JP3863559B2 - 乳頭腫ウィルスワクチン - Google Patents

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Description

発明の分野
乳頭腫ウィルスのL1およびL2タンパク質をコードする組換え発現ベクター、その組換えタンパク質を製造する方法およびその組換えタンパク質を用いる方法を提供する。
発明の背景
乳頭腫ウィルスの感染は、ヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヘビおよびウシを含む種々の動物において起こる。乳頭腫ウィルスは上皮細胞に感染し、通常、感染部位において良性の上皮または線維性上皮腫瘍を誘発する。乳頭腫ウィルスは種特異性感染因子であり、ヒト乳頭腫ウィルスはヒト以外の動物に感染することができない。
乳頭腫ウィルスは、感染する宿主により異なる群に分類することができる。ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)は、さらに、DNA配列相同性により60を越えるタイプに分類される(総説に関しては、パピロ−マバイラシズ・アンド・ヒューマン・キャンサー(Papillomaviruses and Human Cancer)、H.フィスター(H.Pfister)編、シー・アールー・シー・プレス社(CRC Press,Inc.)、1990を参照されたい。)。乳頭腫ウィルスタイプは、ある一つのタイプの乳頭腫ウィルスへの感染に対する中和免疫が別のタイプの乳頭腫ウィルスに対する免疫を賦与しないことにおいてタイプ特異的免疫原のようである。
ヒトにおいて、異なるHPVタイプは異なる病気を引き起こす。HPVタイプ1,2,3,4,7,10および26〜29は、免疫無防備状態および通常の両方の個体において良性のいぼを発生させる。HPVタイプ5,8,9,12,14,15,17,19〜25,36および46〜50は、免疫無防備状態個体において扁平病巣を生じさせる。HPVタイプ6,11,34,39,41〜44および51〜55は、性器または呼吸器の粘膜の非悪性コンジロームを引き起こす。HPVタイプ16および18は、性器粘膜の上皮異形成を引き起し、頸、膣、外陰および肛門管のその場の侵襲性癌の大部分と関係している。HPV6およびHPV11は、全てのコンジローム(性器いぼ)および喉頭乳頭腫の90%以上に対する原因因子である。HPVタイプ6の最も多いサブタイプはHPV6aである。
動物における免疫学的研究は、乳頭腫ウィルス抗原に対する中和抗体の産生が同種のウィルスによる感染を防止することを示している。有効な乳頭腫ウィルスワクチンの開発は、生体外における乳頭腫ウィルスの培養の難しさのために遅れてきた。有効なHPVワクチンの開発は、特に、適当な動物モデルの不存在により遅れてきた。
抗体による乳頭腫ウィルスの中和は、タイプ特異的であり、ウィルスの表面における立体配座エピトープに依存するようである。
乳頭腫ウィルスは、小さく(50〜60nm)、外被がなく、正十二面体のDNAウィルスであり、8つ以下の初期遺伝子および2つの後期遺伝子をコードしている。ウィルスゲノムの読取り枠(ORF)は、E1〜E7およびL1およびL2と称され、ここで「E」は初期、および「L」は後期を意味する。L1およびL2は、ウィルスカプシドタンパクをコードする。初期(E)遺伝子は、ウィルス複製および細胞トランスフォーメーションのような機能と関係する。
L1タンパクは、主要なカプシドタンパクであり、55〜60kDaの分子量を有する。L2タンパクは、少ない方のカプシドタンパクであり、55〜60kDaの予想分子量を有し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で決められる75〜100kDaの見掛分子量を有する。免疫学のデータは、L2タンパクの大部分がL1タンパクの内側にあることを示している。L2タンパクは、異なる乳頭腫ウィルス間で、特にC末端における10個の塩基性アミノ酸間で高度に保存されている。L1ORFは異なる乳頭腫ウィルス間に高度に保存されている。
L1およびL2遺伝子は、動物における乳頭腫ウィルス感染の予防および治療のためのワクチンの製造に用いられてきた。ゾウ(Zhou)らは(1991年および1992年)、HPVタイプ16L1およびL2遺伝子をワクシニアウィルスベクター中にクローニングし、CV−1哺乳動物細胞に組換えベクターを感染させてウィルス状粒子(VLP)を作製した。
バクテリア由来の組換えウシ乳頭腫ウィルスL1およびL2が作製されてきた。組換えバクテリアタンパクに対する中和血清は天然のウィルスと低い水準で交差反応するが、それは多分、天然タンパクとバクテリア由来タンパクとの立体構造の相違によるものであろう。
昆虫SF9細胞を感染させL1およびL2タンパクを製造するために、HPV6L1、HPV11L1、HPV16L1、HPV18L1、HPV31L1またはHPV16L2のORFを発現する組換えバキュロウィルスが使用されてきた。ウエスタンブロット分析は、バキュロウィルス由来のL1およびL2タンパクが、HPV16に対する抗体と反応することを示した。
このバキュロウィルス由来L1はVLPを形成する。
カーター(Carter)らは(1991年)、Saccharomyces cerevisiaeの組換え菌株によるHPV16L1およびHPV16L2タンパクの製造を示した。カーターらは、また、HPV6bL1およびL2タンパクの製造を示した。HPV6bL1タンパクは、全長L1タンパクではない。この組換えタンパクは、分泌生成物のみならず細胞内生成物として生成された。この組換えL1およびL2タンパクは、天然タンパクに類似の分子量を有するものであった。このタンパクが細胞内に発現される場合、変性剤の不存在下に細胞を溶解するとタンパクの大部分は不溶性であることがわかった。この不溶性はタンパクの精製を容易にし得るが、該タンパクの天然エピトープ分析を妨げ得る。
酵母から分泌された組換えタンパクは、酵母由来の炭水化物を含むことが示された。これらのN−結合オリゴ糖の存在は、天然エピトープをマスクするかもしれない。また、分泌された組換えタンパクは、分泌リーダー配列の保持のような他の改変を含むかもしれない。
組換え酵母の培養により任意の種およびタイプの乳頭腫ウィルスタンパクを多量に製造する方法を開発することが有用であろう。天然タンパクの立体構造のような天然タンパクの免疫賦与特性を有する乳頭腫ウィルスタンパクを多量に製造することも有用であろう。
本発明は、天然乳頭腫ウィルスタンパクの免疫賦与特性を有する組換え乳頭腫ウィルスタンパクの製造、ならびに、その製造および使用方法に関するものである。本発明は、乳頭腫ウィルス感染のための予防用および場合によっては治療用のワクチンの製造に関する。本発明の組換えタンパクは、ウィルス状粒子を製造することができる。これらのVLPは、免疫原性であり動物モデルにおいていぼの形成を防止する。本発明は、モデル系としてワタオウサギ(cottontail rabbit)乳頭腫ウィルス(CRPV)およびHPVタイプ6(サブタイプ6a)を用いる。
発明の概要
乳頭腫ウィルスのL1およびL2タンパクをコードする組換え発現ベクター、その組換えタンパクを製造する方法、およびその組換えタンパクを使用する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、乳頭腫ウィルスL1および/またはL2カプシドタンパクの発現に用いられる両方向酵母発現ベクターを示す。
図2は、酵母におけるHPV6aL1の発現を示す(イムノブロット)。
図3は、酵母におけるHPV6aL2の発現を示す。
酵母において発現されたHPV6aL2のイムノブロット;レーン1,分子量マーカー;レーン2,陽性対照としてEscherichia coliにおいて発現されたtrpE−L2融合タンパク;レーン4,陰性対照として酵母において発現されたHPV6aL1;レーン5,酵母において発現されたHPV6aL2(実験の詳細は本文を参照されたい)。
図4は、酵母において発現されたHPV6aL1 VLPの電子顕微鏡写真である。
図5は、酵母において発現されたHPV6aL1/L2 VLPの電子顕微鏡写真である。
図6は、酵母において発現されたCRPV L1、L2およびL1+L2タンパクのイムノブロットである。パネル(A):抗−CRPV L1抗血清との反応性により測定されるCRPV L1の発現。パネル(B):抗−CRPV L2抗血清との反応性により測定されるCRPV L2の発現。レーン1,kDaで示す分子量マーカー(アマーシャム・レインボウ(登録商標)マーカー(Amersham RainbowTM Markers)、14300〜200000ダルトン);レーン2,CRPV L1発現ベクターを含むBJ5462;レーン3,CRPV L2発現ベクターを含む菌株1569;レーン4および5,CRPV L1およびCRPV L2の発現のための二つのプラスミドで同時形質転換した菌株1569の二つの単離物;レーン6〜8,CRPV L1およびL2タンパクを同時発現するための単一ベクターを含む菌株1569の三つの単離物;レーン9および10,CRPV L1およびL2タンパクを同時発現するための単一ベクターを含むBJ5462の二つの単離物。L1およびL2の移動位置を、適当なパネルの右軸にマークしてある。
図7は、Saccharomyces cerevisiae菌株1558の構築の概略を示す。
図8は、Saccharomyces cerevisiae菌株1569の構築の概略を示す。
図9は、精製手順における主な工程の概略を示す。
図10は、菌株のリストである。
図11は、酵母から精製されたHPV16L1+L2の一組のSDS−PAGE分析結果を示す。最終的に精製されたVLPに加え、精製プロセスにおける中間工程からの保持物が含まれる。表は、各レーンにおけるサンプルの同定に関するものである。L1およびL2タンパクに対する抗血清をプローブとしたウエスタンブロットならびにコロイド状クマシー染色ゲルが含まれる。
図12は、別のワタオウサギ乳頭腫ウィルスL1精製プロセスの概略である。
図13および14は、精製されたVLPのSDS/PAGE分析結果である。
発明の詳細な説明
乳頭腫ウィルス(PV)感染の予防,特徴付け,検出および治療のための方法、組成物およびプロセスが提供される。この方法は、酵母内における組換えL1または組換えL2または組換えL1およびL2タンパクの製造に基づく。組換えタンパクは、天然PVの立体配座の中和エピトープを模倣することができる。組換えL1またはL1およびL2タンパクは、ウィルス状粒子(VLP)を形成することもできる。本発明の組成物は、限定されないが、L1またはL2またはL1およびL2タンパクをコードする組換えDNA分子、単独または他の組換えタンパクと組み合わせた組換えタンパク、少なくとも一つの組換えタンパクからなるVLP、組換えタンパクのフラグメント、組換えタンパクを含む医薬組成物、組換えタンパクを含むワクチン組成物、組換えタンパクまたはVLPに対する抗体、少なくとも一つの組換えタンパクを含む免疫原性組成物、および組換えDNA分子または組換えタンパクを含む診断用キット(diagnostic kits)を含む。本発明のプロセスは、組換えDNA分子による適当な酵母宿主細胞の形質転換、組換えタンパクをコードするDNAの発現を許容する条件下における形質転換酵母の培養、および組換えタンパクの精製、を包含する組換えタンパクの製造方法を含む。本発明のプロセスはまた、組換えタンパク、組換えタンパク組成物またはVLPを、限定されないがヒトを含む動物に投与することも含む。適当な宿主細胞は、限定されないが、SaccharomycesPichiaKluyvermycesSchizosaccharomycesおよびHansenula属の酵母菌株を含む。
乳頭腫ウィルス感染は、ヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヘビおよびウシを含む種々の動物において起こる。乳頭腫ウィルスは上皮細胞に感染し、通常、感染部位において良性の上皮または線維性上皮腫瘍を誘発する。
乳頭腫ウィルスは、感染する宿主に基づき異なる群に分類することができる。ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)は、さらに、DNA配列相同性により60を越えるタイプに分類される(総説については、パピロマバイラシズ・アンド・ヒューマン・キャンサー(Papillomaviruses and Human Cancer)、H.フィスター(H.Pfister)編、シー・アールー・シー・プレス社(CRC Press,Inc.)、1990を参照されたい。)。乳頭腫ウィルスタイプは、ある一つのタイプの乳頭腫ウィルスへの感染に対する中和免疫が別のタイプの乳頭腫ウィルスに対する免疫を賦与しないことにおいてタイプ特異的免疫原であると考えられる。
ヒトにおいて、異なるHPVタイプは異なる病気を引き起こす。HPVタイプ1,2,3,4,7,10および26〜29は、免疫無防備状態および通常の両方の個体において良性のいぼを発生させる。HPVタイプ5,8,9,12,14,15,17,19〜25,36および46〜50は、免疫無防備状態個体において扁平病巣を生じさせる。HPVタイプ6,11,34,39,41〜44および51〜55は、生殖器または呼吸器の粘膜の非悪性コンジロームを引き起こす。HPVタイプ16および18は、生殖管の上皮異形成を引き起し、頸、膣、外陰および肛門管のその場の侵襲性癌の大部分と関係している。HPV6およびHPV11は、生殖器いぼおよび喉頭乳頭腫の大部分を引き起こす。
動物における免疫学的研究は、乳頭腫ウィルスカプシドタンパクに対する中和抗体の産生が、同種のウィルスによる感染を防止することを示している。有効な乳頭腫ウィルスワクチンの開発は、生体外における乳頭腫ウィルスの培養の難しさのために遅れてきた。有効なHPVワクチンの開発は、特に、適当な動物モデルの不存在により遅れてきた。
抗体による乳頭腫ウィルスの中和は、タイプ特異的であり、ウィルスの表面における立体配座エピトープに依存するようである。
乳頭腫ウィルスは、小さく(50〜60nm)、外被がなく、正十二面体のDNAウィルスであり、8つ以下の初期遺伝子および2つの後期遺伝子をコードしている。ウィルスゲノムの読取り枠(ORF)は、E1〜E7およびL1およびL2と称され、ここで「E」は初期、および「L」は後期を意味する。L1およびL2は、ウィルスカプシドタンパクをコードする。初期(E)遺伝子は、ウィルス複製およびトランスフォーメーションのような機能と関係する。
L1タンパクは、主要なカプシドタンパクであり、55〜60kDaの分子量を有する。L2タンパクは、少ない方のカプシドタンパクであり、55〜60kDaの予想分子量を有し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で決められる75〜100kDaの見掛分子量を有する。
Saccharomyces cerevisiaeの組換え菌株によるHPV16L1、HPV16L2およびHPVタイプ6L1タンパクの製造が報告されている。組換え酵母の培養により任意の種およびタイプの乳頭腫ウィルスタンパクを多量に製造する方法を開発することが有用であろう。天然タンパクの立体構造のような天然タンパクの免疫賦与特性を有する乳頭腫ウィルスタンパクを多量に製造することも有用であろう。
本発明は、天然乳頭腫ウィルスタンパクの免疫賦与特性を有する組換え乳頭腫ウィルスタンパクの製造、ならびに、その製造および使用方法に関するものである。本発明は、特に、乳頭腫ウィルス感染のための予防用ワクチンの製造に関する。本発明は、モデル系としてのヒト乳頭腫ウィルスタイプ6(HPVタイプ6またはHPV6)およびワタオウサギ乳頭腫ウィルス(CRPV)により例示される。例示は本発明の範囲を限定せず、本発明は他のタイプおよびサブタイプの乳頭腫ウィルス(PV)を含み、限定されないがHPVタイプ11、HPVタイプ16およびHPVタイプ18ならびにHPVサブタイプ6aおよびHPVサブタイプ6bを含む。
タンパクまたはVLPを含む医薬上有用な組成物は、医薬上許容できる担体の混合によるような既知の方法に従って調製することができる。そのような担体および調製法の例は、レミントン・ファーマスーティカル・サイエンシィズ(Remington’s Pharmaceutical Sciences)に見いだすことができる。効果的な投与に適当な医薬上許容できる組成物を調製するために、そのような組成物は有効量のタンパクまたはVLPを含む。そのような組成物は、2以上のタイプのHPVから誘導されるタンパクまたはVLPを含み得る。
本発明の治療または診断組成物は、PV感染の治療または診断に充分な量で個体に投与される。有効量は、個体の症状、体重、性別および年齢のような種々の因子により変化し得る。他の因子は投与方式を含む。通常、この組成物は約1μg〜約250μgの範囲の量で投与される。
薬剤組成物は、皮下、局所、経口、粘膜および筋肉内のような種々の経路により個体に提供され得る。
本発明のワクチンは、宿主内における中和抗体の形成を誘発するのに必要な抗原決定基を含む組換えタンパクまたはVLPを含んでなる。そのようなワクチンは、また、臨床感染の危険性なく投与するのに充分に安全であり、毒性の副作用を有さず、効果的な経路により投与することができ、安定であり、ワクチン担体と適合性がある。
このワクチンは、経口、非経口、皮下、粘膜または筋肉内のような種々の経路により投与することができる。投与される量は、個体の症状、性別、体重および年齢;投与経路;およびワクチンのPVタイプにより変化し得る。このワクチンは、カプセル、懸濁液、エリキシルまたは液状溶液のような投与形状で用いることができる。ワクチンは、免疫学的に許容できる担体を用いて調製することができる。
ワクチンは、治療的に有効な量、すなわち免疫学的保護反応を生じさせるのに充分な量で投与される。治療的に有効な量はPVのタイプによって変化し得る。ワクチンは一回でまたは複数回に分けて投与することができる。
本発明の方法は、PV感染を予防するための亜ウィルスワクチンの調製を可能にする。その方法を用いて、一価または多価PVワクチンを製造することができる。例えば、組換えHPV16L1タンパクまたはL2タンパクまたはL1およびL2タンパクを調製することにより一価HPVタイプ16ワクチンを製造することができる。また、L1またはL2またはL1およびL2タンパクあるいは異なるHPVタイプ由来VLPを混合することにより多価HPVワクチンを調製することができる。
本発明の組換えタンパクおよびVLPは、免疫原性組成物の調製において用いることができる。そのような組成物は、適当な宿主に導入した場合、宿主内において免疫学的反応を誘発し得る。
組換えタンパクおよびVLPは、抗体を発生させるために用いることができる。本明細書で用いられる「抗体」という用語は、ポリクローナルとモノクローナル抗体の両方、ならびにそれらのフラグメント、例えば抗原またはハプテンを結合できるFv、FabおよびF(ab)2フラグメントを含む。
本発明の組換えタンパク、VLPおよび抗体を用いてHPVスクリーニングおよびHPV感染の血清型分類を行うことができる。組換えタンパク、VLPおよび抗体は、それ自体が、HPVの検出および血清型分類に適当なキットを形成する。そのようなキットは、少なくとも一つの容器を密閉的に保持するのに適当な区画化された担体を含む。担体は、さらに、種々のHPVタイプの検出に適当な組換えHPVタンパクまたはVLPあるいは抗HPV抗体のような試薬を含む。担体はまた、標識された抗原または酵素基質等のような検出のための手段も含み得る。
本発明の組換えタンパクおよびVLPは分子量および分子サイズマーカーとしても有用である。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供されるが、これらの実施例の事項に発明を限定するものではない。
実施例1
酵母菌株U9の調製
Saccharomyces cerevisiae菌株2150−2−3(MATa,leu2−04,ade1,cir°)をレランド・ハートウェル(Leland Hartwell)博士(ワシントン州シアトルのワシント大学在)から得た。菌株2150−2−3の細胞を、YEHD培地(カーティー(Carty)らのJ.Ind.Micro.第2巻(1987年)117〜121頁)5mL中で30℃において一晩増殖させた。細胞を、滅菌蒸留水で3回洗い、滅菌蒸留水2mLに再懸濁させ、ura3突然変異体を選択するために六つの5−フルオロ−オロト酸(FOA)プレートの各々に細胞懸濁液0.1mLを置いた(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・マニュアル・フォア・イースト・ジェネティクス(Cold Spring Harbor Laboratory Manual for Yeast Genetics)。プレートを30℃で培養した。培地は、蒸留水250mL当たり、3.5gのディフコ・イースト・ナイトロジェン・ベース(Difco Yeast Nitrogen Base)(アミノ酸および硫酸アンモニウムを含まない)、0.5gの5−フルオロ−オロト酸、25mgのウラシル、および10.0gのブドウ糖を含んでいた。
培地を0.2μmの薄膜を通して濾過することにより滅菌し、次に、50℃に維持された4%バクト−アガー(Bacto−Agar)(ディフコ社(Difco)製)250mL、アデニンの1.2mg/ml溶液10mLおよびL−ロイシン溶液(180mg/50mL)5mLと混合した。得られた培地をペトリ皿当たり20mLとして分けた。
5日間培養後、多くのコロニーが出現した。最初のFOAプレートから新しいFOAプレートにコロニーを引き移すことにより単一のコロニーを単離し、それを次に30℃で培養した。第2の組のFOAプレートからの多くのコロニーについて、YEHDプレートおよびウラシルマイナスプレートの両方にレプリカ−プレーティングするを置くことにより、ura3突然変異が存在するか試験した。所望の結果は、YEHD上で良好に成長しウラシルマイナス培地において成長しないことであった。これらの特性を示す一つの単離体が得られた。それを、後に使用するために−70℃で凍結グリセロールストック(菌株#325)として貯蔵した。
実施例2
酵母MNN9遺伝子破壊のためのベクターの調製
酵母MNN9遺伝子の破壊のためのベクターを調製するために、まず、Saccharomyces cerevisiaeゲノムDNAからMNN9遺伝子をクローニングすることが必要であった。これは、標準的ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)技術により行った。全長MNN9コード配列のPCRのための5’センスプライマーおよび3’アンチセンスプライマーを、酵母MNN9遺伝子の公表された配列に基づき設計した(ツァイモジェネティクス(Zymogenetics):EPO特許出願第88117834.7号,公開第0−314−096−A2号)。HindIII部位(アンダーライン付)を隣接して含む以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いた:センスプライマー:5’−CTT AAA GCT TAT GTC ACT TTC TCT TGT ATC G−3’(配列番号1)
アンチセンスプライマー:5’−TGA TAA GCT TGC TCA ATG GTT CTC TTC CTC−3’(配列番号2)
MNN9遺伝子の開始メチオニンコドンを太字で強調した。PCRは、鋳型としてのSaccharomyces cerevisiae菌株JRY188由来のゲノムDNA、TaqDNAポリメラーゼ(パーキン・エルマー社(Perkin Elmer)製)および25サイクルの増幅(94℃で1分、37℃で2分、72℃で3分)を用いて行った。得られた1.2kbpPCRフラグメントをHindIIIで消化し、ゲルで精製し、HindIII消化アルカリホスファターゼ処理PUC13(ファーマシア社(Pharmacia)製)と結合した。得られたプラスミドをP1183と表した。
酵母URA3遺伝子でMNN9遺伝子を破壊するために、プラスミドpBR322−URA3(pBR322のHindII1部位内にサブクローニングされたSaccharomyces cerevisiaeURA3遺伝子をコードする1.1KbpHindIIIフラグメントを含む)をHindIIIで消化し、機能性URA3遺伝子を有する1.1kbpDNAフラグメントをゲルで精製し、T4DNAポリメラーゼで末端平滑化し、次にPmlI消化プラスミドp1183(PmlIMNN9コード配列の内部を切断する)で結合した。得られたプラスミドp1199は機能性URA3遺伝子によるMNN9遺伝子の破壊を含む。
実施例3
MNN9遺伝子の破壊を含むU9由来菌株1372の構築
菌株U9(#325)内におけるMNN9遺伝子の破壊のために、プラスミドp1199の30μgをHindIIIで消化して線状mnn9::URA3破壊カセットを形成した。菌株325の細胞を、スフェロプラスト法(ハイネン(Hinnen)ら,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA &5:1929〜1933)によりHindIII消化p1199DNAで形質転換し、形質転換したものを、ウラシルを含まず1.0Mソルビトールを含む合成寒天培地で選択した。合成培地は、蒸留水1リッター当たり、20gの寒天、6.7gの酵母窒素塩基w/oアミノ酸、0.04gのアデニン、0.05gのL−チロシン、182gのソルビトール、20gのグルコース、および10mlのロイシンマイナス溶液#2を含んでいた。ロイシンマイナス溶液#2は、蒸留水1リッター当たり、2gのL−アルギニン、1gのL−ヒスチジン、6gのL−ロイシン、6gのL−イソロイシン、4gのL−リシン、1gのL−メチオニン、6gのL−フェニルアラニン、6gのL−トレオニン、4gのL−トリプトファンを含む。
プレートを30℃で5日間培養し、その時点で多くのコロニーが出現した。10個のコロニーから染色体DNAを調製し、次にEcoRIプラスHindIIIで消化した。DNA消化物を、次に、プローブとして、MNN9遺伝子(プラスミドp1199から単離したもの)を有する1.2kbpHindIIIフラグメントを用いて、サザンブロット(J.サムブルック(J.Sambrook)ら,モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual),第2版,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press),1989)により評価した。単離物を同定(菌株#1372)すると、サザンブロットにおける予想されたDNAバンドシフトならびにMNN9突然変異種により典型的に示される極端な塊状性が示された。
実施例4
酵母HIS3遺伝子の破壊のためのベクターの構築
Saccharomyces cerevisiae HIS3遺伝子がURA3遺伝子により破壊される破壊カセットを構築するために、プラスミドYEp6(ストルール(K.Struhl)ら,1979,Proc,Natl.Acad.Sci.,USA 76:1035)をBamHIで消化した。HIS3遺伝子を有する1.7kbpBamHIフラグメントをゲルで精製し、T4DNAポリメラーゼで末端平滑化し、予めBamHIで消化しT4DNAポリメラーゼで処理しておいたpUC18と結合した。得られたプラスミド(P1501またはpUC18−HIS3と表す。)をNheI(HIS3コード配列に切断する)で消化し、ベクターフラグメントをゲルで精製し、T4DNAポリメラーゼで末端平滑化し、次に子ウシ腸アルカリホスファターゼで処理した。URA3遺伝子をHindIIIで消化することによりプラスミドpBR322−URA3から単離し、URA3遺伝子を有する1.1kbpフラグメントをゲルで精製し、T4DNAポリメラーゼで末端平滑化し、前記pUC18−HIS3 NheIフラグメントと結合した。得られたプラスミド(pUC18−his3::URA3またはp1505と表す)は、酵母HIS3遺伝子が機能性URA3遺伝子により破壊される破壊カセットを含む。
実施例5
HIS3遺伝子による酵母PRB1遺伝子の破裂のためのベクターの構築
Saccharomyces cerevisiae PRB1遺伝子を有するプラスミドFP8ΔHは、カーネギーメロン大学のE.ジョーンズ(E.Jones)博士により提供された(C.M.メーレ(C.M.Moehle)ら,1987,ジェネティクス(Genetics),115:255〜263)。それをHindIIIプラスXhoIで消化し、PRB1遺伝子を有する3.2kbpDNAフラグメントをゲル精製し、T4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化した。プラスミドpUC18をBamHIで消化し、ゲル精製し、T4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化した。得られたベクターフラグメントを前記PRB1遺伝子フラグメントと結合してプラスミドpUC18−PRB1を生成した。HIS3遺伝子を含むプラミドYEp6を、BamHIで消化した。機能性HIS3遺伝子を有する1.7kbpBamHIフラグメントをゲル精製し、次にT4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化した。pUC18−PRB1を、PRB1コード配列内で切断し、プロテアーゼB活性部位およびフランキング配列を除去するEcoRVプラスNcoIで消化した。pUC18内のPRB1コード配列の残留5’および3’−部分を有する5.7kbpEcoRV−NcoIフラグメントをゲル精製し、T4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化し、子ウシ腸アルカリホスファターゼで脱リン酸化し、前述の末端平滑化HIS3フラグメントと結合した。得られたプラスミド(pUC18−prb1::HIS3と表す,株#1245)は、前述の除去されたPRB1遺伝子の部分の代わりに機能性HIS3遺伝子を含む。
実施例6
MNN9およびPRB1遺伝子の両方の破壊を含むU9−関連酵母菌株の構築
MNN9遺伝子の破壊を含むU9−関連菌株1372は実施例3に記載したものである。菌株1372のクローン単離物をFOAプレートを通過させてura3突然変異種を選択した。菌株1372の多くのura3単離物を得、一つの単離物(菌株12930−190−S1−1)を、次のHIS3遺伝子の破壊のために選択した。pUC18−his3::URA3遺伝子破壊ベクター(p1505)をXbaIプラスEcoRIで消化して線状his3::URA3破壊カセットを生成し、酢酸リチウム法(メッソズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Exzymology),第194巻:290(1991))による菌株12930−190−S1−1の形質転換に用いた。ウラシルを含まない合成寒天培地においてUra+形質転換体を選択し、同じ培地上でクローン単離物のために再び画線し、ウラシルまたはヒスチジンを含まない培地にレプリカ−プレティングし、ともにUra+およびHis-である単離物のスクリーニングを行った。一つの単離物(菌株12930−230−1)を、つぎのPRB1遺伝子の破壊のために選択した。PRB1遺伝子破壊ベクター(pUC18−prb1::HIS3,株#1245)を、SacIプラスXbaIで消化して線状prb1::HIS3破壊カセットを生成し、酢酸リチウム法による菌株12930−230−1の形質転換に用いた。His+形質転換体を、ヒスチジンを含まない寒天培地上で選択し、クローン単離物のために同じ培地上に再び画線した。得られた多くのHis+単離物からゲノムDNAを調製し、EcoRIで消化し、次に0.8%アガロースゲル上で電気泳動させた。次に、以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いてPCRから調製されたPRB1遺伝子のために放射性標識617bpプローブを用いてサザンブロット分析を行った。5’TGG TCA TCC CAA ATC TTG AAA 3’(配列番号3)
5’CAC CGT AGT GTT TGG AAG CGA 3’(配列番号4)
プローブと2.44kbp prb1::HIS3 DNAフラグメントとの予想されたハイブリッド形成を示す11個の単離物を得た。これは、野性型PRB1遺伝子の1.59kbpフラグメントとプローブとのハイブリッド形成と対照的であった。所望のprb1::HIS3破壊を含むこれらの単離物の一つを、さらに用いるために選択し、菌株#1558と表した。
実施例7
酵母PEP4遺伝子の破壊のためのベクターの構築
Saccharomyces cerevisiae PEP4遺伝子を、以下の方法により酵母ゲノムライブラリーからクローニングした。酵母ゲノムライブラリーpLS101(シュルツ(Schultz)およびフリーセン(Friesen),1983,J.Bacteriol.,第155巻:8〜14頁)を含むEscherichicoli細胞を、アンピシリン100μg/mLを含むLB培地5mL中で一晩増殖させた。この培地から、10-4および10-5希釈物を、LBプラスアンピシリンプレート上に載せた。ニトロセルロースフィルターを用いてコロニープレートリフト(lift)を調製した。酵母PEP4遺伝子のための600bpプローブを、TaqDNAポリメラーゼ、pLS101酵母ライブラリーからの全プラスミドDNA、およびPEP4の公表されているDNA配列に基づき設計した以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いて、PCRにより調製した(C.A.ウルフォード(C.A.Woolford)ら,Mol.Cell.Biol.,第6巻:2500(1986))。
センスプライマー:5’−GAG GCT ACC AGC GAG CCG GGC−3’(配列番号5)
アンチセンスプライマー:5’−GGC CAG TGG GCC AAC AGG TTC−3’(配列番号6)
PCRは25サイクルの増幅(94℃で1分、37℃で2分、72℃で3分)により行った。PCRプローブをゲル生成し、放射性標識し、前記コロニーフィルターとハイブリッド形成した。幾つかのコロニーは、PEP4プローブとのハイブリッド形成について陽性であり、単一コロニーのためにLBプラスアンピシリンプレート上に再画線した。単離物の幾つかからアルカリ−SDS溶解(前記サムブルックら)によりプラスミドDNAを調製し、BamHIで消化した。予想された14kbpベクターバンドおよび6.9kbpPEP4挿入バンドが観察された。EcoRIプラスXhoIを用いた二重消化の際に、予想されたPEP4の1.5kbpバンドが観察された。予想された結果を示す一つの単離物(菌株#860)を、さらに使用するために選択した。菌株#860からのプラスミドDNAをBamHIで消化し、染色体PEP4遺伝子を有する6.9kbpBamHI DNAフラグメントをpUC13のBamHI部位内にサブクローニングしてプラスミドp890を形成した。次に、プラスミドp890をNcol(PEP4コード配列内を切断する)で消化し、ゲル精製し、T4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化し、機能性URA3遺伝子(実施例2と同様に調製した)を有する1.1kbp末端平滑化フラグメントと結合した。URA3遺伝子により破壊されたPEP4遺伝子を含む得られたプラスミドをpUC13−pep4::URA3(菌株#906)と表す。
実施例8
prb1およびpep4突然変異種の両方を含む菌株U9の誘導体である酵母菌株#1569の構築
菌株U9内のHIS3遺伝子を破壊するために、破壊ベクターpUC18−his3::URA3をEcoRIプラスXbaIで消化し、次に、酢酸リチウム法により菌株U9を形質転換するために用いた。ウラシルを含まない寒天培地上でUra+形質転換体を選択し、クローン単離物のために同じ培地上に再画線した。得られたUra+単離物の多くを、ウラシルまたはヒスチジンを含まない寒天培地上にレプリカ−プレーティングし、Ura+およびHis-の両方についてスクリーニングした。一つの単離物(菌株#1524)を、次のPRB1遺伝子の破壊のために選択した。PRB1遺伝子破壊ベクターpUC18−prb1::HIS3をSacIプラスXbaIで消化し、次に酢酸リチウム法により菌株#1524を形質転換するために用いた。ヒスチジンを含まない寒天培地上でHis+形質転換体を選択し、同じ培地上でクローン単離物のために再画線した。多くのHis+単離物からゲノムDNAを調製し、放射性標識PRB1プローブを用いてサザンブロットハイブリダイゼーションにより評価した。HIS3(すなわちprb1::HIS3)によりPRB1遺伝子の所望の破壊を示す単離物の一つ(菌株#1537)を、次のPEP4遺伝子の破壊のために選択した。ura3単離物を得るために菌株#1537をFOAプレートを通過させ、一つの単離物(菌株#1541)をさらなる使用のために選択した。
菌株#1541内のPEP4遺伝子を破壊するために、PEP4遺伝子破壊ベクターpUC13−pep4::URA3をXhoIで消化して線状pep4::URA3破壊カセットを生じさせ、酢酸リチウム法による菌株#1541の形式質転換に用いた。ウラシルマイナス寒天培地上でUra+形質転換体を選択し、同じ培地上でクローン単離物のために画線した。多くのUra+形質転換体からゲノムDNAを調製し、PEP4遺伝子のための放射性標識プローブを用いてサザンブロットにより評価した。URA3遺伝子によるPEP4遺伝子の所望の破壊を示す一つの単離物(菌株#1569)を、さらに用いるために選択した。
実施例9
CRPV L1発現ベクターの構築
ベント(Vent)ポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブス社(New England Biolabs,Inc.)製)を用いて完全CRPVウィルスゲノム(ピーター・ホーリー(Peter Howley)博士,NCI)を含むプラスミドpLAIIからPCRによりCRPV L1遺伝子を増幅した;ここで35サイクルの増幅(94℃で1分間;50℃で1分間;72℃で2分間)および以下のフランキングBg1II部位(アンダーライン付)を含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いた:
センスプライマー:5’−GAA GAT CTT CAA AAC AAA ATG GCA GTG TGG CTG TCT AC−3’(配列番号7)
アンチセンスプライ、アー:5’−GAA GAT CTT TAT TAA GTA CGT CTC TTG CGT TTAG−3’(配列番号8)
センスプライマーは、CRPV L1開始メチオニンコドン(太字で強調している)の直ぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列を導入する。1.6kbL1PCR生成物を、Bg1IIで消化し、ゲル精製し、ベクターpSP72(プロメガ社(Promega)製)のBg1II部位内にサブクローニングしてプラスミドpSP72−CRPV−L1(P12930−314−4−1)を形成した。
一つのサブクローンを完全に配列決定し、公表されているCRPV L1配列と4つのヌクレオチドにおいて異なることが分かった。その変化はアミノ酸の変化にはならない。L1遺伝子をpSP72−CRPV−L1からBg1IIフラグメントとして切り出し、YEp52(ブローチ(Broach)ら,エクスプ・マニピュレーション・オブ・ジーン・エクスプレション(Exp.Manipulation of Gene Expression),1983,第83巻:81〜116頁)からのGAL10プローターおよびADH1転写ターミネーターをpC1/1ベクターバックボーンに含む酵母発現ベクターpC1/1−GAL10p−ADH1tにおいて、酵母GAL10プロモーターとADH1転写ターミネーターの間に位置する単一のBamHI部位内にサブクローニングした。得られたプラスミドをp12930−323−6−1と表した。
実施例10
CRPV L2発現ベクターの構築
プラスミドをSalIで消化し、7.9Kbフラグメントをゲル精製し、それ自体で結合した後に、プラスミドpLAIIからベントポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブス社(New England Biolabs,Inc.)製)を用いてPCRによりCRPV L2遺伝子を増幅した。35サイクルの増幅(90℃で1分間;50℃で1分間;72℃で2分間)およびフランキングEcoRI部位(アンダーライン付)を含むオリゴヌクレオチドプライマーを使用した:
センスプライマー:5’−GGA ATT CAC AAA ACA AAA TGG TTG CAC GGT CAC GAA AAC−3’(配列番号9)
アンチセンスプライマー:5’−GGA ATT CTT ATT CTG CGT AGA CAG CCA CAC TG−3’(配列番号10)
センスプライマーは、CRPV L1開始メチオニンコドン(太字で強調している)の直ぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列を導入する。1.5kbPCR生成物を、EcoRIで消化し、ゲル精製し、発散(divergent)酵母GAL1/GAL10プロモーターを含む両方向プロモーターベクターpUC18−GAL1p−GAL10pのEcoRI部位内にサブクローニングした。このベクターは、GAL1プロモーターとADH1転写ターミネーターの第1のコピーとの間に単一のBamHI部位、および、GAL10プロモーターとADH1転写ターミネーターの第2のコピーとの間に位置するともに単一のEcoRIおよびSmaI部位を含む。得られる発現カセットを1.4kbのSphIフラグメントに保有させた。GAL10プロモーターに隣接する所望のK2挿入体を含む一つのクローン(p12930−295−2−2)を完全に配列決定すると、公表されている配列から変化下している6個のヌクレオチドを含み、そのうち4個がアミノ酸の変化であることが示された。最初の鋳型DNAの配列分析により、変化がpLAIIにも存在しPCRによって導入されないことが確認された。L2遺伝子を含むpUC18−GAL1p−GAL10pベクターをSphIで切断し、ADH1t−GAL1p−GAL10p−L2−ADH1t発現カセットを有する2.9kbフラグメントを、酵母シャトルベクターpC1/1の大きなSph1フラグメントと結合した。得られるプラスミドをp12930−323−2−3(pC1/1−GAL1p−GAL10p−CRPV−L2)と表した。
実施例11
酵母内におけるCRPV L1およびCRPV L2カプシドタンパクの発現
プラスミドp12930−323−6−1およびp12930−323−2−3(pC1/1−GAL10p−CRPV/L1およびpC1/1−GAL1p−GAL10p−CRPV/L2)を用いてSaccharomyces cerevisiae菌株#1569,BJ5462[E.W.ジョーンズ(E.W.Jones),メッソズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),第194巻,(1991)428〜453頁]およびBJ1995[ジョーンズ(Jones),上記同書]を形質転換した。クローン単離物を、2%ガラクトースを含むYEHD培地において30℃で48〜72時間成長させた。細胞を採取した後、細胞ペレットをガラスビーズで破壊し、トリトンX−100を0.5%の最終濃度になるように添加し、得られる細胞溶解物を、イムノブロット分析によりCRPV L1およびL2の発現について評価した。全細胞性タンパク40μgを含むサンプルを、減圧および変性条件下に12%トリス−グリシンゲル(Tris−Glycine gels)(ノヴェックス社(Novex)製)上で電気泳動させ、PVDF膜(ノヴェックス社製)上にエレクトロブロットした。ポリクローナルウサギ抗−L1または抗−L2抗血清(ハーシー・メディカル・センター(Hershey Medical Center)のジョン・クライダー(John Kreider)博士から入手)を第1抗体として使用し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(アマーシャム社(Amersham,Inc.)製)に結合したタンパクAを第2抗体をして使用して、CRPV L1およびL2タンパクを検出した。化学ルミネセントECLTM検出キット(Detection Kit)(アマーシャム社製)を用いて薄膜を処理した。L1発現プラスミドを有する全てのサンプルにおいて55〜61kDa L1タンパクバンドが検出され、L2発現プラスミドを有する酵母クローンからの全てのサンプルにおいて〜90kDa L2タンパクバンドが検出された。抗−L2抗血清と共にL1発現プラスミドを有するかまたはその逆の酵母クローンに由来するサンプルにおいてシグナルは検出されなかった。
実施例12
A.組換えCRPV L1カプシドタンパクの精製
特記しない限り全ての工程は4℃で行った。−70℃に貯蔵した細胞を融解し、等容量の「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、マイクロフルイダイザー(microfluidizer)中を10回通過させることにより溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。上澄みを、L1緩衝液中45%スクロース(w/v)の5cmクッションの上にのせ、L1を100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させ、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。ツイーン−80(Tween−80)を、最終濃度が0.01%(v/v)になるように上清に添加し、セファクリル(Sephacryl)S−1000樹脂(ファーマシア社(Pharmacia)製)の1700mlカラム(5cmID)上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより室温で上清を分画した。このカラムのランニング緩衝液は、燐酸ナトリウム10mM,pH7.2、NaCl150mM、0.01%(v/v)ツイーン−80であった。イムノドットブロットによる免疫反応性物質を含むフラクションを溜め、76mmの直径のYM−100平坦シート薄膜(100000MWCO)を有するアミコン(Amicon)攪拌セルを用いて限外濾過により1/6の容量に濃縮した。生成物を、ミレックス(Millex)−GV0.22μm薄膜(ミリポア社(Millipore)製)を通して滅菌濾過した。精製したCRPV L1カプシドタンパクを水酸化アルミニウムに100μg/mlの濃度で吸着させた。
B.組換えCRPV L1カプシドタンパクの特徴付け
最終生成物の同一性をウエスタンブロットおよびN−末端配列分析により確認した。純度をクーマシーおよび銀染色を用いるSDS/PAGEにより、および215nmで光学的に検出する溶液篩キャピラリー電気泳動(Solution Sieving Capillary Electrophoresis:SSCE)により調べた。調製物は、SSCEによれば75%純度L1であった。
実施例13
組換えCRPV L2カプシドタンパクの精製
特記しない限り全ての工程は4℃で行った。−70℃に貯蔵した細胞を融解し、等容量の「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチンAを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、マイクロフルイダイザー中を10回通過させることにより溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。上澄みを、L1緩衝液中45%スクロース(w/v)の5cmクッションの上にのせ、L2を100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させた。再懸濁ペレットを、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。ツイーン−80を、最終濃度が0.01%(v/v)になるように上清に添加し、セファクリルS−1000樹脂(ファーマシア社製)の1700mlカラム(5cmID)上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより室温で上清を分画した。このカラムのランニング緩衝液は、燐酸ナトリウム10mM,pH7.2、NaCl150mM、0.01%(v/v)ツイーン−80であった。イムノドットブロットによる免疫反応性物質を含むフラクションを溜めた。溜めたフラクションを、SDS/PAGE(銀)およびウエスタンブロットにより分析した。
実施例14
A.組換えCRPV L1カプシドタンパクの精製−スキーム1
−70℃に貯蔵した細胞を溶解し、等容量のブレーキング緩衝液(Breaking buffer)(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチンAを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、マイクロフルイダイザー中を10回通過させることにより溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。上澄みを、L1緩衝液中45%スクロース(w/v)の5cmクッションの上にのせ、L1を100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させた。再懸濁ペレットを、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。ツイーン−80を、最終濃度が0.01%(v/v)になるように上清に添加し、セファクリルS−1000樹脂(ファーマシア社製)の1700mlカラム(5cmID)上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより室温で上清を分画した。このカラムのランニング緩衝液は、燐酸ナトリウム10mM,pH7.2、NaCl150mM、0.01%ツイーン−80であった。イムノドットブロットアッセイによる免疫反応性物質を含むフラクションを溜め、76mmの直径のYM−100平坦シート薄膜(100000MWCO)を有するアミコン(Amicon)攪拌セルを用いて限外濾過により1/6の容量に濃縮した。生成物を、ミレックス−GV0.22μm薄膜(ミリポア社製)を通して滅菌濾過した。
B.組換えCRPV L1カプシドタンパクの特徴付け
最終生成物の同一性をウエスタンブロットおよびN−末端配列分析により確認した。純度をクーマシーおよび銀染色を用いるSDS/PAGEにより、および215nmで光学的に検出する溶液篩キャピラリー電気泳動(SSCE)により調べた。L1は、SSCEによれば75%純度であった。電子顕微鏡法は、50〜55nmの直径範囲のVLPが存在することを示した。C.分析用サイズ排除HPLC
VLPについて調べるために、サンプルをサイズ排除クロマトグラフィーにより寸法に従って分離した。200マイクロリッターの注入ループを備えるISS100自動注入機を有するパーキン−エルマー・シリーズ・410・バイオポンプ・HPLC(Perkin−Elmer Series 410 Biopump HPLC)を用いてクロマトグラフィーを行った。カラムは、TSK−ゲル G5000PW,7.5×600mm(ペンシルバニア州モントゴメリービル在TOSOHAAS製)であった。カラムからのタンパクの溶出をモニターするために、パーキン−エルマー・LC−235・ダイオード・アレイ・デテクター(Perkin−Elmer LC−235 diode array detector)を用いて280nmでの光学検出を行った。移動相は、10mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中0.5MNaClであった。流速は0.5mL/分であり、1ミリリッターのフラクションを集めた。シグマ社(Sigma)からのタンパク標準物および組換えB型肝炎表面抗原(ペンシルバニア州ウエストポイント在メルク社(Merck & Co.)製リコンビヴァックス(Recombivax))を用いてカラム検定を行った。溶出中に収集されたフラクション中の抗原の検出は、イムノドットブロットアッセイにより行った。
D.イムノドットブロットアッセイ
各フラクションの10ミリリットルサンプルを、予め湿潤され湿ったブロット紙の上に置かれたPVDF薄膜(マサチューセッツ州ベッドフォード在ミリポア社(Millipore Corp.)製イモビロン−P(Immobilon−P))の一片に塗布した。サンプルを薄膜にしみ込ませ、薄膜をブロッキング溶液(Blocking Solution)(0.15MのNaCl,0.02%(w/v)ナトリウムアジド,および0.01M燐酸ナトリウム,pH7.2に溶解された脱脂粉乳5%(w/v))中に入れ、室温で穏やかに攪拌しながら少なくとも3時間培養した。ブロッキング溶液を傾瀉し、第1抗体溶液と置き換えた。
使用した第1抗体は、検出すべき抗原により変化する。
CRPV L1を、ウサギ抗−CRPV血清「遅反応」(メイン州ケンバンク在バイオデザイン・インターナショナル社(Biodesign International)製)で調べた。CRPV L2を、ウサギ抗−CRPV L2血清で調べた。HPV6aL1を、モノクローナル抗体MAB837(カリフォルニア州テメキュラ在ケミコン・インターナショナル社(Chemicon International,Inc.)製)で調べた。HPV6aL2を、マウス抗−HPV6aL2−trpE融合体血清で調べた。
免疫複合体の視覚化を、アルカリホルファターゼに結合した第2抗体および色原体基質NBT/BCIPを用いて標準的方法により行った。
E.溶液篩キャピラリー電気泳動(SSCE)
CRPV VLP(〜0.2ミリグラム/ミリリッター)のサンプルを、1%2−メルカプトエタノールおよび1%(w/v)SDS中で100℃で15分間加熱した。サンプルを、参照マーカーであるメリト酸と共に電気動力学的(electrokinetically)にシリカ溶融キャピラリー(42cm(検出部分22cm)×0.05mmI.D.,10ルーメン容量の0.1N NaOH、水およびプロソート(ProSort)篩剤(カリフォルニア州フォスターシティー在アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems)製)で予め平衡させている)に添加した。アプライド・バイオシステムズ・モデル・270A−HT CE装置(Applied Biosystems Model 270A−HT CE instrument)を用いて、分離電圧300ボルト/cmを印加した。サンプルの溶出を、215nmでの吸収によりモニターし、ネルソン・ターボクロム(Nelson Turbochrom)3 ソフトウェアを用いて集めた。
F.組換えCRPV L1カプシドタンパクからのワクチンの調製
精製CRPV L1カプシドタンパクを、100μg/mlの濃度でAl(OH)3に吸着させた。
実施例15
酵母由来CRPV L1 VLPのワクチン接種によるCRPVにより引き起こされる乳頭腫発症に対する保護
5匹のニュージーランド白ウサギを、陰性対照としての、水酸化アルミニウムに吸着させた組換えB型肝炎表面抗原(純度99%)100mgまたは明ばん(alum)に吸着させたL1 VLP(純度75%、実施例17を参照)135mgを筋肉内に投与して免疫化した。動物は8週間の間に2回以上の追加抗原刺激を受けてから、最後の追加抗原刺激から10日後にCRPVでチャレンジした。免疫化の前、各追加抗原刺激、チャレンジの前に血清を採取し、L1−VLP特異性ELISAにより分析した。間接的ELISA検定を用いて、酵母発現CRPV L1 VLPへの血清抗体反応を測定した。ELISA中に用いられる抗原は、クリステンセン(Christensen)らにより実質的に記載(J.Virol.第64巻:3151〜3156頁,1990;J.Gen.Virol.第75巻:2271〜2276頁(1994))されている組換えバキュロウィルスを用いて昆虫細胞において発現されるCRPV L1 VLPである。第2抗体としてヤギ抗−ウサギIgG−アルカリホスファターゼを用い、基質としてp−ニトロフェニルホスフェートを用いた(キールケゴール・アンド・ペリー・ラブス社(Kirkegaard and Perry Labs.,Inc.)。吸収は405nmで測定した。力価は最終点希釈(1:100で出発して血清を3倍希釈した)により決め、L1−特異性吸収が、ウサギ前免疫血清の平均吸収読取値プラス2の標準偏差を越えると陽性であると考えた。正確な力価は、ソフトマックス・プログラム(SOFTmax program)バージョン2.3(カリフォルニア州メンロパーク在モレキュラー・デバイス社(Molecular Devices Inc.)製)を用いてこれらのデータから算出した。
抗L1 VLP抗体力価は、最初の免疫化から4週間後に現われ、更なる追加抗原刺激毎に増大した。対照動物は陰性であった。CRPVチャレンジから6週間後に、ワクチン接種した動物は15部位(1:2希釈または1:12希釈ウィルスストック)のうち15がいぼがなく、対照動物は15部位(1:2希釈ウィルス)のうち12にまたは15部位(1:12希釈ウィルス)のうち9にいぼが形成されていた。15週間後、ワクチン接種した動物はなお、いぼがなかった。
ウサギ血清をCRPVと混合し、続いて処理CRPVでウサギをチャレンジすることによりウィルス中和アッセイを(実質的にクリステンセンらの,1991,ヴィロロジー(Virology),181巻:572〜579頁の方法に従って)行った。中和抗体を測定するための標準は完全ウィルス中和(3/3部位にいぼ形成が陰性)である。5匹のワクチン接種動物および5匹の対照動物からの血清を分析した。CRPV L1 VLPの1回の投与後に採集した血清は、80%のウサギ(4/5)において非希釈ウィスルを完全に中和する抗体を含んでいた。CRPV L1 VLPの2回または3回の投与後に、100%のウサギ(5/5)がウィスル中和抗体を有していた。対照血清は、ウィルス中和活性を示さなかった。最終力価により、選択されたワクチン接種動物の血清を10〜1000倍に希釈することができ、なお100%中和を維持した。
中和抗体反応が天然CRPV L1 VLPに特異的であるかを試験するために、一つの免疫血清を選択し、天然または変性した酵母由来CRPV L1 VLPをコートしておいたニトロセルローススクエアで培養した。ニトロセルローススクエア(1cm2)に天然または変性(還元および8M尿素中ヨード酢酸でアルキル化)した酵母発現CRPV L1 VLPをコートした。対照として天然または変性した酵母抽出物を用いた。ウサギ免疫血清を、ニトロセルローススクエアで4℃で8〜14時間、連続的に4回培養してから、前述のようにウィルス中和アッセイで試験した。天然CRPV L1 VLPのみが、CRPV中和に反応性のある抗体を吸収することができ、変性または対照酵母タンパクはこれらの抗体を吸収しなかった。さらに、天然CRPV L1 VLPはまた、昆虫細胞で発現されるCRPV L1 VLPに対するELISA反応性を除去した(データは示されない。)。
実施例16
単一プラスミドからのCRPV L1/L2の同時発現のためのベクターの構築
プラスミドpSP72−CRPV−L1(P12930−314−4−1)をBg1IIで消化し、酵母5’−非翻訳リーダーと共にCRPV L1 ORFを有する1.5kbpBg1IIフラグメントをゲル精製した。プラスミドp12930−323−2−3(pC1/1−GAL1p−GAL10p−CRPV−L2)を,GAL1プロモーターとADH1転写ターミネーターの間で切断するBamHIで消化した。線状ベクターフラグメントをゲル精製し、次に、前記CRPV−L1 Bg1IIフラグメントと結合してプラスミドP12930−366−1−2(pC1/1−GAL1/10p−CRPV/L1+L2)を形成した。この得られたプラスミドは、GAL1プロモーターの制御下にCRPV−L1 ORFを含み、GAL10プロモーターの制御下にCRPV−L2 ORFを含む。
実施例17
二つのプラスミドからのCRPV L1/L2の同時発現のためのベクターの構築
L2遺伝子を含むpUC18−GAL1p−GAL10pベクターをSphIで切断し、ADH1t−GAL1p−GAL10p−L2−ADH1t発現カセットを有する2.9kbフラグメントをゲル精製し、T4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化した。酵母シャトルベクターYEp24[ボートシュタイン(Botstein)ら,ジーン(Gene),第8巻:17頁(1979)]をBamHIで消化し、T4DNAポリメラーゼで処理することにより末端平滑化し、子ウシ腸アルカリホスファターゼで脱リン酸化し、次に前記末端平滑化L2発現カセットと結合してプラスミドp1594を形成した。
実施例18
酵母中におけるCRPV L1およびL2の同時発現
プラスミドp12930−366−1−2(pC1/1−GAL1/10p−CRPV/L1+L2)を用いてSaccharomyces cerevisiae菌株#1569およびBJ5462(一つのプラスミド系)を形質転換し、得られる形質転換体を、ロイシンマイナス合成寒天培地上で選択した。並行実験において、菌株1569をpC1/1−GAL10p−CRPV−L1発現ベクターp12930−323−6−1プラスYEp24−GAL10p−L2発現ベクターP1594(二つのプラシミド系)と同時形質転換し、両方のベクターを含む得られる形質転換体を、ロイシンおよびウラシルの両方を含まない合成寒天培地上で選択した。一つのプラスミド系と二つのプラスミド系の両方のクローン単離物を、2%ガラクトースを含むYEHD複合培地において30℃で48〜72時間成長させた。細胞を採取した後、細胞ペレットをガラスビーズで破壊した。トリトン(Triton)X−100を0.5%の最終濃度となるように添加し、細胞溶解物をイムノブロット分析によりCRPV L1およびL2の発現について分析した。総細胞タンパク50μgを含むサンプルを、還元および変性条件下に8〜16%トリス−グリシン勾配ゲル(ノヴェックス社(Novex)製)上で電気泳動し、PVDF薄膜(ノヴェックス社製)上にエレクトロブロットした。第1抗体としてポリクローナルウサギ抗−L1または抗−L2抗血清(ハーシー・メディカル・センター(Hershey Medical Center)のジョン・クライダー(John Kreider)博士から入手)を用い、第2抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ(アマーシャム社(Amersham,Inc.)製)に結合したタンパクAを用いることにより、CRPV L1およびL2タンパクを検出した。化学ルミネセントECLTM検出キット(Detection Kit)(アマーシャム社製)を用いて薄膜を処理した。L1+L2発現プラスミドを有する酵母クローンからの全てのサンプルにおいて55〜61kDa L1タンパクバンドおよび〜90kDa L2タンパクバンドが検出された。L1の発現プラスミドを有する酵母クローンから誘導されるサンプルにおいてL2のシグナルは検出されなかった。L2発現ベクターのみを含む細胞からのサンプルにおいてL1のシグナルは検出されなかった。
実施例19
EM研究のためのCRPV L1およびCRPV L1+L2VLPの精製
酵母によって発現されたCRPV L1タンパクならびにCRPV L1およびL2タンパクを部分的に精製し、電子顕微鏡(EM)研究のために濃縮した。L1+L2同時発現ベクターp12930−366−1−2(pC1/1−GAL1/10p−CRPV/L1+L2)で形質転換したSaccharomyces cerevisiae菌株#1569およびBJ5462を、2%ガラクトースを含むYEHD培地1〜1.5リッターに接種し、30℃で48〜72時間成長させた。並行実験において、GAL10p−CRPV−L1発現ベクターp12930−323−6−1プラスYEp24−GAL10p−L2プラスミドp1594で同時形質転換した菌株#1569の細胞を同様の方法で成長させた。細胞を採取し、細胞ペレットを−70℃で凍結した。以下の全ての工程は4℃で行った。細胞ペレットを融解し、等容量の「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチンAを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、マイクロフルイダイザー中を3〜5回通過させることにより溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。上澄みを、L1緩衝液中45%スクロース(v/v)の5cmクッションの上にのせ、L1、L2またはL1およびL2タンパクを100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させた。再懸濁ペレットを、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。
EM分析(ペンシルバニア州ウエストチェスター在ストラクチャー・プローブ社(Structure Probe))のために、200メッシュ炭素被覆銅グリッド上に各サンプルをのせた。2%ホスホタングステン酸(PTA)(pH7.0)の一滴をグリッドの上に20秒間のせた。グリッドを風乾してからTEM試験に付した。全ての顕微鏡検査はJEOL 100CX透過型電子顕微鏡(JEOL USA,Inc.製)を用いて100KVの加速電圧で行った。顕微鏡写真の最終倍率は100000Xとした。
CRPV L1発現プラスミドまたはCRPV L1およびL2の同時発現のためのプラスミドを有する全ての酵母サンプルにおいて、50〜55nm直径寸法範囲においてVLPが観察された。酵母対照サンプルまたはL2発現プラスミドのみを有する酵母サンプルにおいてVLPは観察されなかった(図7,8,9)。
実施例20
A.組換えCRPV L1カプシドタンパクの精製−スキーム2
全ての工程は特記しない限り4℃で行った。
−70℃に貯蔵した細胞を融解し、等容量のブレーキング緩衝液(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチンAを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、ビオネブ・セル・ディスラプター・システム(BioNeb Cell Disruptor system)(インジアナ州テラホイテ在グラス−コル・アパレイタス社(Glas−Col Apparatus Co.)製)を用いて溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。
上澄みを、L1緩衝液中45%スクロース(w/v)の5cmクッションの上にのせ、L1を100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させた。再懸濁ペレットを、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。
上済みをPBSで1:5に希釈し、ソルバル(Sorvall)SA−600ローター中6500rpmで10分間4℃で遠心分離することにより再清澄化した。0.22ミクロンシリンジフィルターを通して上済みを濾過し、アニオン交換クロマトグラフィーにより分画した。
アニオン交感クロマトグラフィーは、5ミリリッターの注入ループを備えるパーキン−エルマー・シリーズ・410・バイオポンプ・HPLC(Perkin−Elmer Series 410 Biopump HPLC)を用いて行った。クロマトグラフィー媒体は、150mm×10mmIDガラスカラム中のフラクトゲル(Fractogel)EMF TMAE−650(S)25〜40ミクロン樹脂(ニュージャージー州ギブスタウン在イー・エム・セパレイションズ社(EM Separations)製)とした。カラムからのタンパクの溶出をモニターするために、パーキン−エルマー・LC−235・ダイオード・アレイ・デテクター(Perkin−Elmer LC−235 diode array detector)を用いて280nmでの光学検出を行った。カラムを0.01M燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中0.15MNaClで予め平衡化させた。カラムは、流速0.75mL/分で操作した。サンプルをカラムの上にのせ、カラムを緩衝液Aで洗って非結合物質を除去した。結合物質は0.15M〜0.65Mの直線濃度勾配の塩化ナトリウムで5分間溶出し、次に0.65M〜0.15Mの直線勾配で30分間溶出した。溶出中に収集されたフラクション中の抗原の検出は、イムノドットブロットアッセイで行った。免疫反応性物質を含むフラクション(すなわち、0.81Mと1.05MNaClとの間において溶出されるフラクション)を溜めた。
溜めたフラクションをマクロセップ(Macrosep)遠心分離濃縮装置(マサチューセッツ州ノースボロウ在フィルトロン・テクノロジー社(Filtron Technology Corp.))において1/15容量まで濃縮した。
濃縮物を、87cm×27mmIDカラム内のセファクリル(Sephacryl)S−1000SF樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)を用いてサイズ排除クロマトグラフィーにより分離した。カラムは2.5ml/分の流速で操作した。タンパクの溶出は、280nmでの吸収によりモニターした。抗原をイムノブロットで検出した。
免疫反応性物質を含むフラクションを溜め、圧力10psiの窒素雰囲気下に43mmの直径のYM−100平坦シート薄膜(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社(Amicon,Inc.)製)を有する攪拌セル(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社製)を用いて限外濾過により濃縮した。
最終生成物を、クーマシー染色を用いるSDS/PAGEにより、および溶液篩キャピラリー電気泳動(SSCE)により特徴付けた。スキーム2からの最終生成物は、SSCEによれば88%純度であった。
実施例21
A.組換えCRPV L1カプシドタンパクの精製−スキーム3
全ての工程は特記しない限り4℃で行った。
−70℃に貯蔵した細胞を融解し、等容量のブレーキング緩衝液(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチンAを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、ビオネブ・セル・ディスラプター・システム(インジアナ州テラホイテ在グラス−コル・アパレイタス社(Glas−Col Apparatus Co.)製)を用いて溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。
上澄みを、L1緩衝液中45%スクロース(w/v)の5cmクッションの上にのせ、L1を100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させた。再懸濁ペレットを、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。
上済みを1/2容のクロロホルムで抽出した。水層を除去し、ベックマン・マイクロ遠心分離機(Beckman microfuge)において12000rpmにて室温で5分間遠心分離することにより清澄化した。
上済みをPBSで1:5に希釈し、ソルバル(Sorvall)SA−600ローター中6500rpmで10分間4℃で遠心分離することにより再清澄化した。0.22ミクロンシリンジフィルターを通して上済みを濾過し、アニオン交感クロマトグラフィーにより分画した。
アニオン交換クロマトグラフィーは、5ミリリッターの注入ループを備えるパーキン−エルマー・シリーズ・410・バイオポンプ・HPLC(Perkin−Elmer Series 410 Biopump HPLC)を用いて行った。クロマトグラフィー媒体は、150mm×10mmIDガラスカラム中のフラクトゲル(Fractogel)EMF TMAE−650(S)25〜40ミクロン樹脂(ニュージャージー州ギブスタウン在イー・エム・セパレイションズ社(EM Separations)製)とした。カラムからのタンパクの溶出をモニターするために、パーキン−エルマー・LC−235・ダイオード・アレイ・デテクター(Perkin−Elmer LC−235 diode array detector)を用いて280nmでの光学検出を行った。カラムを0.01M燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中0.15MNaCl(緩衝液A)で予め平衡化させた。カラムは、流速0.75mL/分で操作した。サンプルをカラムの上にのせ、カラムを緩衝液Aで洗って非結合物質を除去した。結合物質は0.15M〜0.65Mの直線濃度勾配の塩化ナトリウムで5分間溶出し、次に0.65M〜0.15Mの直線勾配で30分間溶出した。溶出中に収集されたフラクション中の抗原の検出は、イムノドットブロットアッセイで行った。免疫反応性物質を含むフラクション(すなわち、0.81Mと1.05MNaClとの間において溶出されるフラクション)を溜めた。
溜めたフラクションをマクロセップ(Macrosep)遠心分離濃縮装置(マサチューセッツ州ノースボロウ在フィルトロン・テクノロジー社(Filtron Technology Corp.))において1/15容量に濃縮した。
濃縮物を、87cm×27mmIDカラム内のセファクリル(Sephacryl)S−1000SF樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)を用いてサイズ排除クロマトグラフィーにより分離した。カラムは2.5ml/分の流速で操作した。タンパクの溶出は、280nmでモニターした。抗原をイムノブロットで検出した。
免疫反応性物質を含むフラクションを溜め、圧力10psiの窒素雰囲気下に43mmの直径のYM−100平坦シート薄膜(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社(Amicon,Inc.)製)を有する攪拌セル(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社製)を用いて限外濾過により濃縮した。
最終生成物を、クーマシー染色を用いるSDS/PAGEにより、および溶液篩キャピラリー電気泳動(SSCE)により特徴付けた。スキーム3からの最終生成物は、SSCEによれば95%純度であった。
実施例22
富裕な複合および化学的規定培地中におけるCRPV L1およびHPVタイプ6aL1(菌株1644)の発現
これら菌株の接種は前述のロイシンを含まない合成培地において行い、振盪フラスコ培地に移した。使用した振盪フラスコは、高通気能のために邪魔板を設け(300mLフラスコ当たり70mL液体,トゥンエア・ラブウエア社(Tunair Labware)製)、培地には約0.5mL/Lの消泡剤(UCON LB−625,ユニオン・カーバイド社(Union Carbide)製)加えた。富裕複合培地は(リッター当たり);40gのディフコ(Difco)酵母抽出物;20gのシェフィールド・ハイソイ(Sheffield HySoy)ペプトン;30gのグルコース;50gのガラクトースを含み、培地は滅菌前にpH5.3に調整された。使用した化学的規定培地は、オオウラ(Oura)により記載されたもの(Biotechnol.Bioengineer.第16巻:1197〜1212,1974)に類似しているが、0.1gの塩素Cl;0.4gのアデニン;30gの窒素源としてのグルタミン酸一ナトリウム;0.2gのウラシル;20gのグルコース;40gのガラクトースを加えた。フラスコを接種物3mLで接種し、回転振盪器において28℃、250rpmで66時間培養した。抗−CRPV L1および抗−HPV 6a L1抗血清を用いてイムノブロットにより発現を確認するために間隔をおいてフラスコからサンプリングした。
実施例23
HPV−6aゲノムのクローニング
重症の尖圭コンジローム(condylomata acuminata)(インジアナ医科大学(Indiana University School of Medicine)のダロン・ブラウン(Darron Brown)博士から提供された)を診断された患者からの組織を制限酵素消化およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により検出し、HPVタイプ6aを含むことが示された。DNAを組織サンプルから抽出し、HindIII酵素で消化した。0.8%低融点アガロース分取用ゲルを通すサイズ分別に続いて、ゲルから8kbの領域を切り出し、アガロースをゲラーゼ酵素(GelaseTMenzyme)(エピセンター・テクノロジー社(Epicentre Technologies,Inc.)製)で消化した。サンプルを、HindIII酵素で消化し脱リン酸化しておいたpUC18(ファーマシア社(Pharmacia,Inc)製)で結合した。有効なE. coliDH5細胞(BRL)の形質転換に続いて、プラスミドライブラリーを、HPV−6a L1遺伝子に相補的な32P−標識オリゴデオキシヌクレオチドを用いてHPV−6a陽性クローンについてスクリーニングした。8−kbHPV−6aゲノムを含むpUC18プラスミドを単離し、制限酵素およびサザンブロット分析により特徴付けた。このプラスミドをpUC18−HPV−6aと表した。完全8kb HPV−6aゲノムを、ABI自動配列決定機(#373A)を用いて製造者の指示に従って配列決定した。
25才の分娩後女性患者から大きな外陰尖圭コンジローム病巣を得た。病巣のフラグメントを液体窒素中で凍結し、ブラウン・ミクロディスメンブレーターII(Braun mikrodismembratorII)(ドイツ国メルスンゲンのブラウン・インスツルメンツ社(B.Braun Instruments)製)で処理した。得られた材料を0.6%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で可溶化し、プロテナーゼK(50mcg/ml)で処理し、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出した。DNAをエタノールで沈殿させ、UV分光光度計により定量した。高分子量DNAの存在は、アガロースゲル電気泳動およびその後のエシジウムブロミド(ethidium bromide)による染色により確定された。
HPV DNAタイプはヴィラ・タイプ・プラス(Vira Type Plus)(メリーランド州ベルツビル剤ジゲン・ダイアグノスティクス社(Digene Diagnostics)製)として販売されているハイブリッド捕捉アッセイを用いて決めた。使用したHPVプローブを二つのプールに分け、その組成は各タイプと生殖器管悪性疾患との関係に基づく。プローブ群Aは「低危険度」タイプHPV6,11,42,43および44を含み、プローブ群Bは「高危険度」タイプHPV16,18,31,33,35,45,51,52および56を含む。全DNAをPstI,BamHIおよびHindIIIで消化し、高緊縮条件(Tm−15℃)下にサザンブロットを行いHPVサブタイプを決めた。
完全HPV6a配列を決めるために、公表されているHPV6b配列に基づき配列決定用プライマーを合成した。完全8.1kbpHPV6aゲノムの両方のストランドを、PRISMTMキットおよびアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems(ABI))自動配列決定機(#373A)を用い製造者(カリフォルニア州フォスターシティー在ABI社)の指示に従ってジデオキシ鎖終止法により配列決定した。センスおよびアンチセンス配列が適合しない場合、コンセンサスを得るために問題の領域を越えて両方向に再配列決定するために更なるHPV6a特異性プライマーを合成した。
HPV6aおよびHPV6bのDNA配列は97%を越える同一性を示し、8010bpのうち全部で229bpの変化が確認された。HPV6b配列と比較して最も重要な違いが長い調節領域(LCR;nt7205−nt106)において見られた。HPV6aLCRにおける幾つかの単一ヌクレオチド(nt)変化とは別に、nt7350における94−bp挿入およびnt7804におけるもう一つの19−bp挿入が見られた。nt7615において、HPV6aゲノムから6つの塩基対が削除された。
実施例24
HPV6a L1酵母発現ベクターの構築
PCRのための鋳型としてHPVタイプ6aDNAを用いた。HPV6a L1遺伝子を、ベント(Vent)ポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブ社(New England Biolabs,Inc.)製)、35サイクルの増幅(94℃で1分;48℃で1分;72℃で1分45秒)、およびフランキングBg1II部位(アンダーライン付)を含む以下のオリゴデオキシヌクレオチドを用いて、PCRにより増幅した。
センスプライマー:5’−CTC AGA TCT CAC AAA ACA AAA TGT GGC GGC CTA GCG ACA GCA CAG−3’(配列番号11)
アンチセンスプライマー:5’−GAG AGA TCT TAC CTT TTA GTT TTG GCG CGC TTA C−3’(配列番号12)
センスプライマーは、HPV6aL1開始メチオニンコドン(太字で強調)の直ぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列を導入する。1.5kbpL1PCR生成物をBg1IIで消化しゲル精製した。両側に酵母ADH1転写ターミネータのコピーがフランキングしているプラスミドpBM272(セントルイスのワシントン大学(Washington University)のマーク・ジョンストン(Mark Johnston)博士から提供された)からの発散GAL1/GAL10プロモーターを含む両方向プロモーターベクターpUC18−GAL1p−GAL10pから1.4kbpSphIフラグメントを単離することによりpC1/1−GAL発現ベクターを構築した[ベネツェン(Bennetzen,J.L.)およびホール(Hall,B.D.)(1982)J.Biol.Chem.第257巻:3018−3025頁]。得られた発現カセットにおいて、BamHI部位をGAL1プロモーターとADH1転写ターミネーターの第1のコピーとの間に配置し、SmaIクローニング部位を発散GAL10プロモーターとADH1転写ターミネーターの第2のコピーとの間に配置する。酵母シャトルベクターpC1/1(ローゼンベルク(Rosenberg)ら,Nature,第312巻(1984)77−80頁)をSphlで消化し、1.4kbp Sphl GALプロモーターフラグメントと結合した。得られたベクターpC1/1−GALを、GAL1プロモーターとADH1転写ターミネーターとの間で切断するBamHIで線状化した。BamHI消化pC1/1−GALベクターおよびBg1II消化HPV6a L1PCRフラグメントを連結し、E. coliDH5細胞(BRL)の形質転換に用いた。HPV−6a L1遺伝子を含むpC1/1−GALプラスミドを単離し、p13173−357−6と表示した。p13173−357−6中のL1遺伝子を配列決定(ABI配列決定機,#373A)すると、pUC18−HPV6a内のL1遺伝子と同一であることが示された。
実施例25
HPV6a L1およびL2酵母発現ベクターの構築
プラスミドp13173−357−6(pC1/1−GAL+HPV6a L1)をGAL10プロモーターとADH1転写ターミネーターとの間で切断するmaIで消化した。鋳型としてのpUC18−HPV6aDNA、ベントポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブ社(New England Biolabs,Inc.)製)、10サイクルのPCR増幅(94℃で1分;48℃で1分;72℃で1分45秒)、およびフランキングSmaI部位(アンダーライン付)を含む以下のオリゴデオキシヌクレオチドを用いて、PCRにより1.4kbpHPV6b L2遺伝子を増幅した。
センスプライマー:5’−TCC CCC GGG CAC AAA ACA AAA TGG CAC ATA GTA GGG CCC GAC GAC−3’(配列番号13)
アンチセンスプライマー:5’−TCC CCC GGG CTA GGC CGC CAC ATC TGA AAA AAA TAA GG−3’(配列番号14)
センスプライマーは、HPV6aL2開始メチオニンコドン(太字で強調)の直ぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列を導入する。PCRフラグメントをSmaIで消化し、ゲル精製し、SmaI消化p13173−357−6プラスミドと結合した。HPV6aL1およびL2遺伝子の両方を含むpC1/1−GALプラスミドを単離しp14049−7−2と表示した。L2遺伝子を配列決定(ABI配列分析機,#373A)すると、pUC18−HPV6aクローン内のL2遺伝子と同一であることが分かった。
実施例26
酵母内におけるHPV6a L1の発現およびHPV6a L1およびL2の同時発現
プラスミドp13173−357−6(pC1/1−GAL+HPV6a L1)およびp14049−7−2(pC1/1−GAL+HPV6a L1 および L2)を用いてS.cerevisiae菌株#1569(MATa,leu2−04,prbl,adel,pep4,cir°)および#1558(MATa,leu2−04,prbl,mnn9,adel,cir°)を形質転換した。宿主菌株#1558を用いて得られた組換え菌株は、表に示されるように#1644(HPV6aL1)および#1670(HPV6aL1+L2)であった。クローン単離物を、2%ガラクトースを含むYEHD培地内で30℃において68〜78時間成長させた。細胞を採取した後、細胞ペレットをガラスビーズで破壊し、細胞溶解物をイムノブロット分析によりHPV6aL1またはHPV6aL2タンパクの発現について分析した。総細胞タンパク40μgを含むサンプルを、還元および変性条件下に10%トリス−グリシンゲル上で電気泳動し、ニトロセルロースフィルター上にエレクトロブロットした。第1抗体としてtrpE−HPV11融合タンパク(ブラウン(Brown,D.R.)ら,ヴィロロジー(Virology)第201巻:46−54頁)に対するウサギ抗血清および第2抗体としてロバ抗ウサギIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ結合(HRP)全抗体(アマーシャム社製)を用いて、L1タンパクを免疫検出した。化学ルミネセントECLTMデテクションキット(アマーシャム社製)を用いてフィルターを処理した。陰性対照(L1またはL2遺伝子を含まないpC1/1)を除いて全てのサンプルにおいて50〜55kDaL1タンパクバンドを検出した。
第1抗体として実質的にカーター(Carter)らの方法により調製したtrpE−HPV6a L2融合タンパクで3回免疫しておいたマウスからの1:250希釈血清を用い第2抗体としてHRP結合ヒツジ抗マウスIgG(アマーシャム社製)(1:1000希釈)を用いて、ウエスタン分析によりL2タンパクを70kDaタンパクバンドとして検出した。
EM分析(ペンシルバニア州ウエストチェスター在ストラクチャー・プローブ社(Structure Probe))のために、各サンプルのアリコートを200メッシュ炭素被覆銅グリッドの上にのせた。2%ホスホタングステン酸(PTA)(pH7.0)の一滴をグリッドの上に20秒間のせた。グリッドを風乾してから、TEM試験に付した。全ての顕微鏡検査はJEOL 100CX透過型電子顕微鏡(JEOL USA,Inc製)を用いて100KVの加速電圧で行った。顕微鏡写真は最終倍率100000Xとした。
HPV6aL1またはHPV6aL1およびL2同時発現プラスミドを有する全ての酵母サンプルにおいて50〜55nmの直径寸法範囲のVLPが観察された。酵母対照サンプルにおいてVLPは観察されなかった。
実施例27
HPV6aL1+L2(菌株#1670)の発酵
菌株1670の平板培養の表面成長部分を、1リッター当たり、アミノ酸および硫酸アンモニウムを含まない8.5gのディフコ(Difco)酵母窒素塩基;0.2gのアデニン;0.2gのウラシル;10gのコハク酸;5gの硫酸アンモニウムおよび0.25gのLチロシンを含むロイシン非含有液体培地に無菌的に移し、この培地は滅菌前にNaOHでpH5.0〜5.3に調整した。回転振盪器で28℃、250rpmで25時間成長させた後、滅菌グリセロールを最終濃度17%(w/v)になるように添加することにより凍結培地バイアルを調製し、−70℃で貯蔵(クリオバイアル当たり1mL)した。菌株1670の発酵のための接種を同じ培地で行い(2Lフラスコ当たり500mL)、二つの凍結培養バイアルの融解内容物を2Lフラスコに移すことにより開始し、回転振盪器で28℃,250rpmで25時間培養した。菌株1670の発酵は、接種後に有効容積10Lのニュー・ブランスヴィック(New Brunswick)SF−116発酵器を用いた。使用した製造培地は、1リッター当たり、20gのディフコ酵母抽出物;10gのシェフィールド・ハイソイ(Sheffield HySoy)ペプトン;20gのグルコース;20gのガラクトースを含み、培地は滅菌前にpH5.3に調整した。2L接種フラスコの全内容物(500mL)を発酵器に移し、それを28℃で、1分当たり5Lの空気を導入し、400rpm、3.5psiの圧力で培養した。溶解酸素水準を飽和の40%以上に維持するために必要に応じて攪拌を激しくした。発酵の進行は、オフライングルコース測定器(ベックマン・グルコース・2・アナライザー(Beckman Glucose 2 Analyzer))およびオンラインマススペクトル測定器(パーキン−エルマー1200(Perkin−Elmer 1200))によりモニターした。69時間の培養後、1L当たり9.9gの乾燥細胞重量の細胞密度に達した。培養物を中空繊維濾過器(アミコン(Amicon)DC−10濾過システムにおけるアミコンH5MPO1−43カートリッジ)により2Lに濃縮し、2L燐酸緩衝塩水で透析濾過し、さらに濃縮(1Lに)してから、500mLの遠心分離瓶に分配した。細胞ペレットを8000rpmにて4℃で20分間の遠心分離(ソーバル(Sorval)GS3ローター)により収集した。上澄みを傾瀉した後、ペレット(合計で225gの湿潤細胞)を使用するまで−70℃で貯蔵した。
実施例28
組換えHPV6aL1+L2カプシドタンパクの精製
特記しない限り全ての工程は4℃で行った。
菌株#1670の細胞を−70℃で凍結貯蔵した。凍結細胞(湿潤重量=38.0g)を20〜23℃で溶解し、50mLの「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mL,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞スラリーを、M110マイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(マサチューセッツ州ニュートン在マイクロフルイディクス社(Microfluidics Corp.))中を3回通過させることにより約8000psiの圧力下に破壊した。破壊細胞スラリーを、5000×gで10分間の遠心分離にかけ細胞破壊物を除去した。L1+L2抗原を含む上澄み液を回収した。
上澄み液を緩衝液A(20mM MOPS,pH7.0)を添加することにより1:5に希釈し、緩衝液A中に平衡化されたフラクトゲル▲R▼(FractogelR)EMD TMAE−650(S)樹脂(ニュージャージー州ギブスタウンEMSeparations製)のアニオン交換捕捉カラム(5.0cmID×4.0cm)に添加した。緩衝液Aによる洗浄に続いて、緩衝液A中0〜0.1MNaClの勾配で抗原を溶出した。イムノドットブロットを行ってカラムからのどのフラクションがL1タンパクを含むか決めた。
イムノドットブロットにより決められたL1タンパクを含むフラクションを、ブラッドフォード(Bradford)法およびその後の銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロットにより全タンパクについて検定した。
同等の純度および多量のL1タンパクを示すTMAEフラクションを溜めた。抗原を硫酸アンモニウム分画により濃縮した。溶液を、固体試薬を添加しつつ30分間穏やかに攪拌することにより63%飽和硫酸アンモニウムに調整した。サンプルを氷の上にのせ、30分間沈降を起こさせた。サンプルを12000×gで遠心分離した。ペレットを20.0mLのPBS(燐酸ナトリウム6.25mM,pH7.2,NaCl150mM)中に再懸濁させた。
再懸濁ペレットを、セファクリル(Sephacryl)500HR樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)のサイズ排除カラム(2.6cmID×89cm)でクロマトグラフにかけた。ランニング緩衝液はPBSとした。クロマトグラフィーは20〜23℃で行った。フラクションを銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロット検出により分析した。最も純度の高いフラクションを溜めた。得られるプールを濃縮した。
最終生成物を、コロイド状クーマシー染色を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1およびL2タンパクは85%均質であると推定された。L1およびL2タンパクの同一性は適当な抗血清を用いるウエスタンブロットにより確認した。最終生成物を採取し、−70℃で貯蔵した。このプロセスにより全部で3.0mgのタンパクを得た。
電子顕微鏡分析をストラクチャープローブ(Structure Probe)(ペンシルバニア州ウエスト・チェスター社(West Chester)製)により行った。サンプルの一部を200メッシュ炭素被覆銅グリッドにのせた。2%ホスホタンスグテン酸(pH7.0)を一滴をグリッドに20秒間のせた。グリッドを風乾してからTEM試験に付した。全ての顕微鏡検査はJEOL 100CX透過型電子顕微鏡(JEOL USA,Inc.製)を用いて100kvの加速電圧で行った。顕微鏡写真は最終倍率100000xとした。50〜55nm寸法範囲のウィルス状粒子の存在が確認された。
実施例29
EM研究のためのHPV−6a L1およびL1/L2 VLPの精製
酵母によって発現されたHPV−6a L1およびHPV−6a L1+L2タンパクを部分精製し、電子鏡検法(EM)研究のために濃縮した。プラスミドp13173−357−6(L1発現ベクター)またはプラスミドp14049−7−2(L1およびL2同時発現ベクター)を有するSaccharomyces cerevisiae菌株#1558を、2%ガラクトースおよび0.1Mソルビトールを含むYEHD培地1〜1.5リッターに接種し、30℃で68〜78時間成長させた。細胞を4000gで10分間の遠心分離により採取し、細胞ペレットを−70℃で凍結した。以下の全ての工程は4℃で行った。細胞ペレットを融解し、等容量の「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mM,EDTA1.7mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチンAを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞を、マイクロフルイダイザー中を3〜5回通過させることにより溶解した。溶解物を、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。上澄みを、L1緩衝液中45%(w/v)スクロースの5cmクッションの上にのせ、L1またはL1+L2タンパクを100000×gで4時間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを、1/10容のL1緩衝液中に再懸濁させ、5000×gで10分間の遠心分離により清澄化した。サンプルをEMにより研究すると、ウィルス状粒子を含むことが示された。
実施例30
HPV16L1およびL2遺伝子のクローニング
全ゲノムDNAをカスキ(Caski)細胞(ATCC #CRL 1550)から標準的技術(前述のサンブルック(Sambrook)らによるもの)により抽出した。DNAをBstl107IおよびSphIエンドヌクレアーゼにより消化し、0.8%低融点アガロース分取用ゲルにおいて電気泳動させた。〜3.5kbpのDNAに相当する領域をゲルから切り出し、アガロースをゲラーゼ(GelaseTM)酵素(エピセンター・テクノロジー社(Epicentre Technologies,Inc.製))で消化した。ゲル精製DNAをT4DNAポリメラーゼで末端平滑化し、埋没HindIII部位を含む末端平滑化リン酸化オリゴデオキシヌクレオチドと結合した。連結混合物をHindIIIで完全に消化し〜3.5kbpのDNAを前述のようにアガロースゲルを通してサイズ分画した。ゲル精製DNAを、HindIIIで消化し脱リン酸化しておいたpUC18プラスミドDNAと結合した。コンピテントE. coli DH5 細胞(BRL)の形質転換に続いて、HPV−16L1遺伝子(5’−GAG AGA TCT TAC AGC TTA CGT TTT TTG CGT TTA GC−3’)の3’末端に相補的なアンチセンス32P標識オリゴデオキシヌクレオチドを用いるコロニーハイブリダイゼーションにより、プラスミドライブラリーをHPV16陽性クローンについてスクリーニングした。3.3kbpHPV16ゲノムフラグメントを含むpUC18プラスミドを単離し、制限酵素およびサザンブロット分析により特徴付けた。このプラスミドはpUC18−HPV16L1/L2と表され、L1およびL2コードDNA配列の全てを含んでいた。プラスミドDNAはキアゲン・プラスミド・マクシ・キット(QiagenTM Plasmid Maxi kit)(キアゲン社(Qiagen,Inc.)製)を用いて調製した。
実施例31
HPV16L1酵母発現ベクターの構築
クローンpUC18−HPV16L1/L2をPCRのための鋳型として使用した。HPV16L1遺伝子を、ベントポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブ社(New England Biolabs,Inc.)製)、10サイクルの増幅(94℃で1分;48℃で1分;72℃で1分45秒)、およびフランキングBg1II部位(アンダーライン付)を含む以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いるPCRにより増幅した。
センスプライマー:5’−CTC AGA TCT CAC AAA ACA AAA TGT CTC TTT GGC TGC CTA TGT AGG CC−3’(配列番号15)
アンチセンスプライマー:5’−GAG AGA TCT TAC AGC TTA CGT TTT TTG CGT TTA GC−3’(配列番号16)
センスプライマーは、HPV16L1開始メチオニンコドン(太字で強調している)の直ぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列を導入する。1.5kbpL1PCR生成物を、Bg1IIで消化し、ゲル精製し、BamHI消化pC1/1−GALベクターと結合した。HPV16L1遺伝子を含むpC1/1−GALプラスミドを単離し、p14049−37−1と表した。p14049−37−1中のL1遺伝子を、プリズム・キット(PRISMTM kit(ABI,Inc.製)およびABI配列分析機(ABI Sequencer)モデル#373Aを用いて製造者の指示に従って配列決定した。この単離物中のL1遺伝子は、正しい公表されているプロトタイプ配列(キルンバウアー(Kirnbauer,R)ら,(1993),J.Virol.67巻:6929〜6936頁)から3っのヌクレオチドの変化を含むことが示され、したがって二つのアミノ酸が変化している:His202→Asp;Thr266→Ala。元の鋳型DNAの配列分析は、これらの変化がゲノムクローンpUC18−HPV16L1/L2内にも存在しPCRにより導入されないことを示した。
実施例32
HPV16L1およびL2酵母発現ベクターの構築
プラスミドp14049−37−1(pC1/1−GAL+HPV16 L1)を、GAL10プロモーターとADH1転写ターミネーターとの間で切断するSmaIで消化した。1.4kbp HPV16 L2遺伝子を、鋳型としてのpUC18−HPV16L1/L2DNA、ベントポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブ社(New England Biolabs,Inc.)製)、10サイクルのPCR増幅(94℃で1分;48℃で1分;72℃で1分45秒)、およびフランキングSmaI部位(アンダーライン付)を含む以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いるPCRにより増幅した。
センスプライマー:5’−TCC CCC GGG CAC AAA ACA AAA TGC GAC ACA AAC GTT CTG CAA AAC−3’(配列番号17)
アンチセンスプライマー:5’−TCC CCC GGG CTA GGC AGC CAA AGA GAC ATC TGA−3’(配列番号18)
センスプライマーは、HPV16L2開始メチオニンコドン(太字で強調している)の直ぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列を導入する。1.4kbL2PCR生成物を、SmaIで消化し、ゲル精製し、SmaI消化p14049−37−1ベクターと結合した。HPV16L1およびL2遺伝子の両方を含むpC1/1−GALプラスミドを単離し、p14049−42−2と表した。p14049−42−2中のL2遺伝子を、プリズム・キット(PRISMTM kit(ABI,Inc.製))およびABI配列分析機(ABI Sequencer)モデル#373Aを用いて製造者の指示に従って配列決定した。この単離物中のL2遺伝子は、正しい公表されているプロトタイプ配列(キルンバウアー(Kirnbauer,R)ら,(1993)前述)から5つのヌクレオチドの変化を含むことが示され、したがって一つのアミノ酸が変化している:Ser269→Pro。ゲノムクローンpUC18−HPV16L1/L2の配列分析は、この変化が元の鋳型DNA内にも存在しPCRにより導入されないことを示した。
実施例33
A.酵母内におけるHPV16 L1の発現およびHPV16L1およびL2の同時発現
プラスミドp14049−37−1(pC1/1−GAL+HPV16 L1)およびp14049−42−2(pC1/1−GAL+HPV16 L1およびL2)を用いてS.cerevisiae菌株#1558を形質転換した。得られた組換え菌株は、表に示されるように#1678(HPV16−L1)および#1679(HPV16L1+L2)であった。クローン単離物を、2%ガラクトースを含むYEHD培地内で30℃において68〜78時間成長させた。細胞を採取した後、細胞ペレットをガラスビーズで破壊し、細胞溶解物をイムノブロット分析によりHPV16L1またはHPV16L2タンパクの発現について分析した。総細胞タンパク40mcgを含むサンプルを、還元および変性条件下に10%トリス−グリシンゲル上で電気泳動し、ニトロセルロースフィルター上にエレクトロブロットした。第1抗体としてtrpE−HPV11L1融合タンパク(D.ブラウン(D.Brown)ら,ヴィロロジー(Virology)第201巻:46−54頁)に対するウサギポリクローナル抗血清および第2抗体としてHRP結合ロバ抗ウサギIgG抗体(アマーシャム社製)を用いて、HPV16L1タンパクを免疫検出した。化学ルミネセントECLデテクションキット(アマーシャム社製)を用いてフィルターを処理した。陰性対照(L1またはL2遺伝子を含まないpC1/1)を除いて全てのサンプルにおいて50〜55kDaL1タンパクバンドを検出した。第1抗体としてE. coliにおいて発現されるtrpE−L2融合タンパクに対するマウス抗−HPV16L2血清を用いるイムノブロットにより70kDaタンパクとしてL2タンパクを検出した。第2抗体としてヤギ抗−マウスIgG HRP結合(アマーシャム社製)を用い、フィルターを前述のように処理した。
B.組換えHPVタイプ16L1+L2カプシドタンパクの精製
特記しない限り全ての工程は4℃で行った。
細胞を−70℃で凍結貯蔵した。凍結細胞(湿潤重量=27.6g)を20〜23℃で融解し、40mLの「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mM,EDTA1.7mM)中に再懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞スラリーを、M110マイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(マサチューセッツ州ニュートン在マイクロフルイディクス社(Microfluidics Corp.))中を3回通過させることにより約8000psiの圧力下に破壊した。破壊細胞スラリーを、5000×gで10分間の遠心分離にかけ細胞破壊物を除去した。L1+L2抗原を含む上澄み液を回収した。
上澄み液を緩衝液A(20mM MOPS,pH7.0)を添加することにより1:5に希釈し、緩衝液A中に平衡化されたフラクトゲル(Fractogel▲R▼)EMD TMAE−650(S)樹脂(ニュージャージー州ギブスタウンEM Separations製)のアニオン交換捕捉カラム(5.0cmID×4.8cm)に添加した。緩衝液Aによる洗浄に続いて、緩衝液A中0〜1.0MNaClの勾配で抗原を溶出した。イムノドットブロットを行ってカラムからのどのフラクションがL1タンパクを含むか決めた。
イムノドットブロットにより決められたL1タンパクを含むフラクションを、ブラッドフォード(Bradford)法およびその後の銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロットにより全タンパクについて検定した。
同等の純度および多量のL1タンパクを示すTMAEフラクションを溜めた。抗原を硫酸アンモニウム分画により濃縮した。サンプルを、固体試薬を添加しつつ30分間穏やかに攪拌することにより48%飽和硫酸アンモニウムに調整した。サンプルを氷の上にのせ、一晩沈降させた。サンプルを12000×gで遠心分離した。ペレットを20.0mLのPBS(燐酸ナトリウム6.25mM,pH7.2,NaCl150mM)中に再懸濁させた。
再懸濁ペレットを、セファクリル(Sephacryl)500HR樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)のサイズ排除カラム(2.6cmID×89cm)でクロマトグラフィーにかけた。ランニング緩衝液はPBSとした。フラクションを銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロット検出により分析した。最も純度の高いフラクションを溜めた。得られるプールを、4〜6psiのN2圧下に43mmYM−100平坦シート薄膜(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社(Amicon)製)を用いて50mL攪拌セル内において濃縮した。
最終生成物を、コロイド状クーマシー染色を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1およびL2タンパクは70%均質であると評価された。L1およびL2タンパクの同一性は適当な抗血清を用いるウエスタンブロットにより確認した。最終生成物を採取し、−70℃で貯蔵した。このプロセスにより全部で0.53mgのタンパクを得た。
電子顕微鏡分析をストラクチャープローブ(Structure Probe)(ペンシルバニア州ウエスト・チェスター社(West Chester)製)により行った。サンプルの一部を200メッシュ炭素被覆銅グリッドにのせた。2%ホスホタンスグテン酸(pH7.0)を一滴をグリッドに20秒間のせた。グリッドを風乾してからTEM試験に付した。全ての顕微鏡検査はJEOL 100CX透過型電子顕微鏡(JEOL USA,Inc.製)を用いて100kvの加速電圧で行った。顕微鏡写真は最終倍率100000xとした。50〜55nm寸法範囲のウィルス状粒子の存在が確認された。
C.組換えHPVタイプ16 L1+L2カプシドタンパクの精製
全ての工程は特記しない限り4℃で行った。
細胞を−70℃で凍結貯蔵した。凍結細胞(湿潤重量:=92.8g)を20〜23℃で融解し、105mLの「L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaClの100mM,EDTA1.7mM)中に再懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞スラリーを、M110−Yマイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(マサチューセッツ州ニュートン在マイクロフルイディクス社(Microfluidics Corp.))中を3回通過させることにより約16000psiの圧力下に破壊した。破壊細胞スラリーを、6100×gで15分間の遠心分離にかけ細胞破壊物を除去した。L1+L2抗原を含む上澄み液を回収した。
上澄み液を緩衝液A(20mM MOPS,pH7.0)を添加することにより1:5に希釈し、緩衝液A中に平衡化されたフラクトゲル(Fractogel▲R▼)EMD TMAE−650(S)樹脂(ニュージャージー州ギブスタウンEM Separations製)のアニオン交換捕捉カラム(5.0cmID×4.2cm)に添加した。緩衝液Aによる洗浄に続いて、緩衝液A中0〜1.0MNaClの勾配で抗原を溶出した。イムノドットブロットを行ってカラムからのどのフラクションがL1タンパクを含むか決めた。
イムノドットブロットにより決められたL1タンパクを含むフラクションを、ブラッドフォード(Bradford)法およびその後の銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロットにより全タンパクについて検定した。
同等の純度および多量のL1タンパクを示すTMAEフラクションを溜めた。抗原を硫酸アンモニウム分画により濃縮した。サンプルを、固体試薬を添加しつつ10分間穏やかに攪拌することにより35%飽和硫酸アンモニウムに調整した。サンプルを氷の上にのせ、4時間沈降させた。サンプルを12000×gで遠心分離した。ペレットを1mM EDTAを含む20.0mLのPBS(燐酸ナトリウム6.25mM,pH7.2,NaCl150mM)中に再懸濁させた。
再懸濁ペレットを、セファクリル(Sephacryl)500HR樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)のサイズ排除カラム(2.6cmID×89cm)でクロマトグラフィーにかけた。ランニング緩衝液はPBS+1mM EDTAとした。フラクションを銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロット検出により分析した。最も純度の高いフラクションを溜めた。得られるプールを、4〜6psiのN2圧下に43mmYM−100平坦シート薄膜(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社(Amicon)製)を用いて50mL攪拌セル内において濃縮した。
最終生成物を、コロイド状クーマシー染色を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1およびL2タンパクは70%均質であると評価された。L1およびL2タンパクの同一性は適当な抗血清を用いるウエスタンブロットにより確認した。最終生成物を採取し、−70℃で貯蔵した。このプロセスにより全部で3.8mgのタンパクを得た。
実施例34
A.菌株1679(HPVタイプ16L1+L2)の発酵
凍結ストック培養の調製、接種、発酵および菌株1679の細胞回収に用いられる手順は本質的に前述した通りである。67時間の培養後、1L当たり乾燥細胞重量4.2gの細胞密度が達成され、回収後、合計で93gの湿潤細胞ペレットが得られた。
B.菌株1678(HPVタイプ16L1)の発酵
凍結ストック培養の調製、接種、発酵および菌株1678の細胞回収に用いられる手順は本質的に前述した通りである。70.5時間の培養後、二つの10L発酵液の内容物を溜め(1L当たり乾燥細胞重量8.7gの細胞密度)、回収後、合計で258gの湿潤細胞ペレットが得られた。
C.組換えHPVタイプ16 L1カプシドタンパクの精製
全ての工程は特記しない限り4℃で行った。
菌株#1678の細胞を細胞を−70℃で凍結貯蔵した。凍結細胞(湿潤重量=128g)を20〜23℃で融解し、140mLの「改良L1緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mM)中に再懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるようにスラリーに添加した。細胞スラリーを、M110−Yマイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(マサチューセッツ州ニュートン在マイクロフルイディクス社(Microfluidics Corp.))中を3回通過させることにより約16000psiの圧力下に破壊した。破壊細胞スラリーを、11000×gで40分間の遠心分離にかけ細胞破壊物を除去した。L1抗原を含む上澄み液を回収した。
上澄み液を緩衝液A(20mM MOPS,pH7.0)を添加することにより1:5に希釈し、緩衝液A中に平衡化されたフラクトゲル(Fractogel▲R▼)EMD TMAE−650(S)樹脂(ニュージャージー州ギブスタウンEM Separations製)のアニオン交換捕捉カラム(5.0cmID×6.4cm)に添加した。緩衝液Aによる洗浄に続いて、緩衝液A中0〜1.0MNaClの勾配で抗原を溶出した。イムノドットブロットを行ってカラムからのどのフラクションがL1タンパクを含むか決めた。
イムノドットブロットにより決められたL1タンパクを含むフラクションを、ブラッドフォード(Bradford)法およびその後の銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロットにより全タンパクについて検定した。
同等の純度および多量のL1タンパクを示すTMAEフラクションを溜めた。抗原を硫酸アンモニウム分画により濃縮した。サンプルを、固体試薬を添加しつつ10分間穏やかに攪拌することにより35%飽和硫酸アンモニウムに調整した。サンプルを氷の上にのせ、5時間沈降させた。サンプルを12000×gで遠心分離した。ペレットを20.0mLのPBS(燐酸ナトリウム6.25mM,pH7.2,NaCl150mM)中に再懸濁させた。
再懸濁ペレットを、セファクリル(Sephacryl)500HR樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)のサイズ排除カラム(2.6cmID×89cm)でクロマトグラフィーにかけた。ランニング緩衝液はPBSとした。フラクションを銀染色を用いるSDS−PAGEおよびウエスタンブロット検出により分析した。最も純度の高いフラクションを溜めた。得られるプールを、4〜6psiのN2圧下に43mmYM−100平坦シート薄膜(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社(Amicon)製)を用いて50mL攪拌セル内において濃縮した。
最終生成物を、コロイド状クーマシー染色を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1タンパクは70%均質であると評価された。L1タンパクの同一性は適当な抗血清を用いるウエスタンブロットにより確認した。最終生成物を採取し、−70℃で貯蔵した。このプロセスにより全部で7.4mgのタンパクを得た。
D.分析手順
イムノドットブロット手順
サンプルを(必要な場合)Milli−Q−H2Oに1:10に希釈し、サンプル10mcLをポリスクリーン(PolyScreenTM)PVDE薄膜(マサチューセッツ州ボストン在NEN Research Products製)に滴下した。スポットが乾燥した後、薄膜を水で洗い、乾燥させた。適当な抗血清をブロッティング緩衝液(6.25mM燐酸ナトリウム,pH7.2,150mM NaCl,0.02% NaN3中の5%脱脂ミルク)中に希釈することにより第1抗体溶液を調製した。インキュベーションは20〜23℃で少なくとも1時間行った。ブロットはPBS(6.25mM燐酸ナトリウム,pH7.2,150mM NaCl)を3回交換し、その各々について1分間洗浄した。適当なアルカリホスファターゼ結合複合抗血清をブロッティング緩衝液で希釈することにより第2抗体溶液を調製した。インキュベーションは同じ条件下に少なくとも1時間行った。ブロットは前述のように洗浄し、1ステップNBT/BCIP基質(イリノイ州ロックフォード在Pierce製)を用いて検出した。
検出に用いた抗体は以下のものである:
HPV6aL1をMAB 837(カリフォルニア州テメキュラ在Chemicon International,Inc.製)により検出した。HPV6aL2はマウス抗−HPV6aL2−trpE融合血清プール#641および647により検出した。HPV16L1はMAB 885(カリフォルニア州テメキュラ在Chemicon International,Inc.製)により検出した。HPV16L2はマウス抗−HPV16L2−trpE融合血清プール#611により検出した。
全タンパクのブラッドフォードアッセイ
全タンパクを市販されているクーマシー・プラス・キット(Coomassie PlusR kit)(イリノイ州ロックフォード在Pierce製)を用いて調べた。サンプルをMilli−Q−H2Oに適当なレベルに希釈した。必要な容量は、標準およびマイクロアッセイプロトコールについてそれぞれ0.1mLおよび1.0mLであった。両方のプロトコールのために、BSA(イリノイ州ロックフォード在Pierce製)を用いて標準曲線を作成した。アッセイは製造者の勧めに従って行った。標準曲線ブはマッキントッシュIIciコンピューター上のクリケットグラフ(CricketGraph▲R▼)ソフトウエアを用いてプロットした。
実施例35
組換えHPVタイプ11 L1カプシドタンパクの精製
全ての工程は特記しない限り4℃で行った。
細胞を−70℃で凍結貯蔵した。凍結細胞(湿潤重量=180g)を20〜23℃で融解し、900mLの「ブレーキング緩衝液(Breaking Buffer)」(MOPS50mM,pH7.2,NaCl500mM,CaCl2 1mM)中に再懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤AEBSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ1mMおよび1.7μMになるように添加した。細胞スラリーを、M110−Yマイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(マサチューセッツ州ニュートン在マイクロフルイディクス社(Microfluidics Corp.))中を4回通過させることにより約16000psiの圧力下に破壊した。充分な容量の10%トリトン(Triton)X100▲R▼界面活性剤(イリノイ州ロックフォード在Pierce製)を添加して細胞スラリーを破壊してTX100の濃度を0.5%にした。スラリーを20時間攪拌した。トリトンX100処理溶解物を12000×gで40分間の遠心分離にかけ細胞破砕物を除去した。L1タンパクを含む上澄み液を回収した。
300Kのタンジェンシャルフロー薄膜カセット(マサチューセッツ州ノースボロウ在Filtron製)を用いて5つの溶液(20mM燐酸ナトリウム,pH7.2,0.5M NaCl)に対して上澄み液を透析ろ過した。薄膜により保持された物質は、ラジオイムノアッセイおよびウエスタンブロッティングによりL1タンパクを含むことが示された。
保持物を、20mM燐酸ナトリウム,pH7.2,0.5M NaCl中に平衡化されたSPスフェロデックス(Spherodex)(M)▲R▼樹脂(フランス国Villeneuve−la−Garenne在IBF製)の高分離能親和性カラム11.0cmID×5.3cm)に添加した。平衡緩衝液による洗浄および20mM燐酸ナトリウム,pH7.2,1.0M NaClによる1工程洗浄に続いて、L1タンパクを1工程洗浄液(20mM燐酸ナトリウム,pH7.2,2.5M NaCl)で溶出した。洗浄および溶出中にフラクションを収集した。カラムフラクションを、ブラッド法により全タンパクについて検定した。次にフラクションをウエスタンブロットおよびコロイド状クーマシー検出を用いるSDS−PAGEにより分析した。フクションはラジオイムノアッセイによっても分析した。
同等の純度および多量のL1を示すSPスフェロデックスフラクションを溜めた。
最終生成物をウエスタンブロットおよびコロイド状クーマシー検出を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1タンパクは、クーマシー染色ゲルの濃度測定により90%以上均質であることが示された。L1タンパクの同一性はウエスタンブロットにより確認した。最終生成物を0.22μmの薄膜を通して無菌的に濾過して4℃で貯蔵した。このプロセスにより合成202mgのタンパクを得た。
電子顕微鏡分析をストラクチャープローブ(Structure Probe)(ペンシルバニア州ウエスト・チェスター社(West Chester)製)により行った。サンプルの一部を200メッシュ炭素被覆銅グリッドにのせた。2%ホスホタングステン酸(pH7.0)を一滴をグリッドに20秒間のせた。グリッドを風乾してからTEM試験に付した。全ての顕微鏡検査はJEOL 100CX透過型電子顕微鏡(JEOL USA,Inc.製)を用いて100kvの加速電圧で行った。顕微鏡写真は最終倍率100000xとした。
SDS−PAGEおよびウエスタンブロットアッセイ
全てのゲル、緩衝液および電気泳動装置はノヴェックス社(Novex)(カリフォルニア州サンジエゴ在)から得られ、製造者の勧めに従って操作した。簡単に言えば、サンプルをMilli−Q−H2O中に等タンパク濃度に希釈し、200mM DTTを含むサンプルインキュベーション緩衝液と1:1に混合した。サンプルを100℃で15分間インキュベートし、予め作製しておいた12%トリス−グリシンゲル上にのせた。サンプルを125Vで1時間45分間電気泳動した。ゲルは、市販のキット(マサチューセッツ州ネイチック(Natick)在Integrated Separation Systems製)を用いてコロイド状クーマシー染色により発色させた。
ウエスタンブロットのために、タンパクを25Vで40分間、PVDF薄膜に移動させた。薄膜をMilli−Q_H2Oで洗浄し風乾した。第1抗体は、TrpE−HPV11L1融合タンパク(ブラウン(D.Brown)博士から入手)に対するポリクローナルウサギ抗血清であった。この抗体溶液は、抗血清をブロッティング緩衝液(6.25mM燐酸ナトリウム,pH7.2,150mM NaCl,0.02% NaN3中の5%脱脂ミルク)に希釈することにより調製した。インキュべーションは20〜23℃で少なくとも1時間行った。ブロットはPBSを3回交換し、そのの各々について1分間洗浄した(6.25mM燐酸ナトリウム,pH7.2,150mM NaCl)。ヤギ抗−ウサギIgGアルカリホスファターゼ結合複合抗血清(イリノイ州ロックフォード在Pierce製)をブロッティング緩衝液で希釈することにより第2抗体溶液を調製した。インキュベーションは同じ条件下に少なくとも1時間行った。ブロットは前述のように洗浄し、1ステップNBT/BCIP基質(イリノイ州ロックフォード在Pierce製)を用いて検出した。
実施例36
酵母内におけるHPV18 L1およびL2の発現
プラスミドp191−6(pGAL1−10+HPV18L1)およびp195−11(pGAL1−10+HPV18L1+L2)を用いてS. cerevisiae菌株#1558(MATa,leu2−04,prbl::HIS3,mnn9::URA3,adel,cir°)を形質転換した。クローン単離物を、2%ガラクトースを含むYEHD培地内で30℃で88時間成長させた。細胞を採取した後、細胞ペレットをガラスビーズで破壊し、細胞溶解物をイムノブロット分析によりHPV18L1および/またはHPV18L2タンパクの発現について分析した。全細胞タンパク25μgを含むサンプルを、変性条件下に10%トリス−グリシンゲル(ノヴェックス社製)上で電気泳動し、ニトロセルロースフィルター上にエレクトロブロットした。第1抗体としてtrpE−HPV11L1融合タンパク(ブラウン(Brown)ら,ヴィロロジー(Virology)第201巻:46−54頁)に対するウサギ抗血清および第2抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ロバ抗ウサギIgG(アマーシャム社製)を用いて、L1タンパクを免疫検出した。化学ルミネセントELCTMデテクションキット(アマーシャム社製)を用いてフィルターを処理した。L1およびL1+L2同時発現体酵母クローン(それぞれ菌株1725および1727)の両方において50〜55kDaL1タンパクバンドを検出し、陰性対照(L1またはL2遺伝子を含まないpGAL1−10)では検出されなかった。
第1抗体としてtrpE−HPV18 L2融合タンパクに対するヤギポリクローナル抗血清を用い次にHRP結合ウサギ抗ヤギIgG(メリーランド州ガイザーブルク在Kirkegaard and Perry Laboratories製)を用いてウエスタンブロットによりHPV18L2タンパクを検出した。フィルターを前述のように処理した。L1+L2同時発現体酵母クローン(菌株1727)において75kDaタンパクバンドとしてL2タンパクが検出されたが、陰性対照またはL1発現クローンでは検出されなかった。
実施例37
HPV18L1(菌株1725)および18L1+ΔL2(菌株1727)の発酵
菌株1725および1727の平板培養の表面成長部分を、1リッター当たり、アミノ酸および硫酸アンモニウムを含まない8.5gのディフコ(Difco)酵母窒素塩基;0.2gのアデニン;0.2gのウラシル;10gのコハク酸;5gの硫酸アンモニウム;40gのグルコース;0.25gのL−チロシン;0.1gのL−アルギニン;0.3gのL−イソロイシン;0.05gのL−メチオニン;0.2gのL−トリプトファン;0.05gのL−ヒスチジン;0.2gのL−リシン;0.3gのL−フェニルアラニンを含むロイシン非含有液体培地に無菌的に移し、この培地は滅菌前にNaOHでpH5.0〜5.3に調整した。回転振盪器で28℃、250rpmで成長させた後、滅菌グリセロールを最終濃度17%(w/v)になるように添加することにより凍結培養バイアルを調製し、−70℃で貯蔵(クリオバイアル当たり1mL)した。接種は同じ培地で行い(2Lフラスコ当たり500mL)、凍結培養バイアルの融解内容物を移すことにより開始し、回転振盪器で28℃,250rpmで25時間培養した。各菌株発酵は、接種後に有効容積10Lのニュー・ブランスヴィック(New Brunswick)SF−116発酵器を用いた。製造培地は、1リッター当たり、20gのディフコ酵母抽出物;10gのシェフィールド・ハイソイ(Sheffield HySoy)ペプトン;20gのグルコース;20gのガラクトース;0.3mLのユニオン・カーバイド・UCON LB−625消泡剤を含み、培地は滅菌前にpH5.3に調整した。2L接種フラスコの全内容物(500mL)を発酵器に移し、それを28℃で、1分当たり5Lの空気を導入し、400rpm、3.5psiの圧力で培養した溶解酸素レベルを飽和の40%以上に維持するために必要に応じて攪拌を激しくした。発酵の進行は、オフライングルコース測定器(ベックマン・グルコース・2・アナライザー(Beckman Glucose2 Analyzer))およびオンラインマススペクトル測定器(パーキン−エルマー1200(Perkin−Elmer 1200))によりモニターした。66時間の培養後、1L当たり9.5〜9.7gの乾燥細胞重量の細胞密度に達した。培養物を中空繊維濾過器(アミコン(Amicon)DC−10濾過システムにおけるアミコンH5MPO1−43カートリッジ)により約2Lに濃縮し、2Lの燐酸緩衝塩水で透析濾過し、さらに濃縮(約1Lに)してから、500mLの遠心分離瓶に分配した。細胞ペレットを8000rpmにて4℃で20分間の遠心分離(ソーバル(Sorval)GS3ローター)により収集した。上澄みを傾瀉した後、ペレット(合計で191〜208gの湿潤細胞)を使用するまで−70℃で貯蔵した。
実施例38
組換えHPVタイプ18L1カプシドタンパクの精製
特記しない限り全ての工程は4℃で行った。
細胞を−70℃で凍結貯蔵した。凍結細胞(湿潤重量=126g)を20〜23℃で融解し、70mLの「ブレーキング緩衝液」(燐酸ナトリウム20mM,pH7.2,NaCl100mM)中に懸濁させた。プロテアーゼ阻害剤PMSFおよびペプスタチン(Pepstatin)Aを、最終濃度がそれぞれ2mMおよび1.7μMになるように添加した。細胞スラリーを、M110−Yマイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(マサチューセッツ州ニュートン在マイクロフルイディクス社(Microfluidics Corp.))中を4回通過させることにより約16000psiの圧力下に破壊した。破壊細胞スラリーを、12000×gで40分間の遠心分離にかけ細胞破砕壊物を除去した。L1抗原を含む上澄み液を回収した。
上澄み液を緩衝液A(20mM MOPS,pH7.0)を添加することにより1:5に希釈し、緩衝液A中に平衡化されたフラクトゲル(Fractogel▲R▼)EMD TMAE−650(S)樹脂(ニュージャージー州ギブスタウンEM Separations製)のアニオン交換捕捉カラム(9.0cmID×3.9cm)に添加した。緩衝液Aによる洗浄に続いて、緩衝液A中0〜1.0MNaClの勾配で抗原を溶出した。カラムフラクションを、ブラッドフォード法により全タンパクについて検定した。フラクションを、ウエスタンブロットおよび銀染色検出を用いるSDS−PAGEにより等量の全タンパク負荷で分析した。
同等の純度および多量のL1タンパクを示すTMAEフラクションを溜めた。抗原を硫酸アンモニウム分画により濃縮した。溶液を、固体試薬を添加しつつ10分間穏やかに攪拌することにより35%飽和硫酸アンモニウムに調整した。サンプルを氷の上にのせ、4時間沈降させた。サンプルを16000×gで45分間遠心分離した。ペレットを20.0mLのPBS(燐酸ナトリウム6.25mM,pH7.2,NaCl150mM)中に再懸濁させた。
再懸濁ペレットを、セファクリル(Sephacryl)500HR樹脂(ニュージャージー州ピスキャットアウェイ在ファーマシア社(Pharmacia)製)のサイズ排除カラム(2.6cmID×89cm)でクロマトグラフィーにかけた。ランニング緩衝液はPBSとした。フラクションをウエスタンブロットおよび銀染色検出を用いるSDS−PAGEにより分析した。最も純度の高いフラクションを溜めた。得られたプールを、4〜6psiのN2圧下に43mmYM−100平坦シート薄膜(マサチューセッツ州ビバリー在アミコン社(Amicon)製)を用いて50mL攪拌セル内にて濃縮した。
最終生成物を、ウエスタンブロットおよびコロイド状クーマシー検出を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1タンパクは50〜60%均質であると評価された。L1タンパクの同一性はウエスタンブロットにより確認した。最終生成物をアリコートに分けて、−70℃で貯蔵した。このプロセスにより全部で12.5mgのタンパクを得た。
実施例39
免疫原性組成物の調製
精製VLPを医薬上許容できる担体、安定剤またはワクチンアジュバントを混合することのような既知の方法により調製する。本発明の免疫原性VLPは、例えばPBS、塩水または蒸留水のような生理的に許容できる組成物と組み合わせることによりワクチン用に調製することができる。免疫原性VLPは、所望の免疫原性効果を得るために、約0.1−100μg、好ましくは約1〜約20μgの量で投与される。組成物当たりのVLPの量は、限定されないが個体の症状、体重、年齢および性別を含む種々の因子により変化し得る。VLP組成物の投与は、限定されないが経口,皮下、局所、粘膜および筋肉内を含む種々の経路によることができる。そのようなVLP製剤は、一種類のタイプのVLP(すなわちHPV6aからのVLP)またはVLPの混合物(すなわちHPV6a、HPV11、HPV16およびHPV18からのVLP)からなり得る。
必要に応じて、抗菌防腐剤、例えばチメロサールが存在してよい。本発明の免疫原性抗原は、望まれる場合、ワクチン安定剤およびワクチンアジュバントと組み合わせて用いることができる。典型的な安定剤は特異的化合物、例えばヘパリン、イノシトールヘキサスルフェート、硫酸化ベータ−シクロデキストリンのようなポリアニオン、特異性の劣る賦形剤、例えばアミノ酸、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリセロール、スクロース、デキストロースおよびトレハロースであり、溶液条件、例えば中性pH、高イオン強度(約0.5〜2.0M塩)、二価カチオン(Ca2+、Mg2+)により変化する。アジュバントの例はAl(OH)3およびAl(PO4)である。本発明のワクチンは冷蔵または凍結乾燥状態で保存することができる。
実施例40
VLPに対する抗体の調製
抗体を調製するために精製VLPを用いる。本明細書で用いられる「抗体」という用語は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体ならびに抗原またはハプテンと結合することのできるFv、FabおよびF(ab)2フラグメントのような前記抗体のフラグメントを含む抗体は、限定されないが組換えVLPの精製、天然L1またはL2タンパクの精製を含む種々の方法やキットに使用される。キットは、少なくとも一つの容器を密閉して保持するのに適当な区画化された担体を含む。担体は、さらに、HPVまたはHPVのフラグメントまたはHPVに対する抗体の検出に適するVLPまたは抗−VLP抗体のような試薬を含む。担体はまた、標識された抗原または酵素基質等のような検出手段を含み得る。抗体またはVLPまたはキットは、限定されないが法医学分析および疫病研究を含む種々の目的に有用である。

Claims (3)

  1. (a)精製されたヒト乳頭腫ウイルス(HPV)のウイルス様粒子の製造方法であって、
    (a)HPVL1タンパク質又はHPVL1+L2タンパク質をコードするDNA分子で酵母を形質転換して形質転換酵母細胞を形成し、
    (b)組換えタンパク質の生産を可能とし、それが自発的に集合してウイルス様粒子となる条件下で前記形質転換細胞を培養し、
    (c)前記形質転換細胞からウイルス様粒子を集め、
    (d)前記ウイルス様粒子を少なくとも1回のクロマトグラフィー工程により精製することを特徴とする前記製造方法。
  2. 酵母がサッカロミセス セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)である請求項1に記載の方法。
  3. ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)タンパク質が、HPV6a、HPV6b、HPV11、HPV16及びHPV18からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
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