JP3859360B2 - 差動式火災警報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、差動式の火災警報装置に係り、特に、大空間や高天井であっても迅速に火災を警報することができる差動式火災警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の差動式火災警報装置において、サーミスタ等の感熱素子を用いて周囲温度を検出し、この検出された温度を、所定時間前の検出温度または応答性の遅い素子の出力値と比較することによって、温度の上昇率を検出し、この検出された温度の上昇率を火災判別の基準値と比較することによって、火災警報を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の差動式火災判別アルゴリズムでは、周囲の温度を検出する感熱素子の熱応答性が迅速であることが要求され、また、火災の発生場所から遠ざかるにつれて温度上昇を捕らえにくくなるという性質がある。したがって、近年の建築物で増加しているアトリウムやホールのような大空間または高天井の空間においては、火災に基づく温度上昇を感熱素子が捕らえようとしても、熱気流が放散したり、他の部材(天井等)に熱が伝達することによって、火災を検出するまでの時間が長くなるという問題がある。
【0004】
本発明は、感熱素子が検出した温度の上昇率が小さくても、火災であることを確実に判別することができる差動式火災警報装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
本発明は、信号線を介して熱センサが大空間や高天井に点在して配置されている差動式火災警報装置であって、上記熱センサが検出した温度を上記熱センサ毎に取り込む温度取込手段と、上記温度取込手段が取り込んだ温度を順次格納し、この順次格納された温度の中の所定時間前に上記温度取込手段が取り込んだ温度を基準温度として設定し、また、時間の経過に伴って、上記基準温度を更新する基準温度設定手段と、上記温度取込手段が取り込んだ温度と上記基準温度との差温を演算する差温演算手段と、上記差温に基づいてグループ内の所定数以上の熱センサにおける温度上昇が所定の差温閾値を超えたときに火災が発生していることを判別する火災判別手段と、所定の差温警戒閾値を設定する差温警戒閾値設定手段と、上記差温演算手段によって演算された差温が上記設定された差温警戒閾値を越えると、上記基準温度設定手段に対して、上記基準温度の更新を停止する基準温度停止手段とを有する差動式火災警報装置である。
【0006】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例である差動式火災警報装置FA1を示すブロック図である。
【0007】
火災警報装置FA1は、火災受信機REと、熱センサSE1〜SE100とを有する。熱センサSE1〜SE100は、ホールのような大空間Hの天井等に点在して配置され、信号線Lを介して火災受信機REと接続されている。
【0008】
図2は、火災警報装置FA1に使用されている火災受信機REと、熱センサSE1との構成を概略的に示すブロック図である。
【0009】
熱センサSE1は、サーミスタ等の感熱素子11と、マイクロコンピュータ等による検出部12と、伝送回路等による出力部13とを有し、詳細に示さないプログラムに基づいて、感熱素子11の出力値に基づいて検出部12が周囲温度を判別し、出力部13を介して、コード化された信号等を火災受信機REへ出力するものである。なお、熱センサSE2〜SE100の構成も、熱センサSE1の構成と同様である。
【0010】
火災受信機REは、伝送回路等の入力部1と、マイクロコンピュータ等による判別部2と、EEPROMやRAM等による格納部3と、ブザーや表示灯等を使用する警報部4とを有し、詳細に示さないプログラムに基づいて、熱センサSE1〜SE100から周囲温度を示す信号を収集し、格納部3に格納した過去の周囲温度を利用して上昇温度を演算するとともに、格納部3に格納されている基準値と比較し、火災の有無を判別するものである。また、火災受信機REは、火災と判別されたときに、警報部4に出力し、ブザー鳴動や表示灯の点灯、火災の通報等の処理を行うものである。
【0011】
なお、入力部1は、温度センサが検出した温度を温度センサ毎に取り込む温度取込手段の例である。
【0012】
次に、上記実施例における火災判断動作について説明する。
【0013】
火災警報装置FA1の火災判断は、熱センサSE1〜SE100のそれぞれが2種類の火災判断を同時に行う。つまり、ある一定時間内における温度差(上昇温度)と所定の温度差が生じた空間的な範囲とによって火災判断を行う差動式分布型火災判断と、一定温度の閾値を設け、この閾値に基づいて火災判断する定温式火災判断とを行う機能を有する。
【0014】
火災警報装置FA1において上記差動式分布型火災判断を行う場合、熱センサSE1〜SE100のそれぞれが温度上昇率(単位時間に温度が上昇した割合)を算出し、この算出された温度上昇率が所定の閾値(差温閾値)を越えると、閾値を越える温度上昇率を発生した熱センサにおける温度評価がONになる。そして、複数の熱センサにおける温度上昇率が所定の閾値(差温閾値)を越えたときに火災が発生していると判断する。上記実施例において、複数位置における温度上昇率を、熱センサSE1〜SE100の全てにわたって総合的に火災判断するので、火災検知結果の信頼性が高い。なお、上記実施例においては、約60秒前に測定された温度と現在測定された温度との差(差温)によって上昇温度率を演算する。
【0015】
また、1つのグループ内における複数の熱センサで上昇温度が閾値(上昇温度閾値(差温閾値))を越えた場合、火災信号を出力する。「グループ」は、信号線L上に点在する複数の熱センサの集合である。
【0016】
火災警報装置FA1において、複数位置の上昇温度を総合した分布型の火災判断を行うことによって、火災警報装置FA1が、空気管式感知器と同等以上の火災検出性能を持つ。よって、空気管式と同様の設置基準によって敷設された天井高15mの環境で、空気管の火災検出性能以上の性能を、火災警報装置FA1が有する。
【0017】
火災警報装置FA1において熱アナログ式火災判断を行う場合、警戒区域毎に定温点の閾値を設定し、ある警戒区域における測定温度がその警戒区域における閾値を越えた場合、火災信号を出力する。この定温点の閾値の設定範囲は、公称感知温度範囲(40°C〜85°Cの範囲)で任意に設定することができる。なお、定温式火災判断において、実際には、各熱センサにおける測定温度が、連続して2回閾値を越えた場合に、火災信号を受信機REへ出力する。
【0018】
火災判断を行う場合や、火災信号を受信機REへ出力する場合には、グループ毎に出力し、差動式分布型火災判断機能、定温式スポット型火災判断機能の少なくとも一方が作動したときに、火災信号を受信機REへ出力する。上記実施例は、差動式分布型と定温式との火災判断機能を併せ持っているので、失報の可能性が少なく、しかも信頼性が高い。
【0019】
次に、上記実施例における格納データの構成について説明する
図3は、上記実施例における格納データの構成の説明図である。
【0020】
温度測定データA1〜A100は、熱センサSE1〜SE100のそれぞれにおいて測定された温度データであり、温度測定データAnは、温度測定データA1〜A100のうちの1つの温度測定データである。
【0021】
測定温度データ格納部Dは、測定温度データ群Dn(=n,A1〜100)を格納する領域である。平均温度演算用格納部M1は、測定温度格納部Dに格納されている測定温度データ群を格納する領域である。平均温度演算用格納部M2は、平均温度演算用格納部M1に格納されている測定温度データ群を格納する領域である。つまり、測定温度データ群Dn(=n,A1〜100)は、測定温度データ格納部D、平均温度演算用格納部M1、平均温度演算用格納部M2の順で、温度測定タイミング毎に、順次、格納領域を移動し、3回分の測定温度データ群が格納される領域を有する。
【0022】
基準温度格納部Rは、基準温度格納部R1〜R16を有し、基準温度格納部R1〜R16は、所定の時間毎の平均温度を順次格納する領域であり、この中の特定の位置、たとえば格納部R8の平均温度が基準温度として用いられ、温度上昇率を検出する場合に必要な温度である。
【0023】
上昇温度閾値(差温閾値)設定値Sは、上昇温度閾値(差温閾値)の設定値であり、各グループ毎に設定するものであり、0.1≦S≦25.0の範囲で0.1℃ピッチで変更が可能であり、上昇温度閾値(差温閾値)設定値Sのデフォルト値は「5」である。なお、「デフォルト値」は、電源立ち上げ時等に自動的に設定される値である。
【0024】
火災判定熱センサ数Bは、所定の閾値(差温閾値)を越えた熱センサの数(火災判定ポイント数)として設定された数であり、ここではグループ毎に設定される値であり、0≦B≦30の範囲であり、火災判定熱センサ数Bのデフォルト値は、「5」である。所定の閾値(差温閾値)を越えた熱センサの数が5以上であれば火災が発生していると判断する。
【0025】
通常時基準位置Eは、基準温度格納部R1〜R16のうちで、通常監視時に基準温度として使用する温度データが格納されている領域を指定するものであり、R1≦E≦R15であり、ここでの通常時基準位置Eのデフォルト値は、R8である。
【0026】
基準温度格納位置Iは、基準温度格納部R1〜R16のうちで、基準温度として現在使用する温度データが格納されている領域を示す値であり、R1≦I≦R16であり、基準温度格納位置Iのデフォルト値は「8」である。
【0027】
基準温度準備用格納位置Iaは、警戒時に基準温度を書き換えるまでの間に、更新された基準温度格納位置を保持する領域であり、また、基準温度位置準備用位置データIaの初期値は、基準位置Iである。
【0028】
定温の閾値Lは、各熱センサ毎に設定され、0≦L≦300℃の範囲で1℃ピッチで変更可能であり、定温の閾値Lのデフォルト値は「60」である。
【0029】
マスク位置設定データKは、火災監視を行わない熱センサを指定するデータである。
【0030】
閾値オーバーフラグQは、測定温度が定温の閾値Lを1回目に越えたときに「1」になるフラグであり、閾値オーバーフラグQの初期値は「0」である。
【0031】
グループ設定データGは、火災信号を火災受信機REに出力する場合の接点を指定するデータであり、火災判断がグループ単位で火災受信機REに出力され、1≦G≦10であり、グループ設定データGのデフォルト値は「1」である。
【0032】
平均値Avgは、基準温度格納部R1に格納される基準温度データである。
【0033】
データを格納する領域として、基準温度格納部R(100個の熱センサ×16回分の格納領域)と、測定温度データ格納部Dと、平均温度演算用格納部M1、M2と、その他諸設定を格納する領域とが必要である。
【0034】
温度測定周期を3.0秒とするとき、3回測定した平均値を基準温度格納部R1に格納することができ、格納データをシフトする基準温度格納部がR1〜R16の16個あるので、3.0秒×3回×16個=144秒前に測定した温度データを基準とした温度上昇率を測定することができ、格納されるデータが平均値であるので、特異な数値となることを防止することができ、領域を縮小することができることになる。
【0035】
次に、上記実施例における具体的な動作について説明する。
【0036】
図4は、上記実施例における具体的な動作を示すフローチャートである。
【0037】
まず、通常監視時における動作について説明する。
【0038】
測定温度データ群Dn=(n,A1〜A100)を収集し、格納部Dに格納する(S1)。つまり、温度測定周期を3秒とし、熱センサSE1〜SE100のそれぞれにおける温度上昇率を測定する。最初に測定された測定温度データ群(データA1〜A100)を、測定温度データ群D1=(1,A1〜A100)と表現すると、測定温度データ群D1が、測定温度格納部Dに格納される。なお、測定温度データ群D1が測定された後、順次、測定温度データ群D2=(2,A1〜A100)、測定温度データ群D3=(3,A1〜A100)、……、測定温度データ群Dn=(n,A1〜A100)が測定される。
【0039】
そして、次の温度測定時には、測定温度格納部Dに書き込まれていた測定温度データ群D1が、平均温度演算用格納部M1に送られ、測定温度データ群D2が測定温度格納部Dに新たに書き込まれる。さらに、3回目の温度測定時に、測定温度データ群D1は、平均温度演算用格納部M2に送られ、平均温度演算用格納部M1に書き込まれていた測定温度データ群D2は、測定平均温度格納部Dに順次送られ、測定温度データ群D3が測定温度格納部Dに書き込まれる。測定温度格納部D、平均温度演算用格納部M1、M2が、温度測定データ群D1、D2、D3で満たされると、これら測定温度データ群D1、D2、D3の平均値を求める。つまり、(D+M1+M2)/3を演算する。この演算された測定温度データ群の平均値が基準温度データとして、基準温度格納部Rの最前部領域R1に格納され、格納部D、M1、M2に格納されている内容をクリアする。
【0040】
ここで、温度データの収集回数nが1であれば(S2)、基準温度格納部R1〜R15の全てに、格納部Dに格納されているデータを格納する(S3)。
【0041】
その後、上昇温度データ群Snが演算される(S4)。つまり、測定温度格納部Dに最新に格納された測定温度データ群Dnから、そのときに基準温度格納位置Iによって指定された位置に格納されている基準温度R(I)を減算する(S4)。なお、通常時は、基準温度格納位置I=通常時基準位置Eであり、通常時基準位置Eがたとえば基準温度格納部R8であれば、測定温度データ群Dnから格納部R8のデータを減算することになる。
【0042】
そして、定温式の火災判定を行う。すなわち、基準温度格納部Dに格納されている測定温度データ群Dnと各熱センサ毎の定温式の温度閾値Lとを比較し(S5)、通常監視時であれば、D<Lである。また、上昇温度データ群Snと各熱センサ毎の上昇温度閾値Sとを比較することによって、差動式の火災判定をする(S6)。この場合、通常監視時は、Sn<Sであり、さらに上昇温度データ群Snと各熱センサ毎の警戒上昇温度閾値Pとを比較することによって、警戒上昇温度を判定する(S7)。ここで、通常監視時は、Sn<Pであり、基準温度格納位置Iを通常時基準位置Eに設定する(S8)。
【0043】
次に、温度データの平均値を計算する。つまり、格納部M1、M2の状態を判断し(S9)、格納部M1、M2がクリアされていなければ、Iの内容をIaに書き換え(S10)、各熱センサ毎に平均温度avg=(D+M1+M2)/3を計算し、この計算結果を格納部R1に格納し、基準温度格納部R1〜R15に格納されているデータをR16に向ってシフトする(S11)。
【0044】
ここで、平均温度avgが、基準温度格納部R1〜R16に格納されているデータの中で最も低い温度である場合、基準温度格納部R1〜R16の内容を全て、平均温度avgの値に変える(S12)。また、基準値が一番低い値になればよいので、基準温度格納部Iに示された位置まで書き換えれば足り、また、基準温度位置Iの位置のデータのみと比較して平均温度avgに書き換えてもよく、この場合、全てのデータと個別に比較しなくてもよい。
【0045】
また、格納部M1、M2がクリアされている場合(S9)、格納部M1にデータが存在していれば、格納部M1のデータを格納部M2に移し、格納部Dのデータを格納部M1に移し、一方、格納部M1、M2にデータが格納されていなければ、格納部Dのデータを格納部M1に移す(S13)。
【0046】
次に、上記実施例において、急激な温度上昇であるが高温ではない場合の動作について説明する。
【0047】
まず、温度測定、平均値の作成、基準温度の書き換え、上昇温度の算出を行う(S1〜S4)。そして、定温式の火災判定を行い(S5)、高温でないので、Dn<Lになり、通常監視状態を継続し、差動式の火災判定を行い(S6)、Sn>Sになれば、この熱センサで「火災」が発生していると仮に判定され、各熱センサにおける判定を行う(S21)。そして各熱センサにおける火災判定結果を参照し、火災であると仮に判定された点在する熱センサの数Bnが、火災判定ポイント数B以上であれば、火災信号を受信機REへ出力する(S22)。
【0048】
ここでは、火災と判別された熱センサが点在する数を求めているが、このように、温度が上昇している熱センサが連続して所定数存在しているときに火災信号を出力させることによって、暖房機器の電源投入時等のように一部で急峻な温度上昇が生じた場合に、誤った火災信号の出力を防止することができる。つまり、このときの熱センサの求め方を、連続して存在する熱センサの数とすることによって、火災の発生および拡がりに対応した適正な火災判別を実行することができる。また、各熱センサを監視区域毎にグループ分けし、設置場所によっては、信号線Lを折り返すことも考えられ、この場合には、連続して存在する数を求める代わりに、同一グループ内において、所定の条件を満している熱センサの数を求めることによって、適正な火災判別を実行することができる。
【0049】
このような分布型の火災判別では、各熱センサでの火災と判定する温度上昇率は、差動式スポット型の火災判別における温度上昇率よりも低いレベルであり、たとえばスポット型では一般的に約10度/分であり、この実施例では約5度/分程度となる。
【0050】
さらに、連続して存在する熱センサの数とグループ内での熱センサの数とのいずれを採用するかを設定する設定領域を設け、連続して存在する熱センサの数とグループ内での熱センサの数とを切り換えることができるようにすることが好ましい。
【0051】
次に、上記実施例において、差動式の閾値(差温閾値)付近を継続的に緩慢に温度上昇し、定温式の閾値を越える場合の動作について説明する。
【0052】
次に、上記実施例において、差動式の閾値(差温閾値)付近を温度が緩慢に上昇変化する場合の動作について説明する。
【0053】
まず、温度測定、平均値の作成、基準温度の書き換え、上昇温度の算出を行う(S1〜S4)。そして、定温式の火災判定を行い(S5)、高温でないので、Dn<Lになり、通常監視状態を継続し、差動式の火災判定を行い(S6)、差動式の閾値(差温閾値)は上回らないが差動式の閾値(差温閾値)付近の温度上昇率で、温度が緩慢に上昇する場合、Sn<Sであり、通常監視状態を継続する。
【0054】
そして、上昇温度データ群Snと各熱センサ毎の警戒上昇温度閾値Pとを比較することによって、警戒上昇温度判定を行い(S7)、差動式の閾値(差温閾値)付近を上昇温度が緩慢に変化するので、P≦Snになり、上昇温度データ算出のための基準値を維持する動作を行う(S31)。つまり、基準位置準備用データIaの値を基準位置データI+1にし、次回の基準温度書き換え時に、基準位置準備用データIaを基準温度格納位置Iに移動し、基準温度データ格納部Rにおける基準温度位置R(I)を1つ後方の位置へ移動する。つまり、基準温度格納部R(I+1)へ移動する。このようにすることによって、上昇温度測定時の基準時間を延長したことになり、同じ基準値との間で温度上昇率を演算することになるので、火災の早期検出につながる。すなわち、基準値が移動すると温度が高くなる傾向があるので、同じ基準値で上昇温度を演算することによって、本来の基準値よりも低い基準値で演算することになり、大きな上昇率となり、積極的に火災と判別することができる。
【0055】
まず、温度測定、平均値の作成、基準温度の書き換え、上昇温度の算出を行う(S1〜S4)。そして、定温式の火災判定を行い(S5)、高温なので、Dn>Lになり、警戒時の判定が繰り返される間に、最初にDn≧Lになった場合(S5)、閾値オーバーフラグQがまだ「0」であるので(S41)、閾値オーバーフラグQを「1」にセットし(S42)、差動式の火災判別に入っていく。そして、温度測定をもう一度実行し(S1)、再びDn≧Lになれば(S5)、このときには閾値オーバーフラグQが「1」であるので(S41)、火災信号を受信機REへ送信する(S22)。
【0056】
定温式の火災判定を行う場合、1つの熱センサにおいて定温式の温度閾値Lを2回連続して越えると、火災信号を出力するようにしており、これによって、突発的な異常データによる火災信号の誤発報を防止するようにしている。また、グループ内の1つのセンサでも温度閾値Lを越えると、火災信号を出力するので、火災の早期検出が可能である。
【0057】
なお、マスクの有無、グループ番号、上昇温度閾値(差温閾値)S、定温の閾値L、通常時基準位置Eを、熱センサ毎に、予め設定する。データベースが設定されていない場合、火災警報装置FA1は起動しないので、何らかのエラー信号を出力し、これを防止するために、上記値を予め設定する。設定値を変更する場合、RS232Cを介して、外部パソコンによって設定値を変更する。RS232Cを介して、パソコンによって、温度、測定時刻、上昇温度、データ格納状況を確認することができる。
【0058】
また、図4に示すフローチャートに対応するプログラムが格納部3に格納されている。格納部3Cの代わりに、不揮発性半導体メモリ、バックアップ付きRAM、FD、CD、ハードディスク、磁気テープ等の他の記録媒体を使用してもよい。
【0059】
ところで、差動式の火災判別アルゴリズムとして、従来例では、所定時間前のレベルとの差温を演算し、その差温が所定温度差を上回ると、火災であるとする方式が採用されている。この場合、現在の検出値から所定時間前の検出値を全て格納して比較する必要がある。通常、火災発生時に室温が徐々に上昇し、差温が徐々に大きくなれば、火災の可能性が高い。そこで、差温を演算するための基準温度として、所定時間に測定した温度データを固定して使用すれば、差温が大きくなる傾向になる。したがって、上記実施例においては、差温が所定温度差(差温閾値)を上回らなくても、上記所定温度差(差温閾値)よりも僅かに低い予備値(差温警戒閾値)を差温が越えると、差温を演算するための基準温度を固定する(所定時間前に測定された温度データを固定する)。この結果、上記実施例では、火災が積極的に判断される。つまり、一般的には、火災と判別されるレベルを低く設定したとしても、火災を判別することが困難であるが、特に広い空間において領域的な判別要素を持っている場合、上記実施例では、基準温度を上昇させないことによって、素早い火災検出を実行することができる。
【0060】
また、上記実施例において、格納しようとする検出値が、既に格納されている全ての検出値よりも低いときに、その全ての検出値を、格納しようとする検出値によって書き換えるので、室温が徐々に低下しているような環境下で火災が発生しても、気温が一定(不変)であるときに火災が発生した場合に火災判別するのと同等の時期に、火災を検出することができる。
【0061】
上記実施例によれば、スポット的に火災を判別する場合には、所定の温度または所定の温度上昇を検出することによって、火災を判別することになるが、信号線L上に熱センサがライン状に配設されるので、温度上昇の広がりを同時に検出することができる。また、上記実施例において、信号線Lにおける点在する熱センサのうちで所定数の熱センサが所定の温度上昇を検出したときに火災であると判別するので、領域的に火災判別することができ、したがって、火災が緩慢に(ゆっくりと)広がった場合でも、火災を早期に検出することができる。
【0062】
また、上記実施例において、室等の監視区画毎に対応して、信号線L上の熱センサをグループ分けし、その1つのグループ内における所定数の熱センサにおいて所定の温度上昇を検出したときに火災であると判別するので、領域的に火災判別することができ、したがって、火災が緩慢に広がった場合でも、火災を早期に検出することができ、しかも、監視区画内の特定位置において火災以外の原因で温度が急上昇しても、火災であると誤って判断されることがない。
【0063】
さらに、上記実施例において、火災が急速に広がった場合には、スポット的な判別との組み合わせによって火災判別するので、遅れのない火災判別を行うことができる。
【0064】
また、上記実施例においては、信号線Lに複数の熱センサを設定し、各熱センサ毎に上昇温度を演算することによって火災を判別し、その火災とされる熱センサの数を求めているが、火災判別のアルゴリズムとして、差動式の代わりに定温式を採用してもよく、同様に、平均値に一定値を加算した定温式や時間的要素含む判別等、その他の火災判別アルゴリズムを採用するようにしてもよい。
【0065】
上記実施例において、100個の熱センサSE1〜SE100が設けられているが、熱センサの数を任意に設定するようにしてもよい。
【0066】
上記実施例における火災判別において、熱センサSE自体で判別し、火災受信機REに火災信号を出力するようにしてもよく、また、火災受信機REにおいて、同一空間に設置されている複数の熱センサSEのうちで、上昇温度が基準値を越える熱センサSEの数が所定数になったときに、火災警報を行うようにしてもよい。この場合、1つの熱センサが出力するデータのみに基づいて火災警報を行う従来例と比較すると、上記基準値として低い値を設定しても、拡散された熱気流から検出した温度に基づいて、信頼性のある火災警報を行うことが可能であり、大空間Hや高天井の空間において確実に火災警報を行おうとする場合に非常に有効である。
【0067】
さらに、同一空間に設置されている熱センサSEが、赤外線通信のように無線で情報を伝達し、熱センサSE自体が、所定の条件を満たす熱センサSEの数を計数し、この計数した値が所定の値を越えたときに、当該熱センサSEが火災受信機REに火災信号を出力するようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、感熱素子が検出した温度の上昇率が小さくても、火災であることを、迅速かつ確実に判別することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である差動式火災警報装置FA1を示す図である。
【図2】火災警報装置FA1に使用されている火災受信機REと、熱センサSE1との構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】上記実施例における格納データの構成の説明図である。
【図4】上記実施例における具体的な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
RE…火災受信機、
SE1〜SE100…熱センサ、
A1〜A100…温度測定データ、
D…測定温度データ格納部、
M1、M2…平均温度演算用格納部、
R、R1〜R16…基準温度格納部、
S…上昇温度閾値設定値、
Sn…上昇温度、
B…火災判定温度センサ数の閾値、
Bn…温度センサ数、
I…基準温度格納位置、
Ia…基準温度準備用格納位置、
E…通常時基準位置、
avg…平均値、
L…定温の閾値、
Q…閾値オーバーフラグ。

Claims (2)

  1. 信号線を介して熱センサが大空間や高天井に点在して配置されている差動式火災警報装置であって、
    上記熱センサが検出した温度を上記熱センサ毎に取り込む温度取込手段と;
    上記温度取込手段が取り込んだ温度を順次格納し、この順次格納された温度の中の所定時間前に上記温度取込手段が取り込んだ温度を基準温度として設定し、また、時間の経過に伴って、上記基準温度を更新する基準温度設定手段と;
    上記温度取込手段が取り込んだ温度と上記基準温度との差温を演算する差温演算手段と;
    上記差温に基づいてグループ内の所定数以上の熱センサにおける温度上昇が所定の差温閾値を超えたときに火災が発生していることを判別する火災判別手段と;
    所定の差温警戒閾値を設定する差温警戒閾値設定手段と;
    上記差温演算手段によって演算された差温が上記設定された差温警戒閾値を越えると、上記基準温度設定手段に対して、上記基準温度の更新を停止する基準温度停止手段と;
    を有することを特徴とする差動式火災警報装置。
  2. 請求項1において、
    定温式火災判断手段をも有することを特徴とする差動式火災警報装置。
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