JP2005265859A - 核医学診断装置 - Google Patents

核医学診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005265859A
JP2005265859A JP2005149647A JP2005149647A JP2005265859A JP 2005265859 A JP2005265859 A JP 2005265859A JP 2005149647 A JP2005149647 A JP 2005149647A JP 2005149647 A JP2005149647 A JP 2005149647A JP 2005265859 A JP2005265859 A JP 2005265859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detector
substrate
nuclear medicine
cooling
semiconductor radiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005149647A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Tsuchiya
一俊 土屋
Hiroshi Kitaguchi
博司 北口
Kensuke Amamiya
健介 雨宮
Yuichiro Ueno
雄一郎 上野
Norifumi Yanagida
憲史 柳田
Shinichi Kojima
進一 小嶋
Kazuma Yokoi
一磨 横井
Takaaki Ishizu
崇章 石津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2005149647A priority Critical patent/JP2005265859A/ja
Publication of JP2005265859A publication Critical patent/JP2005265859A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Nuclear Medicine (AREA)

Abstract

【課題】 半導体放射線検出器を冷却して、放射線の検出精度を向上させる。
【解決手段】 半導体放射線検出器20を、熱伝導性基板20Aを介する熱伝導によって
冷却する。また、半導体放射線検出器20を被包する断熱被覆体30に充填または供給さ
れた冷却媒体によって半導体放射線検出器20を冷却する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、核医学診断装置に係り、特に半導体放射線検出器を用いた陽電子放出型断層撮影(Positron Emission Tomography)装置(以下、PET装置という)及び単光子放出型断層撮影(Single Photon Emission Tomography)装置(以下、SPECT装置という)等の核医学診断装置の一種に関する。
従来、γ線等の放射線を検出する放射線検出器としては、NaIシンチレータを用いたものが知られている。NaIシンチレータを備えるガンマカメラ(核医学診断装置の一種)において、放射線(γ線)は、多数枚のコリメータによって制限された角度でシンチレータに入射し、NaIの結晶と相互作用を起こしてシンチレーション光を発する。この光はライトガイドを挟み、光電子増倍管に到達して電気信号となる。電気信号は、計測回路固定ボードに取り付けられた計測回路で整形され出力コネクタから外部のデータ収集系へと送られる。なお、これらシンチレータ、ライトガイド、光電子増倍管、計測回路、計測回路固定ボード等は全体が遮光シールドケースに収納され、外部の放射線以外の電磁波を遮断している。
一般にシンチレータを用いたガンマカメラでは、1枚の大きなNaI等の結晶の後に大きな光電子増倍管(フォトマルともいう)を置く構造としているため、位置分解能は数mm〜10数mm程度のレベルに留まる。また、シンチレータは放射線から可視光、可視光から電子と多段階の変換を経て検出を行うため、エネルギ分解能が悪いという問題点を持つ。そのため、散乱線の混入などにより、γ線を放出する真の位置情報をあらわす信号に対しするS/N比が低下し、画質の劣化、もしくは、撮像時間の増加が課題として挙げられている。ちなみに、PET装置(陽電子放出型断層写真撮影装置)では、5〜6mm、ハイエンドのPET装置で4mm程度の位置分解能のものがあるが、同様にS/N比に起因する問題点を含んでいる。
このようなシンチレータとは異なる原理で放射線を検出する放射線検出器として、CdTe(テルル化カドミウム)、TlBr(臭化タリウム)、GaAs(砒化ガリウム)等の半導体材料を用いた半導体放射線検出素子を備えた半導体放射線検出器がある。
この半導体放射線検出器は、半導体放射線検出素子が、放射線と半導体材料との相互作用で生じた電荷を電気信号に変換するため、シンチレータよりも電気信号への変換効率がよく、エネルギー分解能が優れているため、注目されている。
特開2000−241555号公報(段落番号[0019]、図1) 特開平7−50428号公報(第2頁、図3)
エネルギ分解能が優れていることは、真の位置情報を示す放射線検出信号のS/N比が向上する、すなわち検出精度が向上することを意味し、画像のコントラスト向上、撮像時間の短縮など様々な効果が期待できる。
複数の半導体放射線検出器の稠密配置、半導体放射線検出器の出力信号を処理する信号処理装置等の集積化により、半導体放射線検出器は、高い温度環境下で使用される。半導体放射線検出器のエネルギー分解能は、温度上昇と共にリーク電流の増加によって劣化する。
本発明は、画像のコントラストを向上でき、コンパクトな核医学診断装置を提供することを目的とする。
本発明は、収納部材、収納部材内に配置された複数の半導体放射線検出器、及び複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力する放射線検出信号を処理する集積回路を含み、支持部材に着脱自在に取り付けられた複数の検出器ユニットを備え、半導体放射線検出器を冷却する冷却装置を、前記検出器ユニット毎に設けたことにある。
本発明は、検出器ユニット毎に冷却装置を設けているため、それぞれの冷却装置を小型化することができ、核医学診断装置をコンパクト化することができる。検出器ユニット毎に冷却装置を設けていることは、半導体放射線検出器の冷却効率を向上させる。
核医学診断装置に設けられた半導体放射線検出器を冷却することによって、ノイズの低減(リーク電流の低減)、発生電荷の移動度の向上、及び発生電荷の寿命の増加を図ることができ、放射線の検出精度を向上できる。このような放射線の検出精度の向上は、得られる画像のコントラストを向上できる。このため、被検体の異常部位(例えば、悪性腫瘍)の診断精度を向上できる。なお、従来例と同程度の画質ならば、実効的な感度の向上により、撮像時間を短縮できるようになる。
好ましくは、冷却装置は収納部内に冷却媒体の流れを形成させる構成を有し、収納部内では、集積回路は、冷却媒体の流れ方向で複数の放射線検出器よりも下流側に配置されている。冷却媒体が発熱量の大きな集積回路よりも先に半導体放射線検出器に接するため、半導体放射線検出器の冷却効率が増大する。また、半導体放射線検出器を冷却した冷却媒体によって集積回路を冷却することができる。
好ましくは、ユニット基板に含まれる基板部材に冷却装置を設置することが望ましい。半導体放射線検出器は、基板部材を介して冷却装置により冷却される。基板部材が熱伝導部材を含むことによって半導体放射線検出器の冷却効率がより増大する。
前記冷却装置は前記基板部材に設けられて前記基板部材を介して前記半導体放射線検出器を冷却する
好ましくは、集積回路を冷却する他の冷却装置を収納部材内に設けると良い。
好ましくは、複数の放射線検出器を覆う密閉部材を、ユニット基板に設け、密閉部材に囲まれた空間内に冷却媒体を供給する冷却装置を設けるとよい。密閉部材内のより狭い空間に冷却媒体が供給されるので、半導体放射線検出器の冷却効率がより向上する。
本発明によれば、半導体放射線検出器を冷却することができるため、放射線の検出精度の向上を図ることができる。これにより、例えば、核医学診断装置において画像のコントラストが向上し、鮮明な画像を得ることができる。
また、それぞれの冷却装置を小型化することができ、核医学診断装置をコンパクト化することができる。
次に、本発明の好適な実施形態1及び実施形態2の核医学診断装置について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において、実施形態1及び2の核医学診断装置の説明、及び半導体放射線検出器、集積回路等の説明を行う。なお、アナログASICは、アナログ信号を処理する、特定用途向けICであるASIC(Application Specific Integrated Circuit)を意味し、LSIの一種である。
[実施形態1]
核医学診断装置
まず、実施形態1の核医学診断装置(放射線医学診断装置)を説明する。図1に示すように、核医学診断装置としてのPET装置1は、カメラ(撮像装置)11、データ処理装置12、表示装置13等を含んで構成されている。被検者は、ベッド14に載せられてカメラ11で撮影されるようになっている。カメラ11は、多数の半導体放射線検出器21を内蔵しており、被検者の体内から放出されるγ線を半導体放射線検出器(以下、単に検出器という)21で検出する。カメラ11は、そのγ線の波高値、検出時刻を計測するための集積回路(ASIC)を備え、検出した放射線(γ線)の波高値や検出時刻を測定するようになっている。データ処理装置12は、記憶装置、同時計測装置12A(図2参照)及び断層像情報作成装置12B(図2参照)を有する。データ処理装置12は、検出したγ線の波高値、検出時刻のデータ及び検出器(チャンネル)IDを含むパケットデータを取り込む。同時計測装置12Aは、本パケットデータ、特に検出時刻のデータ及び検出器IDに基づいて同時計測を行い、511KeVのγ線の検出位置を特定し記憶装置に記憶する。断層像情報作成装置12Bは、この特定した位置に基づいて機能画像を作成して、表示装置13に表示する。
図2に示すように、カメラ11の内部は、被検者から放出されるγ線を検出するため、検出器21を多数備えた結合基板20を複数収納した検出器ユニット2が、円周状に多数配置されている。被検者は、ベッド14の上に横になり、カメラ11の中心部に位置される。このとき、各検出器はベッド14の周囲を取り囲んでいる。検出器ユニット2からは、検出器21がγ線と相互作用を起こした際の検出信号に基づいて得られたγ線の波高値情報及びγ線検出の時刻情報、及び検出器21のアドレス情報(検出器ID)が、検出器ユニット2に含まれる各検出器21ごとに出力されるようになっている。検出器21、結合基板20及び検出器ユニット2の構成は、後に詳しく説明する。ちなみに、被検者は、放射性薬剤、例えば、半減期が110分の18Fを含んだフルオロ・ディオキシ・グルコース(FDG)を投与される。被検者の体内からは、FDGから放出された陽電子の消滅時にγ線(消滅γ線)が放出される。
以下、本実施形態の特徴部分の説明を行う。
≪半導体放射線検出器≫
検出器21は、図3に示すように、板状の半導体材料Sからなる半導体放射線検出素子(以下、検出素子という)211の両面を薄板状(膜状)の電極(アノードA、カソードC)で覆った構成をしている(最小構成)。このうち、半導体材料Sは、前記したCdTe(テルル化カドミウム)、TlBr(臭化タリウム)、GaAs(砒化ガリウム)等のいずれかの単結晶で構成されている。また、電極(アノードA、カソードC)は、Pt(白金)、Au(金)、In(インジウム)等のいずれかの材料が用いられる。なお、以下の説明では、半導体材料SがCdTeの単結晶をスライスしたものであるとする。また、検出する放射線は、PET装置で用いる511KeVのγ線であるとする。
検出器21によるγ線の検出原理の概略を、図3により説明する。検出器21にγ線が入射して、γ線と検出器21を構成する半導体材料Sとが相互作用を及ぼすと、図中に「+」と「−」で模式的に示している正孔(hole)及び電子(electron)は、対になってγ線が持つエネルギに比例した量だけ生成される。ここで、検出器21のアノード(陽極)Aとカソード(陰極)Cの電極間には、電荷収集用の電圧がかけられている(例えば300V)。このため、正孔はカソードCに引き寄せられて移動し、電子はアノードAに引き寄せられて移動する。
図4に示されるように、検出器21は、カソードCとアノードAに挟まれて5層に積層された半導体材料S(検出素子211)を有する。そして、半導体材料Sの1層1層がそれぞれ厚さt(0.2〜2mm(より好ましくは0.5〜1.5mm))を有する単層の検出器21である。アノードA及びカソードCの厚みはそれぞれ約20ミクロンである。
ちなみに、この図4で示される積層構造の検出器21は、アノードA同士、カソードC同士が共通で接続されていることから、各層それぞれが他の層とは独立に放射線を検出する構成ではない。換言すると、γ線と半導体材料Sとが相互作用を起こした場合、最上層で起こしたのか、最下層で起こしたのか等を判別しない構成である。もちろん、各層ごとに検出するような構成とすることもできる。ちなみに、このように5層構造としているのは、半導体材料Sの厚さtを薄くした方が、波高値の上昇速度も、発生電荷の収集高率もよくなるが、厚さtが薄いと素通りをしてしまうγ線が多くなることから、電荷の収集効率を高めつつ、素通りをしてしまうγ線の量を少なくして、半導体材料Sとγ線との相互作用を増やすためである(カウント数を増やすためである)。
このような積層構造の検出器21の構成とすることで、より良好な波高値の上昇速度(立ち上がり)とより正確な波高値が得られると共に、半導体材料Sと相互作用を及ぼすγ線の数(カウント数)を増やすこと(感度を上昇させること)もできる。
なお、以上の説明では、γ線と相互作用を及ぼす半導体材料SをCdTeとしたが、半導体材料SがTlBrやGaAs等であってもよいのはいうまでもない。また、積層構造や上層・下層の語を用いたが、この語は、図4を基準にしてのものであり、見る方向を90℃横にした場合は、積層構造は例えば並列構造、上下は例えば左右というように読み替えられるものである。また、γ線が入射する方向が、図5の上方・下方、左方・右方であってもよい。換言すれば、検出器21は、複数(例えば5つ)の半導体材料Sが相互間にカソードCとアノードAとを交互に挟んで並列に配置した構造を有する。
≪検出器ユニット≫
カメラ11の内部に配置される各検出器ユニット2は、図5に示すとおり、12枚の結合基板20を収納部材である断熱性被覆体(枠体)30内に収納して構成される(12基板ユニット)。ちなみに、PET装置1のカメラ11は、この検出器ユニット2が周方向に60〜70個着脱自在に配置された構成をしており(図2参照)、保守点検が容易なようにされている。
≪結合基板;検出器基板とASIC基板≫
検出器ユニット2(図5)内に設置される結合基板(検出器基板・ASIC基板)20の詳細構造を、図6を用いて説明する。結合基板(半導体放射線検出装置)20は、複数の検出器21が設置された検出器基板(第1の基板)20A、及びコンデンサ22、抵抗23、アナログASIC24、アナログ/デジタル変換器(以下、ADCという)25及びデジタルASIC26が設置されたASIC基板(第2の基板)20Bを有する。
(検出器基板)
図6を参照して、検出器21を設置した検出器基板20Aを説明する。図6(a)に示されるように、検出器基板20Aは、基板本体20aの片面上に、複数の検出器21を格子状に配列して設置(実装)している(一列16個の検出器21が4列=横16個×縦4個の合計64個)。カメラ11の半径方向において、検出器21は基板本体20aに4列配置される。なお、上記した横16個の検出器21は、カメラ11の軸方向、すなわちベッド14の長手方向に配置される。また、図6(b)に示されるように、検出器基板20Aの両面に半導体放射線検出器21が設置されているので、1つの検出器基板20Aには、合計128個の検出器21が設置されていることになる。ここで、設置する検出器21の数が多くなるほどγ線を検出し易くなり、かつγ線検出の際の位置精度を高めることできる。このため、検出器21は、極力密に検出器基板20A上に設置される。ちなみに、図6(a)において、ベッド14上の被検者から放出されたγ線が、図面の下方から上方(矢印32の方向、すなわち、カメラ11の半径方向)に進行する場合、検出器基板20Aにおける左右方向の検出器21の配置を密にした方が、素通りするγ線の数(検出器21同士の隙間を通過するγ線の数)を減らすことができるので好ましい。これは、γ線の検出効率を高めることになり、得られる画像の空間分解能を高めることができる。
なお、本実施形態の検出器基板20Aは、図6(b)に示されるように、検出器21を基板本体20aの両面に設置しているので、片面にしか設置しない場合よりも、基板本体20aを両面搭載により共有化できる。このため、基板本体20aの数を半減することができ、周方向により密に検出器21を配置することができる。併せて、上記のように、検出器基板20A(結合基板20)の枚数を半分に減らせるので、結合基板20を後記する筐体30(図5参照)に装着する作業等の手間が省けるというメリットもある。
上記説明では、横16個の検出器21は、カメラ11の軸方向に配置される構造としたが、それに限定されない。例えば、横16個の検出器21を、カメラ11の周方向に配置する構造としてもよい。
図6(c)に示されるように、各検出器21は、前述した薄板状の半導体材料S(検出素子211)の単結晶を積層した積層構造をしている。この点の構成や作用は図6を参照して既に説明したとおりであるが、ここで補足的に説明する。検出器21は、前記したとおりアノードAとカソードCが設けられており、アノードAとカソードCの間には、電荷収集のために、例えば300Vの電位差(電圧)が設定されている。この電圧は、ASIC基板20B側からコネクタC1(図6(a))を介して検出器基板20A側へ供給される。また、各検出器21が検出した信号は、コネクタC1を介してASIC基板20B側へ供給される。このため、検出器基板20Aの基板本体20a内には、コネクタC1と各検出器21を接続する図示しない基板内配線(電荷収集用・信号授受用)が設けられている。なお、この基板内配線は多層構造をしている。本実施形態では、検出器21の各検出素子211は基板本体20aに並行に配置される。しかし、各検出素子211が基板本体20aに対して垂直になるように検出器21を設けてもよい。
(ASIC基板)
次に、ASICを搭載したASIC基板20Bを説明する。図6(a)に示すように、ASIC基板20Bは、基板本体20bの片面に、2個のアナログASIC24と1個のデジタルASIC26を設置している。また、図6(b)に示すように、アナログASIC24が基板本体20bの両面に設置されているので、1つのASIC基板20Bは合計4個のアナログASIC24を有する。また、ASIC基板20Bは、基板本体20bの片面で8個(=4個×2)、その両面で16個設置されたADC25を有する。また、1つの基板本体20bの両面には、コンデンサ22及び抵抗23が検出器21の数に対応した数だけ設置されている。また、これらの、コンデンサ22、抵抗23、アナログASIC24、ADC25、デジタルASIC26を電気的に接続するため、ASIC基板20B(基板本体20b)内には、前記した検出器基板20Aと同様に図示しない基板内配線が設けられている。この基板内配線も積層構造を形成している。
これらの各素子22,23,24,25,26の配列(基板内配線)は、検出器基板20Aから供給された信号が、コンデンサ22、アナログASIC24、ADC25、デジタルASIC26の順に供給されるようになっている。
なお、ASIC基板20Bは、各コンデンサ22に接続される基板内配線にそれぞれ接続されて検出器基板20Aとの電気的接続を行うコネクタ(スパイラルコンタクト)C1と、データ処理装置側との電気的接続を行う基板コネクタC2とを有している。ちなみに、前記した検出器基板20Aも各検出器21にそれぞれ接続される基板内配線と接続しているコネクタC1を有している。
(検出器基板とASIC基板の接続構造)
検出器基板20AとASIC基板20Bとの接続構造を説明する。
検出器基板20AとASIC基板20Bとは、その端面(端部)同士を突き合わせて接続するのではなく、図6(b)に示すように、端部近傍に重なり合うオーバラップ部分を設けてこれらのオーバラップ部分に存在するコネクタC1同士を接続する。この接続は、締結用のネジ等により着脱自在(分離・接続自在)に行われる。このような接続を行うのは次の理由による。即ち、検出器基板20AとASIC基板20Bとが接続(結合)された結合基板20を、水平方向に片端支持(片持ち支持)や両端支持すると、結合基板20の中央部(接続部分)には、該結合基板20を下方に撓ませたり曲げたりする力が作用する。ここで、接続部分が端面同士を突き合わせたものである場合は、接続部分が撓み易かったり折れ曲がり易かったりするので好ましくない。
この点を踏まえて、本実施形態では、検出器基板20AとASIC基板20Bとを、端面同士を付き合せて接続するのではなく、前記したように端部近傍を重なり合うようしてオーバラップ部を設けて接続している。このため、端面同士を突き合わせて接続するのに比べて撓みや曲げに対するタフネスさが向上するので好ましい。なお、結合基板の、撓みや曲げに対するタフネスさが向上すると、例えば検出器21の位置ずれが抑制されてγ線の発生位置を特定する精度の低下が防止される。ちなみに、図2に示すように、PET装置1のカメラ11には、図6に示す結合基板20を備える検出器ユニット2がドーナツ状に多数配置されるため、図2を基準にした水平方向に相当する3時の方向や9時の方向に
位置する結合基板20は撓んだり曲がったりし易くなる。このため、結合基板20の撓みや曲げに対するタフネスさが重要になる。
検出器基板20AとASIC基板20Bとは、前記したオーバラップ部分を利用して電気的に接続される。このため、図6(b)に示す検出器基板20A及びASIC基板20Bのそれぞれのオーバラップ部分には、両基板20A,20Bの基板内配線を電気的に接続する接続子(コネクタ)C1(図6(a))が設けられる。コネクタC1としては、電気的な接続を良好にするため、例えばスパイラルコンタクト(R)が使用される。スパイラルコンタクト(R)は、螺旋状の接触子にボール状の接続端子が広い面積で接触して良好な電気的な接続が図られるという特性を有する。なお、ボール状の接続端子がASIC基板20B側に設けられる場合は、螺旋状の接触子は検出器基板20A側に設けられ、ボール状の接続端子が検出器基板20A側に設けられる場合は、螺旋状の接触子はASIC基板20B側に設けられる。
このような、検出器基板20AとASIC基板20Bとの電気的な接続構造を用いることで、信号を検出器基板20AからASIC基板20Bへと、低損失で伝送することができる。ちなみに、損失が少なくなると、例えば検出器21としてのエネルギ分解能が向上する。
また、前記したように、検出器基板20AとASIC基板20Bとの接続は、ネジ等による着脱自在な接続となっている。このため、例えば、半導体放射線検出器21やASIC24,26に不具合が生じた場合でも、不具合のある部分だけを取り替えれば済む。よって、一部に不具合があるために、結合基板20全体を取り替えるといったようなムダを無くすことができる。なお、検出器基板20AとASIC基板20Bとの電気的接続は、前記したスパイラルコンタクト(R)のようなコネクタC1によって行われることから、基板同士の接続・接続の解除(結合・結合の解除)は容易である。
前記の構成は、ASIC基板20Bに1つの検出器基板20Aを接続しているが、検出器基板を複数に分割してもよい。例えば、横方向に8個、縦方向に4個の検出器21を1つの基板実装とし、2枚の検出器基板をASIC基板に接続する構成でもよい。本構成では、1つの検出器21が故障した場合に2枚の内の故障した検出器を搭載している検出器基板だけを交換すればよく、保守時の無駄な作業の低減(コストダウン)が図れる。
本実施形態では、検出器21のみならずアナログASIC24及びデジタルASIC26が1つの結合基板20に含まれているため、検出器21、アナログASIC24及びデジタルASIC26を、ベッド14の長手方向、すなわち、検査を受ける被検者の体軸と直交する方向に配置できるため、カメラ(撮像装置)11のベッド長手方向における長さを必要以上に長くしなくても済む。アナログASIC24及びデジタルASIC26を環状に配置された検出器群の、半径方向の外側でベッド14の長手方向に配置することも考えられるが、カメラ11のベッド長手方向における長さが必要以上に長くなる。また、検出器21として半導体放射線検出器を用い、信号処理装置としてアナログASIC24及びデジタルASIC26を用いているため、結合基板20の長手方向の長さが短縮され、シンチレータを用いた場合に比べてカメラ11の上記直交方向における長さを著しく小さくできる。更には、結合基板20は、その長手方向に検出器21、アナログASIC24及びデジタルASIC26を順次配置しているため、これらを接続する配線の長さを短くでき、基板における配線が単純化される。
(素子の配置レイアウト)
次に、結合基板20における検出器21やASIC24,26等の素子の配置レイアウトを、図6及び図8を参照して説明する。
図6に示すように、検出器21は、図示しない電気配線により、コネクタC1、コンデンサ22を介してアナログASIC24と接続されている。抵抗23は、図18に示すように、コネクタC1とコンデンサ22を接続する配線に接続されている。検出器21で検出されたγ線の検出信号は、その電気配線を介して、コンデンサ22を通り、アナログASIC24で処理されるようになっている。また、アナログASIC24で処理された信号は、ADC25及びデジタルASIC26で処理されるようになっている。
ここで、回路の長さや配線の長さ(距離)は、これが短い方が、途中でのノイズの影響や信号の減衰が少なくて好ましい。また、PET装置1で同時計測処理を行う場合は、回路や配線の長さが短い方が時間の遅れが少なくて好ましい(検出時間の正確さが損なわれないので好ましい)。このため、本実施形態では、カメラ11の半径方向においてカメラ11の中心軸から外側に向かって、図6(a)に示すように、検出器21、コンデンサ22、抵抗23、アナログASIC24、ADC25、デジタルASIC26の順に各素子21,22,23,24,25,26を配置(レイアウト)している。つまり、カメラ11の中心軸から外側に向かって、「検出器、アナログの集積回路、AD変換器、デジタルの集積回路の順になるように基板上に配置され、かつこの順に配線」している。このため、検出器21で検出された微弱な信号を、配線の長さ(距離)を短くしてアナログASIC24に伝送することができる。
なお、アナログASIC24で信号が増幅される等の処理が行われているので、アナログASIC24以降の配線の長さが長くともノイズの影響は受けにくい。つまり、ノイズの点を考えれば、アナログASIC24以降の配線の長さが長くとも支障はない。ただし、配線の長さが長いと信号伝達が遅延するので、前記したとおり検出時間の正確性は損なわれる可能性はある。
本実施形態では、検出器21のみならずアナログASIC24及びデジタルASIC26が1つの結合基板20に含まれているため、検出器21、アナログASIC24及びデジタルASIC26を、ベッド14の長手方向、すなわち、検査を受ける被検者の体軸と直交する方向に配置できるため、カメラ(撮像装置)11のベッド長手方向における長さを必要以上に長くしなくても済む。アナログASIC24及びデジタルASIC26を環状に配置された検出器群の、半径方向の外側でベッド14の長手方向に配置することも考えられるが、カメラ11のベッド長手方向における長さが必要以上に長くなる。また、検出器21として半導体放射線検出器を用い、信号処理装置としてアナログASIC24及びデジタルASIC26を用いているため、結合基板20の長手方向の長さが短縮され、シンチレータを用いた場合に比べてカメラ11の上記直交方向における長さを著しく小さくできる。更には、結合基板20は、その長手方向に検出器21、アナログASIC24及びデジタルASIC26を順次配置しているため、これらを接続する配線の長さを短くでき、基板における配線が単純化される。
ここで、本実施形態では、1個のアナログASIC24は、それぞれ32個の検出器21と接続されており、検出器21から得られる信号を処理する。図18、図19に示すように、1個のアナログASIC24は、スロー系とファースト系とを有するアナログ信号処理回路(アナログ信号処理装置)133を32組備えている。アナログ信号処理回路133は検出器21ごとに設けられ、1つのアナログ信号処理回路133は1つの検出器21に接続される。ここで、ファースト系は、γ線の検出時刻を特定するためのタイミング信号を出力するタイミングピックオフ回路24aを有している。タイミングピックオフ回
路24aはチャージアンプ(前置増幅器)24bの出力端に接続される。また、スロー系は、検出したγ線の波高値を求めることを目的として、チャージアンプ24b、極性アンプ(線形増幅器)24c、バンドパスフィルタ(波形整形装置)24d、ピークホールド回路(波高値保持装置)24eがこの順序に接続されて設けられている。ちなみに、スロー系は、波高値を求めるためにはある程度の処理の時間を要することから「スロー」という名前が付いている。検出器21から出力されてコンデンサ22及び抵抗23を通過したγ線検出信号は、チャージアンプ24b、極性アンプ24cで増幅される。増幅されたγ線検出信号はバンドパスフィルタ24dを経てピークホールド回路24eに入力される。
ピークホールド回路24eは、検出信号の最大値、つまり検出したγ線のエネルギーに比例したγ線検出信号の波高値を保持する。1個のアナログASIC24は32組のアナログ信号処理回路133をLSI化したものである。
なお、コンデンサ22及び抵抗23をアナログASIC24の内部に設けることもできるが、適切なコンデンサ容量や適切な抵抗値を得るため、及び、アナログASIC24の大きさを小さくする等の理由から、本実施形態では、コンデンサ22及び抵抗23はアナログASIC24の外に配置されている。ちなみに、コンデンサ22及び抵抗23は、外部に設けた方が、個々のコンデンサ容量や抵抗値のバラツキが少ないとされている。
図18に示すアナログASIC24について、本実施形態では、このアナログASIC24のスロー系の出力は、ADC(アナログ・デジタル変換器)25に供給されるようになっている。さらに、アナログASIC24のファースト系の出力は、デジタルASIC26に供給されるようになっている。
アナログASIC24と各ADC25は、8ch分のスロー系の信号を纏めて送信する1本の配線でそれぞれ接続されている。また、各アナログASIC24とデジタルASIC26は、32chのファースト系の信号を1つ1つ送信する32本の配線で接続されている。つまり、1個のデジタルASIC26は、4個のアナログASIC24と合計128本の配線で接続されている。
なお、アナログASIC24から出力されるスロー系の出力信号は、アナログの波高値である。また、アナログASIC24からデジタルASICに出力されるファースト系の出力信号は、検出時刻に対応したタイミングを示すタイミング信号である。このうちスロー系の出力である波高値は、アナログASIC24とADC25とを接続する配線によりADC25に入力され、ADC25によりデジタル信号に変換される。ADC25では、例えば波高値を8ビット(0〜255)のデジタルの波高値に変換する(ex.511KeV→255)。また、スロー系の出力であるタイミング信号は、前記したアナログASIC24とデジタルASIC26とを接続する配線によりデジタルASIC26に供給される。
ADC25は、デジタル化して8ビットの波高値情報をデジタルASIC26に送信す
る。このため、各ADC25とデジタルASIC26とは配線で接続されている。ちなみに、デジタルASIC26は、ADC25が両面で16個あることから、合計16本の配線でADC25と接続されている。1個のADC25は、8ch分の信号(検出素子8個分の信号)を処理する。なお、ADC25は、デジタルASIC26と、ADC制御信号伝送用の1本の配線、及び波高値情報伝送用の1本の配線で接続される。
デジタルASIC26は、図19に示すように、8個の時刻決定回路(時刻情報生成装置)135及び1個のADC制御回路(ADC制御装置)136を含む複数のパケットデータ生成装置134、及びデータ転送回路(データ送信装置)137を有しており、これらをLSI化したものである。PET装置に設けられた全てのデジタルASIC26は、図示されていない500MHzのクロック発生装置(水晶発振器)からのクロック信号を受け、同期して動作している。各デジタルASIC26に入力されたクロック信号は、全パケットデータ生成装置134内のそれぞれの時刻決定回路135に入力される。時刻決定回路135は、検出器21毎に設けられ、該当するアナログ信号処理回路133のタイミングピックオフ回路24aからタイミング信号を入力する。時刻決定回路135はタイミング信号を入力した時のクロック信号に基づいてγ線の検出時刻を決定する。タイミング信号は、アナログASIC24のファースト系の信号に基づくものであるので、真の検出時刻に近い時刻を検出時刻(時刻情報)とすることができる。ADC制御回路136は、時刻決定回路135から、γ線を検出したタイミング信号を受けその検出器IDを特定する。すなわち、ADC制御回路136は、ADC制御回路136に接続される各時刻決定回路135に対する検出器IDを記憶しており、ある時刻決定回路135から時刻情報を入力したとき、その時刻決定回路135に対応する検出器IDを特定できる。これは、時刻決定回路135が検出器21ごとに設けられているために可能となる。さらに、ADC制御回路136は、時刻情報を入力した後、検出器ID情報を含むADC制御信号をADC25に出力する。ADC25は、その検出器IDに対応するアナログ信号処理回路133のピークホールド回路24eから出力された波高値情報を、デジタル信号に変換して出力する。この波高値情報は、ADC制御回路136に入力される。ADC制御回路136は、時刻情報及び検出器IDに波高値情報を付加してパケットデータを生成する。ADC制御回路136は、ADC25を制御するADC制御装置と、検出器ID情報(検出器位置情報)、前記時刻情報及び波高値情報を統合する情報統合装置との機能を有する。情報統合装置はそれらの3つの情報を含むデジタル情報である統合情報(パケット情報)を出力する。各パケットデータ生成装置134のADC制御回路136から出力されたパケットデータ(検出器ID、時刻情報及び波高値情報を含む)は、データ転送回路137入力される。
データ転送回路137、各パケットデータ生成装置134のADC制御回路136から出力されたデジタル情報であるパケットデータを、例えば定期的に、12枚の結合基板20を収めている検出器ユニット2(図10、図11)の筐体30に1個設けられているユニット統合用の集積回路(ユニット統合FPGA(Field Programmable Gate allay))131に送信する。ユニット統合FPGA(以下、FPGAという)131は、それらのデジタル情報をコネクタ138に接続された情報伝送用配線を介してデーター処理装置12に送信する。
本実施形態は、ADC25が、ADC制御回路136から出力される制御信号に含まれる検出器ID情報に対応するピークホールド回路24eから出力された波高値情報を、デジタル信号に変換するため、1つのアナログASIC24内の複数のアナログ信号処理回路133に対して1つのADC25を設けている。従って、1つのアナログ信号処理回路133に対して1つづつADC25を設ける必要がなく、ASIC基板20Bの回路構成を著しく単純化できる。統合情報を生成する情報統合装置も、1つのアナログASIC24内の複数のアナログ信号処理回路133に対して1つ設ければよく、デジタルASIC26の回路構成が単純化できる。また、検出器IDを特定するADC制御装置も1つのアナログASIC24内の複数のアナログ信号処理回路133に対して1つでよく、デジタルASIC26の回路構成が単純化できる。
こうして、デジタルASIC26から出力された、(1)波高値情報、(2)決定した時刻情報、及び(3)検出器21の1個1個を一意に識別する検出器IDを含むパケットデータは、情報伝送用配線を介して後段のデータ処理装置12(図1参照)に送信される。データ処理装置12の同時計測装置12Aは、デジタルASIC26から送信されたパケットデータを基に、同時計測処理(設定時間の時間窓で所定エネルギのγ線を2個検出したときは、これらのγ線を、1つの陽電子の消滅により発生した一対のγ線とみなす処理)を行って、同時計測したその一対のγ線を一個として計数し、その一対のγ線を検出した2つの検出器21の位置をそれらの検出器IDより特定する。データ処理装置12は、前述の時間窓内で検出されたγ線検出信号が3つ以上ある(γ線を検出した検出器21が3つ以上ある)場合に、それらのγ線検出信号の波高値情報等を用いて3つ以上ある検出器21のうち最初にγ線が入射された2つの検出器21を特定する。特定された一対の検出器21が同時計測されて1つの計数値が生成される。また、データ処理装置12の断層像情報作成装置12Bは、同時計測で得た計数値及び検出器21の位置情報を用いて、放射性薬剤の集積位置、すなわち悪性腫瘍位置での被検者の断層像情報を作成する。この断層像情報は表示装置13に表示される。上記のデジタル情報、同時計測で得た計数値及び検出器21の位置情報、及び断層像情報等の情報は、データ処理装置12の記憶装置に記憶される。
ちなみに、前記した説明では、検出器21を設置する基板本体20a(検出器基板20A)と、ASIC24,26を設置する基板本体20b(ASIC基板20B)とが別の基板になっている。このため、例えば、両ASICをBGA(Ball Grid Allay)を介して基板にリフローでハンダ付けする際に、ASIC基板だけをハンダ付け処理できるので、半導体放射線検出器21を高温に晒す必要がなく好ましい。もちろん、全ての素子21〜26を同一の基板上に配置することとして、コネクタC1を用いないようにすることもできる。
≪検出器ユニット;結合基板の収納によるユニット化≫
次に、前記した結合基板20の断熱性被覆体30への収納によるユニット化を説明する。本実施形態では、12枚の結合基板20を収納部材である断熱性被覆体(枠体)30内に収納して検出器ユニット(12基板ユニット)2を構成している。ちなみに、PET装置1のカメラ11は、この検出器ユニット2が周方向に60〜70個着脱自在に配置された構成をしており(図20(b)参照)、保守点検が容易なようにされている(図2参照)。
(断熱性被覆体への収納)
図5に示すように、検出器ユニット2は、12枚の前記した結合基板20、この12枚の結合基板20に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源PSを断熱性被覆体30内に収納して構成される。断熱性被覆体30は、結合基板20と、この12枚の結合基板20に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源PS、外部との信号の授受を行う信号用のコネクタを収納する筐体30aと、FPGA131、外部との信号の授受を行う信号用及び外部から電源の供給を受けるための電源用の両者を兼ねるコネクタ138が設けられる天板30bとを有し、断熱性材料で形成されている。
図5及び図7に示すように、結合基板20は、奥行方向(ベッド14の長手方向)には重なり合わないように3列、間口方向(カメラ11の周方向)には4列並んで筐体30a内に収められている。つまり、1個の筐体30aには、結合基板20が12枚収納されている。このように収納するため、奥行方向に伸びる1条のガイド溝(ガイドレール)G1を周方向に適宜離間して4列備えるガイド部材139が、筺体30a内に配置され、筺体30aの上端部に取り付けられている。ガイド部材139は、各ガイド溝G1の部分に、天板30bの各コネクタC3と対向する位置にそれぞれ開口140(図9)を有する。更に、奥行方向に伸びる1条のガイド溝(ガイドレール)G2を有する4つのガイド部材141が、周方向に適宜離間して筐体30aの底板30cに設けられる(図7参照)。ガイド溝G1,G2は、結合基板20を3枚(3つ)収納する分の奥行を持っている。結合基板20のASIC基板20B側端部がガイド溝G1に、結合基板20の検出器基板20A側端部がガイド溝G2に、それぞれ収納される。3つの結合基板20がガイド溝G1,G2の奥行方向に3つの保持されるようになっている。ちなみに、結合基板20は、ASIC基板20B側端部と検出器基板20A側端部がガイド溝G1,G2で摺動するようになっているので、指等で結合基板20を、ガイド溝G1,G2内を滑らして所定の箇所に容易に位置させることができる。このとき、各基板コネクタC2はそれぞれ開口140の部分に位置している。所定枚数の結合基板20が筺体30a内に配置された後、天板30bが筺体30aの上端にネジ等で着脱自在に取り付けられる。天板30bに設けられた各コネクタC3は、該当する開口140内に挿入されて該当する基板コネクタC2に接続されている。なお、筐体30aの上部・下部とは、筐体30をカメラ11から取り出した場合のことであり、図2に示されるように、筐体30aがカメラ11に備えられた場合には、上下が反転したり、上下が90°回転して左右になったり、或いは斜めになったりする。
図5に示すように、天板30bには、前記した4列のガイド溝G1が備えられるほかに、FPGA131及びコネクタ138が備えられる。コネクタ138はFPGA131に接続される。FPGA131は、現場でプログラムを組むことができる。この点、プログラムを組むことができないASICとは異なる。従って、本実施形態のように、FPGA131では、例えば収納する結合基板20の数や種類が変わった場合でも、現場でプログラミングすることで、枚数変更にも適切に対応することができる。
なお、本実施形態で用いているCdTeを半導体材料Sとする検出器21は、光に反応して電荷を発生することから、筐体30a、天板30bはアルミニウムやアルミニウム合金といった遮光性を有する材料から構成される。断熱性被覆体30は、光が侵入する隙間をなくし、遮光性を有する構成をしている。
図20(a)に示すように、検出器ユニット2は、ユニット支持部材2Aを介して装着される。また、この図20(b)に示すように、検出器ユニット2は、ユニット支持部材2Aに片端支持されてカメラ11に装着されている。ユニット支持部材2Aは、中空の円盤状(ドーナッツ状)をしており、検出器ユニット2を装着する窓をカメラ11の周方向に多数(装着する検出器ユニット2の数だけ)備えている。このように、検出器ユニット2を片端支持するため、検出器ユニット2の筐体30aの体軸方向手前側には、ストッパとなるフランジ部分が設けてある。ちなみに、検出器ユニット2を周方向に極力密に並べようとすると、周方向内側のフランジ部分は邪魔になる。そこで、この邪魔になる部分のフランジ部分を筐体30aからなくし、周方向外側のフランジ部分を残すようにしてもよい。ユニット支持部材2Aをもう1つ設置し、検出器ユニット2の両端部を両方のユニット支持部材2Aで保持してもよい。
上記のように各検出器ユニット2がユニット支持部材2Aに取り付けられるため、それらの検出器ユニット2はベッド14の周囲を取り囲むように配置される。検出器ユニット2内では、全検出器21がアナログASIC24及びデジタルASIC26の集積回路よりもベッド14に近いほうに配置される。
本実施形態は、検出器ユニット2をユニット支持部材2Aに取り付けるため、一度に多数の検出器21をカメラ11に取り付けることができる。このため、検出器21のカメラ11への取り付け時間が著しく短縮できる。また、検出ユニット2内の全結合基板20のデータ転送装置137から出力されたパケットデータ(結合基板20の全検出器21に対する全パケットデータ)が、検出ユニット2に設けられたユニット統合FPGA131からデータ処理装置12に送られる。このため、本実施形態におけるデータ処理装置12にパケットデータを伝送する配線の数が、結合基板20の各データ転送回路137からデータ処理装置12にそれぞれパケットデータを送信する場合に比べても著しく低減される。
なお、カメラ11に検出器ユニット2を装着する場合は、蓋11aを取り外して、ユニット支持部材2Aを露出させ、そこから検出器ユニット2をフランジ部分が突き当たるまで差し込んで装着するようになっている。なお、差し込んで装着することにより、カメラ11と検出器ユニット2のコネクタの接続が行われ、カメラ11と検出器ユニット2との信号及び電源の接続がなされる。
(電源)
次に、電荷収集用の電圧を供給する高圧電源装置PSについて説明をする。図5に示すように、検出器ユニット2は、各検出器21に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源装置PSを設置している。この高圧電源装置PSは、コネクタ138を介して外部の電源(図示せず)から供給された低電圧の直流電圧を、図示しないDC−DCコンバータ(第1電圧昇圧装置)により電圧を300Vに昇圧して各検出器21に供給するようになっている。ちなみに、検出器21は、結合基板20(=検出器基板20A)1枚について、片面で64個、両面で128個備えられている。そして、この結合基板20が1つの検出器ユニット2には12枚収納される。よって、第1電圧昇圧装置からは、128×12=1536個の検出器21に電圧が供給される。
≪冷却機構≫
次に、本実施形態の特徴である半導体放射線検出器を冷却するための冷却機構について説明する。図5に示すように、検出器ユニット2は、内部に冷却機構(冷却装置)であるペルチェ素子31を設置している。検出器基板20A、具体的には基板本体20aは、高熱伝導性を有する素材、例えば、熱伝導性が良好なセラミックである窒化アルミニウム(AlN)または銅箔付き炭素複合材等の銅張り基板本体で形成される。図6(a)、図6(b)及び図7に示すように、各検出器基板20Aの上端片側にペルチェ素子31がそれぞれ配置されている。ペルチェ素子31は、天板30bに各ペルチェ素子31に対応して設けられたペルチェ素子用電源コネクタ31aと電気的に接続されている。各ペルチェ素子31は、その検出器基板20Aと接する側と反対側の面で、ヒートパイプ32と接続されている。ヒートパイプ32は、後記の放熱板33cに熱的に接続されている。
さらに、検出器ユニット2は、集積回路、すなわち、アナログASIC24及びデジタルASIC26を冷却する他の冷却機構(冷却装置)を備える。この冷却機構は、冷却ジャケット33a,33b、放熱板33c、冷却液パイプ34、冷却液チラーユニット(冷却器)35を含んでいる。図5、図6(a)、図6(b)及び図7に示すように、各ASIC基板20Bの基板本体20bの両面に設置された4個のアナログASIC24と、基板本体20bの片面に設けられた1個のデジタルASIC26は、基板20bの両面に設置された厚さ2mmの銅製あるいはアルミニウム製の放熱板33cに接続され、各放熱板33cはそれぞれ基板20Bの上端部を切り欠いて作られた領域に設置された冷却ジャケット33a,33bを挟むように装着されている。各冷却ジャケット33a,33bは、冷却液パイプ34で連絡され、冷却液パイプ34は、図5に示すように、天板30bに設けられた冷却液パイプ用コネクタを介して、筐体30aの側部に配置された冷却液チラーユニット35と連絡されている。冷却液としては、例えば、金属腐食防止剤を添加したグリコール系不凍液やシリコーン油等が用いられる。冷却液の温度はPET装置1が設置されている部屋の室温程度でよいため、冷却液チラーユニット35として、水冷PC等に使用されている水冷冷却ユニットを用いてもよい。
この冷却機構において、ペルチェ素子用電源コネクタ31aからペルチェ素子31に電流を供給すると、ペルチェ素子31に接する検出器基板20が冷却される。そして、ペルチェ素子31によって奪われた熱、及びペルチェ素子31で発生した熱は、ペルチェ素子31に接続されたヒートパイプ32を介して放熱される。このとき、各結合基板20においては、冷却液チラーユニット35から冷却液パイプ34を通って、その冷却パイプ34によって連絡された冷却ジャケット33a,33b内に冷却液が循環流通し、放熱板33cを通して4個のアナログASIC24と1個のデジタルASIC26が冷却される。また、冷却ジャケット33aに熱的に接続されているヒートパイプ32から、検出器21から奪われた熱が放熱される。
本実施形態におけるペルチェ素子31及び冷却液チラーユニット35への電圧の印加(電流の供給)について、具体的に説明する。ペルチェ素子31及び冷却液チラーユニット35への電圧の印加は、高圧電源装置PSにより行われる。高圧電源装置PSは、図示しないが、電荷収集用の電圧を供給するDC−DCコンバータ(第1電圧昇圧装置)とは別のDC−DCコンバータ(第2電圧昇圧装置)を備える。この第2電圧昇圧装置は、上記した外部電源からコネクタ138を介して供給された低電圧の直流電圧を、200V(または100V)に昇圧してペルチェ素子用電源コネクタ31aを介してペルチェ素子31に、冷却液チラーユニット35にそれぞれ供給する。
本実施形態では、アナログASIC24及びデジタルASIC26の冷却を冷却液チラーユニット35で冷却されて冷却液を用いているが、冷却液チラーユニット35を空気チラーユニットにしてこのチラーユニットで冷却された空気によりアナログASIC24及びデジタルASIC26を冷却することも可能である。
こうして、ペルチェ素子31に接する基板本体20aを介して、検出器21は、冷却される。この検出器21の冷却によって、検出器21を構成する半導体材料Sにおいて、(1)リーク電流の低減(ノイズの低減)、(2)発生電荷の移動度の向上(検出信号の立ち上がり時間の短縮、電荷収集効率の向上、不感時間の低減)、(3)発生電荷の寿命が増加(電荷収集効率の向上)、(4)ポーラリゼーションの抑制(素子の性能の安定化)、等の物理的性能の向上効果が得られる。これらの効果により、PET装置1においては、前記(1)〜(3)の効果により、検出器21のエネルギ分解能が向上し、(a)散乱線の除去精度の向上、検出時間信号の時間短縮から(b)検出時間信号の精度の向上、不感時間の低減から(c)計数率の向上、が得られる。すなわち、これらの総合的効果として腫瘍位置を示す真のγ線信号と散乱線や同時偶発事象の比を表すNECR(Noise equivalent count rate:S/N比に相当する指標)の向上につながり、上記した断層像情報に基づいて表示装置13に表示される画像のコントラストを向上させることができる。画像のコントラストを従前通りにすれば、検査時間を著しく短縮させることができる。
また、(4)の物理的効果においては、半導体放射線検出器21のもつ電荷ピークの位置ずれ等の問題点を抑制し、複雑な対策を施さなくても長時間より安定に稼働させることができるようになる。
さらに、本実施形態を適用する以前のシステムと同じ性能で比較するならば、検出器バイアスの低電圧化、検出素子厚を厚くできるなど、装置構成において、簡略化が期待できる。
基板本体20aを介した検出器21の冷却機構を採用することによって、単純な空冷に比べて冷却空気が通るスペースを確保する必要がないため、検出器基板20Aにおける検出器21の配置密度を著しく増大させることができる。さらに、室温の空気による空冷は、相当量の冷却空気流量を必要とし、空力振動等によるγ線検出信号へのノイズの影響が懸念される。本実施形態ではそのような問題が生じない。
本実施形態は、検出器ユニット2毎に冷却機構(ペルチェ素子31、冷却液チラーユニット35等)を設けているため、冷却機構を小型化することができる。これは、核医学診断装置をコンパクト化することに貢献する。検出器ユニット2毎に冷却機構を設けているため、各検出器21の冷却効率が向上できる。
本実施形態は、高圧電源装置PSが外部の直流電源から印加される低電圧を第1昇圧装置で300Vに、第2昇圧装置で200V(または100V)にそれぞれ昇圧するため、高電圧部分を少なくすることができた。これにより、絶縁距離を短くすることができた。すなわち、コネクタ42から直流電源までは高電圧配線にする必要がなくなった。また、保守等が容易になった。
本実施形態は、第1及び第2昇圧装置が検出器ユニット2の、ベッド14の長手方向における1つの端部に配置されているため、周方向で隣接する各検出器ユニット2相互間の間隔を狭くすることができる。これは、その周方向において検出器21を密に配置できることになり、γ線の検出効率の増大に貢献する。冷却液チラーユニット35も検出器ユニット2の、ベッド14の長手方向における他端部に配置されているため、周方向で隣接する各検出器ユニット2相互間の間隔はその狭い状態を保持する。
検出器ユニット2がPET装置1から取り外すことができるため、冷却機構の保守点検も簡単に行うことができる。冷却機構が検出器ユニット2ごとに設けられているため、検出器ユニット2ごとに冷却機構を点検できる。
次に、図8及び図9は、半導体放射線検出装置の検出器ユニットの他の例を示す。この半導体放射線検出装置の検出ユニット2Aにおいて、冷却機構を異にする以外は、結合基板20、筐体30a、天板30b、基板コネクタC2及び高電圧装置PSは、前記図5〜7に示す検出器ユニット2と同様の構成を有するものであり、これらの構成については、説明を省略する。ただし、高電圧装置PSは、第1昇圧装置を含んでいるが、図5に示す冷却機構で述べた第2昇圧装置を備えていない。以下、この検出器ユニット2Aにおける冷却機構について説明する。
≪冷却機構≫
図8に示すように、検出器ユニット2Aは、各検出器21に電荷収集用の電圧を供給する高電圧装置PSとともに、断熱性被覆体30内に被包されている。断熱性被覆体30は、結合基板20と、この12枚の結合基板20に電荷収集用の電圧を供給する高電圧装置PS、外部との信号の授受を行う信号用のコネクタを収納する筐体30aと、外部から電源の供給を受けるための電源用のコネクタ等が配置される天板30bとから構成され、断熱性材料で形成されている。筐体30aの両側部には、PET装置が設置される部屋の室温以下の温度の乾燥冷風を生成する一対のチラーユニット36a,36bが設けられる。このチラーユニット36a,36bは、筐体30aの底板30c上に配列された複数の冷風配管37で連絡されている。冷風配管37は、各結合基板20の下端が嵌着されるガイド溝G2の間およびガイド溝G2と筐体30aの側壁との間に、各結合基板20の長手方向に沿って配列され、図9に示すように、上部の検出器21に向けて冷風を吹き出すための冷風吹き出し口38が穿設されている。また、天板30bには、金属のメッシュで電磁シールドされた開口である通風孔39が設けられている。
この冷却機構において、チラーユニット36a,36bから冷風配管37に、筐体30aの両側部から乾燥冷風WA,WBを吹き込む。吹き込まれた乾燥冷風WA,WBは、冷風配管37を流通し、冷風吹き出し口38から、図9に示すように、各検出器21に向けて吹き出される。この乾燥冷風WA,WBによって、検出器21が冷却される。また、検出器21を冷却した乾燥冷風WA,WBは、検出器ユニット2の断熱性被覆体30内の空間を集積回路側に向かって流れ、アナログASIC24、ADC25、デジタルASIC26を冷却し、通風孔39から排気される。このとき、チラーユニット36a,36bには、電源40から電源ライン41a,41bを通じてPET装置の外部より電力が供給される。チラーユニット36a,36bへの電力の供給は、電源ライン41a,41bの替りに図5に示す例と同様に高電圧装置PSに第2昇圧装置を設け、この第2昇圧装置より行っても良い。
こうして、検出器21は、冷却される。この冷却機構によって図5から図7にて説明した冷却機構と同様の効果が得られる。
また、検出器21を冷却した乾燥冷風は、そのまま基板20Bの各ASICを冷却するため、通常の室温空冷よりも効率よく冷却ができる。したがって、低流量の導入で済むこ
とから、大型ファンの排除や騒音問題を低減することができる。
すなわち、検出器21は前述した室温より低い温度に冷却することが望ましく、集積回路は室温以上であまり高くない温度範囲に冷却してもかまわない。本実施形態の冷却機構は、冷風配管37の冷風吹き出し口38から断熱性被覆体30内に噴出させた乾燥冷風(前述した室温以下の温度)を、断熱性被覆体30内の検出器21を配置した領域から発熱量の大きな集積回路を配置した領域に向かって流す構成を有しているため、乾燥冷風によって検出器21を先に冷却することができる。このため、検出器21の冷却効率が増大する。また、検出器21はほとんど発熱しないので、検出器21を冷却した乾燥冷風によって集積回路を冷却することができる。本実施形態は、検出器21の冷却用乾燥空気及び集積回路の冷却用の乾燥冷風を別々に供給する場合に比べて、必要とする乾燥冷風の流量を著しく低減できる。
次に、図10〜12は、半導体放射線検出装置の検出器ユニットの他の例を示す。この半導体放射線検出装置の検出器ユニット2Bにおいて、冷却機構を異にする以外は、結合基板20、筐体30a、天板30b、基板コネクタC2、コネクタC3及び高電圧装置PSは、前記図5〜7に示す検出器ユニット2と同様の構成を有するものであり、これらの構成については、説明を省略する。したがって、以下、この検出器ユニット2Bにおける冷却機構について説明する。
≪冷却機構≫
図10に示すように、検出器ユニット2Bは、複数の結合基板20、及び各検出器21に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源装置PSを、断熱性被覆体30で覆うことによって構成されている。断熱性被覆体30は、12枚の結合基板20、これらの結合基板20に電荷収集用の電圧を供給する高圧電源PS、及び外部との信号の授受を行う信号用のコネクタを収納する筐体30aと、外部から電源の供給を受けるための電源用のコネクタ等が配置される天板30bとを有し、断熱性材料で形成されている。断熱被覆体30は、必ずしも断熱性である必要はないが、冷却効率を高めるために断熱性にすることが望ましい。検出器基板20Aは、図11(a)、図11(b)及び図12に示すように、検出器21とともに、密閉容器42内に収容されている。密閉容器42は、パッキン43によって検出器基板20Aに液密に装着されている。図10に示すように、隣り合う密閉容器同士は、断熱性の冷却液パイプ44によって連絡されている。高圧電源装置PSは、検出器21に電圧を印加する第1昇圧装置、及び後述の冷却液チラーユニット46に電圧を印加する第2昇圧装置を含んでいる。
また、図10〜12に示すように、各ASIC基板20Bの基板本体20bの両面に設置された4個のアナログASIC24と、基板本体20bの片面に設けられた1個のデジタルASIC26は、基板20bの両面に設置された厚さ2mmの銅製あるいはアルミニウム製の放熱板33cに接続され、各放熱板33cはそれぞれ基板20Bの上端部を切り欠いて作られた領域に設置された冷却ジャケット33a,33bを挟むように装着されている。各冷却ジャケット33a,33bは、冷却液パイプ34で連絡され、冷却液パイプ34は、図10に示すように、天板30bに設けられた冷却液パイプ用コネクタを介して、筐体30aの側部に配置された冷却液チラーユニット46と連絡されている。冷却液チラーユニット46は、室温より低い温度の冷却液を生成する。冷却液としては、低粘性の絶縁性液体が好ましく、例えば、金属腐食防止剤を添加したグリコール系不凍液やシリコーン油等が用いられる。基板20Bの冷却構成については、図5から図7に示した先の例とほぼ同じである。冷却液チラーユニット46の替りに、ペルチェ素子を用いた電子冷却器を用いることが可能である。
ただし、この冷却機構においては、冷却液は冷却液チラーユニット46から冷却液パイプ44を通って、密閉容器42、冷却ジャケット33a,33bの順で冷却液が循環流通し、検出器基板20Aに配置された検出器21、放熱板33cに接続された4個のアナログASIC24と1個のデジタルASIC26が冷却される。
こうして、検出器21は、冷却される。この冷却機構によって図5から図7にて説明した冷却機構と同様の効果が得られる。
また、この冷却機構では、検出素子20aが冷却された絶縁性の液体に周囲全てを覆われているため、均一に冷却が行われると同時に、検出素子20aでの結露による問題を回避できる。更には、この低温の冷却液をそのまま基板20Bの冷却に用いており、効率よく系全体を冷却することができる。
[実施形態2]
次に、実施形態2として、SPECT装置を例に取り説明する。このSPECT装置51を、図13〜図16、図21を用いて説明する。SPECT装置51は、図13に示すように、一対の放射線検出装置52、回転支持台57、データ処理装置12A、及び表示装置13を備える。それらの放射線検出装置52は、回転支持台57に周方向に180°や90°などずれた位置に配置される。また、放射線検出装置52は、それぞれが独立して回転し、放射線入射角を変えることもでき、2ユニットを並べて撮像面積を大きくすることや、平面撮像を行うガンマカメラとしても、用いることもできる。放射線検出装置52は、32枚のASIC基板53Bと1枚の検出器基板20C、検出器21A、コリメータ55から成り、それ自身が一つのカメラユニットを構成する。ASIC基板53Bは、検出器基板20Cに着脱可能に取り付けられている。結合基板53は、その構成を除いて実施形態1における検出器ユニット2の構成と同じである。
結合基板53は、前述した結合基板20と同様に検出器基板20C及びASIC基板53Bを有する(図14参照)。検出器基板20Cの先端部に位置する検出器21Aはベッド14側に位置する。放射線遮蔽材(例えば、鉛、タングステン等)で作られたコリメータ55がそれぞれの放射線検出装置52に設けられる。各コリメータ55は、放射線(例えば、γ線)を通過する多数の放射線通路を形成している。全結合基板53は回転支持台57に設置された遮光・電磁シールド54内に配置される。コリメータ55は遮光・電磁シールド54に着脱可能に取り付けられる。遮光・電磁シールド54は、電磁波の検出器21等への影響を遮断し、内側に貼られた鉛によってコリメータ55以外からのγ線を遮へいする。
本実施形態に用いられる検出器基板20Cは、検出器基板20Aとは異なり、1つの検出素子211の両面にアノードA及びカソードCを取り付けて構成される複数の検出器21Aを基板本体20aに設置した構成を有する。検出器21Aは、検出素子211の一端面が基板本体20aと対向し、アノードA及びカソードCが基板本体20aに垂直になるように設置される。
結合基板(ユニット基板)53を構成するASIC基板53Bは、図14に示すように、検出器基板20AにコネクタC1により接続され、検出器21ごとに設けられたコンデンサ22及び抵抗23、4個のアナログASIC24A、及び1個のデジタルASIC26Aを有する。
本実施形態の特徴である冷却機構については、後に詳述し、これらの装置全体としての動作を先に説明する。
放射性薬剤が投与された被検者が載っているベッド14が移動され、被検者は、一対の放射線検出ブロック52の間に移動される。回転支持台56が回転されることによって、各放射線検出ブロック52はユニット11が被検者の周囲を旋回する。放射性薬剤が集積
した被検者内の集積部(例えば、患部)Cから放出されたγ線がコリメータ55の放射線通路を通って対応する検出器21に入射される。検出器21Aはγ線検出信号を出力する。このγ線検出信号は、検出器基板20C、コネクタC1を介してASIC基板53Bに伝達され、後述するアナログASIC24A及びデジタルASIC26Aで処理される。
本結合基板53を構成するASIC基板53Bを、図14,21を用いて説明する。結合基板20と同様に検出器基板20CにコネクタC1により接続されているASIC基板53Bは、検出器21Aごとに設けられたコンデンサ22及び抵抗23、4個のアナログASIC24A、及び1個のデジタルASIC26Aを有する。1個のアナログASIC24Aは、スロー系とファースト系とを有するアナログ信号処理回路(アナログ信号処理装置)133Aを32組備えている。アナログ信号処理回路133Aは検出器21Aごとに設けられる。ここで、ファースト系は、γ線の検出を特定するトリガ信号を出力するトリガ出力回路24fを有する。また、スロー系は、アナログASIC24と同様に、チャージアンプ24b、極性アンプ24c、バンドパスフィルタ24d、及びピークホールド回路24eがこの順序に接続されて設けられている。1個のアナログASIC24Aは32組のアナログ信号処理回路33AをLSI化したものである。検出器21から出力されてコンデンサ22を通過したγ線検出信号は、チャージアンプ24b、極性アンプ24c、バンドパスフィルタ24dを経てピークホールド回路24eに入力される。ピークホールド回路24eは、γ線検出信号の波高値を保持する。バンドパスフィルタ24dから出力されたγ線検出信号はトリガ出力回路24fに入力される。トリガ出力回路24fは、ノイズの影響を除去するため、設定レベル以上のγ線検出信号を入力したときにトリガ信号を出力する。
デジタルASIC26Aは、パケットデータ生成装置134A、及びデータ転送回路137を有しており、これらをLSI化したものである。上記したトリガ信号はパケットデータ生成装置134AのADC制御回路136Aに入力される。SPECT装置51に設けられた全てのデジタルASIC26Aは、図示されていない64MHzのクロック発生装置(水晶発振器)からのクロック信号を受け、同期して動作している。各デジタルASIC26Aに入力されたクロック信号は、全パケットデータ生成装置134A内のそれぞれのADC制御回路136Aに入力される。ADC制御回路136Aは、トリガ信号を入力したとき検出器IDを特定する。すなわち、ADC制御回路136Aは、ADC制御回路136Aに接続される各トリガ出力回路24fに対する検出器IDを記憶しており、あるトリガ出力回路24fからトリガ信号を入力したとき、そのトリガ出力回路24fに対応する検出器IDを特定できる。ADC制御回路136Aは、検出器ID情報を含むADC制御信号をADC25に出力する。ADC25は、その検出器IDに対応するアナログ信号処理回路133Aのピークホールド回路24eから出力された波高値情報を、デジタル信号に変換して出力する。この波高値情報は、ADC制御回路136Aに入力される。ADC制御回路136Aは、検出器IDに波高値情報を付加してパケットデータを生成する。各パケットデータ生成装置134AのADC制御回路136Aから出力されたデジタル情報であるパケットデータ(検出器ID、及び波高値情報を含む)は、データ転送回路137に入力される。データ転送回路137は、各ADC制御回路36Aから出力されたパケットデータを、定期的に、検出器ユニット2Aのユニット統合FPGA131に送信する。ユニット統合FPGA131は、それらのデジタル情報をコネクタ38に接続された情報伝送用配線に出力する。
ユニット統合FPGA131から出力された各パケットデータは、データ処理装置12(図1)に送信される。データ処理装置12は、回転支持台57を回転させるモーター(図示せず)の回転軸に連結された角度計(図示せず)で検出された回転角度が入力される。この回転角度は、それぞれの放射線検出ブロック52の回転角度を示し、具体的にはそれぞれの検出器21の回転角度を示している。データ処理装置12は、この回転角度を基に、旋回している各検出器21の旋回軌道上での位置(位置座標)を求める。このため、γ線を検出した時点での検出器21の位置(位置座標)が求められる。データ処理装置12は、算出した検出器21の位置を基に、波高値情報が設定値以上になるγ線を計数する。この計数は、回転支持台57の回転中心を基準に2〜9°ごとに区切って得られる各領域に対してなされる。データ処理装置12Aは、γ線を検出した時点での検出器21の位置情報及びγ線の計数値(計数情報)を用いて、放射性薬剤の集積位置、すなわち悪性腫瘍位置での被検者の断層像情報を作成する。この断層像情報は表示装置13に表示される。上記のパケット情報、同時計測で得た計数値及び検出器21の位置情報、及び断層像情報等の情報は、データ処理装置12の記憶装置に記憶される。
≪冷却機構≫
次に、本発明の特徴である半導体放射線検出器を冷却するための冷却機構について説明する。図15に示すように、複数枚の結合基板53が配列されて構成される検出器ユニット60は、遮光・電磁シールド54内に被包されている。検出器基板20Aは、図16に示すように、検出器21Aとともに、密閉容器62内に収容されている。密閉容器62は、検出器基板20Cとパッキン63によって液密に装着され、冷却液導入口62aおよび冷却液導出口62bを有する。
また、図15に示すように、各ASIC基板53Bの基板本体20bの両面に設置された複数個のアナログASIC24Aと、基板本体20bの片面に設けられた数個のデジタルASIC26は、実施形態1と同様基板本体20bの両面に設置された厚さ2mmの銅製あるいはアルミニウム製の放熱板61に接続され、各放熱板61はそれぞれASIC基板53Bの上端部を切り欠いて作られた領域に設置された冷却ジャケット64を挟むように装着されている。各冷却ジャケット64は、冷却液パイプ65で連絡され、冷却液パイプ65は、図15に示すように、冷却液パイプ用コネクタを介して、断熱被覆体30の上部に配置された冷却液チラーユニット66と連絡されている。これによって、冷却液チラ
ーユニット66→密閉容器62→冷却ジャケット64a→冷却ジャケット64b→冷却液チラーユニット66の向き(図15中、矢印Yの向き)に冷却液が循環流通する流路が構成される。冷却液チラーユニット66の替りに、図10に示す冷却液チラーユニット同様に、ペルチェ素子を用いた電子冷却器を用いることが可能である。
冷却液としては、低粘性の絶縁性液体が好ましく、例えば、金属腐食防止剤を添加したグリコール系不凍液やシリコーン油等が用いられる。基板20Bの冷却構成については、図5から図7に示した実施形態1とほぼ同じである。
この冷却機構において、冷却液チラーユニット65から冷却液パイプ65を通って、密閉容器62、冷却ジャケット64の順で冷却液が循環流通し、検出器基板20Aに配置された検出器21が直接、放熱板(図15)を通して、アナログASIC24、デジタルASIC26等が間接的に冷却される。
こうして、検出器21は、冷却される。検出器の冷却に伴って得られる物理的性能の向上効果は、実施の形態1で述べた通りであり、特にSPECT装置においては、エネルギ分解能の向上により、散乱線の除去精度が向上する。すなわち、腫瘍位置を示す真のγ線信号と散乱線の比S/N比が増加し、飛躍的に画像のコントラストが向上する。あるいは、同程度の画像であれば、撮像時間の短縮化が期待できる。ポーラリゼーションの抑制や、装置の簡略化等の効果は、実施形態1のPET装置と同様である。
次に、図17は、検出器ユニットの他の冷却機構の例を示す。
この冷却機構を有する検出器ユニットにおいて、図17に示すように、各検出器基板20Cの検出器と反対の面に、ASIC基板53Bの間にペルチェ素子31がそれぞれ配置されている。検出器基板20Cは、高熱伝導性を有する素材、例えば、窒化アルミニウム(AlN)や銅箔付き炭素複合材等で形成され、各ペルチェ素子31は、その検出器基板20Cと接する側と反対側の面で、ヒートパイプ32と接続されている。
この冷却機構において、ペルチェ素子用電源コネクタ(図示せず)からペルチェ素子31に電流を供給すると、ペルチェ素子31に接する検出器基板20Cが冷却され、検出器基板20Cに接続された検出素子から熱が奪われる。そして、ペルチェ素子31によって奪われた熱は、ペルチェ素子31に接続されたヒートパイプ32を介して放熱フィン66(図17)より放熱される。このとき、ヒートパイプ32は、ASIC基板53B上のアナログASIC及びデジタルASIC(図示せず)を冷却するために、検出器ユニット内に導入される冷風によって放熱される。なお、検出器21Aの冷却機構は、ペルチェ素子に限らず、冷却液チラーユニット、及び冷却液チラーユニットからの冷却媒体を導く冷却パイプを用いることもできる。
こうして、ペルチェ素子31に接する検出基板20Aを介して、検出器21は、冷却される。この冷却機構によって図15、図16にて説明した冷却機構と同様の効果が得られる。SPECT装置においては、検出器21Aの実装密度が重要であり、検出器21A相互間の間隙を極力小さくする必要がある。したがって、本実施形態は、冷却空間を要する空冷に比べて、検出器21Aのより稠密な実装を実現することができる。また、発熱する集積回路から検出器21Aへの伝熱を検出器基板20Cで押えることができる。
なお、実施形態1及び2で用いているCdTeを半導体材料Sとする検出器21は、光に反応して電荷を発生することから、筐体30aはアルミニウムやアルミニウム合金といった遮光性および電磁シールド性を有する材料から構成されると共に、光が侵入する隙間をなくすようにしてある。即ち、筐体30は遮光性を有する構成としている。ちなみに、遮光性および電磁シールド性が他の手段により確保される場合は、筐体30aはそれ自体が遮光性を有する必要はなく、検出器21を着脱自在に保持する枠(枠体)でよい(例えば遮光用の面材(パネル)等は不用である)。
なお、以上の実施形態では、核医学診断装置としてPET装置1(図1参照)及び単光子放出型断層撮影装置(SPECT(Single Photon Emission Computer Tomography)装置)を例に説明したが、PET装置及びSPECTに限らず、γカメラにも本発明を適用することができる。ちなみに、PET装置及びSPECT装置は、人体の3次元の機能画像を撮影することで共通するが、SPECT装置は、測定原理が単光子を検出するものであることから同時計測を行うことができず、このため、γ線の入射位置(角度)を規制するコリメータを備える。また、γカメラは、得られる機能画像が2次元的なものであり、かつ、γ線の入射角度を規制するコリメータを備える。
なお、PET装置やSPECT装置と、X線CTを組み合わせた核医学診断装置の構成としてもよい。
本発明にかかる核医学診断装置としてのPET装置の構成を示す斜視図である。 図1のPET装置のカメラの周方向の断面を模式的に示した図である。 半導体放射線検出器の最小構成の構造を模式的に示す図である。 半導体材料と電極(アノード、カソード)とが積層された積層構造を有する半導体放射線検出器の構成を模式的に示す図である。 実施形態1に係る検出器ユニットの構成を模式的に示す斜視図である。 (a)は図5の検出器ユニットの結合基板の正面図である。 (b)は、図(a)の側面図である。 (c)は、同(a)の検出器基板上に搭載される半導体放射線検出器の構成を模式的に示した斜視図である。 図5の検出器ユニットの断面模式図である。 検出器ユニットにおける他の冷却機構の構成を模式的に示す斜視図である。 図8の検出器ユニットの側面図である。 検出器ユニットにおける他の冷却機構の構成を示す斜視図である。 (a)は図10の半導体検出器の検出器ユニットを示す正面図である。 (b)は、同(a)の側面図である。 図10の検出器ユニットの断面模式図である。 本発明にかかる核医学診断装置としてのSPECT装置の構成を示す斜視図である。 実施形態2における半導体放射線検出器の、検出器基板とASIC基板とを統合した結合基板の構成を模式的に示す図である。 実施形態2にかかる検出器ユニットの冷却機構を模式的に説明する斜視図である。 図15の検出器ユニットの一部を拡大して示す模式図である。 実施形態2における他の冷却機構を説明する模式図である。 図6に示すアナログASICの回路を模式的に示したブロック図である。 図6に示すデジタルASICの概略構成、及びアナログASICとデジタルASICの接続関係を示したブロック図である。 (a)は図5に示す検出器ユニットをカメラに装着する際の様子を示したカメラの一部破断斜視図であり、(b)はカメラの中央部の断面図である。 図13のSPECT装置におけるデジタルASICの概略構成、及びアナログASICとデジタルASICの接続関係を示したブロック図である。
符号の説明
1 PET装置(核医学診断装置)
11 カメラ
12 データ処理装置
13 モニタ
14 ベッド
2 検出器ユニット
20 結合基板(半導体放射線検出装置)
20A 検出器基板(第1の基板)
20a 基板本体
20B ASIC基板(第2の基板)
20b 基板本体
21 検出器(半導体放射線検出器)
24 アナログASIC(アナログの集積回路)
26 デジタルASIC(デジタルの集積回路)
30 断熱性被覆体
30a 筐体
30b 天板
30c 底板
31 ペルチェ素子
32 ヒートパイプ
33a 冷却ジャケット
33b 冷却ジャケット
34 冷却液パイプ
34 冷却パイプ
35 冷却液チラーユニット
36a チラーユニット
37 冷風配管
39 通風孔
42 密閉容器
44 冷却液パイプ
46 冷却液チラーユニット
51 SPECT装置
53 結合基板
53B ASIC基板
55 コリメータ
62 密閉容器
64a 冷却ジャケット
64b 冷却ジャケット
65 冷却液パイプ
65 冷却パイプ
65 冷却液チラーユニット
66 冷却液チラーユニット
PS 高電圧装置
WA 乾燥冷風

Claims (29)

  1. 支持部材と、前記支持部材に着脱自在に取り付けられた複数の検出器ユニットとを備え、
    前記検出器ユニットが、収納部材、前記収納部材内に配置された複数の半導体放射線検出器、及び前記複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力する放射線検出信号を処理する集積回路を含み、
    前記半導体放射線検出器を冷却する冷却装置を、前記検出器ユニット毎に設けたことを特徴とする核医学診断装置。
  2. 前記冷却装置が前記収納部材内に配置されている請求項1記載の核医学診断装置。
  3. 前記冷却装置は前記収納部内に冷却媒体の流れを形成させる構成を有し、前記収納部内では、前記集積回路は、前記冷却媒体の流れ方向で前記複数の放射線検出器よりも下流側に配置されている請求項1または請求項2に記載の核医学診断装置。
  4. 前記複数の半導体放射線検出器及び前記集積回路を含む複数のユニット基板が前記収納部材内に配置されている請求項3に記載の核医学診断装置。
  5. 支持部材と、前記支持部材に着脱自在に取り付けられた複数の検出器ユニットとを備え、
    前記検出器ユニットが収納部材及び前記収納部材内に配置された複数のユニット基板を含み、
    前記ユニット基板が放射線を入射する複数の半導体放射線検出器、及び前記複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力する放射線検出信号を処理する集積回路を含んでおり、
    前記半導体放射線検出器を冷却する冷却装置を、前記検出器ユニット毎に設けたことを特徴とする核医学診断装置。
  6. 前記冷却装置が前記収納部材内に配置されている請求項5に記載の核医学診断装置。
  7. 前記ユニット基板は前記半導体放射線検出器を設置した基板部材を含んでおり、
    前記冷却装置は前記基板部材に設けられて前記基板部材を介して前記半導体放射線検出器を冷却する請求項5または請求項6に記載の核医学診断装置。
  8. 前記基板部材は熱伝導部材を含んでいる請求項7に記載の核医学診断装置。
  9. 前記冷却装置がぺルチェ冷却器である請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置。
  10. 前記集積回路を冷却する他の冷却装置が前記収納部材内に設けられる請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置。
  11. 前記他の冷却装置は前記集積回路を冷却媒体により冷却する冷却装置である請求項10に記載の核医学診断装置。
  12. 前記集積回路が、前記半導体放射線検出器が出力する信号を処理するアナログ集積回路、前記アナログ集積回路の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器、AD変換された信号を処理するデジタル集積回路を備えている請求項5に記載の核医学診断装置。
  13. 前記集積回路から出力された第1情報を基に得られた第2情報を用いて断層像情報を作成する断層像情報作成装置を備えた請求項5または請求項6に記載の核医学診断装置。
  14. 前記半導体放射線検出器、前記アナログ集積回路、前記AD変換器及び前記デジタル集積回路が、前記ユニット基板の長手方向において、前記ユニット基板の一端部からその他端部に向けてその順序で配置されている請求項12に記載の核医学診断装置。
  15. 前記ユニット基板は、第1の基板と第2の基板とを含み、
    前記第1の基板は、少なくとも前記半導体放射線検出器を有し、
    前記第2の基板は、少なくとも前記集積回路を有する請求項5または請求項6に記載の核医学診断装置。
  16. 前記第1の基板と前記第2の基板とが、互いに着脱自在に結合されている請求項15に記載の核医学診断装置。
  17. 前記第1の基板と前記第2の基板がそれぞれの端部同士を重ねて結合されている請求項16に記載の核医学診断装置。
  18. 前記半導体放射線検出器が、前記ユニット基板の両面に配置された請求項5に記載の核医学診断装置。
  19. 前記冷却装置が、前記第1の基板と前記第2の基板の結合部付近で前記第1基板に設けられている請求項16に記載の核医学診断装置。
  20. 前記ユニット基板に設けられた前記複数の放射線検出器を覆う密閉部材を、前記ユニット基板に設け、
    前記密閉部材に囲まれた空間内に冷却媒体を供給する前記冷却装置を設けた請求項5に記載の核医学診断装置。
  21. 前記収納部材が断熱被覆体である請求項5に記載の核医学診断装置。
  22. 被検体を載せるベッドと、前記支持部材が設けられ、この支持部材を前記ベッドの周囲を旋回させる回転体とを有し、
    前記支持部材に取り付けられた前記ユニット基板の前記半導体放射線検出器が前記ベッド側に配置され、
    前記半導体放射線検出器に対向する複数の放射線通路を有し前記半導体放射線検出器よりも前記ベッド側に配置されるコリメータが、前記支持部材に設置された請求項1に記載の核医学診断装置。
  23. 被検体を支持するベッドを備え、前記複数の検出器ユニットが前記ベッドの周囲を取り囲んで配置され、前記半導体放射線検出器が検出器ユニット内で前記集積回路よりも前記ベッドに近い位置に配置された請求項1または請求項5に記載の核医学診断装置。
  24. 前記半導体放射線検出器及び前記集積回路を冷却する前記冷却装置を備えた請求項1に記載の核医学診断装置。
  25. 前記収納部材内に、複数の前記半導体放射線検出器が配置される検出器配置領域、及び前記集積回路が配置される集積回路配置領域が形成され、前記冷却装置は前記検出器配置領域に冷却気体を供給する構成を有し、前記収納部材内に、前記検出器領域に供給された前記冷却気体が、前記集積回路配置領域を経て前記収納部材に設けられた冷却気体部に導かれる冷媒流路を、前記収納部材内に形成した請求項1または請求項2に記載の核医学診断装置。
  26. 支持部材に着脱自在に取り付けられて冷却装置を設置している複数の検出器ユニットとを備え、前記検出器ユニットが、収納部材、前記収納部材内に配置された複数の半導体放射線検出器、及び前記複数の半導体放射線検出器のそれぞれが出力する放射線検出信号を処理する集積回路を含んでいる核医学診断装置の冷却方法であって、
    前記冷却装置によって前記収納部材内の前記半導体放射線検出器を冷却することを特徴とする核医学診断装置の冷却方法。
  27. 前記集積回路が前記検出器ユニットに設けられた別の冷却装置によって冷却される請求項26に記載の核医学診断装置の冷却方法。
  28. 前記半導体放射線検出器が前記冷却装置によって供給される冷却気体によって冷却され、前記集積回路が前記半導体放射線検出器を冷却した前記冷却気体によって冷却される請求項26に記載の核医学診断装置の冷却方法。
  29. 前記複数の半導体放射線検出器及び前記集積回路を含む複数のユニット基板が前記収納部材内に配置されている前記核医学診断装置の冷却方法であって、
    前記半導体放射線検出器の冷却は、前記冷却装置は、前記ユニット基板に含まれて前記半導体放射線検出器を設置した基板部材を介して前記冷却装置により行われる請求項26に記載の核医学診断装置の冷却方法。
JP2005149647A 2003-09-30 2005-05-23 核医学診断装置 Pending JP2005265859A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005149647A JP2005265859A (ja) 2003-09-30 2005-05-23 核医学診断装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003342679 2003-09-30
JP2005149647A JP2005265859A (ja) 2003-09-30 2005-05-23 核医学診断装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004253327A Division JP2005128000A (ja) 2003-09-30 2004-08-31 核医学診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005265859A true JP2005265859A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35090528

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005149647A Pending JP2005265859A (ja) 2003-09-30 2005-05-23 核医学診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005265859A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242702A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線検出用カセッテ
JP2007101234A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Hitachi Ltd 核医学診断装置および核医学診断装置の冷却方法
JP2007117733A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 General Electric Co <Ge> データ収集システムのノイズを抑制するための方法及びシステム
JP2009077967A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Fujifilm Corp 放射線画像情報撮影装置
JP2010071931A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Fujifilm Corp 放射線撮影装置
WO2010050132A1 (ja) * 2008-10-28 2010-05-06 株式会社アドバンテスト 試験装置および回路モジュール
JP2012032322A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 放射線検出器カード
JP2012037281A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 放射線検出器モジュール
JP2020204516A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 株式会社東芝 検出素子および検出器

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242702A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線検出用カセッテ
JP2007101234A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Hitachi Ltd 核医学診断装置および核医学診断装置の冷却方法
JP2007117733A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 General Electric Co <Ge> データ収集システムのノイズを抑制するための方法及びシステム
JP2009077967A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Fujifilm Corp 放射線画像情報撮影装置
JP2010071931A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Fujifilm Corp 放射線撮影装置
WO2010050132A1 (ja) * 2008-10-28 2010-05-06 株式会社アドバンテスト 試験装置および回路モジュール
JP2012032322A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 放射線検出器カード
JP2012037281A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 放射線検出器モジュール
JP2020204516A (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 株式会社東芝 検出素子および検出器
JP7059228B2 (ja) 2019-06-17 2022-04-25 株式会社東芝 検出素子および検出器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3863872B2 (ja) 陽電子放出型断層撮影装置
US20050067579A1 (en) Nuclear medicine imaging apparatus
JP4365762B2 (ja) 核医学診断装置および核医学診断装置の冷却方法
JP4764050B2 (ja) 核医学診断装置および核医学診断装置の冷却方法
JP2005265859A (ja) 核医学診断装置
JP3942188B2 (ja) 核医学診断装置、陽電子放出型断層撮影装置及び検出器ユニット
JP3858044B1 (ja) 放射線検出モジュール、プリント基板および陽電子放出型断層撮影装置
US7247860B2 (en) Radiation detection module, radiation detector and radiological imaging apparatus
JP4313811B2 (ja) Pet撮像装置及びx線ct撮像装置を備える放射線検査装置
JP2006234412A (ja) 核医学診断装置及び陽電子放出断層撮影装置
JP2009198343A (ja) 検出器配列基板およびこれを用いた核医学診断装置
JP2005128000A (ja) 核医学診断装置
JP2005201671A (ja) 核医学診断装置、及びその検出器ユニット
JP2008164548A (ja) 放射線撮像装置
JP2007101234A (ja) 核医学診断装置および核医学診断装置の冷却方法
JP2007101556A (ja) 核医学診断装置、陽電子放出型断層撮影装置及び検出器ユニット
JP3863889B2 (ja) 陽電子放出型断層撮影装置
JP2005106806A (ja) 核医学診断装置
JP4408115B2 (ja) 電子基板ブロックおよび放射線検査装置
JP4834427B2 (ja) 放射線検出モジュール、プリント基板および核医学診断装置
JP4313732B2 (ja) Pet撮像装置及びx線ct撮像装置を備える放射線検査装置
JP2007003544A (ja) Pet撮像装置及びx線ct撮像装置を備える放射線検査装置並びに検出器ユニット
JP2005106804A (ja) 陽電子放出型断層撮影装置
JP2005106807A (ja) 半導体放射線検出器、陽電子放出型断層撮影装置、半導体放射線検出装置、検出器ユニット、及び核医学診断装置
JP2006234806A (ja) 核医学診断装置及び陽電子放出断層撮影装置