JP3864645B2 - 掘削工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具本体の先端部外周に、掘削時の工具本体の回転に伴って外径が拡径する拡径ビットが取り付けられた掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような掘削工具として、本発明の発明者らは、特願平9−235246号において図6および図7に示すようなものを提案している。これらの図に示す掘削工具では、先端側(図6において左側)に向かうに従い段階的に拡径する外形略多段円柱状の工具本体(デバイス)1の先端部中央に、この工具本体1の軸線Oに沿って取付孔2が形成され、この取付孔2に、円盤状のビット本体3Aの先端部に超硬合金等の硬質材料よりなるチップ4が多数植設されて切刃が設けられたパイロットビット3が、このビット本体3Aの後端面に突出する取付軸部3Bをネジ止めさせて取り付けられている。また、この工具本体1の先端部外周には複数の凹部5…が形成されるとともに、これらの凹部5…の底面には上記軸線Oに対して外周側に偏心した中心軸Xを有する支持孔5Aがそれぞれ形成され、この支持孔5Aに、ビット本体6Aの先端部にやはりチップ7…が植設されて切刃が設けられた拡径ビット6が、このビット本体6Aの後端面から突出する軸部6Bを嵌挿させて、上記中心軸X回りに回動自在に取り付けられている。
【0003】
このように構成された掘削工具は、工具本体1の後端側のシャンク部1Aに図示されないハンマが取り付けられて軸線O回りに工具回転方向Tに回転されるとともに該軸線O方向先端側に打撃力を受けることにより、上記拡径ビット6が中心軸X回りに工具回転方向Tの後方側に回転させられて軸線Oからの外径が拡径した状態で位置決めされ、この拡径ビット6の上記切刃7とパイロットビット3の切刃4とによって地盤等に削孔を形成するとともに、工具本体1に軸線O方向先端側に向けて係合するケーシングトップ8Aを介して、この削孔にケーシングパイプ8を建て込んでゆく。また、掘削終了後には、工具本体1を上記工具回転方向Tとは反対向きに回転させることによって拡径ビット6が上記とは反対に回転し、そのビット本体6Aが凹部5に収容されて軸線Oからの外径が縮径した状態で位置決めされるので、そのまま工具本体1を後退させることにより、ケーシングトップ8Aおよびケーシングパイプ8だけを削孔に残して当該掘削工具を引き抜くことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような掘削工具によって掘削される削孔の内径は掘削作業の条件によって様々であり、これに応じてケーシングパイプ8にも様々な内外径のものが使用される。しかるに、この点、ケーシングパイプ8の内径が異なる場合には、上記ケーシングトップ8Aをその肉厚が異なるものに変更することにより、同じ掘削工具の工具本体1でも軸線O方向先端側にケーシングパイプ8を係合させて削孔内に建て込んでゆくことが可能である。
【0005】
しかしながら、ケーシングパイプ8の外径が異なる場合には、掘削される削孔の内径、すなわち拡径状態における拡径ビット6の軸線Oからの外径がケーシングパイプ8の外径よりも小さ過ぎると、削孔内にケーシングパイプ8を建て込む際に大きな抵抗が作用して、場合によってはケーシングパイプ8を建て込むことができなくなる一方、逆に拡径ビット6の拡径時の外径がケーシングパイプ8の外径よりも大き過ぎると、削孔とケーシングパイプ8との間のクリアランスも大きくなり過ぎて、建て込まれたケーシングパイプ8の安定性が損なわれる結果となる。このため、従来は、外径の異なる複数種のケーシングパイプ8を建て込むには、これに応じて拡径時の外径が異なるように拡径ビット6が工具本体1にそれぞれ取り付けられた複数種の掘削工具を用意しなければならず、きわめて非効率的かつ不経済であった。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、異なる外径のケーシングパイプを建て込むのに、一つの工具本体でも異なる内径の削孔を掘削することが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転させられる工具本体の先端部外周に、上記軸線に平行かつ外周側に偏心させられた中心軸回りに回動自在に拡径ビットが取り付けられて、掘削時の上記工具本体の回転に伴い、上記拡径ビットが、上記軸線からの外径が拡径するように回転させられる掘削工具において、上記工具本体の先端部には、円盤状をなすビット本体の後端に該ビット本体の中心線に沿って取付軸部が一体に形成されたパイロットビットが、上記中心線を上記軸線と一致させて取り付けられ、上記工具本体の先端部と上記パイロットビットのビット本体との間にはスペーサーが介装されていて、上記工具本体側の先端部と上記スペーサーとには、上記中心軸を中心とする支持孔が形成されるとともに、上記拡径ビットにはこれらの支持孔に嵌挿される後端側と先端側の支持軸が互いに同軸に設けられており、上記工具本体に、掘削時に拡径した際の上記軸線からの外径が異なる複数種の拡径ビットを取付可能として、上記複数種の拡径ビット間で上記後端側の支持軸同士の外径と上記先端側の支持軸同士の外径がそれぞれ等しくされていることを特徴とするものである。従って、このような掘削工具によれば、このように複数種の拡径ビット間で上記後端側の支持軸同士の外径と上記先端側の支持軸同士の外径がそれぞれ等しくされていることによって拡径時の外径の異なる上記複数種の拡径ビットが工具本体に取付可能とされているので、この拡径時の外径が掘削すべき削孔の内径に適合する拡径ビットを取り付けることにより、一つの工具本体で異なる内径の削孔を掘削することができる。
【0008】
ここで、上記中心軸が上記軸線を中心としてなすピッチ円の直径は、上記工具本体の外径Dに対して、0.65〜0.75×Dの範囲内に設定されるのが望ましく、この範囲よりも上記ピッチ円の直径が大きいと、工具本体外周との間の肉厚を確保するために支持孔の内径が制限されざるを得ず、拡径ビットの取付剛性が損なわれるおそれが生じる一方、このピッチ円の直径が上記範囲よりも小さいと、拡径ビットの回動の中心となる上記中心軸が工具本体の回転の中心となる上記軸線に近づき過ぎて、掘削時の工具本体の回転により拡径ビットが回動しても上記軸線からの外径を十分に拡径させることができなくなるおそれがある。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において工具本体11は先端側(図1において左側)が後端側に対して一段拡径した外径略多段円柱状をなし、その縮径した後端部がシャンク部12とされて、このシャンク部12に図示されないハンマが取り付けられることにより、掘削時にはその軸線O回りに図中に符号Tで示す工具回転方向に回転させられるとともに、該軸線O方向先端側に向けて打撃力を受けて地盤等の掘削に供される。また、この工具本体11には、上記シャンク部12の後端から先端側に向けて圧縮空気等の供給孔13が軸線Oに沿って形成されており、この供給孔13からは、その途中で周方向に等間隔に3方向に分岐してそれぞれ先端外周側に傾斜して延びる分岐孔13Aが形成されるとともに、この分岐孔13Aからは、さらにその途中で分岐して軸線Oに平行に先端側に延びる小径の分岐孔13Bと工具本体11の後端外周側に傾斜して延びる分岐孔13Cとが形成されている。さらに、軸線Oに沿って延びる上記供給孔13は、工具本体11の先端部において一段拡径させられてその内周に雌ネジ部が形成され、パイロットビット14の取付孔15とされている。
【0010】
このパイロットビット14は、円盤状をなすビット本体14Aの後端に、該ビット本体14Aの中心線に沿って取付軸部14Bが一体に形成されたものであって、この取付軸部14Bの外周には取付孔15の上記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部が形成されており、これら雌雄ネジ部を螺合させて取付軸部14Bが取付孔15にねじ込まれることにより、上記中心線を軸線Oと一致させて工具本体11の先端部に取り付けられる。また、この取付軸部14Bの上記雄ネジ部よりも後端側には環状溝14Cが形成される一方、工具本体11には、パイロットビット14を取り付けた状態でこの環状溝14Cと軸線O方向に一致する位置に、該軸線Oに直交する平面に沿って延びて上記取付孔15の内周に接するように開口するピン取付孔16が形成されており、このピン取付孔16にピン17を挿入して上記環状溝14Cに係合させることにより、ネジ止めされたパイロットビット14の抜け止めがなされている。
【0011】
さらに、このパイロットビット14には、その取付軸部14Bの後端から先端側に向けて、上記供給孔13に連通する供給孔18が軸線Oに沿って形成されており、この供給孔18は上記ビット本体14A部分において軸線Oを挟んで互いに反対に外周側に向けて2方向に分岐し、このビット本体14Aの先端面に開口させられている。また、このビット本体14Aの先端面は、中央部が外周部に対して凹んだすり鉢状に形成されるとともに、この凹んだ中央部からビット本体14Aの外周にかけては軸線Oに対する直径方向に一対の排気溝19,19が形成され、2方向に分岐した上記供給孔18はそれぞれこれらの排気溝19,19の底面に開口させられている。
【0012】
さらにまた、このビット本体14Aの外周には、軸線Oに平行に延びる複数条(本実施形態では6条)の掘削屑の排出溝20…が周方向に等間隔に形成されており、上記排気溝19,19はその外周端がこれらの排出溝20…のうち軸線Oを挟んで互いに反対側に位置する一対の排出溝20,20の先端に連通するように配設されている。そして、このビット本体14Aの先端面と外周面の先端側とには、上記排気溝19,19や排出溝20…を避けるように、超硬合金等の硬質材料よりなるチップ21が多数植設されて、このパイロットビット14の切刃が構成されている。
【0013】
一方、工具本体11の拡径した先端部には、上記取付孔15の外周側に、この工具本体11の先端面と外周面とに開口する複数(本実施形態では3つ)の凹部22…が周方向に等間隔に形成されている。この凹部22は、工具本体11の上記先端面から一段後退するように形成されて先端側を向く底面22Aと、この底面22Aから軸線Oに平行に先端側に延びて工具本体11の上記先端面に至る壁面22Bとにより画成されており、底面22Aの工具回転方向T後方側には、軸線Oに平行でかつ外周側に偏心した中心軸Xを中心とする断面円形の支持孔23が形成されるとともに、この支持孔23よりも工具回転方向T側には、外周側に向かうに従い後端側に傾斜するように凹む凹所24が形成されている。また、この工具本体11の拡径した先端部の外周には、軸線Oに平行に延びる3対6条の掘削屑の排出溝25…が各対ごとに周方向に等間隔に形成されていて、対をなす排出溝25,25はそれぞれその先端が凹所24の工具回転方向T側と工具回転方向Tの後方側とに開口させられており、供給孔13から分岐した上記分岐孔13A,13Bは上記凹所24に、また分岐孔13Cは上記排出溝25にそれぞれ開口させられている。
【0014】
さらに、凹部22の上記壁面22Aは、該凹部22の工具回転方向Tの後方側に位置して工具本体11の外周から内周側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に傾斜する工具回転方向T側を向く壁面部22aと、上記中心軸Xを中心とした支持孔23よりも半径の大きな凹円弧面状をなして上記壁面部22aに滑らかに接する壁面部22bと、この壁面部22bにさらに滑らかに接して外周側を向きつつ工具回転方向T側に延びる壁面部22cと、この壁面部22cに鈍角なして凸曲折しつつ交差して内周側に向かう段差状の壁面部22dと、この壁面部22dに鈍角をなして凹曲折しつつ交差して外周側に向かう壁面部22eと、この壁面部22eにさらに鈍角をなして凹曲折しつつ交差して外周側に向かい、凹部22の工具回転方向T側において工具本体11の外周面に達する工具回転方向Tの後方側を向く壁面部22fとにより構成されている。なお、こうして形成される3つの凹部22…は、軸線O回りに120°ずつ互いに回転対称となるように形成されており、従って各凹部22の支持孔23の中心軸Xは軸線Oを中心とする一つのピッチ円C上に位置することとなる。そして、本実施形態では、このピッチ円Cの直径dは、工具本体11の拡径した先端部の外径Dに対して0.65〜0.75×Dの範囲に設定されている。
【0015】
このように形成された凹部22には、それぞれ拡径ビット26が取り付けられている。この拡径ビット26は、本実施形態の図1ないし図3に示す掘削工具では、凹部22への取付状態において工具本体11の先端側からみて羽根型をなすブロック状のビット本体26Aと、このビット本体26Aがなす羽根型の根元部分の先後端面に互いに同軸に一体形成された円柱状の支持軸26B,26Cとから構成されており、後端側の支持軸26Cは上記支持孔23に嵌挿可能な外径で該支持孔23の深さよりも僅かに長くされるとともに、先端側の支持軸26Bはこの後端側の支持軸26Cよりも外径、長さともに小さくされていて、後端側の上記支持軸26Cを支持孔23に嵌挿させて上記中心軸X回りに回動自在に取り付けられている。
【0016】
また、上記ビット本体26Aは、その根元部分が、支持軸26B,26Cと同軸の凸円弧面状をなして上記取付状態において凹部22の上記壁面部22bに摺接可能とされた側面26aと、この側面26aに滑らかに接してビット本体26Aがなす上記羽根型の羽根先側に向かうに従い互いの間隔が漸次広がる一対の側面26b,26cとから構成されている。そして、掘削時の工具本体11の回転に伴って当該拡径ビット26が中心軸X回りに工具回転方向Tの後方側に回転したときには、図2に示すように側面26bが凹部22の壁面部22aに当接してビット本体26Aが拡径した状態で位置決めされ、逆に中心軸X回りに工具回転方向T側に回転したときには、側面26cが壁面部22cに当接してビット本体26Aが縮径した状態で位置決めされるようになされている。
【0017】
さらに、図1ないし図3に示す掘削工具において羽根型をなすこのビット本体26Aの羽根先側の部分は、上記側面26cに鈍角をなして凹曲折しつつ交差する段差状の側面26dと、この側面26dに鈍角をなして凸曲折しつつ交差し、上記側面26cに対して平行に一段凸となる側面26eと、上記側面26bに鈍角をなして凸曲折しつつ交差する側面26fと、側面26eと側面26fとの間に延びる凸円弧面状の側面26gとから構成されており、拡径ビット26が縮径した状態で上記側面26d,26eが凹部22の壁面部22d,22eに当接させられるとともに、拡径ビット26が拡径した状態では上記側面26gが軸線Oを中心とした円弧面をなすようにされている。そして、このビット本体26Aの羽根先側の部分の先端面と側面26e,26fの先端側とには、超硬合金等の硬質材料よりなる多数のチップ27…が植設されていて、この拡径ビット26における切刃が形成されている。
【0018】
さらにまた、こうして拡径ビット26…が取り付けられた工具本体11の先端部と上記パイロットビット14のビット本体14Aとの間には、スペーサー28が介装されている。このスペーサー28は、図1および図4に示すようにパイロットビット14の取付軸部14Bが嵌挿される孔部28Aが中央に形成されるとともに、この孔部28Aの外周側には工具本体11への取付状態において先端側からみて凹部22…の工具回転方向T後方側に延びる延出部28B…が形成された板状をなしており、これらの延出部28B…の上記取付状態において後端側を向く面には、拡径ビット26の先端側の支持軸26Bが嵌挿可能な断面円形の支持孔28Cが、該取付状態において上記中心軸Xと同軸となるように形成されている。そして、このスペーサー28は、孔部14Aにパイロットビット14の取付軸部14Bを挿入してこの取付軸部14Bを取付孔15にネジ止めすることにより、上述のように支持孔28Cにそれぞれ支持軸26Bが嵌挿されて各拡径ビット26を先端側でも回動自在に支持した状態で、工具本体11の先端面とパイロットビット14のビット本体14Aの後端面との間に挟まれるように介装されて取り付けられている。
【0019】
このように構成された掘削工具は、上記拡径ビット26…が縮径した状態でケーシングパイプ29内に挿入され、工具本体11の先端部がケーシングパイプ29の先端から突き出たところで、上記ハンマから回転打撃力が与えられて工具本体11が工具回転方向Tに回転させられることにより、掘削時の抵抗によって拡径ビット26…が拡径して上述のように位置決めされ、パイロットビット14の切刃とこの拡径ビット26…の切刃とによって地盤等を掘削して削孔を形成するとともに、この削孔にケーシングパイプ29を建て込んでゆく。また、掘削終了後には、工具本体11を掘削時の工具回転方向Tとは反対側に回転することによって拡径ビット26…が縮径するので、削孔内にケーシングパイプ29を残したままパイロットビット14および拡径ビット26…ごと工具本体11をケーシングパイプ29から引き抜くことができる。
【0020】
そして、上記構成の掘削工具では、掘削条件等によって上記ケーシングパイプ29が外径の異なるものに変更された場合には、このケーシングパイプの外径に合わせた拡径ビットに上記拡径ビット26を交換することにより、変更されたケーシングパイプに適した内径の削孔を掘削してこのケーシングパイプを削孔内に確実に建て込むことが可能となる。例えば、ケーシングパイプ29が図1に示したものよりも外径の小さなものに変更となった場合には、図5に示すように拡径ビット26を、その拡径時のビット本体30Aの軸線Oからの外径が該拡径ビット26よりも小さくされた拡径ビット30に交換すればよい。
【0021】
ここで、この拡径ビット30は、上記拡径ビット26のビット本体26Aがなす羽根型の上記羽根先側部分の周縁部を、先端側からみて略L字状に切り欠くようにして形成されたものであり、すなわち上記ビット本体30Aは、図5に示すようにその根元部分に上記ビット本体26Aの側面26a〜26cと同大同形状の側面30a〜30cを備えるとともに、この根元部分とは反対の羽根先側部分には、縮径時に凹部22の壁面部22cに当接する側面30cに鈍角をなして凸曲折しつつ交差する側面30dと、この側面30dと拡径時に凹部22の壁面部22aに当接する側面30bとの間に凸円弧面状をなして延びる側面30eとを備えており、この側面30eは上記拡径時において変更されたケーシングパイプの外径に合わせて、上記拡径ビット26の側面26gがなす円弧面よりも径の小さな軸線Oを中心とした円弧面状に配設される。
【0022】
そして、さらにこのビット本体30Aの上記根元部分の先後端面には、拡径ビット26の上記支持軸26B,26Cとそれぞれ同径かつ等しい長さの支持軸30B,30Cが、互いに同軸に、かつ凹部22の壁面部22aに摺接する凸円弧面状をなすビット本体30Aの側面30aの中心とも同軸となるように形成されていて、これらの支持軸30B,30Cをスペーサー26の上記支持孔26Cと工具本体11の支持孔23とにそれぞれ嵌挿することにより、この拡径ビット30は、上記拡径ビット26と同様に中心軸X回りに回動自在に工具本体11に取付可能とされている。また、ビット本体30Aの上記羽根先側部分の先端面と側面30d,30eとにはチップ31…が植設されていて、この拡径ビット30の切刃が形成されている。
【0023】
従って、上記構成の掘削工具によれば、このように拡径時の軸線Oからの外径の異なる複数種の拡径ビット26,30が一つの工具本体11に取付可能とされているので、外径の異なるケーシングパイプを建て込む場合でも、このケーシングパイプの外径に合わせた内径の削孔を一つの工具本体11で掘削することができ、ケーシングパイプと削孔とのクリアランスが小さすぎてケーシングパイプを建て込む際に大きな摩擦が作用したり、あるいは逆にこのクリアランスが大きくなりすぎて建て込まれたケーシングパイプが不安定となったりするような事態を防止することができる。その一方で、これら外径の異なるケーシングパイプを建て込む際でも、使用する工具本体11は一つで済むので、ケーシングパイプに合わせて工具本体ごと異なる掘削工具を用意する必要はなく、経済的であるとともに、この工具本体11に回転打撃力を与えるためのハンマ等も一つでよく、効率的でもある。
【0024】
ところで、このようにケーシングパイプをその外径が異なるものに変更するときには、これに伴ってケーシングパイプの内径も変更されてしまう場合が多く、このような場合に、上記構成の掘削工具では工具本体11は一つであるので、ケーシングパイプの内径が工具本体11の外径Dよりも小さくなってしまうと、当該掘削工具をケーシングパイプ内に挿入してその先端から突き出すことにより掘削に供することができなくなる一方、逆にケーシングパイプの内径が工具本体11の外径Dよりも著しく大きくなると、この工具本体11の軸線Oとケーシングパイプの中心線とを一致させることが困難となって削孔の直進性が損なわれたりするおそれがある。そこで、このような場合には、工具本体11の外径Dを異なる内径のケーシングパイプのうち内径の小さいものに合わせて設定し、これよりも内径の大きなケーシングパイプを建て込むときには、当該ケーシングパイプの先端に、工具本体11を嵌挿可能な内径を有するケーシングトップを取り付けるようにすればよい。
【0025】
一方、本実施形態の掘削工具では、上述のように拡径時の軸線Oからの外径が異なる複数種の拡径ビット26,30を一つの工具本体11に取付可能とするに際して、工具本体11側の先端部とスペーサー28とに中心軸Xを中心とする支持孔23,28Cを形成するとともに、拡径ビット26,30には、これらの支持孔23,28Cに嵌挿可能な互いに同径の支持軸26B,26Cおよび支持軸30B,30Cを形成しており、すなわち少なくともこれら支持軸26B,26C,30B,30Cを共通化することによって異なる外径の拡径ビット26,30を一つの工具本体11に回動自在に取付可能としているので、ケーシングパイプの寸法に合わせたこれら複数種の拡径ビット26,30の設計、製造が比較的容易であるという利点を有する。しかも、本実施形態では、これに加えて、これら拡径ビット26,30のビット本体26A,30Aの上記根元部分も、その側面26a〜26cと側面30a〜30cとが同一の寸法形状とされて共通化されており、これにより拡径ビット26,30の拡縮径時の回動角度や位置決め状態の姿勢も一定とされるので、例えば基準となる一つの拡径ビット26に対して他の拡径ビット30の寸法、形状を設定するようにすればよく、一層容易な設計、製造を図ることができる。
【0026】
なお、本実施形態では、これら拡径ビット26,30の回動の中心となる中心軸Xが、工具本体11の外径Dに対して直径dが0.65〜0.75×Dの範囲内にあるピッチ円C上に位置するようにされているが、これは、この中心軸Xが配置されるピッチ円Cの直径dが上記範囲よりも大きく、すなわち直径dと工具本体11の外径Dとの差が小さくなり過ぎると、特に本実施形態のように工具本体11側に形成された支持孔23,28Cに支持軸26B,26C,30B,30Cを嵌挿して拡径ビット26,30を回動自在に取り付ける場合に、これら支持孔23,28Cの内径や支持軸26B,26C,30B,30Cの外径を大きくすることができず、拡径ビット26,30の取付剛性を十分に確保することができなくなるおそれがあるからである。その一方で、逆に直径dが上記範囲よりも小さく、すなわち中心軸Xと工具本体11の軸線Oとが接近し過ぎると、拡径ビット26,30の回動による拡径量が小さくなって、拡径時における拡径ビット26,30の外径を幅広い範囲の外径のケーシングパイプに合わせることができなくなるおそれがあるので、上記直径dは上述の範囲内に設定されるのが望ましい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、拡径時の外径が異なる複数種の拡径ビットを回動自在に工具本体に取付可能とすることにより、一つの工具本体で異なる内径の削孔を掘削することが可能となるので、外径の異なるケーシングパイプを削孔に建て込む場合でも、複数種の掘削工具を用意する必要がなく、経済的かつ効率的な掘削作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態において、拡径ビット26…が拡径した状態を示す先端側からの正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態において、拡径ビット26…が縮径した状態を示す先端側からの正面図である。
【図4】 図1に示す実施形態のスペーサー28の平面図である。
【図5】 図1に示す実施形態において、異なる拡径ビット30が装着された状態を示す先端側からの正面図である。(ただし、説明のため、パイロットビット14およびスペーサー28は図示が略されている。)
【図6】 従来の掘削工具を示す側断面図である。
【図7】 図6に示す掘削工具を先端側からみた正面図である。
【符号の説明】
11 工具本体
14 パイロットビット
22 凹部
23,28C 支持孔
26,30 拡径ビット
26B,26C,30B,30C 支持軸
28 スペーサー
29 ケーシングパイプ
O 工具本体11の軸線
X 拡径ビット14の回動の中心軸
T 掘削時の工具回転方向
D 工具本体11の外径
C 中心軸Xが軸線Oを中心としてなすピッチ円
d ピッチ円Cの直径

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転させられる工具本体の先端部外周に、上記軸線に平行かつ外周側に偏心させられた中心軸回りに回動自在に拡径ビットが取り付けられて、掘削時の上記工具本体の回転に伴い、上記拡径ビットが、上記軸線からの外径が拡径するように回転させられる掘削工具において、上記工具本体の先端部には、円盤状をなすビット本体の後端に該ビット本体の中心線に沿って取付軸部が一体に形成されたパイロットビットが、上記中心線を上記軸線と一致させて取り付けられ、上記工具本体の先端部と上記パイロットビットのビット本体との間にはスペーサーが介装されていて、上記工具本体側の先端部と上記スペーサーとには、上記中心軸を中心とする支持孔が形成されるとともに、上記拡径ビットにはこれらの支持孔に嵌挿される後端側と先端側の支持軸が互いに同軸に設けられており、上記工具本体には、掘削時に拡径した際の上記軸線からの外径が異なる複数種の拡径ビットが取付可能とされていて、上記複数種の拡径ビット間で上記後端側の支持軸同士の外径と上記先端側の支持軸同士の外径がそれぞれ等しくされていることを特徴とする掘削工具。
  2. 上記拡径ビットの後端側の上記支持軸は、上記工具本体側の支持孔の深さよりも長くされるとともに、先端側の上記支持軸はこの後端側の支持軸よりも外径、長さともに小さくされていることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
  3. 上記中心軸が上記軸線を中心としてなすピッチ円の直径が、上記工具本体の外径Dに対して0.65〜0.75×Dの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削工具。
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