JP3868015B2 - 新規チタノセン化合物、オレフィン化合物の水素添加用触媒及び該触媒組成物を用いたオレフィン化合物の水素添加方法 - Google Patents

新規チタノセン化合物、オレフィン化合物の水素添加用触媒及び該触媒組成物を用いたオレフィン化合物の水素添加方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、オレフィン化合物水素添加用触媒組成物及び該触媒組成物を用いてオレフィン化合物、好ましくは共役ジエン系重合体または、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体中のオレフィン性不飽和二重結合を選択的に水添する方法並びに該触媒組成物の1成分であるチタノセン化合物の中で特に新規に創造した新規なチタノセン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン性不飽和二重結合を有する化合物の水添触媒としては、一般的に不均一系触媒と均一系触媒が知られている。前者の不均一系触媒は、広く工業的に用いられているが均一系触媒と比べると一般に活性が低く、所望の水添反応を行なうためには多量の触媒を要し、高温高圧下で行われるので不経済となる。一方、後者の均一系触媒は、通常均一系で水添反応が進行するので不均一系と比べると活性が高く触媒使用量が少なくて済み、より低温、低圧で水添できる特徴があるが、反面、触媒調製が煩雑で触媒自体の安定性も充分とはいえず、再現性にも劣り好ましくない副反応を併発しやすいという欠点を有している。また、立体障害を有するアルキル置換のオレフィン性不飽和二重結合を水添する場合において充分な水添活性は得られていない。従って高活性で取扱いの容易な水添触媒の開発が強く望まれているのが現状である。
【0003】
一方、オレフィン性不飽和二重結合を含有する重合体は、不飽和二重結合が加硫等に有利に利用される反面、かかる二重結合は耐熱性、耐酸化性等の安定性に劣る欠点を有している。これらの安定性に劣る欠点は、重合体を水添して重合体鎖中の不飽和二重結合をなくすことにより著しく改善される。しかし、重合体を水添する場合には低分子化合物を水添する場合に比べて、反応系の粘度や重合体鎖の立体障害等の影響をうけて水添しにくくなる。さらに水添終了後、触媒を物理的に除去することが極めて難しく、実質上完全に分離することができない等の欠点がある。従って経済的に有利に重合体を水添するためには、脱灰の不要な程度の使用量で活性を示す高活性水添触媒、あるいは極めて容易に脱灰できる触媒の開発が強く望まれている。
【0004】
本願出願人らは既に特定のチタノセン化合物とアルキルリチウムを組み合わせて、オレフィン化合物を水添する方法(特開昭61−33132号、特開平1−53851号各公報)、メタロセン化合物と有機アルミニウム、亜鉛、マグネシウムと組み合わせでオレフィン性不飽和(共)重合体を水添する方法(特開昭61−28507号、特開昭62−209103号各公報)、特定のチタノセン化合物とアルキルリチウムとの組合せでオレフィン性不飽和基含有リビングポリマ−を水添させる方法(特開昭61−47706号、特開昭63−5402号各公報)等を出願している。
しかし、これらの方法は高活性なものの、水添触媒の取扱い方が難しく、長期貯蔵安定性にも難があった。
【0005】
一方、特定のチタノセン化合物とアルコキシリチウムとの組合せでオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマ−中のオレフィン性二重結合を水添する方法(特開平1−275605号公報)が開示されている。この方法ではさらに還元剤としてアルコキシリチウム以外の高価な有機金属化合物を必要とする。また、特定のチタノセン化合物とオレフィン化合物と還元剤の組合せでオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマ−中のオレフィン性二重結合を水添する方法(特開平2−172537号公報)が開示されている。これは貯蔵安定性や活性再現性を効果として挙げているが、1ケ月以上に渡る長期貯蔵安定性が十分でない。
【0006】
これらの発明の主触媒であるチタノセン化合物が本願出願人らが発明した従来公知の触媒と基本的には同じである為、いずれも触媒の耐熱性に限界があり、使用条件が限定される欠点があった。そこで、本発明者らはこれら問題点を解決するためにシクロペンタジエニル基の5個の水素を全てメチル基に置換したペンタメチルシクロエンタジエニル基を有するメタロセン化合物と還元剤との組合せでオレフィン化合物を水添させる方法を出願した(特開平4−96904号公報)。この方法では触媒の耐熱性は上がったものの、水添速度が遅く、特に穏和な条件下では従来のチタノセン触媒よりもかなり水添速度が低下し、かつ触媒の長期貯蔵安定性等も十分でなく、さらなる改善が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安定で取り扱い易く、耐熱性に優れ、広い温度領域でオレフィン化合物の水添に極めて少ない使用量で定量水添を示す特長に加えて数カ月に渡る長期貯蔵に耐え、水添反応時に再現性よく高活性を示す超高活性水添触媒組成物を得、該触媒組成物を用いたオレフィン化合物を水素添加する方法見出すことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、(A)アルキル基置換のシクロペンタジエニル基を有する特定のチタノセン化合物及び(B)還元能力を有する特定の金属化合物還元剤から構成される触媒組成物の存在下に水素と接触させてオレフィン化合物中のオレフィン性不飽和二重結合の水素添加を行う際に触媒の耐熱性が大幅に向上し、かつ広い温度領域で高活性を示すこと、さらに特定の添加剤を共存させることによって長期活性安定性も格段に優れるという驚くべき事実に基きなされたものである。
即ち、本発明は、
【0010】
](A)下記一般式(化6)で示されるチタノセン化合物の少なくとも一種
【0011】
【化6】
Figure 0003868015
【0012】
(但し、R5 ,R6 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基およびカルボニル基から選択された基を表し、R5 ,R6 は同一でも異なっていてもよい。R1 ,R2 は水素、C1 〜C12の炭化水素基から選択された基を表し、R1 ,R2 は同一でも異なっていてもよい。但し、R1 ,R2 が全て水素または全てC1 〜C12の炭化水素基である場合を除く。)(B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも一つ以上を含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤から構成されるオレフィン化合物の水素添加用触媒組成物。
並びに
【0013】
]触媒組成物が前記(A)成分、(B)成分及び下記(C)成分を含むオレフィン化合物の水素添加用触媒組成物。
(C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体のオレフィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜1であるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体。
並びに
【0014】
]触媒組成物が前記(A)成分及び(B)成分、あるいは(A)成分、(B)成分及び(C)成分に、さらに下記(D)成分を含むオレフィン化合物の水素添加用触媒組成物、
(D)アルコール化合物、エーテル化合物、チオエーテル化合物、ケトン化合物、スルホキシド化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、アルデヒド化合物、ラクトン化合物、アミン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エポキシ化合物及びオキシム化合物の群から選ばれる少なくとも一種の極性化合物。
並びに
【0015】
]オレフィン性不飽和二重結合含有化合物を不活性有機溶媒中にて、水素と接触させて該化合物中のオレフィン性不飽和二重結合を水素添加する際に前記(A)(B)または(A)(B)(C)または(A)(B)(D)または(A)(B)(C)(D)から構成される触媒組成物の存在下に行うことからなるオレフィン化合物の水添方法。
]好ましいオレフィン化合物が共役ジエン系重合体、または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との重合体であるオレフィン化合物の水素添加方法、
に関するものである。
【0016】
通常のアルキル基置換されていないシクロペンタジエニル基を有するチタノセン化合物の少なくとも一種(A’)と還元力を有する化合物(B)、及び(A’)と(B)と側鎖に特定の割合以上のオレフィン性不飽和二重結合を有するオレフィン性不飽和二重結合含有重合体(C)とを組み合わせて共役ジエン系重合体、または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体のオレフィン性不飽和二重結合を選択的に水添する方法(特開平4−96905号公報)及び(A’)の耐熱性を改善したペンタメチルシクロペンタジエニル基を有するメタロセン化合物(A”)と(B)から構成される触媒組成物を用いたオレフィン化合物の不飽和二重結合を水添する方法(特開平4−96904号公報)はいずれも本発明者らによって出願されている。
【0017】
本発明者らは、この先願オレフィン水添触媒の耐熱性を向上させ、かつ従来の条件下においても速度を低下させず、かつ数カ月に渡る貯蔵安定性に優れる水添触媒につき、さらに鋭意検討した結果、(A)特定の構造を有するアルキル基置換のシクロペンタジエニル基(但し、5置換体を除く)を有するチタノセン化合物と(B)特定の元素を少なくとも一つ以上を含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤から構成される触媒組成物がオレフィン化合物、好ましくは共役ジエン系重合体または、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体のオレフィン性不飽和二重結合を脱灰の不要なレベルの使用量で広い温度領域にて選択的かつ高位に水添することを見出したこと、及び(A)(B)と(C)または(A)(B)と(D)または(A)(B)(C)と特定のアルコ−ル・ケトン・アルデヒド化合物等から選択される少なくとも一つの化合物(D)の組合せによりそれぞれ活性再現性と長期貯蔵安定性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
本発明における請求項1のチタノセン化合物は、本発明者らが合成した新規化合物である。この化合物の合成方法としては、例えばアルキル置換基を有するシクロペンタジエニル基を有する四価のチタノセンハロゲン化合物とアリールリチウムを反応させることによって合成することができる。合成した化合物の確認は 1H−NMR、MSスペクトルによって確認することができる。この化合物は水添触媒として用いることができる他、オレフィンやジエンの重合触媒としても有用である。
本発明にかかる水添触媒成分(A)は下記一般式(化7)で示される。
【0019】
【化7】
Figure 0003868015
【0020】
(但し、R5 ,R6 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基およびカルボニル基から選択された基を表し、R5 ,R6 は同一でも異なっていてもよい。R1 ,R2 は水素、C1 〜C12の炭化水素基から選択された基を表し、R1 ,R2 は同一でも異なっていてもよい。但し、R1 ,R2 が全て水素または全てC1 〜C12の炭化水素基である場合を除く。)R1 、R2 のC1 〜C12の炭化水素基として例えば下記一般式(化8)で表される置換基も含まれる。
【0021】
【化8】
Figure 0003868015
【0022】
(但しR7 からR9 は水素あるいはC1 からC4 のアルキル炭化水素基を示し、R7 からR9 のうち1つ以上は水素であり、n=0または1である)
また、アルキル炭化水素基が中心金属に対しオルトの位置にある化合物は活性はあるものの、合成が困難であるので好ましくない。
また請求項1の新規チタノセン化合物も請求項2以下の触媒成分(A)の一部として用いることができる。
【0023】
触媒成分(A)の具体例としては、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエチル、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジエチル、
【0024】
ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエチル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジオクチル、
【0025】
ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジオクチル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、
【0026】
ビス(η5 −ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブトキシド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブトキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブトキシド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジブトポキシド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブトポキシド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −1,3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、
【0027】
ビス(η5 −1,3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m−トリル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −1,3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、
【0028】
ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(m,p−キシリル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−エチルフェニル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、
【0029】
ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(4−ヘキシルフェニル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフルオライド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、
【0030】
ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジブロマイド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジイオダイド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジイオダイド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジイオダイド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジイオダイド、
【0031】
ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジイオダイド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η5 −ジ1,3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドメチル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドエトキサイド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、
【0032】
ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムクロライドフェノキサイド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジベンジル、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジベンジル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジベンジル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジベンジル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジベンジル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル、ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジカルボニル等が挙げられる。
【0033】
これらは単独あるいは相互に組み合わせて用いることが出来る。これらアルキル基置換のシクロペンタジエニル基を有するチタノセン化合物は以上の例示に限定されず、これら以外でもシクロペンタジエニル環のアルキル基の置換数が2、3、4のものも好適に用いられる。
【0034】
これらチタノセン化合物はいずれもオレフィン化合物のオレフィン性不飽和二重結合を高位に水添し、かつ耐熱性にも優れるが、特に共役ジエン系重合体または、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体中のオレフィン性不飽和二重結合に対する水添活性が高く、かつ広い温度領域中で不飽和二重結合を高位にかつ選択的に水添する触媒成分(A)として望ましいものとしては、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、
【0035】
ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −プロピルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルを挙げることが出来る。
【0036】
さらに空気中でも安定に取扱え、特に望ましいものはビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)、ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ(p−トリル)を挙げることが出来る。
【0037】
一方、触媒成分(B)としては、触媒成分(A)のアルキル基置換のチタノセン化合物を還元する能力のある公知の有機金属化合物・含金属化合物のうち、Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも一つ以上を含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤が用いられる。これらは有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機カルシウム化合物等を挙げることが出来るが、単独あるいは二種以上(A)と組み合わせて用いることによってオレフィン化合物を水添することができる。
【0038】
含Li化合物の具体例としてはメチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、t−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、シクロペンタジエニルリチウム、m−トリルリチウム、p−トリルリチウム、キシリルリチウム、ジメチルアミノリチウム、ジエチルアミノリチウム、メトキシリチウム、エトキシリチウム、n−プロポキシリチウム、イソプロポキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、t−ブトキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウム、フェノキシリチウム、4−メチルフェノキシリチウム、ベンジルオキシリチウム、4−メチルベンジルオキシリチウム、等が挙げられる。
【0039】
また、フェノ−ル系の安定剤とアルキルリチウムを反応させて得られるリチウムフェノラ−ト化合物も使われる。かかるフェノ−ル系安定剤の具体例としては1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノ−ル、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル、ブチルヒドロキシアニソ−ル、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノ−ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノ−ル、2−メチル−4,6−ジノニルフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾ−ル、メチレン−ビス−(ジメチル−4,6−フェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾ−ル)等が挙げられる。
【0040】
最も汎用的な2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ルの水酸基を−OLiとした2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシリチウムが特に好適に使われる。
また、トリメチルシリルリチウム、ジエチルメチルシリルリチウム、ジメチルエチルシリルリチウム、トリエチルシリルリチウム、トリフェニルシリルリチウム等の有機ケイ素リチウム化合物でも良い。
【0041】
含Na化合物の具体例としてはメチルナトリウム、エチルナトリウム、n−プロピルナトリウム、イソプロピルナトリウム、n−ブチルナトリウム、sec−ブチルナトリウム、イソブチルナトリウム、t−ブチルナトリウム、n−ペンチルナトリウム、n−ヘキシルナトリウム、フェニルナトリウム、シクロペンタジエニルナトリウム、m−トリルナトリウム、p−トリルナトリウム、キシリルナトリウム、ナトリウムナフタレン等が挙げられる。
【0042】
含K化合物の具体例としてはメチルカリウム、エチルカリウム、n−プロピルカリウム、イソプロピルカリウム、n−ブチルカリウム、sec−ブチルカリウム、イソブチルカリウム、t−ブチルカリウム、n−ペンチルカリウム、n−ヘキシルカリウム、トリフェニルメチルカリウム、フェニルカリウム、フェニルエチルカリウム、シクロペンタジエニルカリウム、m−トリルカリウム、p−トリルカリウム、キシリルカリウム、カリウムナフタレン等が挙げられる。
【0043】
上記有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物の一部は共役ジエン化合物及び/またはビニル芳香族炭化水素化合物のリビングアニオン重合開始剤として用いられるが、被水添のオレフィン化合物がこれら金属の活性末端を有する共役ジエン系重合体、または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体(リビングポリマ−)である場合、これらの活性末端も触媒(B)成分として作用する。
【0044】
含Zn化合物として、ジエチル亜鉛、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)亜鉛、ジフェニル亜鉛等が挙げられ、さらに含Mg化合物として、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムブロマイド等が挙げられる。
【0045】
さらに含Al化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、トリフェニルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、(2−エチルヘキシル)アルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0046】
これらの他にリチウムハイドライド、カリウムハイドライド、ナトリウムハイドライド、カルシウムハイドライド等のアルカリ(土類)金属水素化物や、ナトリウムアルミニウムハイドライド、カリウムアルミニウムハイドライド、ジイソブチルナトリウムアルミニウムハイドライド、トリ(t−ブトキシ)アルミニウムハイドライド、トリエチルナトリウムアルミニウムハイドライド、ジイソブチルナトリウムアルミニウムハイドライド、トリエチルナトリウムアルミニウムハイドライド、トリエトキシナトリウムアルミニウムハイドライド、トリエチルリチウムアルミニウムハイドライド等の2種以上の金属を含有する水素化物でも構わない。また、上記有機アルカリ金属化合物と有機アルミニウム化合物とを予め反応させることで合成される錯体、有機アルカリ金属化合物と有機マグネシウム化合物を予め反応させることで合成される錯体(ア−ト錯体)等も含まれる。
【0047】
触媒(A)及び(B)成分は必須であり、この両者から構成される触媒組成物は広い温度領域においてオレフィン化合物の不飽和二重結合を高位に水添する。(A)及び(B)成分にさらに(C)または(D)成分を組み合わせることで触媒の貯蔵安定性が増し、水添活性に再現性が発現し取扱い易くなる。
【0048】
触媒(C)成分は側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量全体のオレフィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜1であるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体であるが、この重合体の製造に用いられるモノマ−の例としては共役ジエンが挙げられ、一般に4〜約12個の炭化水素を有する共役ジエンが挙げられる。具体的な例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらは、単独または二種以上共重合させてもいい。工業的に有利に展開でき、取扱いが比較的楽な1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましく、これらの単独或は共重合体であるポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレン共重合体が好ましい。
またノルボルナジエン、シクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエンおよびこれらのアルキル置換体を単独あるいは共重合したものでよい。
【0049】
触媒成分(C)の重合体は数平均分子量が500以上1000000以下であればよい。数平均分子量が500より小さいと触媒活性安定化の効果が少なくなる。取扱いが容易で溶剤溶解性にも優れる数平均分子量500以上の液状ゴムが用いられる。液状ゴムは常温で液状のものが好ましく、数平均分子量が500〜10000のものが特に良い。数平均分子量が10000以上になると液状としての取扱いが困難になることを除いては触媒組成物の性能は特に問題はない。
【0050】
かかる触媒(C)成分の重合体においてはミクロ構造が最も重要である。
「側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の全体のオレフィン性不飽和二重結合に対する分率」をXとし、[(C)成分重合体の側鎖にあるオレフィン性不飽和炭素炭素二重結合数]=Yとし、[(C)成分重合体の全体のオレフィン性不飽和炭素炭素二重結合全数]=ZとするとX=Y/Zで定義されるXの値が0.3〜1の範囲にあることが好ましく、この範囲であれば末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の官能基を有していてもよい。この値の範囲の意味するところは触媒(C)成分の具体例としてポリブタジエンを用いた場合、全オレフィン性不飽和二重結合(シス1,4結合、トランス1,4結合、1,2結合)に対し側鎖のオレフィン不飽和二重結合(1,2結合)が0.3〜1(30〜100%)の範囲にあることが好ましいことである。この割合が0.3より小さくなると還元後の水添触媒組成物が不安定となり、貯蔵安定性が劣るので好ましくない。
【0051】
またこの重合体は、共役ジエン/芳香族ビニル化合物との共重合体でもよい。芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1、1−ジフェニルエチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。具体的な共重合体の例としては、ブタジエン/スチレン共重合体、イソプレン/スチレン共重合体等が最も好適である。これらの共重合体は、ランダム、ブロック、星型ブロック、テーパードブロック等いずれでもよく、特に限定されない。また結合芳香族ビニル化合物の量としては70%以下が好ましい。この量が70%を越えると実質的に共役ジエン部の側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体の共重合体に占める割合が少なくなるために触媒の安定化効果が減少する結果、比較的多量の触媒成分(C)が必要となるので水添される共役ジエン系重合体及び共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体の物性が変わる可能性があるので実質的に意味が無い。
【0052】
最も重要なのは(C)成分の共役ジエン部の側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体のオレフィン性二重結合に対する分率が0.3〜1であることが必要であり、より望ましい分率は0.5〜0.99である。
これら触媒成分(C)は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位アニオン重合等既知の方法いずれを用いて重合してもよいが、側鎖のオレフィン性不飽和二重結合の量を増加させるには極性溶媒中あるいはその存在下で有機リチウムや有機ナトリウム化合物を触媒としてリビングアニオン重合して得るか、コバルト系チ−グラ−型触媒により配位アニオン重合で得るか、またはエチレンとジシクロペンタジエン類を共重合させて得ることが出来る。
【0053】
かかる極性溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジピペリジノエタン等が挙げられる。Li系触媒としてメチルリチウム、エチルリチウム,n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、トリメチルシリルリチウム等が挙げられる。Na系触媒としてメチルナトリウム、エチルナトリウム、n−プロピルナトリウム、イソプロピルナトリウム、n−ブチルナトリウム、sec−ブチルナトリウム、イソブチルナトリウム、フェニルナトリウム、ナトリウムナフタレン、シクロペンタジエニルナトリウム等が挙げられる。
【0054】
上記触媒(A)、(B)及び(C)成分または(A)、(B)及び(D)成分から構成される触媒組成物の貯蔵安定性を更に向上させるには触媒(A)、(B)、(C)及び(D)成分との組合せが最も効果的である。
触媒(D)成分は、アルコ−ル化合物、エ−テル化合物、チオエ−テル化合物、ケトン化合物、スルホキシド化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、アルデヒド化合物、ラクタム化合物、ラクトン化合物、アミン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エポキシ化合物及びオキシム化合物の群から選ばれる少なくとも一種の極性化合物であるが、これら極性化合物としては以下の化合物を具体的に挙げることが出来る。
【0055】
このうち、アルコ−ル化合物の具体例としてはメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ−ル、イソブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコ−ル、n−アミルアルコ−ル、イソアミルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル及びその異性体、ヘプチルアルコ−ル及びその異性体、オクチルアルコ−ル及びその異性体、カプリルアルコ−ル、ノニルアルコ−ル及びその異性体、デシルアルコ−ル及びその異性体、ベンジルアルコ−ル、フェノ−ル、クレゾ−ル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ−ル等の一価アルコ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル・ブタンジオ−ル・ペンチルグリコ−ル・ヘキシルグリコ−ル・ヘプチルグリコ−ル及びこれらの異性体であるグリコ−ル(二価アルコ−ル)等を挙げることが出来る。又、グリセリン等の三価アルコ−ルやエタノ−ルアミン、グリシジルアルコ−ル等、一分子中に他の官能基を有するアルコ−ル化合物であっても良い。
【0056】
また、エ−テル化合物の具体例としては、ジメチルエ−テル、ジエチルエ−テル、ジ−n−プロピルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、ジ−n−ブチルエ−テル、ジ−sec−ブチルエ−テル、ジフェニルエ−テル、メチルエチルエーテル、エチルブチルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、エチルフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、α−メトキシテトラヒドロフラン、ピラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等が挙げられる。また、テトラヒドロフランカルボン酸のように分子中に他の官能基を有する化合物でも構わない。
【0057】
また、チオエーテル化合物の具体例としては、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−sec−ブチルスルフィド、ジ−tert−ブチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、メチルエチルスルフィド、エチルブチルスルフィド、チオアニソ−ル、エチルフェニルスルフィド、チオフェン、テトラヒドロチオフェン等が挙げられる。
【0058】
さらにケトン化合物の具体例としては、アセトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジ−n−ブチルケトン、ジ−sec−ブチルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、ベンゾフェノン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、ベンジルフェニルケトン、プロピオフェノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセチル、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等が挙げられる。
さらにスルホキシド化合物の具体例としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ペンタメチレンスルホキド、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、p−トリルスルホキシド等が挙げられる。
【0059】
さらにカルボン酸化合物の具体例としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シクロヘキシルプロピオン酸、シクロヘキシルカプロン酸、安息香酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、アクリル酸、メタアクリル酸等の一塩基酸、蓚酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、琥珀酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、ジフェン酸等の二塩基酸の他、トリメリット酸・ピロメリット酸及びそれらの誘導体を挙げることが出来る。また、例えばヒドロキシ安息香酸のように一分子中に他の官能基を有する化合物であっても構わない。
【0060】
さらにカルボン酸エステルの具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シクロヘキシルプロピオン酸、シクロヘキシルカプロン酸、安息香酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、アクリル酸、メタアクリル酸等の一塩基酸、蓚酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、琥珀酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、ジフェン酸等の二塩基酸と、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール及びその異性体、ヘプチルアルコール及びその異性体、オクチルアルコール及びその異性体、カプリルアルコール、ノニルアルコ−ル及びその異性体、デシルアルコ−ル及びその異性体、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール、グリシジルアルコール等のアルコール類とのエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のβ−ケトエステルが挙げられる。
【0061】
さらにラクトン化合物の具体例としては、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及び次の酸に対応するラクトン化合物が挙げられる。すなわち、この酸としては2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシノナンまたは3−ヒドロキシペラルゴン酸、2−ドデシル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−シクロペンチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−n−ブチル−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−フェニル−3−ヒドロキシトリデカン酸、2−(2−エチルシクロペンチル)−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−メチルフェニル−3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ベンジル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2−メチル−5−ヒドロキシバレリル酸、3−シクロヘキシル−5−ヒドロキシバレリル酸、4−フェニル−5−ヒドロキシバレリル酸、2−ヘプチル−4−シクロペンチル−5−ヒオロキシバレリル酸、
【0062】
3−(2−シクロヘキシルエチル)−5−ヒドロキシバレリル酸、2−(2−フェニルエチル)−4−(4−シクロヘキシルベンジル)−5−ヒドロキシバレリル酸、ベンジル−5−ヒヂロキシバレリル酸、3−エチル−5−イソプロピル−6−ヒドロキシカプロン酸、2−シクロペンチル−4−ヘキシル−6−ヒドロキシカプロン酸、2−シクロペンチル−4−ヘキシル−6−ヒドロキシカプロン酸、3−フェニル−6−ヒドロキシカプロン酸、3−(3,5−ジエチル−シクロヘキシル)−5−エチル−6−ヒドロキシカプロン酸、4−(3−フェニル−プロピル)−6−ヒドロキシカプロン酸、2−ベンジル−5−イシブチル−6−ヒドロキシカプロン酸、7−フェニル−6−ヒドロキシル−オクトエノ酸、2,2−ジ(1−シクロヘキセニル)−5−ヒドロキシ−5−ヘプテノ酸、2,2−ジプロペニル−5−ヒドロキシ−5−ヘプテノ酸、2,2−ジメチル−4−プロペニル−3−ヒドロキシ−3,5−ヘプタジエノ酸等が挙げられる。
【0063】
さらにアミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−アミルアミン、sec−アミルアミン、tert−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、アニリン、ベンジルアミン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、α−ナフチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−n−アミルアミン、ジイソアミルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−エチル−o−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、N−エチル−p−トルイジン、
【0064】
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−アミルアミン、トリイソアミルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルメチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、ピペラジン、2−アセチルピリジン、N−ベンジルピペラジン、キノリン、モルホリン等が挙げられる。
【0065】
さらにアミド化合物は、分子中に少なくとも一つの−C(=O)−N<または−C(=S)−N<結合を有する化合物であり、具体的にはN,N−ジメチルホルムアミド、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンツアミド、アセトアニリド、ベンツアニリド、N−メチルアセトアニリド、N,N−ジメチルチオホルムアミド、N,N−ジメチル−N,N’−(p−ジメチルアミノ)ベンズアミド、N−エチレン−N−メチル−8−キニリンカルボキシアミド、N,N−ジメチルイコチンアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N−メチルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルフタルアミド、10−アセチルフェノキサジン、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン、10−アセチルフェノチアジン、3,7−ビス)ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン、N−エチル−N−メチル−8−キノリンカルボキシアミド等の他、N,N’−ジメチル尿素、N,N’−ジエチル尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N−ジメチル−N’,N’−ジエチル尿素、N,N−ジメチル−N’,N’−ジフェニル尿素等の直鎖状尿素化合物が挙げられる。
【0066】
さらにニトリル化合物の具体例としては1,3−ブタジエンモノオキシド、1,3−ブタジエンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、1,2−エポキシシクロドデカン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシオクタン、エチレングリコ−ルジグリシジルエーテル、1,2−エポキシテトラデカン、ヘキサメチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1,7−オクタジエンエポキシド、2−フェニルプロピレンオキシド、プロピレンオキシド、トランス−スチルベンオキシド、スチレンオキシド、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化アマニ油、グリシジルメチルエーテル、グリシジルn−ブチルエーテル、グリシジルアリルエーテル、グリシジルメタアクリレート、グルシジルアクリレート等を挙げることが出来る。
【0067】
さらにオキシム化合物の具体例としては、アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム、ジエチルケトンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、ベンジルフェニルケトンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンズアルデヒドオキシム等が挙げられる。
以上の極性化合物は単独でも二種以上混合して用いても構わない。水添活性に好影響を与える特に好ましい化合物としては、一価アルコール化合物、三級アミン化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、カルボン酸化合物である。
【0068】
本発明の水添触媒組成物はオレフィン性不飽和二重結合を有する全ての化合物の水素添加に適用することが出来る。例えばエチレン、プロピレン、ブテン・ペンテン・ヘキセン・ヘプテン・オクテン等の異性体等の脂肪族オレフィン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘキサジエン等の脂環式オレフィン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等のモノマ−類、不飽和脂肪酸及びその誘導体、不飽和液状オリゴマ−等、分子中に少なくとも一つのオレフィン性不飽和二重結合含有低分子重合物等にも適用できる。
【0069】
また、本発明は共役ジエン共重合体、共役ジエンとオレフィン単量体の共重合体のオレフィン性不飽和二重結合の選択的水添にも適用できる。ここで言う選択的水添とは共役ジエン共重合体、共役ジエンとオレフィン単量体の共重合体の共役ジエン部分のオレフィン性不飽和二重結合を選択的に水添することであり、オレフィン単量体としてビニル芳香族化合物を用いた場合、芳香環の炭素炭素二重結合は実質的に水添されないことを意味する。
【0070】
共役ジエン共重合体、共役ジエンとオレフィン単量体の共重合体のオレフィン性不飽和二重結合の選択的水添物は、弾性体や熱可塑性弾性体として工業的に有用である。
かかる共役ジエン重合体の製造に用いられる共役ジエンとしては、一般的には4〜約12個の炭素原子を有する共役ジエンが挙げられ、具体的な例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。工業的に有利に展開でき、物性の優れた弾性体を得る上からは、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0071】
ブタジエン部分のミクロ構造には、1,2結合と1,4結合(シス+トランス)があるが、本発明の触媒はどちらも定量的に水添することが可能である。
また、イソプレン部分には、1,2結合、3,4結合の側鎖と1,4結合(シス+トランス)の主鎖にオレフィン性不飽和結合があり、それぞれ以下の構造をとっている(化9、化10、化11)。
【0072】
【化9】
Figure 0003868015
【0073】
【化10】
Figure 0003868015
【0074】
【化11】
Figure 0003868015
【0075】
これらの構造及び水添率は、 1H−NMRによって測定することが可能である。本発明の方法を用いるとブタジエン部分の1,2結合、1,4結合およびイソプレン部分の1,2結合(化9)、3,4結合(化10)の側鎖を特に選択的に水添させることが可能である。
【0076】
本発明で水添される共役ジエン系重合体の主成分として1,3−ブタジエンを選択した場合、特に低温から室温でエラストマ−弾性を発現させるにはブタジエンユニット部分のミクロ構造として1,2結合の量は8%以上、好ましくは20%以上であり、特に好ましい範囲は30〜80%である。また、共役ジエン系重合体の主成分としてイソプレンを選択した場合には同様の理由によりにイソプレンユニットのミクロ構造として1,4結合の量は50%以上、さらに好ましくは75%以上である。
【0077】
共役ジエン単位の不飽和二重結合のみを選択的に水添する本発明の効果を充分発揮し、工業的に有用で価値の高い弾性体や熱可塑性弾性体を得るためには、共役ジエンとビニル置換芳香族炭化水素との共重合体が特に重要である。共役ジエンの少なくとも一種と共重合可能なビニル芳香族炭化水素の具体例としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレン及び/またはα−メチルスチレンが好ましい。
【0078】
具体的な共重合体の例としては、ブタジエン/スチレン共重合体、イソプレン/スチレン共重合体、ブタジエン/イソプレン/スチレン共重合体等が工業的価値の高い水添共重合体を与えるので最も好適である。これら共重合体はランダム、ブロック、テーパードブロック共重合体等、特に限定されない。
本発明の触媒組成物及び好ましい水添条件下ではかかる共重合体中のビニル置換芳香族炭化水素ユニットの炭素炭素二重結合(芳香環)の水添は実質的に起こらない。
【0079】
本発明の水添反応の好ましい実施態様は、オレフィン性不飽和二重結合を有する化合物または前記重合体を不活性有機溶媒に溶解した溶液において行われる。ここで言う「不活性有機溶媒」とは、溶媒が水添反応のいかなる関与体とも反応しないものを意味する。好適な溶媒は、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘプタンの如き脂環式炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル類の単独もしくは混合物である。また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素も、選択された水添条件下で芳香族二重結合が水添されない時に限って使用することができる。
【0080】
本発明の水添反応は、一般的には上記被水添物溶液を水素または不活性雰囲気下、所定の温度に保持し撹拌下または不撹拌下にて水添触媒を添加し、ついで水素ガスを導入して所定圧に加圧することによって実施される。不活性雰囲気とは、例えば窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の水添反応のいかなる関与体とも反応しない雰囲気を意味する。空気や酸素は触媒成分を酸化したりして触媒の失活を招くので好ましくない。
【0081】
本発明の水素添加触媒組成物は(A)、(B)、(C)及び(D)成分の添加順序は任意で良く、特に限定されない。従って、予め本発明の触媒組成物を反応系とは別に触媒槽にて調製してから反応系に導入しても構わないし、反応系にそれぞれの触媒成分を別々に導入しても構わない。水添される共役ジエン系重合体または、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体が有機アルカリ金属または有機アルカリ土類金属を開始剤とするリビングアニオン重合で得られる場合は、後述するように触媒(A)成分と(B)成分の還元比が重要なため、場合によってはこの活性末端を触媒(B)成分として一部または全部利用できる。
【0082】
この比を調整するためには活性末端を一部または全部を失活させる必要も生じるが、通常は活性末端の当モル以下ないし過剰の失活剤を添加する。失活剤として過剰のアルコ−ルないしケトン化合物等も好適に用いられるが、これら失活剤が反応系中に存在する場合はこれらも触媒(D)成分或は(D)成分の一部とみなす。勿論、反応系及び触媒系を問わず、(A)(B)、(A)(B)(C)、(A)(B)(D)及び(A)(B)(C)(D)成分から構成されていれば本願発明の範囲に含まれる。
【0083】
本発明のオレフィン化合物水素添加触媒組成物の調合雰囲気は前記不活性雰囲気の他に、水素でも構わない。還元温度ならびに貯蔵温度は、−50℃から50℃であり、−20℃から30℃が特に好ましい。還元に要する時間は、還元温度によっても異なるが、25℃では、数秒から60日であり、1分から20日が好ましい。
触媒(B)成分は、前記不活性雰囲気下で取扱うことが必要である。触媒(A)成分については空気中においても安定である場合もあるが、不活性雰囲気下で取扱うことが好ましい。
【0084】
本発明の水素添加触媒組成物を構成する触媒(A)、(B)、(C)、(D)成分は前記不活性有機溶媒の溶液として使用する方が扱い易く好適である。溶液として用いる場合に使用する不活性有機溶媒、水添反応のいかなる関与体とも反応しない前記各種溶媒を使用することができる。好ましくは水添反応に用いる溶媒と同一の溶媒である。
【0085】
触媒組成物を予め触媒槽で調合させる場合は、調合した水素添加触媒組成物を水添反応器(水添槽)に移送する必要があるが、この際は水素雰囲気下で行うのが最も望ましい。移送する時の温度は、−30℃から100℃の温度、好ましくは−10℃から50℃の温度にて水添反応直前に添加するのが好ましい。高い水添活性および水添選択性を発現するための各触媒成分の混合比率は、触媒成分(B)の金属モル数と、触媒成分(A)のモル数との比率(以下Metal(B)/Metal(A)モル比)で約20以下の範囲である。
【0086】
Metal(B)/Metal(A)モル比=0、すなわちMetal(B)が存在しない場合においても熱還元により定量的な水添を行うことは可能であるが、より高温・長時間、高触媒量を要するので好ましくない。Metal(B)/Metal(A)モル比が20を越えると実質的な活性向上に関与しない高価な触媒成分(B)を過剰に用いることにより不経済であるばかりではなく、不必要な副反応を招き易く好ましくない。
Metal(B)/Metal(A)モル比=0.5から10の範囲は水添活性を著しく向上するのに最も好適である。
【0087】
被水添物がリビングアニオン重合で得られたリビング重合体である場合は、リビング末端が還元剤として作用するため、リビング活性末端を有する重合体を水添する際はこの最適なMetal(B)/Metal(A)モル比を達成するため、種々の活性水素やハロゲンを有する化合物で失活させておくのが好ましい。
【0088】
かかる活性水素を有する化合物として水およびメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール,1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−アリルフェノール、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、キシレノール、ジヒドロアントラキノン、ジヒドロキシクマリン、1−ヒドロキシアントラキノン、m−ヒドロキシベンジルアルコール、レゾルシノール、ロイコアウリン等のフェノール類が挙げられる。
【0089】
また酸として酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酢酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、などの有機カルボン酸等を挙げることができる。またハロゲンを有する化合物として塩化ベンジル、トリメチルシリルクロライド(ブロマイド)、t−ブチルシリルクロライド(ブロマイド)、メチルクロライド(ブロマイド)、エチルクロライド(ブロマイド)、プロピルクロライド(ブロマイド)、n−ブチルクロライド(ブロマイド)等を挙げることができる。これらは単独で使用しても二種以上混合しても構わない。
【0090】
触媒(C)成分の添加量は触媒(A)成分の触媒に対し、重量比で10から500が好ましい。10より小さいと貯蔵安定化や触媒量低減化の効果は小さくなる。この比が500を越えても水添活性は良好であるが、被水添物が重合体である場合は、該水添重合体と触媒成分(C)との分離が困難なため、物性等に影響がでる場合もある。
【0091】
本発明の触媒組成物を反応系とは別に調製する際に、被水添物がオレフィン性不飽和二重結合含有重合体であって、側鎖のオレフィン性不飽和二重結合含有量が全体のオレフィン性不飽和二重結合に対して0.3から1である場合は、これを触媒成分(C)としても用いても良いし、これと別の触媒(C)成分と混合して用いても差し支えない。
【0092】
触媒成分(D)の添加量は、触媒成分(B)の触媒に対し、モル比で(D)/(B)が0.01から10の範囲で水添活性が高く、かつ貯蔵安定性・水添活性持続性が極めて高いものとなる。
【0093】
触媒の添加量は被水添物100g当り0.001から20ミリモルで十分である。この添加量範囲であれば被水添物のオレフィン性不飽和二重結合を優先的に水添することが可能で、共重合体中の芳香環の二重結合の水添は実質的に起こらないので極めて高い水添選択性が実現される。20ミリモルを越える量の添加においても水添反応は可能であるが、必要以上の触媒使用は不経済となり、水添反応後の触媒脱灰、除去が複雑となる等不利となる。また選択された条件下で重合体の共役ジエン単位の不飽和二重結合を定量的に水添する好ましい触媒添加量は、重合体100g当り0.01から5ミリモルである。
【0094】
本発明の水添反応は、分子状水素を用いて行われ、より好ましくはガス状で被水添物中に導入される。
水添反応は、撹拌下で行われるのがより好ましく、導入された水素を十分迅速に被水添物と接触させることができる。水添反応は一般的に0から200℃の温度範囲で実施される。0℃未満では水添速度が遅くなり、多量の触媒を要するので経済的でなく、また200℃を越える温度では副反応や分解、ゲル化を併発し易くなり、触媒も失活するために水添活性が低下するので好ましくない。より望ましい温度範囲は20から180℃である。
【0095】
水添反応に使用される水素の圧力は1から100kg/cm2 が好適である。1kg/cm2 未満では水添速度が遅くなって実質的に頭打ちとなるので水添率を上げるのが難しくなり、100kg/cm2 を越える圧力では昇圧と同時に水添反応がほぼ完了し、実質的に意味がなく、不必要な副反応やゲル化を招くので好ましくない。より好ましい水添水素圧力は2から30kg/cm2 であるが、触媒添加量等との相関で最適水素圧力は選択され、実質的には前記好適触媒量が少量になるに従って水素圧力は高圧側を選択して実施するのが好ましい。また、本発明の水添反応時間は通常数秒ないし50時間である。水添反応時間及び水添圧力は所望の水添率によって上記範囲内で適宜選択して実施される。
【0096】
本発明の方法により、オレフィン化合物のオレフィン性不飽和二重結合、共役ジエン系共重合体および共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体中のオレフィン性不飽和二重結合は目的に合わせて任意の水添率が得られる。95%以上の水添率も十分に可能である。
【0097】
本発明の触媒を用いて水添反応を行った溶液からは、水添された目的物を蒸留、沈澱等の化学的または物理的手段で容易に分離することができる。特に、被水添物が重合体である場合、本発明の方法により水添反応を行った重合体溶液からは、必要に応じて触媒残査を除去し、水添された重合体を溶液から分離することができる。分離の方法としては、例えば水添後の反応液にアセトンまたはアルコール等の水添重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下、熱湯中に投入後、溶媒と共に蒸留回収する方法、または直接反応液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
【0098】
本発明の水添方法は第一に使用する水添触媒量がより少量である特徴を有する。従ってオレフィン化合物が重合体である場合、水添触媒がそのまま重合体に残存しても得られる水添重合体の物性に著しい影響を及ぼさず、かつ水添重合体の単離過程において触媒の大部分が分解、除去され重合体より除かれるので、触媒を脱灰したり除去したりするための特別な操作は必要とせず、極めて簡単なプロセスで実施することができる。第二に触媒の耐熱性が優れ、かつ比較的温度が低くても水添速度が低下しにくい為に広い温度領域でオレフィン化合物の水素化反応に高活性を示すことである。第三に貯蔵安定性・活性安定性が極めて優れることである。従って触媒の活性は数カ月たっても殆ど当初の水添活性を持続する。
【0099】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に実施例及び比較例を行なうにあたり、用いた水添触媒について以下に示す。
【0100】
[触媒(A)成分]
(1)ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド;日本ファインケミカル社製試薬をジクロロメタン中で再結晶させたものを用いた。
(2)ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド;(1) と同様。
(3)ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド;(1) と同様。
(4)ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウム;合成品をジクロロメタン中で再結晶して用いた。
(5)ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウム;合成品を再結晶して用いた。
【0101】
(6)ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウム;合成品をジクロロメタン中で再結晶して用いた。
(7)ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウム;合成品をジクロロメタン中で再結晶して用いた。
(8)ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−3,4−キシリルチタニウム;合成品を再結晶して用いた。
(9)ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウム;(4) と同様。
(10) ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウム;(4) と同様。
(11) ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド;関東化学社製試薬一級をジクロロメタン中で再結晶させたものを用いた。
(12) ビス(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド;アルドリッチ社製試薬をそのまま精製せずに用いた。
【0102】
[触媒(B)成分]
(1)sec−ブチルリチウム;ヘキサン溶液(関東化学製試薬)を不活性雰囲気下で濾別し、黄色透明な部分を用いた。
(2)エチルブチルマグネシウム;ペンタン溶液(関東化学製試薬)をそのまま用いた。
(3)トリイソブチルアルミニウム;ヘキサン溶液(東ソー・アクゾ社製)をそのまま用いた。
(4)トリエチルアルミニウム;ヘキサン溶液(東ソー・アクゾ社製)をそのまま用いた。
【0103】
[触媒(D)成分]
(1)メタノール;和光純薬社製試薬を金属Mg存在下に還流脱水したものを用いた。
(2)t−ブタノール;和光純薬社製試薬をモレキュラシーブで脱水したものを用いた。
(3)エチレングリコール;和光純薬社製試薬をCaH2 存在下還流脱水したものを用いた。
(4)テトラヒドロフラン;関東化学社製試薬をベンゾフェノンケチル存在下還流脱水したものを用いた。
(5)アセトン;和光純薬社製試薬をCaH2 存在下還流脱水したものを用いた。
【0104】
(6)酢酸エチル;和光純薬社製試薬をCaH2 存在下還流脱水したものを用いた。
(7)ε−カプロラクトン;和光純薬社製試薬をCaH2 存在下還流脱水したものを用いた。
(8)トリエチルアミン;和光純薬社製試薬をNa存在下還流脱水したものを用いた。
(9)N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン;和光純薬社製試薬をNa存在下還流脱水したものを用いた。
なお、水添率は1 H−NMRにより、反応前後のオレフィン性水素のシグナル強度の減少をスチレンブロック部分の芳香環の水素のシグナル強度を内部標準にして求めた。
【0105】
実施例1
十分に乾燥した500mlの三ツ口フラスコにビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.0181molと脱水エーテル200mlをフラスコ内にいれた。次に、等圧滴下ロート内にp−トリルリチウム0.037molとジエチルエーテル100mlを入れた。フラスコをー20℃に冷やし、マグネチックスターラでフラスコ内を激しく撹拌しながら等圧滴下ロート内のp−トリルリチウムのエーテル溶液を20分かけてゆっくりと滴下した。滴下後20分撹拌し、その後過剰のp−トリルリチウムを分解するために塩化メチレンを5ml加え、ゆっくりと室温にもどした。副生したLiClを濾別しエーテルを留去したのち、脱水塩化メチレン200mlを加えた。不溶分を濾別したのち、塩化メチレンを留去しその後減圧乾固した。ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウムを4.7g得た。収率68%、生成物は1 H−NMRとMSスペクトルより目的物であることを確認した。生成物の1 H−NMRチャートを図1に示し、シグナルa〜eを帰属した結果を化12に示す。また、生成物のMSスペクトルを図2に示す。
【0106】
【化12】
Figure 0003868015
【0107】
実施例2
十分に乾燥した500mlの三ツ口フラスコにビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.0181molと脱水エーテル200mlをフラスコ内にいれた。次に、等圧滴下ロート内にm−トリルリチウム0.037molとジエチルエーテル100mlを入れた。フラスコをー20℃に冷やし、マグネチックスターラでフラスコ内を激しく撹拌しながら等圧滴下ロート内のm−トリルリチウムのエーテル溶液を20分かけてゆっくりと滴下した。滴下後20分撹拌し、その後過剰のm−トリルリチウムを分解するために塩化メチレンを5ml加え、ゆっくりと室温にもどした。副生したLiClを濾別しエーテルを留去したのち、脱水塩化メチレン200mlを加えた。不溶分を濾別したのち、塩化メチレンを留去しその後減圧乾固した。ビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウムを4.5g得た。収率64%。生成物は1 H−NMRとMSスペクトルより目的物であることを確認した。
【0108】
実施例3
十分に乾燥した500mlの三ツ口フラスコにビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.0139molと脱水エーテル200mlをフラスコ内にいれた。次に、等圧滴下ロート内にp−トリルリチウムのエーテル溶液0.0277molとジエチルエーテル100mlを入れた。フラスコを−20℃に冷やし、マグネチックスターラでフラスコ内を激しく撹拌しながら等圧滴下ロート内のp−トリルリチウムのエーテル溶液を20分かけてゆっくりと滴下した。滴下後20分撹拌し、その後過剰のp−トリルリチウムを分解するために塩化メチレンを5ml加え、ゆっくりと室温にもどした。副生したLiClを濾別した。エーテルを留去したのち、脱水塩化メチレン200mlを加えた。不溶分を濾別したのち、塩化メチレンを留去しその後減圧乾固した。ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウムを4g得た。収率61%、生成物は1 H−NMRとMSスペクトルより目的物であることを確認した。生成物の1 H−NMRチャートを図3に示し、シグナルa〜fを帰属した結果を化13に示す。また、生成物のMSスペクトルを図4に示す。
【0109】
【化13】
Figure 0003868015
【0110】
実施例4
十分に乾燥した500mlの三ツ口フラスコにビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.0139molと脱水エーテル200mlをフラスコ内にいれた。次に、等圧滴下ロート内にm−トリルリチウム0.0277molとジエチルエーテル100mlを入れた。フラスコを−20℃に冷やし、マグネチックスターラでフラスコ内を激しく撹拌しながら等圧滴下ロート内のm−トリルリチウムのエーテル溶液を20分かけてゆっくりと滴下した。滴下後20分撹拌し、その後過剰のm−トリルリチウムを分解するために塩化メチレンを5ml加え、ゆっくりと室温にもどした。副生したLiClを濾別した。エーテルを留去した後、脱水塩化メチレン200mlを加えた。不溶分を濾別したのち、塩化メチレンを留去しその後減圧乾固した。ビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウムを4.1g得た。収率63%。生成物は1 H−NMRとMSスペクトルより目的物であることを確認した。
【0111】
実施例5
十分に乾燥した500mlの三ツ口フラスコにビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.0164molと脱水エーテル200mlをフラスコ内にいれた。次に、等圧滴下ロート内にp−トリルリチウム0.0328molとジエチルエーテル100mlを入れた。フラスコをー20℃に冷やし、マグネチックスターラでフラスコ内を激しく撹拌しながら等圧滴下ロート内のm−トリルリチウムのエーテル溶液を20分かけてゆっくりと滴下した。滴下後20分撹拌し、その後過剰のp−トリルリチウムを分解するために塩化メチレンを5ml加え、ゆっくりと室温にもどした。副生したLiClを濾別した。エーテルを留去したのち、脱水塩化メチレン200mlを加えた。不溶分を濾別したのち、塩化メチレンを留去しその後減圧乾固した。ビス(η5 −1,3ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウムを4.3g得た。生成物は1 H−NMRとMSスペクトルより目的物であることを確認した。
【0112】
実施例6
十分に乾燥した500mlの三ツ口フラスコにビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.0164molと脱水エーテル200mlをフラスコ内にいれた。次に、等圧滴下ロート内に3,4−キシリルリチウム0.0328molとジエチルエーテル100mlを入れた。フラスコをー20℃に冷やし、マグネチックスターラでフラスコ内を激しく撹拌しながら等圧滴下ロート内の3,4−キシリルリチウムのエーテル溶液を20分かけてゆっくりと滴下した。滴下後20分撹拌し、その後過剰の3,4−キシリルリチウムを分解するために塩化メチレンを5ml加え、ゆっくりと室温にもどした。副生したLiClを濾別した。エーテルを留去したのち、脱水塩化メチレン200mlを加えた。不溶分を濾別したのち、塩化メチレンを留去しその後減圧乾固した。ビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−3,4−キシリルチタニウムを3.5g得た。生成物は1 H−NMRとMSスペクトルより目的物であることを確認した。
【0113】
実施例7
内容量250mlの耐圧オートクレーブにアセトン抽出及び真空乾燥させた旭化成製タフプレンA(スチレン/ブタジエン系ブロック共重合体)を5g、シクロヘキサン30gに溶解し、完全に水素置換させた。室温で触媒(A)成分としてビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドを0.074mmol(ポリマ−に対し、Tiとして700ppm)添加し、次いで触媒(B)成分としてsec−ブチルリチウムを0.222mmol添加した。水素圧10kg/cm2 Gに昇圧し、100℃、30分間撹拌し、水添反応させた。得られた水添重合体溶液を大量のメタノ−ル中に沈澱させることで、水添重合体を回収し、次いでアセトン抽出・真空乾燥を行い、1 H−NMR測定を行った。水添されている炭素炭素二重結合はポリブタジエン部分のみであること、また主鎖の切断は全く起きてないことをGPCにより確認した。結果を表1に示す。
【0114】
実施例8
実施例7で触媒(B)成分としてエチルブチルマグネシウムを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例9
実施例7で触媒(B)成分としてトリエチルアルミニウムを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例10
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、を用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例11
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、を用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
【0115】
実施例12
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、触媒(B)成分としてエチルブチルマグネシウムを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例13
触媒(B)成分としてエチルブチルマグネシウム0.148mmol、トリイソブチルアルミニウム0.074mmolから合成された錯体を用いた以外は実施例10と全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例14
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、触媒(B)成分としてエチルブチルマグネシウムを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例15
触媒(B)成分としてエチルブチルマグネシウム0.148mmol、トリイソブチルアルミニウム0.074mmolから合成された錯体を用いた以外は実施例14と全く同様に行った。結果を表1に示す。
【0116】
実施例16
実施例7で触媒(B)成分としてトリエチルアルミニウムを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例17
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、触媒(B)成分としてトリエチルアルミニウムを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例18
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、触媒(B)成分としてトリエチルアルミニウムを用いたを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例19
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウム、(B)成分としてsec−ブチルリチウム0.074mmolを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
【0117】
実施例20
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウム、(B)成分としてsec−ブチルリチウム0.074mmolを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例21
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−m−トリルチタニウム、(B)成分としてsec−ブチルリチウム0.074mmolを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例22
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −1、3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウム、(B)成分としてsec−ブチルリチウム0.074mmolを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
実施例23
実施例7で触媒(A)成分としてビス(η5 −1、3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ−3,4−キシリルチタニウム、(B)成分としてsec−ブチルリチウム0.074mmolを用いた以外は全く同様に行った。結果を表1に示す。
【0118】
実施例24
アルゴン置換をした200mlの耐圧ガラスボトル内に乾燥したシクロヘキサンを20ml加え、次いで触媒(A)成分としてビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.148mmol、触媒(C)成分として日本曹達(株)製液状1,2−ポリブタジエン(Nisso B−1000:1,2−ビニル結合量85%)1.5g添加し、次いで触媒(B)成分としてsec−ブチルリチウムを撹拌下、室温で0.444mmol加えた。5分間撹拌させた後、触媒成分(D)としてt−ブチルアルコ−ルを0.450mmol加えた。この触媒組成物溶液の1/2容量を触媒として用い、他の実施例と全く同じ条件で水添反応を行った。結果を表2に示す。
実施例25
実施例24で得られた残りの触媒組成物溶液を2ケ月間冷蔵庫(10℃)にて貯蔵した。これを全量触媒として用い、他の実施例と全く同じ条件で水添反応を行った。結果を表2に示す。
【0119】
実施例26
実施例7で触媒(A)(B)成分の添加量のスケ−ルを1/5とした以外は全く同様に行った。結果を表2に示す。
実施例27
実施例26で水添温度を60℃とした以外は全く同様に行った。結果を表2に示す。
実施例28
実施例24で触媒(D)成分としてメタノールをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
実施例29
実施例24で触媒(D)成分としてエチレングリコール0.225mmolをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
実施例30
実施例24で触媒(D)成分としてテトラヒドロフランをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
【0120】
実施例31
実施例24で触媒(D)成分としてアセトンをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
実施例32
実施例24で触媒(D)成分として酢酸エチルをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
実施例33
実施例24で触媒(D)成分としてε−カプロラクトンをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
実施例34
実施例24で触媒(D)成分としてトリエチルアミンをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
実施例35
実施例24で触媒(D)成分としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンをもちいた以外は全く同様におこなった。結果を表2に示す。
【0121】
比較例1
触媒(A)成分としてビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドを用いた以外は実施例26と全く同様の条件にて行った。結果を表2に示す。
比較例2
触媒(A)成分としてビス(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドを用いた以外は実施例26と全く同様の条件にて行った。結果を表2に示す。
【0122】
比較例3
実施例7と全く同様に250mlオ−トクレ−ブ中に重合体、触媒(A)及び(B)成分を入れ、水素圧はかけずに2ヶ月間冷蔵庫内に貯蔵した。その後、水素圧を10kg/cm2 Gかけ、100℃にて30分間水添反応させた。結果を表2に示す。
比較例4
実施例27で触媒(A)成分にビス(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドを用いた以外は全く同様に行った。結果を表2に示す。
【0123】
【表1】
Figure 0003868015
【0124】
【表2】
Figure 0003868015
【0125】
【表3】
Figure 0003868015
【0126】
【表4】
Figure 0003868015
【0127】
【発明の効果】
以上のように、本発明の触媒組成物及びそれを用いた水添方法を採用することでオレフィン化合物・共役ジエン系重合体、または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との重合体の共役ジエン部分のオレフィン性不飽和二重結合の水添を、広い温度領域において極めて選択的に高位に水添することが可能となった。また、触媒の貯蔵安定性も飛躍的に向上し、触媒の調製状態や系中の不純物の影響を受けにくく安定的に取り扱える。特に耐熱性が向上した結果、水添温度を従来のチタノセン系触媒より高く設定することが可能になった結果、反応速度が大きくなりかつ重合体の溶液粘度が低下するので水素化反応に要する時間が大幅に短縮され、生産性が著しく向上する。また、本発明の方法はバッチ水添プロセスのみならず連続水添プロセスにも適用が可能となる。本発明の方法によって得られる水添重合体は、耐候性、耐酸化性の優れた弾性体、熱可塑性弾性体もしく熱可塑性樹脂として使用され、また紫外線吸収剤、オイル、フィラー等の添加剤を加えたり、他の弾性体や樹脂とブレンドして使用され、工業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウムの1 H−NMRスペクトル図である。
【図2】実施例1で得られたビス(η5 −メチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウムMSスペクトル図である。
【図3】実施例3で得られたビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウムの1 H−NMRスペクトル図である。
【図4】実施例3で得られたビス(η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル)ジ−p−トリルチタニウムMSスペクトル図である。

Claims (5)

  1. 触媒組成物が下記(A)成分および(B)成分から構成されることを特徴とするオレフィン化合物の水素添加用触媒組成物。
    (A)下記一般式(化2)で示されるチタノセン化合物の少なくとも一種
    Figure 0003868015
    (但し、R5 、R6 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基およびカルボニル基から選択された基を表し、R5 、R6は同一でも異なっていてもよい。R1 、R2 は水素、C1 〜C12の炭化水素基から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっていてもよい。但し、R1及びR2 が全て水素または全てC1 〜C12の炭化水素基である場合を除く)
    (B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも一つ以上含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤
  2. 触媒組成物が下記(A)成分、(B)成分にさらに(C)成分を含むことを特徴とするオレフィン化合物の水素添加用触媒組成物。
    (A)下記一般式(化3)で示されるチタノセン化合物の少なくとも一種
    Figure 0003868015
    (但し、R5 、R6 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基およびカルボニル基から選択された基を表し、R5 、R6は同一でも異なっていてもよい。R1 、R2 は水素、C1 〜C12の炭化水素基から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっていてもよい。但し、R1及びR2 が全て水素または全てC1 〜C12の炭化水素基である場合を除く)
    (B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも一つ以上含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤、
    (C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体のオレフィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜1であるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体。
  3. 触媒組成物が、下記(A)及び(B)成分、あるいは(A)、(B)及び(C)成分に、さらに下記(D)成分を含むことを特徴とするオレフィン化合物の水素添加用触媒組成物。
    (A)下記一般式(化4)で示されるチタノセン化合物の少なくとも一種、
    Figure 0003868015
    (但し、R5 、R6 は、水素、C1 〜C12の炭化水素基、アリ−ロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基およびカルボニル基から選択された基を表し、R5 、R6は同一でも異なっていてもよい。R1 、R2 は水素、C1 〜C12の炭化水素基から選択された基を表し、R1 、R2 は同一でも異なっていてもよい。但し、R1及びR2 が全て水素または全てC1 〜C12の炭化水素基である場合を除く)
    (B)Li、Na、K、Mg、Zn、Al、Ca元素を少なくとも一つ以上含有する化合物から選ばれる少なくとも一種の還元剤、
    (C)側鎖のオレフィン性不飽和二重結合量の全体のオレフィン性不飽和二重結合量に対する分率が0.3〜1であるオレフィン性不飽和二重結合含有重合体、
    (D)アルコ−ル化合物、エ−テル化合物、チオエ−テル化合物、ケトン化合物、スルホキシド化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、アルデヒド化合物、ラクトン化合物、アミン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エポキシ化合物及びオキシム化合物の群から選ばれる少なくとも一種の極性化合物。
  4. オレフィン性不飽和二重結合含有化合物(オレフィン化合物)を不活性有機溶媒中にて水素と接触させて該化合物中のオレフィン性不飽和二重結合を水素添加する際に請求項1〜3いずれか記載の触媒組成物の存在下に行うことを特徴とするオレフィン化合物の水素添加方法。
  5. オレフィン化合物が共役ジエン系重合体、または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体である請求項記載のオレフィン化合物の水素添加方法。
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