付近を不活性ガス雰囲気にし、前記処理槽内のリンス液の液面への光の照射およびリンス液の液面に対する不活性ガスの供給を開始した後に、前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対し有機溶剤の蒸気を供給することを特徴とする基板処理方法。 - リンス液が貯留されそのリンス液中に基板が浸漬させられてリンス処理される処理槽と、
前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる基板露出手段と、
前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対して有機溶剤の蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記処理槽内のリンス液の液面に対して不活性ガスを供給するガス供給手段、および、前記ガス供給手段によって供給される不活性ガスを加熱するヒータを有し、前記処理槽内のリンス液の液面を加熱する加熱手段と、
前記基板露出手段によって前記処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前に前記加熱手段を作動させ、前記加熱手段を作動させた後に前記蒸気供給手段による有機溶剤の蒸気の供給を開始するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - リンス液が貯留されそのリンス液中に基板が浸漬させられてリンス処理される処理槽と、
前記処理槽内に貯留されたリンス液中から基板を露出させる基板露出手段と、
前記処理槽内のリンス液中から露出させられる基板に対して有機溶剤の蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記処理槽内のリンス液の液面へ光を照射する加熱用ランプを有し、前記処理槽内のリンス液の液面を加熱する加熱手段と、
前記処理槽内のリンス液の液面に対して不活性ガスを供給するガス供給手段と、
前記基板露出手段によって前記処理槽内のリンス液中から基板が露出させられる前に前記加熱手段を作動させるとともに前記ガス供給手段による不活性ガスの供給を開始し、前 記加熱手段を作動させるとともに前記ガス供給手段による不活性ガスの供給を開始した後に前記蒸気供給手段による有機溶剤の蒸気の供給を開始するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
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