JP3864484B2 - インクジェットプリンタのワイピング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタのワイピング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷用紙等の記録媒体にインク液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドを備え、該記録ヘッドによって前記記録媒体に対し記録動作を行うインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドのノズル面を払拭するように記録ヘッドに対し相対移動可能なワイパ部材を設けたものが知られている。
【0003】
かかるワイパ部材101として、例えば図6に示すように、記録ヘッドのノズル面を拭払するノズル払拭部101aと、ワイパホルダに挿入して支持されるワイパ支持部101bとを備えるものがあり、そのようなワイパ部材101は、可撓性を有するシート状の弾性材料から所定の幅及び長さに切断して形成され、ノズル払拭部101aの厚さは一様になっている。そして、ワイパ部材を形成する弾性材料の一般的な組成は、ゴム成分35〜60%、カーボン20〜40%、オイル10〜30%、その他の加硫系薬品1%とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように、ワイパ部材のワイパ材料中に、カーボンが20〜40%程度含まれていると、ワイパ部材のノズル払拭部で記録ヘッドのノズル面を払拭する際に、記録ヘッドのノズル面が、ワイパ材料中に含有されるカーボンによって、損傷するという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、ワイパ部材のノズル払拭部で記録ヘッドのノズル面を払拭する際に、記録ヘッドのノズル面を、ワイパ材料中に含有されるカーボンによって傷つけることがないインクジェットプリンタのワイピング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、記録媒体にインク液滴を吐出するノズルを有し前記記録媒体に対し記録動作を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル面を払拭するように記録ヘッドに対し相対移動可能なワイパ部材とを有するインクジェットプリンタのワイピング装置において、前記ワイパ部材は、前記記録ヘッドのノズル面を払拭するノズル払拭部と、ワイパホルダに支持されるワイパ支持部とを有し、かつ主成分がカーボンを含有するゴム系のワイパ材料からなり、該ワイパ材料中のカーボンの割合が10容量%未満とされ、さらに、前記ワイパ部材のノズル払拭部によるノズル面を拭う力が0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 に設定されているものである。
【0007】
よって、ワイパ部材を、主成分がカーボンを含有するゴム系のワイパ材料で形成し、ワイパ材料中のカーボンの割合が10容量%未満とされ、さらに、前記ワイパ部材のノズル払拭部によるノズル面を拭う力が0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 に設定されているので、ワイパ部材のノズル払拭部によって記録ヘッドのノズル面を払拭する際に、記録ヘッドのノズル面に適度の圧力で接触することとなり、ワイパ部材に含有されるカーボンによって、記録ヘッドのノズル面(例えば撥水膜)を損傷するおそれがなくなる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1のインクジェットプリンタのワイピング装置において、前記ゴム系のワイパ材料の主成分が、エチレンプロピレンゴムである。
【0009】
よって、ゴム系のワイパ材料の主成分をエチレンプロピレンゴムとしているので、ワイパ部材が安価に製造される。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2インクジェットプリンタのワイピング装置において、前記ワイパ部材のノズル払拭部における先端部が他部よりも先細に形成されているものである。
【0011】
よって、ワイパ部材のノズル払拭部は、記録ヘッドのノズル面を払拭する先端部が他部よりも細く形成されているので、ノズル面に適度の圧力で接触しつつ、ワイパ部材(ノズル払拭部)の先端面に付着(残留)するインクが極力少なくなり、ワイピング動作時における記録ヘッドのノズル面へのインクの付着が低減される。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれかのインクジェットプリンタのワイピング装置において、前記ワイパ支持部が、前記ノズル払拭部よりも厚く形成されているものである。
【0013】
よって、ワイパ支持部を、ノズル払拭部よりも厚くするという簡単な構造でもって、ワイパ支持部の剛性をノズル払拭部の剛性よりも高くすることが可能となり、ワイパ支持部が剛性を持っているから、ワイパホルダへの挿入が容易になされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0015】
図1はインクジェットプリンタの全体構成を示す概略斜視図である。同図において、インクジェットプリンタ1は、左右方向に延びる回転軸(図示せず)によってフレーム2に回転可能に支承される円筒形状のプラテンローラ3を有する。プラテンローラ3は、給紙カセット又は手差し給紙部から供給された印刷用紙4(記録媒体)を、記録ヘッド5に対面させながら搬送するものであり、いわゆる紙送り装置の一部を構成している。尚、前記記録ヘッド5は、印刷用紙4にインク液滴を吐出するノズルを有し印刷用紙4に対し記録動作を行うインクジェット式で、そのノズル面には、約0.7μm程度の撥水膜(ノンウエットコート)が被覆されている。
【0016】
前記印刷用紙4は、フレーム2の後方の用紙供給口(図示せず)から矢印A方向に供給され、プラテンローラ3の回転により矢印B方向に送給され、用紙排出口(図示せず)から矢印C方向に排出されるように構成されている。
【0017】
前記プラテンローラ3の前方には、キャリッジ6がプラテンローラ3の軸線に沿って矢印D方向に移動可能に設けられている。キャリッジ6は、記録ヘッド5及び該記録ヘッド5に供給されるインクを収容したインクカートリッジ7をそれぞれ着脱可能に搭載している。尚、本例ではイエロー、ブラック、シアン、マゼンタの4色について記録ヘッド5及びインクカートリッジ7がそれぞれ搭載されている。
【0018】
また、前記プラテンローラ3の軸線と平行にキャリッジ軸8が設けられ、このキャリッジ軸8にはキャリッジ6がスライド可能に嵌挿されている。また、キャリッジ6の係合部6aが、キャリッジ軸8と平行に延びるガイドレール9によって案内されるようになっている。これによって、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド5は、プラテンローラ3の軸線に沿ってスライド移動により往復移動可能となっている。前記キャリッジ6は、キャリッジ6をキャリッジ駆動モータ10によってベルト11及びプーリ12,13を有するベルト駆動機構14を介して往復移動するように構成されている。尚、前記キャリッジ駆動モータ10としては、ステップモータ又はDCモータが使用される。
【0019】
また、前記プラテンローラ3に対応する記録エリアの右側には、記録ヘッド5の不吐出あるいは吐出不良を回復するためのパージ装置31が配設された回復エリアが形成されている。このようなパージ装置31を設けているのは、インクジェット式の記録ヘッド5は、使用中に内部に気泡が発生したり、インクが乾燥したりする等の原因により吐出不良を起こすので、これを良好な吐出状態に回復させるためである。
【0020】
また、前記パージ装置31に隣接して、記録エリア側に記録ヘッド5のノズル面を払拭するように記録ヘッド5に対し相対移動可能なワイパ部材32が、その反対側に印字を行わない際に記録ヘッド5のノズル面を覆いインク蒸発を防止してノズル面が乾燥するのを回避する保護キャップ装置33がそれぞれ配設されている。
【0021】
前記ワイパ部材32は、図2及び図3に示すように、前記記録ヘッド5のノズル面を払拭するノズル払拭部32aと、該ノズル払拭部32aに連設されワイパホルダ34の挿入孔34aに挿入して支持されるワイパ支持部32bとを有する。
【0022】
前記ノズル払拭部32aは、先端面の面積が他部の断面積より小さくなるように、即ち前記ノズル払拭部32aの先端部が、印刷用紙4側の側面が、先端側になるほど断面積を小さくする傾斜面32cに形成されている。
【0023】
よって、前記ノズル払拭部32aは、記録ヘッド5のノズル面を払拭する先端部が他部よりも細く形成されているので、ワイパ部材32(ノズル払拭部32a)の先端面に付着(残留)するインクが極力少なくなり、記録ヘッド5のノズル面へのインクの付着(残留)が低減される。特に、記録ヘッド5のノズル面のインクの払拭するのに影響が殆どない印刷用紙4側の側面を傾斜面32cとしているので、ノズル払拭部32aによるインクの払拭機能を損なうことなく、ノズル払拭部32aの先端面へのインクの付着が回避される。
【0024】
また、ワイパ部材32のワイパホルダ34への挿入取付けが容易となるようにワイパ支持部32bの剛性を高めるために、前記ワイパ支持部32bがノズル払拭部32aよりも厚く形成されている。例えばノズル払拭部32aの厚さAが0.85mmであるのに対し、ワイパ支持部32bの厚さBが2.3mmとされている。
【0025】
前記ワイパ部材32は、カーボン含有量が約10容量%未満であるエチレンプロピレンゴム(EPDM)からなり、ワイパ部材32による払拭の際、ワイパ部材32に含有されるカーボンによってノズル面を損傷するおそれがないように構成されている。また、カーボンによって、ワイパ部材32は黒色になるから、長期にわたってインクを払拭しても、汚れが目立たない。
【0026】
また、前記ワイパ部材32は、硬度が40度程度で、ノズル払拭部32aによるノズル面を拭う力が0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 の範囲に設定されている。
【0027】
ここで、前記ノズル払拭部32aによるノズル面を拭う力が0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 の範囲に設定するのは、次の表1に示す実験結果に基づくものである。この実験は、試料としてのワイパ部材(EPDM、硬度40度、ノズル払拭部の厚さ0.85mm、幅14mm)で、厚さ0.7μmの撥水膜で被覆されている記録ヘッドのノズル面(32ノズル×2列)に対し、ワイピング動作を3000回行った後、顕微鏡(倍率200倍)にて傷の程度を判断すると共に、パージ後にピンチェックパターンの印字を行い、吐出しているかどうかを、ワイプ後の吐出チャンネル(ch)数(ノズル数)によりチェックした。尚、ワイパ荷重は、テンションゲージを用いて設定し、そのワイパ荷重をワイパ部材の断面積(幅14mm×厚さ0.85mm)で除したものを、ノズル面を拭う力としている。
【表1】
Figure 0003864484
よって、ワイパ部材32による払拭の際、ノズル払拭部32aによる記録ヘッド5のノズル面5aを拭う力が0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 の範囲にあれば、ノズル面(例えば撥水膜)を損傷するおそれがないことがわかる。
【0028】
また、前記ワイパ支持部32bは、図4に示すように、係合凹部32dを有する一方、ワイパホルダ34は前記係合凹部32dに係脱可能に弾性係合する係合凸部34bを有し、それらの弾性的係合によりワイパ部材32(ワイパ支持部32b)がワイパホルダ34に保持されるようになっている。そして、ワイパ支持部32bをワイパホルダ34に挿入する際、前述したようにワイパ支持部32bをノズル払拭部32aよりも厚くして剛性をもって形成しているので、係合凸部34bと係合凹部32dとを無理なく弾性係合することができる。
【0029】
また、前記パージ装置31は、記録ヘッド5の移動経路内に突出した突出位置と記録ヘッド5の移動経路より後退した待機位置との間を移動可能で、突出位置において記録ヘッド5のノズル面に密着する吸引キャップ41と、前記突出位置において、記録ヘッド5が吸引キャップ41に覆われているときに、負圧を発生させ、記録ヘッド5内のインクを吸引除去する吸引ポンプ42とを備えている。
【0030】
そして、前記ワイパホルダ34(従ってワイパ部材32)、吸引キャップ41及び吸引ポンプ42が、回転駆動されるカム部材43を有する駆動手段(ワイパ駆動手段)に関連づけられ、前記ワイパ部材32の進退、吸引キャップ41の進退及び吸引ポンプ42の作動は、共通のカム部材43によって制御されることになる。
【0031】
前記カム部材43は、一体的に設けられた駆動ギヤ46を有し、該駆動ギヤ46が、紙送り装置の駆動モータ等の駆動手段により回転駆動される。
【0032】
前記ワイパ部材32を支持するワイパホルダ34の後端部(カムフォロア部)がカム部材43の第1カム溝43aに移動可能に係合し、それによって、カム部材43が回転することで、ワイパ部材32が、記録ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置と、記録ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置との間を、一定のタイミングで記録ヘッド5の移動経路に対して直交する方向に往復移動し、前記突出位置において記録ヘッド5のノズル面を払拭するように制御される。
【0033】
また、図4に示すように、吸引キャップ41がキャップホルダ44に支持され、該キャップホルダ44の後端部(カムフォロア部)が、前記第1カム溝43aと同一面側のカム部材43の第2カム溝43bに移動可能に係合している。それによって、カム部材43が回転することで、吸引キャップ41が、記録ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置と、記録ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置との間を、一定のタイミングで記録ヘッド5の移動経路に対して直交する方向に往復移動し、前記突出位置において記録ヘッド5のノズル面を覆うように制御される。尚、45はカム部材43の回転軸である。
【0034】
前記吸引ポンプ42は、フレーム部材51に取り付け固定された円筒状のポンプケーシング52内に、第1及び第2のピストン部材53,54が独立して移動可能に嵌挿されている。そして、ポンプケーシング52には、吸入口52aと排出口52b(図1参照)とが軸線方向に一定間隔を存して設けられ、吸入口52aには吸引パイプ55を介して吸引キャップ41が接続され、排出口52bは、吸着材57が収容された廃インクタンク58に連係されている(図1参照)。第1及び第2のピストン部材53,54は、それぞれ第1及び第2の駆動軸部材61,62の一端部に連結され、該駆動軸部材61,62によって駆動され、ポンプケーシング52内において両ピストン部材53,54間にポンプ室を形成するようになっている。前記第1の駆動軸部材61は、第2の駆動軸部材62内に摺動可能に嵌挿され、各駆動軸部材61,62の他端部のカムフォロア部材63,64が、前記カム溝43a,43bとは反対面側のカム部材43のカム溝43c,43dに移動可能に係合している。
【0035】
従って、前記カム部材43が一定のタイミングで回転駆動されることで、吸引キャップ41のキャッピング、吸引ポンプ42によるインクの吸引、及びワイパ部材32による記録ヘッド5のノズル面の払拭が順に行われ、吸引ポンプ42によって吸引されたインクは、吸引ポンプ42を介して廃インクタンク58に吐出され、そして廃インクタンク58内の吸着材57に吸着される。
【0036】
また、前記保護キャップ装置33は、図1に示すように、保存キャップ71を有し、該保存キャップ71を支持するケーシング72が、キャリッジ6の移動方向と平行に延びるガイドロッド部材73にスライド移動及び回動が可能なように支承されている。また、前記ケーシング72は、キャリッジ6の、記録エリア外方への移動時に該キャリッジ6に係合して、キャリッジ6と一体的にスライド移動するための係合凸部72aが前方に突設されている。そして、キャリッジ6が記録エリアから回復エリア側に移動すると、キャリッジ6がケーシング72の係合凸部72aに係合するので、保存キャップ71はキャリッジ6の移動に追従してスライド移動する(図1において右方向)。このスライド移動の際、ケーシング72は、図示しない傾斜カム手段の作用によりガイドロッド部材73の回りに回動し、その結果、保存キャップ71は記録ヘッド5の方向へ移動し、保存キャップ71は記録ヘッド5のノズル面に接触して、キャッピングを行うことになる。その後、再びキャリッジ6が記録エリア方向に移動した場合は、保存キャップ71が記録エリア側に移動しながら記録ヘッド5から離れ、キャリッジが回復エリアから脱すると、初期状態に戻る。
【0037】
続いて、上記ワイパ部材32の動作について説明する。尚、上記ワイパ部材32によるワイピング動作は、前記パージ装置31によるパージ動作の終了後に、記録ヘッド5が回復エリアから記録エリアに戻る際に、記録ヘッド5のノズル面に付着しているインクを除去するために行われる。
【0038】
まず、図5(a)に示すように、パージ動作の終了後の記録ヘッド5のノズル面5aには、記録ヘッド5のノズルから吸引されたインクWの残りが付着しており、かかる記録ヘッド5は、記録エリアに戻るために、パージ装置31に隣接するワイパ部材32側に移動する。このとき、ワイパ部材32は、カム部材43による制御にて、記録ヘッド5の移動経路よりも後退した待機位置から、記録ヘッド5の移動経路内に突出する突出位置に前進せしめられている。
【0039】
突出位置にあるワイパ部材32側に記録ヘッド5が移動してくると、図5(b)に示すように、記録ヘッド5のノズル面5aに、ワイパ部材32のノズル払拭部32aの先端部分が圧接せしめられ、ノズル払拭部32aが大きく撓み、ノズル面5aに付着しているインクWが掻き取られる。この場合、ノズル払拭部32aの基端側の厚さAにより適度の圧力で接触するとともに、ワイパ部材32のノズル払拭部32a先端部分の傾斜面32cとは反対側の面によって形成される先端エッジ部にて、ノズル面5a上のインクWが掻き取られることになるので、そのインクWの掻き取りは効果的に行われる。それに加えて、ノズル払拭部32aの先端部分は他部よりも細くなっているので、先端面の厚さとノズル面5aとで形成される狭い空間が著しく小さくなり、そこに毛細管作用で保持されるインクも少なくなる。その結果、インクWがワイパ部材32の先端面やノズル面5aに残るということが少なく(図5(c)参照)、次のワイピング動作の際に、記録ヘッド5のノズル面5a側にインクが従来のように多く残留するということがない。
【0040】
よって、かかるワイパ部材32を用いることによって、ワイピング動作時において、記録ヘッド5のノズル面5aへのインクの付着(残留)を大幅に低減することができ、そのようなインクの付着(残留)による記録ヘッド5のインクの吐出不良を回避することができ、良好な印字性能を確保できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0042】
請求項1の発明は、上記のように、ワイパ部材を、主成分がカーボンを含有するゴム系のワイパ材料で形成し、ワイパ材料中のカーボンの割合を10容量%未満とし、前記ワイパ部材のノズル払拭部によるノズル面を拭う力を0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 に設定しているので、ワイパ部材のノズル払拭部による記録ヘッドのノズル面に対する払拭の際、ワイパ部材に含有されるカーボンによって、記録ヘッドのノズル面(例えば撥水膜)を損傷するおそれがなくなる。また、ワイパ部材は主成分がカーボンを含有するゴム系のワイパ材料で形成しているので、カーボンによって黒色となり、インクの払拭によって汚れが目立つこともない。
【0043】
請求項2の発明は、ワイパ材料の主成分をエチレンプロピレンゴムとしているので、 イパ部材を安価に製造することができる。
【0044】
請求項3の発明は、ワイパ部材のノズル払拭部を、記録ヘッドのノズル面を払拭する先端部が他部よりも細くなるように形成しているので、ノズル面に適度の圧力で接触しつつ、ワイパ部材(ノズル払拭部)の先端面とノズル面に付着(残留)するインクを極力少なくすることが可能となり、ワイパ部材によるワイピング動作時において、記録ヘッドのノズル面へのインクの付着(残留)を大幅に低減することができ、そのようなインクの付着による記録ヘッドによるインクの吐出不良を回避することができる。
【0045】
請求項4の発明は、ワイパ部材のワイパ支持部を、ノズル払拭部よりも厚く形成しているので、ワイパ支持部の剛性を高め、ワイパ支持部のワイパホルダへの挿入の際に、ワイパ支持部が不用意に撓むことを防止して、ワイパ支持部の、ワイパホルダへの挿入を容易に行うことが可能となる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係るワイパ部材及びワイパホルダの説明図である。
【図3】 本発明に係るワイパ部材がワイパホルダに取り付けられた状態の説明図である。
【図4】 本発明に係るワイパ部材、吸引キャップ及び吸引ポンプと、カム部材との関係を示す横断面図である。
【図5】 ワイピング動作の説明図である。
【図6】 従来のワイパ部材の説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
4 印刷用紙
5 記録ヘッド
32 ワイパ部材
32a ノズル払拭部
32b ワイパ支持部
32c 傾斜面
34 ワイパホルダ
43 カム部材

Claims (4)

  1. 記録媒体にインク液滴を吐出するノズルを有し前記記録媒体に対し記録動作を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル面を払拭するように記録ヘッドに対し相対移動可能なワイパ部材とを有するインクジェットプリンタのワイピング装置において、
    前記ワイパ部材は、前記記録ヘッドのノズル面を払拭するノズル払拭部と、ワイパホルダに支持されるワイパ支持部とを有し、かつ主成分がカーボンを含有するゴム系のワイパ材料からなり、該ワイパ材料中のカーボンの割合が10容量%未満とされ、
    さらに、前記ワイパ部材のノズル払拭部によるノズル面を拭う力が0.42g/mm 2 〜2.52g/mm 2 に設定されていることを特徴とするインクジェットプリンタのワイピング装置。
  2. 前記ゴム系のワイパ材料の主成分は、エチレンプロピレンゴムであるところの請求項1記載のインクジェットプリンタのワイピング装置。
  3. 前記ワイパ部材のノズル払拭部は、先端部が他部よりも先細に形成されているところの請求項1又は2記載のインクジェットプリンタのワイピング装置。
  4. 前記ワイパ支持部は、前記ノズル払拭部よりも厚く形成されているところの請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットプリンタのワイピング装置。
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