JP3864606B2 - H形鋼用粗形鋼片の圧延方法およびその造形孔型 - Google Patents

H形鋼用粗形鋼片の圧延方法およびその造形孔型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、H形鋼用粗形鋼片の圧延方法およびその圧延において使用する造形孔型に関し、特に大物H形鋼を製造する場合の粗形鋼片の造形圧延技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にH形鋼の熱間圧延は一例として図4に示すように、加熱炉21から抽出された鋼片素材を粗ミル22、粗ユニバーサルミル群23、中間ユニバーサルミル群24、仕上げユニバーサルミル25により行われる。圧延は特に大物H形鋼の場合、図5(a)に断面形状を示すスラブ20a、または図5(b)に断面形状を示すH形鋼用鋼片(ビームブランク)20bを使用するのが多く、図6に示すようにスラブ20aを使用する場合、上下対称な複数個のエッジング用ボックス孔型31〜33と、1個または複数個の造形孔型34を刻設した粗ミルの上下ロール2、3にて所定のH形鋼用粗形鋼片40の形状に造形する。なお、図6において、35〜37はスラブ短辺側に割り込みを入れるための突起である。
そして、粗ミルにて造形された粗形鋼片40は、図4の粗ユ二バールミル群23、ついで、中間ユニバーサルミル群24にて複数パスの往復圧延を行った後、仕上げユ二バールミル25により1パスで成形しH形鋼に圧延される。
【0003】
このようなH形鋼の圧延工程においては、製品寸法が決まれば、仕上げユニバーサルミルのロール寸法と、該仕上げユニバーサルミル以前の各圧延機のロール寸法とが決定される。すなわち、図7(a)に示す造形圧延時のウェブ相当部幅W1、(b)に示す粗圧延時のウェブ相当部幅W2、(c)に示す中間圧延時のウェブ相当部幅W3、および(d)に示す仕上げ圧延時のウェブ相当部幅W4等の寸法が概ね等しくなるように設計されるのが一般的である。したがって、製品の寸法、とりわけ図7(d)のウェブ相当部幅W4が変更されると、通常、粗ミルの造形孔型のほか、各圧延機の水平ロール寸法をも改造等により変更する必要が発生する。
このような寸法の決め方は、スラブを素材として使用する大物H形鋼の圧延においても同じであり、粗ミルの造形孔型におけるウェブ相当部幅も製品のウェブ相当部幅(ウェブ内幅)と概ね同じ寸法となる。
【0004】
大物H形鋼の圧延においては、前述したとおり、上下対称の造形孔型34にてエッジング完了後の鋼片30を複数回もしくは10パス以上にもわたる往復パスにて圧延し、所定のH形鋼用粗形鋼片40の形状に造形する必要があるため、図8(a)に示すように孔型のウェブ圧下による幅広がり44により、フランジ側面にオーバフィル45が発生する。これは一般的に連続して圧延を行うと圧延材に圧着してしまい、図8(b)に示すように疵46となり、製品欠陥として残ることとなる。これを防止するには、造形圧延途中に、ボックス孔型による慣らしエッジングを行う必要があり、それを行うためには、圧延材を90゜転回しなくてはならず、パス回数の増大とともに、各パス間におけるアイドルタイムの大幅な増大を招くことになる。また、圧延材の温度もそれにより低下するため、粗ミル以降での圧延に対しても圧延条件は悪くなることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のH形鋼、特にスラブを使用する大物H形鋼の圧延においては以下に列記するような問題点があった。
【0006】
(1)例えば、H800×300、H900×300やフランジ幅の広いH400×400、H500×500のような大物H形鋼の場合、厚さ200〜300mm、幅1400〜1500mm程度、またはそれ以上の幅の広いスラブを使用し、図6に示すようにボックス孔型の底がフラットな形状、もしくはボックス孔型の底に突起を刻設し、スラブ短辺に割り込みを入れながらエッジングを行い、フランジ対応部38を造形する方法が一般的知られているが、設備上における制約等の面で、本来必要とされる幅のスラブが使用できない場合がある。例えば、粗ミルの上下ロール開度が少ない場合、本来必要とされる幅のスラブを圧延しようとするとロール径、特に孔型底部の径を小さくしなくてはならず、圧延荷重やロール強度等の面で圧延できない結果となってしまうことになる。
【0007】
(2)幅の狭いスラブを使用し、大物H形鋼の圧延を行った場合においては、ボックス孔型によるスラブのエッジング量は、造形孔型の幅と同一もしくは若干狭い値とするのが一般的であるため、図9(a)に示すように本来必要なスラブ幅S1に対し、S2のように幅が狭くエッジング量が少ない場合、図9(b)に示すようにエッジング完了後のフランジ高さhおよび厚さtが不足してしまうこととなる。そのため、造形孔型による圧延にてもフランジ対応部38を充満させることは不可能であり、結果的には図9(c)に示すように大きなアンダーフィル47が発生したままの形状となってしまうことから、粗ミル以降での圧延にて問題なく製品を作り込むことは無理な状態となってしまう。
【0008】
(3)ボックス圧延(エッジング)後に行う造形圧延においては、ウェブ面の圧下が主となり、それは、200〜300mmあるスラブの幅を次に行うユニバーサル圧延に適したウェブ厚まで圧下することとなる。このウェブ面での圧下は圧延材を長手方向に伸ばす(延伸)作用と幅方向へ広がろう(幅広がり)とする作用の二つがあり、圧延材の先後端部を除く中央部はウェブ圧下による延伸によりフランジ部を引き込む状態となるため、圧延材フランジ外面へのオーバーフィルは発生しないが、図8(a)に示すように圧延材の先後端部は中央部と比較するとウェブによるフランジ部の引き込みが少なく、逆に幅広がり44の影響が強くなり、圧延材のフランジ部は、孔型のフランジ部側壁により押し下げられるためオーバーフィル47が発生しやすくなる。
これを防止するには、造形圧延途中に、ボックス孔型にて一度もしくは複数回の慣らしエッジングを行い、造形孔型のフランジ側壁での押し下げを防いでやればよいが、圧延パス回数の増大とともに、各パス間におけるアイドルタイムの大幅な増大を招くことになり、圧延材の温度もそれに伴い低下するため、粗ミル以降での圧延に対しても圧延条件は悪くなることになる。さらに、慣らしエッジング時、ウェブ厚が薄くなるほど図10に示すように圧延材のウェブ座屈48や倒れ49等が発生してしまい、圧延続行不可能な状態となってしまう危険性がある。
【0009】
これらを防止し、安定した圧延を行うために提案されたものとして特公昭58−37042号公報においては造形圧延時、圧延材のフランジ側面を孔型にてフランジ側壁に当てず材料のメタルフローをウェブからフランジに行わせる技術が紹介されているが、この場合造形圧延時、全パス共孔型側壁による圧延材の拘束がないため、圧延時の安定性が悪い上、造形圧延完了後のH形鋼用粗形鋼片の全幅(ウェブ高さ)が圧延時の圧下、温度、材質等により変化する可能性があり、実際の圧延に際しては製品寸法精度の低下といった問題がある。その改善策として特公平2−14121号公報にて造形孔型のウェブ面を曲面とすることで、幅の狭いスラブからのメタルフローを積極的にウェブからフランジ側へ行わせる方法が開示されており、フランジ側面を孔型にて拘束し安定性を確保することが可能とされている。しかし、ウェブ圧下による幅広がりは従来法よりも弱くはなるが圧延先後端でのオーバーフィル47の発生を皆無とすることは難しい。
【0010】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、素材のスラブからH形鋼用粗形鋼片を造形圧延する場合において、圧延安定性が良く、かつ製品疵を発生させることなく造形圧延が可能なH形鋼用粗形鋼片の圧延方法およびその造形圧延に使用する造形孔型を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るH形鋼用粗形鋼片の第1の圧延方法は、ボックス孔型および造形孔型により素材のスラブからH形鋼用粗形鋼片を造形圧延する方法において、前記造形孔型の孔型全幅は変えずに孔型ウェブ面をフラットにするとともに、その孔型ウェブ面の幅である孔型ウェブ相当部幅を製品のウェブ内幅よりも50〜200mm狭くした造形孔型によりH形鋼用粗形鋼片を造形圧延することを特徴とするものである。
【0012】
連続鋳造によるスラブを素材としてH形鋼用の粗形鋼片を造形する孔型に対し、スラブの板厚を圧下する孔型ウェブ面の幅(孔型ウェブ相当部幅)を、従来一般的必要とされる製品のウェブ内幅よりも50〜200mm狭くした形状とすることにより、造形圧延後のユニバーサル圧延において、各パス毎の幅広がりに伴うフランジからウェブにかけて余肉部が形成される。この余肉部は特公平2−14121号公報に開示されている造形孔型のウェブ面に設けた曲面によるメタルフロー同様の働きがあり、粗圧延以降に行うユニバーサル圧延時、この余肉部を圧下することによるウェブからフランジへのメタルフローによりフランジ部の拘束力が強まり、成形性および寸法形状の安定化をはかる上で、特に大物H形鋼のような場合、有効な作用を果たすことになる。但し、200mmを超えて造形孔型の孔型ウェブ相当部幅を狭くした場合、前記の幅広がりによって発生する余肉部が過大となり、次に行うユニバーサル圧延時に噛み込み性の悪化やパス回数の増加、あるいは余肉部圧下が強すぎるための品質悪化等が発生しやすくなるため適切ではなく、また、粗圧延での造形圧延中においてもウェブ中央部ばかりの圧延が多くなるため、フランジとウェブの伸びのバランスがとれず、トラブルの原因となる可能性もある。
【0013】
造形圧延に供するエッジング完了材の幅は造形孔型の幅に対し概ね同一とするのが一般的であるが、本発明による造形孔型による圧延においては、ボックス孔型によるエッジング量を造形孔型の孔型ウェブ相当部幅を狭くした値までを限界に増やすこと(例えば、孔型ウェブ相当部幅を100mm狭くした造形孔型の場合、エッジング量も100mmまで従来よりも増やすことが可能)ができるだけでなく、造形圧延時の安定性を阻害しない。それは造形圧延の初期にスラブ厚とほぼ同一、もしくは10mm程度の軽圧下圧延を行うことで圧延材のウェブ面を予成形し、その後、実圧下による圧延を行うことができるためであり、材料のフランジ側面が初期には造形孔型の側壁に当たらないが、予成形圧延後にはウェブの幅広がりにより孔型側壁に当たり拘束する形となるからである。したがって、この第1の圧延方法によれば、従来と同じ幅のスラブを使用してもボックス孔型でのエッジング量を増やすことができることからフランジの幅や厚さが必要なときにきわめて有効である。また、圧延サイズによりそれほどフランジの幅や厚さが必要でないものについては素材となるスラブの幅を小さくすること、言い換えればエッジングの量の減少(パス減も含む)をはかることができる。
【0014】
本発明のH形鋼用粗形鋼片の第2の圧延方法は、さらに、前記造形孔型の孔型全幅よりも10〜30mm離れた内側の孔型フランジ角部を起点とする半径100〜500mmの孔型円弧部を設けた造形孔型によりH形鋼用粗形鋼片を造形圧延することを特徴とするものである。
【0015】
造形孔型の全幅は、製品のウェブ内幅寸法に、ユニバーサル圧延を行う上で必要なフランジの厚さ分(両フランジ厚)を加えた値にて概ね決定されるが、この第2の圧延方法においては、前述したとおり、圧延材の先後端部に発生しやすい造形圧延時のオーバーフィルを抑制するために造形孔型の全幅よりも10〜30mm内側に離れた孔型フランジ角部を起点とする半径100〜500mmの孔型円弧部を設けた造形孔型としているので、この造形孔型による圧延材フランジ側面の拘束力を該円弧部により弱め、圧延時の材料押し下げを軽減させることによりオーバーフィルの発生を抑制でき、従来必要であった慣らしエッジングは不要となり、パス回数の削減をはかることもできる。また、造形孔型の側壁による材料フランジ部の押し下げが少なくなることからフランジ幅方向に材料が入りやすくなり造形圧延での成形性がよくなる。
【0016】
本発明の前記第1、第2の圧延方法に使用する造形孔型は、H形鋼用粗形鋼片の造形圧延の最終工程で使用する造形孔型が、孔型全幅は変えずに孔型ウェブ相当部幅を一般的に必要とされる製品のウェブ内幅よりも50〜200mm狭くされ、孔型全幅よりも10〜30mm離れた内側の孔型フランジ角部を起点とする半径100〜500mmの孔型円弧部を有することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による造形孔型の断面形状およびその造形圧延により製造されるH形鋼用粗形鋼片の断面形状を示すものである。なお、図中の破線は従来例の形状を示す。
ここに例示する造形孔型1は、粗ミルの上ロール2および下ロール3に対称に円周溝状に刻設形成した断面形状からなり、その断面形状は、孔型フランジ外側面4、孔型フランジ端面5、孔型フランジ内側面6、および孔型ウェブ面7の連続した形状から形成されている。そして、孔型ウェブ面7に対応する孔型ウェブ相当部幅Wは、孔型全幅W0を変えずに(W0寸法は従来の寸法と同じにする)、一般的に必要とされる製品のウェブ内幅よりも50〜200mm小さくなるように形成される。また、孔型フランジ内側面6に対応する孔型円弧部8は、孔型全幅W0よりも10〜30mm内側に形成される孔型フランジ角部9を起点(一方の接続点)とする半径Rが100〜500mmの円弧形状に形成される。なお、内側および外側の孔型フランジ角部9、10、および孔型開口端部11にはそれぞれ適当なアールが付けられる。
【0018】
H形鋼の圧延は図4に示すようなミル配置の圧延設備で実施される。図4において、21は加熱炉、22は粗ミル、23は粗ユニバーサルミル群、24は中間ユニバーサルミル群、25は仕上げユニバーサルミルである。本発明で使用する上記造形孔型1は、粗ミル22に装備され、造形圧延の最終工程にて使用されるものである。
造形圧延に際しては造形孔型1の孔型ウェブ面(ウェブ相当部)7の幅Wを従来よりも狭くしていることから、図6に示すボックス孔型31〜33でのエッジング量を増やすことが可能であり、ウェブ面幅を狭くした値以上にエッジング量を増やさない限り、造形圧延を行う上で問題(噛み込み不良等)とはならず、ボックス孔型でのエッジング完了材は図1(b)に示すとおり、従来と比較してもフランジ相当部41の高さhおよび厚さtが増加しており、造形圧延での成形性を始め、フランジ部の幅、厚さが必要なサイズに対しきわめて有効である。
【0019】
造形圧延においては、圧延初期に予成形を行った後、実圧下による圧延を行うが、圧延による材料ウェブ部の幅広がりによって、図2に示すように孔型フランジ部12の内側には隙13が発生する。しかし、これは孔型のウェブ面幅を縮小したためであり、故意に発生させているといってよい現象である。言い換えれば、次工程であるユニバーサルミルにて問題なく圧延できるH形鋼用粗形鋼片40とするためにはこの隙13の発生が必要であり、造形孔型の設計を行う際にはスラブからのエッジング量を考慮した上で孔型ウェブ面7の幅Wを50〜200mmの範囲内でどの位縮小するかを決めなくてはならない。孔型設計に当たっては圧延対象サイズの大きさや厚さ、使用するスラブの幅と厚さ、目標とするエッジング量を参考とし、ウェブ面幅の縮小量を決定するが、前述のように200mmを超えてウェブ面の幅を縮小した場合ユニバーサルミルにおける圧延時、問題となるので注意が必要である。
【0020】
本発明による造形孔型1にて圧延を行った場合、図2に示すようにフランジ部41とウェブ部42の付け根部に余肉部43が発生する。これはウェブ圧下による幅広がりによりフランジ部41が孔型側壁方向に押し出される現象のためウェブ未圧下部が残る形となったものであり、この余肉部43は図3に示すように、ユニバーサルミルでの圧延時圧下されることで材料のフランジ部41を上下水平ロール26、27と竪ロール28とで圧下する際、余肉部圧下によりフランジ幅方向へのメタルフロー44を助ける作用が発生するため、大物例えばH400×400やH500×500のようにフランジ幅が大きく圧延上それを確保、安定させることが容易ではないサイズに対してきわめて有効である。
【0021】
造形孔型1の孔型フランジ内側面6に設けた円弧部8は、前述したように孔型内側壁部を緩やかな円弧形状とすることで材料と孔型の接触する面長を短くし、孔型による材料の拘束力を弱める方法としている。この結果、造形圧延時に発生していたオーバーフィルは解消できた。
以上のように、従来は設備制約上等の面で広幅スラブを使用し大物H形鋼を圧延することがきわめて困難であったが、本発明による造形孔型1のウェブ相当部幅Wの縮小、それに伴うボックス孔型でのエッジング量増加および造形孔型内側壁部への円弧部8の付加により幅狭スラブより大物H形鋼を疵等を発生させることなく製造することが可能となった。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。本実施例では図1(a)に示す造形孔型1を使用した。
従来、大物H形鋼、例えばH400×400やH500×500のようにフランジ幅が広く、また、厚さも厚い製品をスラブを使用し圧延する場合、図6に示すように粗ミルのロールに刻設された複数のボックス孔型31〜33を用い、スラブ幅方向へのエッジングを行い、H形鋼のフランジ相当部の幅、および厚さを造形圧延前に確保する必要があるため、板厚300mm、幅としては1400〜1500mmのスラブが必要とされていた。
しかし、本発明においては、造形圧延時のウェブ圧下による幅広がりに着目し、一般的に必要とされる造形孔型のウェブ面幅よりも狭い幅とすることで幅の狭いスラブからでもエッジング量を確保できるようにしたので、1300mm幅のスラブでもフランジ厚80mmまで対応することが可能であった。また、この造形圧延時の幅広がりによりウェブからフランジ付け根部にかけて余肉部43が発生することを利用し、粗ミル以降のユニバーサルミルでの圧延時発生しやすいフランジ幅不足や板厚不良(偏肉等)の発生をも防止することができるようになった。さらに、疵減少対策として造形孔型側壁部に設けた円弧部8の効果としては、従来製品のフランジ側面中央部の圧延材先後端部に必ずといってよいほど発生していた圧着状の疵が本発明を適用した結果皆無となった。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、造形孔型の孔型ウェブ相当部幅を一般的に必要とされる製品のウェブ内幅よりも50〜200mm狭くした造形孔型により圧延するものであるから、幅の狭いスラブからでも大物H形鋼用の粗形鋼片を製品疵を発生させることなく安定した造形圧延を行うことができる。また、幅の狭いスラブを使用できることから、圧延設備制約上の問題、特に粗ミルの上下ロールの開度の制約からくるロール強度の問題もなく、安心して圧延することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造形孔型およびH形鋼用粗形鋼片の断面形状を示す図である。
【図2】本発明の造形孔型により造形圧延時余肉部が形成される状況を示す図である。
【図3】ユニバーサル圧延時の余肉部圧下による幅広がりの作用を示す図である。
【図4】圧延設備の配置図である。
【図5】素材のタイプを示す図である。
【図6】粗ミルにおけるボックス孔型、造形孔型の断面図およびスラブを使用した粗圧延工程を示す図である。
【図7】造形圧延時、粗圧延時、中間圧延時および仕上げ圧延時における各ウェブ相当部幅を示す図である。
【図8】従来の造形圧延時における欠陥発生の状況を示す図である。
【図9】従来の圧延法においてスラブ幅が短い場合に発生する欠陥の状況を示す図である。
【図10】従来の圧延法においてウェブ厚が薄い場合に発生する欠陥の状況を示す図である。
【符号の説明】
1 造形孔型
2 上ロール
3 下ロール
4 孔型フランジ外側面
5 孔型フランジ端面
6 孔型フランジ内側面
7 孔型ウェブ面(ウェブ相当部)
8 孔型円弧部
9 孔型フランジ角部
10 孔型フランジ角部
11 孔型開口部
12 孔型フランジ部
13 隙
20a スラブ
20b ビームブランク
21 加熱炉
22 粗ミル
23 粗ユニバーサルミル群
24 中間ユニバーサルミル群
25 仕上げユニバーサルミル
26 上水平ロール
27 下水平ロール
28 竪ロール
30 エッジング完了材
31、32、33 ボックス孔型
34 造形孔型
35、36、37 突起
40 H形鋼用粗形鋼片
41 フランジ部
42 ウェブ部
43 余肉部

Claims (3)

  1. ボックス孔型および造形孔型により素材のスラブからH形鋼用粗形鋼片を造形圧延する方法において、
    前記造形孔型の孔型全幅は変えずに孔型ウェブ面をフラットにするとともに、その孔型ウェブ面の幅である孔型ウェブ相当部幅を製品のウェブ内幅よりも50〜200mm狭くした造形孔型によりH形鋼用粗形鋼片を造形圧延することを特徴とするH形鋼用粗形鋼片の圧延方法。
  2. 前記造形孔型の孔型全幅よりも10〜30mm離れた内側の孔型フランジ角部を起点とする半径100〜500mmの孔型円弧部を設けた造形孔型によりH形鋼用粗形鋼片を造形圧延することを特徴とする請求項1記載のH形鋼用粗形鋼片の圧延方法。
  3. H形鋼用粗形鋼片の造形圧延の最終工程で使用する造形孔型が、孔型全幅は変えずに孔型ウェブ面をフラットにするとともに、その孔型ウェブ面の幅である孔型ウェブ相当部幅を製品のウェブ内幅よりも50〜200mm狭くされ、孔型全幅よりも10〜30mm離れた内側の孔型フランジ角部を起点とする半径100〜500mmの孔型円弧部を有することを特徴とするH形鋼用粗形鋼片の造形孔型。
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