JP3863889B2 - 陽電子放出型断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核医学診断装置に係り、特に、半導体放射線検出器、半導体放射線検出装置
、検出器ユニットを用いた核医学診断装置の一種である陽電子放出型断層撮影(Positron
Emission Tomography)装置(以下、PET装置という)に関する。
従来、γ線等の放射線を検出する放射線検出器としては、NaIシンチレータを用いた
ものが知られている。NaIシンチレータを備えるガンマカメラ(核医学診断装置の一種
)において、放射線(γ線)は、多数枚のコリメータによって制限された角度でシンチレ
ータに入射し、NaIの結晶と相互作用を起こしてシンチレーション光を発する。この光
はライトガイドを挟み、光電子増倍管に到達して電気信号となる。電気信号は、計測回路
固定ボードに取り付けられた計測回路で整形され出力コネクタから外部のデータ収集系へ
と送られる。なお、これらシンチレータ、ライトガイド、光電子増倍管、計測回路、計測
回路固定ボード等は全体が遮光シールドケースに収納され、外部の放射線以外の電磁波を
遮断している。
一般にシンチレータを用いたガンマカメラでは、1枚の大きなNaI等の結晶の後に大
きな光電子増倍管(フォトマルともいう)を置く構造としているため、位置分解能は10
mm程度のレベルに留まる。また、シンチレータは放射線から可視光、可視光から電子と
多段階の変換を経て検出を行うため、エネルギ分解能が非常に悪いという問題点を持つ。
ちなみに、PET装置(陽電子放出型断層写真撮影装置)では、5〜6mm、ハイエンド
のPET装置で4mm程度の位置分解能のものがあるが、光電子増倍管が真空管を用いる
ことから、位置分解能を更によくすることは困難である。
このようなシンチレータとは異なる原理で放射線を検出する放射線検出器として、Cd
Te(テルル化カドミウム)、TlBr(臭化タリウム)、GaAs(ガリウム砒素)等
の半導体材料を用いた半導体放射線検出素子を備えた半導体放射線検出器がある。
この半導体放射線検出器は、半導体放射線検出素子が、放射線と半導体材料との相互作
用で生じた電荷を電気信号に変換するため、シンチレータよりも電気信号への変換効率が
よく、かつ小型化が可能であるので注目されている。
特開2003−79614号公報(段落番号0016) 特開2003−167058号公報(段落番号0020、0023)
ところで、半導体放射線検出器では、半導体放射線検出素子を構成するTlといったよ
うな半導体材料と放射線とが相互作用を起こすと、プラスの電荷を持つホールとマイナス
の電荷を持つ電子が発生する。電子のモビリティは相対的に大きいがホールのモビリティ
は相対的に小さい。つまり、相対的に電子は動き易いが、ホールは動き難い。このため、
ホールが電極に到達するためには、電子が電極に到達する以上の時間がかかる。また、ホ
ールは、電極に到達する途中で消滅することもある。これにより、放射線の検出感度が悪
くなる。
本発明は、半導体放射線検出器の取り付けに要する時間を著しく短縮できる陽電子放出型断層撮影装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、陽電子放出型断層撮影装置であって、周方向に複数の開口部を形成した支持部材と、前記開口部にそれぞれ挿入されて前記支持部材に着脱自在に取り付けられた複数の検出器ユニットとを備え、前記検出器ユニットが、遮光性を有する収納部材、及び前記収納部材内に着脱自在に収納される複数のユニット基板を有し、前記ユニット基板が、γ線を入射する複数の半導体放射線検出器、及び前記複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力するγ線検出信号を処理する集積回路を含み、前記集積回路が、γ線検出の時刻情報及びγ線を検出した前記半導体放射線検出器の識別情報を出力し、更に、それぞれの前記ユニット基板に含まれた集積回路から出力される情報を前記検出器ユニットの外部に出力する他の集積回路を有し、前記他の集積回路を、前記収納部材の外面に設置していることを特徴とする。
半導体放射線検出器及び集積回路を含む複数のユニット基板を着脱可能に収納部材内に収めるようにしてユニット化した。複数の検出器ユニットを支持部材に取り付ければよいため、複数の半導体放射線検出器を一度に陽電子放出型断層撮影装置に取り付けることができる。このため、半導体放射線検出器の陽電子放出型断層撮影装置への取り付けに要する時間が著しく短縮できる。複数のユニット基板の一枚一枚を収納部材から取り外せるようにし、またこれらを含む各検出器ユニットを陽電子放出型断層撮影装置の支持部材から取り外せるように構成したため、保守点検を容易に行える。
ちなみに、PET、SPECT、ガンマカメラ等の核医学診断装置(放射線診断装置)には、多数の半導体放射線検出器が使用される。例えば、PETでは、十万〜数十万個(ch)という多数の半導体放射線検出器が使用されるが、これら多数の半導体放射線検出器の陽電子放出型断層撮影装置(PET)への取り付けに要する時間短縮が望まれている。また、半導体放射線検出器の保守点検を容易にすることも望まれている。
好ましくは、γ線を入射する複数の半導体放射線検出器、及び複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力するγ線検出信号を処理する集積回路を含む複数のユニット基板を有する陽電子放出型断層撮影装置である。半導体放射線検出器とその出力を処理する集積回路を近くに配置できるため、半導体放射線検出器の微弱な出力信号を集積回路に伝える際において、その微弱な出力信号に対するノイズの影響を軽減できる。
半導体放射線検出器でγ線を検出した際の検出信号はASIC(Application Specific Integrated Circuit)といわれる特定用途向けICで処理されるが、半導体放射線検出器から出力される検出信号が微弱であるため、ノイズの影響を受けやすいという発明者らが発見した新たな課題を解決するためになされたものである。そのノイズの低減は、半導体放射線検出器による検出感度(カウント数、波高値、時刻検出精度)を実質的に高めることにつながる。
好ましくは、半導体放射線検出器、アナログLSI(Large Scale Integration)、A
D変換器、デジタルLSIを、この順に、ユニット基板の長手方向においてユニット基板
の一端部からその他端部に向かってユニット基板に配置し、半導体放射線検出器で検出さ
れた信号がアナログLSIで処理され、アナログLSIで処理された信号がAD変換器で
処理され、AD変換器で処理された信号がデジタルLSIで処理されるように各素子を配
線で結ぶ構成とした。この構成においては、殊に半導体放射線検出器とアナログLSIと
の距離を近接することにより、半導体放射線検出器とアナログLSI間の配線距離を短縮
することができ、これにより、半導体放射線検出器で検出された信号がアナログLSIに
到達するまでの配線上で重畳されるノイズを低減することができる。なお、LSI(集積
回路)は、後記する発明の実施の形態では、ASICに相当する
好ましくは、半導体放射線検出器を搭載する基板と、LSIを搭載する基板とを別の基
板とすることとした。そして、通常時は2つの基板を統合した結合基板(統合基板)とし
て使用し、不具合が生じた場合等は、不具合の生じた方の基板だけを交換できるようにし
て、保守点検等を容易にするようにした。
本発明によれば、半導体放射線検出器の取り付けに要する時間を著しく短縮できる。また、半導体放射線検出器の保守点検が容易に行える。
〔実施形態1〕
次に、本発明の好適な一実施形態である核医学診断装置について、適宜図面を参照しな
がら詳細に説明する。なお、以下において、本実施形態の核医学診断装置の説明、及び半
導体放射線検出器の電極間距離、アナログASIC等といった各素子の基板上への配置(
レイアウト)、基板のユニット化等の本実施形態に適用される要素等の説明を行う。なお
、アナログASICは、アナログ信号を処理する、特定用途向けICであるASIC(Ap
plication Specific Integrated Circuit)を意味し、LSIの一種である。
≪核医学診断装置≫
まず、最初に、本実施形態の核医学診断装置(放射線医学診断装置)を説明する。図1
に示すように、核医学診断装置としてのPET装置1は、カメラ(撮像装置)11、デー
タ処理装置12、表示装置13等を含んで構成されている。被検者は、ベッド14に載せ
られてカメラ11で撮影されるようになっている。カメラ11は、多数の半導体放射線検
出器21(図3、図7、図10参照)を内蔵しており、被検者の体内から放出されるγ線
を半導体放射線検出器(以下、単に検出器という)21で検出する。カメラ11は、その
γ線の波高値、検出時刻を計測するための集積回路(ASIC)を設置しており、検出し
た放射線(γ線)の波高値や検出時刻を測定するようになっている。データ処理装置12
は、記憶装置、同時計測装置12A(図2参照)及び断層像情報作成装置12B(図2参
照)を有する。データ処理装置12は、検出したγ線の波高値、検出時刻のデータ及び検
出器(チャンネル)IDを含むパケットデータを取り込む。同時計測装置12Aは、本パ
ケットデータ、特に検出時刻のデータ及び検出器IDに基づいて同時計測を行い、511
KeVのγ線の検出位置を特定し記憶装置に記憶する。断層像情報作成装置12Bは、こ
の特定した位置に基づいて機能画像を作成して、表示装置13に表示する。
図2に示すように、カメラ11の内部は、被検者から放出されるγ線を検出するため、
検出器21を多数備えた結合基板20(詳細は図7参照)を複数収納した検出器ユニット
2(詳細は図10参照)が、円周状に多数配置されている。被検者は、ベッド14の上に
横になり、カメラ11の中心部に位置される。このとき、各検出器はベッド14の周囲を
取り囲んでいる。検出器ユニット2からは、検出器21がγ線と相互作用を起こした際の
検出信号に基づいて得られたγ線の波高値情報及びγ線検出の時刻情報、及び検出器21
のアドレス情報(検出器ID)が、検出器ユニット2に含まれる各検出器21ごとに出力
されるようになっている。検出器21、結合基板20及び検出器ユニット2の構成は、後
に詳しく説明する。ちなみに、被検者は、放射性薬剤、例えば、半減期が110分の18
を含んだフルオロ・ディオキシ・グルコース(FDG)を投与される。被検者の体内から
は、FDGから放出された陽電子の消滅時にγ線(消滅γ線)が放出される。
以下、本実施形態の特徴部分の説明を行う。
≪半導体放射線検出器;電極間距離≫
まず、本実施形態に適用される検出器21を説明する。図3に示すように、検出器21
は、板状の半導体材料Sからなる半導体放射線検出素子(以下、検出素子という)211
の両面を薄板状(膜状)の電極(アノードA、カソードC)で覆った構成をしている(最
小構成)。このうち、半導体材料Sは、前記したCdTe(テルル化カドミウム)、Tl
Br(臭化タリウム)、GaAs(ガリウム砒素)等のいずれかの単結晶で構成されてい
る。また、電極(アノードA、カソードC)は、Pt(白金)、Au(金)、In(イン
ジウム)等のいずれかの材料が用いられる。なお、以下の説明では、半導体材料SがCd
Teの単結晶をスライスしたものであるとする。また、検出する放射線は、PET装置で
用いる511KeVのγ線であるとする。
検出器21によるγ線の検出原理の概略を、図3により説明する。検出器21にγ線が
入射して、γ線と検出器21を構成する半導体材料Sとの間で相互作用が起きると、図中
に「+」と「−」で模式的に示している正孔(hole)及び電子(electron)が、対になっ
てγ線が持つエネルギに比例した量だけ生成される。ここで、検出器21のアノード(陽
極)Aとカソード(陰極)Cの電極間には、電荷収集用の電圧がかけられている(例えば
300V)。このため、正孔はカソードCに引き寄せられて移動し、電子はアノードAに
引き寄せられて移動する。正孔と電子とを比較すると、前記した[発明の開示]の欄で説
明したとおり、移動し易さ(モビリティ)は電子の方が相対的に大きいことから、電子の
方が相対的に短時間にアノードに到達する。一方、正孔は移動し易さが相対的に小さいこ
とから、正孔の方が相対的に時間をかけてカソードに到達する。ちなみに、正孔は電極に
到達する前に消滅することもある。
検出器21の半導体材料S(検出素子211)の厚さが厚い場合と薄い場合の「時間−
波高値曲線」を比較した図4に示されるように、厚さtが薄い半導体材料Sの方が波高値
の上昇(立ち上がり)は速く、波高値の最高値も高い。波高値の上昇する速さが速いこと
は、例えばPETにおける同時計測の精度を向上することに寄与する。また、波高値が高
いことは、エネルギ分解能を高めることに寄与する。このように厚さtが薄い方が波高値
が上昇する速度が速くなると共に、波高値が高くなるのは(電荷の収集効率がよくなるの
は)、電子や正孔が電極(アノードA、カソードC)に到達する時間(電荷の収集時間)
が短くなるからである。また、従来は途中で消滅していたような正孔が、距離が短い分、
消滅しないで電極(カソードC)に到達できるからである。ちなみに、厚さtは、対面(
対峙)するアノードAとカソードCの電極間距離と表現することもできる。
なお、検出素子211の厚さ(電極間距離)tは、0.2mm〜2mmが好ましい。厚
さtが2mm以上になると、波高値の上昇速度が遅くなる共に、波高値の最高値も低くな
るからである。一方、厚さtが0.2mm以下になると電極(アノード、カソード)の厚
み(体積)が相対的に増し、基板上に設置した場合、放射線と相互作用を起こす肝心の半
導体材料Sの割合が少なくなってしまうからである。つまり、半導体材料Sの厚さtを薄
くするとγ線と相互作用を起こさない電極の厚みが相対的に増し、その一方で、γ線と相
互作用を起こす半導体材料Sの割合が相対的に減り、結果としてγ線を検出する感度が低
くなる(γ線が素通りしてしまう)。また、厚さtが薄いと、リーク電流が多く生じるた
め、電荷収集用に高い電圧をかけられなくなるということもある。
本実施形態では、半導体放射線検出器における電荷収集用の電極間距離を狭く(短く)することで検出感度を上げることとした。すなわち、アノード電極とカソード電極との電極間距離、或いはアノード電極とカソード電極の間に挟まれる半導体領域の厚さが0.2〜2mmである。この構成においては、半導体材料と放射線との相互作用により発生した電子及びホールの位置から電極までの距離が短くなるので、これらが電極に到達するまでの時間が短くなる。また、電極までの距離が短くなるので、ホールが途中で消滅する度合いが少なくなる。
なお、同様の趣旨から、半導体材料Sの厚さtは、0.5mm〜1.5mmであること
がより好ましく、この厚さtであれば、より確実にγ線を検出することができると共に、
波高値の測定等もより正しく行うことができる。
ちなみに、PET装置1の場合、同時計測を行うことから、γ線の検出時刻を正しく測
定することが課題としてあげられる。例えば、図3において、γ線と半導体材料Sとが相
互作用を起こす位置が、カソードC寄りの場合とアノードA寄りの場合とで、検出時刻に
差が生じる。即ち、正孔の移動速度が遅いことから、相互作用がアノードA寄りで起こっ
た場合の検出時刻は相対的に遅くなり、カソードC寄りで起こった場合の検出時刻は相対
的に早くなる(真の時刻に近くなる)。つまり、同じ検出素子211内でγ線が半導体材
料Sと相互作用を起こす場合でも、相互作用を起こす位置によって検出時刻が変わってし
まうという問題が生じる。具体的には、厚さtが厚いと、相互作用を起こす位置による検
出時刻の差が大きくなってしまう。このような事象は、他の分野では大きな問題にはなら
ないが、nsec(ナノ秒)オーダで同時計測(同時計数)を行うPET装置1の場合に
は大きな問題となる。従って、この意味からも、前記した厚さ範囲であれば、適切に検出
時刻の決定を行うことができる。なお、PETにおける検出時刻の決定は、LET方式や
CFD方式で行われる。
検出器21の半導体材料Sの厚さtと波高値(最高値)の関係を模式的に示した図5に
示されるように、半導体材料Sの厚さtが増すと波高値の最高値は小さくなる。波高値が
小さくなる理由としては、例えば電極へ到達する前に正孔が消滅することがあげられる。
なお、厚さtが2mmになると、検出した放射線の波高値が511KeVのγ線であると
弁別することのできる閾値を下回るので、前記したとおり、2mmよりも半導体材料Sの
厚さtを増すのは好ましくない。
図6に示されるように、検出器21は、カソードCとアノードAに挟まれて5層に積層
された半導体材料S(検出素子211)を有する。そして、半導体材料Sの1層1層がそ
れぞれ前記した厚さt(0.2〜2mm(より好ましくは0.5〜1.5mm))を有し
ている単層の検出器21である。アノードA及びカソードCの厚みはそれぞれ約20ミク
ロンである。ちなみに、この図6で示される積層構造の検出器21は、アノードA同士、
カソードC同士が共通で接続されていることから、各層それぞれが他の層とは独立に放射
線を検出する構成ではない。換言すると、γ線と半導体材料Sとが相互作用を起こした場
合、最上層で起こしたのか、最下層で起こしたのか等を判別しない構成である。もちろん
、各層ごとに検出するような構成とすることもできる。ちなみに、このように5層構造と
しているのは、半導体材料Sの厚さtを薄くした方が、波高値の上昇速度も、波高値の最
高値も高くできてよいが、厚さtが薄いと素通りをしてしまうγ線が多くなることから、
電荷の収集効率を高めつつ、素通りをしてしまうγ線の量を少なくして、半導体材料Sと
γ線との相互作用を増やすためである(カウント数を増やすためである)。
このような積層構造の検出器21の構成とすることで、より良好な波高値の上昇速度(
立ち上がり)とより正確な波高値が得られると共に、半導体材料Sと相互作用を起こすγ
線の数(カウント数)を増やすこと(感度を上昇させること)もできる。
電極(アノードA、カソードC)の面積sは、4〜120平方mmが好ましい。面積s
の増加は検出器21の容量(浮遊容量)を増加させ、この浮遊容量の増加により、ノイズが
重畳しやすくなるので、電極面積sは極力小さいほうがよい。また、γ線検出時に発生し
た電荷は、浮遊容量に一部蓄積されるので、浮遊容量が増加するとアナログASIC24
のチャージアンプ24bで蓄積される電荷量ひいては出力電圧(波高値)が減少する問題が
発生する。検出器21としてCdTeを使用する場合、その比誘電率は11であり、検出
器21の面積sを120平方mm、厚さtを1mmとするとその容量は12pFとなり回
路のコネクタ等の浮遊容量が数pFであることを考えると無視できなくなる。従って、電
極面積sは、120平方mm以下が好ましい。
また、電極面積sの下限値は、PET装置の位置分解能から決定される。PET装置の
位置分解能は検出器21の大きさ(配列ピッチ)の他に陽電子の飛程等により決まるが、
18Fの陽電子の飛程が2mmであることから、検出器21の大きさを2mm以下として
も意味がない。電極面積が最も小さくなる実装方法は、電極面をカメラ11の半径方向に
垂直におく場合であり、前記の考察より電極の一辺の下限値は2mmであり、電極面積s
の下限値は4平方mmとなる。
なお、以上の説明では、γ線と相互作用を起こす半導体材料SをCdTeとしたが、半
導体材料SがTlBrやGaAs等であってもよいのはいうまでもない。また、積層構造
や上層・下層の語を用いたが、この語は、図6を基準にしてのものであり、見る方向を9
°横にした場合は、積層構造は例えば並列構造、上下は例えば左右というように読み替
えられるものである。また、γ線が入射する方向が、図6の上方・下方、左方・右方であ
ってもよい。換言すれば、検出器21は、複数(例えば5つ)の半導体材料Sが相互間に
カソードCとアノードAとを交互に挟んで並列に配置した構造を有する。
≪結合基板;検出器基板とASIC基板≫
検出器ユニット2(図10)内に設置される結合基板(ユニット基板)20の詳細構造
を、図7を用いて説明する。結合基板(半導体放射線検出装置)20は、複数の検出器2
1が設置された検出器基板(第1の基板)20A、及びコンデンサ22、抵抗23、アナ
ログASIC24、アナログ/デジタル変換器(以下、ADCという)25及びデジタル
ASIC26が設置されたASIC基板(第2の基板)20Bを有する。
(検出器基板)
図7を参照して、検出器21を設置した検出器基板20Aを説明する。図7(a)に示
されるように、検出器基板20Aは、基板本体20aの片面上に、複数の検出器21を格
子状に配列して設置(実装)している(一列16個の検出器21が4列=横16個×縦4
個の合計64個)。カメラ11の半径方向において、検出器21は基板本体20aに4列
配置される。なお、前記した横16個の検出器21は、カメラ11の軸方向、すなわちベ
ッド14の長手方向に配置される。また、図7(b)に示されるように、検出器基板20
Aの両面に半導体放射線検出器21が設置されているので、1つの検出器基板20Aには
、合計128個の検出器21が設置されていることになる。ここで、設置する検出器21
の数が多くなるほどγ線を検出し易くなり、かつγ線検出の際の位置精度を高めることが
できる。このため、検出器21は、極力密に検出器基板20A上に設置される。ちなみに
、図7(a)において、ベッド14上の被検者から放出されたγ線が、図面の下方から上
方(矢印32の方向、すなわち、カメラ11の半径方向)に進行する場合、検出器基板2
0Aにおける左右方向の検出器21の配置を密にした方が、素通りするγ線の数(検出器
21同士の隙間を通過するγ線の数)を減らすことができるので好ましい。これは、γ線
の検出効率を高めることになり、得られる画像の空間分解能を高めることができる。
なお、本実施形態の検出器基板20Aは、図7(b)に示されるように、検出器21を
基板本体20aの両面に設置しているので、片面にしか設置しない場合よりも、基板本体
20aを両面搭載により共有化できる。このため、基板本体20aの数を半減することが
でき、周方向により密に検出器21を配置することができる。併せて、前記のように、検
出器基板20A(結合基板20)の枚数を半分に減らせるので、結合基板20を後記する
筐体30(図10参照)に装着する作業等の手間が省けるというメリットもある。
前記説明では、横16個の検出器21は、カメラ11の軸方向に配置される構造とした
が、それに限定されない。例えば、横16個の検出器21を、カメラ11の周方向に配置
する構造としてもよい。
図7(c)に示されるように、各検出器21は、前記した薄板状の半導体材料S(検出
素子211)の単結晶を積層した積層構造をしている。この点の構成や作用は図6を参照
して既に説明したとおりであるが、ここで補足的に説明する。検出器21は、前記したと
おりアノードAとカソードCが設けられており、アノードAとカソードCの間には、電荷
収集のために、例えば300Vの電位差(電圧)が設定されている。この電圧は、ASI
C基板20B側からコネクタC1(図7(a))を介して検出器基板20A側へ供給され
る。また、各検出器21が検出した信号は、コネクタC1を介してASIC基板20B側
へ供給される。このため、検出器基板20Aの基板本体20a内には、コネクタC1と各
検出器21を接続する図示しない基板内配線(電荷収集用・信号授受用)が設けられてい
る。なお、この基板内配線は多層構造をしている。本実施例では、検出器21の各検出素
子211は基板本体20aに並行に配置される。しかし、各検出素子211が基板本体2
0aに対して垂直になるように検出器21を設けてもよい。
(ASIC基板)
次に、ASICを搭載したASIC基板20Bを説明する。図7(a)に示すように、
ASIC基板20Bは、基板本体20bの片面に、2個のアナログASIC24と1個の
デジタルASIC26を設置している。また、図7(b)に示すように、アナログASI
C24が基板本体20bの両面に設置されているので、1つのASIC基板20Bは合計
4個のアナログASIC24を有する。また、ASIC基板20Bは、基板本体20bの
片面で8個(=4個×2)、その両面で16個設置されたADC25を有する。また、1
つの基板本体20bの両面には、コンデンサ22及び抵抗23が検出器21の数に対応し
た数だけ設置されている。また、これらの、コンデンサ22、抵抗23、アナログASI
C24、ADC25、デジタルASIC26を電気的に接続するため、ASIC基板20
B(基板本体20b)内には、前記した検出器基板20Aと同様に図示しない基板内配線
が設けられている。この基板内配線も積層構造をしている。
これらの各素子22,23,24,25,26の配列(基板内配線)は、検出器基板2
0Aから供給された信号が、コンデンサ22、抵抗23、アナログASIC24、ADC
25、デジタルASIC26の順に供給されるようになっている。
なお、ASIC基板20Bは、各コンデンサ22に接続される基板内配線にそれぞれ接
続されて検出器基板20Aとの電気的接続を行うコネクタ(スパイラルコンタクト)C1
と、データ処理装置側(後記するユニット統合FPGA側)との電気的接続を行う基板コ
ネクタC2とを有している。ちなみに、前記した検出器基板20Aも各検出器21にそれ
ぞれ接続される基板内配線と接続しているコネクタC1を有している。
(検出器基板とASIC基板の接続構造)
検出器基板20AとASIC基板20Bとの接続構造を説明する。
検出器基板20AとASIC基板20Bとは、その端面(端部)同士を突き合わせて接
続するのではなく、図7(b)に示すように、端部近傍に重なり合うオーバラップ部分を
設けてこれらのオーバラップ部分に存在するコネクタC1同士を接続する。この接続は、
締結用のネジ等により着脱自在(分離・接続自在)に行われる。なお、このような接続を
行うのは次の理由による。即ち、検出器基板20AとASIC基板20Bとが接続(結合
)された結合基板20を、水平方向に片端支持(片持ち支持)や両端支持すると、結合基
板20の中央部(接続部分)には、該結合基板20を下方に撓ませたり曲げたりする力が
作用する。ここで、接続部分が端面同士を突き合わせたものである場合は、接続部分が撓
み易かったり折れ曲がり易かったりするので好ましくない。
この点を踏まえて、本実施形態では、検出器基板20AとASIC基板20Bとを、端
面同士を付き合せて接続するのではなく、前記したように端部近傍を重なり合うようして
オーバラップ部を設けて接続している。このため、端面同士を突き合わせて接続するのに
比べて撓みや曲げに対するタフネスさが向上するので好ましい。なお、結合基板の、撓み
や曲げに対するタフネスさが向上すると、例えば検出器21の位置ずれが抑制されてγ線
の発生位置を特定する精度の低下が防止される。ちなみに、図2に示すように、PET装
置1のカメラ11には、図7に示す結合基板20を備える検出器ユニット2(図10)が
ドーナツ状に多数配置されるため、図2を基準にした水平方向に相当する3時の方向や9
時の方向に位置する結合基板20は撓んだり曲がったりし易くなる。このため、結合基板
20の撓みや曲げに対するタフネスさが重要になる。
検出器基板20AとASIC基板20Bとは、前記したオーバラップ部分を利用して電
気的に接続される。このため、図7(b)に示す検出器基板20A及びASIC基板20
Bのそれぞれのオーバラップ部分には、両基板20A,20Bの基板内配線を電気的に接
続する接続子(コネクタ)C1(図7(a))が設けられる。コネクタC1としては、電
気的な接続を良好にするため、例えばスパイラルコンタクト(登録商標)が使用される。スパイラルコンタクト(登録商標)は、螺旋状の接触子にボール状の接続端子が広い面積で接触して良好な電気的な接続が図られるという特性を有する。なお、ボール状の接続端子がASIC基板20B側に設けられる場合は、螺旋状の接触子は検出器基板20A側に設けられ、ボール状の接続端子が検出器基板20A側に設けられる場合は、螺旋状の接触子はASIC基板20B側に設けられる。
このような、検出器基板20AとASIC基板20Bとの電気的な接続構造を用いるこ
とで、信号を検出器基板20AからASIC基板20Bへと、低損失で伝送することがで
きる。ちなみに、損失が少なくなると、例えば検出器21としてのエネルギ分解能が向上
する。
また、前記したように、検出器基板20AとASIC基板20Bとの接続は、ネジ等に
よる着脱自在な接続となっている。このため、例えば、半導体放射線検出器21やASI
C24,26に不具合が生じた場合でも、不具合のある部分だけを取り替えれば済む。よ
って、一部に不具合があるために、結合基板20全体を取り替えるといったようなムダを
無くすことができる。なお、検出器基板20AとASIC基板20Bとの電気的接続は、
前記したスパイラルコンタクタ(登録商標)のようなコネクタC1によって行われることから、基板同士の接続・接続の解除(結合・結合の解除)は容易である。
前記の構成は、ASIC基板20Bに1つの検出器基板20Aを接続しているが、検出
器基板を複数に分割してもよい。例えば、横方向に8個、縦方向に4個の検出器21を1
つの基板実装とし、2枚の検出器基板をASIC基板に接続する構成でもよい。本構成で
は、1つの検出器21が故障した場合に2枚の内の故障した検出器を搭載している検出器
基板だけを交換すればよく、保守時の無駄を低減(コストダウン)が図れる。
(素子の配置レイアウト)
次に、結合基板20における検出器21やASIC24,26等の素子の配置レイアウ
トを、図7及び図8を参照して説明する。
図8に示すように、検出器21は、図示しない電気配線により、コネクタC1、コンデ
ンサ22及び抵抗23を介してアナログASIC24と接続されており、検出器21で検
出されたγ線の検出信号は、その電気配線を介して、コンデンサ22及び抵抗23を通り
、アナログASIC24で処理されるようになっている。また、アナログASIC24で
処理された信号は、ADC25及びデジタルASIC26で処理されるようになっている
ここで、回路の長さや配線の長さ(距離)は、これが短い方が、途中でのノイズの影響
や信号の減衰が少なくて好ましい。また、PET装置1で同時計測処理を行う場合は、回
路や配線の長さが短い方が時間の遅れが少なくて好ましい(検出時間の正確さが損なわれ
ないので好ましい)。このため、本実施形態では、カメラ11の半径方向においてカメラ
11の中心軸から外側に向かって、図7(a)に示すように、検出器21、コンデンサ2
2、抵抗23、アナログASIC24、ADC25、デジタルASIC26の順に各素子
21,22,23,24,25,26を配置(レイアウト)している。この順序は、各素
子21,22,23,24,25,26による信号の処理順序と同じである(図8、図9
参照)。つまり、カメラ11の中心軸から外側に向かって、「検出器、アナログ集積回路
、AD変換器、デジタル集積回路の順になるように基板上に配置され、かつこの順に配線
」している。このため、検出器21で検出された微弱な信号を、配線の長さ(距離)を短
くしてアナログASIC24に伝送することができる。
なお、アナログASIC24で信号が増幅される等の処理が行われているので、アナロ
グASIC24以降の配線の長さが長くともノイズの影響は受けにくい。つまり、ノイズ
の点を考えれば、アナログASIC24以降の配線の長さが長くとも支障はない。ただし
、配線の長さが長いと信号伝達が遅延するので、前記したとおり検出時間の正確性は損な
われる可能性はある。
ちなみに、本実施形態では、検出器21のみならずアナログASIC24及びデジタル
ASIC26が1つの結合基板20に含まれているため、検出器21、アナログASIC
24及びデジタルASIC26を、ベッド14の長手方向、すなわち、検査を受ける被検
者の体軸と直交する方向に配置できるため、カメラ(撮像装置)11のベッド長手方向に
おける長さを必要以上に長くしなくても済む。アナログASIC24及びデジタルASI
C26を環状に配置された検出器群の、半径方向の外側でベッド14の長手方向に配置す
ることも考えられるが、カメラ11のベッド長手方向における長さが必要以上に長くなる
。また、検出器21として半導体放射線検出器を用い、信号処理装置としてアナログAS
IC24及びデジタルASIC26を用いているため、結合基板20の長手方向の長さが
短縮され、シンチレータを用いた場合に比べてカメラ11の前記直交方向における長さを
著しく小さくできる。更には、結合基板20は、その長手方向に検出器21、アナログA
SIC24及びデジタルASIC26を順次配置しているため、これらを接続する配線の
長さを短くでき、基板における配線が単純化される。
ここで、本実施形態では、1個のアナログASIC24は、それぞれ32個の検出器2
1と接続されており、検出器21から得られる信号を処理する。図8、図9に示すように
、1個のアナログASIC24は、スロー系とファースト系とを有するアナログ信号処理
回路(アナログ信号処理装置)33を32組備えている。アナログ信号処理回路33は検
出器21ごとに設けられ、1つのアナログ信号処理回路33は1つの検出器21に接続さ
れる。ここで、ファースト系は、γ線の検出時刻を特定するためのタイミング信号を出力
するタイミングピックオフ回路24aを有している。また、スロー系は、検出したγ線の
波高値を求めることを目的として、極性アンプ(線形増幅器)24c、バンドパスフィル
タ(波形整形装置)24d、ピークホールド回路(波高値保持装置)24eがこの順序に
接続されて設けられている。ちなみに、スロー系は、波高値を求めるためにはある程度の
処理の時間を要することから「スロー」という名前が付いている。なお、符号24bは、
チャージアンプ(前置増幅器)である。ちなみに、検出器21から出力されてコンデンサ
22及び抵抗23を通過したγ線検出信号は、チャージアンプ24b、極性アンプ24c
で増幅される。増幅されたγ線検出信号はバンドパスフィルタ24dを経てピークホール
ド回路24eに入力される。ピークホールド回路24eは、検出信号の最大値、つまり検
出したγ線のエネルギに比例したγ線検出信号の波高値を保持する。1個のアナログAS
IC24は32組のアナログ信号処理回路33をLSI化したものである。
なお、コンデンサ22及び抵抗23をアナログASIC24の内部に設けることもでき
るが、適切なコンデンサ容量や適切な抵抗値を得るため、及び、アナログASIC24の
大きさを小さくする等の理由から、本実施形態では、コンデンサ22及び抵抗23はアナ
ログASIC24の外に配置されている。ちなみに、コンデンサ22及び抵抗23は、外
部に設けた方が、個々のコンデンサ容量や抵抗値のバラツキが少ないとされている。
図8に示すアナログASIC24について、本実施形態では、このアナログASIC2
4のスロー系の出力は、ADC(アナログ・デジタル変換器)25に供給されるようにな
っている。更に、アナログASIC24のファースト系の出力は、デジタルASIC26
に供給されるようになっている。
アナログASIC24と各ADC25は、8ch分のスロー系の信号を纏めて送信する
1本の配線でそれぞれ接続されている。また、各アナログASIC24とデジタルASI
C26は、32chのファースト系の信号を1つ1つ送信する32本の配線で接続されて
いる。つまり、1個のデジタルASIC26は、4個のアナログASIC24と合計12
8本の配線で接続されている。
なお、アナログASIC24から出力されるスロー系の出力信号は、アナログの波高値
(図4に示すグラフの最高値の値)である。また、アナログASIC24からデジタルA
SICに出力されるファースト系の出力信号は、検出時刻に対応したタイミングを示すタ
イミング信号である。このうちスロー系の出力である波高値は、アナログASIC24と
ADC25とを接続する配線(前記した8chを1本にした配線)によりADC25に入
力され、ADC25によりデジタル信号に変換される。ADC25では、例えば波高値を
8ビット(0〜255)のデジタルの波高値に変換する(ex.511KeV→255)。
また、スロー系の出力であるタイミング信号は、前記したアナログASIC24とデジタ
ルASIC26とを接続する配線によりデジタルASIC26に供給される。
ADC25は、デジタル化して8ビットの波高値情報をデジタルASIC26に送信す
る。このため、各ADC25とデジタルASIC26とは配線で接続されている。ちなみ
に、デジタルASIC26は、ADC25が両面で16個あることから、合計16本の配
線でADC25と接続されている。1個のADC25は、8ch分の信号(検出素子8個
分の信号)を処理する。なお、ADC25は、デジタルASIC26と、ADC制御信号
伝送用の1本の配線、及び波高値情報伝送用の1本の配線で接続される。
デジタルASIC26は、図9に示すように、8個の時刻決定回路(時刻情報生成装置
)35及び1個のADC制御回路(ADC制御装置)36を含む複数のパケットデータ生
成装置34、及びデータ転送回路(データ送信装置)37を有しており、これらをLSI
化したものである。PET装置1に設けられた全てのデジタルASIC26は、図示され
ていない500MHzのクロック発生装置(水晶発振器)からのクロック信号を受け、同
期して動作している。各デジタルASIC26に入力されたクロック信号は、全パケット
データ生成装置34内のそれぞれの時刻決定回路35に入力される。時刻決定回路35は
、検出器21ごとに設けられ、該当するアナログ信号処理回路33のタイミングピックオ
フ回路24aからタイミング信号を入力する。時刻決定回路35はタイミング信号を入力
した時のクロック信号に基づいてγ線の検出時刻を決定する。タイミング信号は、アナロ
グASIC24のファースト系の信号に基づくものであるので、真の検出時刻に近い時刻
を検出時刻(時刻情報)とすることができる。ADC制御回路36は、時刻決定回路35
から、γ線を検出したタイミング信号を受けその検出器IDを特定する。すなわち、AD
C制御回路36は、ADC制御回路36に接続される各時刻決定回路35に対する検出器
IDを記憶しており、ある時刻決定回路35から時刻情報を入力したとき、その時刻決定
回路35に対応する検出器IDを特定できる。これは、時刻決定回路35が検出器21ご
とに設けられているために可能となる。更に、ADC制御回路36は、時刻情報を入力し
た後、検出器ID情報を含むADC制御信号をADC25に出力する。ADC25は、そ
の検出器IDに対応するアナログ信号処理回路33のピークホールド回路24eから出力
された波高値情報を、デジタル信号に変換して出力する。この波高値情報は、ADC制御
回路36に入力される。ADC制御回路36は、時刻情報及び検出器IDに波高値情報を
付加してパケットデータを生成する。ADC制御回路36は、ADC25を制御するAD
C制御装置と、検出器ID情報(検出器位置情報)、前記時刻情報及び波高値情報を統合
する情報統合装置との機能を有する。情報統合装置はそれらの3つの情報を含むデジタル
情報である統合情報(パケット情報)を出力する。各パケットデータ生成装置34のAD
C制御回路36から出力されたパケットデータ(検出器ID、時刻情報及び波高値情報を
含む)は、データ転送回路38入力される。
データ転送回路38、各パケットデータ生成装置34のADC制御回路36から出力さ
れたデジタル情報であるパケットデータを、例えば定期的に、12枚の結合基板20を収
めている検出器ユニット2(図10、図11)の筐体30に1個設けられているユニット
統合用の集積回路(ユニット統合FPGA(Field Programmable Gate allay))31に
送信する。ユニット統合FPGA(以下、FPGAという)31は、それらのデジタル情
報をコネクタ38に接続された情報伝送用配線を介してデータ処理装置12に送信する。
本実施形態は、ADC25が、ADC制御回路36から出力される制御信号に含まれる
検出器ID情報に対応するピークホールド回路24eから出力された波高値情報を、デジ
タル信号に変換するため、1つのアナログASIC24内の複数のアナログ信号処理回路
33に対して1つのADC25を設けている。従って、1つのアナログ信号処理回路33
に対して1つづつADC25を設ける必要がなく、ASIC基板20Bの回路構成を著し
く単純化できる。統合情報を生成する情報統合装置も、1つのアナログASIC24内の
複数のアナログ信号処理回路33に対して1つ設ければよく、デジタルASIC26の回
路構成が単純化できる。また、検出器IDを特定するADC制御装置も1つのアナログA
SIC24内の複数のアナログ信号処理回路33に対して1つでよく、デジタルASIC
26の回路構成が単純化できる。
こうして、デジタルASIC26から出力された、(1)波高値情報、(2)決定した
時刻情報、及び(3)検出器21の1個1個を一意に識別する検出器IDを含むパケット
データは、情報伝送用配線を介して後段のデータ処理装置12(図1参照)に送信される
。データ処理装置12の同時計測装置12Aは、デジタルASIC26から送信されたパ
ケットデータを基に、同時計測処理(設定時間の時間窓で所定エネルギのγ線を2個検出
したときは、これらのγ線を、1つの陽電子の消滅により発生した一対のγ線とみなす処
理)を行って、同時計測したその一対のγ線を一個として計数し、その一対のγ線を検出
した2つの検出器21の位置をそれらの検出器IDより特定する。データ処理装置12は
、前記の時間窓内で検出されたγ線検出信号が3つ以上ある(γ線を検出した検出器21
が3つ以上ある)場合に、それらのγ線検出信号の波高値情報等を用いて3つ以上ある検
出器21のうち最初にγ線が入射された2つの検出器21を特定する。特定された一対の
検出器21が同時計測されて1つの計数値が生成される。また、データ処理装置12の断
層像情報作成装置12Bは、同時計測で得た計数値及び検出器21の位置情報を用いて、
放射性薬剤の集積位置、すなわち悪性腫瘍位置での被検者の断層像情報を作成する。この
断層像情報は表示装置13に表示される。前記のデジタル情報、同時計測で得た計数値及
び検出器21の位置情報、及び断層像情報等の情報は、データ処理装置12の記憶装置に
記憶される。
なお、以上の説明では、検出器基板20Aは検出器21を有し、ASIC基板20Bは
、コンデンサ22、抵抗23、アナログASIC24、ADC25、デジタルASIC2
6を有している。しかし、検出器基板(第1の基板)20Aが、検出器21、コンデンサ
22、抵抗23、アナログASIC24等を有し、ASIC基板(第2の基板)20Bが
ADC25、デジタルASIC26等を有するようにしてもよい。検出器基板20Aが検
出器21とアナログASIC24とを有することで、検出器21とアナログASIC24
との距離(配線の長さ)を更に短くすることができる。このため、ノイズの影響を更に低
減することが可能になる。
更に、結合基板20を3基板(検出器基板20A、アナログASIC基板、デジタルA
SIC基板)として、それぞれコネクタを介して着脱自在に連結した構成としてもよい。
この場合、3基板のうち、検出器基板20Aは検出器21を有し、アナログASIC基板
は、コンデンサ22、抵抗23、アナログASIC24を有し、デジタルASIC基板は
、ADC25、デジタルASIC26を有する構成とする。本構成では、アナログ回路を
搭載する基板とデジタル回路を搭載する基板とを分離することにより、デジタル回路側の
ノイズがアナログ回路に入りこむことを防止する。また本構成では、アナログASICと
デジタルASICの搭載基板を分離し、それを着脱自在なコネクタにより接続するので、
例えばデジタルASICのみが故障した場合でも、デジタルASIC基板のみを交換すれ
ばよい。従って、本構成ではよりいっそう無駄の排除が可能となる。
ちなみに、前記した説明では、検出器21を設置する基板本体20a(検出器基板20
A)と、ASIC24,26を設置する基板本体20b(ASIC基板20B)とが別の
基板になっている。このため、例えば、両ASICをBGA(Ball Grid Allay)を介し
て基板にリフローでハンダ付けする際に、ASIC基板だけをハンダ付け処理できるので
、半導体放射線検出器21を高温に晒す必要がなく好ましい。もちろん、全ての素子21
〜26を同一の基板上に配置することとして、コネクタC1を用いないようにすることも
できる。
≪検出器ユニット;結合基板の収納によるユニット化≫
次に、前記した結合基板20の筐体30への収納によるユニット化を説明する。本実施
形態では、12枚の結合基板20を筐体(枠体)30内に収納して検出器ユニット(12
基板ユニット)2を構成している。ちなみに、PET装置1のカメラ11は、この検出器
ユニット2が周方向に60〜70個着脱自在に配置された構成をしており(図12(b)
参照)、保守点検が容易なようにされている(図2参照)。
(筐体への収納)
図10に示すように、検出器ユニット2は、12枚の前記した結合基板20、この12
枚の結合基板20に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源PS、前記したFPGA31、
外部との信号の授受を行う信号用のコネクタ、外部から電源の供給を受けるための電源用
のコネクタ等を収納したり保持したりする筐体30等を備える。
図10及び図11に示すように、結合基板20は、奥行方向(ベッド14の長手方向)
には重なり合わないように3列、間口方向(カメラ11の周方向)には4列並んで筐体3
0内に収められている。つまり、1個の筐体30には、結合基板20が12枚収納されて
いる。このように収納するため、奥行方向に伸びる1条のガイド溝(ガイドレール)G1
を周方向に適宜離間して4列備えるガイド部材39が、筺体30内に配置され、筺体(蓋
)30の上端部に取り付けられている。ガイド部材39は、各ガイド溝G1の部分に,天
板30aの各コネクタC3と対向する位置にそれぞれ開口40を有する。更に、奥行方向
に伸びる1条のガイド溝(ガイドレール)G2を有する4つのガイド部材41が、周方向
に適宜離間して筐体30の底板30bに設けられる(図11参照)。ガイド溝G1,G2
は、結合基板20を3枚(3つ)収納する分の奥行を持っている。結合基板20のASI
C基板20B側端部がガイド溝G1に、結合基板20の検出器基板20A側端部がガイド
溝G2に、それぞれ収納される。3つの結合基板20がガイド溝G1,G2の奥行方向に
3つの保持されるようになっている。ちなみに、結合基板20は、ASIC基板20B側
端部と検出器基板20A側端部がガイド溝G1,G2で摺動するようになっているので、
指等で結合基板20を、ガイド溝G1,G2内を滑らして所定の箇所に容易に位置させる
ことができる。このとき、各基板コネクタC2はそれぞれ開口40の部分に位置している
。所定枚数の結合基板20が筺体30内に配置された後、天板30aが筺体30の上端に
ネジ等で着脱自在に取り付けられる。天板30aに設けられた各コネクタC3は、該当す
る開口40内に挿入されて該当する基板コネクタC2に接続されている。なお、筐体30
の上部・下部とは、筐体30をカメラ11から取り出した場合のことであり、図2に示さ
れるように、筐体30がカメラ11に備えられた場合には、上下が反転したり、上下が9
0°回転して左右になったり、或いは斜めになったりする。
図11に示すように、筐体30の天板30aには、前記した4列のガイド溝G1が備え
られるほかに、FPGA31及びコネクタ38が備えられる。コネクタ38はFPGA3
1に接続される。FPGA31は、現場でプログラムを組むことができる。この点、プロ
グラムを組むことができないASICとは異なる。従って、本実施形態のように、FPG
A31では、例えば収納する結合基板20の数や種類が変わった場合でも、現場でプログ
ラミングすることで、枚数変更にも適切に対応することができる。
なお、本実施形態で用いているCdTeを半導体材料Sとする検出器21は、光に反応
して電荷を発生することから、筐体30はアルミニウムやアルミニウム合金といった遮光
性を有する材料から構成されると共に、光が侵入する隙間をなくすようにしてある。即ち
、筐体30は遮光性を有する構成をしている。ちなみに、遮光性が他の手段により確保さ
れる場合は、筐体30はそれ自体が遮光性を有する必要はなく、検出器21を着脱自在に
保持する枠(枠体)でよい(例えば遮光用の面材(パネル)等は不用である)。
図12(a)に示すように、検出器ユニット2は、ユニット支持部材2Aを介して装着
される。また、この図12(b)に示すように、検出器ユニット2は、ユニット支持部材
2Aに片端支持されてカメラ11に装着されている。ユニット支持部材2Aは、中空の円
盤状(ドーナッツ状)をしており、検出器ユニット2を装着する窓をカメラ11の周方向
に多数(装着する検出器ユニット2の数だけ)備えている。このように、検出器ユニット
2を片端支持するため、検出器ユニット2の筐体30の体軸方向手前側には、ストッパと
なるフランジ部分が設けてある。ちなみに、検出器ユニット2を周方向に極力密に並べよ
うとすると、周方向内側のフランジ部分は邪魔になる。そこで、この邪魔になる部分のフ
ランジ部分を筐体30からなくし、周方向外側のフランジ部分を残すようにしてもよい。
ユニット支持部材2Aをもう1つ設置し、検出器ユニット2の両端部を両方のユニット支
持部材2Aで保持してもよい。
本実施形態は、検出器ユニット2をユニット支持部材2Aに取り付けるため、一度に多
数の検出器21をカメラ11に取り付けることができる。このため、検出器21のカメラ
11への取り付け時間が著しく短縮できる。また、検出ユニット2内の全結合基板20の
データ転送装置38から出力されたパケットデータ(結合基板20の全検出器21に対す
る全パケットデータ)が、検出ユニット2に設けられたユニット統合FPGA31からデ
ータ処理装置12に送られる。このため、本実施形態におけるデータ処理装置12にパケ
ットデータを伝送する配線の数が、結合基板20の各データ転送装置38からデータ処理
装置12にそれぞれパケットデータを送信する場合に比べても著しく低減される。
PET装置1には、例えば、十万〜数十万個(ch)という多数の検出器21が使用されるが、これら多数の検出器21のPET装置1への取り付けに要する時間短縮が望まれている。PET装置1は、このような要望に答えるためになされたものである。また、検出器21の保守点検を容易にすることも望まれている。本実施形態は、検出器ユニット2を核医学診断装置、具体的にはカメラから取り外せるようにし、結合基板20の一枚一枚を筺体30から取り外せるようにし、保守点検を更に容易にした。
なお、カメラ11に検出器ユニット2を装着する場合は、蓋11aを取り外して、ユニ
ット支持部材2Aを露出させ、そこから検出器ユニット2をフランジ部分が突き当たるま
で差し込んで装着するようになっている。なお、差し込んで装着することにより、カメラ
11と検出器ユニット2のコネクタの接続が行われ、カメラ11と検出器ユニット2との
信号及び電源の接続がなされる。
(電源)
次に、電荷収集用の電圧を供給する高圧電源装置PSについて説明をする。図10に示
すように、検出器ユニット2は、FPGA31の裏面側で筺体30内に形成される空間に
、各検出器21に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源装置PSを設置している。この高
圧電源装置PSは、低圧の電源を供給され、図示しないDC−DCコンバータ(電圧を昇
圧する手段)により電圧を300Vに昇圧して各検出器21に供給するようになっている
。ちなみに、検出器21は、結合基板20(=検出器基板20A)1枚について、片面で
64個、両面で128個備えられている。そして、この結合基板20が1つの筐体30(
つまり1つの検出器ユニット2)には12枚収納される。よって、高圧電源装置PSから
は、128×12=1536個の検出器21に電圧が供給される。
ちなみに、従来は、離れたところにある精密電源装置から変動の極めて少ない300V
の電圧の電源を供給していたが、(1)精密電源装置からの距離が遠くなると、その分高
電圧配線に対する広範な絶縁構造が必要になること(絶縁距離が長くなってしまうこと)
、(2)検出器21の温度変動により電圧が変動してしまうことから、精密電源装置から
精度のよい電圧を供給しても、目的とする検出器21の部分では、思ったほど精度のよい
電圧になってないこと等の問題があった。
また、保守点検を容易にするため、例えば本実施形態のような検出器ユニット2に電源
コネクタ(図示外)を備えて、この電源コネクタの部分で精密電源装置から伸びる高圧電
源ラインを取り外しできるようにすることが考えられる。即ち、本実施形態でいえば、検
出器ユニット2に、該ユニット2の外部から高圧電源を、電源コネクタを介して供給する
ことも考えられる。しかし、300Vの高電圧の場合、前記絶縁の問題に加えて電源コネ
クタが大掛かりになる等の問題があった。
本実施形態では、検出器ユニット2に内蔵する高圧電源装置PSが、天板30aに設け
られた電源用のコネクタ42及びコネクタ38を介して電源配線により外部の低電圧(5
〜15V)の直流電源に接続されている。高圧電源装置PSの高電圧側端子は、天板30
aに設けられたコネクタ43を介して天板30aに設けられた12個のコネクタC3にそ
れぞれ接続され、各結合基板20のコネクタC2、基板本体20b内の電源配線(図示せ
ず)、コネクタC1及び基板本体20a内の電源配線(図示せず)を介して基板本体20
aに設けられた各検出器21の電極Cにそれぞれ接続される。コネクタC1,C2は、検
出器21の出力信号を伝えるコネクタ以外に、電源配線用のコネクタを含んでいる。高圧
電源装置PSが直流電源から印加される低電圧をDC−DCコンバータで300Vに昇圧
するため、高電圧部分を少なくすることができた。これにより、絶縁距離を短くすること
ができた。すなわち、コネクタ42から直流電源までは高電圧配線にする必要がなくなっ
た。また、保守等が容易になった。また、電圧の変動の問題に対しては、本実施形態では
、精密電源装置ではなく、温度による電圧の変動分に応じた精度を有する高圧電源装置P
Sを備えることとした。これにより、高精度の電源を必要としなくなった。また、外部の
電源から供給を受けるのは低電圧であるので、コネクタ38に設けられる電源コネクタに
小型のものを用いることができた。そして、電源コネクタが小型のものを用いた分、レイ
アウトの自由度が増大した。また、FPGA31の裏面側で筺体30内に形成される空間
に、高圧電源装置PSを配置しているため、高圧電源装置PSの筺体30内への配置によ
って検出器ユニット2が、大型化することがなくコンパクトになる。なお、天板30aを
介してではなく、高圧電源装置PSを、直接、基板本体20aに設けた電源配線にコネク
タを介して接続してもよい。また、電源用のコネクタは、検出器21の出力信号用のコネ
クタから分離して配置してもよい。これにより、電源系から信号用の配線にノイズがのる
ことが防止できる。
また、このように、検出器ユニット2への供給電源の低圧化により、例えば各ASIC
24,26への電源の供給と同様に、高圧電源装置PSにはユニット統合FPGA31を
介して低電圧で給電できるようになった。
また、高圧電源装置PSを用いて電源を供給することで、筐体(GND)との絶縁が不
要になる。
ちなみに、FPGA31から高圧電源装置PSに供給された電圧は、高圧電源装置PS
内の図示しないDC−DCコンバータにより300Vに昇圧され、昇圧後、筐体30の天
板30a内を通って、結合基板20ごと、ASIC基板20B→検出器基板20A→各検
出器21へと供給される。即ち、筐体30(天板30a)は、高圧電源装置PSから各結
合基板20へ電圧を供給する図示しない電圧供給用の配線を備える。また、各結合基板2
0は、基板コネクタC2を介して高圧電源装置PSから供給された電圧を、各検出器21
に供給する電圧供給用の配線を備える。
〔実施形態2〕
他の実施形態である核医学診断装置を説明する。本実施形態の核医学診断装置は、単光
子放出型断層撮影装置(SPECT(Single Photon Emission Computer Tomography)装
置)である。
このSPECT装置51を、図13〜15を用いて説明する。SPECT装置51は、
一対の放射線検出ブロック52、回転支持台(回転体)57、データ処理装置12A、及
び表示装置13を備える。それらの放射線検出ブロック52は、回転支持台57に周方向
に180°ずれた位置に配置される。具体的には、それぞれの放射線検出ブロック52の
各ユニット支持部材56が周方向に180°隔てた位置で回転支持台57に取り付けられ
る。12枚の結合基板53を含む複数の検出器ユニット2Aがそれぞれのユニット支持部
材56に着脱可能に取り付けられる。従って、検出器21がユニット支持部材に保持され
る。それぞれの検出器ユニット2Aの構成は、結合基板53の構成を除いて実施形態1に
おける検出器ユニット2の構成と同じである。
結合基板53は、前記した結合基板20と同様に検出器基板20A及びASIC基板5
3Bを有する(図14)。各検出器基板20Aの先端部に位置する検出器21はベッド1
4側に位置する。放射線遮蔽材(例えば、鉛、タングステン等)で作られたコリメータ5
5がそれぞれの放射線検出ブロック52に設けられる。各コリメータ55は、放射線(例
えば、γ線)を通過する多数の放射線通路を形成している。これらの放射線通路は、1つ
の放射線検出ブロック52の全検出器基板20Aにおいて先端部に位置する各検出器21
と一対一に対応して設けられている。全結合基板53及びコリメータ55は回転支持台5
7に設置された遮光・電磁シールド54内に配置される。コリメータ55は遮光・電磁シ
ールド54に取り付けられる。遮光・電磁シールド54はγ線以外の電磁波の検出器21
等への影響を遮断している。
放射性薬剤が投与された被検者が載っているベッド14が移動され、被検者は、一対の
放射線検出ブロック52の間に移動される。回転支持台56が回転されることによって、
各放射線検出ブロック52はユニット11が被検者の周囲を旋回する。放射性薬剤が集積
した被検者内の集積部(例えば、患部)Cから放出されたγ線がコリメータ55の放射線
通路を通って対応する検出器21に入射される。検出器21はγ線検出信号を出力する。
このγ線検出信号は、後記するアナログASIC24A及びデジタルASIC26Aで処
理される。
本実施形態(実施形態2)に用いられる検出器基板20Aの構成は実施形態1における
その構成と同じであるので、本実施形態での説明は省略する。結合基板53を構成するA
SIC基板53Bを、図14,15を用いて説明する。結合基板20と同様に検出器基板
20AにコネクタC1により接続されているASIC基板53Bは、検出器21ごとに設
けられたコンデンサ22及び抵抗23、4個のアナログASIC24A、及び1個のデジ
タルASIC26Aを有する。
アナログASIC24Aは、1個のアナログASIC24Aは、スロー系とファースト
系とを有するアナログ信号処理回路(アナログ信号処理装置)33Aを32組備えている
。アナログ信号処理回路33Aは検出器21ごとに設けられる。ここで、ファースト系は
、γ線の検出を特定するトリガ信号を出力するトリガ出力回路24fを有する。また、ス
ロー系は、アナログASIC24と同様に、チャージアンプ24b、極性アンプ24c、
バンドパスフィルタ24d、及びピークホールド回路24eがこの順序に接続されて設け
られている。1個のアナログASIC24Aは32組のアナログ信号処理回路33AをL
SI化したものである。検出器21から出力されてコンデンサ22及び抵抗23を通過し
たγ線検出信号は、チャージアンプ24b、極性アンプ24c、バンドパスフィルタ24
dを経てピークホールド回路24eに入力される。ピークホールド回路24eは、γ線検
出信号の波高値を保持する。バンドパスフィルタ24dから出力されたγ線検出信号はト
リガ出力回路24fに入力される。トリガ出力回路24fは、ノイズの影響を除去するた
め、設定レベル以上のγ線検出信号を入力したときにトリガ信号を出力する。
デジタルASIC26Aは、パケットデータ生成装置34A、及びデータ転送回路37
を有しており、これらをLSI化したものである。前記したトリガ信号はパケットデータ
生成装置34AのADC制御回路36Aに入力される。SPECT装置51に設けられた
全てのデジタルASIC26Aは、図示されていない64MHzのクロック発生装置(水
晶発振器)からのクロック信号を受け、同期して動作している。各デジタルASIC26
Aに入力されたクロック信号は、全パケットデータ生成装置34A内のそれぞれのADC
制御回路36Aに入力される。ADC制御回路36Aは、トリガ信号を入力したとき検出
器IDを特定する。すなわち、ADC制御回路36Aは、ADC制御回路36Aに接続さ
れる各トリガ出力回路24fに対する検出器IDを記憶しており、あるトリガ出力回路2
4fからトリガ信号を入力したとき、そのトリガ出力回路24fに対応する検出器IDを
特定できる。ADC制御回路36Aは、検出器ID情報を含むADC制御信号をADC2
5に出力する。ADC25は、その検出器IDに対応するアナログ信号処理回路33Aの
ピークホールド回路24eから出力された波高値情報を、デジタル信号に変換して出力す
る。この波高値情報は、ADC制御回路36に入力される。ADC制御回路36Aは、検
出器IDに波高値情報を付加してパケットデータを生成する。各パケットデータ生成装置
34AのADC制御回路36Aから出力されたデジタル情報であるパケットデータ(検出
器ID、及び波高値情報を含む)は、データ転送回路37に入力される。データ転送回路
37は、各ADC制御回路36Aから出力されたパケットデータを、定期的に、検出器ユ
ニット2Aのユニット統合FPGA31に送信する。ユニット統合FPGA31は、それ
らのデジタル情報をコネクタ38に接続された情報伝送用配線に出力する。
ユニット統合FPGA31から出力された各パケットデータは、データ処理装置12A
に送信される。データ処理装置12Aは、回転支持台57を回転させるモータ(図示せず
)の回転軸に連結された角度計(図示せず)で検出された回転角度が入力される。この回
転角度は、それぞれの放射線検出ブロック52の回転角度を示し、具体的にはそれぞれの
検出器21の回転角度を示している。データ処理装置12Aは、この回転角度を基に、旋
回している各検出器21の旋回軌道上での位置(位置座標)を求める。このため、γ線を
検出した時点での検出器21の位置(位置座標)が求められる。データ処理装置12Aは
、算出した検出器21の位置を基に、波高値情報が設定値以上になるγ線を計数する。こ
の計数は、回転支持台57の回転中心を基準に0.5°づつ区切って得られる各領域に対
してなされる。なお、波高値情報は、コリメータ55の放射線通路の延長線上に位置する
複数の検出器21(図7(a)では直線に並んだ4個の検出器21)の各γ線検出信号の
波高値の累計値である。データ処理装置12Aは、γ線を検出した時点での検出器21の
位置情報及びγ線の計数値(計数情報)を用いて、放射性薬剤の集積位置、すなわち悪性
腫瘍位置での被検者の断層像情報を作成する。この断層像情報は表示装置13に表示され
る。前記のパケット情報、同時計測で得た計数値及び検出器21の位置情報、及び断層像
情報等の情報は、データ処理装置12の記憶装置に記憶される。
なお、以上の各実施形態ではPET装置1及びSPECT装置51について述べたが、
γカメラにも本発明を適用することができる。γカメラは、得られる機能画像が2次元的
なものであり、かつ、γ線の入射角度を規制するコリメータを備える。なお、PET装置
1やSPECT装置51と、X線CTを組み合わせた核医学診断装置の構成としてもよい

また、検出器ユニット2のカメラ11への装着(収納)は、前記したユニット支持部材
2Aによるものに限定されるものではなく、どのような装着・収納の手段・方法を用いて
もよい。
本実施形態にかかる核医学診断装置としてのPET装置の構成を示す斜視図である。 図1のPET装置のカメラの周方向の断面を模式的に示した図である。 半導体放射線検出器の最小構成の構造を模式的に示す図である。 半導体放射線検出器の半導体材料の厚さtが厚い場合と薄い場合の「時間−波高値曲線」を比較したグラフである。 半導体放射線検出器の半導体材料の厚さtと波高値(最高値)の関係を模式的に示したグラフである。 半導体材料と電極(アノード、カソード)とが積層された積層構造を有する半導体放射線検出器の構成を模式的に示す図である。 (a)は本実施形態にかかる半導体放射線検出器の、検出器基板とASIC基板とを統合した結合基板を示した正面図である。 (b)は、同(a)の側面図である。 (c)は、同(a)の検出器基板上に搭載される半導体放射線検出器の構成を模式的に示した斜視図である。 アナログ系の検出回路を模式的に示したブロック図である。 デジタルASICの概略構成、及びアナログASICとデジタルASICの接続関係を示したブロック図である。 半導体放射線検出器を複数枚収納した検出器ユニットの構造を説明するために引用した透視斜視図である。 図10の検出器ユニットの側板を外したところの側面図である。 (a)は検出器ユニットをカメラに装着する際の様子を示したカメラの一部破断斜視図であり、(b)はカメラの中央部の断面図である。 他の実施形態にかかる核医学診断装置としてのSPECT装置の構成を示す斜視図である。 図13のSPECT装置におけるアナログASICの回路構成を模式的に示したブロック図である。 図13のSPECT装置におけるデジタルASICの概略構成、及びアナログASICとデジタルASICの接続関係を示したブロック図である。
符号の説明
1 PET装置(核医学診断装置)
11 カメラ
12 データ処理装置
13 モニタ
14 ベッド
2 検出器ユニット
20 結合基板(半導体放射線検出装置)
20A 検出器基板(第1の基板)
20a 基板本体
20B ASIC基板(第2の基板)
20b 基板本体
21 検出器(半導体放射線検出器)
24 アナログASIC(アナログ集積回路)
26 デジタルASIC(デジタル集積回路)
30 筐体
30a 天板
30b 底板
PS 高圧電源装置
51 SPECT装置

Claims (9)

  1. 周方向に複数の開口部を形成した支持部材と、前記開口部にそれぞれ挿入されて前記支持部材に着脱自在に取り付けられた複数の検出器ユニットとを備え、前記検出器ユニットが、遮光性を有する収納部材、及び前記収納部材内に着脱自在に収納される複数のユニット基板を有し、
    前記ユニット基板が、γ線を入射する複数の半導体放射線検出器、及び前記複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力するγ線検出信号を処理する集積回路を含み、
    前記集積回路が、γ線検出の時刻情報及びγ線を検出した前記半導体放射線検出器の識別情報を出力し、
    更に、
    前記検出器ユニットは、それぞれの前記ユニット基板に含まれた集積回路から出力される情報を前記検出器ユニットの外部に出力する他の集積回路を有し、前記他の集積回路を、前記収納部材の外面に設置していること、
    を特徴とする陽電子放出型断層撮影装置。
  2. 被検体を載せるベッドを有し、
    前記複数の検出器ユニットが前記ベッドを取り囲むように配置され、
    前記半導体放射線検出器及び前記集積回路は、前記ユニット基板において前記ベッドに近い方に前記半導体放射線検出器、前記ベッドから遠い方に前記集積回路が配置されること、
    を特徴とする請求項1に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
  3. 前記集積回路から出力された第1情報を基に得られた第2情報を用いて断層像情報を作成する断層像情報作成装置を備えたこと、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
  4. 周方向に複数の開口部を形成した支持部材と、前記開口部にそれぞれ挿入されて前記支持部材に着脱自在に取り付けられた複数の検出器ユニットとを備え、前記検出器ユニットが、遮光性を有する収納部材、及び前記収納部材内に着脱自在に収納される複数のユニット基板を有し、
    前記ユニット基板が、γ線を入射する複数の半導体放射線検出器、及び前記複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力するγ線検出信号を処理する集積回路を含んでおり、前記集積回路からの出力をそれぞれ入力し、設定時間の間に検出された一対の前記γ線検出信号に対応する前記出力を対にして計数する計数装置を備え、
    更に、
    前記検出器ユニットは、それぞれの前記ユニット基板に含まれた集積回路から出力される情報を前記検出器ユニットの外部に出力する他の集積回路を有し、前記他の集積回路を、前記収納部材の外面に設置していること、
    を特徴とする陽電子放出型断層撮影装置。
  5. 前記計数装置から出力された計数情報を用いて断層像情報を作成する断層像情報作成装置を備えたこと、
    を特徴とする請求項4に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
  6. 前記ユニット基板は、第1の基板と第2の基板を含み、
    前記第1の基板は、前記半導体放射線検出器を有し、
    前記第2の基板は、前記集積回路を有すること、
    を特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4のいずれか1項に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
  7. 前記集積回路が前記半導体放射線検出器が出力する信号を処理するアナログ集積回路、前記アナログ集積回路の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器、前記AD変換器から出力された信号を入力するデジタル集積回路を含んでいること、
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項4及び請求項6のいずれか1項に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
  8. 前記収納部材は、内部に前記ユニット基板をガイドするガイド部材を設けたこと、
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項4及び請求項6のいずれか1項に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
  9. 前記検出器ユニットが、前記複数のユニット基板の前記デジタル集積回路から出力される情報を入力して出力する他の集積回路を備えること、
    を特徴とする請求項7に記載の陽電子放出型断層撮影装置。
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